JP2000301525A - 無機質板の製造方法 - Google Patents

無機質板の製造方法

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JP2000301525A
JP2000301525A JP11115585A JP11558599A JP2000301525A JP 2000301525 A JP2000301525 A JP 2000301525A JP 11115585 A JP11115585 A JP 11115585A JP 11558599 A JP11558599 A JP 11558599A JP 2000301525 A JP2000301525 A JP 2000301525A
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雅利 世古口
Mamoru Ota
守 太田
Kazumasa Fukutomi
和正 福冨
Hidetaka Honda
英隆 本田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な物性を有し、自然外観性に優れた無機
質板を提供する。 【解決手段】 セメントと補強繊維を主成分とする抄造
シート上に、セメントと補強繊維を主成分とする半乾式
のセメント成形材料を散布し、さらにその後異なる粒度
の骨材を散布し、次いで加圧成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、無機質板
の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この
出願の発明は、内装材、外装材等の建材として有用なセ
メント系無機質板を、骨材の使用量を抑えて、外観性、
そして物性においても良好なものとして提供することの
できる新しい製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、内装材、外装材等の建材とし
て、セメントと補強繊維とを主成分とした抄造シートや
押出しシートから成形硬化して得た無機質板が知られて
いる。また、これらの無機質板の製造法としては、より
自然観のあるものとするために、表面に骨材を混合した
セメント系成形材料を散布し、次いで加圧成形して表面
の所定位置に凹凸模様を形成するようにした方法が知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
骨材を混合したセメント成形材料を抄造シート上に散布
する等の方法においては骨材の使用量が多く、生産コス
トの負担が大きいという問題があった。ただ、より自然
な外観を与えるためにはどうしても骨材量が多くなると
いう矛盾があった。
【0004】しかもまた、従来の製造方法においては、
使用する骨材が増えるとともに、強度、耐凍害性等の無
機質板にとって欠かせない諸物性を確保するのが難しい
という問題があった。また一方、押出しシートから自然
外観性のある無機質板を製造する方法として押出しシー
ト上に骨材を散布して成形することが検討されている
が、この方法の場合には、骨材が脱落したり、所定の表
面位置に配設されずにランダムに散らばってしまうとい
う不都合があった。このため、外観性の確保が難しいと
いう問題があった。
【0005】そこでこの出願の発明は、以上のとおりの
従来の無機質製造に係わる問題点を解消し、抄造シート
からの製造においては多量の骨材を使用することによる
コスト負担や物性の確保が難しいという問題を解消し、
また押出しシートからの製造においては、骨材が脱落し
たり、ランダムに散らばってしまうという問題を解消
し、両者いずれの場合にも、より自然感のある外観性に
も優れた無機質板を製造することを可能とする改善され
た新しい製造方法を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
のとおりの課題を解決するものとして、第1には、セメ
ントと補強繊維を主成分とする抄造シート上に、セメン
トと補強繊維を主成分とする半乾式のセメント成形材料
を散布し、さらにその後異なる粒度の骨材を散布し、次
いで加圧成形することを特徴とする無機質板の製造方法
を提供する。
【0007】そして、この第1の発明に関連して、この
出願の発明は、第2には、骨材を散布した後に散水し、
次いで加圧成形する製造方法を、第3には、抄造シート
は、含水率が50〜120%であるものとする製造方法
を、第4には、セメント成形材料は、そのミキサー後の
嵩比重が0.5g/cm3 以下であるものとする製造方
法を、第5には、骨材は、その粒度が4.0mm以下で
あるものとする製造方法を、第6には、骨材は、天然色
もしくは人工着色した1種以上の色調のものとする製造
方法を、第7には、セメント成形材料の最低必要散布量
は、次式 y=125x+1000z−125 (ここで、yは、最低必要散布量(g/m2 )を、x
は、骨材の粒度(mm)を、zは、成形材料の嵩比重
(g/cm3 )を示す)に従うものとする製造方法を、
第8には、散水は、20g/m2 〜220g/m 2 で行
う製造方法を提供する。
【0008】また、この出願の発明は、以上のとおりの
第1ないし第8のいずれかの発明の製造方法について、
第9には、抄造シート上に散布する半乾式のセメント成
形材料には骨材を混合して散布する無機質板の製造方法
を、第10には、セメント成形材料に混合する骨材の粒
度は3mm以下とする製造方法を、第11には、混合す
る骨材は、その割合が20体積%以下とする製造方法も
提供する。
【0009】さらにまた、この出願の発明は、第12に
は、セメントと補強繊維を主成分とする押出しシート上
に異なる粒度の骨材を散布し、次いで金型との間のエア
ーを抜きながら加圧成形することを特徴とする無機質板
の製造方法を提供し、この方法に関連して、第13に
は、散布する骨材の粒度を4.0mm以下とする製造方
法を、第14には、骨材は、天然色もしくは人工着色し
た1種以上の色調のものとする製造方法を、第15に
は、骨材の散布前に、押出しシートの骨材散布面には、
骨材の最大粒径に相当する凹凸を形成する製造方法を、
第16には、押出しシートの成形時弾性限界応力を0.
