JP2006232809A - 液晶性多官能アクリレート誘導体およびその重合体 - Google Patents

液晶性多官能アクリレート誘導体およびその重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】光学異性体などの必要な特性を有する重合性液晶化合物及びこの重合体を含有する液晶表示素子を提供する。
【解決手段】液晶分子に2つまたは4つのアクリロイルオキシ基を持つ式で表される少なくとも1つの化合物、この化合物を含有する組成物、およびこの化合物または組成物を重合させて得られる架橋密度の高い重合体。光学異方性などの必要な特性を有する化合物、この化合物を含有する組成物、透明性、機械的強度、塗布性、溶解度、結晶化度、収縮性、透水度、吸水度、融点、ガラス転移点、透明点、耐薬品性などの複数の特性に優れた重合体、この重合体を用いて得られる光学異方性を有する成形体、およびこの重合体を含有する液晶表示素子。
【選択図】 なし

Description

本発明は少なくとも2つのアクリロイルオキシ基を側鎖に有する液晶化合物、この化合物を含有する組成物、この化合物から得られる重合体、およびこの用途に関する。
近年、重合性を有する液晶化合物が、偏光板、位相差板などの光学異方性を有する重合体に利用されている。これはこの化合物が液晶状態において光学異方性を有し、液晶における分子の配向(orientation)が重合によって固定されるからである。光学異方性を有する重合体に必要な光学的特性は課題によって異なるので、課題にあった特性を有する化合物が必要である。この化合物は、一般的には重合体にしてから成形して利用される。このような課題に使用される化合物は、光学異方性に加えて重合体に関する特性も重要である。この特性は、重合速度、重合体の透明性、機械的強度、塗布性、溶解度、結晶化度、収縮性、透水度、吸水度、融点、ガラス転移点、透明点、耐薬品性などである。
これまで種々の重合性を有する液晶化合物が知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。しかしこれらの化合物は、液晶性、その他の化合物との相溶性、光学異方性などの特性において、改良の余地がある。また、重合体が好適な耐熱性、機械的強度、耐薬品性などを有するとは限らない。そこで、液晶相の高い上限温度、液晶相の低い下限温度、液晶相の温度範囲が広く、相溶性に優れた化合物、およびこの化合物を用いた耐熱性、機械的強度、耐薬品性などの複数の特性において優れた重合体の開発が課題である。
特開平7−17910号公報 特開平8−3111号公報 特開平9−316032号公報
本発明の第一の課題は、光学異方性などの必要な特性を有する重合性液晶化合物およびこの化合物を含有する重合性液晶組成物を提供することである。第二の課題は、耐熱性、機械的強度、耐薬品性などの複数の特性に優れた重合体、およびこの重合体を用いて得られる光学異方性を有する成形体を提供することである。第三の課題は、重合体の特性を利用した用途である。第四の課題は、この重合体を含有する液晶表示素子を提供することである。
本発明は、下記の式(1a)または(1b)で表される少なくとも1つの化合物、この化合物を含有する液晶組成物、およびこの化合物または組成物を重合させることによって得られる重合体を含む。
Figure 2006232809
式(1a)および式(1b)において、Rは水素、フッ素、塩素、−CN、−NO、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの−CH−は−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、この場合、Rは光学活性な基でもよく;YおよびYは独立して炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして任意の1つの−CH−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、この場合、YまたはYは光学活性な基でもよく;A、A、B、およびBは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−クロロフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイル、または(K1)、(K2)および(K3)から選択される基であり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はシアノ、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく;XおよびXは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−OCH−、−CHO−、−CONH−、−NHCO−、−CH=CH−COO−、−OOC−HC=CH−、−(CH−COO−、−OOC−(CH−、−(CH−、または−C≡C−であり;mは0、1または2であり、mが2であるとき2つのAおよびXはそれぞれ同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;Gは水素、フッ素、メチル、シアノ、またはトリフルオロメチルであり、複数のGは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
Figure 2006232809
本発明の化合物は、液晶分子に2つまたは4つのアクリロイルオキシ基を有することを特徴としている。また、他の重合性液晶化合物との優れた相溶性を有し、さらに、光学異方性などの必要な特性を有する。本発明の重合体は、この化合物を重合して得られる。この重合体は密度の高い架橋構造を有することから、表面硬度が大きく、耐熱性にも優れている。この重合体から得られる成形体は光学異方性を有し、位相差フィルムなどの液晶表示素子に好適に使用できる。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。液晶化合物は、液晶相を有する化合物、および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。液晶相はネマチック相、スメクチック相、コレステリック相などであり、多くの場合ネマチック相を意味する。重合性は、光、熱、触媒などの手段により単量体が重合し、重合体を与える能力を意味する。液晶化合物、液晶組成物、液晶表示素子をそれぞれ化合物、組成物、素子と表記することがある。式(1a)および式(1b)を総称して式(1)と表記することがある。式(1)、式(M1)、式(M2)、および式(M3)で表わされる化合物をそれぞれ化合物(1)、化合物(M1)、化合物(M2)、および化合物(M3)と表記することがある。化合物(1)などを含有する組成物から得られる重合体を重合体(1)と表記することがある。「(メタ)アクリロイルオキシ」は、「アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシ」を意味する。「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートまたはメタクリレート」を意味する。「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸またはメタクリル酸」を意味する。
本発明者は、重合性基であるアクリロイルオキシ基を2つまたは4つ、液晶分子の側鎖につけると、その化合物を重合させることによって、高密度に架橋された光学異方性を有する重合体が得られるということを着想した。この着想に基づいて研究したところ、予想した以上に良好な実験結果を得た。これらの結果をもとに検討を重ねて、下記の項を含む本件発明を完成させた。
[1] 式(1a)または式(1b)で表される化合物。
Figure 2006232809
式(1a)および式(1b)において、A、B、Yなどの記号を用いた。2つの記号Aの意味が同一であってもよいし、または異なってもよい。このルールは記号XおよびGについても適用する。このルールは他の式においても適用する。
式(1a)および式(1b)において、Rは水素、フッ素、塩素、−CN、−NO、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの−CH−は−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、この場合、Rは光学活性な基でもよく、
このアルキルにおいて、水素はフッ素などで置き換えられてもよく、そして同時に−CH−は−O−などで置き換えられてもよい。つまり、Rは、水素がフッ素などで置き換えられ、そして−CH−が−O−で置き換えられたアルキルを含有する。「アルキルにおいて任意の1つまたは2つの−CH−は−O−、−CH=CH−などで置き換えられてもよい」の句の意味を一例で示す。C−において任意の1つまたは2つの−CH−を−O−または−CH=CH−で置き換えた基の例は、CO−、CH−O−(CH−、CH−O−CH−O−、HC=CH−(CH−、CH−CH=CH−(CH−、CH−CH=CH−CH−O−などである。このように「任意の」は、無作為に選ばれることを意味する。すなわち、用語「任意の」は、「位置だけでなく数においても自由に選択できること」を意味する。例えば、「任意のAがB、C、DまたはEで置き換えられてもよい」という表現は、1つのAがB、C、DまたはEで置き換えられてもよいという意味と、複数のAのどれもがB、C、DおよびEのいずれか1つで置き換えられてもよいという意味とに加えて、Bで置き換えられるA、Cで置き換えられるA、Dで置き換えられるA、およびEで置き換えられるAの少なくとも2つが混在してもよいという意味をも有する。化合物の安定性を考慮して、酸素と酸素とが隣接したCH−O−O−CH−よりも、酸素と酸素とが隣接しないCH−O−CH−O−の方が好ましい。「置き換えられてもよい」の表現は、他の場所でも同様な意味を有している。
