JP2000327632A - 液晶性(メタ)アクリレート化合物、該化合物を含有する液晶組成物及びこれを用いた光学異方体 - Google Patents

液晶性(メタ)アクリレート化合物、該化合物を含有する液晶組成物及びこれを用いた光学異方体

Info

Publication number
JP2000327632A
JP2000327632A JP11135035A JP13503599A JP2000327632A JP 2000327632 A JP2000327632 A JP 2000327632A JP 11135035 A JP11135035 A JP 11135035A JP 13503599 A JP13503599 A JP 13503599A JP 2000327632 A JP2000327632 A JP 2000327632A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
liquid crystal
compound
formula
coo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11135035A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4352117B2 (ja
Inventor
Hiroshi Hasebe
浩史 長谷部
Hiroshi Shimizu
洋 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Chemical Innovation Institute
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Japan Chemical Innovation Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology, Japan Chemical Innovation Institute filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP13503599A priority Critical patent/JP4352117B2/ja
Publication of JP2000327632A publication Critical patent/JP2000327632A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4352117B2 publication Critical patent/JP4352117B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
    • C09K2019/0444Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a linking chain between rings or ring systems, a bridging chain between extensive mesogenic moieties or an end chain group
    • C09K2019/0448Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a linking chain between rings or ring systems, a bridging chain between extensive mesogenic moieties or an end chain group the end chain group being a polymerizable end group, e.g. -Sp-P or acrylate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
    • C09K2019/0477Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by the positioning of substituents on phenylene
    • C09K2019/0481Phenylene substituted in meta position

Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電率の異方性が正であり、重合後に透明
性、耐熱性に優れた光学異方体を得ることができる液晶
性(メタ)アクリレート化合物及び該化合物を含有する液
晶組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)の液晶性(メタ)アクリレ
ート化合物を用いる。 【化1】 (式中、L1、L2は水素原子またはメチル基、Sp1、Sp2
炭素原子数2から12を有するアルキレン基、X1、X2は-O-
等、6員環Aは1,3,4-ベンゼントリイル基等、6員環B,C
は1,4-フェニレン基等、Y1は-COO-等、Y2は単結合等を
表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学、表示、記録
材料、液晶ディスプレイの光学補償板や偏光プリズム材
料として利用される新規な液晶性(メタ)アクリレート
化合物、該化合物を含有する液晶組成物及び、これを用
いた光学異方体に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶物質は、TN(ツイステッド・ネマ
チック)型やSTN(スーパー・ツイステッド・ネマチ
ック)型に代表されるディスプレイ素子等の液晶分子の
可逆的運動を利用した表示媒体へ応用されている。これ
ら以外にも、液晶物質は、近年、その配向性と屈折率、
誘電率、磁化率等の物理的性質の異方性を利用して、位
相差板、偏光板、偏光プリズム、各種光フィルター等の
光学異方体への応用が検討されている。このような液晶
物質を構成材料とする光学異方体には、安定で均一な光
学特性が必要とされ、そのためには、液晶状態における
液晶分子の配向状態構造を半永久的に固定化することが
必須である。
【0003】液晶状態における液晶分子の配向状態構造
を半永久的に固定化する手段としては、重合性官能基を
有する液晶性化合物又はこのような化合物を含有する重
合性液晶組成物を、液晶状態で配向させた後、その状態
で紫外線等のエネルギー線を照射することによって高分
子化させる方法が知られている。特に、誘電率の異方性
が正である重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物を用
いた場合、電界の印加により配向を制御することでき、
精密な配向構造を有する光学異方体が製造可能である。
そのため、誘電率の異方性が正である重合性液晶化合物
又は重合性液晶組成物の光学異方体製造への応用が期待
されている。
【0004】このような技術に適用できる重合性官能基
及びシアノ基を有する液晶材料が、特開昭62−704
06号公報、特開平4−227611号公報等に開示さ
れている。しかしながら、特開昭62−70406号公
報に開示された材料は、液晶相を呈する温度が高いた
め、配向工程において、望ましくない熱重合が誘起さ
れ、均一性に優れた光学異方体を作製できないという問
題があった。
【0005】特開平4−227611号公報には、この
問題を解決するため、室温で液晶相を発現するように組
成設計した材料が開示されている。しかしながら、重合
性官能基が一つの分子につき、一つ有するのみであった
ので、重合時の架橋密度が小さく、作製した光学異方体
の耐熱性が十分でないという問題があった。
【0006】一つの分子につき2つの重合性官能基及び
シアノ基を有し、かつ室温で液晶相を呈する液晶材料
が、PCT国際公開WO97/14674に開示されて
いる。しかしながら、このような材料は1分子中にベン
ゼン環やシクロヘキサン環等の6員環を6つ有してお
り、分子量が約800程度と大きい。液晶ディスプレイ
の分野で使用されている非重合性の液晶材料の(平均)
分子量は約250〜450程度であるのに対して、この
ように(平均)分子量が大きいと、粘度を増大させ、均
一な配向状態を得るのに時間がかかるという問題を生じ
てしまう。特に、配向状態を領域毎に変える配向分割技
術を用いる場合には、粘度が高いと配向が安定するまで
に30分以上の時間が必要な場合があるため、光学異方
体の製造プロセスの効率を著しく悪化させてしまうとい
う問題があった。
【0007】誘電率の異方性が正であり、室温で液晶相
を呈し、(平均)分子量が約250〜450程度と小さ
く、かつ重合後の光学異方体の耐熱性にすぐれる液晶材
料が、特開平8−21915号公報に開示されている。
しかしながら、この重合性液晶材料を用いて膜厚が30
ミクロン以上の光学異方体を作製した場合、光学異方体
が白濁し、透明度が悪化してしまうという問題があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする課題は、誘電率の異方性が正であり、重合
後に透明性、耐熱性に優れた光学異方体を得ることがで
きる液晶性(メタ)アクリレート化合物及び該化合物を
含有する液晶組成物、さらには(平均)分子量が約25
0〜450程度と低く、均一な配向状態を得ることがで
き、室温で液晶相を呈し、かつ重合後には均一性、耐熱
性及び透明性に優れた光学異方体を得ることができる液
晶組成物、およびこれら液晶組成物から得られる光学異
方体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、重合性液
晶材料の化学構造と液晶温度範囲との相関、及び重合後
に得られる光学異方体の透明性との相関について鋭意検
討した結果、シアノ基が付与された特定の化学構造を有
する液晶性(メタ)アクリレート化合物の使用により、
上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明の液晶性(メタ)アクリレート
化合物は、下記一般式(I)で表されることを特徴とす
る。
【0010】
【化5】
【0011】(式中、L1、L2はそれぞれ独立的に水素
原子またはメチル基を表し、X1、X2はそれぞれ独立的
に単結合、−O−、−COO−、または−OCO−を表
し、Sp1 、Sp2 は炭素原子数1から20のスペーサ
ー基を表し、6員環Aは1,3,4−ベンゼントリイル
基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,3,4−
ベンゼントリイル基、1,3,4−シクロヘキサントリ
イル基、1つ又は隣接しない2つのCH2 基が酸素原子
又は硫黄原子で置換された1,3,4−シクロヘキサン
トリイル基、またはシクロヘキセン−1,3,4−トリ
イル基を表し、6員環Aの水素原子は、さらに炭素原子
数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル
基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていても
良く、6員環B、Cはそれぞれ独立的に、1,4−フェ
ニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4
−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1つ又
は隣接しない2つのCH2 基が酸素原子又は硫黄原子で
置換された1,4−シクロヘキシレン基、またはシクロ
ヘキセン−1,4−ジイル基を表し、これらの6員環B
とCの水素原子は、さらに炭素原子数1〜7のアルキル
基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基、または
ハロゲン原子で1つ以上置換されていても良く、Y1
2はそれぞれ独立的に単結合、−CH2CH2−、−C
2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C
≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(C
24−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2
2−、−CH=CH−CH2CH2−、−CH2CH2
CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−C
H=CH−、または−OCO−COO−を表す。)
【0012】また、本発明の液晶性(メタ)アクリレー
ト化合物は、上記一般式(I)において、L1及びL2
水素原子であり、Sp1、Sp2が炭素原子数2から12
を有するアルキレン基であり、X1、X2が−O−であ
り、6員環Aが1,3,4−ベンゼントリイル基であ
り、6員環B、Cが1,4−フェニレン基であり、Y1
が−COO−であり、Y2 が単結合であることが望まし
い。また、本発明の液晶組成物は、上記液晶性(メタ)
アクリレート化合物を含有し、液晶相を呈することを特
徴とする。また、本発明の液晶組成物は、さらに下記一
般式(II)で表される液晶性(メタ)アクリレート化
合物を含有することが望ましい。
【0013】
【化6】
【0014】(式中、L3 は水素原子またはメチル基を
表し、nは0又は1の整数を表し、6員環D、E、Fは
それぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、隣接しない
CH基が窒素で置換された1,4−フェニレン基、1,
4−シクロヘキシル基、1つ又は隣接しない2つのCH
2 基が酸素原子又は硫黄原子で置換された1,4−シク
ロヘキシル基、または1,4−シクロヘキセニル基を表
し、これらの6員環D、E、Fの水素原子は、さらに炭
素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノ
イル基、シアノ基、またはハロゲン原子で一つ以上置換
されていても良く、Y3、Y4はそれぞれ独立的に単結
合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−C
OO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−
CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2
−、−OCH2CH2CH2−、−CH=CH−CH2CH
2−、−CH2CH2−CH=CH−、−CH=CH−C
OO−、−OCO−CH=CH−を表し、Y5 は単結
合、−O−、−OCO−、−COO−、または−CH=
CH−COO−を表し、Z1 は水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基、または炭素原子1〜20の炭化水素基を
表す。)
【0015】また、本発明の液晶性(メタ)アクリレー
ト化合物は、一般式(II)で表される液晶性(メタ)
アクリレートの中でも、下記一般式(III)及び一般
式(IV)で表される液晶性(メタ)アクリレート化合
物を含有することがさらに望ましい。
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】(式中、L4、L5は水素原子またはメチル
基を表し、R1、R2は炭素原子数1〜10のアルキル基
を表す。) また、本発明の液晶組成物は、摂氏25度において液晶
相を呈することが望ましい。また、本発明の光学異方体
は、上記液晶組成物の重合体から構成されることを特徴
とする。
【0019】
【発明の実施の形態】上記一般式(I)で表される本発
明の液晶性(メタ)アクリレート化合物(以下、本発明
の化合物という)は、分子長軸方向にシアノ基が付与さ
れているため、例えば、特開平8−3111号公報に開
示されているような分子量が約250〜450程度と小
さい重合性液晶材料に少量添加すると、液晶組成物の誘
電率の異方性を正にすることができる。本発明の化合物
は、分子内に2つの重合性官能基を有しているため、一
つの分子内に1つ重合性官能基を有している化合物と比
較して、重合時における架橋密度の低下がなく、耐熱性
に優れた光学異方体の製造が可能になる。
【0020】また、例えば、特開平8−3111号公報
に開示されているような重合性液晶材料に本発明の化合
物を少量添加して調製した液晶組成物を用いて、光学異
方体を作製すると、添加しなかった場合と比較して、液
晶組成物の(平均)分子量及び粘度を著しく増大させる
ことなく、透明性を改善することができる。本発明の化
合物の分子量は約500〜1000程度となるが、添加
量は少量であるので、液晶組成物の(平均)分子量の著
しい上昇は避けることができる。
【0021】本発明の化合物の添加により、重合により
得られる光学異方体の透明性が改善される理由は必ずし
も明らかではない。しかし、6員環Aに−X1−Sp1
OCOC(L1)=CH2で表される側鎖基が、連結基Y
1 に対してメタ位に位置しているという構造上の特徴が
関係していると考えられる。本発明の化合物のように−
1−Sp1−OCOC(L1)=CH2で表される側鎖基
の伸長方向が、液晶骨格の長軸方向に平行でない場合、
分子の直線性が減ぜられる。この減ぜられた直線性によ
り、光重合過程における液晶分子の配向状態に何らかの
変化が誘起されたものと考えられる。また、分子の直線
性が減ぜられると、結晶性が低下する。これにより、本
発明の化合物を室温で液晶性を呈するような液晶組成物
に添加しても、結晶相−液晶相転移温度を上昇させにく
い。つまり、特開平8−3111号公報に開示されてい
るような重合性液晶組成物に添加しても、室温での液晶
性を損ねにくいという特徴がある。
【0022】本発明の化合物において、L1、L2はそれ
ぞれ独立的に、水素原子またはメチル基を表す。L1
2として水素原子を選択した方が、メチル基を選択し
た場合よりも、光重合時における反応性が高い。従っ
て、光重合が迅速に進行する材料が必要な時には水素原
子を選択するのが好ましく、反応性を低く調節する必要
があるときには、L1、L2のうち、どちらか1つ、もし
くは両方にメチル基を選択するのが好ましい。
【0023】Sp1、Sp2は炭素原子数1から20のス
ペーサー基を表す。このようなスペーサー基としては、
隣接しない炭素原子が、酸素原子、カルボニル基、エス
テル基で置換されていても良い直鎖アルキレン基、分岐
アルキレン基を挙げることができる。これらのスペーサ
ー基中の水素原子は、フッ素原子等のハロゲン原子で置
換されていても良い。スペーサー基としては、粘度の低
減という観点から、置換されていない直鎖アルキレン
鎖、及び分岐アルキレン鎖を選択するのが好ましく、置
換されていない直鎖アルキレン鎖が特に好ましい。炭素
原子数は、1〜20が好ましく、2〜12がさらに好ま
しく、3〜8が特に好ましい。炭素原子数が多くなる
と、分子量が増大し、粘度が高くなってしまう傾向があ
り、炭素原子数が少なくなると、化合物の結晶−液晶相
転移温度が高くなってしまう傾向がある。
【0024】X1、X2はそれぞれ独立的に、−COO
−、−OCO−、または−O−を表す。化合物の加水分