095N/mm2 以下とする製造方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、上記のとおり
の特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態につ
いて説明する。まず、この出願の発明の抄造シートから
の無機質板の製造方法においては、長網式、丸網式の各
種の抄造法により抄造されたシートが基材として用いら
れる。この場合の抄造には、セメント系の水性スラリー
が原料組成物として用いられるが、この原料組成物とし
ては、一般的には、水硬性のセメント成分が30〜95
重量%、シリカ、珪石粉、フライアッシュ等の充填材が
2〜60重量%、パルプ等の補強繊維が3〜10重量%
を占める固形分からなるものとし、この固形分100重
量部に対し、水40〜100重量部程度の割合としたス
ラリーが考慮される。なお、セメント成分は、普通ポル
トランドセメントをはじめ、高炉セメント等の、適宜に
組成調整されたものであってもよい。補強繊維のパルプ
についても同様に、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、ある
いはその混合物等であってよい。
【0011】抄造により形成される抄造シートには、セ
メント成形材料が散布されることになる。この場合の抄
造シートの含水率は50〜120重量%とするのが適当
である。含水率が50%未満の場合には、その上に散布
するセメント成形材料とのなじみが良好でなく、層間密
着性が充分なものとなりにくい。また、含水率が120
%を超える場合には、抄造シートが基材としての性格を
失って、多層構造による特性向上や、無機質板としての
外観性が良好なものになりにくい。
【0012】抄造シート上に散布するセメント成形材料
は半乾式のものである。一般的には、前記と同様の水硬
性のセメント成分30〜95重量%、充填材2〜60重
量%、補強繊維3〜10重量%からなる固形分に水が配
合され、ミキサー混合されたものとすることができる。
充填材としては、タルク等の軽量骨材を用いてもよい。
ミキサー後の嵩比重は、0.5g/cm3 以下とするの
が適当である。さらに好ましくは、0.2〜0.45g
/cm3 の嵩比重とする。0.5g/cm3 を超えてよ
り大きな嵩比重の場合には、抄造シートとの層間密着に
よる一体化が難しくなり、また、後工程で散布する骨材
による外観性が得られにくくなり、結局のところ、無機
質板としての自然外観性を得るためには多量の骨材が必
要とされ、このことは無機質板の特性を損う原因とな
る。
【0013】このようなセメント成形材料の散布につい
ては、各種の手段が採用されてよく、また、その散布量
については、セメント成形材料の嵩比重の大きさと、後
工程として散布される骨材の最大粒径との関係により適
宜とされる。一般的には、この散布量は、前記のとおり
の関係式 y=125x+1000z−125 y:セメント成形材料の最低必要散布量(g/m2 ) x:散布される骨材の最大粒度(mm) z:セメント成形材料の嵩比重(g/cm2 ) に従うものとするのが適当である。たとえば、図1は、
この関係式に従って、嵩比重0.2g/cm2 〜0.4
g/cm3 の場合の最低必要散布量(y)と骨材粒度
(x)との関係を示したものである。たとえば骨材最大
粒度が2mmの場合には、セメント成形材料の嵩比重が
0.2g/cm3 であれば、その最低必要散布量は約3
40g/m2 であり、また、嵩比重が0.4g/cm3
であれば約530g/m2 であることになる。散布量が
以上のような最低必要散布量の場合には、無機質板の表
面は、加圧成形後に自然性のある外観を得ることは難し
くなる。また、実際には、散布量は、この最低必要散布
量を上まわる量であればよく、最小量の骨材の散布によ
って良好な自然外観性と、必要とされる強度や耐凍害性
等の物性を無機質板に与えるためには、前記のとおりの
最低必要散布量以上のセメント成形材料を散布すればよ
い。もちろん当然のことであるが、過剰な散布は必要で
はない。セメント成形材料を散布した後には、この発明
の方法においては、異なる粒度の骨材が散布されること
になる。
【0014】この場合の骨材は、その粒度が4.0mm
以下であることが適当である。4.0mmを超えて大き
い場合には、無機質板の表面外観性とともに、必要とさ
れる諸物性が損われることになる。なお、骨材そのもの
は素材について特に限定されることはなく、たとえば天