好ましいRは、フッ素、塩素、−CN、−NO、−OCF、炭素数1〜15のアルキル、または炭素数1〜15のアルコキシでありより好ましいRは、フッ素、塩素、−CN、−OCF、、炭素数1〜15のアルキル、または炭素数1〜15のアルコキシであり、この場合、Rは光学活性な基でもよい。さらに好ましいRは、フッ素、−CN、−OCF、炭素数1〜13のアルキル、または炭素数1〜13のアルコキシであり、この場合、Rは光学活性な基でもよい。特に好ましいRは−CN、−OCF、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1〜10のアルコキシの具体例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、またはデシルオキシである。
およびYは独立して炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして任意の1つの−CH−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、この場合、YまたはYは光学活性な基でもよく、
好ましいYおよびYは独立して−O−、−(CH−、−O−(CH−、−(CH−O−、−O−(CH−O−または−O−(CHCHO)−であり、rが1〜10の整数であり、sが1〜5の整数である。より好ましいYおよびYは、−O−、−(CH−、−O−(CH−、−(CH−O−、−O−(CH−O−、または−O−(CHCHO)−であり、rが2〜10の整数であり、sが1〜5の整数であり、この場合、YまたはYは光学活性な基でもよい。さらに好ましいYまたはYは式(Y3)で表され、式中のXは単結合または−O−であり、qは0〜10の整数である。
Figure 2006232809
好ましいYおよびYの具体例は−O−、−CH−O−、−CHCH−O−、−CHCHCHO−、−CHCHCHCHO−、−CHCHCHCHCHO−、−CHCHCHCHCHCH−O−、−CHCHCHCHCHCHCH−O−、−CHCHCHCHCHCHCHCH−O−、−CHCHCHCHCHCHCHCHCH−O−、−CHCHCHCHCHCHCHCHCHCH−O−、−O−CH−O−、−O−CHCH−O−、−O−CHCHCH−O−、−O−CHCHCHCH−O−、−O−CHCHCHCHCH−O−、−O−CHCHCHCHCHCH−O−、−O−CHCHCHCHCHCHCH−O−、−O−CHCHCHCHCHCHCHCH−O−、−O−CHCHCHCHCHCHCHCHCH−O−、または−O−CHCHCHCHCHCHCHCHCHCH−O−である。
、A、B、およびBは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−クロロフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイル、または(K1)、(K2)および(K3)から選択される基であり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はシアノ、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルで置き換えられてもよい。
Figure 2006232809
好ましいA、A、B、およびBは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルまたは(K1)、(K2)および(K3)から選択される基であり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の1つの水素はメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、アセトキシ、またはアセチルで置き換えられてもよく、そして任意の2つの水素はトリフルオロメチルで置き換えられてもよく、
より好ましいAおよびAは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、または2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレンであり、さらに好ましいAおよびAは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または2−メチル−1,4−フェニレンである。
より好ましいBおよびBは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2−メトキシ−1,4−フェニレン、2−アセチル−1,4−フェニレン、または2,3−ジトリフルオロメチル−1,4−フェニレンであり、さらに好ましいBおよびBは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、または2,3−ジトリフルオロメチル−1,4−フェニレンである。
これらの環構造は、式(1)において左右逆向きに結合してもよい。化合物(1)が1,4−シクロへキシレンを有する場合には、その立体配置はシス型よりトランス型が好ましい。化合物(1)は、H(重水素)または13Cなどの同位体元素を自然に存在する割合より多く含んでもよく、その場合でも化合物の物性に大きな差異はない。
およびXは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−OCH−、−CHO−、−CONH−、−NHCO−、−CH=CH−COO−、−OOC−HC=CH−、−(CH−COO−、−OOC−(CH−、−(CH−、または−C≡C−である。
好ましいXまたはXは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OOC−HC=CH−、−(CH−COO−、−OOC−(CH−、−(CH−、または−C≡C−であり、より好ましいXおよびXは独立して単結合、−COO−または−OCO−である。
mは0、1または2であり、mが2であるとき2つのAおよびXはそれぞれ同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。好ましいmは0または1である。
そしてGは水素、フッ素、メチル、シアノ、またはトリフルオロメチルであり、複数のGは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。好ましいGはメチル、フッ素または水素であり、より好ましいGは水素である。
[2] 式(1a)および式(1b)において、Rがフッ素、塩素、−CN、−NO、−OCF、炭素数1〜15のアルキル、または炭素数1〜15のアルコキシであり;YおよびYが独立して−O−、−(CH−、−O−(CH−、−(CH−O−、−O−(CH−O−または−O−(CHCHO)−であり、rが1〜10の整数であり、sが1〜5の整数であり;A、A、B、およびBが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルまたは(K1)、(K2)および(K3)から選択される基であり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の1つの水素はメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、アセトキシ、またはアセチルで置き換えられてもよく、そして任意の2つの水素はトリフルオロメチルで置き換えられてもよく;XまたはXは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OOC−HC=CH−、−(CH−COO−、−OOC−(CH−、−(CH−、または−C≡C−であり、mは0または1であり;Gはメチル、フッ素または水素である[1]に記載の化合物。
[3] 式(3)〜(6)のいずれか1つの式で表される化合物。
Figure 2006232809
式(3)〜(6)において、Rは−CN、−OCF、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;AおよびAは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、または2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレンであり;BおよびBは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2−メトキシ−1,4−フェニレン、2−アセチル−1,4−フェニレン、または2,3−ジトリフルオロメチル−1,4−フェニレン;XおよびXは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OOC−HC=CH−、−(CH−COO−、−OOC−(CH−、−(CH−、または−C≡C−であり;Xは単結合または−O−であり;qは0〜10の整数であり、複数のXおよびqはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
[4] 式(3)〜(6)において、Rが−CN、−OCF、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または2−メチル−1,4−フェニレンであり;BおよびBが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、または2,3−ジトリフルオロメチル−1,4−フェニレンであり;XおよびXが独立して単結合、−COO−または−OCO−であり;Xが単結合または−O−であり;qが0〜10の整数である[3]に記載の化合物。
