JP2000300861A - ネット刃の構造 - Google Patents

ネット刃の構造

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JP2000300861A
JP2000300861A JP11569599A JP11569599A JP2000300861A JP 2000300861 A JP2000300861 A JP 2000300861A JP 11569599 A JP11569599 A JP 11569599A JP 11569599 A JP11569599 A JP 11569599A JP 2000300861 A JP2000300861 A JP 2000300861A
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JP
Japan
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synthetic resin
blade
resin layer
metal
net
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JP11569599A
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English (en)
Inventor
Shinji Fujimoto
真司 藤本
Shuji Yamada
修司 山田
Shigetoshi Sakon
茂俊 佐近
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で刃先長を大きく且つ強度を確保
し且つ肌を切断する危険が無く且つ肌当たりを良くする
ことができるネット刃を提供できる。 【解決手段】 刃先角が30〜60°の刃先1を有し且
つ刃厚が30〜60μmの金属刃2の上面部に厚さ20
〜40μmの合成樹脂層部3を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、往復式電気かみそ
りや女性用腕足等の無駄毛剃り器等の美容機器における
ネット刃の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、往復式のネット刃としては図5、
図6に示すような1段刃と、図7に示すような2段刃と
があった。図においてAはネット刃、10は内刃、11
は髭、12は肌、Mは刃先長を示している。
【0003】ところで、往復式のネット刃Aが1段刃で
あると開口率の確保、肌の切断防止、強度の確保といっ
た制限から刃先1の刃先角を鋭利化するには限界があっ
た。すなわち、開口率を変えずに刃先角を鋭利にし、且
つ図6に示すように刃先長Mを十分に大きくしようとす
るとネット刃Aの開口部13への肌12のくい込み量が
大きくなるため、肌12を切断する危険が高まるだけで
なく、薄肉化するため強度も下がるという問題ある。
【0004】そこで、図7に示すようにネット刃Aの刃
先1の刃先角を2段にして刃先の鋭利さと強度とを同時
に確保する技術手段があるが、圧印加工がより複雑にな
る。しかもこの2段刃を形成するに当たっては、肌12
の切断を防止するためには刃厚を大きくすることと開口
率を下げることの2つの技術的手段があるが、刃厚を大
きくすると打ち抜きが困難になり、また、開口率を下げ
ると髭などの毛の導入率が低下するという問題がある。
【0005】更に、髭剃りのような毛剃り時に肌が金属
に接しざるを得ないために金属アレルギー、金属特有の
肌への吸い付き感が生じてしまうという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、簡単な構成で刃先長を大きく
且つ強度を確保し且つ肌を切断する危険が無く且つ肌当
たりを良くすることができ、また、髭等の毛の導入効率
を上げることができ、また、刃先に合成樹脂がコーティ
ングされることなく確実に金属刃の上面部に合成樹脂層
部を形成でき、また、使用に当たって合成樹脂層部の摩
耗を防止して長寿命化が図れ、また、様々な厚さの合成
樹脂層部を形成でき、また、容易にリサイクルすること
ができるネット刃の構造を提供することを課題とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係るネット刃の構造は、刃先角αが30〜6
0°の刃先1を有し且つ刃厚が30〜60μmの金属刃
2の上面部に厚さ20〜40μmの合成樹脂層部3を形
成して成ることを特徴とするものである。このような構
成とすることで、簡単な構成で2段刃とすることができ
て刃先1の刃先長Mが長くて鋭利な刃を形成することが
でき、また、合成樹脂層部3を表層に有していることか
ら肌当たりが良くなるものである。
【0008】また、合成樹脂層部3の形状を台形または
山形形状とすることが好ましい。このような構成とする