然石、天然結晶、セラミックス、磁器材、ガラス、金
属、それらの複合材等の各種であってよい。その形状に
ついても同様で、球状だけでなく、角状、ペレット状、
破砕片状、切片状等の各種でよい。そして骨材の色調
も、天然色、あるいは人工着色したものの1種以上であ
ってよい。
【0015】骨材を散布した後には、加圧成形に先立っ
て散水するようにしてもよい。この散水は、加圧成形に
おいて散布された骨材の配置位置を安定化し、抄造シー
ト、セメント成形材料、そして骨材の相互のなじみを良
くするのに効果的である。散水量は、一般的には20g
/m2 〜220g/m2 とするのが適当である。より好
ましくは、散水量は、80g/m2 〜160g/m2
ある。
【0016】図2および図3は、以上のとおりのこの発
明の無機質板の製造と、従来の方法とを例示した工程図
であるが、この発明の方法(図2)においては、抄造シ
ート(1)の上にまず半乾式のセメント成形材料(2)
が散布され、次いで骨材(3)がその上に散布される。
そして望ましくは散水した後に、プレス金型(4)によ
り加圧成形し、所定の表面模様を有し、異なる粒度の骨
材の散布により自然外観性に優れ、かつ、物性面におい
ても優れた無機質板(5)を得る。
【0017】一方、従来の方法(図3)では、抄造シー
ト(1)の上に、セメント成形材料と骨材との混合物
(6)が散布されることになる。このため、従来では自
然外観性を得るために多量の骨材の使用が必要とされ、
このことが、生産コストを大きくし、かつ無機質板の特
性の向上を難しくしていたのである。なお、実際の製造
工程においては、図示することを省略しているが、加圧
成形されて得られた成形体は、常温またはオートクレー
ブ、もしくはその両者により養生して硬化させ、最終の
製品無機質板とする。なお、必要であれば、硬化させた
成形体に対しては、透明あるいは半透明等の、エマルジ
ョン系や溶剤系の塗料を用いて塗装を施してもよい。
【0018】そして、この発明の以上のとおりの抄造シ
ートからの無機質板の製造方法においては、抄造シート
に対して散布するセメント成形材料に骨材を混合してお
いてもよい。つまり、骨材を混合したセメント成形材料
を抄造シート上に散布し、その後、さらに前記のとおり
の骨材散布を行ってもよい。こうすることによって、骨
材散布にともなう自然外観性はさらに良好になり、物性
面の向上も見込まれることになる。
【0019】この場合、セメント成形材料に混合される
骨材としては、その粒度が3mm以下であることが適当
である。一般的には、最大粒度が、最上層として散布さ
れる骨材よりも小さいことが適当である。また、セメン
ト成形材料への混合は、20体積%以下であることが望
ましい。20体積%を超える場合には、この発明の所期
目的の達成、すなわち、骨材の使用量を抑え、しかも自
然外観性に富み、かつ無機質板としての強度や耐凍害性
等の物性が良好な無機質板を得るとのことが難しくなる
からである。
【0020】次にこの発明の押出しシートからの無機質
板の製造方法について説明すると、この方法は、セメン
トと補強繊維とを主成分とする押出しシート上に異なる
粒度の骨材を散布し、次いで金型との間のエアーを抜き
ながら加圧成形することを特徴としている。この方法に
よって、従来のように骨材が脱落してしまうことや、骨
材が所定の表面位置に配設されずにランダムに散らばっ
てしまうという不都合を生じさせることなく、押出しシ
ートに確実に骨材を埋め込み固定し、自然外観性の良好
な無機質板を提供することが可能となる。
【0021】この方法においては、セメントや補強繊維
等の固形成分については抄造法の場合と同様もしくはこ
れに類似した組成とすることができるが、押出しシート
とするためには、配合する水の量は抄造法のスラリーに
比べてはるかに少なくてよく、適宜に増粘剤を添加して
混練物とする。押出し成形されたシートについては、そ
の成形時の弾性限界応力は0.095N/mm2 以下と
することが好ましい。粘度が0.095N/mm2 を超
えて大きな場合には、骨材を押出しシートに埋め込み可
能とすることが難しくなるからである。
【0022】散布する骨材は前記同様に各種のものでよ
く、その最大粒度を4.0mm以下とし、天然色もしく
は人工着色した1種以上の色調のものとすることができ
る。骨材粒度が4.0mmよりも大きい場合には、透水
や、基材としての押出しシート成形体の破断の原因とな
りやすい。そして、この発明の方法では、骨材の散布前