[5] 式(3)で表される化合物であり、式(3)において、Rが−CNであり;Aが1,4−フェニレンであり;Bが1,4−フェニレンであり;Xが単結合であり;Xが単結合または−O−であり;qが0〜10の整数である[3]に記載の化合物。
[6] 式(5)で表される化合物であり、式(5)において、Aが1,4−フェニレンであり;Bが1,4−フェニレンであり;Xが−COO−であり;Xが単結合または−O−であり;qが0〜10の整数である[3]に記載の化合物。
[7] 式(6)で表される化合物であり、式(6)において、AおよびAが1,4−フェニレンであり;Bが1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは2−メチル−1,4−フェニレンであり;XおよびXが独立して−COO−または−OCO−であり;Xが単結合または−O−であり;qが0〜10の整数である[3]に記載の化合物。
[8] 第一成分として、[1]〜[2]のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物を含有する組成物。
[9] 第一成分として、[3]〜[7]のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物を含有する組成物。
[10] 第二成分として、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の化合物とは異なる重合性の化合物をさらに含有する[9]に記載の組成物。
[11] 第二成分が、式(M1)、式(M2)および式(M3)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物である[10]に記載の組成物。

Figure 2006232809
式(M1)、(M2)および(M3)において、Bは1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ジトリフルオロメチル−1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、または9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり;Rはフッ素、−OCF、−CN、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシであり;Xは独立して単結合、−(CH−または−C=C−であり;Xは単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OOC−HC=CH−、または−C≡C−であり;pおよびtは独立して1〜20の整数であり;Gは水素、フッ素、メチルまたはトリフルオロメチルであり;W、W、W、WおよびWは独立して水素またはフッ素であり;WおよびWは独立して水素またはメチルであり、*が付与された炭素は不斉炭素であり、複数のX、tおよびGはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
[12] 第1成分として、[3]に記載の式(6)で表される化合物であり、式(6)において、AおよびAが1,4−フェニレンであり;Bが1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは2−メチル−1,4−フェニレンであり;XおよびXが独立して−COO−または−OCO−であり;Xが単結合または−O−であり;qが0〜10の整数である化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含み、
第2成分として、式(M1)で表される化合物であり、式(M1)において、Bが1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ジトリフルオロメチル−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、または9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり;Xが単結合または−(CH−であり;pおよびtが1〜20の整数であり;Gが水素であり;W、W、WおよびWが水素またはフッ素である化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含み、
第1成分と第2成分の合計量100重量%に対して、第1成分の含有量が20〜80重量%であり、第2成分の含有量が20〜80重量%である[11]に記載の組成物。
[13] 第1成分として、[3]に記載の式(6)で表される化合物であり、式(6)において、AおよびAが1,4−フェニレンであり;Bが1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは2−メチル−1,4−フェニレンであり;XおよびXが独立して−COO−または−OCO−であり;Xが単結合または−O−であり;qが0〜10の整数である化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含み、
第2成分として式(M3)で表される化合物であり、式(M3)において、Gが水素であり;WおよびWが水素またはメチルである化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含み、
第1成分と第2成分の合計量100重量%に対して、第1成分の含有量が20〜80重量%であり、第2成分の含有量が20〜80重量%である[11]に記載の組成物。
[14] [1]〜[7]のいずれか1項に記載の化合物を重合させることによって得られる重合体。
[15] [8]〜[13]のいずれか1項に記載の組成物を重合させることによって得られる重合体。
[16] [14]または[15]に記載の重合体からなる光学異方性を有する成形体。
[17] [16]に記載の光学異方性を有する成形体を含有する液晶表示素子。
[18] [14]または[15]に記載の重合体の、光学異方性を有する成形体としての使用。
まず本発明の化合物について説明する。化合物(1a)または(1b)は次の特徴を有する。
a)化合物(1a)は液晶骨格の側鎖に2つのアクリロイルオキシ基またはα−置換アクリロイルオキシ基を有する重合性液晶化合物である。
b)化合物(1b)は液晶骨格の側鎖に4つのアクリロイルオキシ基またはα−置換アクリロイルオキシ基を有する重合性液晶化合物である。
c)化合物(1a)および(1b)は、通常使用される条件下において物理的および化学的に極めて安定であり、他の化合物との相溶性がよい。
d)化合物(1a)および(1b)を構成する環、結合基または側鎖を適当に選ぶことによって、大きい誘電率異方性、小さい誘電率異方性、大きい光学異方性、小さい光学異方性、小さい粘度などの物性値を調整することができる。
e)化合物(1a)または(1b)は液晶分子骨格に対して2つまたは4つのアクリロイルオキシ基またはα−置換アクリロイルオキシ基を有することから、重合により高密度の架橋(クロスリンク)構造を与える。
がアルキルまたはアルコキシのとき、アルキルの長さの違いにより液晶相の温度範囲を調整することができる。Rがフッ素または塩素のとき、化合物(1)の融点を低くする効果が期待できる。Rが光学活性な基のとき、組成物に螺旋誘起力を付与することができる。
およびXの少なくとも1つが−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、または−OOC−CH=CH−のとき、化合物の液晶性が良くなる傾向があり、−C≡C−のとき、光学異方性値の大きな化合物が得られる傾向がある。
Gがメチル、フッ素または水素のとき、化合物は重合が容易である。
環、側鎖、結合基および重合性基を適切に選択することにより、目的の物性を有する化合物(1)を得ることができる。
次に、化合物(1a)および(1b)の合成方法について説明する。化合物(1a)を合成するには単官能の液晶性エポキシ化合物(EP1)を原料として用いる。化合物(1b)を合成するには2官能の液晶性エポキシ化合物(EP2)を原料として用いる。(EP1)および(EP2)は文献1〜9などの方法により簡便に合成することができる。
文献1:Macromol.Chem.Phys,1995,196,3415ページ
文献2:特開平7−258638号公報
文献3:国際公開第95/7308号パンフレット
文献4:国際公開第97/34862号パンフレット
文献5:西独国特許第19640619号明細書
文献6:英国特許第2338240明細書
文献7:Macromolecules,1993,26,1244ページ
文献8:POLYMER,1994,Vol35,Number3,622ページ
文献9:特開2005−60373号公報
