JP2000321119A - 計量装置 - Google Patents

計量装置

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JP2000321119A JP12732299A JP12732299A JP2000321119A JP 2000321119 A JP2000321119 A JP 2000321119A JP 12732299 A JP12732299 A JP 12732299A JP 12732299 A JP12732299 A JP 12732299A JP 2000321119 A JP2000321119 A JP 2000321119A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロードセルのオフセット変化及び風袋質量変
化の影響を受けずに床振動に基づく計量誤差を補正する
こと。 【解決手段】 揺動する床Fに設置され補正用質量m2
に基づく重量を受けてダミー信号を生成するダミーセル
1 〜44 、及び被計量物30の重量を受けて計量信号
を生成する計量セル1と、各ダミー信号の差分を算出す
る差分演算手段211 〜214 と、各ダミー信号の差分
Δu’d1(j) 〜Δu’d4(j) に基づいて床Fの揺動環境
の加速度の差分ΔB(j) を算出する揺動環境算出手段3
3と、差分ΔB(j) を積分して揺動環境の加速度B’
(j) を算出する積分演算手段22と、加速度B’(j) と
被計量物30の計量信号とに基づいて被計量物30の質
量が含まれているパラメータdc を算出するパラメータ
算出手段23と、パラメータと計量セル1に掛かる風袋
の質量とに基づいて被計量物30の揺動成分を除去した
質量mx を算出する質量算出手段24と、を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば船上のよ
うに振動する床に設置されても正確な重量又は質量の計
量を可能にする計量装置において、零点補正機能を有す
る計量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記従来の計量装置として本願出願に係
る発明者が先に発明している計量装置がある(特願平9
−244700号)。その計量装置は、図2に示すよう
に、それぞれがロードセルから成る計量セル1と複数の
ダミーセル21 〜2n 、更に増幅器3、41 〜44 、ア
ナログ・デジタル変換器(A/D変換器)5、61 〜6
4 、及び信号処理装置12を備えており、これら計量セ
ル1とダミーセル21 〜2n は揺動(振動)する同一の
床Fに異なる高さ位置に設けられている。ここで、まず
これらロードセルのうちの1つについて説明する。ロー
ドセルが例えば図3に示す揺動座標空間xyzにおい
て、xy平面に平行な平面上に設置されているとする。
この座標空間xyzの揺動は、xyzの各軸に平行する
方向の3つの直線運動と、xyzの各軸の回りの3つの
回転運動から成っている。ただし、この使用しているロ
ードセルは設置されている平面の垂直方向であるz軸方
向の力を検出し、これ以外の方向の力を検出しないの
で、ロードセルに掛かる重量の負荷質量m(被計量物3
0と載台(風袋)31との合成質量m1 、又は分銅32
とダミーセルの風袋との合成質量m2 )の重心(質点)
の空間位置(以下、ロードセル(計量セル、ダミーセ
ル)の重心位置と言うこともある。)が空間座標上の点
p(xp 、yp 、zp )に位置するとすると、ロードセ
ルの出力信号up (t)をマトリックスで表すと、
【0003】
【数1】
【0004】である。T は転置を表す。(1)〜(3)
式において、E、mはそれぞれロードセルの出力感度、
負荷質量、θx (t)、θy (t)はそれぞれx、y軸
回りの回転運動、δz (t)はz軸方向の直線運動であ
り、‥と・はそれぞれ時間に対する2階微分と1階微分
を表す。また、gxy(t)は重力加速度gのxy平面に
対する垂直成分である。B(t)が揺動環境の加速度で
ある。ここで例えば4台のダミーセル21 〜24 をそれ
ぞれxy平面に平行な平面にであって、適切な座標di
(xdi、ydi、zdi)(ただし、i=1、2、3、4)
に設置する。ただし、di (i=1、2、3、4)は4
台の各ダミーセルの重心位置を表す。
【0005】次に、従来の計量装置の信号処理について
説明する。ただし、デジタル方式の処理を行うので、計
量セル1と各ダミーセル21 〜24 の出力信号を時系列
として表すこととする。図2に示す揺動環境算出手段9
は、4台の各ダミーセル21 〜24 の出力信号udi(j)
(ただし、i=1、2、3、4)を用いて床Fの揺動に
