JP3208985B2 - 無機質セメント板の製造方法 - Google Patents
無機質セメント板の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は外装材等の建築材料とし
て用いられる無機質セメント板の製造方法に関するもの
である。
て用いられる無機質セメント板の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、表面に深く鋭い凹凸模様を有した
無機質セメント板を提供するために、セメントと骨材と
繊維成分を主成分とする水性スラリーを抄造してグリー
ンシートを形成し、このグリーンシートを第1層として
その上面に、セメントと骨材と繊維成分を主成分とする
ペースト状の粉体混合材料を載せて第2層を形成して複
層板とし、この複層板を加圧成形して上記第2層の上面
に凹凸模様を形成し、これを養生硬化するという手法に
て、無機質セメント板が製造されている。この無機質セ
メント板の意匠性をさらに高めるために、凹凸模様が付
与された表面に塗料等を用いて塗装していた。しかし、
この無機質セメント板は、表面が何かに擦れたり或いは
ぶつかったりして破損すると、その破損箇所の塗装が剥
げ落ちて下地が露出し、意匠性が著しく低下する。
無機質セメント板を提供するために、セメントと骨材と
繊維成分を主成分とする水性スラリーを抄造してグリー
ンシートを形成し、このグリーンシートを第1層として
その上面に、セメントと骨材と繊維成分を主成分とする
ペースト状の粉体混合材料を載せて第2層を形成して複
層板とし、この複層板を加圧成形して上記第2層の上面
に凹凸模様を形成し、これを養生硬化するという手法に
て、無機質セメント板が製造されている。この無機質セ
メント板の意匠性をさらに高めるために、凹凸模様が付
与された表面に塗料等を用いて塗装していた。しかし、
この無機質セメント板は、表面が何かに擦れたり或いは
ぶつかったりして破損すると、その破損箇所の塗装が剥
げ落ちて下地が露出し、意匠性が著しく低下する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するべく、無機質セメント板の表層となる第2層
を形成する粉体混合材料の構成成分に化粧軽量骨材を用
いて、該無機質セメント板の表面を着色するにあたっ
て、該無機質セメント板の切断性が良好で、外観の安定
性に優れた無機質セメント板の製造方法を提供するもの
である。。
を解決するべく、無機質セメント板の表層となる第2層
を形成する粉体混合材料の構成成分に化粧軽量骨材を用
いて、該無機質セメント板の表面を着色するにあたっ
て、該無機質セメント板の切断性が良好で、外観の安定
性に優れた無機質セメント板の製造方法を提供するもの
である。。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の無機
質セメント板の製造方法は、セメントと骨材と繊維成分
を主成分とする水性スラリーを抄造してグリーンシート
を形成し、このグリーンシートを第1層としてその上面
に、セメントと骨材と繊維成分を主成分とするペースト
状の粉体混合材料を載せて第2層を形成して複層板と
し、この複層板を加圧成形して上記第2層の上面に凹凸
模様を形成し、これを養生硬化する無機質セメント板の
製造方法であって、上記第2層を形成する粉体混合材料
の骨材として、該無機質セメント板の表面を化粧する、
見かけ比重0.4乃至1.6、粒径0.1乃至3mmの
化粧軽量骨材を上記粉体混合材料に対して10乃至80
重量%含有し、且つ該無機質セメント板の強度を向上さ
せる、見かけ比重1.3以下、粒径3mm以下の微粒軽
量骨材を上記粉体混合材料に対して10乃至80重量%
含有することを特徴とする。
質セメント板の製造方法は、セメントと骨材と繊維成分
を主成分とする水性スラリーを抄造してグリーンシート
を形成し、このグリーンシートを第1層としてその上面
に、セメントと骨材と繊維成分を主成分とするペースト
状の粉体混合材料を載せて第2層を形成して複層板と
し、この複層板を加圧成形して上記第2層の上面に凹凸
模様を形成し、これを養生硬化する無機質セメント板の
製造方法であって、上記第2層を形成する粉体混合材料
の骨材として、該無機質セメント板の表面を化粧する、
見かけ比重0.4乃至1.6、粒径0.1乃至3mmの
化粧軽量骨材を上記粉体混合材料に対して10乃至80
重量%含有し、且つ該無機質セメント板の強度を向上さ