に、押出しシートの骨材散布面に、骨材の最大粒径に相
当する凹凸を形成しておくことが有効でもある。この凹
凸は、骨材の埋め込み位置を定めることを容易とし、ま
た、養生硬化後の骨材の脱落を効果的に防止することが
できる。
【0023】骨材の散布後に行う加圧成形では、より具
体的には、骨材を散布した被成形材料の外周を囲むよう
に外枠を設け、上方から模様付きの金型を押し下げ、こ
の金型と被成形材料との間のエアーを抜きながら成形
し、成形の完了後には、外枠を離型した後に、エアーブ
ローしながら金型から成形体を脱型するのが適当であ
る。
【0024】被成形材料の外周を囲む外枠の内面には抜
き勾配を設けておくことが好ましい。被成形材料と金型
との間のエアーを抜きながらの加圧成形は、押出し成形
によって中空品を形成した場合に、中空穴の内圧を抜く
ことを可能としてもいる。このようなエアー抜き、ある
いは離型時のエアーブローを行うためには、たとえば金
型の模様面にまで貫通する通気穴を金型に設けておくこ
とが考慮される。あるいはまた、金型は、通気性の金属
によって構成することも考慮される。エアー抜きは、金
型が被成形材料に接触してから行うのが好ましい。
【0025】良好な成形と、離型をより容易にするため
の手段としては、金型を振動させてもよい。振動は、成
形においては、金型が被成形材料に接触し、金型が加圧
状態で下方に移動してからかけるのが好ましい。このよ
うな振動は、被成形材料のエッジ部への骨材の埋め込み
を効果的なものとする。直圧プレスではこのようなエッ
ジ部での骨材の埋め込みが難しいのである。また、離型
のためには、金型の内部から模様凹凸面に離型油を供給
するようにしてもよい。
【0026】以上のとおりの異なる粒度の骨材を用いた
この発明の方法により、住宅用壁材や天井材等の建材と
して、表面に凹凸模様を有し、しかも自然石調の外観を
もつ無機質板が提供されることになる。そこで以下に実
施例を示し、さらに詳しくこの発明の実施の形態につい
て説明する。
【0027】
【実施例】(実施例1〜4)(比較例1) 固形分として、セメント40重量%、珪石50重量
%、フライアッシュ5重量%、広葉樹パルプ5重量%を
含有する水性スラリーを抄造し、脱水プレス後の厚みが
12mmで、含水率が50〜120%の、表1のとおり
の各種の抄造シート(A)を作製した。
【0028】 実施例1〜4においては、次の組成の
セメント成形材料(B)を調製した。 セメント 45重量% 珪石粉 50重量% 広葉樹パルプ 5重量% 水 15重量%(全固形分に対して) このもののミキサー後嵩比重は0.3g/cm3 とし
た。
【0029】このセメント成形材料(B)は、表1に示
したように、前記の抄造シート(A)の上に3333g
/m2 散布した。次いで、表1に示したように各種の最
大粒度(mm)の珪砂の着色骨材(C)を167g/m
2 の割合で散布して、10kgf/cm2 の圧力で加圧
成形した。
【0030】なお、骨材は、最大粒度以下の大きさの、
異なる粒径からなるものとした。一方、比較例1におい
ては、2889g/m2 の割合でセメント成形材料を散
布しただけに止め、骨材は散布しなかった。そして、実
施例1〜4および比較例1のいずれの場合も、40℃の
温度で48時間、並びにオートクレーブにおいて160
℃の温度で6時間養生し、60℃、湿度20%で72時
間恒量した。
【0031】 製造された各々の無機質板について、
減水高さ(7時間)、平面引張り強度、比重、耐凍害性
等の物性について評価し、また外観性も目視評価した。
無機質板の物性は、表1に示したように、実施例1〜4
のものはいずれも優れていたが、骨材を散布しない比較
例1の場合には、減水高さが大きく、引張り強度、耐凍
害性がともに劣っていた。
【0032】また、実施例1〜4のものは、自然外観性
に優れていたが、比較例1のものは、セメント外観を有
し、好ましいものではなかった。
【0033】
【表1】
【0034】(実施例5〜9)(比較例2〜3) 前記の実施例1〜4並びに比較例1と同様の抄造シ
ート(A)を用意した。 実施例5〜9においては、骨材を混合した次の組成
のセメント成形材料(B)を調製した。
【0035】 セメント 40重量% 珪石粉 50重量% 骨材(パーライト) 14〜20体積% パルプ繊維 5重量% 以上の組成の混合物をミキサーで攪拌し、固形分量に対
し15重量%の水を与えた。
【0036】骨材としてのパーライトの平均粒度は表2
のとおり1mmもしくは3mmで、比重1.7のものを