解による劣化を最低限に抑制するためには、単結合、ま
たは−O−を選択するのが好ましい。
【0025】6員環Aは、1,3,4−ベンゼントリイ
ル基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,3,4
−ベンゼントリイル基、1,3,4−シクロヘキサント
リイル基、1つ又は隣接しない2つのCH2 基が酸素原
子又は硫黄原子で置換された1,3,4−シクロヘキサ
ントリイル基、またはシクロヘキセン−1,3,4−ト
リイル基を表す。6員環Aの水素原子は、さらに炭素原
子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル
基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていても
良い。
【0026】6員環Aは、複屈折率の大きな化合物が必
要な場合には、共役系が分子の長軸方向に伸びている必
要があるので、炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコ
キシ基、アルカノイル基、シアノ基、またはハロゲン原
子で1つ以上置換されていても良い1,3,4−ベンゼ
ントリイル基、または、さらに隣接しないCH基が窒素
で置換された1,3,4−ベンゼントリイル基を選択す
るのが好ましい。逆に、複屈折率の小さな化合物が必要
な場合には、6員環Aとしては炭素原子数1〜7のアル
キル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基、ま
たはハロゲン原子で1つ以上置換されていても良い1,
3,4−シクロヘキサントリイル基、または、さらに1
つ又は隣接しない2つのCH2 基が酸素原子又は硫黄原
子で置換された1,3,4−シクロヘキサントリイル
基、シクロヘキセン−1,3,4−トリイル基を選択す
るのが好ましい。
【0027】6員環Aへ置換基の導入は、結晶−液晶相
転移温度の低減効果をもたらすが、同時にまた、分子量
の増大も招く。従って、置換基としてのハロゲン原子は
原子量が比較的小さいフッ素原子が特に好ましい。ま
た、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基を選択
する場合、炭素原子数は5以下がさらに好ましく、3以
下が特に好ましい。
【0028】6員環B、Cはそれぞれ独立的に、1,4
−フェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された
1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、
1つ又は隣接しない2つのCH2 基が酸素原子又は硫黄
原子で置換された1,4−シクロヘキシレン基、または
シクロヘキセン−1,4−ジイル基を表す。これら6員
環BとCの水素原子は、さらに炭素原子数1〜7のアル
キル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基、ま
たはハロゲン原子で1つ以上置換されていても良い。
【0029】6員環B、Cは、複屈折率の大きな化合物
が必要な場合には、共役系が分子の長軸方向に伸びてい
る必要があるので、炭素原子数1〜7のアルキル基、ア
ルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基、またはハロゲ
ン原子で1つ以上置換されていても良い1,4−フェニ
レン基、または、さらに隣接しないCH基が窒素で置換
された1,4−フェニレン基を選択するのが好ましい。
逆に複屈折率の小さな化合物が必要な場合には、6員環
B、Cとしては炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコ
キシ基、アルカノイル基、シアノ基、またはハロゲン原
子で1つ以上置換されていても良い1,4−シクロヘキ
シレン基、または、さらに1つ又は隣接しない2つのC
2 基が酸素原子又は硫黄原子で置換された1,4−シ
クロヘキシレン基、シクロヘキセン−1,4−ジイル基
を選択するのが好ましい。
【0030】6員環B又はCへの置換基の導入も、結晶
−液晶相転移温度の低減効果をもたらすが、同時にま
た、分子量の増大も招く。従って、置換基としてのハロ
ゲン原子は原子量が比較的小さいフッ素原子が特に好ま
しい。また、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル
基を選択する場合、炭素原子数は5以下がさらに好まし
く、3以下が特に好ましい。
【0031】Y1、Y2はそれぞれ独立的に単結合、−C
2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、
−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=C
F−、−(CH24−、−CH2CH2CH2O−、−O
CH2CH2CH2−、−CH=CH−CH2CH2−、−
CH2CH2−CH=CH−、−CH=CH−COO−、
−OCO−CH=CH−、または−OCO−COO−を
表す。Y1、Y2は、複屈折率の大きな化合物が必要な場
合には、共役系が分子の長軸方向に伸びている必要があ
るので、単結合、−COO−、−OCO−、−C≡C
−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−CH=
CH−COO−を選択するのが好ましい。逆に、複屈折
率の小さな化合物が必要な場合には、−CH2CH2−、
−CH2O−、−OCH2−、−(CH24−、−CH2
CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、または−C
2CH2CH2CH2−を選択するのが好ましい。
【0032】置換基L1、L2、6員環A、B、C、連結
基Y1、Y2、X1、X2、Sp1 、Sp2 の選択につい
て、主に化合物の複屈折率を基準として述べたが、本発
明の化合物の目的は、誘電率の異方性が正であり、重合
後に透明性に優れた光学異方体を得ることができる液晶
性(メタ)アクリレート化合物及び該化合物を含有する
液晶組成物、さらには(平均)分子量が約250〜45
0程度と低く、均一な配向状態を得ることができ、室温
で液晶相を呈し、かつ重合後には均一性、耐熱性及び透
明性に優れた光学異方体を得ることができる液晶組成物
を提供することにあるので、この目的を逸脱することの
無いよう留意する必要がある。
【0033】上記一般式(I)で表される本発明の化合
物の中でも、L1及びL2が水素原子であり、Sp1、S
2が炭素原子数2から12を有するアルキレン基であ
り、X 1、X2が−O−であり、6員環Aが1,3,4−
ベンゼントリイル基であり、6員環B、Cが1,4−フ
ェニレン基であり、Y1 が−COO−であり、Y2 が単
結合であるものは、化合物単体の液晶温度範囲を100
℃以下に抑制することが可能であり、製造も容易である
ことから有用である。
【0034】本発明の化合物は、−X2−Sp2−OCO
C(L2)=CH2で表される側鎖基が連結基Y1 に対し
てパラ位に結合しているのに加え、−X1−Sp1−OC
OC(L1)=CH2で表される側鎖基が連結基Y1 に対
してメタ位に結合していることが特徴であることを除け
ば、液晶骨格を形成する化学構造は液晶材料の技術分野
において特別なものではない。従って、本発明の化合物
は、従来の液晶化合物の技術分野で確立された合成方法
を、ほぼそのまま適用して合成することができる。例え
ば、ワイリー社刊(WILEY−VCH)のハンドブッ
クオブリキッドクリスタルズ(Handboook o
f liquid crystals)全4巻中の第1
巻の第4章や、第2巻の第3〜5章に記載されている一
般的な合成方法を、ほぼ適用することができる。また、
特表平6−507987号公報等に開示されている方法
も、適用可能である。
【0035】6員環Aが1,3,4−ベンゼントリイル
基、6員環B、Cが1,4−フェニレン基、Y1が−C
OO−、Y2が単結合の場合には、例えば、以下の合成
方法が適用できる。
【0036】
【化9】
【0037】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(V−1)の3,4
−ジヒドロキシ安息香酸と式(V−2)で表されるアル
コール誘導体を反応させ、式(V−3)の化合物を得
て、さらに酸触媒存在下で生成する水を留去しながら
(メタ)アクリル酸と反応させることにより、式(V−
4)で表される安息香酸誘導体を得る。さらに、これを
DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)等の縮合剤
を用いることにより式(V−5)の4−シアノ−4’−
ヒドロキシビフェニルと反応させ、式(V−6)で表さ
れる本発明の化合物を合成することができる。
【0038】また、エステル結合と単結合の位置を入れ
替えて、Y1が単結合で、Y2が−COO−の場合には、
例えば、以下の合成方法が適用できる。
【0039】
【化10】
【0040】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(VI−1)の1−
ヨード−3,4−ジメトキシベンゼンと式(VI−2)
の如きフェニルグリニアール試薬をテトラキス(トリフ
ェニスホスフィン)パラジウム(0)の如き触媒を用い
て反応させ、式(VI−3)のビフェニル誘導体を得
る。この化合物とシュウ酸クロリドを用いたフリーデル
クラフツ(Friedel−Crafts)反応により
ビフェニルカルボン酸クロリド誘導体(VI−4)を得
る。次に、酸クロリド基を加水分解し、さらに、メトキ
シ基のメチル基を切断することにより、ビフェニルカル
ボン酸誘導体(VI−6)を得る。さらに、式(V−
2)のアルコール誘導体との反応、続く(メタ)アクリ
ル酸との反応により、ビフェニルカルボン酸誘導体(V
I−8)を得る。この化合物と式(VI−9)の4−シ
アノフェノールをDCC(ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド)等の縮合剤を用いることにより反応させ、式(V
I−10)で表される本発明の化合物を合成することが
できる。
【0041】また、Y1及びY2双方に−COO−を導入
する場合には、例えば、以下の合成方法が適用できる。
【0042】
【化11】
【0043】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(V−4)の安息香
酸誘導体を、塩化チオニルによって酸クロリドとし、こ
れを式(VII−1)の4−ヒドロキシベンズアルデヒ
ドと反応させ、式(VII−2)のベンズアルデヒド誘
導体を得る。アルデヒド基をクロム酸の如き酸化剤を用
いてカルボキシル基に変換後、式(VI−9)の4−シ
アノフェノールとDCC(ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド)等の縮合剤を用いることにより反応させ、式(V
II−4)で表される本発明の化合物を合成することが
できる。
【0044】また、Y1が−CH=CH−COO−で、
2が単結合の場合には、例えば、以下の合成方法が適
用できる。
【0045】
【化12】
【0046】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(VIII−1)の
カフェイン酸をメタノールと硫酸を用いてメチルエステ
ルにする。続いて、式(V−2)のアルコール誘導体と
の反応、メチルエステルの加水分解、さらに(メタ)ア
クリル酸との反応により、カフェイン酸誘導体(VII
I−5)を得る。これと式(V−5)の4−シアノ−
4’−ヒドロキシビフェニルをDCC(ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド)等の縮合剤を用いることにより反応
させ、式(VIII−6)で表される本発明の化合物を
合成することができる。
【0047】また、Y1及びY2が単結合の場合には、例
えば、以下の合成方法が適用できる。
【0048】
【化13】
【0049】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(IX−1)の3,
4−ジヒドロキシブロモベンゼンと式(V−2)のアル
コール誘導体とを反応させて式(IX−2)の化合物を
得る。この化合物のヒドロキシル基をベンジルエーテル
にして保護して式(IX−4)の化合物を得る。これ
と、ブチルリチウム、さらにホウ酸トリメチルと反応さ
せ、酸で加水分解することによりフェニルホウ酸誘導体
(IX−6)の化合物を得る。次に、式(V−5)の4
−シアノ−4’−ヒドロキシビフェニルとトリフルオロ
メタンスルホン酸クロリドを反応させ、式(IX−7)
のトリフルオロメタンスルホン酸エステルを得る。式
(IX−6)と式(IX−7)の化合物を、テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の如き触
媒を用いて反応させ、式(IX−8)の化合物を得る。
この化合物のベンジル基を脱保護した後、(メタ)アク
リル酸と反応させることにより、式(IX−10)で表
される本発明の化合物を合成することができる。
【0050】また、Y1が−CH=CH−で、Y2が単結
合の場合には、例えば、以下の合成方法が適用できる。
【0051】
【化14】
【0052】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(X−1)のアルデ
ヒド誘導体と臭化メトキシメチルトリフェニルホスホニ
ウムを用いてウィッティヒ(Wittig)反応を行
い、さらに加水分解することによって式(X−3)のア
ルデヒド誘導体を得る。さらに、アルデヒド基を酸化し
てカルボキシル基とした後、塩化チオニルと反応させて
酸クロリド(X−5)を得る。得られた酸クロリドとベ
ラトロールとを用いてフリーデルクラフツ反応を行いケ
トン誘導体(X−6)の化合物を得る。次に、ケトンを
アルコールに還元した後、酸触媒を用いて脱水して式
(X−8)の化合物を得る。この化合物とシュウ酸クロ
リドとを用いてフリーデルクラフツ反応を行い、酸クロ
リドとした後、アンモニアと反応させてアミド誘導体
(X−10)を得る。次に、臭化水素酸を用いて脱メチ
ル化した後、2重結合に付加してしまった臭化水素酸を
除くため、水酸化カリウムで処理し、式(X−11)の
化合物を得る。次に、塩化チオニルによる脱水、式(V
−2)のアルコール誘導体との反応、続く(メタ)アク
リル酸との反応により、式(X−14)で表される本発
明の化合物を合成することができる。
【0053】Y1が−CH2CH2−で、Y2が単結合の場
合には、例えば、以下の合成方法が適用できる。
