JP3693764B2 - 計量方法及び計量装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、計量用荷重変換手段と補正用荷重変換手段を備える計量装置に関し、詳しくは、例えば船上のように振動する床に設置されても正確な重量又は質量の計量を可能にする計量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記従来の計量装置として特開平6−317457号公報に開示されているものがある。その計量装置は、図9に示すように、複数の計量セル31 〜3m と複数のダミーセル41 〜4n を備えており、これら計量セル31 〜3m とダミーセル41 〜4n は同一のフレームFRに同一の所定高さ位置に設けられており、このフレームFRは床Fに設置されている。そして、これら複数のダミーセル41 〜4n から出力されるダミー信号D1 〜Dn の振動成分に基づいて床Fの振動モードを検出して各計量セル31 〜3m が設置されている夫々の位置における上下方向の振動を算出し、その算出した振動に基づく計量誤差を各計量セル31 〜3m から出力される計量信号W1 〜Wm から除去する。これによって、床Fの振動に基づく計量誤差を除去した補正済み計量信号を出力することができる。
【0003】
次に、これを理論的に説明すると、図8に示すように、XY平面上の点P(xa1、ya1、0)の位置に1台のダミーセル41 が固定されているとする。XY平面の挙動は、X軸回りの回転、Y軸回りの回転、及びXY平面に垂直なZ軸方向の運動から成る。それ以外の運動は、このダミーセルでは検出しないので、ここでは論じない。ここで、X軸回りの回転運動で生じるZ軸方向成分の運動をB(t)、Y軸回りの回転運動で生じるZ軸方向成分の運動をA(t)、Z軸方向の運動をC(t)とすると、点P(xa1、ya1、0)の位置でのダミーセル41 の出力するダミー信号D1 のうち、床Fの振動成分Vpa1 (t)は、
【0004】
【数1】
【0005】
となる。この式(1)におけるA(t)、B(t)、C(t)を求めることにより床Fの振動モードを求めることができる。これを求めるためには、一直線上にない3点に設置された3台のダミーセル41 〜43 によって床Fの運動を検出して、この3台のダミーセル41 〜43 の出力する各ダミー信号D1 〜D3 に基づいて3元1次連立方程式を解けばよい。そして、このようにして求めた振動モードを表すA(t)、B(t)、C(t)を式(1)に代入し、この式(1)に各計量セル31 〜3m が設けられている夫々の位置のx、y座標を順次代入することにより、各計量セル31 〜3m が設置されている位置における床Fの振動に基づく夫々の振動成分を算出する。次に、各計量セルの計量信号W1 〜Wm から対応する振動成分を除去することにより振動成分の影響が除去された補正済み計量信号を得ることができる。
【0006】
このように、上記計量装置によると、複数の計量セル31 〜3m 及び複数のダミーセル41 〜4n を、図8に示す同一のXY平面内に設置する必要があるが、複数のダミーセル41 〜4n をこれら複数の計量セル31 〜3m に近づけて設置する必要がなく、互いに離れた位置に設置することができる。なお、このXY平面は、各計量セルの計量信号から除去しようとしている振動成分の振動方向に対して直角をなす平面をいう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の計量装置では、複数のダミーセル41 〜4n 、及び複数の計量セル31 〜3m を全て同一の平面内に設置する必要があり、従って、これらダミーセル41 〜4n 及び計量セル31 〜3m を設置するために広い床面積を必要とするという問題がある。これによってこの計量装置の設置面積において大型化するという問題がある。よって、床面積が狭い場合は、この計量装置を設置することができないことがあり、重要な問題となっている。また、高さの異なる複数の各床面に計量セルを設置して使用する場合には、各床面が同一の振動モードで振動している場合でも計量セルが設置されている各床面ごとにダミーセルを夫々設置する必要があり、これによってダミーセルの台数が多くなるし、コストも嵩むという問題もある。
【0008】
本発明は、所定方向の床振動に基づく計量誤差を排除する計量装置において、計量用荷重変換手段と補正用荷重変換手段を、その床振動方向に対して互いに離れた位置に設置できる計量装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る計量方法は、物体上に設置されている複数の補正用荷重変換手段が上記物体の振動によって補正信号を出力する段階と、上記物体上において夫々が互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を座標軸としてX軸回りの回転運動の加速度B(t)、Y軸回りの回転運動の加速度A(t)、Z軸方向の直線運動の加速度C(t)、及びX軸回りの回転運動の速度とY軸回りの回転運動の速度とに基づいて決まる速度D(t)を、上記複数の補正信号を使用して求める段階と、これら求めた加速度A(t)、加速度B(t)、加速度C(t)及び速度D(t)からなる上記物体の振動モードに基づいて、被計量物を計量するための計量用荷重変換手段が設置されている上記物体上の位置における上記Z軸方向の振動成分を算出する段階と、上記計量用荷重変換手段の出力する計量信号からその計量用荷重変換手段に対して算出された上記物体の振動に基づく上記Z軸方向の振動成分を除去する段階とを、備え、上記補正用荷重変換手段と上記計量用荷重変換手段を、Z軸方向の振動方向に対して互いに離れた位置に設けているものである。
