JP2000309051A - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムの製造方法

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JP2000309051A JP12155299A JP12155299A JP2000309051A JP 2000309051 A JP2000309051 A JP 2000309051A JP 12155299 A JP12155299 A JP 12155299A JP 12155299 A JP12155299 A JP 12155299A JP 2000309051 A JP2000309051 A JP 2000309051A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】屈折率、機械的性質、熱的性質などの特性が幅
方向で均一である高品質の熱可塑性樹脂フィルムの製造
方法を提供すること。 【解決手段】熱可塑性樹脂からなるフィルムをテンター
を用いて延伸する方法において、該フィルムの幅方向延
伸工程と、長手方向の弛緩工程を同時に含むようにして
延伸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルムの製造方法に関するものである。
【0002】本発明の方法で製造される熱可塑性樹脂フ
ィルムは、代表的には、幅方向に物性ムラのないポリエ
ステルやポリアミドで代表される優れたフィルムであ
り、このようなフィルムは、磁気記録媒体用途、包装用
途、光学用途、受容紙用途、カード用途などの各種工業
材料用フィルムとして優れた特性を発揮できるものであ
り、本発明は、そのような優れた熱可塑性樹脂フィルム
を製造し得る新規な画期的な方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】熱可塑性樹脂フィルムにおける幅方向の
物性ムラは、通常、ボーイング現象と言われる現象に起
因する。これは延伸前に幅方向に引いておいた一直線
が、延伸・熱処理後においては弓なりに曲がっているこ
とからボーイング現象と呼ばれ、このような現象を生ず
るプロセスを経て製造されるフィルムは、フィルム幅方
向で熱収縮率、強度や屈折率が異なることが常である。
【0004】一方で、このようなフィルムを用いると、
例えば2枚のフィルムを重ねて使用する包装用途やカー
ド用途などではカールや歪みが生じて各種用途に使用す
ることができない。そこで従来はこのようなボーイング
現象をなくする方法として、幅方向延伸後に該樹脂のガ
ラス転移温度以下に冷却して延伸張力をカットする方法
(例えば特公昭62−43857など)、熱処理工程で
長手方向に弛緩処理する方法(例えば特公昭63−11
74など)、熱処理工程で幅方向に延伸しながら熱処理
する方法(例えば特公平7−67740など)が提案さ
れてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記提案の方
法等を用いても、幅方向の物性ムラは解消せず、さらな
る新規技術の開発が求められているのが現状である。
【0006】そこで、本発明の課題は、機械強度、熱寸
法安定性に優れ、厚みむらも少ない、高品質の特性を持
った熱可塑性樹脂フィルムにおいて、該物性が幅方向に
ムラのない熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱可塑性
樹脂フィルムの幅方向の特性ムラをほぼ極限まで小さく
する高度な手法について鋭意検討した結果、本発明に到
達した。
【0008】すなわち、本発明の熱可塑性樹脂フィルム
の製造方法は、以下の(1)からなり、更に好ましい態
様として、(2)〜(8)の態様例からなるものであ
る。 (1)熱可塑性樹脂からなるフィルムをテンターを用い
て延伸する方法において、該フィルムの幅方向延伸工程
と、長手方向の弛緩工程を同時に含む工程を有せしめる
ことを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 (2)幅方向の全延伸倍率に対して該延伸が70%以上
達成された時点の以降にて、少なくとも長手方向の弛緩
工程を併用しながら幅方向に延伸する工程を有せしめた
上記(1)記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 (3)該長手方向の弛緩率が0.5〜25%である上記
(1)または(2)記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造
方法。 (4)テンターに導入されるフィルムが無配向非晶フィ
ルム、無配向結晶化フィルム、一軸延伸フィルム、二軸
延伸フィルムから選ばれたいずれかのフィルムである上
記(1)、(2)または(3)記載の熱可塑性樹脂フィ