【0054】
【化15】
【0055】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(X−13)の化合
物を水添して式(XI−1)の化合物を得る。さらに、
(メタ)アクリル酸と反応させることによって式(XI
−2)で表される本発明の化合物を合成することができ
る。
【0056】また、Y1が−COO−で、Y2が−C≡C
−の場合には、例えば、以下の合成方法が適用できる。
【0057】
【化16】
【0058】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(XII−1)の4
−ヨードフェノールのヒドロキシル基をテトラヒドロピ
ラニル基で保護した式(XII−3)の化合物を得る。
次に、この化合物と2−メチル−3−ブチン−2−オー
ルとをテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(0)及びヨウ化銅(I)の存在下で反応させて式
(XII−4)の化合物を得る。次に、この化合物と水
酸化カリウムと反応させて、式(XII−5)の化合物
を得る。さらに、この化合物と式(XII−6)の4−
ブロモベンゾニトリルとをテトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム(0)及びヨウ化銅(I)の存在
下で反応させて式(XII−7)の化合物を得る。この
化合物のテトラヒドロピラニル基を脱保護して、式(X
II−8)の化合物を得る。この化合物と式(V−4)
の安息香酸誘導体とをDCC(ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド)等の縮合剤を用いることにより反応させ、式
(XII−9)で表される本発明の化合物を合成するこ
とができる。
【0059】また、Y1が−CH2O−で、Y2 が単結合
の場合には、例えば、以下の合成方法が適用できる。
【0060】
【化17】
【0061】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(IX−4)の化合
物をグリニアール試薬にした後、ジメチルホルムアミド
と反応させ、式(XIII−1)のアルデヒド誘導体を
得る。この化合物のアルデヒド基をアルコールに還元し
て式(XIII−2)の化合物を得る。この化合物をト
シルクロリドと反応させトシル化した後、式(XIII
−4)の4−ブロモ−4’−ヒドロキシビフェニルと反
応させて式(XIII−5)の化合物を得る。これをシ
アン化銅と反応させた後、ベンジルエーテル基の脱保護
を行い、さらに(メタ)アクリル酸と反応させることに
より(XIII−8)で表される本発明の化合物を合成
することができる。
【0062】また、Y1が−CH2CH2CH2O−で、Y
2が単結合の場合には、例えば、以下の合成方法が適用
できる。
【0063】
【化18】
【0064】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(XIII−1)の
ベンズアルデヒド誘導体と臭化メトキシメチルトリフェ
ニルホスホニウムを用いてウィッティヒ反応を行い、さ
らに加水分解することによって式(XIV−1)のアル
デヒド誘導体を得る。さらに、この化合物と臭化メトキ
シメチルトリフェニルホスホニウムを用いてウィッティ
ヒ反応を行い、さらに加水分解することによって式(X
IV−2)のアルデヒド誘導体を得る。得られたアルデ
ヒド誘導体のアルデヒドをアルコールに還元して式(X
IV−3)の化合物を得る。この化合物をトシルクロリ
ドと反応させトシル化した後、4−ブロモ−4’−ヒド
ロキシビフェニルと反応させて式(XIV−5)の化合
物を得る。これをシアン化銅と反応させた後、ベンジル
エーテル基の脱保護を行い、さらに(メタ)アクリル酸
と反応させることにより(XIV−8)で表される本発
明の化合物を合成することができる。
【0065】また、Y1が−CH2CH2−CH=CH−
で、Y2が単結合の場合には、例えば、以下の合成方法
が適用できる。
【0066】
【化19】
【0067】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(XV−1)のベラ
トロールを、ホルミル化して式(XV−2)のアルデヒ
ドを得る。さらに、臭化メトキシメチルトリフェニルホ
スホニウムを用いたウィッティヒ反応とそれに続く加水
分解とからなる増炭反応を3回繰り返して、式(XV−
5)のアルデヒド誘導体を得る。次に、アルデヒドを酸
化してカルボン酸とした後、塩化チオニルと反応させ
て、式(XV−7)の酸クロリドを得る。この化合物と
式(XV−8)の4−ブロモビフェニルとを用いてフリ
ーデルクラフツ反応を行いケトン誘導体(XV−9)を
得る。さらに、ケトンをアルコールに還元した後、酸触
媒存在下で脱水し、式(XV−11)の化合物を得る。
次に、シアン化銅を用いてシアノ基を導入し、式(XV
−12)の化合物を得る。さらに、三臭化ホウ素により
脱メチル化した後、式(V−2)のアルコール誘導体と
の反応、続く(メタ)アクリル酸との反応により、式
(XV−15)で表される本発明の化合物を合成するこ
とができる。
【0068】また、Y1が−CH2CH2CH2CH2
で、Y2が単結合の場合には、例えば、以下の合成方法
が適用できる。
【0069】
【化20】
【0070】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(XV−14)の化
合物を水添し、式(XVI−1)の化合物を得る。この
化合物と(メタ)アクリル酸と反応させることにより、
式(XVI−2)で表される本発明の化合物を合成する
ことができる。
【0071】以上の合成例では、6員環A、B及びCと
もベンゼン環としたものであったが、ベンゼン環以外の
環構造も導入することが可能である。ベンゼン環の代わ
りに、シクロヘキサン環を導入する場合には、例えば、
以下の合成方法が適用できる。
【0072】
【化21】
【0073】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(XVII−1)の
シクロヘキサン−1,4−ジオンのモノケタール化合物
と式(VI−2)のフェニルグリニアール試薬を反応さ
せて、式(XVII−2)の化合物を得る。さらに、酸
触媒存在下での脱水反応、それに続く水添反応により式
(XVII−4)の化合物を得る。次に、ケタールを加
水分解した後、ケトンを還元してアルコール誘導体(X
VII−6)にした後、アルコールをアセチル基で保護
した式(XVII−7)の化合物を得る。この化合物と
シュウ酸クロリドとのフリーデルクラフツ反応を行い、
式(XVII−8)の酸クロリド誘導体を得る。次に、
アンモニアとの反応、オキシ塩化リンによる脱水反応、
ナトリウムメトキシドによるアセチル基の脱離反応によ
り、式(XVII−11)の化合物を得る。この化合物
と式(V−4)の化合物とを、DCC(ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド)等の縮合剤を用いることにより反応
させ、式(XVII−12)で表される本発明の化合物
を合成することができる。
【0074】また、シクロヘキサン環を2つ導入する場
合には、例えば、以下の合成方法が適用できる。
【0075】
【化22】
【0076】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(XVIII−1)
の4−(4−ヒドロキシフェニル)安息香酸を、エタノ
ールと硫酸を用いて、エステル化して式(XVIII−
2)の化合物にする。次に、この化合物を核還元し、式
(XVIII−3)の化合物にした後、さらにアンモニ
アと反応させ、式(XVIII−4)のアミド誘導体を
得る。次に、無水酢酸を用いてヒドロキシル基をアセチ
ル化した後、オキシ塩化リンで脱水して、式(XVII
I−6)の化合物を得る。この化合物とナトリウムメト
キシドを反応させて、脱アセチル化して式(XVIII
−7)の化合物を得る。この化合物と式(V−4)の化
合物とを、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)
等の縮合剤を用いることにより反応させ、式(XVII
I−8)で表される本発明の化合物を合成することがで
きる。
【0077】また、ピリミジン環を導入する場合には、
例えば、以下の合成方法が適用できる。
【0078】
【化23】
【0079】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(XIII−1)の
アルデヒド誘導体と臭化メトキシメチルトリフェニルホ
スホニウムを用いてウィッティヒ反応を行い、式(XI
X−1)の化合物を得る。この化合物とトリエトキシメ
タンをルイス酸存在下で反応させた後、さらに加水分解
することによって式(XIX−3)の化合物を得る。次
に、式(XIX−4)の化合物をメタノール中で塩化水
素ガスと反応させて式(XIX−5)の化合物を得る。
次に、この化合物とアンモニアを反応させて式(XIX
−6)の化合物を得る。得られた式(XIX−3)と式
(XIX−6)の化合物を塩基存在下で反応させ、式
(XIX−7)の化合物を得る。この化合物をオキシ塩
化リンと反応させて脱水後、さらにベンジル基を脱保護
することにより、式(XIX−9)の化合物を得る。最
後に、この化合物を(メタ)アクリル酸と反応させるこ
とにより式(XIX−10)で表される本発明の化合物
を合成することができる。
【0080】また、1,3−ジオキサン環を導入する場
合には、例えば、以下の合成方法が適用できる。
【0081】
【化24】
【0082】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。式(XX−1)のグリ
セロールと式(XX−2)の4−シアノベンズアルデヒ
ドを酸性のイオン交換樹脂を用いて反応させ、式(XX
−3)の化合物を得る。得られた化合物と式(V−4)
の化合物とを、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド)等の縮合剤を用いることにより反応させ、式(XX
−4)で表される本発明の化合物を合成することができ
る。
【0083】また、Sp1、Sp2のスペーサー基とし
て、それぞれ異なる鎖長を有するアルキレン鎖を導入す
る場合には、以下の合成方法が適用できる。
【0084】
【化25】
【0085】(式中、m、pは異なる1〜20の整数を
表し、Lは水素原子又はメチル基を表す。) 式(XXI−1)のバニリン酸を式(V−2)のアルコ
ール誘導体と反応させ、式(XXI−2)の化合物を得
る。さらに、臭化水素酸と反応させて脱メチル化して、
式(XXI−3)の化合物を得る。次に、式(XXI−
4)のアルコール誘導体と反応させ、式(XXI−5)
の化合物を得る。次に、(メタ)アクリル酸と反応させ
て、式(XXI−6)のカルボン酸誘導体を得る。得ら
れた化合物と式(V−5)の化合物とを、DCC(ジシ
クロヘキシルカルボジイミド)等の縮合剤を用いること
により反応させ、式(XXI−7)で表される本発明の
化合物を合成することができる。
【0086】また、Sp1、Sp2のスペーサー基中に、
カルボニル基を導入する場合には、例えば、以下の合成
方法が適用できる。
【0087】
【化26】
【0088】式(X−12)の化合物と式(XXII−
1)の化合物(共栄社化学株式会社製の「HOA−M
S」)とをDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)
等の縮合剤を用いることにより反応させ、式(XXII
−2)で表される本発明の化合物を合成することができ
る。
【0089】また、Sp1、Sp2のスペーサー基中に、
分枝構造を導入する場合には、例えば、以下の合成方法
が適用できる。
【0090】
【化27】
【0091】式(X−12)の化合物と式(XXIII
−1)の1,3−ブタンジオールとを、トリフェニルホ
スフィン、DEAD(ジエチルアゾカルボキシレート)
存在下で反応させ、式(XXIII−2)のアルコール
誘導体を得る。この化合物と(メタ)アクリル酸とをD
CC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)等の縮合剤を
用いることにより反応させ、式(XXIII−3)で表
される本発明の化合物を合成することができる。このよ
うな分岐構造を有するスペーサー基として、不斉炭素を
有するものは特に有用である。不斉炭素をスペーサー中
に有するキラル化合物は、液晶層中で螺旋構造を誘起す
ることが可能である。
【0092】以上述べた合成例では、シス−トランス異
性体を含有するものもあるが、良好な液晶性を得る観点
からは、トランス体が望ましい。従って、シス体及びト
ランス体が混在している場合には、トランス体のみを再
結晶等の手段で単離するか、シス体をトランス体に異性
化するのが好ましい。
【0093】また、6員環A、B、Cに置換基を導入し
た例は無かったが、置換基が導入された既存の中間体を
利用することにより、置換基を導入することができる。
このような中間体として重要なのは、置換基としてフッ
素原子が導入された化合物である。特に、6員環Cにお
いて、シアノ基のオルト位にフッ素原子を導入すると、
液晶としての性質を大きく損なうことなく、誘電率の異
方性を大きくすることが可能であるため非常に有用であ
る。
【0094】例えば、式(VI−9)の4−シアノフェ
ノールに代えて下記式(XXIV−1)の2−フルオロ
−4−ヒドロキシ−ベンゾニトリルを使用すれば、以下
の(1)及び(2)の化合物を容易に合成することがで
きる。
【0095】
【化28】
【0096】
【化29】
【0097】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す。) また、式(XXIV−1)の化合物を用いると、式(X
XIV−6)の中間体を合成することもできる。
【0098】
【化30】
【0099】式(XXIV−1)の化合物とトリフルオ
ロメタンスルホン酸クロリドを反応させ、式(XXIV
−2)のトリフルオロメタンスルホン酸エステルを得
る。次に、式(XXIV−3)の4−ブロモアニソール
とマグネシウムを反応させて、式(XXIV−4)の化
合物を得る。式(XXIV−2)と式(XXIV−4)
の化合物を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(0)の如き触媒を用いて反応させ、式(XX
IV−5)の化合物を得る。この化合物を3臭化ホウ素
と反応させることにより、脱メチル化して式(XXIV
−6)を合成することができる。例えば、この化合物
を、式(V−5)の4−シアノ−4’−ヒドロキシビフ