【0010】
第1の発明に係る計量方法によると、計量用荷重変換手段が被計量物を計量してその重量に対応した計量信号を出力すると同時に、その計量用荷重変換手段と同一の物体上に設置されている複数の補正用荷重変換手段から出力される補正信号を使用して物体の振動モードA(t)、B(t)、C(t)、及びD(t)を求めて、計量用荷重変換手段が設置されている物体上の位置におけるZ軸方向の振動成分を算出する。そして、計量用荷重変換手段の出力する計量信号からその計量用荷重変換手段に対して算出された物体の振動に基づくZ軸方向の振動成分を除去する。即ち、物体の振動モードとしてA(t)、B(t)、C(t)に加えて、X軸回りの回転運動の速度とY軸回りの回転運動の速度に基づいて決まる速度D(t)を求めているから、補正用荷重変換手段と計量用荷重変換手段、補正用荷重変換手段どうし、又は計量用荷重変換手段どうしを、Z軸方向の振動方向に対して互いに離れた位置に設けた場合であっても、計量信号を正確に補正することが可能であり、精度の高い計量を行うことができる。しかも、従来と同様に、補正用荷重変換手段と計量用荷重変換手段、補正用荷重変換手段どうし、又は計量用荷重変換手段どうしを、X軸方向、又はY軸方向に対して互いに離れた位置に設けた場合であっても、計量信号を正確に補正することが可能である。
【0011】
第2の発明に係る計量装置は、物体上に設置され既知の補正用質量に基づく重量を受けてこの重量に対応する補正信号を生成する複数の補正用荷重変換手段と、上記物体上に設置され被計量物の重量を受けてこの重量に対応する計量信号を生成する計量用荷重変換手段と、上記複数の補正用荷重変換手段から生成される上記補正信号の振動成分に基づいて上記物体の振動モードを検出し、この振動モードを使用して上記計量用荷重変換手段が設置されている位置における振動成分を算出する振動算出手段と、上記計量信号から上記振動算出手段により算出された上記振動成分を除去した補正済み計量信号を生成する振動補正手段と、を具備し、上記補正用荷重変換手段と上記計量用荷重変換手段は、上記振動算出手段が算出する振動成分の振動方向及びこの振動成分の振動方向と直交する方向に対して互いに離れた位置に設けられている。さらに、上記振動算出手段は、夫々が互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を座標軸としてX軸回りの回転運動の加速度B(t)、Y軸回りの回転運動の加速度A(t)、Z軸方向の直線運動の加速度C(t)、及びX軸回りの回転運動の速度とY軸回りの回転運動の速度に基づいて決まる速度D(t)を、上記複数の補正信号を使用して求め、これら求めた加速度A(t)、加速度B(t)、加速度C(t)及び速度D(t)を上記物体の振動モードとして、上記計量用荷重変換手段が設置されている上記物体上の位置における上記Z軸方向の振動成分を算出する。
【0012】
第2の発明に係る計量装置によると、振動算出手段が、複数の補正信号を使用してX軸回りの回転運動の加速度B(t)、Y軸回りの回転運動の加速度A(t)、Z軸方向の直線運動の加速度C(t)、及びX軸回りの回転運動の速度とY軸回りの回転運動の速度に基づいて決まる速度D(t)を求めて、これら求めた加速度A(t)、加速度B(t)、加速度C(t)及び速度D(t)を物体の振動モードとして、計量用荷重変換手段が設置されている物体上の位置におけるZ軸方向の振動成分を算出することができる。
【0015】
第3の発明に係る計量装置は、第2の発明の計量装置において、上記補正用質量及び上記計量用荷重変換手段の風袋質量と、上記補正用荷重変換手段及び上記計量用荷重変換手段のばね定数と、に基づいて、上記補正用荷重変換手段と計量用荷重変換手段との間、複数の上記補正用荷重変換手段どうしの間、及び複数の上記計量用荷重変換手段どうしの間のうち、少なくとも上記補正用荷重変換手段と上記計量用荷重変換手段との間の感度比を設定する感度設定手段と、上記計量信号及び上記補正信号のうち少なくとも一方を上記感度比で補正して感度補正済み信号を生成する感度補正手段と、を設けたことを特徴とするものである。
【0016】
第3の発明によると、感度補正手段が、計量信号及び補正信号のうち少なくとも一方を、感度設定手段により設定した感度比によって補正して感度補正済み信号を生成することができる。これによって、補正用荷重変換手段と計量用荷重変換手段の間、複数の上記補正用荷重変換手段どうしの間、及び複数の上記計量用荷重変換手段どうしの間のうち、少なくとも補正用荷重変換手段と計量用荷重変換手段の間の感度比の違いに基づく計量誤差の発生を防止することができる。
【0017】
第4の発明に係る計量装置は、第2又は第3の発明の計量装置において、被計量物の質量に応じて、上記補正用荷重変換手段と上記計量用荷重変換手段との間、及び複数の上記計量用荷重変換手段どうしの間のうち、少なくとも上記補正用荷重変換手段と上記計量用荷重変換手段との間の質量感度比を算出する質量感度算出手段と、上記計量信号及び上記補正信号のうち少なくとも一方を上記質量感度比で補正して質量感度補正済み信号を生成する質量感度補正手段と、を設けたことを特徴とするものである。