よる揺動環境の加速度B(j) を算出し、この算出値Bc
(j) は、次式で表すことができる。
【0006】 Bc (j) =D-1d (j) /(E2 2 ) (4) ただし、
【0007】
【数2】
【0008】 Ud T (j) = [ud1(j) ud2(j) ud3(j) ud4(j)] (6) である。ただし、各ダミーセル21 〜24 の出力感度と
負荷質量はそれぞれ同一であり、E2 とm2 (m2 は、
各ダミーセルに設けられている分銅32の質量と各ダミ
ーセルの風袋質量の合計質量)で表してある。
【0009】また、(1)式より計量セル1の出力信号
k (j) を uk (j) =BT (j) C (7) と表すことができる。ただし、 CT = [a b c d] (8) a=E1 1 k 、b=E1 1 k 、c=E1 1
k 、d=E1 1 、及び座標k(xk 、yk 、zk
は、計量セル1の重心位置である。
【0010】揺動環境加速度Bc (j) 、計量セル1の出
力信号uk (j) をそれぞれ1つの線形システムの4入
力、1出力とみなして、パラメータ算出手段10がパラ
メータベクトルCを例えば最小2乗法を用いて算出す
る。ここで、パラメータベクトルCのうちのパラメータ
c は、 dc =E1 1 である。よって、計量セル1に掛かる負荷質量m1 は、 m1 =dc /E1 (9) により求めることができる。なお、B(j) は実際の揺動
環境加速度であり、Bc(j) はその計算値である。そし
て、この算出された計量セル1の負荷質量m1 は、被計
量物30の質量m x と載台31を含む風袋の既知質量M
との合計質量であるので、質量算出手段11は、被計量
物30の質量mx を mx =m1 −M (10) により算出することができる。
【0011】次に、上記の処理の内容を図2に示すブロ
ック図を参照して説明する。計量セル1、及び4台の各
ダミーセル21 〜24 から出力されるアナログ計量信号
W、及び各アナログダミー信号D1 〜D4 は、増幅器
3、41 〜44 で増幅されてA/D変換器5、61 〜6
4 でデジタル信号に変換され、そして、デジタルフィル
タ7、81 〜84 を通過してデジタル計量信号uk (j)
、デジタルダミー信号u d1(j) 〜ud4(j) に変換され
る。ここで、CPUから成る信号処理装置12は、これ
らデジタルフィルタ7、81 〜84 、揺動環境算出手段
9、パラメータ算出手段10、及び質量算出手段11を
備えている。揺動環境算出手段9は、ダミー信号ud1
d4と、予め設定さているダミーセル21 〜24 の重心
位置の座標d i (xdi、ydi、zdi)(i=1、2、
3、4)と、を(4)式に代入して揺動環境の加速度B
c (j) を算出し、この算出したBc (j) をパラメータ算
出手段10に出力する。パラメータ算出手段10は、計
量セル1の出力信号uk (j) と揺動環境の加速度B
c (j) を1つの線形システムとみなしてパラメータベク
トルCの各パラメータa、b、c、dを例えば最小2乗
法を使用して算出する。そして、質量算出手段11は、
パラメータdの計算値dc を(9)式に代入してm1
算出し、更にm1 を(10)式に代入して被計量物30
の質量mx を出力することができる。このようにして、
信号処理装置12は、計量セル1から出力される計量信
号uk (j) から計量セル1の重心位置k(xk 、yk
k )における上下方向の振動成分を除去し、これによ
って、床Fの振動に基づく計量誤差を除去した補正済み
計量信号である被計量物30の質量mx を出力すること
ができる。
【0012】なお、計量ごとに被計量物30の重心位置
kが殆ど変化しない計量装置、例えば組合せ秤や自動重
量選別装置では、詳細には説明しないが、まず、被計量
物30の標本(質量は既知)を計量してその計量信号等
を使用して計量セル1の重心位置を表す座標k(xk
k 、zk )を求め、そして、この算出された座標k
(xk 、yk 、zk )、揺動環境算出手段9が算出した
c (j) 、及び計量信号uk (j) を(1)式に代入する
ことにより床Fの振動に基づく計量誤差を除去した補正
済み計量信号である被計量物30の質量mx を出力させ
ることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の計量装
置に設けられている信号処理装置12では、温度変化等
によって起こる計量セル1及びダミーセル2のオフセッ
ト誤差sk 、sdiの補正を行う機能を備えていないとい
う問題がある。そして、被計量物30の一部が載台31
上に残留することによって風袋質量が変化した場合に、
風袋質量変化Mfの補正を行う機能を備えていないとい
う問題もある。そのために、オフセットs k 、sdiの変
