JP2000313579A - エレベータのカウンタウエイト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通しボルトの長さに比べてサブウエイトの高
さが高くなる場合、サブウエイトを装着できるまでの期
間を短縮できるとともに、長い寸法の通しボルトの作り
直しを要することがないエレベータのカウンタウエイト
の提供。 【解決手段】 枠体１と、主ウエイト２と、通しボルト
３とを備えたカウンタウエイトにおいて、主ウエイト２
上に設けられるサブウエイトが、通しボルト３が挿通可
能な第１の孔１０と、この第１の孔１０とは別に形成し
たボルト孔１１とを有するベースウエイト１２と、この
ベースウエイト１２上に配置され、このベースウエイト
１２のボルト孔１１に連通する通し孔１３を有する補助
ウエイト１４とを含むとともに、補助ウエイト１４の通
し孔１３に挿通し、ベースウエイト１２のボルト孔１１
に螺合する補助ボルト１５を備えた構成にしてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、乗りかごの重量の
変化に伴って、サブウエイトを主ウエイト上に装着可能
なエレベータのカウンタウエイトに関する。

【０００２】

【従来の技術】図２は従来のエレベータのカウンタウエ
イトを示す正面図である。

【０００３】この図２に示すカウンタウエイトは図示し
ない上下方向に延設されるガイドレールに沿うように設
けられる一対の枠体１と、両端のそれぞれが枠体１に保
護される複数の主ウエイト２と、これらの主ウエイト２
を貫通するように設けられる通しボルト３と、これらの
通しボルト３と主ウエイト２とを一体に固定するナット
４とを備えている。

【０００４】なお、図２中、５は吊りロープで、この吊
りロープ５の他端側は図示しない乗りかごに連結されて
いる。また、６は同図２に示すカウンタウエイトを図示
しないガイドレールに沿って案内するガイドシューであ
る。

【０００５】この図に示すカウンタウエイトは、図示し
ない乗りかごの重量に相応する重量となっており、乗り
かごの運行を円滑におこなわせるものである。

【０００６】このようなカウンタウエイトを備えたエレ
ベータにあって、例えば乗りかごの改造などにより、そ
の乗りかごの重量が増加した場合には、主ウエイト２の
他に、この主ウエイト２と同形のサブウエイト、あるい
は異形のサブウエイトを取付けることがある。

【０００７】この場合、通しボルト３の上側のナット４
のそれぞれを外した後、例えば主ウエイト２と同形のサ
ブウエイトを最上位に位置する主ウエイト２の上に載置
させるように、該当する孔を通しボルト３に適合させて
収納し、その後再びナット４を通しボルト３に螺合さ
せ、締結させるようにしている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上記のようにサブウエ
イトを主ウエイト２上に取付ける従来技術にあっては、
通しボルト３の長さによりサブウエイトを設ける数が規
制される。すなわち、通しボルト３の長さを超える数の
サブウエイトを取付ける必要があるようなときには、そ
れだけの数のサブウエイトの収納が可能な比較的長い通
しボルト３に交換してから、該当するサブウエイトを取
付けなければならない。

【０００９】しかし、このように通しボルト３を新しい
ものに交換するためには、所定の工場で新しい所定長さ
寸法を有する通しボルト３を作った上で、このカウンタ
ウエイトの所まで運び込むことが必要となり、サブウエ
イトを装着できるまでに数日以上の期間を要する。した
がってカウンタウエイトにサブウエイトを取付ける作業
の能率向上を見込めない問題がある。また、長い寸法の
通しボルト３を作らなければならないので、費用が高く
なる問題もある。