【0018】
第4の発明によると、質量感度補正手段が、計量信号及び補正信号のうち少なくとも一方を質量感度算出手段により算出された質量感度比で補正して質量感度補正済み信号を生成する。これによって、補正用荷重変換手段と計量用荷重変換手段の間、及び複数の計量用荷重変換手段どうしの間のうち、少なくとも補正用荷重変換手段と計量用荷重変換手段の間における被計量物の質量による感度の変化に基づく計量誤差の発生を防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態を各図を参照して説明する。この実施形態は、本発明に係る計量装置を組合せ秤に適用したものであり、図1は、この実施形態に係る組合せ秤の信号処理系の概略構成を示すブロック図である。同図において、11 〜1m は計量器であり、41 〜4n は補正用荷重変換手段(以下、「ダミーセル」という。)である。
計量器11 〜1m は、重量検出部(計量用荷重変換手段であり、以下、「計量セル」という。)31 〜3m を有している。これら各計量セル31 〜3m は、図1に示すように、一方の端部が床Fに設置されているこの組合せ秤のフレームFRに固定され、他方の端部には被計量物Xが投入される計量ホッパ21 〜2m が取り付けられており、各計量ホッパ21 〜2m に投入された被計量物Xの重量を計量して、その重量に応じたアナログ計量信号W1 〜Wm を出力する。
【0020】
ダミーセル41 〜4n は、フレームFRを介して伝わってくる床Fの振動を検出するためのものであり、一方の端部が計量セル31 〜3m と同等の床振動を受けるように計量セル31 〜3m が取り付けられている同一のフレームFRに固定され、他方の端部には既知質量M0 の分銅(補正用質量)33を取り付けて自由端としてある。各ダミーセル41 〜4n は、床Fからの振動を受ける状態で分銅33の既知質量M0 に基づく重量を受けてこの重量と対応するアナログ補正信号(ダミー信号)D1 〜Dn を出力する。質量M0 は、各ダミーセル41 〜4n の風袋質量を含むものとする。
【0021】
なお、計量セル31 〜3m は、床Fから所定の同一の高さH1 であって、所定の直径D1 の円周上に沿って設置してある。そして、ダミーセル41 〜4n-1 は、床Fから所定の同一の高さH2 (H2 <H1 )であって、所定の直径D2 (D2 <D1 )の円周上に沿って設置してあり、4n は、床Fから所定の高さH3 (H3 <H2 )の位置に設置してある。ここで、計量セル3の設置位置とは、計量ホッパ2に投入されている被計量物Xの質量mと計量セル3の風袋質量M1 との合成質点をいう。ダミーセル4の設置位置とは、ダミーセル4に設けられている分銅33の質量M0 (この質量M0 は、ダミーセル4の風袋質量を含む質量である。)の質点をいう。ただし、所定の複数の計量セルを使用して1つの被計量物を計量する場合は、これら所定の複数の計量セルによって計量される被計量物の質量m、及びこれら複数の計量セルの風袋質量M1 、M1 、・・・・の合成質点をこれら複数の計量セルの設置位置という。
【0022】
5はマルチプレクサである。マルチプレクサ5は、各計量セル31 〜3m から出力される計量信号W1 〜Wm が増幅器61 〜6m で増幅されて入力されると共に、ダミーセル41 〜4n から出力されるダミー信号D1 〜Dn が、増幅器71 〜7n で増幅されて入力される。マルチプレクサ5は、後述する中央演算処理装置(CPU)9からの切り換え信号cにより計量信号W1 〜Wm 及びダミー信号D1 〜Dn を選択的に出力してA/D変換器(アナログ・デジタル変換器)8に供給する。
A/D変換器8は、マルチプレクサ5から選択的に供給されるアナログ計量信号W1 〜Wm 及びアナログダミー信号D1 〜Dn をデジタル計量信号及びデジタルダミー信号に変換する。
【0023】
図2は、CPU9の内部構造を示すブロック図であり、同図において、101 〜10m 及び111 〜11n は夫々デジタルフィルタ(ローパスフィルタ)である。図1に示すマルチプレクサ5から選択的に出力されてA/D変換器8によってデジタル信号に変換された計量信号W1 〜Wm 及びダミー信号D1 〜Dn は、図2に示す切換回路12を経て夫々と対応するデジタルフィルタ101 〜10m 、111 〜11n を通過するように構成されており、各デジタルフィルタは、主として被計量物Xを計量ホッパ21 〜2m に投入された際に生じる比較的高周波数の振動成分を除去することができる。
【0024】
13は、床振動算出手段である。床振動算出手段13は、デジタルフィルタ111 〜11n を通過したデジタルダミー信号D1 〜Dn の振動成分に基づいて床Fの振動モードを検出して、フレームFRの各計量セル31 〜3m が設置されている位置における上下方向(Z軸方向)の振動成分を算出することができるものである。
【0025】
141 〜14m は、床振動補正手段である。床振動補正手段141 〜14m は、床振動算出手段13により算出された各計量セル31 〜3m が設置されている位置における上下方向の振動信号S1 〜Sm を使用して、デジタルフィルタ101 〜10m を通過してきた対応するデジタル計量信号W1 〜Wm を夫々別個に補正するものである。即ち、各床振動補正手段141 〜14m は、各重量値と対応するデジタル計量信号W1 〜Wm から対応する上下方向の振動信号S1 〜Sm を減算することにより、床振動による影響を除去した振動補正済み計量信号BS1 〜BSm を出力することができる。このように、低周波数の床振動成分を除去する補正により、フィルタ101 〜10m のカットオフ周波数を高く設定することを可能にして、高速計量を実現することができる。これら各振動補正済み計量信号BS1 〜BSm は、組合せ演算手段20に入力する。