化や風袋質量変化Mf に基づく誤差が計量精度の低下を
招くという問題がある。ところで、従来の静止状態で被
計量物を計量する計量装置でも、オフセット変化や風袋
質量変化が計量精度の低下の要因の1つとなっている
が、その対策として、計量装置に零点設定(風袋引き)
という機能が設けられている。要するに、この零点設定
機能は、被計量物が風袋上に載置されていない状態の風
袋質量値を記憶しておき、被計量物が載台上に載置され
たときの計量値から風袋質量値を減算する機能であり、
これによって、オフセット変化や風袋質量変化に基づく
零点変化による誤差を除去することができる。
【0014】しかし、上記のような揺動環境下で使用さ
れる計量装置では、零点変化を簡単に除去することがで
きない。なぜなら、次の2つの理由があるからである。
第1の理由は、揺動環境下では、揺動環境の影響によっ
て被計量物が載せられていない風袋のみの質量を正確に
得ることができないからである。つまり、遮断周波数が
揺動環境の揺動周波数よりも低く設定されたデジタルフ
ィルタ7、81〜84 を用いても、計量値に上記オフセ
ット変化や風袋質量変化以外の揺動環境の影響によって
生じる直流誤差成分が含まれている場合があり、その場
合には正確な計量値を得ることができないからである。
第2の理由を説明する。計量セル1、ダミーセル21
4 のオフセットをs k 、sdi、計量セル1の風袋質量
変化量をMf とすると、計量セル1とダミーセル21
4 の出力信号u' k (j) 、u' di(j) は、(1)式を
変形することにより、 u' k (j) =E1 (mx +M+Mf )KT B(j) +sk (11) u' di(j) =E2 2 i T B(j) +sdi (12) と表すことができる。ただし、i=1、2、3、4であ
る。(11)式から分かるように、オフセットsk
u' k (j) に対する影響がKT B(j) に依存しないが、
風袋質量変化量Mf のu' k (j) に対する影響がKT
(j) に依存している。換言すれば、オフセットsk と風
袋質量変化量Mf のu' k (j) に対する影響をそれぞれ
別々に考慮する必要がある。従って、仮にE1 (M+M
f )KT B(j) +sk で表される被計量物が載置されて
いない状態の計量信号が得られたとしても、sk とMf
との分離ができないので、これらsk とMf が計量精度
に及ぼす悪影響を除去することができないからである。
【0015】本発明は、ロードセルのオフセット変化及
び風袋質量変化の悪影響を受けずに床振動に基づく計量
誤差を正確に補正して、被計量物の質量又は重量を正確
に計量することができる計量装置を提供することを目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る計量装
置は、振動する物体上に設置され既知の補正用質量に基
づく重量を受けてこの重量に対応する補正信号を生成す
る複数の補正用荷重変換手段と、上記物体上に設置され
被計量物の重量を受けてこの重量に対応する計量信号を
生成する計量用荷重変換手段と、上記各補正信号ごとに
所定時間ごとの上記補正信号の差分を順次算出する差分
演算手段と、上記各補正信号ごとの上記補正信号の差分
に基づいて上記物体の振動環境の加速度を算出する加速
度算出手段と、この算出された上記振動環境の加速度と
上記被計量物の計量信号とに基づいて上記被計量物の、
上記物体の振動に基づく振動成分を除去した質量を算出
する質量算出手段と、を具備することを特徴とするもの
である。
【0017】第2の発明に係る計量装置は、振動する物
体上に設置され既知の補正用質量に基づく重量を受けて
この重量に対応する補正信号を生成する複数の補正用荷
重変換手段と、上記物体上に設置され被計量物の重量を
受けてこの重量に対応する計量信号を生成する計量用荷
重変換手段と、上記各補正信号ごとに所定時間ごとの上
記補正信号の差分を順次算出する差分演算手段と、上記
各補正信号ごとの上記補正信号の差分に基づいて上記物
体の振動環境の加速度の所定時間ごとの差分を順次算出
する振動環境算出手段と、上記物体の振動環境の加速度
の差分を積分して上記物体の振動環境の加速度を算出す
る積分演算手段と、この算出された上記振動環境の加速
度と上記被計量物の計量信号とに基づいて上記被計量物
の質量が含まれているパラメータを算出するパラメータ
算出手段と、上記パラメータと上記計量用荷重変換手段
に掛かる風袋の質量とに基づいて上記被計量物の、上記
物体の振動に基づく振動成分を除去した質量を算出する
質量算出手段と、を具備することを特徴とするものであ
る。
【0018】第3の発明に係る計量装置は、振動する物
体上に設置され既知の補正用質量に基づく重量を受けて
この重量に対応する補正信号を生成する複数の補正用荷
