JP2000039355A - 計量装置 - Google Patents

計量装置

Info

Publication number
JP2000039355A
JP2000039355A JP10204766A JP20476698A JP2000039355A JP 2000039355 A JP2000039355 A JP 2000039355A JP 10204766 A JP10204766 A JP 10204766A JP 20476698 A JP20476698 A JP 20476698A JP 2000039355 A JP2000039355 A JP 2000039355A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weighing
floor vibration
cell
transfer function
floor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10204766A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazufumi Naito
和文 内藤
Sachiko Tajiri
祥子 田尻
Yoshinobu Shitamae
好伸 下前
Koichi Kameoka
紘一 亀岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ishida Co Ltd
Original Assignee
Ishida Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ishida Co Ltd filed Critical Ishida Co Ltd
Priority to JP10204766A priority Critical patent/JP2000039355A/ja
Publication of JP2000039355A publication Critical patent/JP2000039355A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Of Balance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】床振動周波数が計量セルおよび床振動検出セル
の固有振動数に近い高周波の場合であっても、床振動周
波数に応じて正確な床振動補償を容易に行うことができ
る計量装置を提供する。 【解決手段】計量信号から抽出した直流成分から被計量
物の質量mを予測し、この予測された質量mから被計量
物をのせた計量セル2の固有振動数を求め、計量セル2
についての入力と出力の関係を示す伝達関数をこの固有
振動数に基づいて演算する。そして、この計量セル2の
伝達関数と、既知の床振動検出セル4の伝達関数との比
に基づいて、床振動検出信号を両セル2,4の伝達関数
が一致するように補正して、床振動検出信号yc を出力
し、計量信号ym からこの補正した床振動検出信号yc
を減算して床振動補正済計量信号yを出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、計量セルからの計
量信号から、その計量セルを設置した床の振動成分によ
る計量誤差を除去するようにした計量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、工場生産ラインにおいて、被計
量物を計量する際、計量装置の設置場所において地盤,
建屋,床,架台などの環境に起因して床振動が生じ、こ
れらの振動分が計量信号に重畳する。このため、計量装
置において、被計量物を計量してその重量に対応した計
量信号を出力する計量セルの近傍で該計量セルと同一の
床に、床振動検出信号を出力する床振動検出セルを設置
し、計量信号から床振動信号を減算することにより、計
量信号中の床振動成分を除去する床振動補償を行う場合
がある。
【0003】このとき、計量セルと床振動検出セルとで
は、ばね定数および負荷重量(風袋を含む)が相違する
ことに起因して、入力信号に対する出力信号のゲイン
(伝達関数)が異なる場合があり、このため、いずれか
一方のセルの出力感度を他方に合わせる感度補正を行っ
て、両セルの出力のゲインを合わせる必要がある。以
下、この感度補正について説明する。