【0026】
組合せ演算手段20は、補正済み計量信号BS1 〜BSm のうちから、合計重量値が予め設定されている目標重量値に等しいか若しくは最も近い予め定めた条件を満足する組合せを構成するものを選択し、その選択した補正済み計量信号BSと対応する被計量物Xが投入されている計量ホッパ2の排出ゲートを開放するための選択信号OSを出力することができるものである。
【0027】
上記のように、床Fに据え付けられている組合せ秤の同一のフレームFRに各計量セル31 〜3m 、及び各ダミーセル41 〜4n が設けられている構成において、各ダミーセル41 〜4n から出力されるダミー信号D1 〜Dn の振動成分に基づいて床Fの振動モードを検出して、フレームFRにおけるダミーセル41 〜4n-1 が設置されている水平面(高さH2 )と高さが異なる水平面(高さH1 )に設置されている各計量セル31 〜3m の各々の設置位置における上下方向(鉛直方向)の振動成分を算出し、その算出した各振動成分を対応する各計量信号W1 〜Wm から減算することによって床振動による影響を除去した補正済み計量信号BS1 〜BSm を出力することができる。
【0028】
次に、ダミーセル41 〜4n の必要な台数と設置位置を説明する。ここで、図1に示すように、床Fに対して鉛直方向(重力方向)をZ軸方向とし、床Fと平行する方向をY軸方向及びX軸方向とし、X軸方向はZ軸とY軸のなす平面に対して直角をなす方向とする。3台以上の計量セル31 〜3m が、それらの設置位置をZ軸方向から見たときのXY平面上の投影位置が同一直線上にないように設置されている上記実施形態のような場合は、少なくとも4台のダミーセル41 〜4n の設置位置を、Z軸方向から見たときのXY平面上の投影位置が同一直線上にないように、かつ、Z軸座標が夫々異なる2以上の位置に設置する必要がある。そして、1台、2台、又は3台以上の計量セル31 〜3m が、それらの設置位置をZ軸方向から見たときのXY平面上の投影位置が同一直線上にあるように設置されている場合は、少なくとも3台のダミーセル41 〜4n を、その設置位置をZ軸方向から見たときのXY平面上の投影位置が計量セルの投影位置を通る直線と同一直線上にあるように、かつ、Z軸座標が夫々異なる2以上の位置に設置する必要がある。
【0029】
次に、上記組合せ秤に設けられているCPU9が、各計量信号W1 〜Wm から対応する振動成分を除去した補正済み計量信号BS1 〜BSm を出力する理論について説明する。
上記組合せ秤において使用する計量セル31 〜3m 及びダミーセル41 〜4n (以下、「ロードセル」という。)を図3に示す。このタイプのロードセル3(4)は、4箇所のノッチ部31の夫々の外側表面に張り付けられた歪ゲージ32によって、ロードセル3(4)の変形状態を歪み量として検出するものである。更に、これら4枚の歪ゲージ32はホイートストンブリッジを構成しており、ロードセル3(4)が破線で示すようにロバーバル(平行四辺形)状態に変形した場合のみ出力が変化し、それ以外の変形状態では、出力は変化しないようになっている。従って、ロードセル3(4)の固定(フレームFR)側3a(4a)と荷重(分銅33)側3b(4b)の相対変位のうち、変形の成分のみが検出されるから、床振動に対して垂直方向成分(Z軸方向成分)のみを考慮すればよいことがわかる。
【0030】
今、図4に示すように、XY平面上の点Pd (xd 、yd 、zd )の位置にダミーセル4が固定されているとする。XY平面の挙動は、X軸回りの回転θx (t)、Y軸回りの回転θy (t)、及びXY平面に垂直なZ軸方向の運動dz (t)から成る。それ以外の運動は、ここで使用するロードセル3(4)では検出しないので、ここでは論じない。従って、図4に示す点Pd (xd 、yd 、zd )の位置でのダミーセル4の補正信号D中の床Fの振動成分D(t)は、
【0031】
【数2】
【0032】
と表すことができる。ここで、
【0033】
【数3】
【0034】
と置くと、(2)式を
【0035】
【数4】
【0036】
と書き直すことができる。
ここで、上記のようにダミーセルの台数と設置位置で説明したようにして、例えば4台のダミーセル41 〜44 を4箇所Pd1(xd1、yd1、zd1)〜Pd4(xd4、yd4、zd4)に設置したとすると、各ダミーセル41 〜44 のダミー信号D1 (t)〜D4 (t)を式(4)に夫々代入して4元1次連立方程式を解くことにより床Fの振動モードA(t)、B(t)、C(t)、D(t)を求めることができる。なお、実際には、各ダミーセル41 〜44 のダミー信号D1 (t)〜D4 (t)は、誤差を含んでいるので4台以上のダミーセル41 〜4n を設けて、最小自乗法等を用いてダミー信号D1 (t)〜Dn (t)、
【0037】
【数5】
【0038】
から振動モードA(t)、B(t)、C(t)、D(t)を求めるのがよい。本実施形態では4台以上のダミーセル41 〜4n を設けてある。なお、Pd1(xd1、yd1、zd1)〜Pdn(xdn、ydn、zdn)は各ダミーセル41 〜4n が設置されている位置を示す座標である。