重変換手段と、上記物体上に設置され被計量物の重量を
受けてこの重量に対応する計量信号を生成する計量用荷
重変換手段と、上記各補正信号ごとに所定時間ごとの上
記補正信号の差分を順次算出する差分演算手段と、上記
各補正信号ごとの上記補正信号の差分に基づいて上記物
体の振動環境の加速度の所定時間ごとの差分を順次算出
する振動環境算出手段と、上記物体の振動環境の加速度
の差分の積分値を算出すると共に、当該積分値と上記計
量用荷重変換手段の風袋の重心と当該計量用荷重変換手
段に負荷されている既知質量の標本の重心との合成重心
位置の座標とから成る上記物体の振動環境の加速度を算
出する積分演算手段と、この算出された上記振動環境の
加速度と上記被計量物の計量信号とに基づいて上記被計
量物の質量が含まれているパラメータを算出するパラメ
ータ算出手段と、上記パラメータと上記計量用荷重変換
手段に掛かる風袋の質量とに基づいて上記被計量物の、
上記物体の振動に基づく振動成分を除去した質量を算出
する質量算出手段と、を具備することを特徴とするもの
である。
【0019】本発明に係る計量装置によると、各補正用
荷重変換手段から出力された補正信号の差分を各補正用
荷重変換手段ごとに順次算出してそれぞれの差分に基づ
いて揺動環境の加速度を算出しているので、オフセット
変化による誤差(オフセット変化による誤差とは、補正
信号や計量信号に対する影響が揺動環境の加速度に依存
しない誤差を言う。)を含まない揺動環境の加速度を算
出することができる。そして、このオフセット変化の誤
差を含まない揺動環境の加速度を使用して、被計量物の
荷重が掛かっている状態での計量信号(風袋質量変化に
よる誤差を含む)と被計量物の荷重か掛かっていない状
態での計量信号から得られた風袋質量(風袋質量変化に
よる誤差を含む)に基づいて、オフセット変化の誤差及
び風袋質量変化による誤差を除去し、かつ、振動成分を
除去した被計量物の質量を算出することができる。ただ
し、風袋質量変化による誤差とは、計量信号に対する影
響が揺動環境の加速度に依存している誤差を言う。
【0020】第2の発明に係る計量装置によると、算出
して得られた振動環境の加速度と被計量物の計量信号と
に基づいて被計量物の質量が含まれているパラメータを
算出し、このパラメータを使用して物体の振動に基づく
振動成分を除去した質量を算出するすることができる。
【0021】第3の発明に係る計量装置によると、予め
設定されている、又は予め計算して得られた計量用荷重
変換手段の風袋の重心と計量用荷重変換手段に負荷され
ている既知質量の標本の重心(質点)との合成重心位置
の座標を使用して振動成分を除去した被計量物の質量を
算出することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明に係る計量装置の第1実施
形態を図1を参照して説明する。第1実施形態の計量装
置は、図2に示す従来の計量装置の信号処理装置12に
代えて図1に示す信号処理装置25を設けたものであ
る。これ以外は同図に示す従来の計量装置と同等であ
り、増幅器3、41 〜44 、及びA/D変換器5、61
〜64 の詳細な説明を省略する。そして、図2に示すデ
ジタルフィルタ7、81 〜84 も従来のものと同等であ
るので詳細な説明を省略する。本発明の計量装置は、こ
の計量装置が設置されている床Fの揺動(振動)に基づ
く揺動成分を除去した被計量物30の質量を算出するこ
とができる計量装置に適用したものであり、温度変化等
によって起こる計量信号及び補正信号のオフセット
k 、sdiの変化の誤差に基づく計量誤差を補正するこ
とができると共に、計量セル1の風袋質量変化Mf によ
る計量誤差を補正することができ、これによって、被計
量物30の正確な質量mx を算出することができるもの
である。計量セル1は、図2に示すように従来のものと
同等であり、一方の端部が床Fに固定され、他方の端部
には被計量物30が載置される載台31が取り付けられ
ており、載台31に載置された被計量物30の重量を計
量して、その重量に応じたアナログ計量信号Wを出力す
る。
【0023】ダミーセル21 〜24 は、従来のものと同
等であり、床Fの揺動を検出するためのものである。こ
の実施形態では4台のダミーセル21 〜24 を設けた構
成としたが、これ以外の台数としてもよく、例えば4台
以上設けてもよい。各ダミーセル21 〜24 の一方の端
部が計量セル1が取り付けられている床Fに固定され、
他方の端部には既知質量m2 の分銅(補正用質量)32
を取り付けて自由端としてある。各ダミーセル21 〜2
4 は、床Fからの揺動を受ける状態で分銅32の既知質
量m2 に基づく重量を受けてこの重量と対応するアナロ
グ補正信号(ダミー信号)D1 〜D4 を出力する。質量