せる、見かけ比重1.3以下、粒径3mm以下の微粒軽
量骨材を上記粉体混合材料に対して10乃至80重量%
含有することを特徴とする。
【0005】請求項2の無機質セメント板の製造方法
は、請求項1記載の無機質セメント板の製造方法におい
て、上記粉体混合材料の繊維成分として、セルロース系
繊維を上記粉体混合材料に対して1乃至10重量%用い
ることを特徴とする。
は、請求項1記載の無機質セメント板の製造方法におい
て、上記粉体混合材料の繊維成分として、セルロース系
繊維を上記粉体混合材料に対して1乃至10重量%用い
ることを特徴とする。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。まず、加
圧成形される上記複層板について説明すると、複層板は
第1層とこの第1層に載った第2層から構成される。第
1層は、セメントをバインダーとし、骨材、その他補強
のために各種繊維成分を主成分として含んだ水性スラリ
ーを抄造して得られるグリーンシートで構成される。上
記セメントとしては、ポルトランドセメント、高炉セメ
ント等、フライアッシュセメント等を用いることができ
る。上記骨材としては特に限定はなく、目的とする無機
質セメント板の用途に応じて選択すればよく、一般に用
いられる鉱物性骨材、有機系骨材を用いることができ
る。例えば、建築材料の外装板に適用する場合には、ケ
イ石粉、ケイ砂、シリカ、砂利、ガラスバルーン、シラ
スバルーンなどが用いられる。上記繊維成分としては、
セルロース系のパルプ繊維、石綿等の鉱物性繊維、ポリ
プロピレン、ビニロン等有機質の樹脂系繊維、ガラス繊
維、炭素繊維、金属繊維等が用いられる。
圧成形される上記複層板について説明すると、複層板は
第1層とこの第1層に載った第2層から構成される。第
1層は、セメントをバインダーとし、骨材、その他補強
のために各種繊維成分を主成分として含んだ水性スラリ
ーを抄造して得られるグリーンシートで構成される。上
記セメントとしては、ポルトランドセメント、高炉セメ
ント等、フライアッシュセメント等を用いることができ
る。上記骨材としては特に限定はなく、目的とする無機
質セメント板の用途に応じて選択すればよく、一般に用
いられる鉱物性骨材、有機系骨材を用いることができ
る。例えば、建築材料の外装板に適用する場合には、ケ
イ石粉、ケイ砂、シリカ、砂利、ガラスバルーン、シラ
スバルーンなどが用いられる。上記繊維成分としては、
セルロース系のパルプ繊維、石綿等の鉱物性繊維、ポリ
プロピレン、ビニロン等有機質の樹脂系繊維、ガラス繊
維、炭素繊維、金属繊維等が用いられる。
【0007】上記第2層について説明すると、上記第2
層は、セメントと骨材と繊維成分を主成分とし、含水率
が50重量%以下であって、加圧して凹凸模様を付与す
ると、解圧しても凹凸模様の崩れはなく、形状の自己保
持性に優れた性質を有した、混練されたペースト状の粉
体混合材料を上記第1層の上面に載せて形成されたもの
である。本発明では、上記粉体混合材料の骨材として、
複数種のものを用いても構わないが、少なくとも、見か
け比重0.4乃至1.6、粒径0.1乃至3mmの化粧
軽量骨材と、見かけ比重1.3以下、粒径3mm以下の
微粒軽量骨材とを用いることが必須である。
層は、セメントと骨材と繊維成分を主成分とし、含水率
が50重量%以下であって、加圧して凹凸模様を付与す
ると、解圧しても凹凸模様の崩れはなく、形状の自己保
持性に優れた性質を有した、混練されたペースト状の粉
体混合材料を上記第1層の上面に載せて形成されたもの
である。本発明では、上記粉体混合材料の骨材として、
複数種のものを用いても構わないが、少なくとも、見か
け比重0.4乃至1.6、粒径0.1乃至3mmの化粧
軽量骨材と、見かけ比重1.3以下、粒径3mm以下の
微粒軽量骨材とを用いることが必須である。
【0008】上記化粧軽量骨材としては、この化粧軽量
骨材を上記粉体混合材料に配合することで、無機質セメ
ント板表面をその本来の色(多くの場合、硬化したセメ
ントに由来した灰色)から他の所望する色(例えば、
赤、青、緑、黒など)に着色するものであって、上記の
条件を満足する、従来から軽量骨材として用いられてき
た公知の材料を、塗料等で所望の色に着色したもの、或
いはその天然色が所望する色であるものが用いられ、上
記粉体混合材料に対する含有量が10乃至80重量%の
範囲にて使用される。上記化粧軽量骨材の上記粉体混合
材料に対する含有量が10重量%未満であると、該無機