一方、図4に示すX’Y’平面内のm箇所Pp1(xp1、yp1、zp1)〜Ppm(xpm、ypm、zpm)に設置されている各計量セル31 〜3m の計量信号W1 〜Wm 中の床Fの振動成分S1 (t)〜Sm (t)は、
【0039】
【数6】
【0040】
として表され、この式(6)に、式(5)を解いて求めた床Fの振動モードA(t)、B(t)、C(t)、D(t)を代入して計量信号W1 〜Wm 中の床Fの振動成分S1 (t)〜Sm (t)を算出することができる。床振動算出手段13は、これら床Fの振動モードA(t)、B(t)、C(t)、D(t)を求めて各計量信号W1 〜Wm と対応する床Fの振動成分S1 (t)〜Sm (t)を算出する機能を備えている。そして、床振動補正手段141 〜14m は、各計量信号W1 〜Wm から対応する振動成分S1 (t)〜Sm (t)を減算して補正済み計量信号BS1 〜BSm を出力する機能を備えている。
【0041】
図7は、床振動算出手段13が各振動成分S1 (j)〜Sm (j)を算出して出力する手順を示すフローチャートである。ここで、CPU9がデジタル処理を行うのでtをjに置き換えている。まず、各ダミーセル41 〜4n から出力されるダミー信号D1 (j)〜Dn (j)を入力する(ステップ100)。そして、式(5)から床Fの振動モードA(j)、B(j)、C(j)、D(j)を求め(ステップ102)、次に、振動モードA(j)、B(j)、C(j)、D(j)を式(6)に代入すると共に、各計量セル31 〜3m の設置されている座標Pp1(xp1、yp1、zp1)〜Ppm(xpm、ypm、zpm)を入力して各計量信号W1 〜Wm と対応する振動成分S1 (j)〜Sm (j)を算出する(ステップ104)。そして、これら振動成分S1 (j)〜Sm (j)を対応する各床振動補正手段141 〜14m に出力して終了する(ステップ106)。
【0042】
また、上記実施形態においては、次の機能を付加しておくのが好ましい。カットオフ周波数が比較的高い各デジタルフィルタ101 〜10m と並列させてカットオフ周波数が非常に低く安定時間の長いデジタルフィルタを接続し、各計量セル3が組合せに参加したり組合せに選択された場合は、各デジタルフィルタ101 〜10m を通って処理された計量信号を各床振動補正手段141 〜14m に出力するが、予め設定されている例えば2回以上連続して組合せに選択されなかった計量セル3があった場合は、その計量セル3の出力する計量信号のうちカットオフ周波数が非常に低く安定時間の長いデジタルフィルタを通って処理された計量信号に基づいて被計量物Xを正確に計量し、そしてその計量セル3の出力する計量信号をダミー信号として床振動算出手段13に出力する構成とする。この構成によると、計量セルの出力する計量信号をダミー信号として使用することができるので、ダミーセルの台数を増加することなく、床振動モードA(j)、B(j)、C(j)、D(j)を正確に演算することができ、これによって計量信号を精度よく補正することができる。そして、補正の精度を同一とすると、ダミーセルとして使用することができる計量セルの台数分だけダミーセルの台数を少なくすることができ、費用の低減、及び嵩の縮小を図ることができる。
【0043】
次に、本発明の第2実施形態を図5を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態と同様に、本発明に係る計量装置を組合せ秤に適用したものであり、第1実施形態と相違するところは、CPU34の構成である。これ以外は、第1実施形態と同等であり、同等部分の詳細な説明を省略する。
【0044】
図5は、第2実施形態のCPU34の構成を示すブロック図である。同図において、図2に示すCPU9の内部構成と相違する点は、次の2点であり、これ以外は同等であり、同等部分は同一の図面符号で示し、それらの詳細な説明を省略する。まず、第1の相違点は、ダミーセル41 〜4n に設けられている分銅33の質量M0 及び被計量物が投入されていない状態での計量セル31 〜3m の質量M1 (風袋質量M1 )と、計量セル31 〜3m 及びダミーセル41 〜4n のばね定数と、に基づいて、計量セル31 〜3m とダミーセル41 〜4n とのセル感度比(請求項4に記載の感度比)を、計量セル31 〜3m のいずれか1台のセル感度を基準として予め設定するセル感度設定手段15と、このセル感度設定手段15で設定されたセル感度比で上記ダミー信号D1 〜Dn を補正してセル感度補正済み信号(請求項4に記載の感度補正済み信号)CS1 〜CSn を生成するセル感度補正手段16と、を設けた点である。
【0045】
第2の相違点は、各計量セル31 〜3m により計量される被計量物の質量mが異なることによる床振動に対す各計量セル31 〜3m の感度の変化を補正するものである。即ち、被計量物の質量mに応じて変化する計量セル31 〜3m とダミーセル41 〜4n 間の質量感度比を算出する質量感度算出手段17と、この質量感度算出手段17で算出された質量感度比により、いずれか1台の計量セル3を基準として、上記床振動算出手段13から出力される振動信号S1 〜Sm を補正して、質量感度補正済み信号WS1 〜WSm を生成し、対応する各床振動補正手段141 〜14m に出力する質量感度補正手段18と、を設けた点である。