2 は、各ダミーセル21 〜24 の風袋質量を含むもの
とする。
【0024】なお、計量セル1は、床Fから高さH1
位置に設置してある。そして、ダミーセル21 〜2
3 は、床Fから所定の同一の高さH2 (H2 <H1 )の
位置であって同一平面上に設置してあり、ダミーセル2
4 は、床Fから所定の高さH3 (H3 <H2 )の位置に
設置してある。ここで、計量セル1及びダミーセル21
〜24 の設置位置とは、計量セル1及びダミーセル21
〜24 の重心位置(従来の技術の説明参照)である。
【0025】信号処理装置25はCPUで構成され、デ
ジタルフィルタ7、81 〜84 、差分演算手段211
214 、揺動環境算出手段33、積分演算手段22、パ
ラメータ算出手段23、及び質量算出手段24を備えて
いる。差分演算手段211 〜214 、揺動環境算出手段
33、積分演算手段22、パラメータ算出手段23、及
び質量算出手段24は、CPUと接続する記憶部に予め
記憶されているプログラムに従って所定の演算を行うも
のである。各差分演算手段211 〜214 は、それぞれ
と対応するデジタルフィルタ81〜84 からダミー信号
u’di(j) (ただし、i=1、2、3、4)、即ち、
u’ d1(j) 〜u’d4(j) が入力し、(13)式の演算を
行って、各ダミー信号u’diごとに所定時間ごとのダミ
ー信号の差分Δu’di(j) を順次算出する手段である。 Δu’di(j) =u’di(j) −u’di(j−1) (13)
【0026】揺動環境算出手段33は、各差分演算手段
211 〜214 から入力したΔu’ di(j) (i=1、
2、3、4)を(6)式の対応する各ud1(j) 〜u
d4(j) に代入して(4)式の演算を行って、床Fの揺動
環境(振動環境)の加速度Bc (j)の所定時間ごとの差
分ΔB(j) を順次算出する手段である。積分演算手段2
2は、揺動環境算出手段33が算出した床Fの揺動環境
の加速度の差分ΔB(j) を、(14)式に示すようにデ
ジタル積分演算して、この算出した積分値を(19)式
に代入して床Fの揺動環境の加速度B’(j) を算出する
手段である。この揺動環境算出手段33と積分演算手段
22が請求項1に記載の加速度算出手段を構成してい
る。つまり、
【0027】
【数3】
【0028】である。ここで、B(0) は、デジタル積分
演算におけるB(j) の初期値であるが、例えば船舶上等
のような揺動環境下では、そこに設置された計量装置が
常時揺動しているので、初期値B(0) が0であるとは限
らない。従って、B(0) を未知のパラメータとして処理
することとする。(11)式に(14)式を代入する
と、計量セル1の計量信号u’k (j) を
【0029】
【数4】
【0030】のように書き直すことができる。ただし、 m1 =mx +M+Mf (17) ek =E1 1 T B(0) +sk (18) mx は被計量物30の質量、Mは風袋である載台31の
質量、Mf は風袋質量の変化量、m1 は計量セル1の負
荷質量である。sk は計量セル1のオフセット、ek
未知の定数である。そこで、
【0031】
【数5】
【0032】 C’T = [a b c d ek ] (20) とおけば、(16)式を u’k (j) =B’T (j) C’ (21) と書き直すことができる。B’(j) 、u’k (j) をそれ
ぞれ1つの線形システムの5入力、1出力とみなしてパ
ラメータベクトルC’を例えば最小2乗法を使用して求
めれば、(20)式のa、b、c、d、及びek を得る
ことができる。つまり、積分演算手段22は、(19)
式に示す揺動環境の加速度B’(j) を算出してパラメー
タ算出手段23に出力する手段である。そして、パラメ
ータ算出手段23は、この算出された揺動環境の加速度
B’(j) と被計量物30の計量信号u’k (j) とに基づ
いて上記のように最小2乗法を使用して被計量物30の
質量mx が含まれているパラメータd(=E1 1 =E
1 (mx +M+Mf ))を算出する手段である。a、
b、c、dは(8)式のものと同様に表せられる。パラ
メータdの計算値はdc である。
【0033】質量算出手段24は、この算出されたパラ
メータdと計量セル1に掛かる風袋と残留物の合計質量
(M+Mf )とに基づいて、床Fの揺動に基づく振動成
分を除去した被計量物30の質量mx を算出する手段で
ある。なお、風袋と残留物の合計質量(M+Mf )は、
被計量物30の質量mx を計量する前に、載台31上に
被計量物30を載置していない状態で、オペレータがこ
の計量装置の零点設定を行うことにより質量算出手段2
4が算出することができる。つまり、載台31上に被計
量物30が載置されていない状態でこの信号処理装置2