次に単官能エポキシ化合物(EP1)または2官能エポキシ化合物(EP2)とアクリル酸、メタクリル酸、トリフルオロメタクリル酸またはα−フルオロアクリル酸などのアクリル酸誘導体(Ac1)とを反応させ、対応するアクリル付加体(エポキシアクリレート)を得る。この反応は、50〜150℃の範囲の温度で、1〜8時間程度行う。反応の際、触媒を用いることが好ましい。触媒としては、トリエチルアミン、ジメチルブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、トリフェニルフォスフィンなどのフォスフィン類または、2−メチルイミダゾール、2−メチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸マグネシウム、塩化マグネシウム、水酸化亜鉛、酢酸亜鉛、(メタ)アクリル酸亜鉛、塩化亜鉛等のアルカリ土類金属塩、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等のアルカリ土類金属の酸化物等が挙げられる。これらは単独で用いても、複数を組み合わせて使用してもよい。反応は無溶媒または溶媒を用いてもよい。溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、ジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。生成したエポキシアクリレートの重合を防ぐために重合禁止剤の存在下で反応を行うことが好ましい。さらに重合防止効果を高めるために、空気または酸素とアルゴンとの混合ガスを反応混合物中に導入することが好ましい。重合禁止剤にはヒドロキノン、P−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−t−ブチルフェノール、3−ヒドロキシチオフェノール、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−ベンゾキノン、t−ブチルカテコール、ジフェニレンジアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、フェノチアジン、銅紛、ジチオカルバミン酸銅、酸化銅、塩化第1銅、硫酸銅、硫黄、塩化第2鉄などが挙げられる。これらの化合物は単独で使用することも、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
エポキシアクリレートは精製しないで、一旦、単離した後、塩基の存在下、アクリル酸塩化物、メタクリル酸塩化物、トリフルオロメタクリル酸塩化物、α−フルオロアクリル酸塩化物などのアクリル酸塩化物誘導体(Ac2)を反応させることにより、(1a)または(1b)を合成できる。塩基にはトリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ジメチルアニリンなどが使用できる。
Figure 2006232809
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このような方法で合成される化合物の例は、化合物No.1〜No.65である。
Figure 2006232809
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次に、本発明の組成物について説明する。この組成物は第一成分として化合物(1a)または(1b)の少なくとも1つを含有する。この組成物は次のような組成物A、Bなどに分類される。組成物Aは、化合物(1a)または(1b)の群から選ばれた2種類以上の化合物を含有する。組成物Bは、第一成分として化合物(1a)または(1b)の群から選ばれた少なくとも1つの化合物および第二成分として他の重合性液晶化合物の群から選ばれた少なくとも1つの化合物を含有する。
好ましい組成物Bは、第一成分として化合物(1a)または(1b)の少なくとも1つ、そして第二成分として化合物(M1)、(M2)または(M3)の少なくとも1つを含有する。この第二成分の化合物は、化合物(1a)または(1b)と共重合させるのに適している。化合物(M1)は、2官能の液晶性アクリレート化合物である。化合物(M2)は、単官能の液晶性アクリレート化合物である。化合物(M3)は2官能の光学活性な液晶性アクリレート化合物である。
Figure 2006232809
式(M1)、(M2)および(M3)において、Bは1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ジトリフルオロメチル−1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、または9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり;Rはフッ素、−OCF、−CN、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシであり;Xは独立して単結合、−(CH−または−C=C−であり;Xは単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OOC−HC=CH−、または−C≡C−であり;pおよびtは独立して1〜20の整数であり;Gは水素、フッ素、メチルまたはトリフルオロメチルであり;W、W、W、WおよびWは独立して水素またはフッ素であり;WおよびWは独立して水素またはメチルであり、*が付与された炭素は不斉炭素であり、複数のX、tおよびGはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
組成物に用いることができる、好ましい化合物(M1)は、化合物(M1−1)〜(M1−9)である。
Figure 2006232809
化合物(M1−1)〜(M1−3)は特開2003−238491号公報に記載された方法で合成できる。化合物(M1−5)〜(M1−7)はMakromol. Chem.,190, 2255−2268 (1989)に記載された方法で合成できる。化合物(M1−8)は特開2004−231638号公報に記載された方法で合成できる。
組成物に用いることができる、好ましい化合物(M2)は、化合物(M2−1)〜(M2−6)である。

Figure 2006232809
化合物(M2−1)、(M2−2)の合成方法は、Macromolecules, 26, 6132-6134 (1993)に記載されている。
組成物に用いることができる、好ましい化合物(M3)は、化合物(M3−1)、(M3−2)である。
Figure 2006232809
化合物(M3−1)、(M3−2)の合成方法は、特開2005−97281号公報に記載されている。
第一成分が化合物 式(3)〜式(6)の少なくとも1つであり、そして第二成分が化合物(M1)、(M2)または(M3)の少なくとも1つであるとき、好ましい組み合わせの例は、組成物(C1)、(C2)および(C3)である。化合物 式(3)〜式(6)は、それぞれ式(3)〜式(6)で表される化合物を意味する。好ましい組成物を表1にまとめる。化合物(M1)、(M2)または(M3)は、組成物における液晶相の温度範囲、粘度、液晶相の配向、重合体における皮膜形成性、機械的強度、耐熱性、耐溶媒性などを調整するのに都合がよい。好ましい第1成分と第2成分の組成比は、第1成分と第2成分の合計量100重量%に対して、第1成分の含有量が20〜80重量%であり、第2成分の含有量が20〜80重量%が好ましい。
表1.好ましい組成物
組成物 第一成分 第二成分
組成物C1: 化合物 式(6) 化合物(M1)
組成物C2: 化合物 式(6) 化合物(M2)
組成物C3: 化合物 式(6) 化合物(M3)
組成物(C1)、(C2)および(C3)の特長は、次のとおりである。1)重合開始剤を添加することで、紫外線などの電子線を照射することにより敏速な重合ができる。2)配向性に優れている。3)他の重合性液晶化合物との相溶性に優れる。
組成物A、Bなどの組成物は、必要に応じてさらに添加物を含有してもよい。重合体の物性を調整するための添加物は、非液晶性の重合性化合物、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、微粒子などである。単量体を重合させるための添加物は、重合開始剤、増光剤、連鎖移動剤などである。組成物を希釈するためには有機溶媒が好ましい。これらの添加物の量は、その目的を達する程度の少ない量が好ましい。組成物の成分を構成する原子がその同位体を天然存在比より多く含んでいても、同様の特性を有するので好ましい。
皮膜形成性、機械的強度などを調整する目的で非液晶性の重合性化合物を、組成物に添加することもできる。好ましい非液晶性の重合性化合物の例は、(メタ)アクリレート化合物、ビニル化合物、スチレン化合物、ビニルエーテル化合物、および多官能アクリレートである。
非液晶性の重合性化合物の好ましい例は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニル、N−ビニルアセトアミド、p−t−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニル、スチレン、o−、m−またはp−クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、テトラフルオロエチレン、およびヘキサフルオロプロペンである。これらの非液晶性の重合性化合物は分子量が低く組成物の粘度を調整することに適している。
多官能アクリレートの好ましい例は、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールEO付加トリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、トリスアクリロキシエチルフォスフェート、ビスフェノールA EO付加ジアクリレート、ビスフェノールAグリシジルジアクリレート(大阪有機化学株式会社製、商品名:ビスコート700)、ポリエチレングリコールジアクリレート、およびエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンアクリレートである。これらの多官能アクリレートは重合体の被膜形成能をより高めるために使用できる