ェニルの代わりに使用すれば、以下の式(3)〜(5)
の化合物を容易に合成することができる。
【0100】
【化31】
【0101】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す。) また、以下に示す合成方法で、式(X−1)の化合物に
代えて用いることができる中間体を合成できる。
【0102】
【化32】
【0103】式(XXV−1)の3−ブロモフルオロベ
ンゼンをマグネシウムと反応させ、グリニアール試薬
(XXV−2)にした後、式(XXV−3)の4−ブロ
モヨードベンゼンを、テトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(0)の如き触媒を用いて反応させ、
式(XXV−4)の化合物を得る。さらに、この化合物
とマグネシウムと反応させてグリニアール試薬にした
後、DMF(ジメチルホルムアミド)と反応させて式
(XXV−5)のアルデヒド誘導体を得る。式(X−
1)の化合物に代えて、式(XXV−5)のアルデヒド
誘導体を使用すれば、以下の式(6)、(7)の化合物
を容易に合成することができる。
【0104】
【化33】
【0105】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。また、式(VI−2)
のグリニアール試薬に代えて、式(XXV−2)のグリ
ニアール試薬を用いると、以下の式(8)の化合物を合
成することができる。
【0106】
【化34】
【0107】(式中、mは1〜20の整数を表し、Lは
水素原子又はメチル基を表す)。また、6員環Cにおけ
るシアノ基のオルト位以外の位置へのフッ素原子の導入
も、化合物の結晶性を減じることにより、結晶−液晶相
転移温度を下げる効果が期待できるため、有用である。
例えば、式(XII−1)の4−ヨードフェノールに代
えて、下記式(XXVI)の4−ブロモ−2−フルオロ
フェノールを使用すれば、以下の式(9)、(10)の
化合物を容易に合成することができる。
【0108】
【化35】
【0109】
【化36】
【0110】また、式(XXIV−3)の4−ブロモア
ニソールに代えて、下記式(XXVII)の4−ブロモ
−2−フルオロアニソールを使用すれば、以下の式(1
1)〜(13)の化合物を容易に合成することができ
る。
【0111】
【化37】
【0112】
【化38】
【0113】置換基としてフッ素原子が導入された既存
の化合物を利用した合成例について述べたが、置換基と
してメチル基が導入された既存の化合物を利用した合成
も重要である。メチル基の導入も、化合物の結晶性を減
じることにより、結晶−液晶相転移温度を下げる効果が
期待できる。6員環に、メチル基が導入された化合物を
利用することにより、例えば、(14)〜(25)の化
合物を合成することができる。
【0114】
【化39】
【0115】
【化40】
【0116】置換基が導入された既存の中間体を用いる
合成方法以外に、環A、B、Cへの反応を行うことによ
っても、置換基を導入することも可能である。例えば、
置換される環が芳香族環である場合には、例えば、フリ
ーデルクラフツ(Friedel−Crafts)アシ
ル化反応により、置換基としてアルカノイル基を導入す
ることが可能である。また、フリーデルクラフツ反応の
利用の他に、フリース(Fries)転移反応の利用も
有用である。また、導入されたアルカノイル基のカルボ
ニル炭素をクレメンゼン(Clemmensen)還元
反応やウォルフキッシュナー(Wolff−Kishn
er)還元反応により還元すれば、置換基としてアルキ
ル基を導入することも可能である。また、アルコキシ基
を置換基として導入する場合には、例えば、6員環の環
状アルコールまたは芳香族ヒドロキシ化合物とハロゲン
化アルキルとのウイリアムソン(Williamso
n)反応によって導入することができる。
【0117】本発明の化合物を含有し、液晶相を呈する
ことを特徴とする本発明の液晶組成物は、通常この技術
分野で液晶相と認識される相を示す組成物であればよ
い。そのような液晶組成物の中でも、液晶相として、ネ
マチック相、スメクチックA相、スメクチックC相、
(キラル)スメクチックC相、コレステリック相を発現
するものが好ましい。この中でも、ネマチック相は粘度
が低くなる傾向があり、光学異方体の製造時の配向工程
において、安定した配向状態を迅速に得られる傾向があ
るため、特に好ましい。また、(キラル)スメクチック
C相を示す場合には、該(キラル)スメクチックC相の
上の温度領域でスメクチックA相を、スメクチックA相
を示す場合には、該スメクチックA相の上の温度領域で
ネマチック相を、それぞれ発現する液晶組成物は、良好
な配向特性が得られるので好ましい。
【0118】本発明の液晶組成物は、液晶相の温度領域
で紫外線を照射して、組成物中の(メタ)アクリレート
化合物を重合させて光学異方体を製造することを目的と
している。従って、紫外線照射工程における、望ましく
ない熱重合の誘起を避け、均一性に優れた光学異方体を
製造するために、本発明の液晶組成物は、室温付近、即
ち、典型的には25℃で液晶相を呈するが好ましい。例
えば、(キラル)スメクチックC相で本発明の液晶組成
物に紫外線を照射して、組成物中の(メタ)アクリレー
ト化合物を重合させる場合、室温付近、即ち、典型的に
は25℃で(キラル)スメクチックC相を発現するもの
が好ましい。
【0119】本発明の液晶組成物中の一般式(I)で表
される本発明の化合物の濃度は、5〜50重量%が好ま
しく、10〜45重量%がさらに好ましく、15〜40
重量%が特に好ましい。濃度が5重量%未満では、本発
明の液晶組成物を用いて作製する光学異方体の透明性の
改善効果が得にくく、濃度が50重量%を超えると、液
晶組成物中の平均分子量が高くなってしまう傾向があ
る。
【0120】粘度の増大を抑制し、光学異方体の製造時
の配向工程において、安定した配向状態を迅速に得る目
的で、本発明の液晶組成物の平均分子量は約250〜4
50に抑制するのが好ましい。また、安定した配向状態
を迅速に得るために、透明点(液晶相から等方性液体相
へ転移する温度)を調節するのも重要である。透明点を
低くすれば、必然的に流動性が高い状態で配向処理を行
うことになり、迅速に配向が安定する効果が得られる。
透明点としては80℃以下が好ましく、70℃以下がさ
らに好ましく、60℃以下が特に好ましい。
【0121】光学異方体製造時における液晶組成物の基
板へのコーティング工程または液晶セルへの注入工程に
おいて、均一な配向状態を迅速に得る目的で、一時的に
液晶組成物を等方性液体相状態にすることは有効な手段
である。透明点が60〜80℃以上に高くなると等方性
液体相状態にした時、望ましくない熱重合が誘起されて
しまい、均一性の良い光学異方体を作製できなくなる危
険がある。この点からも、透明点を上記のように調節す
るのは有効である。
【0122】本発明の液晶組成物には、下記一般式(I
I)で表される液晶性(メタ)アクリレート化合物を含
有させることが好ましい。
【0123】
【化41】
【0124】(式中、L3 は水素原子またはメチル基を
表し、nは0又は1の整数を表し、6員環D、E、Fは
それぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、隣接しない
CH基が窒素で置換された1,4−フェニレン基、1,
4−シクロヘキシル基、1つ又は隣接しない2つのCH
2 基が酸素原子又は硫黄原子で置換された1,4−シク
ロヘキシル基、または1,4−シクロヘキセニル基を表
し、これらの6員環D、E、Fの水素原子は、さらに炭
素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノ
イル基、シアノ基、またはハロゲン原子で一つ以上置換
されていても良く、Y3、Y4はそれぞれ独立的に単結
合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−C
OO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−
CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2
−、−OCH2CH2CH2−、−CH=CH−CH2CH
2−、−CH2CH2−CH=CH−、−CH=CH−C
OO−、または−OCO−CH=CH−を表し、Y5
単結合、−O−、−OCO−、−COO−、または−C
H=CH−COO−を表し、Z1 は水素原子、ハロゲン
原子、シアノ基、または炭素原子1〜20の炭化水素基
を表す。)
【0125】このような化合物を含有させることによっ
て、結晶−液晶相転移温度の低減や、(平均)分子量の
低減の効果が期待できる。一般式(II)で表される液
晶性(メタ)アクリレート化合物は、分子量と粘度を抑
制する観点から、nは0が特に好ましく、Y3、Y4はそ
れぞれ独立的に、単結合、−CH2CH2−、−CH2
−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C
−、−CH=CH−、または−CF=CF−が特に好ま
しく、Y4 は単結合、−O−、−OCO−、−COO−
が特に好ましく、Z1 はハロゲン原子、シアノ基、また
は炭素原子数1〜10の炭化水素基が好ましい。炭化水
素基としては、さらにアルキル基が好ましい。
【0126】本発明の液晶組成物中における一般式(I
I)で表される液晶性(メタ)アクリレート化合物の濃
度は、50〜95重量%が好ましく、55〜90重量%
がさらに好ましく、60〜85重量%が特に好ましい。
濃度が50重量%未満では、粘度が増大してしまう傾向
があり、濃度が95重量%を超えると、液晶組成物を用
いて作製する光学異方体の透明性が悪化してしまう傾向
がある。一般式(II)で表される化合物の具体的な例
として、(26)〜(50)の化合物の構造と相転移温
度を示す。しかしながら、本発明の液晶組成物において
使用することができる重合性の液晶化合物はこれらに限
定されるものではない。
【0127】
【化42】
【0128】
【化43】
【0129】
【化44】
【0130】
【化45】
【0131】(式中、シクロヘキサン環はトランスシク
ロヘキサン環を表し、数字は相転移温度を表し、相転移
温度におけるCは結晶相、Nはネマチック相、Sはスメ
クチック相、Iは等方性液体相をそれぞれ表す。) 以上の例示した化合物の中でも、下記一般式(III)
で表される化合物は、比較的低い温度で液晶性を示し、
かつ他の化合物との相溶性に優れているため、組成物を
調製する際は有用である。
【0132】
【化46】
【0133】(式中、L4は水素原子又はメチル基を表
し、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。) また、下記一般式(IV)で表される化合物は、トラン
骨格を有し、大きな複屈折性を示すため有用である。
【0134】
【化47】
【0135】(式中、L5は水素原子又はメチル基を表
し、R2は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。) 従って、一般式(III)と一般式(IV)の化合物
を、液晶組成物に同時に添加すると、結晶−液晶相転移
温度の低減と大きな複屈折性の付与を、バランス良く実
現することができる。液晶組成物中での一般式(II
I)と一般式(IV)の化合物の添加割合は、重量比に
して2:3〜3:2が好ましく、1:1がさらに好まし
い。
【0136】また、本発明の液晶組成物には、重合性官
能基を有していない液晶化合物を用途に応じて添加する
こともできる。しかしながら、液晶組成物を用いて作製
する光学異方体の耐熱性を確保する観点から、その添加
量は10重量%以下にするのが好ましい。また、本発明
の液晶組成物には、重合性官能基を有する化合物であっ
て、液晶性を示さない化合物も添加することができる。
このような化合物としては、通常、この技術分野で高分
子形成性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとし
て認識されるものであれば特に制限なく使用することが
できるが、アクリレート化合物、メタクリレート化合
物、ビニルエーテル化合物が特に好ましい。
【0137】以上のように、本発明の液晶組成物には、
一般式(I)で表される液晶性(メタ)アクリレート以
外に、重合性官能基を有する液晶化合物、重合性官能基
を有さない液晶化合物、液晶性を示さない重合性化合物
を適宜組み合わせて添加してもよいが、少なくとも得ら
れる液晶組成物の液晶性が失われないよう、また粘度が
著しく増大しないように各成分の添加量を調整する必要
がある。
【0138】更に本発明の液晶組成物には、その重合反
応性を向上させることを目的として、熱重合開始剤、光
重合開始剤等の重合開始剤を添加することもできる。熱
重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ビス
アゾブチロニトリル等が挙げられる。また、光重合開始
剤としては、例えば、ベンゾインエーテル類、ベンゾフ
ェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類等が
挙げられる。熱重合開始剤あるいは光重合開始剤を添加
する場合の添加量は、液晶組成物に対して10重量%以
下が好ましく、5重量%以下が特に好ましく、0.5〜
1.5重量%の範囲が更に好ましい。
【0139】また、本発明の液晶組成物には、その保存
安定性を向上させるために、安定剤を添加することもで
きる。使用できる安定剤としては、例えば、ヒドロキノ
ン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチル
カテコール等が挙げられる。安定剤を使用する場合の添
加量は、液晶組成物に対して1重量%以下が好ましく、
0.5重量%以下が特に好ましい。
【0140】また、本発明の液晶組成物には、液晶骨格
の螺旋構造を内部に有する重合体を得ることを目的とし
て、キラル(光学活性)化合物を添加することもでき
る。そのような目的で使用するキラル化合物は、それ自
体が液晶性を示す必要は無く、また重合性官能基を有し
ていても、有していなくても良い。また、その螺旋の向
きは、重合体の使用用途によって適宜選択することがで
きる。そのようなキラル化合物としては、例えば、キラ
ル基としてコレステリル基を有するペラルゴン酸コレス
テロール、ステアリン酸コレステロール、キラル基とし
て2−メチルブチル基を有するビーディーエイチ社(B
DH社;イギリス国)製の「CB−15」、「C−1
5」、メルク社(ドイツ国)製の「S−1082」、チ
ッソ社製の「CM−19」、「CM−20」、「C
M」;キラル基として1−メチルヘプチル基を有するメ
ルク社製の「S−811」、チッソ社製の「CM−2