質セメント板の着色が不十分となり、80重量%を越え
ると、上記第2層の強度が低下する。上記化粧軽量骨材
の見かけ比重が0.4未満であると、第2層に凹凸模様
を付与する加圧成形時にこの化粧軽量骨材が圧壊し、
1.6を越えると、該無機質セメント板の切断性が悪く
なる。上記化粧軽量骨材の粒径が0.1mm未満である
と着色効果が低く、3mmを越えると着色が粗雑とな
る。本発明の無機質セメント板の製造方法では、第2層
を形成する粉体混合材料の成分として、上記化粧軽量骨
材を含有しているおり、第2層の内部まで上記化粧軽量
骨材によって化粧されているので、該無機質セメント板
の表面を何かにぶつけたり、擦ったりして破損しても、
破損箇所の色が同一で目立たない。
骨材を上記粉体混合材料に配合することで、無機質セメ
ント板表面をその本来の色(多くの場合、硬化したセメ
ントに由来した灰色)から他の所望する色(例えば、
赤、青、緑、黒など)に着色するものであって、上記の
条件を満足する、従来から軽量骨材として用いられてき
た公知の材料を、塗料等で所望の色に着色したもの、或
いはその天然色が所望する色であるものが用いられ、上
記粉体混合材料に対する含有量が10乃至80重量%の
範囲にて使用される。上記化粧軽量骨材の上記粉体混合
材料に対する含有量が10重量%未満であると、該無機
質セメント板の着色が不十分となり、80重量%を越え
ると、上記第2層の強度が低下する。上記化粧軽量骨材
の見かけ比重が0.4未満であると、第2層に凹凸模様
を付与する加圧成形時にこの化粧軽量骨材が圧壊し、
1.6を越えると、該無機質セメント板の切断性が悪く
なる。上記化粧軽量骨材の粒径が0.1mm未満である
と着色効果が低く、3mmを越えると着色が粗雑とな
る。本発明の無機質セメント板の製造方法では、第2層
を形成する粉体混合材料の成分として、上記化粧軽量骨
材を含有しているおり、第2層の内部まで上記化粧軽量
骨材によって化粧されているので、該無機質セメント板
の表面を何かにぶつけたり、擦ったりして破損しても、
破損箇所の色が同一で目立たない。
【0009】上記微粒軽量骨材は、上記化粧軽量骨材の
みでは改善不十分であった切断性と軽量化を補足するた
めに加えられるものであり、上記化粧軽量骨材の含有量
に対応して、上記粉体混合材料に対する含有量が10乃
至80重量%の範囲にて使用されるものである。上記微
粒軽量骨材の上記粉体混合材料に対する含有量が10重
量%未満であると、該無機質セメント板の切断性改善効
果が不十分であり、80重量%を越えると、上記第2層
の強度が低下する。また、上記微粒軽量骨材の見かけ比
重が1.3を越えると、該無機質セメント板の切断性改
善効果が望めなくなる。上記微粒軽量骨材としては、例
えば、パーライト、バーミキュライト、シラスバルー
ン、ガラスバルーン等を用いることができる。
みでは改善不十分であった切断性と軽量化を補足するた
めに加えられるものであり、上記化粧軽量骨材の含有量
に対応して、上記粉体混合材料に対する含有量が10乃
至80重量%の範囲にて使用されるものである。上記微
粒軽量骨材の上記粉体混合材料に対する含有量が10重
量%未満であると、該無機質セメント板の切断性改善効
果が不十分であり、80重量%を越えると、上記第2層
の強度が低下する。また、上記微粒軽量骨材の見かけ比
重が1.3を越えると、該無機質セメント板の切断性改
善効果が望めなくなる。上記微粒軽量骨材としては、例
えば、パーライト、バーミキュライト、シラスバルー
ン、ガラスバルーン等を用いることができる。
【0010】上記繊維成分は、上記第2層の補強材料と
して用いられるものであり、例えば、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリアミド等の有機繊維、アルミニウ
ム、ステンレス、鋼等の金属繊維、或いはガラス、カー
ボン、石綿等の無機繊維等を用いることができるが、
麻、木材パルプ等のセルロース系繊維を用いることが好
ましい。上記繊維成分としてセルロース系繊維を用いる
場合、上記粉体混合材料に対して1乃至10重量%の範
囲で含有するのがよい。このセルロース系繊維の含有量
が1重量%未満であると補強効果が不十分で、該無機質
セメント板の表面に骨材の剥がれ、或いはクラック等を
生じやすくなり、10重量%を越えると粉体混合材料中
におけるセルロース系繊維の分散状態が悪化し、いずれ
にしても該無機質セメント板の表面が粗雑なものとな
る。
