JP3581179B2 - 質量又は重量計量装置 - Google Patents

質量又は重量計量装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3581179B2
JP3581179B2 JP27999794A JP27999794A JP3581179B2 JP 3581179 B2 JP3581179 B2 JP 3581179B2 JP 27999794 A JP27999794 A JP 27999794A JP 27999794 A JP27999794 A JP 27999794A JP 3581179 B2 JP3581179 B2 JP 3581179B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
load
mass
weighing
weight
converting means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27999794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08114494A (ja
Inventor
建新 孫
武好 長尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamato Scale Co Ltd
Original Assignee
Yamato Scale Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamato Scale Co Ltd filed Critical Yamato Scale Co Ltd
Priority to JP27999794A priority Critical patent/JP3581179B2/ja
Publication of JPH08114494A publication Critical patent/JPH08114494A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3581179B2 publication Critical patent/JP3581179B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、特に揺動する物体上に据え付けられ、物体からの揺動による計量誤差を除去した質量又は重量を計量する質量又は重量計量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記重量計量装置の従来のものが特公昭60−29885号公報に開示されている。その装置は、図7に示すように、揺動する物体29に設けられている秤量用荷重変換器1と補正用荷重変換器2を備えている。この秤量用荷重変換器1は、風袋の質量がMであり、質量Mの被計量物を計量した場合、その秤量用荷重変換器1に接続されている増幅器3の出力eは式(1)に示すようになる。
=R(M+M)(g+a) ・・・・(1)
ただし、Rは秤量用荷重変換器1への載荷重量と電気的出力との比例定数、Aは秤量用荷重変換器1の出力電気信号を増幅する増幅器3の利得、gは重力加速度、aは秤量用荷重変換器1に伝わる上下方向の振動加速度である。
同様に、補正用荷重変換器2の補正用分銅62の質量をM、風袋の質量Mをとしたときの補正用荷重変換器2に接続されている増幅器4の出力eは、式(2)に示すようになる。
=R(M+M)(g+a) ・・・・(2)
ただし、Rは補正用荷重変換器2への載荷重量と電気的出力との比例定数、Aは補正用荷重変換器2の出力電気信号を増幅する増幅器4の利得、aは補正用荷重変換器2に伝わる上下方向の振動加速度である。ここで、a=aとする。なお、図7において、5は減算器、6は除算器である。
【0003】
減算器5により式(1)から式(2)を減算すると、その減算値は式(3)で示される。
−e=〔R(M+M)−R(M+M)〕(g+a) ・・・・(3)
その後に、この(e−e)を除算器6においてeで除算すると式(4)で示すようになる。
(e−e)/e=〔R(M+M)−R(M+M)〕/R(M+M) ・・・・(4)
ここで、R=R(M+M)となるようにA又はAを利得調整すると、式(4)は、式(5)となる。
(e−e)/e=M/〔R(M+M)〕∝M・・・・(5)
