JPH11295136A - 計量方法及び計量装置 - Google Patents

計量方法及び計量装置

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JPH11295136A
JPH11295136A JP9616898A JP9616898A JPH11295136A JP H11295136 A JPH11295136 A JP H11295136A JP 9616898 A JP9616898 A JP 9616898A JP 9616898 A JP9616898 A JP 9616898A JP H11295136 A JPH11295136 A JP H11295136A
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JP
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weighing
axis
vibration
acceleration
speed
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JP9616898A
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Kenshin Son
建新 孫
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Yamato Scale Co Ltd
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Yamato Scale Co Ltd
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  • Weight Measurement For Supplying Or Discharging Of Specified Amounts Of Material (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 床振動に基づく計量誤差を排除する計量装置
において、比較的少ない台数のダミーセルを使用して計
量セルとダミーセルの設置位置の自由度を広げること。 【解決手段】 床に設置されダミー信号CDを生成する
複数のダミーセル、及び被計量物の計量信号Wを生成す
る計量セルと、X軸回りの回転運動で生じるZ軸方向の
加速度B(t) 、Y軸回りの回転運動で生じるZ軸方向の
加速度A(t) 、及びZ軸方向の直線運動の加速度C(t)
をダミー信号CDを使用して算出する床振動モード算出
手段13と、風袋重量の計量信号、A(t) 、B(t) 、及
びC(t) を使用して、B(t) と同方向の速度b(t) 、A
(t) と同方向の速度a(t) を算出する速度算出手段14
と、A(t) 、B(t) 、C(t) 、a(t) 、及びb(t) を床
振動モードとして計量信号W中の振動成分Vを算出する
床振動算出手段17と、計量信号Wから振動成分Vを除
去する床振動補正手段20と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、計量用荷重変換
手段と補正用荷重変換手段を備える計量方法及び計量装
置に関し、詳しくは、例えば船上のように振動する床に
設置されても正確な重量又は質量の計量を可能にする計
量方法及び計量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記従来の計量装置として特開平6−3
17457号公報に開示されているものがある。その計
量装置は、図8に示すように、複数の計量セル3
と複数のダミーセル4〜4を備えており、
これら計量セル3〜3とダミーセル4〜4
は同一のフレームFRに床Fから同一の所定高さ位
置に設けられており、このフレームFRは床Fに設置さ
れている。そして、これら複数のダミーセル4〜4
から出力されるダミー信号D〜Dの振動成
分に基づいて床Fの振動モードを検出して各計量セル3
〜3が設置されている夫々の位置における上下
方向の振動を算出し、その算出した振動に基づく計量誤
差を各計量セル3〜3から出力される計量信号
〜Wから除去する。これによって、床Fの振
動に基づく計量誤差を除去した補正済み計量信号を出力
することができる。
【0003】次に、これを理論的に説明すると、図7に
示すように、XY平面上の点P(xa1、ya1、0)
の位置に1台のダミーセル4が固定されているとす
る。XY平面の挙動は、X軸回りの回転、Y軸回りの回
転、及びXY平面に垂直なZ軸方向の運動から成る。そ
れ以外の運動は、このダミーセルでは検出しないので、
ここでは論じない。ここで、X軸回りの回転運動で生じ
るZ軸方向成分の運動をB(t) 、Y軸回りの回転運動で
生じるZ軸方向成分の運動をA(t) 、Z軸方向の運動を
C(t) とすると、点P(xa1、ya1、0)の位置で
のダミーセル4の出力するダミー信号Dのう
ち、床Fの振動成分Vpa1 (t) は、
【0004】 Vpa1 (t) =xa1・A(t) +ya1・B(t) +C(t) ・・・・ (1)
【0005】となる。この式(1)におけるA(t) 、B
(t) 、C(t) を求めることにより床Fの振動モードを求
めることができる。これを求めるためには、一直線上に
ない3点に設置された少なくとも3台のダミーセル4
〜4によって床Fの運動を検出して、この3台
のダミーセル4〜4の出力する各ダミー信号D
〜Dに基づいて3元1次連立方程式を解けばよ
い。そして、このようにして求めた振動モードを表すA
(t) 、B(t) 、C(t) を式(1)に代入し、この式
(1)に各計量セル3〜3が設けられている夫
々の位置のx、y座標を順次代入することにより、各計
量セル3〜3が設置されている位置における床
Fの振動に基づく夫々の振動成分を算出する。次に、各
計量セルの計量信号W〜Wから対応する振動成
分を除去することにより振動成分の影響が除去された補
正済み計量信号を得ることができる。
【0006】このように、上記計量装置によると、複数
の計量セル3〜3及び複数のダミーセル4
〜4を、図7に示す同一のXY平面内に設置する必