5が上記のようにして演算を行い、パラメータ算出手段
23がパラメータd’=E1 m’1 (=E1 (M+
f ))を算出し、そして、質量算出手段24がm1
=d’/E1 (=(M+Mf ))を演算して風袋と残留
物の合計質量(M+Mf )を算出する。また、質量算出
手段24は、被計量物30を計量して得られたパラメー
タd=E1 1 (=E1 (mx +M+Mf ))より、m
1 =d/E1 (=(mx +M+Mf ))を演算して被計
量物30と風袋と残留物の合計質量(mx +M+Mf
を算出し、次に、被計量物30の質量mx を、 mx =m1 −(M+Mf ) (22) の演算を行うことにより算出する構成となっている。パ
ラメータ算出手段23と質量算出手段24が請求項1に
記載の質量算出手段を構成している。
【0034】上記のように構成された計量装置による
と、差分演算手段211 〜214 が各ダミーセル21
4 から出力されたダミー信号u’d1(j) 〜u’d4(j)
の差分Δu’d1(j) 〜Δu’d4(j) を各ダミーセル21
〜24 ごとに順次算出し、揺動環境算出手段33及び積
分演算手段22がそれぞれの差分Δu’d1(j) 〜Δu’
d4(j) に基づいて揺動環境の加速度B’(j) を算出して
いるので、温度変化等によって起こるオフセット変化s
di(i=1、2、3、4)による計量誤差(オフセット
変化による誤差とは、ダミー信号に対する影響が揺動環
境の加速度B(j)に依存しない誤差を言う。)を含まな
い揺動環境の加速度B’(j) を算出することができる。
そして、パラメータ算出手段23と質量算出手段24が
このオフセット変化sdiの誤差を含まない揺動環境の加
速度B’(j) を使用して、計量セル1に被計量物30の
荷重が掛かっている状態での計量信号uk (j) と、被計
量物30の荷重か掛かっていない状態での計量信号u’
k (j) から得られた風袋質量(M+Mf )と、に基づい
て、オフセットsk 、sdiの変化による誤差及び風袋質
量変化Mf による誤差(風袋質量変化Mf による誤差と
は、計量信号uk (j)に対する影響が揺動環境の加速度
B(j) に依存している誤差を言う。)を除去し、かつ、
揺動成分を除去した被計量物30の質量mx を算出する
ことができる。このように、計量セル1の風袋質量変化
f による計量誤差を補正することができるので、例え
ば前回計量した被計量物30の一部が載台31に残留す
ることがあってもその残留分を除去した被計量物30の
正確な質量mx を算出することができる。
【0035】そして、被計量物30の重心と計量セル1
の載台31の重心との合成重心位置の座標を予め設定す
る必要がないので、被計量物30の形状や大きさのばら
つきが比較的大きいために、計量中の被計量物30の重
心と載台31の重心との合成重心位置の座標のばらつき
が比較的大きい場合でも、被計量物30の質量mx を正
確に計量することができる。
【0036】次に、計量装置の第2実施形態を説明す
る。第1実施形態と第2実施形態の計量装置の相違する
ところは、信号処理装置25が備えている積分演算手段
22とパラメータ算出手段23である。これ以外は、第
1実施形態と同等であるので詳細な説明を省略する。第
2実施形態の計量装置は、計量ごとに被計量物30の合
成重心位置が殆ど変化しない場合に適用すると都合のよ
い装置である。例えば、自動重量選別装置や組合せ秤に
適用することができる。
【0037】自動重量選別装置に適用した第2実施形態
の計量装置によると、まず、被計量物30の計量の前段
階として、被計量物30の標本(被計量物30の平均的
な形状と重量を備えるものであり、質量は既知のもの)
を使用して、この標本を計量セル3に設けられている例
えば計量コンベア(図示せず)上に供給したときの標本
の重心と計量コンベア(風袋)の重心の合成重心位置を
表す座標k(xk 、y k 、zk )を算出する。なお、座
標k(xk 、yk 、zk )は、この計量装置に設けられ
ている座標算出部(図示せず)により後述する従来公知
の演算によって算出してもよいし、この計量装置の設計
の段階で予め計算によって求めておいてこの計量装置の
記憶部(図示せず)に記憶させておいてもよい。そし
て、積分演算手段34は、このようにして得られた座標
k(xk 、yk 、zk )と揺動環境算出手段33により
算出して得られた揺動環境の加速度の差分ΔB(j) を
(23)式に代入して床Fの揺動環境の加速度B”(j)
を算出する構成となっている。この場合、
【0038】
【数6】
【0039】 C”T = [d ek ] (24) とおけば、(16)式を u”k (j) =B”T (j) C” (25) と書き直すことができる。ただし、Kは座標k(xk