これによって、揺動物体29の揺動に基づく誤差を補正して被計量物の質量Mを計量することができる。
【0004】
ところで、風袋質量M及び被計量物の質量Mに影響する加速度(g+a)と風袋質量M及び分銅質量Mに影響する加速度(g+a)は、互いに等しいとして被計量物の質量Mを演算したが、(g+a)=(g+a)となるのは、秤量用荷重変換器1と補正用荷重変換器2の夫々が図9に示す秤系のモデルとみなした場合において、物体29の振動数よりもばね70で吊るされて揺動する質量mの物品71の固有振動数がはるかに高い場合だけに近似的に成立する。なぜなら、物体29の振動数よりも物品71の振動数がはるかに高い場合に限って秤量用荷重変換器1と補正用荷重変換器2の加速度応答倍率が近似的に1となり、aとaと物体29の上下振動加速度aとは、互いに近似的に等しくなるからである。
しかし、物体29の振動数と物品71の振動数が接近している場合は、aとaには、差異が生じ、この差異が比較的大きい計量誤差となる。
【0005】
そこで、(g+a)=(g+a)となるようにすることができる質量測定装置が特開平1−272924号公報に開示されている。この装置は、図8に示してあり、秤量用荷重変換器72と補正用荷重変換器73の出力をEとすると、
=R(M+M)(g+a) ・・・・(6)
=R(M+M)(g+a) ・・・・(7)
となる。ただし、R、A、M、M、g、a、R、A、M、M、aは、図7のものと同等のものを表す符号である。
【0006】
ここで、図8の装置において、
=k ・・・・(8)
(M+M)=(M+M) ・・・・(9)
のように選択をしてある。ただし、kとkは、秤量用荷重変換器72と補正用荷重変換器73のばね定数である。
ここで、式(9)において、Mは被計量物の質量であるので、この質量Mのばらつきが大きい場合は、式(9)が成立するとみなすことができないが、この質量Mのばらつきが小さい場合は、式(9)が成立するとみなすことができる。質量Mのばらつきが小さい場合としては、例えば重量選別する被計量物の質量がその場合である。なぜなら、重量選別機は、被計量物の質量が適量であるか否かを選別するものであるからその適量か否かを判定する選別基準質量M(0)付近の狭いばらつきの範囲の質量を正確に計量して選別することができれば良いからである。そして、この場合、選別基準質量M(0)を被計量物の質量Mに代入したもので式(9)を成立させればよい。
次に、式(6)を式(7)で除算すると
/E=R(M+M)/R(M+M)・・・・(10)
となるので、
=〔(E/E)R(M+M)/R〕−M・・・・(11)
と変形し、この式(11)から被計量物の質量Mを求めることができる。
【0007】
図8は、上記質量測定装置の電気回路を示すブロック図であり、このブロック図に示すようにして式(11)を演算処理して被計量物の質量Mを計量することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図8に示す従来の質量測定装置では、式(8)、(9)の条件、即ち、
=k ・・・・(8)
(M+M)=(M+M) ・・・・(9)
を満足させる必要がある。つまり、補正用荷重変換器73に設けられている分銅62の質量Mとその風袋質量Mの合計質量(M+M)を、被計量物の質量Mと秤量用荷重変換器72の風袋質量Mの合計質量(M+M)と等しい質量にする必要がある。従って、被計量物の質量Mが大きい場合、それに略伴ってM、Mも大きくなり、その結果、質量測定装置の全体の重量が重くなるという問題がある。そして、重量が重くなるにつれて設置スペースも広くなるという問題も発生する。例えば、特に飛行機、船舶等に積載して使用する質量測定装置は、できるだけ軽量、小型にすることが望まれている。
【0009】
そして、秤量用荷重変換器72を備えており、補正用荷重変換器73が設けられていない既設の質量測定装置に、例えば床からの振動による計量誤差を解消する為に、この補正用荷重変換器73を増設する場合、従来では、上述したように、式(8)、(9)の条件を満足する補正用荷重変換器73、即ち、被計量物の重量を含む秤量用荷重変換器72と略同等の重さ、及び大きさの補正用荷重変換器73を設ける必要がある。
【0010】
しかし、既設の質量測定装置には、一般にそのような大きさの補正用荷重変換器73を設けるスペースが存在しておらず、従って、補正用荷重変換器73を増設することができないという問題がある。
【0011】