ルムの製造方法。 (5)熱可塑性樹脂フィルムを、リニアモーター駆動方
式の二軸延伸テンターを用いて延伸・弛緩処理すること
を特徴とする上記(1)、(2)、(3)または(4)
記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 (6)熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂である上記
(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載の熱
可塑性樹脂フィルムの製造方法。 (7)ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、またはこれらの共重合
体または変成体である上記(6)記載の熱可塑性樹脂フ
ィルムの製造方法。 (8)熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂である上記
(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載の熱
可塑性樹脂フィルムの製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱可塑性樹脂フィ
ルムの製造方法の詳細について説明する。
【0010】本発明における熱可塑性樹脂とは、加熱に
よって流動性を示す樹脂のことであり、代表的な樹脂と
しては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、
ビニルポリマー、ポリエーテル、ポリイミド、ポリエー
テルイミド、ポリエステルアミド、ポリフェニレンスル
フィド、ポリケトン、ポリエーテルスルフォンなどで代
表されるポリマーであり、特に本発明の場合ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエステルエ
ーテル、およびそれらの変成体、複合体等である。
【0011】ポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸、
脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸などのジ
カルボン酸とジオールとからの縮重合により得られるポ
リマーを少なくとも80重量%含有するポリマーであ
る。芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフ
タル酸、イソフタル酸、フタル酸、1, 4―ナフタレン
ジカルボン酸、1, 5―ナフタレンジカルボン酸、2,
6―ナフタレンジカルボン酸、4, 4' ―ジフェニルジ
カルボン酸、4, 4' ―ジフェニルエーテルジカルボン
酸、4, 4'―ジフェニルスルホンジカルボン酸等を用
いることができ、なかでも好ましくは、テレフタル酸、
フタル酸、2, 6―ナフタレンジカルボン酸を用いるこ
とが好ましく、また脂環族ジカルボン酸成分としては、
例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることが
でき、さらに脂肪族ジカルボン酸成分としては、例え
ば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジ
カルボン酸、エイコ酸、ダイマー酸等を用いることがで
きる。これらの酸成分は一種のみを用いてもよく、二種
以上を併用してもよい。さらに、ヒドロキシエトキシ安
息香酸等のオキシ酸等を一部共重合してもよい。また、
ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、
1, 2―プロパンジオール、1, 3―プロパンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1, 3―ブタンジオー
ル、1, 4―ブタンジオール、1, 5―ペンタンジオー
ル、1, 6―ヘキサンジオール、1, 2―シクロヘキサ
ンジメタノール、1, 3―シクロヘキサンジメタノー
ル、1, 4―シクロヘキサンジメタノール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレン
グリコール、2, 2' ―ビス(4' ―β―ヒドロキシエ
トキシフェニル)プロパン等を用いることができ、なか
でもエチレングリコール、1, 4―ブタンジオール、
1, 4―シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリ
コール等を用いることが好まし。これらのジオール成分
は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよ
い。また、ポリエステルには、トリメリット酸、ピロメ
リット酸、グリセロール、ペンタエリスリトール、2,
4―ジオキシ安息香酸、ラウリルアルコール、イソシア