ことで、髭のような毛の導入がしやすく、髭のような毛
の導入率を上げることができるものである。
【0009】また、合成樹脂層部3が、金属刃2の上面
に合成樹脂をロールコータによりコーティングして形成
してあることが好ましい。このような構成とすること
で、刃先1に合成樹脂がコーティングされることなく金
属刃2の上層のみに合成樹脂をコーティングして刃先1
を除いて合成樹脂層部3を形成できるものである。
【0010】また、合成樹脂層部3が、粘度500〜1
000cpsの合成樹脂を金属刃2の上面にコーティン
グして形成したものであることが好ましい。すなわち、
ロールコータにより合成樹脂をコーティングする際、合
成樹脂の粘度が高すぎると合成樹脂層部3の厚みが厚く
なり、粘度が低すぎると合成樹脂層部3の厚みが薄くな
るばかりでなく、合成樹脂がたれて刃先1にも合成樹脂
がコーティングされてしまうが、コーティングする合成
樹脂の粘度を500〜1000cpsとすることで、金
属刃2の刃先1を除く上面部にのみ20〜40μm合成
樹脂がコーティングされた合成樹脂層部3を形成したネ
ット刃を提供できる。
【0011】また、合成樹脂層部3が耐摩耗性の合成樹
脂により形成してあることが好ましい。このような構成
とすることで、使用に当たって合成樹脂層部3が摩耗し
て無くなるということを防止することができる。
【0012】また、合成樹脂層部3がマイクログラビア
ロールによる合成樹脂のコーティングにより形成してあ
ることが好ましい。このような構成とすることで、マイ
クログラビアロールのメッシュを変えることで、転写コ
ーティングして形成される合成樹脂層部3の厚みが異な
るものを簡単に得ることができるものであり、濃い髭の
人には合成樹脂層部3の厚みの厚いもの、薄い髭の人に
は合成樹脂層部3の厚みの薄いものというようにニーズ
に合わせて簡単に様々な厚さの合成樹脂層部3を形成す
ることができるものである。
【0013】また、合成樹脂層部3が熱可塑性合成樹脂
により形成してあることが好ましい。このような構成と
することで、ネット刃Aが切れなくなって交換された場
合、交換されて使用されなくなったネット刃Aは廃棄さ
れるが、この廃棄されるネット刃Aを加熱するのみで、
金属刃2よりなる金属部と、合成樹脂層部3よりなる合
成樹脂とを分別することができる。
【0014】また、合成樹脂層部3が溶剤に溶解する合
成樹脂により形成してあることが好ましい。このような
構成とすることで、ネット刃Aが切れなくなって交換さ
れた場合、交換されて使用されなくなったネット刃Aは
廃棄されるが、溶剤で合成樹脂を溶かして、金属部と合
成樹脂とに分別することができるものである。
【0015】また、金属刃2と合成樹脂層部3との間に
厚さ1〜2μmの熱可塑性又は溶剤に可溶な合成樹脂を
介在させることが好ましい。このような構成とすること
で、ネット刃Aが切れなくなって交換された場合、交換
されて使用されなくなったネット刃Aは廃棄されるが、
加熱するか又は溶剤に可溶な合成樹脂を溶剤で溶かすこ
とにより、中間の合成樹脂を熱又は溶剤で溶かして金属
部と合成樹脂とに分別することができるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態に基づいて説明する。
【0017】図1には本発明のネット刃Aの斜視図が示
してあり、図2には断面図が示してある。金属刃2は多
数の開口部を有するネット状に形成してあり、刃先1の
刃先角αが30〜60°と鋭角で且つ刃厚Hが30〜6
0μmとなっている金属刃2の桟部分の上面部に厚さ2
0〜40μmの合成樹脂層部3を形成して本発明のネッ
ト刃Aが構成してある。そして、本発明のネット刃Aは
図4のように髭11を切断するのに使用される。図4に
おいて10は内刃、12は肌を示している。ここで、従
来にあって、1段刃の金属だけで形成したネット刃にお
ける刃先角は60°以上であるが、上記の本発明のネッ
ト刃Aは刃先1の刃先角αが30〜60°であるため鋭
利であって刃先長Mを長くとることができ、また、刃厚
Hが30〜60μmとなっている金属刃2の桟部分の上
面部に厚さhが20〜40μmの合成樹脂層部3を形成
してあるので、肌当たりもよいものである。
【0018】合成樹脂層部3を形成するための合成樹脂
としては例えば、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、アクリル
樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の耐摩耗
性を有する合成樹脂を挙げることができるが、必ずしも
これにのみ限定されるものではなく、他の合成樹脂であ
ってもよいものである。また、合成樹脂層部3を形成す
る合成樹脂の種類と厚みを選ぶことで使用とともに合成
樹脂層部3が摩耗して寿命を表示することができるよう
にしてもよいものである。
【0019】刃先1が鋭角な金属刃2の桟部分の上面部
に厚さ20〜40μmの合成樹脂層部3を形成するに当