【0046】
セル感度補正手段16はセル感度を補正して、ダミー信号D1 〜Dn を計量信号W1 〜Wm のレベルに換算して、この換算信号(セル感度補正済み信号)CS1 〜CSn を出力する。そして、床振動算出手段13は、これらセル感度補正済み信号CS1 〜CSn に基づいて振動モード、及び各計量セル3が設置されている位置における床振動信号S1 〜Sm を算出する。更に、質量感度補正手段18は、これら各床振動信号S1 〜Sm に対して計量セル31 〜3m に付加された被計量物の質量mに応じた感度補正を行い、質量感度補正済み信号WS1 〜WSm を出力する。そして、床振動補正手段141 〜14m が計量信号W1 〜Wm から床振動成分であるこれら質量感度補正済み信号WS1 〜WSm を差し引いて、振動補正済み信号計量BS1 〜BSm を出力する。
【0047】
次に、図5に示すCPU34による感度補正処理を式を使用して説明する。計量セル3及びダミーセル4は、図6に示す振動モデルで表すことができる。これら計量セル(計量側)3及びダミーセル(床振動検出側)4の運動方程式は、式(7)および式(8)で表すことができる。両式(7)、(8)において、M0 はダミーセル4の自由端に設けられている分銅33の質量、M1 は被計量物が投入されていない状態での計量セル3の自由端の質量(風袋質量)、mは被計量物の質量、k0 、k1 はダミーセル4と計量セル3のばね定数、x0 、x1 は両セルの自由端の変位、xB は床Fの変位である。
【0048】
【数7】
【0049】
ここで、床側と荷重側の相対変位が各セルの出力となるので、上式(7)、(8)は、式(9)、(10)のように変形することができる。
【0050】
【数8】
【0051】
上記の両式(9)、(10)を、床Fの変位を系の入力、各セルの出力を系の出力として、その入出力の関係である伝達関数を求め、更に、振幅の周波数特性G1 (jω)及びG0 (jω)を求めると、式(11)、(12)となる。式(11)、(12)において、ω1 は計量セル3の固有振動数、ω0 はダミーセル4の固有振動数である。
【0052】
【数9】
【0053】
従って、計量セル3側とダミーセル4側の感度の比βは、次の式(13)となる。
【0054】
【数10】
【0055】
ここで、1≫(ω/ω0 )2 、1≫(ω/ω1 )2 、即ち、補正対象とする床Fの振動周波数に対して、計量セル3側、ダミーセル4側共に各固有振動数が十分に高い周波数である場合は、式(14)となる。
【0056】
【数11】
【0057】
この式(14)において、▲2▼の部分は、m=0、つまり、被計量物が計量ホッパ2に投入されていない状態での計量セル3とダミーセル4と間のセル感度比を表し、また、▲1▼の部分は、被計量物が投入されることによって計量セル3の感度がどれだけ変化したか、つまり、計量セル3とダミーセル4と間の質量感度比を表している。
【0058】
計量セル3及びダミーセル4のばね定数k0 、k1 と、ダミーセル4の分銅33の質量M0 と、計量セル3の風袋質量M1 と、を式(14)の▲2▼に代入してセル感度比を求めておき、次に、図5に示すセル感度設定手段15でこのセル感度を設定して、セル感度補正手段16でセル感度の補正を行う。このセル感度の補正は、複数の各計量セル3とダミーセル4との間のセル感度の補正である。他方、質量感度設定手段17によって、上記式(14)の▲1▼で示す式で質量感度比を求め、質量感度補正手段18で質量感度の補正を行う。この質量感度補正は、いずれか1つの計量セル3を基準として複数の各計量セル3とダミーセル4との間の質量感度補正を行うようにしたものであり、これによって、計量セル3どうしの質量感度補正も行うことができる。ただし、複数の各計量セル3に対して夫々別個にダミーセル4との間における質量感度補正を行う構成としてもよい。
【0059】
なお、図5では、セル感度補正手段16を、デジタルフィルタ111 〜11n の出力側に接続すると共に、質量感度補正手段18を床振動算出手段13の出力側に接続し、計量セル3のいずれか1つを基準としてダミー信号D1 〜Dn の方を感度補正して、計量信号W1 〜Wm のレベルに換算したうえで、床振動補正を行う構成としたが、この構成とする代わりに、セル感度補正手段16及び質量感度補正手段18を、計量信号側のデジタルフィルタ101 〜10m の出力側に接続し、ダミーセル4のいずれか1つを基準として計量信号W1 〜Wm の方を感度補正して、ダミー信号D1 〜Dn のレベルに換算したうえで、床振動補正を行う構成としてもよい。ただし、その場合、感度補正された計量信号W1 〜Wm を再度、補正前のレベルに換算するための補正を行う必要がある。
【0060】
また、図5に示すブロック図において、別個のセル感度補正手段16を計量信号側のデジタルフィルタ101 〜10m の出力側に接続して計量信号W1 〜Wm 間のセル感度補正を行うと共に、別個のセル感度補正手段16をダミー信号側のデジタルフィルタ111 〜11n の出力側に接続してダミー信号D1 〜Dn 間のセル感度補正を行う構成としてもよい。
【0061】
更に、図5に示すブロック図において、別個の質量感度補正手段18をダミー信号側のデジタルフィルタ111 〜11n の出力側に接続してダミー信号D1 〜Dn 間の質量感度補正を行う構成としてもよい。これにより、各ダミーセル4に設けられている分銅33の質量M0 にばらつきがある場合でも、このばらつきによる誤差を補正して計量精度の向上を図ることができる。要するに、セル感度補正手段及び質量感度補正手段は、計量信号とダミー信号のうち少なくとも一方について感度補正を行うものであればよい。