【００１０】本発明は上述した従来技術における実状か
らなされたもので、その目的は、サブウエイトを装着で
きるまでの期間を短縮できるとともに、長い寸法の通し
ボルトの作り直しを要することがないエレベータのカウ
ンタウエイトを提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本願の請求項１に係る発明は、エレベータに備えら
れ、乗りかごの重量に相応する重量を有するとともに、
ガイドレールに沿って延設される一対の枠体と、両端の
それぞれが上記枠体に保持される複数の主ウエイトと、
これらの主ウエイトを貫通するように設けられる通しボ
ルトとを備え、上記乗りかごの重量の変化に伴って、サ
ブウエイトを装着可能なエレベータのカウンタウエイト
において、上記サブウエイトが、上記複数の主ウエイト
のうちの最上部に位置する主ウエイトの上に載置され、
上記通しボルトが挿通可能な第１の孔と、この第１の孔
とは別に形成したボルト孔とを有するベースウエイト
と、このベースウエイト上に配置され、このベースウエ
イトの上記ボルト孔に連通する通し孔を有する補助ウエ
イトを含むとともに、上記補助ウエイトの上記通し孔に
挿通し、上記ベースウエイトの上記ボルト孔に螺合する
補助ボルトを備えた構成にしてある。

【００１２】このように構成した請求項１に係る発明で
は、ベースウエイトと補助ウエイトとを含むサブウエイ
トの高さ寸法に相応する程度の比較的長さ寸法の短い補
助ボルトを設ければ済み、このような補助ボルトは長い
寸法の通しボルトに比べれば製作が容易であり、短時間
に製作できる。したがってこの発明では、サブウエイト
を装着できるまでの期間を短縮できる。また、通しボル
トの作り直しを要することがない。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明のエレベータのカウ
ンタウエイトの実施の形態を図に基づいて説明する。

【００１４】図１は本発明のエレベータのカウンタウエ
イトの一実施形態を示す正面図である。この図において
前述した図２に示すものと同じものは同等の符号で示し
てある。すなわち、この一実施形態にあっても、図示し
ない上下方向に延設されるガイドレールに沿うように設
けられる一対の枠体１と、両端のそれぞれが枠体１に保
持される複数の主ウエイト２と、これらの主ウエイト２
を貫通するように設けられる通しボルト３と、これらの
通しボルト３と主ウエイト２とを一体に固定するナット
４とを備えている。

【００１５】そして特に本実施形態では、図示しない乗
りかごの重量の変化、例えば乗りかごの改造工事に伴う
部品の増加による乗りかごの重量増加に伴って、主ウエ
イト２上に配置されるサブウエイトを以下の構成にして
ある。

【００１６】すなわち、サブウエイトは、主ウエイト２
のうち最上部に位置する主ウエイト２の上に載置され、
通しボルト３が挿通可能な第１の孔１０と、この第１の
孔１０とは別に形成したボルト孔１１とを有するベース
ウエイト１２と、このベースウエイト１２上に配置さ
れ、このベースウエイト１２のボルト孔１１に連通する
通し孔１３を有する複数の補助ウエイト１４から成って
いる。

【００１７】また、本実施形態は、補助ウエイト１４の
通し孔１３に挿通し、ベースウエイト１２のボルト孔１
１に螺合する補助ボルト１５を備えている。この補助ボ
ルト１５の上端付近にはナット１６が螺合されている。
このナット１６を締付けることにより補助ボルト１５と
補助ウエイト１４とが固定される。

【００１８】なお、補助ウエイト１４には、通しボルト
３及びこの通しボルト３に螺合させたナット４を収容可
能な通し孔１７を設けてある。また、例えば乗りかごの
改造工事に伴う部品の増加による乗りかごの重量の増加
に伴って、カウンタウエイトの重量を増加させる必要が
ある場合、すなわち、カウンタウエイトにサブウエイト
を取付ける必要がある場合、通しボルト３の長さ寸法が
十分に長く、主ウエイト２と外形寸法が同一の図示しな
いサブウエイトを通しボルト３に挿通させることができ
る状態であれば、ナット４をゆるめ、該当するサブウエ
イトを通しボルト３に挿入し、ナット４を締付けること
がおこなわれる。この場合のサブウエイトの取付けにつ
いては、本実施形態の対象外である。