本発明は、補正用荷重変換手段の重さ、大きさを従来のものよりも軽量、小型に構成した質量又は重量計量装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の質量又は重量計量装置は、揺動する物体上に設けられ被計量物の重量を受けて、この重量に対応する第1の電気信号を生成するロバーバル型ロードセルである計量用荷重変換手段と、この計量用荷重変換手段と同じ揺動を受ける状態に上記計量用荷重変換手段の内部に設けられた、起歪体を有するロードセルであり、重量が既知の補正用物品の重量を受けてこの重量に対応する第2の電気信号を生成する補正用荷重変換手段と、上記第1と第2の電気信号に基づいて上記被計量物の質量又は重量を算出する演算処理手段とを有する質量又は重量計量装置において、上記計量用荷重変換手段に上記被計量物の代表重量を掛けると共に、上記補正用荷重変換手段に上記補正用物品の重量を掛けたとき、上記計量用荷重変換手段と上記補正用荷重変換手段の各々の固有角振動数が互いに等しく又は略等しくなるように、上記補正用荷重変換手段の揺動質量と、上記計量用荷重変換手段の揺動質量と、上記計量用荷重変換手段のばね定数と、上記補正用荷重変換手段のばね定数とが、選択され、かつ上記補正用荷重変換手段の揺動質量が上記計量用荷重変換手段の揺動質量よりも軽量に選択され、上記補正用荷重変換手段のばね定数が上記計量用荷重変換手段のばね定数よりも小さく設定されているものである。
【0013】
第2の発明の質量又は重量計量装置は、第1の発明の質量又は重量計量装置において、補正用荷重変換手段に補正用物品を設けていない構成としたことを特徴とするものである。
【0015】
【作用】
第1の発明に係る質量又は重量計量装置によると、物体からの揺動と被計量物の重量とを受けた計量用荷重変換手段が第1の電気信号を生成し、物体からの揺動と補正用物品の重量とを受けた補正用荷重変換手段が第2の電気信号を生成する。そして、演算処理手段が、第1と第2の電気信号に基づいて被計量物の質量又は重量を算出する。また、計量用荷重変換手段に被計量物の代表重量を掛けると共に、補正用荷重変換手段に補正用物品の重量を掛けたときの計量用荷重変換手段と補正用荷重変換手段の各々の固有角振動数が互いに略等しくなるように構成してあるので、この2つの固有角振動数の差異に基づく計量誤差を排除することができる。そして、補正用荷重変換手段のばね定数を計量用荷重変換手段のばね定数よりも小さくすることにより、固有角振動数を決定する補正用荷重変換手段の揺動質量を計量用荷重変換手段の揺動質量よりも軽量にしてあるからこの装置を比較的軽量、小型にすることができる。
【0016】
第2の発明に係る質量又は重量計量装置によると、補正用荷重変換手段が、少なくとも自重を受けて振動し、この振動と対応する第2の電気信号を出力する。これ以外は、第1の発明と同等の作用をする。
【0018】
【実施例】
本発明の1実施例を図1及び図2を参照して説明する。この実施例は、質量計量装置であり、図1に示す揺動する物体29、例えば振動している工場設備、又は船舶等に据え付けられている。この場合は、例えば5Hz(0.2〜10Hzの間)の周波数で上下に揺動するものとする。この図1に示す21は計量用ロードセル、22はダミー用ロードセル、11は演算処理部である。
計量用ロードセル(計量用荷重変換手段)21は、図1に示すように、ロバーバル型ロードセルであり、内側に空洞部56が形成されている。左端部54が揺動物体29に固定され、他端には被計量物40を載置するための載置台41が取り付けられており、この計量用ロードセル21の表面に貼着した歪ゲージ42、・・・により、揺動を受ける状態で被計量物40の重量に対応する第1の電気信号を生成するように構成してある。
【0019】
ダミー用ロードセル(補正用荷重変換手段)22は、物体29の揺動を検出するためのものであり、図1に示すように、平板状の起歪部53を有している。そして、この起歪部53は、計量用ロードセル21の空洞部56に収容された状態でこの起歪部53の左端部が計量用ロードセル21の左端部54の内側面と結合している。これにより、ダミー用ロードセル22は、計量用ロードセル21と同様に物体29よりの外部揺動を受けて揺動することができる。また、このダミー用ロードセル22の右端部には、既知重量W/2の2個の分銅(補正用物品)43を取り付けて自由端とし、このダミー用ロードセル22の表面に貼着した歪ゲージ44、・・・により、揺動を受ける状態で分銅43の既知合計重量Wと対応する第2の電気信号を生成するように構成してある。なお、分銅43は、ダミー用ロードセル22に突設した係合部55に係合して取り付けてある。