界面活性剤は、組成物を支持基板などに塗布するのを容易にする、液晶相の配向を制御する、などの効果を有する。界面活性剤の例は、イミダゾリン、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族または芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基含有ウレタンである。界面活性剤の好ましい量は、界面活性剤の種類、組成物の組成比などにより異なるが、組成物の全重量に基づいて100ppm〜5重量%の範囲である。さらに好ましい量は0.1〜1重量%の範囲である。
好ましい酸化防止剤は、ヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、トリフェニルフォスファイト、トリアルキルフォスファイトなどである。好ましい市販品は、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製のイルガノックス245、イルガノックス1035などである。
好ましい紫外線吸収剤は、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製のチヌビンPS、チヌビン213、チヌビン109、チヌビン328、チヌビン384−2、チヌビン327などである。光学異方性を調整したり、重合体の強度を上げるために、微粒子を添加してもよい。好ましい微粒子の材質は、無機物、有機物、金属などである。好ましい無機物は、セラミックス、フッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母、テニオライト、フッ素バーミキュライト、フッ素ヘクトライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、カオリナイト、フライポンタイト、ZnO、TiO、CeO、Al、Fe、ZrO、MgF、SiO、SrCO、Ba(OH)、Ca(OH)、Ga(OH)、Al(OH)、Mg(OH)、Zr(OH)などである。炭酸カルシウムの針状結晶などの微粒子は光学異方性を有する。このような微粒子によって、重合体の光学異方性を調節できる。
好ましい有機物は、カーボンナノチューブ、フラーレン、デンドリマー、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポリイミドなどである。微粒子の好ましい粒径は、0.001〜0.1μmである。より好ましい粒径は0.001〜0.05μmである。材質にもよるが、凝集現象を防止するために、小さい粒径が好ましい。粒径の分布はシャープな方が好ましい。好ましい添加量は、組成物の全重量に基づいて0.1〜30重量%である。添加の目的を達する限り、少ない割合が好ましい。
組成物は、通常の光ラジカル重合開始剤を添加して重合反応に使用する。光ラジカル重合開始剤の例は、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)の製品のうちから、ダロキュアー1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、イルガキュアー184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、イルガキュアー651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、イルガキュアー500、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー1300、イルガキュアー819、イルガキュアー1700、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、ダロキュアー4265、イルガキュアー784などである。
光ラジカル重合開始剤のその他の例は、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物、ベンゾフェノン/メチルトリエタノールアミン混合物などである。
溶媒の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブなどである。溶媒は単一化合物であってもよいし、または混合物であってもよい。
次に、重合体について説明する。化合物(1a)および(1b)は重合性の基を有する。これらの化合物を含有する組成物を重合させることによって重合体が得られる。得られた重合体は光学異方性を有する。重合体は表面硬度が大きく、耐熱性にも優れている。重合反応の種類は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合、リビング重合などである。重合性基の性質を考慮すると、好ましい反応はラジカル重合である。配向の優れた重合体を得るときは、光の照射によるラジカル重合がさらに好ましい。組成物が液晶である条件下で、重合を行なわせるのが容易だからである。
好ましい光の種類は、紫外線、可視光線、赤外線などである。光の波長は使用する光ラジカル重合開始剤の吸収波長に合わせて選択する。好ましい光の波長の範囲は150〜500nmである。さらに好ましい範囲は250〜450nmであり、最も好ましい範囲は300〜400nmである。光源は、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、またはショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などである。好ましい光源は超高圧水銀ランプである。光源からの光はそのまま組成物に照射してもよい。フィルターによって選択した特定の波長(または特定の波長領域)を組成物に照射してもよい。好ましい照射エネルギー密度の範囲は、2〜5000mJ/cm2である。さらに好ましい範囲は10〜3000mJ/cm2である。特に好ましい範囲は100〜2000mJ/cm2である。好ましい照度は0.1〜5000mW/cmである。さらに好ましい照度は1〜2000mW/cmである。組成物が液晶相を有するように、光を照射するときの温度を設定する。好ましい照射温度は100℃以下である。100℃以下の温度では熱による重合が起こりにくいので、良好な配向が得られやすい。
重合体の形状は、フィルム、板などである。重合体は成形されてもよい。フィルムの重合体を得るには、一般に支持基板が用いられる。支持基板の上に組成物を塗布し、その組成物が液晶状態で形成するネマチック配向などの液晶相を有している塗膜(paint film)を重合させると、分子の配向が固定されたフィルムが得られる。好ましい重合体の厚さは、重合体の光学異方性の値および用途に依存する。従って、その範囲を厳密に決定することはできないが、好ましい厚さは0.05〜50μmの範囲であり、より好ましい厚さは0.1〜20μmの範囲である。特に好ましい厚さは0.5〜10μmの範囲である。これらの重合体のヘイズ値(haze value;曇り度)は、概して1.5%以下、好ましくは1.0%以下である。これらの重合体の透過率は、可視光領域において一般的に80%以上、好ましくは85%以上である。ヘイズ値の範囲1.5%以下は、偏光性能に問題を生じさせないために好ましい条件である。透過率の範囲80%以上は、この光学異方性薄膜を液晶表示素子に用いるとき、明るさを維持するために好ましい条件である。したがって、これらの重合体は液晶表示素子に用いる光学異方性の薄膜として適している。
支持基板の例は、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどである。商品名の例は、JSR(株)の「アートン」、日本ゼオン(株)の「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井化学(株)の「アペル」などである。支持基板は一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムなどである。好ましい支持基板はトリアセチルセルロース(TAC)フィルムである。このフィルムを前処理することなくそのまま用いてもよい。このフィルムは、必要に応じて、鹸化処理、コロナ放電処理、UV−オゾン処理などの表面処理を行ってもよい。その他の例は、アルミニウム、鉄、銅などの金属製の支持基板、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラスなどのガラス製の支持基板などである。
支持基板上の塗膜は、組成物をそのまま塗布することによって調製される。塗膜は、組成物を適切な溶媒に溶かして塗布した後、溶媒を除去することによっても調製される。塗布の方法は、スピンコート、ロールコート、カテンコート、フローコート、プリント、マイクログラビアコート、グラビアコート、ワイヤーバーコート、デップコート、スプレーコート、メニスカスコートなどである。
液晶組成物の配向を決定する因子は、1)重合性化合物の化学構造、2)支持基板の種類、3)配向処理の方法、などである。項1)に関しては、重合性化合物の側鎖、環、結合基、重合性基などの種類に依存する。項2)に関しては、重合体、ガラス(アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラスなど)、金属(アルミニウム、鉄、銅など)などのような支持基板の材質に依存する。項3)に関しては、レーヨン布などで一方向にこする(ラビング)、酸化ケイ素を斜方蒸着させる、延伸、偏光紫外線配向、イオンビームなどを用いたラビングフリー配向、表面にスリット状に溝をつける、スリット状にエッチング加工する、などの方法がある。ラビング処理においては、支持基板を直接的にラビングしてもよい。支持基板をポリイミド、ポリビニルアルコールなどの薄膜でコーティングし、この薄膜をラビングしてもよい。ラビング処理をしなくても、良好な配向を与える特殊な薄膜も知られている。