要があるが、複数のダミーセル4〜4をこれら
複数の計量セル3〜3に近づけて設置する必要
がなく、互いに離れた位置に設置することができる。な
お、このXY平面は、各計量セルの計量信号から除去し
ようとしている振動成分の振動方向に対して略直角をな
す平面をいう。また、ダミーセル4の台数を3台以上設
けて、各ダミーセル4のダミー信号Dに基づいて求めた
A(t) 、B(t) 、C(t) を平均化することにより、精度
のよいA(t) 、B(t) 、C(t) を算出することができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の計
量装置では、複数のダミーセル4〜4、及び複
数の計量セル3〜3を全て同一の平面内に設置
する必要があり、従って、これらダミーセル4〜4
及び計量セル3〜3を設置するために広い
床面積を必要とするという問題がある。これによって、
計量装置は、設置面積において大型化するという問題が
ある。よって、床面積が狭い場合は、この計量装置を設
置することができないことがあり、重要な問題となって
いる。また、高さの異なる複数の各床面に計量セルを設
置して使用する場合には、各床面が同一の振動モードで
振動している場合でも計量セルが設置されている各床面
ごとにダミーセルを3台以上ずつ夫々設置する必要があ
り、これによってダミーセルの台数が多くなるし、コス
トも嵩むという問題もある。
【0008】本発明は、所定方向の床振動に基づく計量
誤差を排除する計量装置において、従来の計量装置のダ
ミーセルの台数を実質的に増加させることなく、計量セ
ルとダミーセルを、その床振動方向に対して互いに離れ
た位置に設置できる計量装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る計量方
法は、物体上に設置されている複数の補正用荷重変換手
段が上記物体の振動によって補正信号を出力する段階
と、上記物体に定めた夫々が互いに直交するX軸、Y軸
及びZ軸を座標軸としてX軸回りの回転運動の加速度B
(t) 、Y軸回りの回転運動の加速度A(t) 、及びZ軸方
向の直線運動の加速度C(t) を、上記複数の補正信号を
使用して算出する段階と、上記物体上に設置されている
被計量物を計量するための計量用荷重変換手段の出力す
る既知重量の計量信号、上記加速度A(t) 、B(t) 、及
びC(t) を使用してX軸回りの回転運動の速度b(t) と
Y軸回りの回転運動の速度a(t) を算出する段階と、こ
れら求めた加速度A(t) 、加速度B(t) 、加速度C(t)
、速度a(t) 、及び速度b(t) を上記物体の振動モー
ドとして、上記計量用荷重変換手段の設置されている位
置における上記Z軸方向の振動成分を算出する段階と、
上記計量用荷重変換手段の出力する被計量物の計量信号
からその計量用荷重変換手段に対して算出された上記物
体の振動に基づく上記Z軸方向の振動成分を除去する段
階と、を備えるものである。
【0010】第2の発明に係る計量装置は、物体上に設
置され既知の補正用質量に基づく重量を受けてこの重量
に対応する補正信号を生成する複数の補正用荷重変換手
段と、上記物体上に設置され被計量物の重量を計量する
ためのものであり計量信号を生成する計量用荷重変換手
段と、上記物体に定めた夫々が互いに直交するX軸、Y
軸及びZ軸を座標軸としてX軸回りの回転運動の加速度
B(t) 、Y軸回りの回転運動の加速度A(t) 、及びZ軸
方向の直線運動の加速度C(t) を、上記複数の補正信号
を使用して算出する振動モード算出手段と、既知重量の
計量信号、上記加速度A(t) 、B(t) 、及びC(t) を使
用してX軸回りの回転運動の速度b(t)とY軸回りの回
転運動の速度a(t) を算出する速度算出手段と、これら
算出した加速度A(t) 、加速度B(t) 、加速度C(t) 、
速度a(t) 、及び速度b(t) を上記物体の振動モードと
して、上記計量用荷重変換手段の設置されている位置に
おける上記Z軸方向の振動成分を算出する振動算出手段
と、上記計量用荷重変換手段の出力する被計量物の計量
信号から上記振動算出手段により当該計量用荷重変換手
段に対して算出された上記Z軸方向の振動成分を除去す
る振動補正手段と、を備えるものである。
【0011】第3の発明に係る計量装置は、第2の発明
において、上記速度算出手段は、上記既知重量の計量信
号、上記加速度A(t) 、B(t) 、及びC(t) を使用して
X軸回りの回転運動の初期速度b(0) とY軸回りの回転
運動の初期速度a(0) を算出する初期速度算出手段と、
初期速度をa(0) として加速度A(t) を積分して速度a
(t) を算出し、初期速度をb(0) として加速度B(t) を
積分して速度b(t) を算出する現速度算出手段と、を備
えることを特徴とするものである。
【0012】第4の発明に係る計量装置は、第2又は第
3の発明において、上記補正用荷重変換手段が3台以上
設けられていることを特徴とするものである。
【0013】本発明に係る計量方法及び計量装置は、計
量の前段階で、振動する物体上に設置されている複数の
補正用荷重変換手段から出力される補正信号を使用して
物体の振動モードの加速度(角加速度)A(t) 、加速度
(角加速度)B(t) 、及び加速度C(t) を算出し(計量
装置の振動モード算出手段が算出し)、そして、既知重
量の計量信号、A(t) 、B(t) 、及びC(t) を使用して
X軸回りの回転運動の速度(角速度)b(t) とY軸回り
の回転運動の速度(角速度)a(t) を算出する(計量装
置の速度算出手段が算出する)。このA(t) 、B(t) 、
及びC(t) は、補正用荷重変換手段が設置されている面
の振動モードであり、a(t) とb(t) は、補正用荷重変
換手段が設置されている面に対してZ軸方向に離れた位
置(計量用荷重変換手段の設置されている位置)におけ
るZ軸方向の振動成分を算出するために必要とする振動
モードである。次に、計量段階で、A(t) 、B(t) 、C
(t) 、a(t) 、及びb(t) を物体の振動モードとして、
計量用荷重変換手段が設置されている物体上の位置にお
けるZ軸方向の振動成分を算出して(計量装置の振動算
出手段が算出して)、計量用荷重変換手段の出力する被