【0020】
これら各ロードセル21、22からの第1及び第2の電気信号は、図1に示すように、夫々増幅器45、46により増幅された後、アナログ−デジタル変換器47、48によりデジタル信号に変換され、次いで各デジタル信号を乗加算して広域ノイズ、つまりロードセル21、22及び載置台41の振動に起因する各周波数成分を遮断するデジタルフィルタ49、50を介して演算処理部(デジタル信号処理装置)11に順次入力する。この演算処理部11は、メモリ(記憶手段)51、52、除算部57、乗算部58、及び減算部59からなっている。
【0021】
メモリ51、52は、デジタルフィルタ49、50からの出力信号を順次記憶し、これらメモリ51、52に記憶された各電気信号は、除算部57に入力する。
【0022】
除算部57は、計量用ロードセル21、ダミー用ロードセル22の出力する第1、第2の電気信号と対応する電気信号E、Eを入力して、E/Eを演算して、この演算して得られたE/Eを乗算部58に出力する。このE、Eは、上式(6)、(7)によって表される電気信号である。
【0023】
ただし、Rは計量用ロードセル21への載荷重量と電気的出力との比例定数、Rはダミー用ロードセル22への載荷重量と電気的出力との比例定数、Aは増幅器45の利得、Aは増幅器46の利得、Mは計量用ロードセル21の風袋質量(載置台41とロードセル21自身の合計質量)、Mは2個の補正用分銅43の合計質量、Mはダミー用ロードセル22の風袋質量である。
【0024】
乗算部58は、入力したE/EにR(M+M)/Rを乗算してこの乗算値を減算部59に出力する。
【0025】
減算部59は、この乗算値(E/E)R(M+M)/Rから計量用ロードセル21の風袋質量Mを減算して被計量物40の質量Mを出力する。図には示さないが、この出力された質量Mは、表示部によって表示される。
【0026】
なお、載置台41に載置されている被計量物40の質量Mと計量用ロードセル21の風袋質量Mの合計質量(M+M)が特許請求の範囲に記載の計量用荷重変換手段の揺動質量であり、この揺動質量と計量用ロードセル21のばね定数kとによって計量用ロードセル21の固有角振動数p=〔k/(M+M)〕1/ 2が決まる。そして、補正用分銅43の質量Mとダミー用ロードセル22の風袋質量Mの合計質量(M+M)が特許請求の範囲に記載の補正用荷重変換手段の揺動質量であり、この揺動質量とダミー用ロードセル22のばね定数kとによってダミー用ロードセル22の固有角振動数p=〔k/(M+M)〕1/ 2が決まる。
【0027】
ここで、計量用及びダミー用ロードセル21、22の固有角振動数p=〔k/(M+M)〕1/ 2とp=〔k/(M+M)〕1/ 2の関係を説明する。この実施例の計量用及びダミー用ロードセル21、22の固有角振動数pとpは互いに等しくなるように形成してある。つまり、
=〔k/(M+M)〕1/ 2=p=〔k/(M+M)〕1/ 2・・・・(12)
となり、従って、
/(M+M)=k/(M+M) ・・・・(13)
が成立している。
そして、更に、図1に示すように、(M+M)>(M+M)となるようにM、M、M、Mを形成してあり、従って、k>kとなっている。この実施例では、例えば(M+M)=8kg、(M+M)=200gであり、ダミー用ロードセル22の揺動質量(200g)が計量用ロードセル21の揺動質量(8kg)の2.5%であり、従って、ダミー用ロードセル22のばね定数kも計量用ロードセル21のばね定数kの2.5%となっている。なお、載置台41が設けられている状態の計量用ロードセル21のばね定数kを求めるには、例えば、まず、載置台41に既知質量の被計量物40を載置して自由振動をさせ、その振動波形を基に、例えば一定時間当たりの振動のピーク数を数える。又は、その振動波形を直接FFT変換してこの秤系の固有振動数を求める。しかる後に、その得られた秤系の固有振動数と被計量物40の既知質量とからばね定数kを求める。そして、分銅43が設けられている状態のダミー用ロードセル22のばね定数kも上記と同様にして求めることができる。ただし、ダミー用ロードセル22は、分銅43を係合させた状態で自由振動させる。
【0028】