【0004】図8の振動モデルにおいて、計量セルおよ
び床振動検出セルの運動方程式は、式(1)および式
(2)で示すようになる。両式(1),(2)におい
て、M0は床振動検出セルの自由端の質量、M1 は被計
量物が載置されていない状態での計量セルの自由端の質
量、mは被計量物の質量、k0 ,k1 は床振動検出セル
と計量セルのばね定数、x0 ,x1 は両セルの自由端の
変位、xB は床Fの変位である。
【0005】
【数1】
【0006】ここで、床側と荷重側の相対変位が各セル
の出力となるので、上記式(1)および式(2)は、式
(3)および式(4)のように変形することができる。
【0007】
【数2】
【0008】上記の両式(3)(4)を、床の変位を系
の入力、セルの出力を系の出力として、その入出力の関
係である伝達関数を求め、さらに、振幅の周波数特性G
1(jω)およびG0(jω)を求めると、式(5)および
式(7)となる。両式において、ωは床振動の周波数、
ω1 は被計量物がのった計量セルの固有振動数、ω0
床振動検出セルの固有振動数である。計量セルの固有振
動数ω1 は式(6)で示され、床振動検出セルの固有振
動数ω0 は式(8)で示される。
【0009】
【数3】
【0010】したがって、計量セル側と床振動検出セル
側の出力感度比αは、次の式(9)となる。
【0011】
【数4】
【0012】ここで、式(9)において、床振動の周波
数ωが両セルの固有振動数ω1 ,ω 0 より十分に低い周
波数、即ち、1 ≫(ω/ ωo )2、1 ≫(ω/ ω1 )2であ
る場合、次式(10)が成立し、この簡易な式(10)
で計算された一定の出力感度比αに基づいて、例えば計
量セルの感度補正を行って、両セルの出力のゲインを合
わせ、床振動補償を行う。すなわち、この場合、式
(5)および式(7)に基づいて、床振動の周波数ω、
計量セル,床振動検出セルの固有振動数ω1 ,ω0
ら、両セルの伝達関数を演算しなくとも、一定の出力感
度比αを用いることにより高精度の計量を確保できる。
【0013】
【数5】
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、一定の出力感度比αを用いることができるの
は、床振動の周波数ωが十分に低い場合であり、図9に
示すように、両セルの固有振動数ωo ,ω1 は相違して
いるので、床振動の周波数ωが固有振動数ωo ,ω 1
近い高周波の場合には、床振動の周波数ωの変化に対し
て出力感度比は一定にならない。ここで、横軸は床振動
の周波数(Hz)で、縦軸は出力感度(gf/μm)で
ある。
【0015】したがって、床振動の周波数ωが高周波の
場合、式(10)で質量mの変化のみに基づいて一定の
出力感度比αで感度補正したのでは誤差が大きくなり、
床振動補償の正確性を欠き高精度の計量が図れない。
【0016】一方、式(5)および式(7)に基づいて
両セルの伝達関数を求め、式(9)に基づいて床振動周
波数に応じた出力感度比を演算する場合、式(5)の演
算に必要となる被計量物がのった計量セルの固有振動数
ω1 は、被計量物の質量mに依存するため、これを求め
るのが困難であるという問題があった。
【0017】さらに、両セルが同一形式のものでない場
合には、その動特性の相違によって、計量信号と床振動
検出信号の位相差による誤差も生じる。この誤差は、床
振動の周波数ωが固有振動数ωo ,ω1 に近い高周波に
なる程大きくなる。
【0018】本発明は、上記の問題点を解決して、床振
動周波数が計量セルおよび床振動検出セルの固有振動数
に近い高周波の場合であっても、床振動周波数に応じて
正確な床振動補償を容易に行うことができる計量装置を
提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る計量装置は、被計量物を計量して、そ
の重量に対応した計量信号を出力する計量セル、この計
量セルが設置された床の振動を検出して、床振動検出信
号を出力する床振動検出セル、計量信号に含まれる直流
成分を抽出し、この直流成分から被計量物の質量を予測
する質量予測手段、前記予測された被計量物の質量から
被計量物がのった計量セルの固有振動数を演算する固有
振動数演算手段と、この固有振動数に基づいて計量セル
についての入力と出力の関係を示す伝達関数を演算する
伝達関数演算手段と、この計量セルの伝達関数と、床振
動検出セルの伝達関数とが一致するように補正する伝達
関数補正手段とを有する補償処理手段、および、計量信