1」、「CM−22」等を挙げることができる。キラル
化合物を添加する場合の好ましい添加量は、液晶組成物
の用途によるが、重合して得られる重合体の厚み(d)
を重合体中での螺旋ピッチ(P)で除した値(d/P)
が0.1〜20の範囲となる量が好ましい。
【0141】また、本発明の液晶組成物を偏光フィルム
や配向膜の原料、又は印刷インキ及び塗料等として利用
する場合には、その目的に応じて金属、金属錯体、染
料、顔料、色素、界面活性剤、ゲル化剤、紫外線吸収
剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸
化物等を添加することもできる。
【0142】本発明の光学異方体は、本発明の液晶組成
物を配向させた状態において、重合させることにより製
造することができる。例えば、表面を布等でラビング処
理した基板、もしくは有機薄膜を形成した基板表面を布
等でラビング処理した基板、あるいはSiO2 を斜方蒸
着した配向膜を有する基板上にコーティング等の手段に
より担持させるか、基板間に挟持させた後、本発明の液
晶を重合させる方法が挙げられる。その他の配向処理方
法としては、液晶組成物の流動配向の利用や、電場又は
磁場の利用を挙げることができる。これらの配向手段は
単独で用いても、また組み合わせて用いても良い。その
中でも基板表面を布等でラビング処理した基板を用いる
方法は、その簡便性から特に好ましい。
【0143】基板を構成する材料は、有機材料、無機材
料を問わずに用いることができる。基板の材料となる有
機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロ
エチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、トリアセチ
ルセルロース、セルロース、ポリエーテルエーテルケト
ン等が挙げられ、また、無機材料としては、例えば、シ
リコン、ガラス、方解石等が挙げられる。
【0144】これらの基板を布等でラビングすることに
よって適当な配向性を得られない場合、公知の方法に従
ってポリイミド薄膜又はポリビニルアルコール薄膜等の
有機薄膜を基板表面に形成し、これを布等でラビングし
ても良い。また、通常のツイステッド・ネマチック(T
N)素子又はスーパー・ツイステッド・ネマチック(S
TN)素子で使用されているプレチルト角を与えるポリ
イミド薄膜は、光学異方体内部の分子配向構造を更に精
密に制御することができることから、特に好ましい。
【0145】また、電場によって配向状態を制御する場
合には、電極層を有する基板を使用する。この場合、電
極上に前述のポリイミド薄膜等の有機薄膜を形成するの
が好ましい。さらに、ラビングに代わる配向処理方法と
して、光配向法を用いることもできる。この方法は、例
えば、ポリビニルシンナメート等のように、分子内に光
二量化反応する官能基を有する有機薄膜、光で異性化す
る官能基を有する有機薄膜又はポリイミド等の有機薄膜
に、偏光した光、好ましくは偏光した紫外線を照射する
ことによって、配向膜を形成する方法である。この光配
向法に光マスクを適用することにより配向のパターン化
が容易に達成できるので、光学異方体内部の分子配向も
精密に制御することが可能となる。
【0146】液晶組成物の配向状態としては、液晶の技
術分野で一般的に知られている種々の配向状態をとるこ
とができる。配向状態の一例としては、ホモジニアス
(水平)配向、傾いたホモジニアス配向、ホメオトロピ
ック(垂直)配向、傾いたホメオトロピック配向、ハイ
ブリッド配向、ツイステッドネマチック配向、スーパー
ツイステッドネマチック配向状態を挙げることができ
る。また、これらの配向の組合せや、場所ごとに配向状
態を変えてパターン化しても良い。傾いたホモジニアス
配向、及び傾いたホメオトロピック配向の場合、双方の
場合とも基板面と液晶分子長軸のなす角度が0度または
90度以外になっている状態を意味する。
【0147】基板面と液晶分子長軸のなす角度は、製造
される光学異方体の用途・機能によって選択すれば良
い。基板面と液晶分子長軸のなす角度を10〜80度、
さらに好ましくは、20〜70度の範囲に設定した場
合、製造される光学異方体は、液晶ディスプレイの視野
角を広く改善するための光学部材として使用可能であ
り、有用である。また、液晶組成物の配向状態をハイブ
リッド配向にした場合も、製造される光学異方体は液晶
ディスプレイの視野角を広く改善するための光学部材と
して使用可能である。また、基板面と液晶分子長軸のな
す角度を30〜60度、さらに好ましくは、40〜50
度、特に好ましくは45度に設定した場合、製造される
光学異方体には、偏光分離能を効率良く付与することが
できる。このような光学異方体は、偏光分離素子や光学
的ローパスフィルターとして使用可能であり、有用であ
る。また、液晶組成物の配向状態をハイブリッド配向に
した場合も、製造される光学異方体は偏光光学素子や光
学的ローパスフィルターとして使用可能である。
【0148】一方、ツイステッドネマチック配向、スー
パーツイステッドネマチック配向、コレステリック配向
に代表されるような螺旋構造を有する配向構造も応用
上、有用である。ねじり角度を60〜270度に設定し
た場合、液晶表示素子の光学補償用途に有用である。ま
た、螺旋ピッチを調節し、特定の波長領域を選択的に反
射するように設定した場合、製造される光学異方体はノ
ッチフィルターや反射型カラーフィルターとして利用可
能であり、有用である。また、選択的に反射する波長領
域を赤外線の領域に設定すれば、熱線カットフィルター
としても利用可能であり、有用である。
【0149】また、ホモジニアス配向、ホメオトロピッ
ク配向状態にした場合、得られる光学異方体の光学的性
質は、液晶表示素子の技術分野で光学補償に用いられて
いるポリカーボネート等のプラスチックを延伸処理した
光学異方体と大差ない。しかしながら、プラスチックを
延伸処理したものと比較して、屈折率の異方性が大きい
ため、光学異方体としての厚みが薄くてすむという利点
があり、有用である。例えば、厚みが薄いと、液晶表示
素子の光学補償に用いた場合、視差が小さくてすみ良好
な画質を得やすい。また、液晶セル内部に、光学補償板
を作り込める可能性もある。反射型液晶表示素子の光学
補償に用いる場合、この特性は重要であり、特に1/4
波長板としての利用は、極めて重要である。
【0150】本発明の液晶組成物を重合させる方法とし
ては、迅速な重合の進行が望ましいので、紫外線又は電
子線等のエネルギーを照射することによって光重合させ
る方法が好ましい。光重合させる際の光源としては、偏
光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良い。
また、液晶組成物を2枚の基板間に挟持させて状態で光
重合を行う場合には、少なくとも照射面側の基板には適
当な透明性が与えられていなければならない。また、光
照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた
後、電場や磁場または温度等の条件を変化させることに
より、未重合部分の配向状態を変化させて、さらに光照
射して重合させるという手段を用いても良い。また、照
射時の温度は、本発明の液晶組成物の液晶状態が保持さ
れる温度範囲内であることが好ましい。特に、光重合に
よって光学異方体を製造しようとする場合には、意図し
ない熱重合の誘起を避ける意味からも可能な限り室温に
近い温度、即ち、典型的には25℃での温度で重合させ
ることが好ましい。
【0151】重合によって得られた本発明の光学異方体
には、初期の特性変化を軽減し、安定的な特性発現を図
ることを目的として、熱処理を施すこともできる。熱処
理の温度は50〜250℃の範囲で、また熱処理時間は
30秒〜12時間の範囲が好ましい。このような方法に
よって製造される本発明の光学異方体は、基板から剥離
して単体で用いても、剥離せずに用いても良い。また、
得られた光学異方体を積層しても、他の基板に貼り合わ
せて用いてもよい。
【0152】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に
詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施
例の限定されるものではない。
【0153】(実施例1)液晶性アクリレート化合物の
合成 下記式(a)の3,4−ジヒドロキシ安息香酸50.0
g、メタノール300mlからなる混合物に、硫酸4
5.0gを5分間かけて滴下した。
【0154】
【化48】
【0155】滴下終了後、混合物を加熱攪拌し、4時間
還流させた。反応液を室温まで冷却後、反応液に飽和食
塩水1000ml、テトラヒドロフラン1000mlを
加えて抽出を行った。得られた有機層を飽和食塩水にて
水洗した後、テトラヒドロフランを減圧留去して下記式
(b)の化合物を48.9g得た。
【0156】
【化49】
【0157】式(b)の化合物48.0g、3−ブロモ
−1−プロパノール94.8g、炭酸カリウム94.3
g、ジメチルホルムアミド450mlからなる混合物を
攪拌しながら、90℃で32時間加熱した。この加熱の
間、3−ブロモ−1−プロパノールを、攪拌を開始して
から12時間後に11.4g、20時間後に11.8
g、28時間後に9.4g追加した。反応液を室温まで
冷却後、水酸化ナトリウム22.0gを溶解させた12
00mlの水溶液を加え、攪拌しながら8時間加熱還流
させた。反応液を室温まで冷却後、希塩酸水溶液を加え
て水層を弱酸性にした後、1000mlのテトラヒドロ
フランを加えて抽出を行った。得られた有機層を飽和食
塩水にて水洗した後、テトラヒドロフランを減圧留去し
て粗生成物85.1g得た。次に、トルエン200ml
とテトラヒドロフラン50mlの混合溶媒からの再結
晶、及びトルエン100mlからの再結晶を1回ずつ行
い、下記式(c)の化合物を53.0g得た。
【0158】
【化50】
【0159】式(c)の化合物25.0g、アクリル酸
26.7g、ヒドロキノン1.0g、p−トルエンスル
ホン酸5.0g、トルエン100ml、n−ヘキサン1
00mlからなる混合物を加熱攪拌し、生成してくる水
を留去しながら5時間還流させた。反応液を室温まで冷
却後、反応液に飽和食塩水を500ml、酢酸エチル3
00mlを加えて抽出を行った。有機層を水洗した後、
有機溶媒を減圧留去して下記式(d)の化合物を30.
7g得た。
【0160】
【化51】
【0161】式(d)の化合物5.6g、4−シアノ−
4’−ヒドロキシビフェニル2.9g、4−ジメチルア
ミノピリジン0.6g、1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩4.5g、テ
トラヒドロフラン70mlからなる混合物を、室温で1
6時間攪拌した。攪拌終了後、沈殿物を濾過器で取り除
いた後、飽和食塩水100mlを加えた。水層を希塩酸
水溶液で中和した後、酢酸エチル100mlを加えて抽
出を行った。有機層を水洗した後、有機溶媒を減圧留去
して、粗生成物5.9gを得た。得られた粗生成物を酢
酸エチル及びトルエンからなる混合溶媒(容量比で酢酸
エチル:トルエン=1:5、Rf=0.48)を展開溶
媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー、及び2
0mlのエタノールからの再結晶により精製して、下記
式(e)の液晶性アクリレート化合物を1.9g得た。
【0162】
【化52】
【0163】化合物(e)の相転移温度は、C相(結晶
相)−I相(等方性液体相)転移温度が94℃であっ
た。この化合物は、モノトロピックなネマチック相を有
しており、等方性液体相から冷却した時、81℃でネマ
チック相を呈した。また、 1H−NMR(300MH
z、CDCl3 )のデータは、δ2.17〜2.30
(m、4H)、4.19(t、J=6Hz、2H)、
4.20(t、J=6Hz、2H)、4.40(t、J
=6Hz、4H)、5.83(d、J=7Hz、1
H)、5.84(d、J=7Hz、1H)、6.08〜
6.19(m、2H)、6.42(d、J=17Hz、
1H)、6.43(d、J=17Hz、1H)、6.9
5〜7.88(m、11H)であった。
【0164】(実施例2)液晶組成物の調製(1) 下記式(26)の液晶性アクリレート化合物50重量
部、及び下記式(29)の液晶性アクリレート化合物5
0重量部から成る組成物(A)を調製した。
【0165】
【化53】
【0166】
【化54】
【0167】組成物(A)は、室温(25℃)でネマチ
ック液晶相を呈した。N(ネマチック相)−I(等方性
液体相)転移温度は46℃であった。また、589nm
で測定したne(異常光の屈折率)は1.662で、no
(常光の屈折率)は1.510、複屈折率は0.152
であった。また、誘電率の異方性は、0であった。平均
分子量は、293.6であった。
【0168】実施例1で合成した液晶性アクリレート化
合物(e)10重量部、組成物(A)90重量部から成
る組成物(B)を調製した。組成物(B)は、室温(2
5℃)でネマチック液晶相を呈した。N(ネマチック
相)−I(等方性液体相)転移温度は50℃であった。
また、589nmで測定したne (異常光の屈折率)は
1.668で、no (常光の屈折率)は1.512、複
屈折率は0.156であった。また、誘電率の異方性は
0.4であった。平均分子量は、308.1であった。
【0169】(実施例3)液晶組成物の調製(2) 実施例1で合成した液晶性アクリレート化合物(e)2
0重量部、組成物(A)80重量部から成る組成物
(C)を調製した。組成物(C)は、室温(25℃)で
ネマチック液晶相を呈した。N(ネマチック相)−I
(等方性液体相)転移温度は55℃であった。また、5
89nmで測定したne (異常光の屈折率)は1.67
5で、no (常光の屈折率)は1.514、複屈折率は
0.161であった。また、誘電率の異方性は1.0で
あった。平均分子量は、324.2であった。
【0170】(実施例4)液晶組成物の調製(3) 実施例1で合成した液晶性アクリレート化合物(e)3
0重量部、組成物(A)70重量部から成る組成物
(D)を調製した。組成物(D)は、室温(25℃)で
ネマチック液晶相を呈した。N(ネマチック相)−I
(等方性液体相)転移温度は61℃であった。また、5
89nmで測定したne (異常光の屈折率)は1.68
1で、no (常光の屈折率)は1.516、複屈折率は
0.165であった。また、誘電率の異方性は1.8で
あった。平均分子量は、342.0であった。
【0171】(実施例5)光学異方体の作製(1) 実施例3で調製した組成物(C)99重量部、光重合開
始剤「イルガキュアー651」(チバガイギー社製)1
重量部からなる組成物(E)を調製した。セルギャップ
50ミクロンのアンチパラレル配向液晶ガラスセル(液