計量物の計量信号からその計量用荷重変換手段に対して
算出された物体の振動に基づくZ軸方向の振動成分を除
去することができる(計量装置の振動補正手段が除去す
ることができる)。
【0014】第3の発明に係る計量装置によると、既知
重量の計量信号、加速度A(t) 、加速度B(t) 、及びC
(t) を使用してX軸回りの回転運動の初期速度b(0) と
Y軸回りの回転運動の初期速度a(0) を初期速度算出手
段が算出し、そして、初期速度をa(0) として加速度A
(t) を積分して速度a(t) 、及び初期速度をb(0) とし
て加速度B(t) を積分して速度b(t) を現速度算出手段
が夫々算出することができる。
【0015】第4の発明に係る計量装置によると、未知
の振動モードの加速度A(t) 、B(t) 、C(t) 、速度a
(t) 、及び速度b(t) を、3台の補正用荷重変換手段に
より算出することができ、補正用荷重変換手段を4台以
上とすることにより、加速度A(t) 、B(t) 、C(t) 、
速度a(t) 、及び速度b(t) を精度良く算出することが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を各図を参照
して説明する。この実施形態は、本発明に係る計量方法
を使用する計量装置を組合せ秤に適用したものであり、
図2は、この実施形態に係る組合せ秤の信号処理系の概
略構成を示すブロック図である。同図において、1
〜1は計量器であり、4〜4は補正用荷重
変換手段(以下、「ダミーセル」という。)である。計
量器1〜1は、重量検出部(計量用荷重変換手
段であり、以下、「計量セル」という。)3〜3
を有している。これら各計量セル3〜3 は、
図2に示すように、一方の端部が床Fに設置されている
この組合せ秤のフレームFRに固定され、他方の端部に
は被計量物Xが投入される計量ホッパ2〜2 が取
り付けられており、各計量ホッパ2〜2に投入
された被計量物Xの重量を計量して、その重量に応じた
アナログ計量信号W〜Wを出力する。
【0017】ダミーセル4〜4は、フレームF
Rを介して伝わってくる床Fの振動を検出するためのも
のであり、一方の端部が計量セル3〜3と同等
の床振動を受けるように計量セル3〜3が取り
付けられている同一のフレームFRに固定され、他方の
端部には既知質量mの分銅(補正用質量)33を取
り付けて自由端としてある。各ダミーセル4〜4
は、床Fからの振動を受ける状態で分銅33の既知
質量mに基づく重量を受けてこの重量と対応するア
ナログ補正信号(ダミー信号)D〜Dを出力す
る。質量mは、各ダミーセル4〜4の風袋質
量を含むものとする。
【0018】なお、計量セル3〜3は、床Fか
ら所定の異なる高さH〜Hであって、所定の直径
の円周上に沿って設置してある。そして、ダミー
セル4〜4は、床Fから所定の同一の高さH
であって、所定の直径Dの円周上に沿って設置して
ある。ここで、計量セル3の設置位置とは、計量ホッパ
2に投入されている被計量物Xの質量Mと計量セル
3の風袋質量mとの合成質点をいう。ダミーセル4
の設置位置とは、ダミーセル4に設けられている分銅3
3の質量m(この質量mは、ダミーセル4の風
袋質量を含む質量である。)の質点をいう。ただし、所
定の複数の計量セルを使用して1つの被計量物を計量す
る場合は、これら所定の複数の計量セルによって計量さ
れる被計量物の質量M、及びこれら複数の計量セルの風
袋質量m、m、・・・・の合成質点をこれら複
数の計量セルの設置位置という。また、この実施形態で
は、計量セル3〜3を、床Fから所定の異なる
高さH〜Hに設置してあるが、異なる高さH
〜Hに設置する必要がなく、それぞれの計量セ
ル3〜3を所望の同一の高さに設置してもよ
い。
【0019】5はマルチプレクサである。マルチプレク
サ5は、各計量セル3〜3から出力される計量信
号W〜Wが増幅器6〜6で増幅されて
入力されると共に、ダミーセル4〜4から出力
されるダミー信号D〜Dが、増幅器7〜7
で増幅されて入力される。マルチプレクサ5は、後
述する中央演算処理装置(CPU)9からの切り換え信
号Cにより計量信号W〜W及びダミー信号D
〜Dを選択的に出力してA/D変換器(アナロ
グ・デジタル変換器)8に供給する。A/D変換器8
は、マルチプレクサ5から選択的に供給されるアナログ
計量信号W〜W及びアナログダミー信号D
〜Dをデジタル計量信号及びデジタルダミー信号に
変換するものである。
【0020】図1は、CPU9の内部構造を示すブロッ
ク図であり、CPU9は、デジタルフィルタ(ローパス
フィルタ)10〜10及び11〜1
、切換回路12、床振動モード算出手段13、速
度算出手段14、床振動算出手段17等を備えている。
図2に示すマルチプレクサ5から選択的に出力されてA
/D変換器8によってデジタル信号に変換された計量信
号W〜W及びダミー信号D 〜Dは、図1
に示す切換回路12を経て夫々と対応するデジタルフィ
ルタ10 〜10、11〜11を通過する
ように構成されており、各デジタルフィルタは、主とし
て被計量物Xを計量ホッパ2〜2に投入された
際に生じる比較的高周波数の振動成分を除去するもので
ある。更に、各デジタルフィルタ11〜11は、
各ダミー信号D〜Dから対応する各ダミーセル
〜4 に設けられている分銅33の質量m
に基づく直流成分を差し引いて得られる振動成分のみか
らなるダミー信号CD〜CDを出力するように
なっている。
【0021】床振動モード算出手段13は、デジタルフ
ィルタ11〜11を通過したデジタルダミー信
号CD〜CDの振動成分に基づいて、ダミーセ
ル4〜4が設置されている平面、即ち、床Fから高
さHのXY平面における振動モードA(j) 、B(j)
、及びC(j) を算出する手段である。なお、ダミーセ
ル4〜4は、互いに直交するX軸とY軸で形成
される所定のXY平面に設置されており、このXY平面
に垂直な軸がZ軸であり、A(j) は、床振動によりY軸
回りの回転運動で生じるZ軸方向の加速度(角加速
度)、B(j) は、床振動によりX軸回りの回転運動で生
じるZ軸方向の加速度(角加速度)、C(j) は、床振動
によりZ軸方向の直線運動の加速度である。そして、j
は、CPU9がデジタル処理を行うので、時間tをj