号から補正した床振動検出信号を減算して床振動補正済
計量信号を出力する減算処理手段を備えている。
【0020】上記構成によれば、計量信号から抽出した
直流成分から被計量物の質量を予測し、この予測された
質量から被計量物がのった計量セルの固有振動数を求
め、計量セルについての入力と出力の関係を示す伝達関
数をこの固有振動数に基づいて演算する。そして、この
計量セルの伝達関数と、既知の床振動検出セルの伝達関
数との比に基づいて、床振動検出信号を両セルの伝達関
数が一致するように補正して、計量信号からこの補正し
た床振動検出信号を減算して床振動補正済計量信号を出
力する。したがって、床振動周波数が計量セルおよび床
振動検出セルの固有振動数に近い高周波の場合であって
も、計量セルの伝達関数を容易に演算し、これに基づい
て床振動検出信号を両セルの伝達関数が一致するように
正確に補正できるので、床振動周波数に応じて正確な床
振動補償を容易に行うことができる。また、両セルの伝
達関数を一致させることにより、両セルの動特性が相違
することによって生じる計量信号と床振動検出信号の位
相差による誤差も解消されることとなり、床振動補償の
正確性がさらに増して、高精度の計量が可能となる。
【0021】好ましくは、前記補償処理手段は、前記床
振動検出セルの出力側に設けられており、前記伝達関数
補正手段は、床振動検出セルの伝達関数を補正して、計
量セルの伝達関数と一致させるものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1に、本発明の第1実施形態に係
る計量装置の構成を示す。本発明に係る計量装置は、被
計量物を計量して、その重量に対応した計量信号を出力
する計量セル2、この計量セル2が設置された床Fの振
動を検出して、床振動検出信号を出力する床振動検出セ
ル4、各信号を増幅するアンプ5、各信号について一定
周波数以上の信号を除去するアンチエイリアスフィルタ
(もしくはローパスフィルタ)6、各信号をディジタル
変換するA/Dコンバータ7、およびCPU(マイクロ
コンピュータ)20を備えている。
【0023】上記CPU20は、ディジタル変換された
計量信号をフィルタ処理して計量信号ym を出力する第
1フィルタ(ディジタルフィルタ)11、質量予測手段
12、ディジタル変換された床振動検出信号をフィルタ
処理して床振動検出信号を出力する第2フィルタ(ディ
ジタルフィルタ)13、床振動検出信号を両セル2,4
の伝達関数が一致するように補正して床振動検出信号y
c を出力させる補償処理手段10、および減算処理手段
18を備えている。
【0024】上記質量予測手段12は、計量信号に含ま
れる直流成分を抽出し、この直流成分から被計量物の質
量mを予測する。計量信号に含まれる直流成分を抽出す
る方法としては、例えば、第1ディジタルフィルタ11
で固有振動成分を除去した信号を移動平均等により平均
化して使うような方法が用いられる。この例では、第1
ディジタルフィルタ11から出力される信号を用いてい
るが、減算処理手段18から出力される信号を用いても
よい。
【0025】上記補償処理手段10は、上記予測された
被計量物の質量mから被計量物がのった計量セル2の固
有振動数を演算する固有振動数演算手段14と、この固
有振動数に基づいて、計量セル2の入出力の関係を示す
伝達関数を演算する伝達関数演算手段15と、この計量
セル2の伝達関数と、床振動検出セル4の伝達関数との
比に基づいて、床振動検出信号を両セル2,4の伝達関
数が一致するように補正して、床振動検出信号yc を出
力する伝達関数補正手段16とを有する。
【0026】上記減算処理手段18は、計量信号ym か
ら補償処理手段10により補正した床振動検出信号yc
を減算して床振動補正済計量信号yを出力する。
【0027】つぎに、上記構成を有する本装置の動作
を、図1、および、計量セル2と床振動検出セル4の伝
達関数の関係を示す図2を用いて説明する。本装置は、
主として、床振動周波数ωが、被計量物がのった計量セ
ル2,床振動検出セル4の固有振動数ω1 ,ω0 に近い
高周波の場合に適用される。
【0028】図2において、床振動に相当する系の入力
をXB (s) 、計量セル2の伝達関数をG1(s),出力をX
1B(s) ,アンプ5からの出力をYm (s) とし、床振動検
出セル4の伝達関数をG0(s),出力をX0B(s) ,補償処
理手段10の補償伝達関数をGX (s) 、補償処理手段1