液晶化合物における配向の分類は、ホモジニアス(homogenerous;平行)、ホメオトロピック(homeotropic;垂直)、ハイブリッド(hybrid)、チルト(tilted)、ツイスト(twisted)などである。ホモジニアスは、配向ベクトルが基板に平行で、かつ一方向にある状態をいう。ホメオトロピックは、配向ベクトルが基板に垂直である状態をいう。ハイブリッドは、配向ベクトルが基板から離れるにしたがって、平行から垂直に立ちあがっている状態をいう。チルトは、配向ベクトルが基板に対して、一定の傾き角で起きあがっている状態をいう。これらの配向は、ネマチック相などを有する組成物で観察される。一方、ツイスト配向は、キラルなネマチック相、コレステリック相などを有する組成物で観察される。ツイストは、配向ベクトルが基板に平行ではあるが、基板から離れるにしたがって、漸次ねじれている状態をいう。このねじれは光学活性な基の作用によって生起する。
重合体の用途について説明する。この重合体は、光学異方性を有する成形体として使用できる。この重合体を含有する素子は、位相差板(1/2波長板、1/4波長板など)、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜などの光学フィルムである。ホモジニアス、ハイブリット、ホメオトロピックなどの配向を有する重合体は、位相差板、偏光素子、液晶配向膜、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜、などに利用できる。ツイストなどの配向を有する重合体は、位相差板、偏光素子、選択反射膜、視野角補償膜などに利用できる。このような重合体は、液晶ディスプレイの位相差板や視野角補償膜などに、光学補償を目的として用いられる。このような重合体は、高熱伝導性エポキシ樹脂、接着剤、機械的異方性を有する合成高分子、化粧品、装飾品、非線型光学材料、情報記憶材料などにも利用できる。
位相差板は偏光の状態を変換する機能を有する。1/2波長機能板は、直線偏光の振動方向を90度回転させる機能を有する。d=λ/2×Δnの式を満たすように組成物を支持基板上に塗布する。ここで、dは組成物の厚さ、λは波長、Δnは光学異方性である。この組成物波、重合性の液晶化合物を配向させた後、光重合させることによって1/2波長機能板を得ることができる。一方、1/4波長機能板は、直線偏光を円偏光に、または円偏光を直線偏光に変換する機能を有する。この場合には、d=λ/4×Δnの条件を満たすように組成物の塗膜を調製すればよい。重合体の厚さ(d)は次のように調整される。組成物を溶媒で希釈した後、支持基板上に塗布する方法では、組成物の濃度、塗布する方法、塗布する条件などを適切に選択することによって、目的とする厚さの塗膜を得ることができる。液晶セルを利用する方法も好ましい。液晶セルはポリイミドなどの配向膜を有しているので都合がよい。この液晶セルに組成物を注入する場合には、液晶セルの間隔によって塗膜の厚さを調整することができる。
ツイスト配向を有する重合体は、位相差板として有用である。螺旋のピッチが、波長の1/n(nは重合体の平均屈折率)であるとき、この波長の光はブラッグの法則に従って反射され、円偏光に変換される。円偏光の方向は、螺旋の方向、すなわち光学活性な化合物の立体配置に依存する。光学性な化合物の立体配置を適切に選択することによって、円偏光の方向を決めることができる。この重合体は、円偏光分離機能素子として有用である。
物性の測定法を記載した後、実施例により本発明を詳細に説明する。実施例は、本発明の一例である。本発明は下記の実施例によって限定されない。組成物の割合は、重量%(wt%)である。
相転移温度は、偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で昇温して、液晶相が転移する温度を測定した。Cは結晶、Nはネマチック相、Chはコレステリック相、Iは等方性液体を、かっこ内はモノトロピックの液晶相を意味する。NI点は、ネマチック相の上限温度またはネマチック相から等方性液体への転移温度である。「C50N63I」は、50℃で結晶からネマチック相に転移し、63℃でネマチック相から等方性液体へ転移したことを示す。
セロテープ(登録商標)剥離試験は、JIS規格「JIS−K−5400、8.5、付着性(8.5.2、碁盤目テープ法)」の試験法に従った。つまり、100のます目のうち、剥離しなかったます目の数によって、結果を評価した。
鉛筆硬度は、JIS規格「JIS−K−5400、8.4、鉛筆引掻試験」の方法に従った。結果を鉛筆の芯の硬さで表した。
耐熱性試験は、150℃で500時間の条件で行ない、結果はリタデーション(retardation)の変動によって評価した。ガラス基板にポリアミック酸(チッソ(株)のPIA5310)を塗布した後、210℃で30分加熱して支持基板を得た。加熱によって生成したポリイミドの表面はレーヨン布でラビングした。試料の組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(重量比で2:1)で希釈して30重量%の溶液を調製した。溶液をスピンコータで支持基板に塗布し、70℃で3分間加熱した後、生成した塗膜に超高圧水銀灯(250W/cm)を使って紫外線を60℃で10秒間照射した。得られた重合体のリタデーションを20℃で測定した。重合体を150℃で500時間加熱した後、再度リタデーションを20℃で測定した。2つの値を比較して耐熱性を評価した。リタデーションは、文献の方法に従い、セナルモン・コンペンセータ(Senarmont compensator)を用いて測定した。使用した波長は550nmである。文献は、粟屋裕著、「高分子素材の偏光顕微鏡入門」、94頁、アグネ技術センター発行、2001年である。
光学異方性(△n)は、次のように算出した。耐熱性試験の方法にしたがって重合体のリタデーション(25℃)の値を測定した。重合体の厚さ(d)も測定した。リタデーションは△n×dであるから、この関係から光学異方性の値を算出した。
配向は偏光顕微鏡によって観察した。重合体は、アセチル化度2.9のケン化処理したTACフィルム(支持基板)の上に調製した。この試料を、クロスニコルに配置した2枚の偏光板に挟持した。配向の種類は、透過光強度の角度依存性から判断した。
実施例1
化合物No.1の合成
(第1段階)
4−シアノ−4’−ヒドロキシビフェニル20g、臭化アリル20gおよび炭酸カリウム25gを2−ブタノン250mlに加えた反応混合物を7時間還流した。反応混合物に水を加え分液を行い、有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣を、トルエンを溶出溶媒に用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらにエタノールで再結晶して4−アリルオキシ−4’−シアノビフェニル22gを得た。
実施例1、第1段階と同様の方法により4−(4−アリルオキシブチルオキシ)−4’−シアノビフェニルを合成した。合成した2つの化合物の相転移温度を示す。
Figure 2006232809
(第2段階)
4−アリルオキシ−4’−シアノビフェニル19gを塩化メチレン150mlに溶解した反応混合物に、m−クロロ過安息香酸20gを数回に分けて加え、室温で24時間かくはんした。析出した不溶物をろ過して取り除き、水を加え分液を行い、有機層をハイドロサルファイトナトリウム飽和水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらにエタノールで再結晶することで13gの4−シアノ−4’−グリシジルビフェニルを得た。
4−シアノ−4’−グリシジルビフェニルおよび実施例1、第2段階と同様の方法で合成した化合物の相転移温度を示す。

Figure 2006232809
(第3段階)
4−シアノ−4’−グリシジルビフェニル1g、アクリル酸0.5g、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.07g、および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02gをトルエン50mlに加えた反応混合物に空気をバブリングしながら5時間還流した。100mlのクロロホルムと水を加え分液を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して油状物の残渣を得た。この油状物にジオキサン20mlおよびジメチルアニリン1.2gを加え50℃に加熱し、そこへアクリロイルクロライド0.8gを滴下し、同温度を保ちながら2時間かくはんした。トルエンと水を加え分液を行い、トルエン層を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶により精製して化合物No.1を得た。
実施例1、第3段階の方法により、化合物No.5を合成した。化合物No.1およびNo.5の相転移温度および性状を示す。
Figure 2006232809
実施例2
(第1段階)
アリル(4−クロロブチル)エーテル14g、4−ヒドロキシ安息香酸14g、炭酸カリウム14g、およびジメチルホルムアミド50mlからなる反応混合物を90℃で3時間かくはんした。水を加えトルエンで抽出し、トルエン層を水でよく洗浄して、トルエンを留去した。得られた残渣に水酸化ナトリウム20g、水50mlおよびエタノール200mlを加え、2時間還流した。エタノールを留去して塩酸を加え酸性とし、ジエチルエーテルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をエタノールと水との混合溶媒で再結晶して、29gの4−(4−アリルオキシブチルオキシ)安息香酸を得た。
相転移温度:C 94 N 107 I.