晶を一軸配向するよう配向処理を施したガラスセル)
に、組成物(E)を室温にて注入した。注入後、1分以
内に配向が安定し、均一な一軸配向が得られているのが
確認できた。次に、室温にてUVP社のUVGL−25
を用いて1mW/cm2 の紫外線を10分間照射して、
組成物(E)を重合させ、光学異方体を得た。ガラスセ
ルにいれたままの光学異方体の平行光透過率は78.5
%で、ヘイズは9.7%であった。
【0172】(実施例6)光学異方体の作製(2) 実施例4で調製した組成物(D)99重量部、光重合開
始剤「イルガキュアー651」(チバガイギー社製)1
重量部からなる組成物(F)を調製した。セルギャップ
50ミクロンのアンチパラレル配向液晶ガラスセル(液
晶を一軸配向するよう配向処理を施したガラスセル)
に、組成物(F)を室温にて注入した。注入後、1分以
内に配向が安定し、均一な一軸配向が得られているのが
確認できた。次に、室温にてUVP社のUVGL−25
を用いて1mW/cm2 の紫外線を10分間照射して、
組成物(F)を重合させ、光学異方体を得た。ガラスセ
ルにいれたままの光学異方体の平行光透過率は82.9
%で、ヘイズは5.0%であった。
【0173】(比較例1)実施例2で調製した、本発明
の液晶性アクリレート化合物を含有しない組成物(A)
99重量部、重合開始剤「イルガキュアー651」(チ
バガイギー社製)1重量部からなる組成物(G)を調製
した。セルギャップ50ミクロンのアンチパラレル配向
液晶ガラスセル(液晶を一軸配向するよう配向処理を施
したガラスセル)に、組成物(G)を室温にて注入し
た。注入後、1分以内に配向が安定し、均一な一軸配向
が得られているのが確認できた。次に、室温にてUVP
社のUVGL−25を用いて1mW/cm2 の紫外線を
10分間照射して、組成物(G)を重合させ、光学異方
体を得た。ガラスセルにいれたままの光学異方体の平行
光透過率は75.9%で、ヘイズは11.0%であっ
た。
【0174】実施例5、6と比較例1の結果から、本発
明の化合物を含有する液晶組成物を用いると、均一な配
向状態が素早く得られ、かつ重合後により作製される光
学異方体の透明性が改善されることがわかる。
【0175】(実施例7)縦1cm、横1cmの正方形
のITO(インジウムチンオキサイド)透明対向電極付
きアンチパラレル配向液晶ガラスセル(セルギャップ1
0ミクロン)に、実施例6で調製した組成物(F)を室
温にて注入した。注入後、1分以内に配向が安定し、均
一な一軸配向が得られているのが確認できた。次に、透
明対向電極間に50Vの交流電圧(周波数1KHz)を
印加したところ、液晶分子が基板に対して垂直方向に配
向するのが確認できた。この電圧を印加した状態で、室
温にてUVP社のUVGL−25を用いて1mW/cm
2 の紫外線を10分間照射して、組成物(F)を重合さ
せた。得られた光学異方体を観察したところ、電圧が印
加された透明電極部分のみが、液晶分子が基板に対して
垂直方向に配向した状態のまま重合し、その他の部分は
液晶分子が基板に対して水平方向に一軸に配向した状態
のまま重合したものであることを確かめることができ
た。
【0176】その他にも、紫外線を照射する前に印加す
る電圧を10V、20V、30V、40Vと変化させ
て、光学異方体を作製した。その結果、電圧によって液
晶分子の傾き角を制御でき、かつ紫外線照射によって、
その傾き角を保持したまま重合した光学異方体を作製で
きることを確かめることができた。
【0177】(比較例2)実施例7で用いたものと同
じ、透明対向電極付きアンチパラレル配向液晶ガラスセ
ル(セルギャップ10ミクロン)に、比較例1で調製し
た組成物(G)を室温にて注入した。注入後、1分以内
に配向が安定し、均一な一軸配向が得られているのが確
認できた。しかし、次に透明対向電極間に50Vの交流
電圧(周波数1KHz)を印加しても、液晶分子が基板
に対して垂直方向に配向せず、配向状態に変化が見られ
なかった。そのため、透明電極部分のみの配向状態を変
化させた光学異方体を作製することはできなかった。
【0178】実施例7と比較例2の結果から、本発明の
化合物を含有する液晶組成物を用いると電界によって液
晶分子の傾きを調節可能で、かつ紫外線の照射により、
その状態を保ったまま重合せしめることができることが
わかる。
【0179】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶性
(メタ)アクリレート化合物は、上記一般式(I)で表
される構造上の特徴を有しているので、誘電率の異方性
が正であり、重合後に透明性、耐熱性に優れた光学異方
体を得ることができる。また、上記一般式(I)におい
て、L1及びL2が水素原子であり、Sp1、Sp2が炭素
原子数2から12を有するアルキレン基であり、X1
2が−O−であり、6員環Aが1,3,4−ベンゼン
トリイル基であり、6員環B、Cが1,4−フェニレン
基であり、Y1 が−COO−であり、Y2 が単結合であ
る液晶性(メタ)アクリレート化合物は、化合物単体の
液晶温度範囲を100℃以下に抑制することが可能であ
り、製造も容易であることから有用である。
【0180】また、本発明の液晶組成物は、上記液晶性
(メタ)アクリレート化合物を含有しているので、誘電
率の異方性が正であり、重合後に透明性、耐熱性に優れ
た光学異方体を得ることができる。誘電率の異方性が正
である液晶組成物は、電界中に置くと、液晶分子の長軸
方向が電界の方向と平行になるように力が生じる。この
性質を利用すれば、電界の強度によって液晶分子の配向
状態を制御することが可能になるため、精密な配向構造
を有する光学異方体を製造できる。また、本発明の液晶
組成物が、さらに上記一般式(II)で表される液晶性
(メタ)アクリレート化合物を含有している場合、組成
物の平均分子量が低くなり、均一な配向状態が素早く得
られる。そのため、光学異方体の製造の効率を改善する
ことが可能である。
【0181】また、本発明の液晶組成物が、上記一般式
(III)及び一般式(IV)で表される化合物を含有
している場合、結晶−液晶相転移温度の低減と大きな複
屈折性の付与を、バランス良く実現することができる。
また、本発明の液晶組成物が、摂氏25度で液晶相を呈
する場合、紫外線照射工程における望ましくない熱重合
の誘起を避けることができ、均一性に優れた光学異方体
を製造することができる。そして、本発明の光学異方体
は、上記液晶組成物の重合体から構成されているので、
均一性、耐熱性および透明性に優れたものとなる。この
ように、本発明の液晶組成物を用いた光学異方体は、透
明性が改善されており、位相差板、偏光板、偏光プリズ
ム、各種光フィルター等の光機能フィルムの材料とし
て、非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 19/18 C09K 19/18 19/20 19/20 19/30 19/30 19/42 19/42 (72)発明者 清水 洋 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業技 術院大阪工業技術研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB64 BJ20 BJ50 BM30 BM71 BP30 BS10 BS30 KD10 KE20 4H027 BA13 BB03 BB04 BD01 BD24 CB02 CF04 CM02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されることを特徴
    とする液晶性(メタ)アクリレート化合物。 【化1】 (式中、L1、L2はそれぞれ独立的に水素原子またはメ
    チル基を表し、X1、X2はそれぞれ独立的に単結合、−
    O−、−COO−、または−OCO−を表し、Sp1
    Sp2 は炭素原子数1から20のスペーサー基を表し、
    6員環Aは1,3,4−ベンゼントリイル基、隣接しな
    いCH基が窒素で置換された1,3,4−ベンゼントリ
    イル基、1,3,4−シクロヘキサントリイル基、1つ
    又は隣接しない2つのCH2 基が酸素原子又は硫黄原子
    で置換された1,3,4−シクロヘキサントリイル基、
    またはシクロヘキセン−1,3,4−トリイル基を表
    し、6員環Aの水素原子は、さらに炭素原子数1〜7の
    アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ
    基、またはハロゲン原子で置換されていても良く、6員
    環B、Cはそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、
    隣接しないCH基が窒素で置換された1,4−フェニレ
    ン基、1,4−シクロヘキシレン基、1つ又は隣接しな
    い2つのCH2 基が酸素原子又は硫黄原子で置換された
    1,4−シクロヘキシレン基、またはシクロヘキセン−
    1,4−ジイル基を表し、これらの6員環BとCの水素
    原子は、さらに炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコ
    キシ基、アルカノイル基、シアノ基、またはハロゲン原
    子で1つ以上置換されていても良く、Y1、Y2はそれぞ
    れ独立的に単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−
    OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−
    CH=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−C
    2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH=
    CH−CH2CH2−、−CH2CH2−CH=CH−、−
    CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、また
    は−OCO−COO−を表す。)
  2. 【請求項2】 上記一般式(I)において、L1、L2
    水素原子であり、Sp1、Sp2が炭素原子数2から12
    を有するアルキレン基であり、Y1 が−COO−であ
    り、Y2 が単結合であり、X1、X2が−O−であり、6
    員環Aが1,3,4−ベンゼントリイル基であり、6員
    環B、Cが1,4−フェニレン基であることを特徴とす
    る請求項1記載の液晶性(メタ)アクリレート化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の液晶性
    (メタ)アクリレート化合物を含有し、液晶相を呈する
    ことを特徴とする液晶組成物。
  4. 【請求項4】 下記一般式(II)で表される液晶性
    (メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とす
    る請求項3記載の液晶組成物。 【化2】 (式中、L3 は水素原子またはメチル基を表し、nは0
    又は1の整数を表し、6員環D、E、Fはそれぞれ独立
    的に、1,4−フェニレン基、隣接しないCH基が窒素
    で置換された1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘ
    キシル基、1つ又は隣接しない2つのCH2 基が酸素原
    子又は硫黄原子で置換された1,4−シクロヘキシル
    基、または1,4−シクロヘキセニル基を表し、これら
    の6員環D、E、Fの水素原子は、さらに炭素原子数1
    〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シ
    アノ基、またはハロゲン原子で一つ以上置換されていて
    も良く、Y3、Y4はそれぞれ独立的に単結合、−CH2
    CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−
    OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF
    −、−(CH24−、−CH2CH2CH2O−、−OC
    2CH2CH2−、−CH=CH−CH2CH2−、−C
    2CH2−CH=CH−、−CH=CH−COO−、ま
    たは−OCO−CH=CH−を表し、Y5 は単結合、−
    O−、−OCO−、−COO−、または−CH=CH−
    COO−を表し、Z1 は水素原子、ハロゲン原子、シア
    ノ基、または炭素原子1〜20の炭化水素基を表す。)
  5. 【請求項5】 下記一般式(III)で表される化合
    物、及び下記一般式(IV)で表される化合物を含有す
    ることを特徴とする請求項3記載の液晶組成物。 【化3】 (式中、L4は水素原子またはメチル基を表し、R1は炭
    素原子数1〜10のアルキル基を表す) 【化4】 (式中、L5は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭
    素原子数1〜10のアルキル基を表す)
  6. 【請求項6】 摂氏25度において液晶相を呈すること
    を特徴とする請求項3ないし5いずれか一項に記載の液
    晶組成物。
  7. 【請求項7】 請求項3ないし6いずれか一項に記載の
    液晶組成物の重合体から構成されることを特徴とする光
    学異方体。
JP13503599A 1999-05-14 1999-05-14 液晶性(メタ)アクリレート化合物、該化合物を含有する液晶組成物及びこれを用いた光学異方体 Expired - Lifetime JP4352117B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13503599A JP4352117B2 (ja) 1999-05-14 1999-05-14 液晶性(メタ)アクリレート化合物、該化合物を含有する液晶組成物及びこれを用いた光学異方体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13503599A JP4352117B2 (ja) 1999-05-14 1999-05-14 液晶性(メタ)アクリレート化合物、該化合物を含有する液晶組成物及びこれを用いた光学異方体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000327632A true JP2000327632A (ja) 2000-11-28
JP4352117B2 JP4352117B2 (ja) 2009-10-28