ン酸フェニル等の多官能化合物等の他の化合物を、ポリ
マーが実質的に線状である範囲内で共重合されていても
よい。
【0012】本発明において、ポリエステル樹脂として
は、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレートおよびこれらの共重合体
および変成体であることが、本発明効果の発現の観点か
ら好ましい。該ポリエステルの固有粘度は0.6(dl/
g)以上、好ましくは0.8以上、さらに1以上が本発
明の効果を発揮する点で好ましい。
【0013】本発明において、ポリアミド樹脂とは、主
鎖中にアミド結合を有する高分子化合物であり、代表的
なものとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン7、ポ
リメタ/パラキシリレンアジパミド(MXD6)、ポリ
ヘキサメチレンテレフタラミド/イソフタラミド(6T
/6I)、ビスアミノメチルシクロヘキシルメタン(B
AC)とアジピン酸とを主成分とするポリアミド(BA
C6)、およびそれらの共重合体、混合体などから選ば
れたポリアミド化合物である。本発明の場合、特に好ま
しくはナイロン6およびその共重合体である。ポリアミ
ド樹脂の相対粘度は、成形後の期待する諸特性にもよる
が、ηrで1〜5、好ましくは2〜4の範囲にあるのが
よい。またこれらにポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど
のポリエーテル化合物を共重合したポリアミドエーテル
や、ポリエステルと共重合したポリエステルアミド化合
物でもよく、さらに結晶化しにくい多元共重合体や、側
鎖に長鎖、あるいは大きな置換基を有する非晶ポリアミ
ド樹脂などに変性したものでもよい。
【0014】また、本発明の熱可塑性樹脂フィルムに
は、本発明の効果が損なわれない範囲内で、無機粒子や
有機粒子、その他の各種添加剤、例えば、結晶核剤、熱
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、粘度
調整剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワック
スなどの有機滑剤などを添加してもかまわない。無機粒
子の具体例としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、
酸化マグネシウム、酸化チタンなどの酸化物、カオリ
ン、タルク、モンモリロナイトなどの複合酸化物、炭酸
カルシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、チタン酸バリウム、チ
タン酸カリウムなどのチタン酸塩、リン酸第3カルシウ
ム、リン酸第2カルシウム、リン酸第1カルシウムなど
のリン酸塩などを用いることができるが、これらに限定
されるわけではない。また、これらは目的に応じて2種
以上用いてもかまわない。有機粒子の具体例としては、
ポリスチレンもしくは架橋ポリスチレン粒子、スチレン
・アクリル系及びアクリル系架橋粒子、スチレン・メタ
クリル系及びメタクリル系架橋粒子などのビニル系粒
子、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド、シリコー
ン、ポリテトラフルオロエチレンなどの粒子を用いるこ
とができるが、これらに限定されるものではなく、粒子
を構成する部分のうち少なくとも一部がポリエステルに
対し不溶の有機高分子微粒子であれば如何なる粒子でも
よい。
【0015】また、有機粒子は、易滑性、フイルム表面
の突起形成の均一性から粒子形状が球形状で均一な粒度
分布のものが好ましい。これらの粒子の粒径、配合量、
形状などは用途、目的に応じて選ぶことが可能である
が、通常は、平均粒子径としては0.05μm以上3μ
m以下、配合量としては、0.01重量%以上10重量
%以下とするのが好ましい。
【0016】本発明において、テンターとは、フィルム
の両端をクリップやピンなどで把持しながら幅方向に配
向を与えたり、熱処理するための装置であるが、本発明
の場合、幅方向延伸と同時に長手方向にも弛緩処理ので
きるテンターであることが必要である。このために同時
二軸テンターのように長手方向および幅方向に同時に延
伸および弛緩することのできるテンターが好ましいので
ある。しかし、従来のような幅方向にしか延伸弛緩処理
できないテンターであっても、用いるクリップとして把
持されたフィルムが長手方向にスライド可能なスライド
クリップなどを用いても良いのである。このスライドク
リップは、通常の幅方向延伸のときにはフィルムがクリ
ップからすり抜けてはいけないために、セルフロック式
の通常クリップ機構を有しているが、長手方向に弛緩処
理する部分ではクリップのセルフロック部の把持部を解
除し、長手方向に移動できるロール状、算盤玉、ベル
ト、太鼓ロール、円盤状などのスライド可能なクリップ