上記質量計量装置によると、計量用ロードセル21に質量Mの被計量物40を掛けると共に、ダミー用ロードセル22に既知質量Mの分銅43を掛けたときの計量用ロードセル21とダミー用ロードセル22の各々の固有角振動数pとpが互いに等しくなるように構成してあるので、この2つの固有角振動数の差異に基づく計量誤差を排除することができる。ただし、被計量物40の質量Mは、未知であるので、質量Mの代わりに被計量物40の代表質量M(0)を最初に決めて、しかる後に式(13)を満足するように分銅の質量Mを決定する。なお、この代表質量M(0)は、被計量物40の選別基準質量、中心質量等を使用するとよい。従って、被計量物40の質量Mが、大幅に変更すると、現在ダミー用ロードセル22に設けられている分銅43に代えて、その変更した新たな被計量物40の代表質量M(0)と対応する質量Mの分銅43をダミー用ロードセル22に設ける必要がある。
【0029】
更に、ダミー用ロードセル22の揺動質量(M+M)を計量用ロードセル21の揺動質量(M+M)の2.5%であるので、図8に示す従来の装置のと比較して、(M+M)の97.5%に相当する質量を軽量化することができる。
【0030】
そして、図1に示すように、計量用ロードセル21の内側に形成した空洞部56にダミー用ロードセル22と分銅43を設けた構成としたことにより、ダミー用ロードセル22の設置スペースを解消することができ、その結果、この質量計量装置を小型に形成することができる。
【0031】
次に、この実施例に係る質量計量装置により被計量物40の質量Mを算出するための理論を計算式を用いて説明する。
まず、計量用ロードセル21とダミー用ロードセル22の夫々を図9に示す振動系とみなして夫々の振動方程式を立てると、
【数1】
Figure 0003581179
となる。
ただし、p =k/(M+M) ・・・・(16)
=k/(M+M) ・・・・(17)
であり、x(t)は計量用ロードセル21に載置された被計量物40の変位、x(t)はダミー用ロードセル22の分銅43の変位、pは被計量物40が載置された状態で揺動する計量用ロードセル21の固有角振動数、pはダミー用ロードセル22の固有角振動数、x(t)は揺動する物体29の上下方向の振動の変位である。
【0032】
この式(14)、(15)を夫々解くと、揺動する物体29の振動に起因する計量用ロードセル21の変位x(t)とダミー用ロードセル22の変位x(t)を等しくする為には、各ロードセル21と22のばね定数k、k、揺動質量(M+M)、(M+M)が 式(8)、(9)の
=k、(M+M)=(M+M
を満足させる必要がなく、各ロードセル21と22の固有角振動数p、pについて、式(12)のように、p=pを満足させればよいことがわかる。
【0033】
その為に、式(13)のように、
/(M+M)=k/(M+M
を選択することにより、p=pを満足させることができる。
これにより、
(t)=x(t) ・・・・(18)
が成立し、
【数2】
Figure 0003581179
となる。従って、式(11)より被計量物40の質量Mを図8に示す従来の質量計測装置と同様に正確に計量することができる。この実施例の質量計量装置が図8の従来の装置と相違するところは、従来では、式(9)に示すように
(M+M)=(M+M
の制約があるが、この実施例ではそのような制約がなく、ダミー用ロードセル22を小型、軽量に製作することができる。
【0034】
第1参考例を図3を参照して説明する。図3(a)は、正面図、図3(b)は、平面図である。実施例と第1参考例が相違するところは、実施例では、ダミー用ロードセル22を計量用ロードセル21の内側面に設けてあるのに対して、第1参考例ではダミー用ロードセル60を計量用ロードセル21の左端部54の外側面に設けてあるところと、実施例では、2個の分銅43を係合部55に係合させているのに対して、第1参考例では1個の分銅60をダミー用ロードセル60の自由端部(左端部)に載置してあるところである。これ以外は、実施例と同等であり、それらを実施例と同じ図面符号で示し、詳細な説明を省略する。
【0035】
この参考例の質量計量装置は、例えば被計量物43の質量が比較的軽量であり、計量用ロードセル21の空洞部56を大きく形成することができず、一方、計量精度の点からダミー用ロードセル60をあまり小さく形成することができない為に、ダミー用ロードセル60を計量用ロードセル21の空洞部56内に配置することができない場合に有効である。これ以外は、実施例と同等に作用する。
【0036】
第2参考例の質量計量装置は、第1参考例の計量用ロードセル21とダミー用ロードセル60を夫々別個に共通の揺動物体29に設けたものである。それ以外は第1参考例と同等であり、それらを第1参考例と同じ図面符号で示し、詳細な説明を省略する。