実施例2、第1段階の方法により、以下の安息香酸誘導体を合成した。
4−アリルオキシ安息香酸(融点:164〜165℃)
4−(3−ブテニルオキシ)安息香酸(相転移温度:C 121 N 141.5 I)
(第2段階)
4−(4−アリルオキシブチルオキシ)安息香酸1.34gおよび2,7−ジヒドロキシ−9−メチルフルオレン0.46gを塩化メチレン30mlに溶かし5℃まで冷やし、そこへジメチルアミノピリジン0.01gおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1.15gを加え室温で12時間攪拌した。水50mlを加え分液を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、エタノールおよび酢酸エチルを混合した溶媒で再結晶を行い0.6gの2,7−ジ[4−(4−アリルオキシブチルオキシ)ベンゾイルオキシ)9−メチルフルオレンを得た。
実施例2、第2段階の方法により、以下の化合物を合成した。2,7−ジ[4−(4−アリルオキシブチルオキシ)ベンゾイルオキシ]9−メチルフルオレンおよび合成した化合物の相転移温度を示す。
Figure 2006232809
(第3段階)
2,7−ジ[4−(4−アリルオキシブチルオキシ)ベンゾイルオキシ]9−メチルフルオレン0.64g、塩化メチレン10mlの反応混合物にm−クロロ安息香酸0.5gを加え、室温で2日間かくはんした。反応混合物を5%水酸化ナトリウム溶液で洗浄、亜硫酸水素ナトリウム溶液、炭酸水素ナトリウム溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、エタノール、酢酸エチルの混合溶媒で再結晶して0.56gの2,7−ジ[4−(4−グリシジルオキシブチルオキシ)ベンゾイルオキシ]9−メチルフルオレンを得た。
実施例2、第3段階の方法により、以下の化合物を合成した。2,7−ジ[4−(4−グリシジルオキシブチルオキシ)ベンゾイルオキシ]9−メチルフルオレンおよび合成した化合物の相転移温度を示す。
Figure 2006232809
(第4段階)
2,7−ジ[4−(4−グリシジルオキシブチルオキシ)ベンゾイルオキシ]9−メチルフルオレン5g、アクリル酸5g、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.1g、水酸化マグネシウム0.2g、および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.04gをトルエン100mlに加えた反応混合物に空気をバブリングしながら5時間還流した。100mlのクロロホルムと水を加え分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去すると油状物の残渣が得られた。この油状物にジオキサン20mlおよびジメチルアニリン2.4gを加え50℃に加熱し、そこへアクリロイルクロライド1.8gを滴下し、同温度を保ちながら2時間かくはんした。トルエンと水を反応混合物に加え分液を行い、トルエン層を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶により精製して化合物No.71を得た。
実施例2、第4段階の方法により、以下の化合物No.42を合成した。化合物No.42の性状および化合物No.56の相転移温度を示す。
Figure 2006232809
実施例3
ホモジニアス配向の組成物例
50重量%の化合物(No.56)および50重量%の化合物(M1−2)から組成物(CL1)を調製した。化合物(M1−2)は特開2003−238491号公報に記載の方法で合成した。この組成物は室温でネマチック液晶相を有し、NI点が155℃であった。化合物(No.56)は良好な相溶性を有し、相分離することがなかった。組成物(CL1)は室温においても直ちに結晶化するのではなく液晶状態を保持した。組成物(CL1)は、ラビングしたTACフィルム上に塗布したところ、ホモジニアス配向を示した。
Figure 2006232809
実施例4
可視光域(波長350〜750nm)の一部に選択反射を示す組成物例
70重量%の化合物(No.56)および30重量%の化合物(M3−1)から組成物(CL2)を調製した。化合物(M3−1)は特開2005−97281号公報に記載の方法で合成した。この組成物は室温でコレステリック液晶相を有し、Ch−Iの転移点が77℃であった。化合物(No.56)は良好な相溶性を有し、相分離することがなかった。組成物(CL2)は室温においても直ちに結晶化するのではなく液晶状態を保持した。組成物(CL2)は、ラビングしたTACフィルム上に塗布したところ、目視において赤色の選択反射を示した。
Figure 2006232809
実施例5(紫外線照射による配向フィルムの製造)
組成物(CL1)10gおよびイルガキュアー907(商品名)0.3gをシクロペンタノン80gに溶解した溶液を、表面をレーヨン布によりラビングしたアセチル化度2.9のケン化処理したTACフィルム(支持基板)の上に、マイクログラビヤコーターを用いて塗布した。塗布後、室温で5分放置し、溶媒を除去して液晶相を配向させた。室温を保ったまま、窒素雰囲気下で、高圧水銀灯(120W/cm)を使用して紫外線を10秒間照射し、液晶配向フィルム(F1)を得た。組成物のホモジニアス配向は、重合によっても保持された。このフィルムの鉛筆硬度は3Hであった。このフィルムの温度変化(20〜150℃)によるリタデーションの変化は3%以内であり、耐熱性の高いフィルムであった。
組成物(CL2)10gおよびイルガキュアー907(商品名)0.3gをシクロペンタノン80gに溶解した溶液を、表面をレーヨン布によりラビングしたアセチル化度2.9のケン化処理したTACフィルム(支持基板)の上に、マイクログラビヤコーターを用いて塗布した。塗布後、室温で5分放置し、溶媒を除去して液晶相を配向させた。室温を保ったまま、窒素雰囲気下で、高圧水銀灯(120W/cm)を使用して紫外線を10秒間照射し、液晶配向フィルム(F2)を得た。組成物のグランジャン配向は、重合によっても保持された。この組成物は、良好な配向性と紫外線による重合性を有した。このフィルムの鉛筆硬度は3Hであった。このフィルムの温度変化(20〜150℃)によるリタデーションの変化は3%以内であり、耐熱性の高いフィルムであった。
これらのフィルムの評価結果を表2にまとめる。これらの結果から、1)重合体は硬度が大きい、2)重合体は耐熱性が大きい、ということが判った。
表2.評価結果
フィルム番号 配向状態 鉛筆硬度 耐熱性
F1 ホモジニアス配向 3H 3%以内
F2 ツイスト配向(赤色選択反射) 3H 3%以内

Claims (18)

  1. 式(1a)または式(1b)で表される化合物。
    Figure 2006232809
    式(1a)および式(1b)において、Rは水素、フッ素、塩素、−CN、−NO、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの−CH−は−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、この場合、Rは光学活性な基でもよく;YおよびYは独立して炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の1つまたは2つの−CH−は−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、そして任意の1つの−CH−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、この場合、YまたはYは光学活性な基でもよく;A、A、B、およびBは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−クロロフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイル、または(K1)、(K2)および(K3)から選択される基であり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素または塩素で置き換えられてもよく、そして任意の1つまたは2つの水素はシアノ、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルで置き換えられてもよく;XおよびXは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−OCH−、−CHO−、−CONH−、−NHCO−、−CH=CH−COO−、−OOC−HC=CH−、−(CH−COO−、−OOC−(CH−、−(CH−、または−C≡C−であり;mは0、1または2であり、mが2であるとき2つのAおよびXはそれぞれ同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;Gは水素、フッ素、メチル、シアノ、またはトリフルオロメチルであり、複数のGは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
    Figure 2006232809