して用いられるものであり、例えば、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリアミド等の有機繊維、アルミニウ
ム、ステンレス、鋼等の金属繊維、或いはガラス、カー
ボン、石綿等の無機繊維等を用いることができるが、
麻、木材パルプ等のセルロース系繊維を用いることが好
ましい。上記繊維成分としてセルロース系繊維を用いる
場合、上記粉体混合材料に対して1乃至10重量%の範
囲で含有するのがよい。このセルロース系繊維の含有量
が1重量%未満であると補強効果が不十分で、該無機質
セメント板の表面に骨材の剥がれ、或いはクラック等を
生じやすくなり、10重量%を越えると粉体混合材料中
におけるセルロース系繊維の分散状態が悪化し、いずれ
にしても該無機質セメント板の表面が粗雑なものとな
る。
【0011】上記第1層の上面に上記第2層を形成して
得られた複層板を加圧成形して上記第2層に凹凸模様を
形成し、さらにこの凹凸模様を付与した複層板を養生硬
化すると、複層板中のセメントの水硬反応が促進して無
機質セメント板が得られる。上記養生硬化させる方法と
して、湿熱状態で養生する方法、オートクレーブ中で養
生する方法、或いはこれら両者を併用して養生する方法
等を行うことができる。
得られた複層板を加圧成形して上記第2層に凹凸模様を
形成し、さらにこの凹凸模様を付与した複層板を養生硬
化すると、複層板中のセメントの水硬反応が促進して無
機質セメント板が得られる。上記養生硬化させる方法と
して、湿熱状態で養生する方法、オートクレーブ中で養
生する方法、或いはこれら両者を併用して養生する方法
等を行うことができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例として説明する。
【0013】グリーンシートの作製 (表1)に示した配合物を水に分散させて水性スラリー
を調製し、この水性スラリーを長網抄造法にて抄造して
グリーンシート(グリーンシートAとする)を作製し
た。このグリーンシートにおいて、(表1)の配合1に
よって形成されたものをグリーンシートAとし、配合2
によって形成されたものをグリーンシートBとすると、
実施例1乃至3、及び比較例1にはグリーンシートAを
用い、実施例4乃至6、及び比較例2にはグリーンシー
トBを用いた。
を調製し、この水性スラリーを長網抄造法にて抄造して
グリーンシート(グリーンシートAとする)を作製し
た。このグリーンシートにおいて、(表1)の配合1に
よって形成されたものをグリーンシートAとし、配合2
によって形成されたものをグリーンシートBとすると、
実施例1乃至3、及び比較例1にはグリーンシートAを
用い、実施例4乃至6、及び比較例2にはグリーンシー
トBを用いた。
【0014】
【表1】
【0015】実施例1乃至3、及び比較例1 実施例1乃至3、及び比較例1それぞれについて、ポル
トランドセメント、化粧軽量骨材、微粒軽量骨材として
パーライト(見かけ比重0.3)、繊維成分を(表2)
に示した配合量に従って水と混合し、混練してペースト
状の粉体混合材料を調製した。上記化粧軽量骨材として
は、実施例1、実施例3及び比較例1には着色流紋岩粉
(見かけ比重1.2)を、実施例2には粘土瓦破砕粉
(見かけ比重1.5)を用いた。上記繊維成分として
は、実施例1、実施例3及び比較例1にはパルプ粉末を
用い、実施例2にはラミー繊維を用いた。この粉体混合
材料を、上述の如くして得たグリーンシートAを第1層
として、このグリーンシートAの上面にノズルから供給
して養生硬化後の厚み3mm相当の第2層を形成し、複
層板を得た。この複層板をプレス機にて加圧成形(30
kg/cm2,5秒間)して上記第2層に凹凸模様を形成した
直後に、この表面にスプレーで水を160乃至1000
g/m2 散水し、この後、80℃の湿熱状態に保たれた
養生室で100時間放置して、厚み1.8mmの無機質
セメント板を得た。
トランドセメント、化粧軽量骨材、微粒軽量骨材として
パーライト(見かけ比重0.3)、繊維成分を(表2)
に示した配合量に従って水と混合し、混練してペースト
状の粉体混合材料を調製した。上記化粧軽量骨材として
は、実施例1、実施例3及び比較例1には着色流紋岩粉
(見かけ比重1.2)を、実施例2には粘土瓦破砕粉
(見かけ比重1.5)を用いた。上記繊維成分として
は、実施例1、実施例3及び比較例1にはパルプ粉末を
用い、実施例2にはラミー繊維を用いた。この粉体混合