【0037】
図4は、ダミー用ロードセル60の拡大正面図である。この実施例によると、ダミー用ロードセルを備えていない既設の質量計量装置にダミー用ロードセル60を増設する場合にその増設の為の加工が簡単で済むし、ダミー用ロードセル60の増設によって計量用ロードセル21の計量精度を低下させることがない。なお、図5は、起歪体53が撓んでいる状態を示す拡大正面図である。
【0038】
図6は、この参考例のダミー用ロードセル60の他の例を示す拡大正面図である。同図に示すダミー用ロードセル63は、ロバーバル型ロードセルであり、ダミー用ロードセル63の自由端部(右端部)に分銅64を係合させてある。このように、ダミー用ロードセル63を、計量用ロードセル21と同じ形式のロバーバル型ロードセルとしたことにより、ダミー用ロードセル63の振動状態と計量用ロードセル21の振動状態の差異を、図4のダミー用ロードセル60の振動状態と計量用ロードセル21の振動状態の差異よりも小さくすることができる。また、図4のように板状に形成したダミー用ロードセル60では、振動の際に例えば捩じり力等を受けた場合、その捩じり力等に基づき比較的大きい誤差信号が発生するが、ロバーバル型に形成したダミー用ロードセル63では、振動の際に捩じり力を受けてもほとんど無視できる誤差信号しか発生しないようにすることができる。
その結果、物体29から計量用ロードセル21に伝わる振動に基づいて発生する計量誤差を更に正確に除去することができる。勿論、図6に示すダミー用ロードセル63を図1又は図3に示す計量用ロードセル21に設けた構成としてもよい。
【0039】
ただし、実施例並びに第1及び第2参考例では、被計量物40の質量を計量する構成としたが、重量を計量する構成とすることができる。つまり、演算処理部11が式(11)において
Figure 0003581179
を演算して質量Mを求めたが、この質量Mに重力加速度gを乗算して被計量物40の重量Wを計量する構成とすることができる。
【0040】
そして、実施例並びに第1及び第2参考例では、ダミー用ロードセル22、60、63に分銅43、61、64を設けたが、分銅43等を省略した構成とすることができる。つまり、式(11)において分銅43等の質量Mを0kgとして演算して、被計量物40の質量を計量する。この際、計量用ロードセル21とダミー用ロードセル22等の各固有角振動数が互いに一致又は接近するように各ロードセル21と22等を製作する。即ち、式(13)を満足するように製作する。
【0041】
また、実施例並びに第1及び第2参考例では、図1に示すように、メモリ51、52の出力したE、Eを、除算部57がE/Eのように除算して、しかる後にその除算値に対して乗算部58、減算部59が演算処理することにより被計量物40の質量Mを求めたが、メモリ51、52の出力したE、Eを上記以外の方法を使用して被計量物40の質量Mを求める構成としてもよい。例えば、EからEを減算して種々の演算を行うことにより被計量物40の質量Mを求めることができる。
【0043】
また、実施例並びに第1及び第2参考例では、質量計量装置を例えば5Hz(0.2〜10Hzの間)の周波数で上下に揺動する工場設備、船舶等に据え付けた例を示したが、例えば10Hzを超える高周波数で振動する設置面に据え付けて使用することができ、このような場合も被計量物40の質量を正確に計量することができる。
【0044】
【発明の効果】
第1及び第2の発明に係る質量又は重量計量装置によると、計量用荷重変換手段と補正用荷重変換手段の夫々の固有角振動数が互いに略等しい構成としたので、この2つの固有角振動数の差異に基づく計量誤差を解消することができるという効果がある。しかも、補正用荷重変換手段のばね定数を計量用荷重変換手段のばね定数よりも小さくすることにより、固有角振動数を決定する補正用荷重変換手段の揺動質量を計量用荷重変換手段の揺動質量よりも軽量にした構成であるので、この質量又は重量計量装置を図8に示す従来の質量測定装置よりも軽量、小型に形成することができるという効果がある。つまり、例えば船舶、航空機等に積載されて使用する場合は、設置面積を小さくすること、及び軽量であることが望まれるが、その要望を満たすことができる。また、補正用荷重変換手段を計量用荷重変換手段(ロバーバル型ロードセル)の内側に設けた構成としたことにより、この補正用荷重変換手段のスペース分だけ質量又は重量計量装置を小型に形成することができるという効果がある。