【００１９】本実施形態は、通しボルト３の長さに比べ
てサブウエイトの高さが高くなる場合を対象とするもの
であり、サブウエイトの取付けに際し、まず、ナット４
をゆるめ、ベースウエイト１２を通しボルト３に挿入す
る。つまりベースウエイト１２は最上位に位置する主ウ
エイト上に載置される。ここでナット４を締付け、ベー
スウエイト１２を主ウエイト２に固定する。次にベース
ウエイト１２上に必要な数だけの補助ウエイト１４を載
置する。この状態で、補助ボルト１５を補助ウエイトの
通し孔１３に挿通され、その下端をベースウエイト１２
のボルト孔１１に螺合させる。最後に補助ボルト１５に
螺合させたナット１６を締付ける。これにより、ベース
ウエイト１２と補助ウエイト１４とから成るサブウエイ
トが当該カウンタウエイトに取付けられる。

【００２０】以上のように構成した本実施形態によれ
ば、必要な重量のサブウエイトを取付けるに際し、サブ
ウエイトの高さ寸法を考慮した長さの補助ボルト１５を
新たに作らなければならないが、主ウエイト２の高さ寸
法以上の長さを必要とする通しボルト３の長さに比べれ
ば、この補助ボルト１５の長さ寸法は小さくて済み、し
たがって、通しボルト３を新たに作り直す場合に比べて
短い時間で補助ボルト１５を作ることができる。これに
より、所定の重量のサブウエイトを取付ける必要がある
と判断された時点から実際にサブウエイトを取付けるこ
とができるまでの期間を比較的短くすることができ、こ
れによりカウンタウエイトにサブウエイトを取付ける作
業の能率を向上させることができる。また、比較的短い
長さ寸法の補助ボルト１５を作ればよいので、費用を安
くすることができる。

【００２１】

【発明の効果】本発明の各請求項に係る発明によれば、
通しボルトの長さに比べてサブウエイトの高さが高くな
る場合、サブウエイトを装着する必要があると判断され
てから実際にサブウエイトを装着できるまでの期間を従
来に比べて短縮させることができ、このサブウエイトの
取付作業を能率向上させることができる。また、通しボ
ルトに比べて短い補助ボルトを設ければよいので、製作
費用を従来に比べて安くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエレベータのカウンタウエイトの一実
施形態を示す正面図である。

【図２】従来のエレベータのカウンタウエイトを示す正
面図である。

【符号の説明】

１ 枠体 ２ 主ウエイト ３ 通しボルト ４ ナット １０ 第１の孔 １１ ボルト孔 １２ ベースウエイト（サブウエイト） １３ 通し孔 １４ 補助ウエイト（サブウエイト） １５ 補助ボルト １６ ナット １７ 通しボルト用孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータに備えられ、乗りかごの重量
   に相応する重量を有するとともに、ガイドレールに沿っ
   て延設される一対の枠体と、両端のそれぞれが上記枠体
   に保持される複数の主ウエイトと、これらの主ウエイト
   を貫通するように設けられる通しボルトとを備え、上記
   乗りかごの重量の変化に伴って、サブウエイトを装着可
   能なエレベータのカウンタウエイトにおいて、 上記サブウエイトが、上記複数の主ウエイトのうちの最
   上部に位置する主ウエイトの上に載置され、上記通しボ
   ルトが挿通可能な第１の孔と、この第１の孔とは別に形
   成したボルト孔とを有するベースウエイトと、このベー
   スウエイト上に配置され、このベースウエイトの上記ボ
   ルト孔に連通する通し孔を有する補助ウエイトを含むと
   ともに、上記補助ウエイトの上記通し孔に挿通し、上記
   ベースウエイトの上記ボルト孔に螺合する補助ボルトを
   備えたことを特徴とするエレベータのカウンタウエイ
   ト。
2. 【請求項２】 上記補助ウエイトが、上記通しボルトを
   収容可能な通しボルト用孔を有することを特徴とする請
   求項１記載のエレベータのカウンタウエイト。