k 、zk )のマトリックスである。B”(j) 、u”k
(j) をそれぞれ1つの線形システムの2入力、1出力と
みなしてパラメータベクトルC”を例えば最小2乗法を
使用して求めれば、(24)式のd及びek を得ること
ができる。つまり、積分演算手段34は、(23)式に
示す揺動環境の加速度B”(j) を算出してパラメータ算
出手段35に出力する手段である。そして、パラメータ
算出手段35は、この算出された揺動環境の加速度B”
(j) と被計量物30の計量信号u”k (j) とに基づいて
上記のように最小2乗法を使用して被計量物30の質量
x が含まれているパラメータd(=E1 1 =E
1 (mx +M+Mf ))を算出する手段である。以下、
第1実施形態と同様にして、質量算出手段24が、この
算出されたパラメータd(dc )と計量セル1に掛かる
風袋と残留物の合計質量(M+Mf )とに基づいて被計
量物30の質量mx を算出することができる。そして、
この質量mx は、第1実施形態と同様に、オフセットs
k 、sdiの変化による誤差及び風袋質量変化Mf による
誤差を除去し、かつ、揺動成分を除去したものである。
【0040】第2実施形態の計量装置によると、例えば
この計量装置の出荷の段階でこの計量装置に予め設定さ
れて記憶部に記憶されている、又はこの計量装置を使用
して被計量物を計量する前の段階でこの計量装置により
予め計算して得られた計量セル1の風袋の重心と計量セ
ル1に負荷されている既知質量の標本の重心との合成重
心位置の座標k(xk 、yk 、zk )を使用して被計量
物30の質量mx を算出しているので、第1実施形態の
計量装置のようにこの座標kが設定されていない場合と
比較して、座標kを算出する必要がない分だけ被計量物
30の質量mxの演算処理が簡単となり演算時間を短縮
することができ、これによって、計量速度の向上を図る
ことができるし、この座標kの精度に応じて計量精度の
向上も図ることができる。
【0041】なお、座標算出手段は、被計量物30の標
本を使用して、この標本を計量セル1に設けられている
計量コンベア上に供給したときの計量信号uk ’(j) と
揺動環境の加速度B’(j) を(21)式に代入して最小
2乗法を使用して、標本の重心と計量コンベア(風袋)
の重心の合成重心位置を表す座標k(xk 、yk
k )を算出することができる。揺動環境の加速度B’
(j) は、第1実施形態の積分演算手段22を設けてこの
積分演算手段22により算出することができる。そし
て、この合成重心位置を表す座標k(xk 、yk
k )を最小2乗法を使用して求めたが、これ以外にも
従来公知の例えば4元1次連立方程式を解いて求めても
よい。
【0042】ただし、上記各実施形態において、振動補
正済み計量信号として被計量物の質量mx を生成する構
成としたが、この質量mx に重力加速度gを乗算して被
計量物の重量を生成する構成としてもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明に係る計量装置は、計量用荷重変
換手段が設置されている物体の振動に基づく振動成分を
除去した被計量物の質量を算出することができる計量装
置に適用することができるものであり、温度変化等によ
って起こる計量信号及び補正信号のオフセット変化の誤
差に基づく計量誤差を補正することができ、その補正に
よって被計量物の質量を正確に計量することができる。
更に、計量用荷重変換手段の風袋質量変化による計量誤
差を補正することもできるので、例えば前回計量した被
計量物の一部が風袋に残留することがあってもその残留
分を除去した被計量物の正確な質量を算出することがで
きる。
【0044】第2の発明に係る計量装置によると、被計
量物の形状や大きさのばらつきが比較的大きいために、
計量中の被計量物の重心と計量用荷重変換手段の風袋の
重心との合成重心位置の座標のばらつきが比較的大きい
場合でも、被計量物の質量を正確に計量することができ
る。
【0045】第3の発明に係る計量装置は、計量用荷重
変換手段により計量中の被計量物の重心と計量用荷重変
換手段の風袋の重心との合成重心位置の座標のばらつき
が比較的小さい計量装置、例えば組合せ秤や自動重量選
別機に適用することができる。そして、予め設定されて
いる、又は予め計算して得られた計量用荷重変換手段の
風袋の重心と計量用荷重変換手段に負荷されている既知
質量の標本の重心との合成重心(質点)位置の座標を使
用して被計量物の質量を算出しているので、この座標が
設定されていない場合と比較して、この合成重心位置の
演算時間分だけ被計量物の質量の演算時間を短縮するこ
とができ、これによって、計量速度の向上を図ることが
できるし、この合成重心位置の座標の精度に応じて計量