にて把持することにより長手方向に弛緩処理することが
できるようにしたスライドクリップなどを用いることで
できる。
【0017】弛緩工程とは、フィルムの両端をクリップ
で把持しながら長手方向および/または幅方向にフィル
ム元寸法をを弛ませて応力緩和させる操作をいう。本発
明の場合、幅方向に延伸しながら、長手方向に弛緩する
のである。幅方向延伸と長手方向弛緩を同時に施すが、
該延伸弛緩操作の最終面積倍率は1を越えているのが良
く、該値が1未満になると弛緩工程となるので有効な分
子配向を与えることができない。ここで、面積倍率と
は、縦方向の寸法変化率と横方向の寸法変化率の積であ
る。従来の弛緩処理では、フィルムの延伸が完了した
後、もしくは延伸・熱処理を施した後の冷却工程で主に
施されてきたが、本発明では、フィルムに幅方向延伸を
施してフィルムに分子配向を付与するとともに、該延伸
工程後期で弛緩処理を同時に施すのである。該弛緩処理
工程は、幅方向の全延伸倍率に対して該幅方向延伸が7
0%以上、好ましくは85%以上達成された時点以降で
行うのがよい。これは、延伸と同時に弛緩工程を行う場
合には、有効な分子配向が得られないことが多いため
で、まず幅方向に有効な配向を与えてから長手方向に弛
緩処理しながら最終の延伸をするのが良い。なお、本発
明において、「幅方向の全延伸倍率」とは、一段または
多段で幅方向に延伸・弛緩処理された熱処理前のフィル
ム幅に対して、幅方向の延伸前のフィルム幅に対する比
率を言い、「長手方向の全延伸倍率」とは、熱処理前の
フィルム速度に対して、長手方向延伸前のフィルム速度
との比率を言う。
【0018】このような延伸や弛緩の方向、延伸倍率、
弛緩率を自由に変更できるような延伸機として、本発明
ではパンタグラフ駆動式、スクリュウ駆動式、リニアモ
ーター駆動方式の同時二軸テンターを使用することがで
きるが、特に本発明の場合には、リニアーモーター駆動
方式の同時二軸延伸機が好ましい。
【0019】特に、リニアモーター駆動方式の同時二軸
テンターを用いると、製膜速度や倍率変更、条件の多様
性などの操作性を非常に高めることができたり、延伸、
熱処理、弛緩工程でフィルムの変形パターンを自由に変
更できることができるなどの点で有利であり、本発明を
実施するテンターとして特に好ましいものである。
【0020】フィルムを把持するクリップは、ベアリン
グ方式、スライド方式のいずれであってもよい。なお、
幅方向にしか延伸弛緩処理できないテンターを用いた場
合は、長手方向に弛緩処理することができるスライドク
リップを用いることが好ましい。
【0021】また、弛緩率は、好ましくは0.5〜20
%であり、より好ましくは1.0〜15%が良い。弛緩
率が20%を越えると、延伸による分子配向効果が小さ
くなったり、フィルムの平面性や生産性が悪化したりす
る場合があり、また、弛緩率が0.5%未満であると、
幅方向の物性ムラが解消されないためである。
【0022】該テンターに導入するフィルムは、特に限
定はされないが、無配向非晶フィルム、無配向結晶化フ
ィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムなどの任
意の配向・結晶化状態のフィルムでもよい。
【0023】樹脂フィルムに対して延伸を施す場合の延
伸温度は、特に限定されるものではないが、未延伸フィ
ルムに対して延伸を施す場合は、(該樹脂のガラス転移
温度Tg+10)〜(Tg+120)℃に保つことが好
ましい。延伸温度が(Tg+10)℃未満では、延伸に
よる配向が進みすぎて高倍率まで延伸しにくくなる場合
があり、延伸温度が(Tg+120)℃を越えると、構
造緩和に必要な微小配向をポリマー鎖に与えることが難
しくなり、また延伸工程でもオリゴマーの飛散が激しく
なる場合があるので、(Tg+10)〜(Tg+12
0)℃の範囲が好ましい。
【0024】なお、本樹脂フィルムの延伸構造を固定化
するために、(Tg+100)℃以上、融点未満の温度
条件下で熱処理を行うことができる。このとき、熱処理
を行いながら、同時に長手方向や幅方向に延伸や弛緩操
作を行うことや、熱処理後の冷却工程でも同上の延伸や
弛緩操作を行うこともできる。
【0025】このようにして得られた樹脂フィルムの幅
方向の物性、例えば熱収縮率、屈折率、ヤング率などの
特性が実質上一定になっており、幅方向での物性のバラ
ツキはなくなるために、後工程でのフィルムの歪み、カ
ール、皺等の発生が全くなくなるのである。さらに本発
明のフィルムの長手方向および幅方向の熱収縮率は、非
常に小さくなっており、例えば、150℃の熱風下での
30分後の熱収縮率は、0.01〜1%以下と小さくな
っている。
【0026】本発明により得られる樹脂フィルムは、そ
れが最終的にも単膜のものでもよいが、これに他のポリ
マー層、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ
アミド、ポリ塩化ビニリデンおよびアクリル系ポリマー
などを直接、あるいは接着剤などの層を介して、2層以
上に積層してもよい。特に、ポリエステル層を表層に積
層する場合、積層部に粒子を含有することにより、走行
性、易滑性および平滑性に優れたフィルムなどとするこ
とができ、特に表面特性が重要な磁気記録媒体用のベー
スフィルムとして好ましい。
【0027】さらに本発明により得られるポリエステル
フィルムは、必要に応じて、熱処理、成形、表面処理、
ラミネート、コーティング、印刷、エンボス加工、エッ
チングなどの任意の加工を行ってもよい。
【0028】本発明におけるポリエステルフィルムの全
体厚みは、特に限定されないが、通常、1000μm以
下であり、フィルムの用途、使用目的に応じて適宜選択
できる。
【0029】通常、磁気材料用途では1μm以上20μ
m以下が好ましく、中でもディジタルビデオ用塗布型磁
気記録媒体用途では2μm以上8μm以下、ディジタル
ビデオ用蒸着型磁気記録媒体用途では3μm以上9μm
以下が好ましい。また、工業材料用途の中では、熱転写
リボン用途では1μm以上6μm以下、コンデンサ用途
では0.5μm以上15μm以下、感熱孔版原紙用途で
は0.5μm以上5μm以下、包装用途では6μm以上
150μm以下、需要紙用途では、25μm以上500
μm以下であることが好ましい。
【0030】本発明により得られる樹脂フィルムの用途
は、特に限定されるものではないが、磁気記録媒体用、
感熱転写リボン用、コンデンサー用、感熱孔版印刷用、
需要紙用、カード用、光学用、包装用などに広く用いら
れる。
【0031】次に、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製
造法の具体的な例について説明するが、本発明は、かか
る例に限定されるものでない。ここでは、熱可塑性ポリ
エステル樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)を用いたフィルム例を示す。
【0032】ポリエチレンテレフタレート(PET)を
得る方法を示す。まず、テレフタル酸とエチレングリコ
ールからエステル化し、または、テレフタル酸ジメチル
とエチレングリコールをエステル交換反応により、ビス
―β―ヒドロキシエチルテレフタレート(BHT)を得
る。次に、このBHTを重合槽に移行しながら、真空下
で280℃に加熱して重合反応を進める。ここで、固有
粘度が0.5程度のPETを得る。固相重合する場合
は、あらかじめ180℃以下の温度で予備結晶化させた
後、190〜250℃で1mmHg程度の減圧下、10
〜50時間固相重合させることで、固有粘度が0.62
のPETのペレットを得る。また、フィルムを構成する
ポリエステルに粒子を含有させる方法としては、エチレ
ングリコールに粒子を所定割合にてスラリーの形で分散
させ、このエチレングリコールをテレフタル酸と重合さ
せる方法が好ましい。粒子を添加する際には、例えば、
粒子を合成時に得られる水ゾルやアルコールゾルをいっ
たん乾燥させることなく、ポリエステルに添加すると粒
子の分散性がよい。また、粒子の水スラリーを直接所定
のポリエステルペレットと混合し、ベント式2軸混練押
出機を用いて、ポリエステルに練り込む方法も有効であ
る。粒子の含有量、個数を調節する方法としては、上記
方法で高濃度の粒子のマスターを作っておき、それを製
膜時に粒子を実質的に含有しないポリエステルで希釈し
て粒子の含有量を調節する方法が有効である。
【0033】次に、該ポリエステルの原料を、180℃
で3時間以上真空乾燥した後、固有粘度が低下しないよ
うに窒素気流下あるいは真空下で280℃に加熱された
押出機に供給し、常法に従い溶融押出製膜する。また、
異物や変質ポリマーを除去するためにフィルター、例え
ば、焼結金属、多孔性セラミック、サンド、金網などの
素材からなるフィルターを用いることが好ましい。ま
た、必要に応じて、定量供給性を向上させるためにギア
ポンプを設けてもよい。未延伸フィルムは、スリット状
のダイからシート状に押出し、静電荷を印加しながら表
面温度が10〜40℃に冷却されたキャスティングロー
ル上で密着冷却固化させて作る。また、積層フィルムの
場合は、2台以上の押出機、口金マニホールド内または
合流フィードブロックを用いて、溶融状態のポリエステ
ルを積層したシートを押出し、キャスティングロール上
で冷却して未延伸積層フィルムを作る。冷却ロールに密
着させるために溶融シートに電気的な力として静電荷を
印加したり、機械的な力としてエアーナイフ、バキュー
ムチャンバー、プレスロールを用いたり、さらには冷却
ロールと溶融シート間に水などの液体を介在させて表面
張力による吸着力で密着させてもよい。
【0034】未延伸フィルムの端部と中央部の厚みの比
率(端部の厚み/中央部の厚み)は、好ましくは1以
上、10以下であり、より好ましくは1以上、5未満、
最も好ましくは1以上、3未満である。該厚みの比率が