材料を、上述の如くして得たグリーンシートAを第1層
として、このグリーンシートAの上面にノズルから供給
して養生硬化後の厚み3mm相当の第2層を形成し、複
層板を得た。この複層板をプレス機にて加圧成形(30
kg/cm2,5秒間)して上記第2層に凹凸模様を形成した
直後に、この表面にスプレーで水を160乃至1000
g/m2 散水し、この後、80℃の湿熱状態に保たれた
養生室で100時間放置して、厚み1.8mmの無機質
セメント板を得た。
【0016】
【表2】
【0017】実施例4乃至6、及び比較例2 実施例4乃至6、及び比較例2それぞれについて、ポル
トランドセメント、化粧軽量骨材、微粒軽量骨材として
パーライト(見かけ比重0.3)、その他骨材としてケ
イ石粉、及び繊維成分を(表3)に示した配合量に従っ
て水と混合し、混練してペースト状の粉体混合材料を調
製した。上記化粧軽量骨材としては、実施例4、実施例
6及び比較例2には着色流紋岩粉(見かけ比重1.2)
を、実施例5には粘土瓦破砕粉(見かけ比重1.5)を
用いた。上記繊維成分としては、実施例4、実施例6及
び比較例2にはパルプ粉末を用い、実施例5にはラミー
繊維を用いた。この粉体混合材料を、上述の如くして得
たグリーンシートAを第1層として、このグリーンシー
トAの上面にノズルから供給して養生硬化後の厚み3m
m相当の第2層を形成し、複層板を得た。この複層板を
プレス機にて加圧成形(30kg/cm2,5秒間)して上記
第2層に凹凸模様を形成した直後に、この表面にスプレ
ーで水を160乃至1000g/m2 散水し、この後、
80℃の湿熱状態に保たれた養生室で20時間放置して
一次養生し、さらにオートクレーブ中で170℃−15
時間の条件で二次養生して、厚み1.8mmの無機質セ
メント板を得た。
トランドセメント、化粧軽量骨材、微粒軽量骨材として
パーライト(見かけ比重0.3)、その他骨材としてケ
イ石粉、及び繊維成分を(表3)に示した配合量に従っ
て水と混合し、混練してペースト状の粉体混合材料を調
製した。上記化粧軽量骨材としては、実施例4、実施例
6及び比較例2には着色流紋岩粉(見かけ比重1.2)
を、実施例5には粘土瓦破砕粉(見かけ比重1.5)を
用いた。上記繊維成分としては、実施例4、実施例6及
び比較例2にはパルプ粉末を用い、実施例5にはラミー
繊維を用いた。この粉体混合材料を、上述の如くして得
たグリーンシートAを第1層として、このグリーンシー
トAの上面にノズルから供給して養生硬化後の厚み3m
m相当の第2層を形成し、複層板を得た。この複層板を
プレス機にて加圧成形(30kg/cm2,5秒間)して上記
第2層に凹凸模様を形成した直後に、この表面にスプレ
ーで水を160乃至1000g/m2 散水し、この後、
80℃の湿熱状態に保たれた養生室で20時間放置して
一次養生し、さらにオートクレーブ中で170℃−15
時間の条件で二次養生して、厚み1.8mmの無機質セ
メント板を得た。
【0018】
【表3】
【0019】上記の如くして得た無機質セメント板につ
いて、切断加工したときの切断性、及び表面の外観につ
いて評価し、その結果を(表4)に示した。実施例1乃
至実施例6の無機質セメント板は、切断加工したときの
割れや欠けのない、切断性の良好なものであり、表面の
外観も所望の色に着色された材質感のあるものであっ
た。一方、比較例1乃至比較例2の無機質セメント板
は、切断加工したときに切断面から亀裂が入った割れが
発生し、表面の外観は骨材が剥がれた粗雑なものであっ
た。
いて、切断加工したときの切断性、及び表面の外観につ
いて評価し、その結果を(表4)に示した。実施例1乃
至実施例6の無機質セメント板は、切断加工したときの
割れや欠けのない、切断性の良好なものであり、表面の
外観も所望の色に着色された材質感のあるものであっ
た。一方、比較例1乃至比較例2の無機質セメント板
は、切断加工したときに切断面から亀裂が入った割れが
発生し、表面の外観は骨材が剥がれた粗雑なものであっ
た。
【0020】
【表4】
【0021】
【発明の効果】本発明の請求項1の無機質セメント板の
製造方法によると、上記第2層を形成する粉体混合材料
の骨材として、該無機質セメント板の表面を化粧する、
見かけ比重0.4乃至1.6、粒径0.1乃至3mmの
化粧軽量骨材を上記粉体混合材料に対して10乃至80
重量%含有し、且つ該無機質セメント板の強度を向上さ
せる、見かけ比重1.3以下、粒径3mm以下の微粒軽
量骨材を上記粉体混合材料に対して10乃至80重量%
含有するので、得られた無機質セメント板には、表面を
何かにぶつけたり、擦ったりして破損しても、破損箇所
の色が同一で目立たず、意匠性が著しく低下することが
ないものであって、且つ、切断加工したときに割れや欠
けを生じない、切断性に優れたものが提供できる。
製造方法によると、上記第2層を形成する粉体混合材料
の骨材として、該無機質セメント板の表面を化粧する、
見かけ比重0.4乃至1.6、粒径0.1乃至3mmの
化粧軽量骨材を上記粉体混合材料に対して10乃至80
重量%含有し、且つ該無機質セメント板の強度を向上さ
せる、見かけ比重1.3以下、粒径3mm以下の微粒軽
量骨材を上記粉体混合材料に対して10乃至80重量%
含有するので、得られた無機質セメント板には、表面を
何かにぶつけたり、擦ったりして破損しても、破損箇所
の色が同一で目立たず、意匠性が著しく低下することが
ないものであって、且つ、切断加工したときに割れや欠
けを生じない、切断性に優れたものが提供できる。
【0022】請求項2に係る無機質セメント板において
は、上記粉体混合材料の繊維成分として、セルロース系
繊維を上記粉体混合材料に対して1乃至10重量%用い
ているので、上記セルロース系繊維が上記第2層の補強
効果を奏し、該無機質セメント板の表面からの骨材の剥
がれ等を防止する。したがって、無機質セメント板が表
面状態の緻密な、良好な外観を有したものとなる。
は、上記粉体混合材料の繊維成分として、セルロース系
繊維を上記粉体混合材料に対して1乃至10重量%用い
ているので、上記セルロース系繊維が上記第2層の補強
効果を奏し、該無機質セメント板の表面からの骨材の剥
がれ等を防止する。したがって、無機質セメント板が表
面状態の緻密な、良好な外観を有したものとなる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−214529(JP,A) 特開 平5−200714(JP,A) 特開 昭61−149312(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 11/04 B28B 1/52 B28B 3/02
Claims (2)
- 【請求項1】 セメントと骨材と繊維成分を主成分とす
る水性スラリーを抄造してグリーンシートを形成し、こ
のグリーンシートを第1層としてその上面に、セメント
と骨材と繊維成分を主成分とするペースト状の粉体混合
材料を載せて第2層を形成して複層板とし、この複層板
を加圧成形して上記第2層の上面に凹凸模様を形成し、
これを養生硬化する無機質セメント板の製造方法であっ
て、上記第2層を形成する粉体混合材料の骨材として、
該無機質セメント板の表面を化粧する、見かけ比重0.
4乃至1.6、粒径0.1乃至3mmの化粧軽量骨材を
上記粉体混合材料に対して10乃至80重量%含有し、
且つ該無機質セメント板の強度を向上させる、見かけ比
重1.3以下、粒径3mm以下の微粒軽量骨材を上記粉
体混合材料に対して10乃至80重量%含有することを
特徴とする無機質セメント板の製造方法。 - 【請求項2】 上記粉体混合材料の繊維成分として、セ
ルロース系繊維を上記粉体混合材料に対して1乃至10
重量%用いることを特徴とする請求項1記載の無機質セ
メント板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08696594A JP3208985B2 (ja) | 1994-04-25 | 1994-04-25 | 無機質セメント板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08696594A JP3208985B2 (ja) | 1994-04-25 | 1994-04-25 | 無機質セメント板の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07290435A JPH07290435A (ja) | 1995-11-07 |
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1994
- 1994-04-25 JP JP08696594A patent/JP3208985B2/ja not_active Expired - Fee Related
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