【0062】
また、上記第1及び第2実施形態では、デジタルフィルタ101 〜10m 、111 〜11n を使用しているから、個々の部品や素子の特性にばらつきが大きいアナログフィルタを使用した場合と比較して、カットオフ特性の誤差が小さくなるので、各デジタルフィルタ101 〜10m 、111 〜11n のカットオフ周波数を高く設定することが可能となり、その結果、より一層応答性が良くなり、計量の高速化を図ることができる。
【0063】
更に、第2実施形態においては、次の機能を付加しておくのが好ましい。床振動補正後の誤差を少なくする為に、被計量物が計量セル3に付加されたときには質量感度補正を行うが、式(14)に代入する被計量物の質量mこそが最終的に求めたい結果であり、補正する際には確定しない値である。そこで、最初は質量感度補正を行わないで床振動補正を行って被計量物の質量m’を求め、その質量m’を使用して再度質量感度補正を付けた床振動補正を行って被計量物の質量m’を求める。これを複数回繰り返すことにより高い計量精度を得るようにすることができる。
【0064】
床振動が小さい場合、CPU9又は34による床振動補正を行うことによって却って計量精度が低下する場合がある。そこで、振動検出用のダミーセルが出力するダミー信号の振動成分が一定基準以下であるか否かを判定して、一定基準以下であると判定した場合は、自動的に床振動補正を停止して精度の劣化を防ぐ構成とすることができる。
【0065】
ただし、上記第1及び第2実施形態では、デジタルフィルタ101 〜10m 、111 〜11n を使用する構成としたが、デジタルフィルタ101 〜10m 、111 〜11n の代わりに、アナログフィルタを使用する構成としてもよく、その場合、図1の仮想線で示す位置にアナログフィルタ19を接続する。
【0066】
そして、上記第1及び第2実施形態において、床振動補正手段141 〜14m が出力する振動補正済み計量信号BS1 〜BSm は、被計量物の重量値であり、これら重量値を組合せ演算手段20に入力させる構成としたが、これら重量値を重力加速度で除算して質量を求め、これら質量を組合せ演算手段20に入力させる構成としてもよい。
【0067】
【発明の効果】
第1の発明に係る計量方法によると、物体の振動モードA(t)、B(t)、C(t)、及びD(t)を求めて、物体上の計量用荷重変換手段が設置されている位置におけるZ軸方向の振動成分を算出して、計量信号からこの算出した振動成分を除去する構成であるから、補正用荷重変換手段と計量用荷重変換手段を、従来と同様にX軸方向、又はY軸方向に対して互いに離れた位置に設けた場合であっても、計量信号を正確に補正することが可能である上に、Z軸方向に対して互いに離れた位置に設けた場合であっても、計量信号を正確に補正することが可能である。従って、計量用荷重変換手段に対する補正用荷重変換手段の設置場所の自由度を、従来よりもZ軸方向の分だけ増大させることができるという効果がある。また、複数の計量用荷重変換手段がXY平面と平行し、Z軸方向に対して互いに離れた複数の各平面に設けられている場合でも、各平面ごとに補正用荷重変換手段を設ける必要がなく、1組の補正用荷重変換手段を使用して各平面に設置されている計量用荷重変換手段の計量信号を補正することができる。これにより、補正用荷重変換手段の台数が従来よりも少なくて済むという効果がある。また、複数の補正用荷重変換手段をZ軸方向に対して互いに離れた複数の各平面(XY平面と平行する平面)に設けることができるので、この点でも補正用荷重変換手段の設置場所の自由度を従来よりも増大することができる。
【0068】
第2の発明に係る計量装置によると、補正用荷重変換手段と計量用荷重変換手段が、振動算出手段の算出する振動成分の振動方向及びこの振動成分の振動方向と直交する方向に対して互いに離れた位置に設けられており、振動算出手段が、複数の補正用荷重変換手段から生成される補正信号の振動成分に基づいて物体の振動モードを検出し、この振動モードを使用して計量用荷重変換手段が設置されている位置における振動成分を算出する構成である。従って、補正用荷重変換手段と計量用荷重変換手段、補正用荷重変換手段どうし、又は計量用荷重変換手段どうしを、振動算出手段の算出する振動成分の振動方向、及びその振動方向に対して直角をなす方向に対して互いに離れた位置に設けた場合であっても、計量信号を正確に補正することが可能である。よって、計量用荷重変換手段及び補正用荷重変換手段の設置場所の自由度を、従来よりも振動算出手段の算出する振動成分の振動方向の分だけ増大させることができるという効果がある。
【0069】
第3の発明によると、計量信号及び補正信号のうち少なくとも一方を感度設定手段により設定された感度比によって補正して感度補正済み信号を生成する構成としたので、少なくとも補正用荷重変換手段と計量用荷重変換手段の間における物体の振動に対する感度の違いに基づく計量誤差の発生を防止することができ、これによって、被計量物の計量精度の一層の向上を図ることができる。
【0070】