(j=1、2、3、・・・・)に置き換えている。
【0022】速度算出手段14は、初期速度算出手段1
5と現速度算出手段16とから成っている。初期速度算
出手段15は、各計量セル3〜3の計量ホッパ
〜2 に被計量物Xが投入されていない状態
(風袋重量mのみが掛かっている状態)で生成され
るデジタル計量信号W〜W、加速度(角加速
度)A(j) 、加速度(角加速度)B(j) 、及び加速度C
(j) を使用してX軸回りの回転運動で生じるZ軸方向の
初期速度(初期角速度)b(0) とY軸回りの回転運動で
生じるZ軸方向の初期速度(初期角速度)a(0) を算出
する手段である。なお、計量信号W〜Wは、い
ずれか1つの計量信号Wを使用して初期速度a(0) とb
(0) を算出することができるが、この実施形態では、複
数の計量信号W〜Wを使用して初期速度a(0)
とb(0) を複数回算出し、これら複数の初期速度a
(0) 〜a(0)とb(0) 〜b(0) を夫々平均し
て精度の良い初期速度a(0) とb (0) を算出する
こととしている。現速度算出手段16は、初期速度をa
(0) として加速度A(j) を積分して速度(角速度)a
(j) を算出し、初期速度をb(0) として加速度B(j) を
積分して速度(角速度)b(j) を算出して、速度a(j)
、b(j) を出力する手段である。
【0023】床振動算出手段17は、加速度A(j) 、加
速度B(j) 、加速度C(j) 、速度a(j) 、及び速度b
(j) を床Fの振動モードとして、各計量セル3〜3
が設置されている位置における上下方向(Z軸方
向)の振動成分V(j) 〜V(j) を算出する手段
である。
【0024】感度算出手段18は、計量セル3の感度E
とダミーセル4との感度Eとの間の感度比と、計
量セル3に被計量物Xの重量が掛かることによって計量
セル3の感度がどれだけ変化したか、つまり計量セル3
とダミーセル4との間の質量感度比と、の積である感度
補正係数K(j) 〜K(j) を算出する手段であ
る。感度補正手段19は、床振動算出手段17が算出し
た各振動成分V(j) 〜V(j) に対して感度算出
手段18が算出した対応する各感度補正係数K(j)
〜K(j) を夫々掛け合わせて、感度補正済み振動成
分K(j) ・V(j)〜K(j) ・V(j) を算
出して出力する手段である。
【0025】各床振動補正手段20〜20は、
感度補正手段19により算出された各計量セル3
が設置されている位置における上下方向の感度補
正済み振動成分K(j) ・V(j) 〜K(j) ・
(j) を使用して、デジタルフィルタ10〜1
を通過してきた対応するデジタル計量信号W
(j) 〜W(j) を夫々別個に補正する演算を行い、振
動成分の影響が除去された補正済み計量信号M (j) 〜
(j) を出力する手段である。このように、低周波
数の床振動成分を除去する補正により、フィルタ10
〜10のカットオフ周波数を高く設定すること
を可能にして、高速計量を実現することができる。これ
ら各振動補正済み計量信号M(j) 〜M(j) は、
組合せ演算手段20に入力する。計量信号M (j) 〜
(j) は、被計量物の質量を表している。
【0026】組合せ演算手段21は、補正済み計量信号
〜Mのうちから、合計質量値が予め設定され
ている目標質量値に等しいか若しくは最も近い予め定め
た条件を満足する組合せを構成するものを選択し、その
選択した補正済み計量信号Mと対応する被計量物Xが投
入されている計量ホッパ2の排出ゲートを開放するため
の選択信号OSを出力する手段である。
【0027】上記のように、床Fに据え付けられている
組合せ秤の同一のフレームFRに各計量セル3〜3
、及び各ダミーセル4〜4が設けられてい
る構成において、各ダミーセル4〜4から出力
されるダミー信号D〜Dの振動成分CD
CDに基づいて、フレームFRにおけるダミーセル
〜4n− が設置されている水平面(高さH
)の振動モードA(j) 、B(j) 、C’(j) を算出し
て、ダミーセル4〜4n−1 が設置されている水
平面と高さが異なる計量セル3〜3の設置位置
における振動モードA(j) 、B(j) 、C’(j) 、a
(j)、及びb(j) を算出し、しかる後に、各計量セル3
〜3の各々の設置位置における上下方向(Z軸
方向)の振動成分V(j) を算出し、その算出した各
振動成分V(j) を対応する各計量信号W(j) 〜
(j) から除去することによって床振動による影響
を除去した補正済み計量信号M(j) 〜M(j) を
出力することができる。
【0028】次に、ダミーセル4〜4の必要な
台数と設置位置を説明する。ここで、図2に示すよう
に、床Fに対して鉛直方向をZ軸方向とし、床Fと平行
する方向をY軸方向及びX軸方向とし、Z軸は、XY平
面に対して直角をなす方向とする。ダミーセル4
は、少なくとも3台設置する必要があり、3台設
置する場合は、XY平面上で同一直線上にないようにす
る必要がある。
【0029】次に、上記組合せ秤に設けられているCP
U9が、各計量信号W〜Wから対応する振動成分
を除去した補正済み計量信号M〜Mを出力する
理論について説明する。上記組合せ秤において使用する
計量セル3〜3及びダミーセル4〜4(以
下、「ロードセル」という。)を図3に示す。このタイ
プのロードセル3(4)は、4箇所のノッチ部31の夫
々の外側表面に張り付けられた歪ゲージ32によって、
ロードセル3(4)の変形状態を歪み量として検出する
ものである。更に、これら4枚の歪ゲージ32はホイー
トストンブリッジを構成しており、ロードセル3(4)
が破線で示すようにロバーバル(平行四辺形)状態に変
形した場合のみ出力が変化し、それ以外の変形状態で
は、出力は変化しないようになっている。従って、ロー
ドセル3(4)の固定(フレームFR)側3a(4a)
と荷重(分銅33)側3b(4b)の相対変位のうち、
変形の成分のみが検出されるから、床振動に対して垂直
方向成分(Z軸方向成分)のみを考慮すればよいことが
わかる。
【0030】今、図4に示すように、XY平面上の点P
(x、y、z)の座標位置にダミーセ
ル4が固定され、XY平面よりもZ軸方向にH(=
(H〜H )−H)だけ離れた高さにある
X’Y’平面上の点P(x、y、z