【0045】
そして、計量用荷重変換手段を備えているが、補正用荷重変換手段が設けられていない既設の質量又は重量計量装置に、例えば床からの振動による計量誤差を解消する為に、補正用荷重変換手段を増設する場合、図8に示す従来の装置では、計量用荷重変換手段と同じスペースを必要としたが、この発明の装置によると、補正用荷重変換手段を計量用荷重変換手段よりも小型に形成することができるので、狭いスペースしか確保できない場合であっても取り付けることができるという効果がある。
【0046】
第2の発明に係る質量又は重量計量装置によると、補正用荷重変換手段に補正用物品を設けていないので、その分だけ装置の部品点数を少なくすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1実施例に係る質量計量装置の電気回路を示すブロック図である。
【図2】図1に示す質量計量装置をA−A方向から見た縦断面図である。
【図3】(a)は実施例に係る質量計量装置の正面図、(b)は同第1参考例に係る質量計量装置の平面図である。
【図4】同発明の第2参考例に係る質量計量装置のダミー用ロードセルの拡大正面図である。
【図5】図4に示すダミー用ロードセルの起歪部の拡大正面図である。
【図6】同発明の第2参考例に係る質量計量装置のダミー用ロードセルの他の例を示す拡大正面図である。
【図7】従来の重量測定装置の電気回路を示すブロック図である。
【図8】従来の他の質量計測装置の電気回路を示すブロック図である。
【図9】秤系をモデル化して示した図である。
【符号の説明】
21 計量用ロードセル
22、60、63 ダミー用ロードセル
40 被計量物
43 分銅
11 演算処理部

Claims (2)

  1. 揺動する物体上に設けられ被計量物の重量を受けて、この重量に対応する第1の電気信号を生成するロバーバル型ロードセルである計量用荷重変換手段と、
    この計量用荷重変換手段と同じ揺動を受ける状態に上記計量用荷重変換手段の内部に設けられた、起歪体を有するロードセルであり、重量が既知の補正用物品の重量を受けてこの重量に対応する第2の電気信号を生成する補正用荷重変換手段と、
    上記第1と第2の電気信号に基づいて上記被計量物の質量又は重量を算出する演算処理手段とを有する質量又は重量計量装置において、
    上記計量用荷重変換手段に上記被計量物の代表重量を掛けると共に、上記補正用荷重変換手段に上記補正用物品の重量を掛けたとき、上記計量用荷重変換手段と上記補正用荷重変換手段の各々の固有角振動数が互いに等しく又は略等しくなるように、上記補正用荷重変換手段の揺動質量と、上記計量用荷重変換手段の揺動質量と、上記計量用荷重変換手段のばね定数と、上記補正用荷重変換手段のばね定数とが、選択され、かつ上記補正用荷重変換手段の揺動質量が上記計量用荷重変換手段の揺動質量よりも軽量に選択され、上記補正用荷重変換手段のばね定数が上記計量用荷重変換手段のばね定数よりも小さく設定されている質量又は重量計量装置。
  2. 揺動する物体上に設けられ被計量物の重量を受けて、この重量に対応する第1の電気信号を生成するロバーバル型ロードセルである計量用荷重変換手段と、
    この計量用荷重変換手段と同じ揺動を受ける状態に上記計量用荷重変換手段の内部に設けられた、起歪体を有するロードセルであり、少なくとも自重を受けてこの重量に対応する第2の電気信号を生成する補正用荷重変換手段と、
    上記第1と第2の電気信号に基づいて上記被計量物の質量又は重量を算出する演算処理手段と、を有する質量又は重量計量装置において、
    上記計量用荷重変換手段に上記被計量物の代表重量を掛けたとき、上記計量用荷重変換手段の固有角振動数と揺動する上記補正用荷重変換手段の固有角振動数とが互いに等しく又は略等しくなるように、上記補正用荷重変換手段の揺動質量と、上記計量用荷重変換手段の揺動質量と、上記計量用荷重変換手段のばね定数と、上記補正用荷重変換手段のばね定数とが、選択され、かつ上記補正用荷重変換手段の揺動質量が上記計量用荷重変換手段の揺動質量よりも軽量に選択され、上記補正用荷重変換手段のばね定数が上記計量用荷重変換手段のばね定数よりも小さく設定されている質量又は重量計量装置。