Family

ID=15142433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13503599A Expired - Lifetime JP4352117B2 (ja) 1999-05-14 1999-05-14 液晶性(メタ)アクリレート化合物、該化合物を含有する液晶組成物及びこれを用いた光学異方体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4352117B2 (ja)

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004043710A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Dainippon Ink & Chem Inc 重合性液晶組成物及び光学異方体
JP2004323729A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Dainippon Ink & Chem Inc 重合性液晶組成物及び光学異方体
JP2005281171A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Dainippon Ink & Chem Inc 重合性液晶化合物、これを含有する液晶組成物、及びこれらの重合体
JP2006232809A (ja) * 2005-01-28 2006-09-07 Chisso Corp 液晶性多官能アクリレート誘導体およびその重合体
US7449223B2 (en) 2004-05-31 2008-11-11 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Polymerizable liquid crystal composition and optically anisotropic medium
EP2028253A1 (en) 2007-08-24 2009-02-25 Chisso Corporation Optically isotropic liquid crystal medium and optical device
EP2098583A2 (en) 2007-11-20 2009-09-09 Chisso Corporation Optically isotropic liquid crystal medium and optical device
WO2009139330A1 (ja) 2008-05-15 2009-11-19 チッソ株式会社 光学的に等方性の液晶媒体及び光素子
WO2010058681A1 (ja) 2008-11-19 2010-05-27 チッソ株式会社 光学的に等方性の液晶媒体及び光素子
WO2010134430A1 (ja) 2009-05-19 2010-11-25 チッソ株式会社 クロロベンゼン誘導体、光学的に等方性の液晶媒体及び光素子
US7879413B2 (en) 2007-08-29 2011-02-01 Chisso Corporation Optically isotropic liquid crystal medium and optical device
US8343595B2 (en) 2009-05-19 2013-01-01 Jnc Corporation Chlorofluorobenzene compound, optically isotropic liquid crystal medium, and optical device
WO2013065622A1 (ja) 2011-11-01 2013-05-10 Jnc株式会社 光学的に等方性の液晶媒体及び光素子
WO2013080724A1 (ja) 2011-11-30 2013-06-06 Jnc株式会社 光学的に等方性の液晶媒体及び光素子
US8617420B2 (en) 2007-08-31 2013-12-31 Jnc Corporation Liquid crystal composition and liquid crystal element
WO2014097952A1 (ja) 2012-12-17 2014-06-26 Jnc株式会社 オクタヒドロ-ビナフチル系キラル化合物を含有する液晶組成物および光素子
DE102019115151A1 (de) 2018-06-11 2019-12-12 Jnc Corporation Optisch isotrope flüssigkristallzusammensetzung und optisches schaltelement unter verwendung derselben
CN112980225A (zh) * 2021-02-25 2021-06-18 张家港莱拓新材料科技有限公司 一种新型可聚合介晶混合物涂料及其应用

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004043710A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Dainippon Ink & Chem Inc 重合性液晶組成物及び光学異方体
JP4505709B2 (ja) * 2003-04-25 2010-07-21 Dic株式会社 重合性液晶組成物及び光学異方体
JP2004323729A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Dainippon Ink & Chem Inc 重合性液晶組成物及び光学異方体
JP2005281171A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Dainippon Ink & Chem Inc 重合性液晶化合物、これを含有する液晶組成物、及びこれらの重合体
JP4506232B2 (ja) * 2004-03-29 2010-07-21 Dic株式会社 重合性液晶化合物、これを含有する液晶組成物、及びこれらの重合体
US7449223B2 (en) 2004-05-31 2008-11-11 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Polymerizable liquid crystal composition and optically anisotropic medium
JP2006232809A (ja) * 2005-01-28 2006-09-07 Chisso Corp 液晶性多官能アクリレート誘導体およびその重合体
EP2028253A1 (en) 2007-08-24 2009-02-25 Chisso Corporation Optically isotropic liquid crystal medium and optical device
US7727417B2 (en) 2007-08-24 2010-06-01 Chisso Corporation Optically isotropic liquid crystal medium and optical device
US7879413B2 (en) 2007-08-29 2011-02-01 Chisso Corporation Optically isotropic liquid crystal medium and optical device
US8617420B2 (en) 2007-08-31 2013-12-31 Jnc Corporation Liquid crystal composition and liquid crystal element
EP2098583A2 (en) 2007-11-20 2009-09-09 Chisso Corporation Optically isotropic liquid crystal medium and optical device
US8475887B2 (en) 2008-05-15 2013-07-02 Jnc Corporation Optically isotropic liquid crystal medium, and optical device
WO2009139330A1 (ja) 2008-05-15 2009-11-19 チッソ株式会社 光学的に等方性の液晶媒体及び光素子
WO2010058681A1 (ja) 2008-11-19 2010-05-27 チッソ株式会社 光学的に等方性の液晶媒体及び光素子
US8343595B2 (en) 2009-05-19 2013-01-01 Jnc Corporation Chlorofluorobenzene compound, optically isotropic liquid crystal medium, and optical device
US8409673B2 (en) 2009-05-19 2013-04-02 Jnc Corporation Chlorobenzene derivative, optically isotropic liquid crystal medium, and optical device
WO2010134430A1 (ja) 2009-05-19 2010-11-25 チッソ株式会社 クロロベンゼン誘導体、光学的に等方性の液晶媒体及び光素子
WO2013065622A1 (ja) 2011-11-01 2013-05-10 Jnc株式会社 光学的に等方性の液晶媒体及び光素子
WO2013080724A1 (ja) 2011-11-30 2013-06-06 Jnc株式会社 光学的に等方性の液晶媒体及び光素子
WO2014097952A1 (ja) 2012-12-17 2014-06-26 Jnc株式会社 オクタヒドロ-ビナフチル系キラル化合物を含有する液晶組成物および光素子
DE102019115151A1 (de) 2018-06-11 2019-12-12 Jnc Corporation Optisch isotrope flüssigkristallzusammensetzung und optisches schaltelement unter verwendung derselben
CN112980225A (zh) * 2021-02-25 2021-06-18 张家港莱拓新材料科技有限公司 一种新型可聚合介晶混合物涂料及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP4352117B2 (ja) 2009-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4200195B2 (ja) 液晶性(メタ)アクリレート化合物、該化合物を含有する液晶組成物及びこれを用いた光学異方体
JP5880992B2 (ja) 重合性化合物及びそれを用いた液晶組成物
JP4352117B2 (ja) 液晶性(メタ)アクリレート化合物、該化合物を含有する液晶組成物及びこれを用いた光学異方体
JP5834489B2 (ja) 重合性ナフタレン化合物
JP6031781B2 (ja) 重合性化合物及びそれを用いた液晶組成物
JP5545519B2 (ja) 重合性化合物
JP6308415B2 (ja) 重合性化合物及びそれを用いた液晶組成物
JP4810750B2 (ja) 重合性液晶化合物、該化合物を含有する重合性液晶組成物及びその重合体
JP2011184417A (ja) 重合性アセチレン化合物
JP5948832B2 (ja) 単官能性の一環モノマーを含有する光学的等方性の液晶組成物および光素子
JP4208058B2 (ja) 液晶性(メタ)アクリレート化合物及び該化合物を含有する液晶組成物
JP6270016B2 (ja) 重合性化合物
KR101649178B1 (ko) 중합성 나프탈렌 화합물
JP5648352B2 (ja) 重合性ナフタレン化合物
JP3790929B2 (ja) 重合性液晶化合物
JP4182452B2 (ja) 液晶組成物及びこれを用いた光学異方体
JP3972430B2 (ja) 液晶性(メタ)アクリレート化合物と該化合物を含有する組成物及びこれを用いた光学異方体
JP4013090B2 (ja) 液晶性(メタ)アクリレート化合物と該化合物を含有する組成物及びこれを用いた光学異方体
JP7472606B2 (ja) 液晶組成物及び液晶表示素子
JP4186134B2 (ja) 液晶組成物及びこれを用いた光学異方体
JP2004323412A (ja) 光学活性化合物、該化合物を含有する液晶組成物、該化合物の重合体、該重合体を含有する液晶表示素子
JPH1121269A (ja) 液晶性(メタ)アクリレート化合物と液晶組成物及びこれを用いた光学異方体
JP2002348319A (ja) 光学異方体の製造方法
JP2020100600A (ja) 重合性安定剤及びそれを用いた液晶組成物
JP2007100098A (ja) 重合性液晶組成物及びこれを用いた光学異方体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060323

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070516

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090323

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090417

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090609

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090702

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090702

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130807

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term