1未満であったり、10を越えるとフィルム破れまたは
クリップ外れが多発するので、1以上10以下の範囲が
好ましい。
【0035】次いで、この未延伸フィルムを、リニアモ
ーター方式の同時二軸延伸テンタークリップに把持さ
せ、予熱ゾーンで結晶化温度以上に加熱して部分結晶化
させた後に、該フィルムのガラス転移温度Tg以上、T
g+120℃未満に加熱し、フィルムの面積延伸倍率と
して4〜30倍程度の延伸と、この延伸終了までの延伸
後期の70%以上の部分で長手方向に0.5〜20%未
満の弛緩処理をしつつ幅方向延伸を同時に行ない、いっ
たんTg以下に冷却するのである。
【0036】続いて、二軸延伸された樹脂フィルムに幅
方向物性の均一性、平面性、寸法安定性などを付与する
ために、樹脂フィルムの融点Tm以下の180〜250
℃の温度範囲で、好ましくは200〜220℃の範囲で
緊張下または弛緩しながら熱処理を施し、また、弛緩処
理を行う場合は、熱固定温度からの冷却過程で、好まし
くは100〜220℃の温度範囲で縦および横方向に、
好ましくは各方向に対して1〜10%の範囲で弛緩処理
を行う。この際、熱処理工程で延伸、弛緩、またはその
いずれの操作を繰り返して行うことも、フィルムのヤン
グ率を高める上で好ましく行うことができる。その後、
フィルムを室温まで、必要なら縦および横方向に弛緩処
理を施しながら、フィルムを冷やして巻き取り、目的と
するポリエステルフィルムを得るのである。 [物性の測定方法ならびに効果の評価方法] (1)ポリエステルの固有粘度:25℃で、オルトクロ
ロフェノール中0.1g/ml濃度で測定した値であ
る。単位は[dl/g]で示す。 (2)ポリアミドの相対粘度ηr:JIS-K1860に従い測
定する。 (3)ガラス転移温度Tg、融解温度Tm:示差走査熱
量計として、セイコー電子工業(株)製“ロボットDS
C−RDC220”を用い、データー解析装置として、
同社製“ディスクセッション”SSC/5200を用い
て測定した。測定サンプルとして約5mg採取し、室温
から昇温速度20℃/分で300℃まで加熱したときに
得られる熱カーブのピーク値より、Tg、Tmを求め
た。 (4)ヤング率:オリエンテック(株)製フイルム強伸
度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−100”
を用いて、試料フィルムを幅10mm、試長間100m
m、引張り速度200mm/分で引っ張った。得られた
張力−歪曲線の立上がりの接線の勾配からヤング率を求
めた。測定は25℃、65%RHの雰囲気下で行った。 (5)熱収縮率:フィルムを幅10mm、測定長約20
0mmとなるように2本のラインを引き、この2本のラ
イン間の距離を正確に測定しこれをL0 とする。このサ
ンプルを所定の温度のオーブン中に30分間、300m
gの荷重をかけた後、該2本のライン間の距離を測定し
これをL1 とし、下式により熱収縮率を求める。
【0037】 熱収縮率(%)={(L0 −L1)/L0 ]×100 (6)屈折率:光源をナトリウムランプとして、フィル
ム面内の屈折率をアッベ式屈折計により求める。 (7)フィルムの長手方向厚みむら:アンリツ株式会社
製フィルムシックネステスター「KG601A」および
電子マイクロメータ「K306C」を用い、フィルムの
縦方向に30mm幅、10m長にサンプリングしたフィ
ルムを連続的に厚みを測定する。フィルムの搬送速度は
3m/分とした。10m長での厚み最大値Tmax(μ
m)、最小値Tmin(μm)から、 R=Tmax―Tmin を求め、Rと10m長の平均厚みTave(μm)か
ら、次式により厚みむらを求めた。
【0038】 厚みむら(%)=(R/Tave)x100 (8)ボーイング:テンターに噛ませる前のフィルム表
面に、幅方向に5mm間隔で多数の直線を引き、このフ
ィルムを所定の延伸・熱処理を行った後、延伸前に引い
た該直線が、延伸・熱処理後にフィルムの中央部が膨ら
んだ弓なりの曲線になった場合、このフィルム中央部の
最大遅れ量、すなわち、一つの曲線で端部の位置と中央
の位置の長手方向の距離の差をボーイング量(mm)と
する。
【0039】
【実施例】以下に、本発明を実施例、比較例に基づいて
説明する。 実施例1 ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65、ガラ
ス転移温度75℃、融点260℃、平均径0.3μmの
球状架橋ポリスチレン粒子0.1重量%配合)のペレッ
トを180℃で2時間真空乾燥した後に、280℃に加
熱された押出機に供給して溶融後、Tダイより押出した
シートを表面温度25℃の冷却ドラム上に静電気力で密
着させて冷却固化し、未延伸キャストフィルムを得た。
この未延伸フィルムをリニアモーター駆動方式の同時二
軸延伸テンターに導き、クリップで把持させながらフィ
ルム温度を120℃に加熱して部分結晶化させた後、9