精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1及び第2実施形態に係る計量装
置の信号処理系の概略構成を示すブロック図である。
【図2】従来の計量装置の信号処理系の概略構成を示す
ブロック図である。
【図3】ロードセルの配置を示す図である。
【符号の説明】
1 計量セル 2、21 〜24 ダミーセル 211 〜214 差分演算手段 22 積分演算手段 23 パラメータ算出手段 24 質量算出手段 33 揺動環境算出手段 25 信号処理装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動する物体上に設置され既知の補正用
    質量に基づく重量を受けてこの重量に対応する補正信号
    を生成する複数の補正用荷重変換手段と、上記物体上に
    設置され被計量物の重量を受けてこの重量に対応する計
    量信号を生成する計量用荷重変換手段と、上記各補正信
    号ごとに所定時間ごとの上記補正信号の差分を順次算出
    する差分演算手段と、上記各補正信号ごとの上記補正信
    号の差分に基づいて上記物体の振動環境の加速度を算出
    する加速度算出手段と、この算出された上記振動環境の
    加速度と上記被計量物の計量信号とに基づいて上記被計
    量物の、上記物体の振動に基づく振動成分を除去した質
    量を算出する質量算出手段と、を具備することを特徴と
    する計量装置。
  2. 【請求項2】 振動する物体上に設置され既知の補正用
    質量に基づく重量を受けてこの重量に対応する補正信号
    を生成する複数の補正用荷重変換手段と、上記物体上に
    設置され被計量物の重量を受けてこの重量に対応する計
    量信号を生成する計量用荷重変換手段と、上記各補正信
    号ごとに所定時間ごとの上記補正信号の差分を順次算出
    する差分演算手段と、上記各補正信号ごとの上記補正信
    号の差分に基づいて上記物体の振動環境の加速度の所定
    時間ごとの差分を順次算出する振動環境算出手段と、上
    記物体の振動環境の加速度の差分を積分して上記物体の
    振動環境の加速度を算出する積分演算手段と、この算出
    された上記振動環境の加速度と上記被計量物の計量信号
    とに基づいて上記被計量物の質量が含まれているパラメ
    ータを算出するパラメータ算出手段と、上記パラメータ
    と上記計量用荷重変換手段に掛かる風袋の質量とに基づ
    いて上記被計量物の、上記物体の振動に基づく振動成分
    を除去した質量を算出する質量算出手段と、を具備する
    ことを特徴とする計量装置。
  3. 【請求項3】 振動する物体上に設置され既知の補正用
    質量に基づく重量を受けてこの重量に対応する補正信号
    を生成する複数の補正用荷重変換手段と、上記物体上に
    設置され被計量物の重量を受けてこの重量に対応する計
    量信号を生成する計量用荷重変換手段と、上記各補正信
    号ごとに所定時間ごとの上記補正信号の差分を順次算出
    する差分演算手段と、上記各補正信号ごとの上記補正信
    号の差分に基づいて上記物体の振動環境の加速度の所定
    時間ごとの差分を順次算出する振動環境算出手段と、上
    記物体の振動環境の加速度の差分の積分値を算出すると
    共に、当該積分値と上記計量用荷重変換手段の風袋の重
    心と当該計量用荷重変換手段に負荷されている既知質量
    の標本の重心との合成重心位置の座標とから成る上記物
    体の振動環境の加速度を算出する積分演算手段と、この
    算出された上記振動環境の加速度と上記被計量物の計量
    信号とに基づいて上記被計量物の質量が含まれているパ
    ラメータを算出するパラメータ算出手段と、上記パラメ
    ータと上記計量用荷重変換手段に掛かる風袋の質量とに
    基づいて上記被計量物の、上記物体の振動に基づく振動
    成分を除去した質量を算出する質量算出手段と、を具備
    することを特徴とする計量装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100430700C (zh) * 2003-04-02 2008-11-05 株式会社石田 重量检测装置
JP2013190353A (ja) * 2012-03-14 2013-09-26 A & D Co Ltd 計量装置及び方法
CN103424173A (zh) * 2013-07-12 2013-12-04 深圳市福田区青少年科技教育协会 一种快速称重器

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