用いた。セメント成形材料(B)の嵩比重は0.3であ
った。このセメント成形材料(B)を前記の抄造シート
(A)上に表2の散布量として散布した。実施例5〜8
の散布量に対し、実施例の散布量はその1/10の33
3g/m2 とした。
【0037】次いで、表2に示した最大限度の着色骨材
(C)をその上に散布した。この着色骨材(C)の個々
の粒子の大きさは均一でなく、全体として異なる粒度か
らなるものとした。骨材(C)の散布に、10kgf/
cm2 の圧力で加圧成形した。一方、比較例2において
は、前記同様の、骨材を混合したセメント成形材料
(B)を散布するに止め、骨材(C)は散布しなかっ
た。また、比較例3においては、骨材(C)は散布した
が、骨材を混合したセメント成形材料(B)は散布しな
かった。
【0038】そして、実施例5〜9並びに比較例2〜3
のいずれの場合にも、養生は次の条件において行った。 ・40℃、48時間、その後オートクレーブで160℃
で6時間養生した。 ・また、60℃、湿度20%で72時間恒量した。 製造された無機質板について、物性と、外観性を評
価した。物性については表2にその結果を示した。
【0039】実施例5〜9の無機質板は、優れた物性を
示しているが、前記の骨材(C)を散布しない比較例2
の場合には、強度の点において劣り、また、セメント成
形材料(B)を散布しない比較例3の場合には、減水高
さが大きく、強度、耐凍害性の点においても劣ることが
確認された。そして外観の目視評価によると、実施例5
〜9のものは自然外観性に優れていたが、比較例2〜3
のものは、人工的で、どうしても見劣りしていることが
明らかであった。
【0040】
【表2】
【0041】(実施例10〜13)(比較例4〜6) 次の組成の原料を水と混練し、21mm厚の押出し
シート(A)に押出し成形した。 セメント 83重量% 珪石 10重量% 増粘剤 2重量% パルプ繊維 5重量% この押出しシート(A)については、表3のとおり、含
水率および粘度が異なるものとして作製した。
【0042】 次いで、この押出しシート(A)に
は、表3に示した骨材最大粒度と比重の、珪砂の着色骨
材(B)を散布し、その後、表3の条件で、金型と骨材
散布した被成形材料との間のエアー抜きを行いながら、
また金型に振動を加えながら、10kgf/cm2 の圧
力で加圧成形した。なお、比較例4においてはエアー抜
き(サクション)を行っておらず、また、比較例5にお
いては振動を加えていない。
【0043】成形により得られた成形体は、40℃の温
度で48時間、オートクレーブにおいて160℃の温度
で6時間養生を行い、60℃の温度、湿度20%で72
時間恒量した。 硬化成形体としての無機質板について、その物性と
外観性を評価した。その結果を表3に示した。
【0044】実施例10〜13と比較例4との対比より
明らかなように、異なる粒度の骨材(B)を散布した後
に金型と被成形材料との間のエアー抜き(サクション)
を行っての加圧成形(実施例10〜13)により、骨材
の埋め込み外観をはじめ、減水高さ、耐凍害性の特性に
も優れた無機質板が得られるのに対し、エアー抜き(サ
クション)を行わずに成形した場合(比較例4)には、
骨材埋め込みの外観性に劣り、特性も悪いことが確認さ
れた。
【0045】また、実施例10〜13と比較例5〜6の
対比からは、金型に振動を加えて成形すること、並びに
粘度(成形時弾性限界応力)は、0.095N/mm2
以下とするのが好ましいことが判明した。そして、実施
例10〜13の無機質板の場合には、骨材による自然外
観性に優れていることが確認された。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明によって、従来技術の問題点を解消し、抄造シート
からの製造においては多量の骨材を使用することによる
コスト負担や物性の確保が難しいという問題を解消し、
また押出しシートからの製造においては、骨材が脱落し
たり、ランダムに散らばってしまうという問題を解消
し、両者いずれの場合にも、より自然感のある外観性に
優れた無機質板を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法におけるセメント成形材料の嵩
比重と骨材粒度、並びに最低必要散布量との関係を例示
した図である。
【図2】この発明の方法を例示した工程斜視図である。
【図3】従来の方法を示した工程斜視図である。
【符号の説明】