5℃に温調して長手方向に4.5倍、幅方向に3.5倍
同時二軸延伸し、続いて、長手方向に8%の弛緩処理を
行いながら幅方向に1.2倍の延伸を行い、すなわち、
長手方向に4.14倍、幅方向に4.2倍の延伸を行な
って後、いったん70℃以下に冷却した。従って、この
長手方向に4.14倍、幅方向に4.2倍というのが、
長手方向、幅方向のそれぞれの全延伸倍率ということに
なるものである。
【0040】その後、220℃の温度で長手方向、幅方
向とも3%の弛緩熱処理を施した後、さらに100〜1
50℃に冷却する工程で長手方向に1%の弛緩熱処理を
した後、室温に徐冷して幅5mの製品を巻取った。フイ
ルム厚みは12μmであった。
【0041】かくして得られたフィルムのボーイング量
は0であり、幅方向の屈折率1.675、長手方向の屈
折率1.681は如何なる場所でも一定であった。ま
た、機械特性、熱特性などの物性は、幅方向で均一であ
り、しかも高いヤング率(長手方向、幅方向とも5G
P)と熱寸法安定性(150℃の長手方向、幅方向とも
0%)を両立した厚みむら(長手方向6%)の少ない高
品質のフィルムであった。 比較例1 実施例1で行った最初の同時二軸延伸倍率を、長手方向
4.14倍、幅方向に4.2倍とし、それに続く長手方
向の8%の弛緩処理と幅方向1.2倍延伸は行わず、そ
の後の熱処理工程は実施例1と全く同様に弛緩熱処理し
て、幅5m、厚さ12μmの二軸延伸フィルムを得た。
すなわち同時二軸延伸後、熱処理するという従来の方法
で製膜した。
【0042】このようにして得られたフィルムのボーイ
ング量は5m当たり800mmと大きなものであった。
また、フィルム端部から1m間隔で測定した屈折率は、
長手方向/幅方向の測定は、1.64/1.69、1.
65/1.68、1.67/1.67、1.67/1.
68、1.65/1.68、1.64/1.69と大き
くバラついていた。この中から選ばれた適当なフィルム
を2枚重ね合わせて、100〜180℃程度に加熱して
評価してみたところ、該積層フィルムがカールして平面
性の悪いフィルムとなった。
【0043】このように弛緩工程を導入しても、単なる
熱処理工程で行ってもボーイング特性は改良できないこ
とがわかる。 比較例2 実施例1で行った4.5×3.5倍の同時二軸延伸に続
く長手方向8%弛緩処理と1.2倍の幅方向延伸を行う
条件のうち、長手方向の8%の弛緩処理をせずに単に幅
方向に1.2倍延伸するだけの条件に変更する以外は実
施例1と全く同様にして熱処理をして、幅5m、厚さ1
2μmの二軸延伸フィルムを得た。すなわち同時二軸延
伸後、熱処理するという従来の方法で製膜した。
【0044】このようにして得られたフィルムのボーイ
ング量は、5m当たり1000mmと大きなものであっ
た。また、フィルム端部から1m間隔で測定した長手方
向/幅方向の屈折率は、1.65/1.68、1.65
/1.68、1.64/1.66、1.64/1.6
8、1.65/1.68、1.64/1.69と大きく
バラツいていた。かくして得られたフィルムを2枚重ね
合わせて、100〜180℃程度に加熱すると該積層フ
ィルムはカールして平面性の悪いフィルムとなった。
【0045】このように弛緩工程を導入しても、単なる
熱処理工程で行ってもボーイング特性は改良できないこ
とがわかる。 実施例2 ポリアミド樹脂B(相対粘度ηr2.6、ガラス転移温
度40℃、添加剤として平均粒径0.2μmの球形シリ
カを0.1wt%添加)を用い、常法に従い、原料を乾
燥後125mmの溶融押出機に供給して280℃で溶融
させ、10μm以下の異物を除去するフィルターを通過
させた。一方、このポリアミド樹脂B層の両面に積層す
るアイオノマー”サーリン”A(デュポン)を45mm
の押出機に供給し265℃で溶融させ、これらの溶融樹
脂A層をA/B/Aなる3層に積層する複合アダプター
にて3層積層させ、これを2100mm幅のTダイ口金
から表面温度15℃に保たれた、130m/minで回
転する1800mm直径の表面に水滴を有したドラム
(ドラム表面は最大粗さRt=0.1μmに鏡面化され
たクロムメッキロールであり、そのドラム表面に飽和水
蒸気を吹き付け表面に水滴を結露させたもの)と、その
ドラムに接している直径150mmの水滴を有したニッ
プロール(表面はマイクロクラック状態のクロムメッキ
をした親水化ロールで、そのロール表面に飽和水蒸気を
吹き付け表面に水滴を結露させたもの)との接点に溶融
体をそれぞれのドラムやロールに対して接線になるよう
に着地・密着・冷却させた。
【0046】かくして得られたキャストフィルムは、そ
の厚みが150μmであり、厚みむらとしては長手方
向、幅方向とも1%以下と小さいものであり、しかも、
その厚みむらの周波数解析をしても着地点の振動に起因
すると考えられている0.5〜10Hzの振動は皆無で
あり、厚み均質性に優れており、さらに平面性にも優れ
た、クレーターなどの表面欠点のない、結晶性の低いシ