  2. 式(1a)および式(1b)において、Rがフッ素、塩素、−CN、−NO、−OCF、炭素数1〜15のアルキル、または炭素数1〜15のアルコキシであり;YおよびYが独立して−O−、−(CH−、−O−(CH−、−(CH−O−、−O−(CH−O−または−O−(CHCHO)−であり、rが1〜10の整数であり、sが1〜5の整数であり;A、A、B、およびBが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルまたは(K1)、(K2)および(K3)から選択される基であり、この1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の1つの水素はメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、アセトキシ、またはアセチルで置き換えられてもよく、そして任意の2つの水素はトリフルオロメチルで置き換えられてもよく;XおよびXが独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OOC−HC=CH−、−(CH−COO−、−OOC−(CH−、−(CH−、または−C≡C−であり、mは0または1であり;Gはメチル、フッ素または水素である請求項1に記載の化合物。
  3. 式(3)〜(6)のいずれか1つの式で表される化合物。
    Figure 2006232809
    式(3)〜(6)において、Rは−CN、−OCF、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;AおよびAは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、または2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレンであり;BおよびBは独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2−メトキシ−1,4−フェニレン、2−アセチル−1,4−フェニレン、または2,3−ジトリフルオロメチル−1,4−フェニレン;XおよびXは独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OOC−HC=CH−、−(CH−COO−、−OOC−(CH−、−(CH−、または−C≡C−であり;Xは単結合または−O−であり;qは0〜10の整数であり、複数のXおよびqはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
  4. 式(3)〜(6)において、Rが−CN、−OCF、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;AおよびAが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または2−メチル−1,4−フェニレンであり;BおよびBが独立して1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、または2,3−ジトリフルオロメチル−1,4−フェニレンであり;XおよびXが独立して単結合、−COO−または−OCO−であり;Xが単結合または−O−であり;qが0〜10の整数である請求項3に記載の化合物。
  5. 式(3)で表される化合物であり、式(3)において、Rが−CNであり;Aが1,4−フェニレンであり;Bが1,4−フェニレンであり;Xが単結合であり;Xが単結合または−O−であり;qが0〜10の整数である請求項3に記載の化合物。
  6. 式(5)で表される化合物であり、式(5)において、Aが1,4−フェニレンであり;Bが1,4−フェニレンであり;Xが−COO−であり;Xが単結合または−O−であり;qが0〜10の整数である請求項3に記載の化合物。
  7. 式(6)で表される化合物であり、式(6)において、AおよびAが1,4−フェニレンであり;Bが1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは2−メチル−1,4−フェニレンであり;XおよびXが独立して−COO−または−OCO−であり;Xが単結合または−O−であり;qが0〜10の整数である請求項3に記載の化合物。
  8. 第一成分として、請求項1〜2のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物を含有する組成物。
  9. 第一成分として、請求項3〜7のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物を含有する組成物。
  10. 第二成分として、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物とは異なる重合性の化合物をさらに含有する請求項9に記載の組成物。
  11. 第二成分が、式(M1)、式(M2)および式(M3)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物である請求項10に記載の組成物。


    Figure 2006232809
    式(M1)、(M2)および(M3)において、Bは1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ジトリフルオロメチル−1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、または9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり;Rはフッ素、−OCF、−CN、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシであり;Xは独立して単結合、−(CH−または−C=C−であり;Xは単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OOC−HC=CH−、または−C≡C−であり;pおよびtは独立して1〜20の整数であり;Gは水素、フッ素、メチルまたはトリフルオロメチルであり;W、W、W、WおよびWは独立して水素またはフッ素であり;WおよびWは独立して水素またはメチルであり、*が付与された炭素は不斉炭素であり、複数のX、tおよびGはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
  12. 第1成分として、請求項3に記載の式(6)で表される化合物であり、式(6)において、AおよびAが1,4−フェニレンであり;Bが1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは2−メチル−1,4−フェニレンであり;XおよびXが独立して−COO−または−OCO−であり;Xが単結合または−O−であり;qが0〜10の整数である化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含み、
    第2成分として、式(M1)で表される化合物であり、式(M1)において、Bが1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ジトリフルオロメチル−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、または9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり;Xが単結合または−(CH−であり;pおよびtが1〜20の整数であり;Gが水素であり;W、W、WおよびWが水素またはフッ素である化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含み、
    第1成分と第2成分の合計量100重量%に対して、第1成分の含有量が20〜80重量%であり、第2成分の含有量が20〜80重量%である請求項11に記載の組成物。
  13. 第1成分として、請求項3に記載の式(6)で表される化合物であり、式(6)において、AおよびAが1,4−フェニレンであり;Bが1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは2−メチル−1,4−フェニレンであり;XおよびXが独立して−COO−または−OCO−であり;Xが単結合または−O−であり;qが0〜10の整数である化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含み、
    第2成分として式(M3)で表される化合物であり、式(M3)において、Gが水素であり;WおよびWが水素またはメチルである化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含み、
    第1成分と第2成分の合計量100重量%に対して、第1成分の含有量が20〜80重量%であり、第2成分の含有量が20〜80重量%である請求項11に記載の組成物。
  14. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を重合させることによって得られる重合体。
  15. 請求項8〜13のいずれか1項に記載の組成物を重合させることによって得られる重合体。
  16. 請求項14または15に記載の重合体からなる光学異方性を有する成形体。
  17. 請求項16に記載の光学異方性を有する成形体を含有する液晶表示素子。
  18. 請求項14または15に記載の重合体の、光学異方性を有する成形体としての使用。
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