の座標位置に計量セル3が固定されているとする。この
XY平面とX’Y’平面との間には相対的な変位はない
とする。XY平面の挙動は、X軸回りの回転θ(t) 、
Y軸回りの回転θ(t) 、及びXY平面に垂直なZ軸
方向の運動d(t) から成る。それ以外の運動は、こ
こで使用するロードセル3(4)では検出しないので、
ここでは論じない。従って、図4に示すX’Y’平面上
の点P(x 、y、z)の位置に設置され
ている計量セル3の計量信号W中に含まれている床振動
による振動成分V(t) は、
【0031】
【数1】
【0032】と表すことができる。ここで、
【0033】
【数2】
【0034】と置くと、(2)式を V(t) =x・A(t) +y・B(t) +C(t) +z{a(t) +b(t) } ・・・・(4)
【0035】と書き直すことができる。この式(4)の
振動成分V(t) を算出するためには、A(t) 、B
(t) 、C(t) 、a(t) 、及びb(t) を求めることが必要
である。そこで、上記A(t) 、B(t) 、C(t) 、a(t)
、及びb(t) を、3台のダミーセルの4〜4
の出力するダミー信号D〜Dの振動成分CD
〜CDを使用して算出する方法を説明する。A(t)
とa(t) 、及びB(t) とb(t) の間の微分関係を離散時
間系で表現すると、
【0036】 A(j) ={a(j) −a(j-1) }/T ・・・・(5) B(j) ={b(j) −b(j-1) }/T ・・・・(6)
【0037】となる。ただし、A(j) 、B(j) 、a(j)
、及びb(j) は、A(t) 、B(t) 、a(t) 、及びb(t)
のj(=1、2、3、・・・)サンプル時点でのサン
プル値、Tはサンプリング時間間隔である。ここで、a
(j) 、b(j) の初期値をa(0) 、b(0) とすると、a
(j) 、b(j)は、
【0038】 a(j) =T・A(j) +a(j-1) ・・・・(7) b(j) =T・B(j) +b(j-1) ・・・・(8)
【0039】によって算出することができる。このよう
に、3台のダミーセルの4〜4の出力する振動
成分CD〜CDを使用して床Fと結合するXY平
面の振動モードA(j) 、B(j) 、C(j) を算出すれば、
a(j) とb(j) を算出することができる。ここで、
(x、y、z)の各座標位置に設置されている各計量セ
ル3の振動成分V(t) を算出する式(4)にこれら
振動モードA(j) 、B(j) 、C(j) 、a(j) とb(j) を
代入することにより、各計量セル3の計量信号Wに含ま
れている振動成分V(t) を算出することができ、従
って、計量信号Wから振動成分V(t) を除去する演
算を行うことにより、被計量物Xの重量又は質量Mを高
精度に計量することができる。
【0040】次に、本発明の特徴とするa(j) 、b(j)
の初期値a(0) 、b(0) を算出する方法、及びこの初期
値a(0) 、b(0) を使用して計量信号Wを補正して、被
計量物Xの質量Mを算出する方法を説明する。なお、a
(j) はY軸回りの回転運動で生じるZ軸方向の速度、a
(0) はa(j) の初期速度、b(j) はX軸回りの回転運動
で生じるZ軸方向の速度、b(0) はb(j) の初期速度で
ある。まず、計量器1に被計量物Xを載せていない状態
での計量セル3の出力する計量信号W(j) 、及びダミー
セル4のダミー信号D(j) は、
【0041】 W(j) =E・m{g’(j) +x・A(j) +y・B(j) +C(j ) +z ( a(j) +b(j) )} ・・・・(9 ) D(j) =E・m{g’(j) +xdi・A(j) +ydi・B(j) + C(j) } ・・・・(10)
【0042】となる。ただし、iはダミーセル4の番号
であり1〜3、E、Eは計量セル3、ダミーセ
ル4の夫々の感度、mは計量セル3の風袋質量、m
はダミーセル4の風袋と分銅33の合計質量、g’
(j) は重力加速度gのXY平面の垂直成分である。そし
て、(x、y、z)は計量セル3は座標位
置、(x di、ydi、zdi)はダミーセル4の座標
位置である。式(9)、(10)は、
【0043】 g’(j) =g+δ(j) ・・・・(11a) C’(j) =δ(j) +C(j) ・・・・(11b) とおくと、 W(j) =E・m{g+x・A(j) +y・B(j) +C’(j) + z( a (j) +b(j) )} ・・・・(12a ) D(j) =E・m{g+xdi・A(j) +ydi・B(j) +C’(j ) } ・・・・(12b)
【0044】となる。W(j) 、D(j) から夫々風袋
質量m、風袋と分銅33の合計質量m に基づく直
流成分を差し引くと、式(12a)、(12b)は、
【0045】 CW(j) =E・m{x・A(j) +y・B(j) +C’(j) +z ( a (j) +b(j) )} ・・・・(13a) CD(j) =E・m{xdi・A(j) +ydi・B(j) +C’(j) } ・・・・(13b)
【0046】となる。この式(13b)に、ダミーセル
4から出力されたCD(j) 、3台のダミーセル4の
設置座標(xdi、ydi、zdi)を代入して3元1
次連立方程式を解けば、XY平面の床振動モードA(j)
、B(j) 、C’(j) を算出することができる(図1の
床振動モード算出手段13)。そして、この床振動モー
ドA(j) 、B(j)、C’(j) を式(13a)に代入する
と、
【0047】 z( a(j) +b(j) )=CW’(j) ・・・・(1 4) が得られる。ただし、 CW’(j) =R・CW(j) −{x・A(j) +y・B(j) +C’(j) } ・・・・(15a) R=1/(E・m) ・・・・(15b ) 式(14)の両辺を夫々微分して整理すると、 a(j) ・A(j) +b(j) ・B(j) =U(j) /(2z) ・・・・(16) が得られる。ただし、U(j) はCW’(j) の時間に関す
る1階微分を表す。式(16)を式(7)、(8)を用
いて整理すると、 (a’(j) +a(0) )A(j) +(b’(j) +b(0) )B(j) =U(j) /(2z ) ・・・・(17) が得られる。ただし、
【0048】
【数3】
【0049】 U(j) =(CW’(j) −CW’(j-1) )/T ・・・・(20) である。更に、式(17)を a(0) ・A(j) +b(0) ・B(j) =U’(j) ・・・・(21) と変形することができる。ただし、 U’(j) ={U(j) /(2z)}−(a’(j) ・A(j) +b’(j) ・B(j) ) ・・・・(22) である。式(21)において、2つ以上の時刻のA(j)
、B(j) 、U’(j) の値に基づいて、2元1次連立方
程式を解けばa(0) 、b(0) を算出することができる
(初期速度算出手段15)。このa(0) 、b(0) は、計
量器1に被計量物Xを載せない計量の前段階で算出す
る。しかる後に被計量物Xの計量を行うことができる。
【0050】次に、被計量物Xを計量する計量段階を説
明する。3台又はそれ以上の台数のダミーセル4から出
力されたダミー信号CD(j)に基づいてA(j) 、B
(j) 、C’(j) を算出し、更に、式(7)、(8)より
a(j) 、b(j) を算出する(現速度算出手段16)。計
量器1に被計量物Xが投入された状態で計量セル3が出
力する計量信号W(j) は、 W(j) =E(m+M){g+xki・A(j) +yki・B(j ) +C’(j) +zki( a(j) +b(j) )} ・・・・(2 3) となる。ただし、Mは各計量器1に投入されている
被計量物Xの質量、iは各計量器1に付されている番号
であり1〜mである。例えばW(j) は第1番目の計
量器1が出力した計量信号、Mは計量器1
に投入された被計量物Xの質量である。
【0051】ここで、感度補正係数K(j) を K(j) =E(m+M(j-1) )/(E・m) ・・・ ・(24) とおくと(感度算出手段18が算出する)、 M(j) ={W(j) −K(j) ・V(j) /(E・g)}−1 ・・・・(25) により被計量物Xの質量M(j) を算出することがで
きる。式(25)に含まれている振動成分V(j) 、
即ち、計量信号W(j) 中に含まれている振動成分V
(j) は、 V(j) =xki・A(j) +yki・B(j) +C’(j) +zki( a(j ) +b(j ) ) ・・・・(26) である。
【0052】次に、上記理論に基づいて構成されたこの
実施形態の組合せ秤が被計量物Xの質量M(j) を計
量する動作手順を図5及び図6に示すフローチャートに
従って説明する。図5は、計量の前段階でa(0) 、b
(0) 、a(j) 、及びb(j) を算出する動作手順を示し、
図6は、計量段階で被計量物Xの質量M(j) を算出
して出力する動作手順を示す。ただし、CPU9の各種
演算に必要なパラメータ、例えば各計量器1の風袋質量
、ダミーセル4の風袋と分銅33の合計質量m
、計量セル3及びダミーセル4の感度E及びE
、各計量セル3〜3の設置高さとXY平面
との距離H(=(H〜H)−H)、各
計量セル3の設置位置(xk1、yk1、zk1)〜
(xkm、ykm、zkm)、各ダミーセル4の設置位
置(xd1、y d1、zd1)〜(xdn、ydn、z
dn)、重力加速度g、サンプリング時間T等は入力さ
れている。この実施形態では、zk1〜zkm
、zd1〜zdnが0である。
【0053】まず、各計量器1に被計量物Xが投入され
ていない計量の前段階において、図5に示すように、離
散時間がj=0でスタートし(S100)、各計量セル
3及び各ダミーセル4から出力される計量信号W及びダ
ミー信号Dをデジタルフィルタ10〜10、1
〜11を通過させて、フィルタ済信号W
(j) 〜W(j) 、CD(j) 〜CD(j) を入
力させて記憶部(図示せず)に記憶する(S102)。
床振動モード算出手段13は、CD(j) 〜CD
(j) を使用して式(13b)よりXY平面の振動モード
A(j) 、B(j) 、C’(j) を算出して記憶部に記憶する
(S104)。そして、jが1以上であるか否かを判定
し(S106)、jが0でありNOと判定したときは、
jに1を加算して(S116)、ステップS106でj
が1以上でありYESと判定するまでステップS102
に戻ってW(j) 〜W(j) 、CD(j) 〜CD
(j) を入力すると共に、A(j)、B(j) 、C’(j)
を算出する。そして、ステップS106でjが1以上で
ありYESと判定すると、初期速度算出手段15が式
(18)〜(20)および式(22)によりU’(j) を
算出する(S108)。次に、jが2以上であるか否か
を判定し(S110)、jが1以下でありNOと判定し
たときは、jに1を加算して(S116)、ステップS
110でjが2以上でありYESと判定するまでステッ
プS102に戻って上記各処理を行う。そして、ステッ
プS110でjが2以上でありYESと判定すると、式
(21)において2つ以上の時刻のA(j)、B(j) 、
U’(j) を使用して初期速度算出手段15が初期速度
(初期回転角速度)a(0) 、b(0) を算出し(S11
2)、更に、式(7)、(8)を使用して速度(回転角
速度)a(j) 、b(j) を算出する(S114)。これ
で、初期速度a(0) 、b(0) の算出が終了し、次に図6
に示す処理を自動的に行い、被計量物Xの質量M
(j) を計量することができる状態となる。
【0054】次に、計量段階における計量補正処理を図
6を参照して説明する。まず、計量段階の最初のサンプ
ル数jを、計量の前段階における最終のサンプル数jに
1を加算した値jsとし(S200)、このjsから1
ずつ累加していく。例えば、計量の前段階が終了するス
テップS114でj=2とすると、計量段階の最初のサ
ンプル数jsが2+1=3となる。そして、感度算出手
段18が前のサンプル数(j−1)における演算により
得られたM(j-1) を式(24)に代入して感度補正
係数K(j) を算出する(S202)。ただし、最初
のM (j-1) が得られていない時は、予め記憶部に設定
されている初期質量Mを代入する。初期質量M
は、被計量物Xの略平均的質量としてある。そして、ス
テップS102と同様に、フィルタ済信号W(j) 〜
(j) 、CD(j) 〜CD(j) を入力させて記
憶部(図示せず)に記憶する(S204)。そして、現
速度算出手段16が、CD(j) 〜CD(j) を使
用して式(13b)よりXY平面の振動モードA(j) 、
B(j) 、C’(j) を算出して記憶部に記憶し(S20
6)、更に、式(7)、(8)を使用して速度(回転角
速度)a(j) 、b(j) を算出する(S208)。次に、
これら振動モードA(j) 、B(j) 、C’(j) 、a(j)、
b(j) と計量器1の各設置位置を示す座標(xki、y
ki、zki)を式(26)に代入して、各設置位置に
おける床振動に基づく振動成分V(j) を算出する
(S210)。そして、感度補正手段19が振動成分V
(j) に感度補正係数K (j) を乗算して感度補正済
み振動成分K(j) ・V(j) を出力する。次に、
各床振動補正手段20〜20が、式(25)に
示すように、対応する各デジタルフィルタ10〜1
より出力された計量信号W(j) 〜W(j)
からK(j) ・V(j) 〜K(j) ・V(j) を
夫々除去する等の処理を行いW (j) 〜W(j) を補
正して(S212)、補正済み質量M(j) 〜M
(j) を出力する(S214)。しかる後に、jに1を加
算して(S216)、ステップS202に戻り、上記ス
テップS202〜S216の処理を実行して補正済み質
量M(j) 〜M(j) を出力する。
【0055】この補正済み質量M(j) 〜M(j)
は、組合せ演算手段21により、合計質量値が予め設定
されている目標質量値に等しいか若しくは最も近い予め
定めた条件を満足する組合せを構成するものが選択さ
れ、その選択された補正済み質量Mと対応する被計量物
Xが計量ホッパ2から排出される。
【0056】上記実施形態の組合せ秤によると、ダミー
セル4と計量セル3を、図8に示す従来の計量装置と同
様に、ダミーセル4が設置されているXY平面のX軸方
向、又はY軸方向に対して互いに離れた位置に設けた場
合であっても、計量信号を正確に補正して精度の高い計
量が可能である上に、Z軸方向に対して互いに離れた位
置に設けた場合であっても、計量信号を正確に補正して
精度の高い計量が可能である。従って、計量セル3に対
するダミーセル4の設置場所の自由度を、従来よりもZ
軸方向の分だけ増大させることができる。また、複数の
計量セル3がXY平面と平行し、Z軸方向に対して互い
に離れた複数の各平面に設けられている場合でも、各平
面ごとにダミーセル4を設ける必要がなく、1組のダミ
ーセル4を使用して各平面に設置されている計量セル3
の計量信号を補正することができ、これにより、ダミー
セル4の台数が従来よりも少なくて済む。そして、ダミ
ーセル4が設置されている面に対して垂直なZ軸方向に
離れた位置におけるZ軸方向の振動成分を算出するため
に必要とする振動モードa(j) とb(j) を、計量器1の
風袋重量(既知重量)mの計量信号W(j) 、加速度
A(j) 、B(j) 、及びC(j) を使用して算出する構成で
ある。従って、図8に示す従来の計量装置が必要とする
最低3台のダミーセル4の台数を増加させることなく同
等の台数で、ダミーセル4が設置されている面に対して
垂直なZ軸方向に離れた位置に設置されている計量セル
3のZ軸方向の振動成分V(j) を算出することがで
き、経済的である。勿論、ダミーセル4の台数を4台以
上とすることにより、加速度A(j) 、B(j) 、C(j) 、
速度a(j) 、及びb(j) を精度良く算出することができ
る。
【0057】ただし、上記実施形態では、デジタルフィ
ルタ10〜10、11〜11を使用する
構成としたが、デジタルフィルタ10〜10
11〜11の代わりに、アナログフィルタを使用す
る構成としてもよく、その場合、図2の二点鎖線で示す
位置にアナログフィルタ22を接続する。
【0058】そして、上記実施形態において、床振動補
正手段20〜20が出力する振動補正済み計量
信号M(j) 〜M(j) は被計量物の質量であり、
それら質量を組合せ演算手段21に入力させる構成とし
たが、これら質量に重力加速度gを乗算して重量を求
め、これら重量を組合せ演算手段21に入力させる構成
としてもよい。
【0059】
【発明の効果】本発明に係る計量方法及び計量装置によ
ると、補正用荷重変換手段と計量用荷重変換手段を、従
来の計量装置と同様に、補正用荷重変換手段が設置され
ているXY平面のX軸方向、又はY軸方向に対して互い
に離れた位置に設けた場合であっても、計量信号を正確
に補正して精度の高い計量が可能である上に、Z軸方向
に対して互いに離れた位置に設けた場合であっても、計
量信号を正確に補正して精度の高い計量が可能である。
従って、計量用荷重変換手段に対する補正用荷重変換手
段の設置場所の自由度を、従来よりもZ軸方向の分だけ
増大させることができるという効果がある。また、複数
の計量用荷重変換手段がXY平面と平行し、Z軸方向に
対して互いに離れた複数の各平面に設けられている場合
でも、各平面ごとに補正用荷重変換手段を設ける必要が
なく、1組の補正用荷重変換手段を使用して各平面に設
置されている計量用荷重変換手段の計量信号を補正する
ことができる。これにより、補正用荷重変換手段の台数
が従来よりも少なくて済むという効果がある。
【0060】そして、補正用荷重変換手段が設置されて
いる面に対して垂直なZ軸方向に離れた位置におけるZ
軸方向の振動成分を算出するために必要とする振動モー
ドa(t) とb(t) を、既知重量の計量信号、加速度A
(t) 、B(t) 、及びC(t) を使用して算出する構成であ
る。従って、図8に示す従来の計量装置が必要とする最
低3台の補正用荷重変換手段の台数を増加させることな
く同等の台数で、補正用荷重変換手段が設置されている
面に対して垂直なZ軸方向に離れた位置に設置されてい
る計量用荷重変換手段のZ軸方向の振動成分を算出する
ことができ、この点でも、上記効果を経済的に奏するこ
とができる。
【0061】第4の発明に係る計量装置によると、XY
平面に設置されている3台の補正用荷重変換手段を使用
して、Z軸方向に離れた位置に設けられている計量用荷
重変換手段の生成する被計量物の計量信号を正確に補正
して精度の高い計量が可能である。補正用荷重変換手段
を4台以上設けて、加速度A(t) 、B(t) 、C(t) 、速
度a(t) 、及び速度b(t) を精度良く算出することによ
り、計量精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る組合せ秤に設けら
れているCPUの内部構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態に係る組合せ秤の信号処理系の概略
構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態のロードセルのモデルを示す図であ
る。
【図4】同実施形態のロードセルの配置を示す図であ
る。
【図5】同実施形態の計量の前段階における床振動モー
ド算出手段と初期速度算出手段の処理手順を示すフロー
チャートである。
【図6】同実施形態の計量段階における現速度算出手段
と床振動算出手段の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図7】従来のロードセルの配置を示す図である。
【図8】従来の計量装置の信号処理系の概略構成を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
3、3〜3 計量セル 4、4〜4 ダミーセル 9 CPU 13 床振動モード算出手段 14 速度算出手段 15 初期速度算出手段 16 現速度算出手段 17 床振動算出手段 18 感度算出手段 19 感度補正手段 20〜20 床振動補正手段 W〜W 計量信号 D〜D、CD〜CD ダミー信号 M〜M 振動補正済み計量信号 V〜V 振動成分信号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体上に設置されている複数の補正用荷
    重変換手段が上記物体の振動によって補正信号を出力す
    る段階と、上記物体に定めた夫々が互いに直交するX
    軸、Y軸及びZ軸を座標軸としてX軸回りの回転運動の
    加速度B(t) 、Y軸回りの回転運動の加速度A(t) 、及
    びZ軸方向の直線運動の加速度C(t) を、上記複数の補
    正信号を使用して算出する段階と、上記物体上に設置さ
    れている被計量物を計量するための計量用荷重変換手段
    の出力する既知重量の計量信号、上記加速度A(t) 、B
    (t) 、及びC(t) を使用してX軸回りの回転運動の速度
    b(t) とY軸回りの回転運動の速度a(t) を算出する段
    階と、これら求めた加速度A(t) 、加速度B(t) 、加速
    度C(t) 、速度a(t) 、及び速度b(t) を上記物体の振
    動モードとして、上記計量用荷重変換手段の設置されて
    いる位置における上記Z軸方向の振動成分を算出する段
    階と、上記計量用荷重変換手段の出力する被計量物の計
    量信号からその計量用荷重変換手段に対して算出された
    上記物体の振動に基づく上記Z軸方向の振動成分を除去
    する段階と、を備える計量方法。
  2. 【請求項2】 物体上に設置され既知の補正用質量に基
    づく重量を受けてこの重量に対応する補正信号を生成す
    る複数の補正用荷重変換手段と、上記物体上に設置され
    被計量物の重量を計量するためのものであり計量信号を
    生成する計量用荷重変換手段と、上記物体に定めた夫々
    が互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を座標軸としてX
    軸回りの回転運動の加速度B(t) 、Y軸回りの回転運動
    の加速度A(t) 、及びZ軸方向の直線運動の加速度C
    (t) を、上記複数の補正信号を使用して算出する振動モ
    ード算出手段と、既知重量の計量信号、上記加速度A
    (t)、B(t) 、及びC(t) を使用してX軸回りの回転運
    動の速度b(t) とY軸回りの回転運動の速度a(t) を算
    出する速度算出手段と、これら算出した加速度A(t)、
    加速度B(t) 、加速度C(t) 、速度a(t) 、及び速度b
    (t) を上記物体の振動モードとして、上記計量用荷重変
    換手段の設置されている位置における上記Z軸方向の振
    動成分を算出する振動算出手段と、上記計量用荷重変換
    手段の出力する被計量物の計量信号から上記振動算出手
    段により当該計量用荷重変換手段に対して算出された上
    記Z軸方向の振動成分を除去する振動補正手段と、を備
    える計量装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の計量装置において、上
    記速度算出手段は、上記既知重量の計量信号、上記加速
    度A(t) 、B(t) 、及びC(t) を使用してX軸回りの回
    転運動の初期速度b(0) とY軸回りの回転運動の初期速
    度a(0) を算出する初期速度算出手段と、初期速度をa
    (0) として加速度A(t) を積分して速度a(t) を算出
    し、初期速度をb(0) として加速度B(t) を積分して速
    度b(t)を算出する現速度算出手段と、を備えることを
    特徴とする計量装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の計量装置におい
    て、上記補正用荷重変換手段が3台以上設けられている
    ことを特徴とする計量装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007101463A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Ishida Co Ltd 重量検出装置
CN111397719A (zh) * 2020-04-08 2020-07-10 常州市富月砝码有限公司 一种全自动高精度电子秤精度校核系统

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JP2007101463A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Ishida Co Ltd 重量検出装置
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