第4の発明によると、計量信号及び補正信号のうち少なくとも一方を質量感度算出手段により算出された質量感度比で補正して質量感度補正済み信号を生成する構成としたので、少なくとも補正用荷重変換手段と計量用荷重変換手段の間における被計量物の質量による感度の変化に基づく計量誤差の発生を防止することができ、これによって、被計量物の計量精度の一層の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る計量装置の信号処理系の概略構成を示すブロック図である。
【図2】同第1実施形態のCPUの内部構成を示すブロック図である。
【図3】同第1実施形態のロードセルのモデルを示す図である。
【図4】同第1実施形態のロードセルの配置を示す図である。
【図5】同発明の第2実施形態のCPUの内部構成を示すブロック図である。
【図6】同第1実施形態の計量セル及びダミーセルの振動モデルを示す図である。
【図7】同第1実施形態の床振動算出手段の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】従来のロードセルの配置を示す図である。
【図9】従来の計量装置の信号処理系の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
3、31 〜3m 計量セル
4、41 〜4n ダミーセル
9、34 CPU
13 床振動算出手段
14 床振動補正手段
15 セル感度設定手段
16 セル感度補正手段
17 質量感度算出手段
18 質量感度補正手段
W1 〜Wm 計量信号
D1 〜Dn ダミー信号
BS1 〜BSm 振動補正済み計量信号
CS1 〜CSn セル感度補正済み信号
WS1 〜WSm 重量感度補正済み信号
Claims (4)
- 物体上に設置されている複数の補正用荷重変換手段が上記物体の振動によって補正信号を出力する段階と、
上記物体上において夫々が互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を座標軸としてX軸回りの回転運動の加速度B(t)、Y軸回りの回転運動の加速度A(t)、Z軸方向の直線運動の加速度C(t)、及びX軸回りの回転運動の速度とY軸回りの回転運動の速度とに基づいて決まる速度D(t)を、上記複数の補正信号を使用して求める段階と、
これら求めた加速度A(t)、加速度B(t)、加速度C(t)及び速度D(t)からなる上記物体の振動モードに基づいて、被計量物を計量するための計量用荷重変換手段が設置されている上記物体上の位置における上記Z軸方向の振動成分を算出する段階と、
上記計量用荷重変換手段の出力する計量信号からその計量用荷重変換手段に対して算出された上記物体の振動に基づく上記Z軸方向の振動成分を除去する段階とを、
備え、上記補正用荷重変換手段と上記計量用荷重変換手段を、Z軸方向の振動方向に対して互いに離れた位置に設けている計量方法。 - 物体上に設置され既知の補正用質量に基づく重量を受けてこの重量に対応する補正信号を生成する複数の補正用荷重変換手段と、
上記物体上に設置され被計量物の重量を受けてこの重量に対応する計量信号を生成する計量用荷重変換手段と、
上記複数の補正用荷重変換手段から生成される上記補正信号の振動成分に基づいて上記物体の振動モードを検出し、この振動モードを使用して上記計量用荷重変換手段が設置されている位置における振動成分を算出する振動算出手段と、
上記計量信号から上記振動算出手段により算出された上記振動成分を除去した補正済み計量信号を生成する振動補正手段と、を具備し、
上記補正用荷重変換手段と上記計量用荷重変換手段は、上記振動算出手段が算出する振動成分の振動方向及びこの振動成分の振動方向と直交する方向に対して互いに離れた位置に設けられ、
上記振動算出手段は、夫々が互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を座標軸としてX軸回りの回転運動の加速度B(t)、Y軸回りの回転運動の加速度A(t)、Z軸方向の直線運動の加速度C(t)、及びX軸回りの回転運動の速度とY軸回りの回転運動の速度に基づいて決まる速度D(t)を、上記複数の補正信号を使用して求め、これら求めた加速度A(t)、加速度B(t)、加速度C(t)及び速度D(t)を上記物体の振動モードとして、上記計量用荷重変換手段が設置されている上記物体上の位置における上記Z軸方向の振動成分を算出する
計量装置。 - 請求項2記載の計量装置において、上記補正用質量及び上記計量用荷重変換手段の風袋質量と、上記補正用荷重変換手段及び上記計量用荷重変換手段のばね定数と、に基づいて、上記補正用荷重変換手段と計量用荷重変換手段との間、複数の上記補正用荷重変換手段どうしの間、及び複数の上記計量用荷重変換手段どうしの間のうち、少なくとも上記補正用荷重変換手段と上記計量用荷重変換手段との間の感度比を設定する感度設定手段と、上記計量信号及び上記補正信号のうち少なくとも一方を上記感度比で補正して感度補正済み信号を生成する感度補正手段と、を設けた計量装置。
- 請求項2又は3記載の計量装置において、被計量物の質量に応じて、上記補正用荷重変換手段と上記計量用荷重変換手段との間、及び複数の上記計量用荷重変換手段どうしの間のうち、少なくとも上記補正用荷重変換手段と上記計量用荷重変換手段との間の質量感度比を算出する質量感度算出手段と、上記計量信号及び上記補正信号のうち少なくとも一方を上記質量感度比で補正して質量感度補正済み信号を生成する質量感度補正手段と、を設けた計量装置。
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