ートであり、また端部も幅変動もなく、透明で完全な非
晶質のものであり、キャスト性に優れたものであった。
【0047】続いて、該キャストフィルムをリニアー駆
動式同時二軸延伸機に導入して延伸温度53℃で長手方
向に3.2倍、幅方向に2.7倍同時二軸延伸し、さら
に60℃に保たれた延伸ゾーンで長手方向に6%の弛緩
処理をしながら幅方向に1.11倍延伸した。従って、
長手方向に3.01倍、幅方向に3.00倍というの
が、それぞれの全延伸倍率ということになるものであ
る。
【0048】かくして得られた二軸配向フィルムを、い
ったんTg以下の30℃に冷却後、210℃に加熱して
長手方向、幅方向とも3%の弛緩熱処理後、さらに15
0℃で長手方向および幅方向にそれぞれ1.5%のリラ
ックス熱固定し、エッジ端部をカットして、厚さ15μ
mの二軸配向積層ポリアミドフィルムを、破れることな
く安定な状態で約380m/minという高速で巻取
り、およびエッジ処理して製膜した。
【0049】かくして得られたフィルムのボーイング量
は0であり、幅方向の屈折率も長手方向の屈折率も1.
57と如何なる場所でも実質的に一定であった。また、
機械特性、熱特性などの物性は、幅方向および長手方向
に均一であり、しかも、熱寸法安定性(100℃の長手
方向、幅方向とも0%)に優れた厚みむら(長手方向4
%)の少ない、表面欠点のない平面性の優れた高品質の
フィルムであった。
【0050】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、幅方向の屈
折率や機械特性、熱特性などの特性が均一であり、幅方
向の如何なる部分をとっても物性にバラツキのないもの
であった。したがって、このようなフィルムを複数枚重
ね合わせても、カールや歪み、皺などの欠点を生じるこ
とがない。
【0051】本発明により得られるフィルムは、このよ
うな特異な特徴を活かして、磁気記録用、感熱転写リボ
ン用、感熱孔版印刷用、コンデンサー用、光学用、包装
用など各種工業用、産業用フィルムとして広く活用が可
能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 C08L 67:00 77:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂からなるフィルムをテンター
    を用いて延伸する方法において、該フィルムの幅方向延
    伸工程と、長手方向の弛緩工程を同時に含む工程を有せ
    しめることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方
    法。
  2. 【請求項2】幅方向の全延伸倍率に対して該延伸が70
    %以上達成された時点の以降にて、少なくとも長手方向
    の弛緩工程を併用しながら幅方向に延伸する工程を有せ
    しめたことを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂フ
    ィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】該長手方向の弛緩率が0.5〜25%であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性樹
    脂フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】テンターに導入されるフィルムが無配向非
    晶フィルム、無配向結晶化フィルム、一軸延伸フィル
    ム、二軸延伸フィルムから選ばれたいずれかのフィルム
    であることを特徴とする請求項1、2または3記載の熱
    可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂フィルムを、リニアモーター
    駆動方式の二軸延伸テンターを用いて延伸・弛緩処理す
    ることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の熱
    可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂である
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の
    熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフ
    タレート、ポリエチレンナフタレート、またはこれらの
    共重合体または変成体であることを特徴とする請求項6
    記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の熱
    可塑性樹脂フィルムの製造方法。
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