0からの出力をYC (s) とし、系の出力をY(s) とす
る。ここで、S は複素数であり、周波数特性ではS=jω
である。
【0029】予め、床振動検出セル4における既知の自
由端の質量M0 とばね定数k0 から、上述した式(8)
で床振動検出セル4の固有振動数ω0 が求められ、これ
と床振動の周波数ωから、式(7)に基づいて、床振動
検出セル4側の伝達関数G0(jω) が求められている。
また、計量セル2における被計量物が載置されていない
状態での自由端の質量M1 およびばね定数k1 も既知で
ある。
【0030】まず、図1の計量セル2からの計量信号
は、アンプ5、アンチエイリアスフィルタ6、A/Dコ
ンバータ7を経て、第1ディジタルフィルタ11により
フィルタ処理されて、減算処理手段18に計量信号ym
として出力する。これとともに、質量予測手段12によ
り、計量信号に含まれる直流成分が抽出され、この直流
成分から被計量物の質量mが予測される。この質量m
は、補償処理手段10の固有振動数演算手段14に出力
される。
【0031】一方、床振動検出セル4からの床振動検出
信号は、アンプ5、アンチエイリアスフィルタ6、A/
Dコンバータ7を経て、第2ディジタルフィルタ13に
よりフィルタ処理された後、補償処理手段10の伝達関
数補正手段16に出力される
【0032】上記補償処理手段10において、固有振動
数演算手段14により、上記予測された質量m、および
既知のばね定数k1 ,質量M1 から、式(6)に基づい
て、被計量物がのった計量セル2の固有振動数ω1 が演
算される。
【0033】つぎに、上記伝達関数演算手段15によ
り、上記演算された計量セル2の固有振動数ω1 と、床
振動の周波数ωから、式(5)に基づいて、計量セル側
の伝達関数G1(jω) が演算される。以下、G1(jω)
をG1(s)で、G0(jω) をG0(s)で示す。そして、この
伝達関数G1(s)と既知の床振動検出セル4側の伝達関数
0(s)から、図2の補償伝達関数GX (s) =G1(s)/G
0(s)(床振動周波数ωにおける出力感度比)が演算され
る。
【0034】そして、伝達関数補正手段16において、
床振動検出信号に上記補償伝達関数GX (s) を乗じて、
床振動検出セル4の伝達関数を計量セル2の伝達関数に
一致させるように補正し、この伝達関数補正手段16を
通して床振動検出信号yc を出力する。すなわち、図2
において、補償処理手段10からの出力YC (s) は、床
振動検出セル4の出力X0B(s) に補償伝達関数GX (s)
を乗ずることにより、次式のように、計量セル2のアン
プ5からの出力Ym (s) と等しくなる。 YC (s) =GX (s) X0B(s) =(G1(s)/G0(s))・G0(s)XB (s) =G1(s)XB (s) =Ym (s) (11) したがって、上式(11)から、系の出力Y(s) は、 Y(s) =Ym (s) −Yc (s) =0 (12) となり、両セル2,4の伝達関数G1(s),G0(s)は一致
した状態となる。
【0035】これにより、両セル2,4の伝達関数G
1(s),G0(s)を一致させた状態で、計量信号ym と床振
動検出信号yc が出力され、減算処理手段18により、
計量信号ym から補正した床振動検出信号yc を減算し
て、正確な床振動補正済計量信号yを出力する。
【0036】こうして、本発明は、床振動周波数が計量
セル2および床振動検出セル4の固有振動数に近い高周
波の場合であっても、計量信号から抽出した直流成分か
ら被計量物の質量mを予測し、この予測された質量mか
ら被計量物がのった計量セル2の固有振動数ω1 を求め
るので計量セル2の伝達関数G1(s)を容易に演算でき、
これに基づいて床振動検出信号を両セル2,4の伝達関
数G1(s),G0(s)が一致するように正確に補正できるの
で、床振動周波数に応じて正確な床振動補償を容易に行
うことができる。もちろん、床振動の周波数が低周波の
場合も、上述した式(10)を用いることなく、本発明
によって、床振動周波数に応じてより正確な床振動補償
を行うことができる。
【0037】また、本発明では、計量セル2,床振動検
出セル4が同一型式のものでない場合であっても、補償
処理手段10により各伝達関数G1(s),G0(s)を一致さ
せることによって、両セル2,4の動特性も一致する。
したがって、両セル2,4の動特性が相違することによ
って生じる計量信号と床振動検出信号の位相差による誤
差も解消されることとなり、床振動補償の正確性がさら
に増して、高精度の計量が可能となる。
【0038】なお、この実施形態では、単一の計量セル
および床振動検出セルを設けているが、被計量物の載置
面積の大きさに応じて、複数の計量セルおよび床振動検
出セルを設けてもよい。
【0039】なお、この実施形態では、補償処理手段1
0を床振動検出セル4の出力側に設けているが、これと
は異なり、計量セル2の出力側に設けてもよく、また両
セル2,4の両方側に設けるようにしてもよい。
【0040】図3に第2実施形態の計量装置を示す。こ
の計量装置は、計量セル2側および床振動検出セル4側
のそれぞれにA/Dコンバータ7を設けるのではなく、
マルチプレクサ8を設けて、A/Dコンバータ7を単一
にしたものである。各信号は、マルチプレクサ8によ
り、計量セル2または床振動検出セル4から、アンプ
5、アンチエイリアスフィルタ6を経て、選択的に取り
出され、単一のA/Dコンバータ7で順次ディジタル信
号に変換されたのち、CPU20に内蔵されたデマルチ
プレクサ手段9により、対応するディジタルフィルタ1
1,13に選択的に入力される。各セルが複数の場合で
あっても、A/Dコンバータ7は単一でよいので、低コ
スト化を図ることができる。その他の構成は図1と同様
である。
【0041】上述した計量装置は、1次元で床振動が生
じる場合に床振動補正を行うものであるが、2,3次元
で床振動を生じる場合であっても同様に適用できる。い
ま、静止時の基礎平面(床)と同一平面上にxy座標を
とり、計量セル2を配置した原点Oでxy平面に直交す
るz軸をとった静止座標系に対して、静止時に原点Oと
一致する基礎平面上の点O’を通って静止座標系の各軸
に平行なx’軸、y’軸、z’軸をもつ移動座標系を考
える。ここで、2,3次元振動とは、基礎平面(床)が
z軸方向の直線振動をするとして、2次元振動はx’軸
まわりの回転をともなう場合をいい、3次元振動はx’
軸およびy’軸まわりの回転をともなう場合をいう。ビ
ーム形ロードセルでは、x軸およびy軸方向の直線振動
およびz’軸まわりの回転振動の影響を考慮する必要は
ない。これは、純粋な横曲げ、ねじれ及び伸縮に対して
出力がないことに加えて、計量機構に工夫を加えること
により、これらの振動の影響による出力を極めて小さな
値に抑えることができるからである。
【0042】図4は、2次元で床振動を生じる場合に床
振動補正を行う計量装置の振動モデルを示す。計量セル
2の被計量物が載置されていない状態での自由端の質量
をm 0 、ばね定数をk1 、被計量物の質量をm、2個の
床振動検出セル4-1,4-2の自由端の質量をm1
2 、ばね定数をk01,k02とする。各セル4-1,4-2
は静止座標(xyz)系の基礎平面(床)上の点Q1
O,Q2 に設置されており、振動状態において、移動座
標(x’y’z’)系の点Q1 ’,O’,Q2 ’に移動
するが、そのy’軸に関するそれぞれのy’座標はy軸
に関するものと同じである。
【0043】図5は、この計量装置において、計量セル
2および2次元の床振動を検出する床振動検出セル4-
1,4-2の伝達関数の関係を示す図である。計量セル2
の入力をΞ(s) 、計量セル2の伝達関数をG1(s),出力
をZ(s) ,アンプ5からの出力をUm (s) とし、床振動
検出セル4-1,4-2の入力をΘ(s) 、床振動検出セル4
-1,4-2の伝達関数をG01(s) ,G02(s) 、出力をZ
1(s),Z2(s)、補償処理手段10の補償伝達関数をGX
(s) 、補償処理手段10からの出力をUC (s) とし、系
の出力をU(s) とする。この計量装置の構成は、2個の
床振動検出セル4-1,4-2を有することを除いて図1と
同様である。
【0044】図4において、計量セル2および2次元の
床振動を検出する床振動検出セル4-1,4-2について、
次式(13)の運動方程式が成立する。ただし、z, z
1,z 2 は基準平面に対する各質量の相対変位、ξ(t) は
z軸方向の直線振動、θ(t)はx’軸まわりの回転振動
である。ここで、相対変位をとるのは、ロードセルの出
力が相対変位に比例するからである。式(13)の両辺
をラプラス変換して、各セルの伝達関数G1(s),G
01(s) ,G02(s) を求めると、次式(14)となる。計
量セル2の固有振動数ω1 は、上述したとおり、計量信
号から抽出した直流成分から被計量物の質量mを予測
し、この予測された質量mから求めたものである。
【0045】
【数6】
【0046】式(14)からΘ(s) を消去してΞ(s) に
ついて解くと、式(15)のΞ(s)の式が得られ、この
Ξ(s) を式(14)の1番目の式に代入すると、式(1
5)のZ(s) の式が得られる。このZ(s) の式は、G
1(s),G01(s) ,G02(s) が既知であれば、2個の床振
動検出セル4-1,4-2の出力Z1(s),Z2(s)を用いて、
その右辺の演算を行うことにより、Z(s) が得られるこ
とを示す。つまり、演算回路を工夫することにより、Z
1(s),Z2(s)からZ(s) 相当のものを生成できる。ここ
で、補償伝達関数GX (s) は、GX (s) =G1(s)/2G
01(s) G02(s) である。
【0047】つぎに、式(16)のように、計量セル2
からの出力Um (s) から、床振動検出セル4-1,4-2か
らの出力V(s) に上記補償伝達関数GX (s) を乗じた出
力U C (s) を減算することにより、系の出力U(s) は0
となり、各セルの伝達関数が一致する。
【0048】これにより、上記と同様に、予測された質
量mから計量セル2の固有振動数ω 1 を求めることによ
り容易に演算された計量セル2の伝達関数G1(s)に基づ
いて、フィルタ済床振動検出信号を、計量セル2の伝達
関数G1(s)と、各床振動検出セル4-1,4-2の伝達関数
01(s) ,G02(s) とが一致するように正確に補正でき
るので、2次元で床振動を生じる場合において正確な床
振動補償を容易に行うことができる。
【0049】図6は、3次元で床振動を生じる場合に床
振動補正を行う計量装置の振動モデルを示す。静止座標
系の基準平面上の半径rの円周を4等分する各位置に4
個の床振動検出セル4-1,4-2,4-3,4-4を、x−y
平面上の(p,q)座標に、計量セル2を配置してい
る。なお、移動座標系の図示を省略している。
【0050】図7は、この計量装置において、計量セル
2および3次元の床振動を検出する床振動検出セル4-
1,4-2,4-3,4-4の伝達関数の関係を示す図であ
る。計量セル2の入力をΞ(s) 、計量セル2の伝達関数
をG1(s),出力をZ(s) ,アンプ5からの出力をU
m (s) とし、床振動検出セル4-1,4-2の入力をΘ(s)
、床振動検出セル4-3,4-4の入力をΦ(s) 、床振動
検出セル4-1,4-2,4-3,4-4の伝達関数をG01(s)
,G02(s) ,G03(s) ,G04(s) 、出力をZ1(s),Z2
(s),Z3(s),Z4(s)、補償処理手段10の補償伝達関
数をGX (s) 、補償処理手段10からの出力をUC (s)
とし、系の出力をU(s) とする。この計量装置の構成
は、4個の床振動検出セル4-1,4-2,4-3,4-4を有
することを除いて図1と同様である。
【0051】図6において、計量セル2および3次元の
床振動を検出する床振動検出セル4-1,4-2,4-3,4
-4について、次式(17)の運動方程式が成立する。た
だし、z, z1,z2,z3,z4 は基準平面に対する各質量
の相対変位、ξは静止座標系のz軸方向の直線振動、
θ,φはそれぞれ移動座標系のx’軸,y’軸まわりの
回転振動である。式(17)の両辺をラプラス変換し
て、各セルの伝達関数G1(s),G01(s) ,G02(s) ,G
03(s) ,G04(s) を求めると、次式(18)となる。
【0052】
【数7】
【0053】式(18)からΞ(s) ,Θ(s) ,Φ(s) を
消去すると、式(19)のZ(s) の式が得られる。この
Z(s) の式は、a,p,q,G1(s),G01(s) ,G
02(s) ,G03(s) ,G04(s) が既知であれば、4個の床
振動検出セル4-1,4-2,4-3,4-4の出力Z1(s),Z
2(s),Z3(s),Z4(s)を用いて、その右辺の演算を行う
ことにより、Z(s) が得られることを示す。ここで、補
償伝達関数GX (s) は、G X (s) =G1(s)/2aG
01(s) G02(s) G03(s) G04(s) である。
【0054】上記と同様に、計量セル2からの出力Um
(s) から、床振動検出セル4-1,4-2,4-3,4-4から
の出力V(s) にこの補償伝達関数GX (s) を乗じた出力
C(s) を減算することにより、系の出力U(s) は0と
なり、各セルの伝達関数が一致する。
【0055】これにより、上記と同様に、容易に演算さ
れた計量セル2の伝達関数G1(s)に基づいて、フィルタ
済床振動検出信号を、計量セル2の伝達関数G1(s)と、
各床振動検出4-1,4-2,4-3,4-4の伝達関数G
01(s) ,G02(s) ,G03(s) ,G 04(s) とが一致するよ
うに正確に補正できるので、3次元で床振動を生じる場
合において正確な床振動補償を容易に行うことができ
る。
【0056】計量セル2を(p,q)座標のp=q=0
でない位置に設置した場合には、その計量セル2を補償
するために、上記のように4個の床振動検出セル4-1,
4-2,4-3,4-4が必要となる。一方、計量セル2をp
=q=0の位置、つまり中心に設置した場合には、上記
の計算により、床振動検出セル4-1と4-2または4-3と
4-4のいずれか1組を配置すれば、その計量セル2を補
償できる。すなわち、この場合、上述した2次元振動と
全く同様のシステムで補償できる。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、床振動
周波数が計量セルおよび床振動検出セルの固有振動数に
近い高周波の場合であっても、計量セルの伝達関数を容
易に演算し、これに基づいてフィルタ済床振動検出信号
を両セルの伝達関数が一致するように正確に補正できる
ので、床振動周波数に応じて正確な床振動補償を容易に
行うことができる。また、両セルの伝達関数を一致させ
ることにより、両セルの動特性が相違することによって
生じる計量信号と床振動検出信号の位相差による誤差も
解消されることとなり、床振動補償の正確性がさらに増
して、高精度の計量が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る計量装置を示す構
成図である。
【図2】計量セルと床振動検出セルの伝達関数の関係を
示す図である。
【図3】第2実施形態に係る計量装置を示す構成図であ
る。
【図4】2次元の振動モデルを示す側面図である。
【図5】2次元の床振動を検出する各セルの伝達関数の
関係を示す図である。
【図6】3次元の振動モデルを示す平面図である。
【図7】3次元の床振動を検出する各セルの伝達関数の
関係を示す図である。
【図8】計量セルと床振動検出セルの振動モデルを示す
図である。
【図9】計量セルと床振動検出セルの対床振動感度周波
数を示す特性図である。
【符号の説明】
2…計量セル、4…床振動検出セル、10…補償処理手
段、12…質量予測手段、14…固有振動数演算手段、
15…伝達関数演算手段、16…伝達関数補正手段、1
8…減算処理手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下前 好伸 滋賀県栗太郡栗東町下鈎959番地の1 株 式会社イシダ滋賀事業所内 (72)発明者 亀岡 紘一 兵庫県加古川市平岡町一色383番地の1

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被計量物を計量して、その重量に対応
    した計量信号を出力する計量セル、 この計量セルが設置された床の振動を検出して、床振動
    検出信号を出力する床振動検出セル、 計量信号に含まれる直流成分を抽出し、この直流成分か
    ら被計量物の質量を予測する質量予測手段、 前記予測された被計量物の質量から被計量物がのった計
    量セルの固有振動数を演算する固有振動数演算手段と、
    この固有振動数に基づいて計量セルの入出力の関係を示
    す伝達関数を演算する伝達関数演算手段と、この計量セ
    ルの伝達関数と、床振動検出セルの伝達関数とが一致す
    るように補正する伝達関数補正手段とを有する補償処理
    手段、および、 計量信号から補正した床振動検出信号を減算して床振動
    補正済計量信号を出力する減算処理手段を備えた計量装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記補償処理手段は、前記床振動検出セルの出力側に設
    けられており、前記伝達関数補正手段は、床振動検出セ
    ルの伝達関数を補正して、計量セルの伝達関数と一致さ
    せるものである計量装置。
JP10204766A 1998-07-21 1998-07-21 計量装置 Pending JP2000039355A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10204766A JP2000039355A (ja) 1998-07-21 1998-07-21 計量装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10204766A JP2000039355A (ja) 1998-07-21 1998-07-21 計量装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000039355A true JP2000039355A (ja) 2000-02-08

Family

ID=16496002

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10204766A Pending JP2000039355A (ja) 1998-07-21 1998-07-21 計量装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000039355A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006300869A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Anritsu Corp センサ信号処理方法およびセンサ信号処理装置
JP2012163427A (ja) * 2011-02-07 2012-08-30 Mitsutoyo Corp 表面性状測定機
EP3882583A1 (en) 2020-03-19 2021-09-22 ISHIDA CO., Ltd. Weighing apparatus

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006300869A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Anritsu Corp センサ信号処理方法およびセンサ信号処理装置
JP4652879B2 (ja) * 2005-04-25 2011-03-16 アンリツ株式会社 センサ信号処理方法およびセンサ信号処理装置
JP2012163427A (ja) * 2011-02-07 2012-08-30 Mitsutoyo Corp 表面性状測定機
EP3882583A1 (en) 2020-03-19 2021-09-22 ISHIDA CO., Ltd. Weighing apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0430695B2 (en) Weighing apparatus
JP5355077B2 (ja) 秤量装置、とくに多列秤量装置
JPH07209066A (ja) 多点セル型計量装置
JP6126687B2 (ja) 位相特性を合致させるように遅延を使用する変換器加速度補償
CN108801407A (zh) 称重装置、称重方法、称重传感器以及存储介质
JP2000039355A (ja) 計量装置
JP2004226304A (ja) 計量装置
JP3642639B2 (ja) 複数の荷重変換手段を備える計量装置
JP2001091343A (ja) 計量装置
JP3693764B2 (ja) 計量方法及び計量装置
JPH10339660A (ja) 計量装置
JP3251706B2 (ja) 計量装置
JP4170516B2 (ja) 計量装置
JPH08110261A (ja) 質量計量装置及び重量計量装置
JPH11295136A (ja) 計量方法及び計量装置
JPS62261021A (ja) 計量装置
JP3581179B2 (ja) 質量又は重量計量装置
JP3525364B2 (ja) 計量方法および装置
JP3631546B2 (ja) 計量装置
JPH09236481A (ja) 質量測定装置
JP3792854B2 (ja) 計量装置
JPH09113346A (ja) 計量方法および装置
JP3600355B2 (ja)
JPH10185673A (ja) 計量装置
WO2022238048A1 (en) Computer implemented method of determining a transfer function of a module or a component and generating such component