JP27999794A 1994-10-18 1994-10-18 質量又は重量計量装置 Expired - Fee Related JP3581179B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27999794A JP3581179B2 (ja) 1994-10-18 1994-10-18 質量又は重量計量装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27999794A JP3581179B2 (ja) 1994-10-18 1994-10-18 質量又は重量計量装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08114494A JPH08114494A (ja) 1996-05-07
JP3581179B2 true JP3581179B2 (ja) 2004-10-27

Family

ID=17618874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27999794A Expired - Fee Related JP3581179B2 (ja) 1994-10-18 1994-10-18 質量又は重量計量装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3581179B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010143285A1 (ja) * 2009-06-10 2010-12-16 日東精工株式会社 トルクセンサ
JP5583428B2 (ja) * 2010-02-19 2014-09-03 大和製衡株式会社 ダミーロードセル

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08114494A (ja) 1996-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE36411E (en) Weighing apparatus with means for correcting effects of vibrations
JP3539582B2 (ja) 多点セル型計量装置
CN100595530C (zh) 称重装置,特别是多轨迹称重装置
EP0122796A1 (en) Weighing apparatus
JP3581179B2 (ja) 質量又は重量計量装置
KR910001147B1 (ko) 계량장치
JPH08110261A (ja) 質量計量装置及び重量計量装置
JP3621188B2 (ja) 質量測定装置
JP4170516B2 (ja) 計量装置
JP3600355B2 (ja)
JP3642639B2 (ja) 複数の荷重変換手段を備える計量装置
JP3251706B2 (ja) 計量装置
JPH10185673A (ja) 計量装置
JP3792854B2 (ja) 計量装置
JPH09113346A (ja) 計量方法および装置
JP3693764B2 (ja) 計量方法及び計量装置
JP3120883B2 (ja) 計数秤
JPH11295136A (ja) 計量方法及び計量装置
JPH0531729B2 (ja)
JPH079376B2 (ja) 重量計量装置
US20200041365A1 (en) Load cell
JP3251707B2 (ja) 組合せ計量装置
JP2001091343A (ja) 計量装置
JPH08233643A (ja) 計量装置
JP3525364B2 (ja) 計量方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040216

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040413

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040614

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040720

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040722

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070730

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees