JP2000300881A - ミシンの糸調子装置 - Google Patents

ミシンの糸調子装置

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JP2000300881A
JP2000300881A JP11110949A JP11094999A JP2000300881A JP 2000300881 A JP2000300881 A JP 2000300881A JP 11110949 A JP11110949 A JP 11110949A JP 11094999 A JP11094999 A JP 11094999A JP 2000300881 A JP2000300881 A JP 2000300881A
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tension
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Takashi Tsukioka
高志 月岡
Kazuaki Ishii
一明 石井
Mitsuhiro Tachikawa
充宏 立川
Takayuki Shiina
隆行 椎名
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、糸の暴れを防止して正確な糸張
力の制御を可能とする糸調子装置、並びに、糸の外れに
くい糸調子装置を提供することを目的としている。 【解決手段】 ミシンの糸に張力を与える糸調子器19
と、この糸調子器19に作用して該糸調子器19から糸
に加わる張力を変化させる駆動手段60と、この駆動手
段60に出力される電気量を制御することで糸調子器1
9に掛けられる糸張力を変更制御する制御手段と、天秤
82より糸の上流側で天秤82の動作に伴う糸の運動を
吸収する糸取りバネ3とを備えたミシンの糸調子装置で
ある。そして、糸調子器19の糸の上流側または下流側
で糸に張力を与えて糸の暴れを低減する副糸調子2を備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、糸に張力を与え
るミシンの糸調子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ソレノイド又はボイスコイルモータ等の
電気的駆動手段を用いて、縫製中、糸に与える張力を変
化させることの可能な糸調子装置は知られている。一般
的なミシンでは、ミシン針の前段に天秤が設けられ、糸
が大きく上下に振られる。そして、この糸の運動を抑え
るために糸取りバネと云った構成を糸調子の傍らに設け
対応している。糸取りバネは、糸に引っ掛けられると共
に、糸の動きに応じて小さな張力で配置を変化させ、糸
にたるみが出ないように作用する。また、例えば一対の
調子皿で糸を挟んで糸に張力を与えるタイプの従来の糸
調子では、一対の調子皿の中央に穴部が設けられ、該穴
部に支柱が挿通されることで調子皿が支持されると共
に、調子皿に対して支柱に沿った方向にバネ圧を付加す
ることで、一対の調子皿の間に押圧力を発生させ糸に張
力を作用させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のミシンの糸調子装置では、糸取りバネから糸に及ぼ
される作用力が、糸を伝って糸調子と糸取りバネの間、
又は、糸調子より糸の上流側(糸巻き側)に現れ、糸調
子と糸取りバネまたは糸調子より上流側でミシン糸が大
きく横方向に振れてしまうと云った課題を発生させた。
糸振れが生じると、この糸振れにより糸張力が増減し
て、電気的な制御により糸張力の微妙な調整を行なおう
としても、正確な張力制御が行なえないという問題を発
生させる。
【0004】また、電気的な制御で糸張力を変化させる
糸調子装置に、調子皿で糸を挟んで張力を与えるタイプ
の糸調子器を適用させると、調子皿の押圧力が例えば
「0」からかなり強い力まで変化するため、掛けられて
いた糸が調子皿から外れてしまったり、押圧により調子
皿の外周方向に誘導されて糸が調子皿から抜けてしまう
といった課題を発生させた。このような課題は、例え
ば、糸調子器を通過する糸が糸調子器に対して鋭角に掛
けられている場合には余り発生しないが、ミシンアーム
部のレイアウトの関係により、糸調子器を通過する糸が
糸調子器に対してあまり角度を有さずに掛けられる場合
に発生しやすかった。
【0005】この発明は、上記実状に鑑みてなされたも
ので、糸の暴れを防止して糸暴れによる制御不能な糸張
力の変化を無くし、微妙な糸張力の制御も可能な糸調子
装置、並びに、糸の外れにくい糸調子装置を提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】次に示す手段の説明中、
かぎ括弧により実施の形態に対応する構成を1例として
例示する。実施の形態と同一の単語を使用している場合
には、符号のみ記す。上記課題を解決するため、請求項
1記載の発明は、ミシンの糸に張力を与える糸調子器
〔19〕と、この糸調子器に作用して該糸調子器から糸
に加わる張力を変化させる駆動手段〔ソレノイド60〕
と、この駆動手段に出力される電気量を制御することで
前記糸調子器に掛けられる糸張力を変更制御する制御手
段と、天秤〔82〕より糸の上流側で天秤の動作に伴う
糸の運動を吸収する糸取り手段〔糸取りバネ3〕とを備
えたミシンの糸調子装置において、前記糸調子器〔1
9〕の糸の上流側または下流側で糸に張力を与えて糸の
暴れを低減する副糸調子〔2〕を備えた構成とした。
【0007】この請求項1記載の発明によれば、糸取り
手段から糸調子器の上流側又は下流側に糸の振動が伝わ
って、糸が糸経路の横方向に大きく振れてしまうと云っ
た従来の現象が、上記副糸調子により低減される。従っ
て、電気的な制御により微妙な糸張力の調整を行なう場
合でも、従来生じていた糸振りにより糸張力の制御に不
確定な糸張力が加わると云った不具合が回避され、確実
で正確な糸張力の制御が可能となる。
【0008】ここで、上記糸調子器や副糸調子の形式
は、例えば、一対の調子皿により糸を挟んで張力を与え
る形式などがありえるが、これに限られず、種々の形式
のものを適用して良い。上記駆動手段は、ソレノイド、
比例ソレノイド、ボイスコイルモータ、エアピストンと
電磁弁又は比例制御電磁弁など、種々のタイプが適用可
能である。
【0009】請求項2記載の発明は、ミシンの糸を挟持
部材〔固定皿66、可動皿67〕により挟持することで
糸に張力を与える糸調子器〔19〕と、前記糸調子器に
作用して該糸調子器から糸に与えられる張力を変化させ
る駆動手段〔ソレノイド60〕と、この駆動手段に出力
される電気量を制御することで前記糸調子器に掛けられ
る糸張力を変更制御する制御手段とを備えたミシンの糸
調子装置において、前記糸調子器に、前記挟持部材にお
ける糸経路を保持して糸が挟持部材から逃げるのを防止
する案内手段〔スリット68c、糸通し孔68d〕が設
けられているミシンの糸調子装置とした。
【0010】この請求項2記載の発明によれば、糸調子
器に上記案内手段が設けられているので、例えばミシン
のアーム部に配する各種部品のレイアウトの都合で、糸
調子器に掛ける(又は通過させる)糸の経路の屈折角が
鋭角にできず、ほとんど角度のない状態になった場合で
も、上記案内手段により糸が糸調子器から抜けてしまう
ことがない。すなわち、電気的な制御により糸の押圧が
「0」から強い押圧まで変化する糸調子器であっても、
押圧低下により途中で糸が外れたり押圧力の増加により
糸が挟持部材に押し出されたりする心配がなく、安定し
て糸に張力をかけることができる。従って、糸調子器の
ミシンアーム部へのレイアウトが自由に行なえるという
効果を奏する。また、案内手段は、糸調子器内に設けら
れているものなので、既存の糸ガイドなどと異なり、ミ
シンアーム部に固定するための領域を必要とせず、ミシ
ンアーム部や糸調子器の周辺をすっきりさせることが出
来る。
【0011】ここで、案内手段は、例えば、下記の請求
項3の構成のタイプ、又は、押圧部材上の糸経路の途中
まで糸案内溝を設け、糸をこの糸案内溝に途中まで通す
と共に、糸案内溝の先で糸を押圧する構成など、種々の
構成があり得る。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項2記載のミ
シンの糸調子装置において、前記糸調子器〔19〕が、
挟持部材としての調子皿〔固定皿66、可動皿67〕
と、該調子皿に設けられた穴部に挿通されて該調子皿を
支持する支持棒〔可動ピン68〕とを備えてなる一方、
前記案内手段は前記支持棒に設けられたスリット〔スリ
ット68c、糸通し孔68d〕により構成され、ミシン
の糸が前記支持棒のスリットを通過した上で前記調子皿
に挟持される構成とした。
【0013】この請求項3記載の発明によれば、調子皿
による糸の押圧作用になんら影響を与えることなく、支
持棒に設けられたスリットにより糸の確実な案内を行な
うことが出来る。つまり、糸外れのない確実な糸の案内
と、駆動手段による微妙な張力変化を可能とする調子皿
による糸の押圧の両方を、互いに劣らせることなく確実
に行なわせることが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の
実施の形態の糸調子装置を備えたミシンの全体像を示す
正面図である。この実施の形態の糸調子装置は、糸に加
わる張力が変更可能な主糸調子装置1、主糸調子装置1
より糸の下流側(ミシン針側)で糸に張力を与えるプリ
テンション(副糸調子)2、および、糸取り手段として
の糸取りバネ3等から構成され、ミシン100のアーム
部81に設けられて、天秤82より糸の上流側(上糸供
給側)にて上糸に張力をかけて上糸の張力の制御を行な
う装置である。図1において4〜8は糸案内である。
【0015】この実施の形態の糸調子装置が適用される
ミシン100は、例えば、ボタン穴のかがり縫いを形成
する工業用のサイクルミシン(ボタン穴かがり縫いミシ
ン)であり、縫製箇所により(例えば縫いピッチの大小
により)糸張力の変更が必要である。更に、縫製パター
ンの大きさや形状を変更したり、縫目を形成する身ごろ
布の変更や縫いあがりの風合いを変更する場合には、上
糸張力を標準値から多少ずれた値に設定変更する必要が
ある。そこで、上記の主糸調子装置1の電気的な制御に
より、縫製パターンの各部の縫製の際に、上糸張力を適
宜自動的に変更制御を行なう。
【0016】図2は主糸調子装置1の側面図、図3は主
糸調子装置1の分解斜視図である。主糸調子装置1は、
図2と図3に示すように、ベース部材69、糸調子器1
9、駆動手段であるソレノイド60、可動ピン68、お
よび、ミシン100の制御を兼ねながらソレノイド60
の駆動制御を行なう制御回路(図示略)等を備えて構成
される。糸調子器19は、1対の調子皿(固定皿66と
可動皿67)の間に上糸を挟んで該上糸に抵抗力を与え
ると共に、ソレノイド60の推力により縫製中に上記抵
抗力を連続的に変化させることの可能な動的な糸調子
(アクティブテンション)である。
【0017】ネジ71,71は、ベース部材69のネジ
挿通孔69a,69aと、アーム部フレーム81Aのネ
ジ挿通孔81Aa,81Aaに挿通されてソレノイド6
0のネジ孔60a,60aに螺合される。それにより、
ベース部材69はアーム部フレーム81Aの外側に、ソ
レノイド60はアーム部フレームA81の内側に、ネジ
71,71によりそれぞれ一体的に止着される。可動ピ
ン68は、一端側のネジ部68bとネジが切られていな
い他端側の軸部68aを有し、調子皿(固定皿66と可
動皿67)の中央貫通孔66a,67a、とベース部材
69の挿通孔69bに挿通されて、プランジャ(可動
部)61の先端のネジ孔61aに螺合される。可動ピン
68とプランジャ61の固定位置はナット70の締付け
により適宜調整できる。可動ピン68が固定されたとき
固定皿66と可動皿67の部分には軸部68aが位置す
るように設定される。この可動ピン68には、案内手段
としてのスリット68cおよび糸通し孔68dが設けら
れており、上糸Lはスリット68cを介してその奥端の
糸通し穴68dまで通された上で、2枚の調子皿(固定
皿66と可動皿67)に挟まれるようにセットされる。
2枚の調子皿(固定皿66と可動皿67)がセットされ
た状態では、糸通し穴68dが2枚の調子皿(固定皿6
6と可動皿67)の間の押圧面と重なる位置にあり、且
つ、スリット68cの入り口が上記押圧面から外れた位
置にある。それゆえ、2枚の調子皿がセットされた状態
では、ミシン糸は糸調子器19から外れないようになっ
ている。
【0018】図4は主糸調子装置1のソレノイド60の
断面図、図5は、ソレノイド60のストローク対推力を
示すグラフ図である。ソレノイド60は、機枠62、コ
イル用フレーム63、コイル64、プランジャ61、お
よび、磁性部材65等から構成される。プランジャ61
は、軸方向に移動可能で且つ回転不能に軸受け62A,
62Bに支持されている。プランジャ61に固着された
磁性部材65は、円筒形状でその一部に軸心からの径を
かえる段部65aが形成されている。そして、この形状
により、推力がストロークによらない特定ストローク区
間Wが得られる。
【0019】このソレノイド60は、通電電流が一定の
とき、ストローク−推力で図5のヒステリシスカーブに
示す特性が得られる。すなわち、推力がプランジャ61
のストロークによらない特定ストローク区間Wが得られ
る。上記主糸調子装置1において、可動ピン68とプラ
ンジャ61の固定位置はナット70の締付けにより適宜
調整できるが、プランジャ61が糸調子器19に作用さ
れる状態のプランジャ61のストローク区間が、上記特
定ストローク区間Wに含まれるように、上記ナット7の
締付位置が設定されている。ここで、プランジャ61が
糸調子器19に作用される状態とは、一対の調子皿(固
定皿66、可動皿67)がベース部材69と可動ピン6
8に挟まれて当接した状態から、上糸が一対の調子皿の
間に挟まれた状態までのことを指す。糸調子器19に作
用するプランジャ61のストロークを、特定ストローク
区間Wに設定するには、例えば、ナット70をゆるめた
状態で、ソレノイド60の後方に突出したプランジャ6
1の先端の突出量W’を計測しながら、可動ピン68の
溝部68eをドライバ等で可動皿67と固定皿66がベ
ース部材69に当接する状態で回転させ、その突出量
W’が図5の「S」の値から特定ストローク区間Wに対
応する位置にもっていき、その位置でナット70を締め
て可動ピン68とプランジャ61を固定することで達成
される。このプランジャ61のストロークは、ミシンで
使用しうる極太の縫い糸に相当する値(約1mm)とな
る必要があり、少なくとも、通常使用する縫い糸の太さ
(0.2〜0.3mm)に相当する値は必要である。そ
の範囲において、極太又は通常使用する縫い糸の太さに
わずかな補償値(コンマミリ単位)を加えた値に設定し
ても良い。
【0020】図6は、ソレノイド60の電流値対推力を
示すグラフ図である。また、ストローク一定のときに
は、通電電流−推力で図6のヒステリシスカーブに示す
特性が得られる。すなわち、ストローク一定で、ソレノ
イド60に出力される通電電流Cが大きくなるに従って
通電電流Cに対する推力Fの変化量が大きくなる特性が
得られる。ソレノイド60は、コイル64に通電するこ
とで可動ピン68を引き込む方向に駆動する方向に取り
付けられている。そして、通電電流の増大に従って可動
ピン68を引き込む推力を増大させる。
【0021】プリテンション2は、糸にバネにより比較
的弱い張力を付加する一般的な糸調子であり、糸を挟ん
で押圧する調子皿21や、調子皿21の押圧力を調整す
るダイヤル22などを備えてなる。プリテンション2
は、主糸調子装置1と糸取りバネ3との間の糸に作用し
て張力を付加するものである。糸取りバネ3は、従来公
知の構成であり、上糸が引っ掛けられる部分がプリテン
ション2の周囲に沿って回動するように設けられたバネ
で、比較的に弱い力で矢印E方向に変位して天秤82の
上下動に伴う糸の運動を吸収して糸のたるみをとるもの
である。
【0022】以上のように、この実施の形態のミシン1
00の主糸調子装置1によれば、従来あった、糸取りバ
ネ3により生じる上糸Lの振動が主糸調子装置1の上流
側又は下流側に伝わって上糸Lが糸経路の横方向に大き
く振れてしまうと云った現象が、主糸調子装置1の上流
側に設けられたプリテンション2により低減される。従
って、電気的な制御による主糸調子装置1の微妙な糸張
力の調整に、糸の振れによる不確定な糸張力が加わると
云った不都合が回避され、確実で正確な糸張力制御が可
能となる。また、例えばミシンのアーム部81に配する
各種部品のレイアウトの都合で、糸調子器19に掛ける
(又は通過させる)糸の経路の屈折角(糸調子器19よ
り上流側に伸びる上糸と、糸調子器19より下流側に伸
びる上糸との成す角度)が鋭角にできず、ほとんど角度
のない状態になった場合でも、糸調子器19の可動ピン
68に設けられたスリット68cおよび糸通し穴68d
(案内手段)により、糸が糸調子器19から抜けてしま
うことがない。すなわち、電気的な制御により糸の押圧
が「0」から強い押圧まで変化する主糸調子装置1であ
っても、押圧低下により途中で糸が外れたり押圧力の増
加により糸が調子皿の外周方向に押し出されて外れたり
する心配がない。従って、糸調子器19のミシンアーム
部81へのレイアウトが自由に行なえるという効果を奏
する。また、調子皿の支持棒である可動ピン68にスリ
ット68cを設けて糸の案内手段としているので、調子
皿による糸の押圧作用になんら影響を与えることなく、
糸の確実な案内を行なうことが出来る。
【0023】なお、本発明は、この実施の形態のミシン
の糸調子装置(主糸調子装置1、プリテンション2およ
び糸取りバネ3)に限られず、発明の主旨を逸脱しない
範囲で適宜変更可能である。例えば、糸に与える張力が
可能な糸調子器(主糸調子装置1)、副糸調子(プリテ
ンション2)、糸取り手段(糸取りバネ3)との配置
は、天秤側から糸取り手段、副糸調子、糸調子器の順に
限られず、天秤側から糸取り手段、糸調子器、副糸調子
の順としても良い。この順序であっても、糸調子器より
上流側に生じる糸の振れが抑えられて正確な糸張力制御
が可能となると云った同様の効果が得られる。また、糸
調子器に設ける案内手段の構成も、可動ピン68に設け
たスリット68cや糸通し孔68dに限られず、例え
ば、調子皿の途中に案内溝を設けるなど、その他の構成
もあり得る。また、糸調子器を駆動する駆動手段は、こ
の実施の形態の特殊なソレノイド60に限られず、種々
の駆動手段を用いても良い。しかしながら、この実施の
形態のソレノイド60を使用することで、特に微妙で正
確な糸張力制御が可能となることから、この実施の形態
のソレノイド60を使用した糸調子装置において、副糸
調子器を設けて糸振れによる糸張力の不正確さを取り除
く重要性は高くなる。
【0024】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、従来あっ
た糸取り手段により生じる糸の振動が糸調子器の上流側
又は下流側に伝わって、糸が糸経路の横方向に大きく振
れてしまうと云った現象が、糸調子器の上流側又は下流
側に副糸調子を設けることにより低減される。従って、
電気的な制御による微妙な糸張力の調整に、糸の振れに
よる不確定な糸張力が加わり、制御不能な不確定さが生
じるといった不具合を回避できる。
【0025】請求項2記載の発明によれば、例えばミシ
ンのアーム部に配する各種部品のレイアウトの都合で、
糸調子器に掛ける(又は通過させる)糸の経路の屈折角
が鋭角にできず、ほとんど角度のない状態になった場合
でも、糸調子器に設けられた案内手段により、糸が糸調
子器から抜けてしまうことがない。すなわち、電気的な
制御により糸の押圧が「0」から強い押圧まで変化する
糸調子器であっても、押圧低下により途中で糸が外れた
り押圧力の増加により糸が挟持部材に押し出されたりす
る心配がない。従って、糸調子器のミシンアーム部への
レイアウトが自由に行なえるという効果を奏する。ま
た、案内手段は、糸調子器内に設けられているものなの
で、既存の糸ガイドなどと異なり、ミシンアーム部に固
定するための領域を必要とせず、ミシンアーム部や糸調
子器の周辺をすっきりさせることが出来る。
【0026】請求項3記載の発明によれば、調子皿の支
持棒にスリットを設けて糸の案内手段とすることで、調
子皿による糸の押圧作用になんら影響を与えることな
く、糸の確実な案内を行なうことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の糸調子装置を備えたミシ
ンの正面図である。
【図2】図1の糸調子装置を示す側面図である。
【図3】同、ミシンの糸調子装置の分解斜視図である。
【図4】同、糸調子装置のソレノイドを示す断面図であ
る。
【図5】図4のソレノイドのストローク対推力を示すグ
ラフ図である。
【図6】同、ソレノイドの電流値対推力を示すグラフ図
である。
【符号の説明】
1 主糸調子装置 2 プリテンション(副糸調子) 3 糸取りバネ(糸取り手段) 4〜8 糸案内 19 糸調子器 60 ソレノイド(駆動手段) 61 プランジャ(可動部) 66 固定皿 67 可動皿 68 可動ピン 68c スリット(案内手段) 68d 糸通し孔(案内手段) 81 アーム部 82 天秤 84 ミシン針 100 ミシン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立川 充宏 東京都調布市国領町8丁目2番地の1 ジ ューキ株式会社内 (72)発明者 椎名 隆行 東京都調布市国領町8丁目2番地の1 ジ ューキ株式会社内 Fターム(参考) 3B150 CD00 CD01 CE27 FD07 FD15 JA11 NB15 NC11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンの糸に張力を与える糸調子器と、 この糸調子器に作用して該糸調子器から糸に加わる張力
    を変化させる駆動手段と、 この駆動手段に出力される電気量を制御することで前記
    糸調子器に掛けられる糸張力を変更制御する制御手段
    と、 天秤より糸の上流側で天秤の動作に伴う糸の運動を吸収
    する糸取り手段とを備えたミシンの糸調子装置におい
    て、 前記糸調子器の糸の上流側または下流側で糸に張力を与
    えて糸の暴れを低減する副糸調子を備えたことを特徴と
    するミシンの糸調子装置。
  2. 【請求項2】 ミシンの糸を挟持部材により挟持するこ
    とで糸に張力を与える糸調子器と、 前記糸調子器に作用して該糸調子器から糸に与えられる
    張力を変化させる駆動手段と、 この駆動手段に出力される電気量を制御することで前記
    糸調子器に掛けられる糸張力を変更制御する制御手段と
    を備えたミシンの糸調子装置において、 前記糸調子器に、前記挟持部材における糸経路を保持し
    て糸が挟持部材から逃げるのを防止する案内手段が設け
    られていることを特徴とするミシンの糸調子装置。
  3. 【請求項3】 前記糸調子器は、挟持部材としての調子
    皿と、該調子皿に設けられた穴部に挿通されて該調子皿
    を支持する支持棒とを備えてなる一方、 前記案内手段は前記支持棒に設けられたスリットにより
    構成され、 ミシンの糸が前記支持棒のスリットを通過した上で前記
    調子皿に挟持されることを特徴とする請求項2記載のミ
    シンの糸調子装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116536858A (zh) * 2022-12-19 2023-08-04 上海富山精密机械科技有限公司 线张力自平衡装置、自平衡方法及其应用

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