1 抄造シート 2 セメント成形材料 2 骨材 4 プレス金型 5 無機質板 6 セメント成形材料と骨材との混合物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福冨 和正 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 本田 英隆 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 Fターム(参考) 2E110 AA57 AB22 AB23 BA03 BA12 BB22 BB38 EA06 EA09 GA23W GA42X GA43W GB01W GB13W GB23X GB23Z GB26W GB28W GB32W GB62X 4G052 GA02 GA11 GA23 GA25 GA26 GB42 GC06 4G054 AA01 AA15 AA18 AB01 AC04 BA02 DA01 4G055 AA02 AB01 AB05 AC01 AC09 BA33 BA40 FA03 FA05

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメントと補強繊維を主成分とする抄造
    シート上に、セメントと補強繊維を主成分とする半乾式
    のセメント成形材料を散布し、さらにその後異なる粒度
    の骨材を散布し、次いで加圧成形することを特徴とする
    無機質板の製造方法。
  2. 【請求項2】 骨材を散布した後に散水し、次いで加圧
    成形する請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 抄造シートは、含水率が50〜120%
    である請求項1または2の製造方法。
  4. 【請求項4】 セメント成形材料は、そのミキサー後の
    嵩比重が0.5g/cm3 以下である請求項1ないし3
    のいずれかの製造方法。
  5. 【請求項5】 骨材は、その粒度が4.0mm以下であ
    る請求項1ないし4のいずれかの製造方法。
  6. 【請求項6】 骨材は、天然色もしくは人工着色した1
    種以上の色調のものである請求項1ないし5のいずれか
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 セメント成形材料の最低必要散布量は、
    次式 y=125x+1000z−125 (ここで、yは、最低必要散布量(g/m2 )を、x
    は、骨材の粒度(mm)を、zは、成形材料の嵩比重
    (g/cm3 )を示す)に従うものとする請求項1ない
    し6のいずれかの製造方法。
  8. 【請求項8】 散水は、20g/m2 〜220g/m2
    で行う請求項2の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかの製造方法
    において、抄造シート上に散布する半乾式のセメント成
    形材料には骨材を混合して散布する無機質板の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 セメント成形材料に混合する骨材の粒
    度は3mm以下である請求項9の製造方法。
  11. 【請求項11】 混合する骨材は、その割合が20体積
    %以下とする請求項9または10の製造方法。
  12. 【請求項12】 セメントと補強繊維を主成分とする押
    出しシート上に異なる粒度の骨材を散布し、次いで金型
    との間のエアーを抜きながら加圧成形することを特徴と
    する無機質板の製造方法。
  13. 【請求項13】 散布する骨材の粒度を4.0mm以下
    とする請求項12の製造方法。
  14. 【請求項14】 骨材は、天然色もしくは人工着色した
    1種以上の色調のものである請求項12または13の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 骨材の散布前に、押出しシートの骨材
    散布面には、骨材の最大粒径に相当する凹凸を形成する
    請求項12ないし14のいずれかの製造方法。
  16. 【請求項16】 押出しシートの成形時弾性限界応力を
    0.095N/mm 2 以下とする請求項12ないし15
    のいずれかの製造方法。
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