たっては、図3に示すように合成樹脂層部3の形状を台
形状とすると髭のような毛の導入がしやすく、髭のよう
な毛の導入率を上げることができるものである。また、
合成樹脂層部3の形状を山形状としても台形状の場合と
同様に髭のような毛の導入がしやすく、髭のような毛の
導入率を上げることができるものである。
【0020】また、刃先1の刃先角αが30〜60°と
鋭角で且つ刃厚Hが30〜60μmとなっている金属刃
2の桟部分の上面部に厚さ20〜40μmの合成樹脂層
部3を形成するにあたっては、金属刃2の桟部分の上面
部にロールコータにより合成樹脂をコーティングするこ
とで金属刃2の桟部分の上面部に厚さ20〜40μmの
合成樹脂層部3を形成するものである。
【0021】一例を示すと、金属刃2の桟部分の上面部
にエポキシ樹脂をコーティングすると金属刃2の桟部分
の上面部にのみ30μmエポキシ樹脂がコーティングさ
れて30μm厚の合成樹脂層部3が形成され、この場
合、金属刃2の刃先1にはエポキシ樹脂がコーティング
されなかった。
【0022】また、金属刃2の桟部分の上面部にアクリ
ル樹脂をコーティングすると金属刃2の桟部分の上面部
にのみ25μmアクリル樹脂がコーティングされて25
μm厚の合成樹脂層部3が形成され、この場合、金属刃
2の刃先1にはアクリル樹脂がコーティングされなかっ
た。
【0023】なお、金属刃2にスピンコータでエポキシ
樹脂をコーティングすると金属刃2の桟部分の上面部だ
けでなく刃先1にもコーティングされるので好ましくな
い。また、金属刃2にデイッピングでアクリル樹脂をコ
ーティングすると金属刃2の桟部分の上面部だけでなく
刃先1にもコーティングされるので好ましくない。
【0024】上記のように、金属刃2の上面に合成樹脂
をロールコータによりコーティングして形成して合成樹
脂層部3が形成してあると、刃先1に合成樹脂がコーテ
ィングされることなく金属刃2の上層のみに合成樹脂を
コーティングして刃先1を除いて合成樹脂層部3を形成
できるものである。
【0025】また、本発明において、合成樹脂層部3
は、粘度500〜1000cpsの合成樹脂を金属刃2
の上面にコーティングして形成してあることが好まし
い。すなわち、ロールコータにより合成樹脂をコーティ
ングする際、合成樹脂の粘度が高すぎると合成樹脂層部
3の厚みが厚くなり、粘度が低すぎると合成樹脂層部3
の厚みが薄くなるばかりでなく、合成樹脂がたれて刃先
1にも合成樹脂がコーティングされてしまうが、上記の
ようにコーティングする合成樹脂の粘度を500〜10
00cpsとすることで、刃先1に合成樹脂層3の厚み
が20〜40μmで且つ刃先1に合成樹脂がコーティン
グされないネット刃を提供できるものである。
【0026】一例を示すと、金属刃2の桟部分の上面部
にロールコータで粘度600cps(マイクログラビア
ロールのメッシュは♯200)のエポキシ樹脂をコーテ
ィングすると金属刃2の桟部分の上面部にのみに25μ
mエポキシ樹脂がコーティングされて25μm厚の合成
樹脂層部3が形成され、この場合、金属刃2の刃先1に
はエポキシ樹脂がコーティングされなかった。そして、
形成された合成樹脂層部3はネット刃Aの寿命を超えた
1年2ヶ月使用後でも23μmの樹脂厚を保っていて耐
摩耗性が良かった。
【0027】また、他の例としては、金属刃2の桟部分
の上面部にロールコータで粘度700cps(マイクロ
グラビアロールのメッシュは♯200)のエポキシ樹脂
をコーティングすると金属刃2の桟部分の上面部にのみ
30μmエポキシ樹脂がコーティングされて30μm厚
の合成樹脂層部3が形成され、この場合、金属刃2の刃
先1にはエポキシ樹脂がコーティングされなかった。そ
して、形成された合成樹脂層部3はネット刃Aの寿命を
超えた1年5ヶ月使用後でも27μmの樹脂厚を保って
いて耐摩耗性が良かった。
【0028】また、更に他の例としては、金属刃2の桟
部分の上面部にロールコータで粘度800cps(マイ
クログラビアロールのメッシュは♯200)のエポキシ
樹脂をコーティングすると金属刃2の桟部分の上面部に
のみ35μmエポキシ樹脂がコーティングされて35μ
m厚の合成樹脂層部3が形成され、この場合、金属刃2
の刃先1にはエポキシ樹脂がコーティングされなかっ
た。そして、形成された合成樹脂層部3はネット刃Aの
寿命を超えた1年6ヶ月使用後でも33μmの樹脂厚を
保っていて耐摩耗性が良かった。
【0029】なお、金属刃2の桟部分の上面部にロール
コータで粘度2000cps(マイクログラビアロール
のメッシュは♯200)のエポキシ樹脂をコーティング
すると金属刃2の桟部分の上面部にのみに55μmエポ
キシ樹脂がコーティングされて55μm厚の合成樹脂層
部3が形成され、この場合、金属刃2の刃先1にはエポ
キシ樹脂がコーティングされなかった。しかしながら、
このものにおいては合成樹脂層部3の厚みが厚すぎて髭
等の毛の深剃りができないので好ましくない。また、金
属刃2の桟部分の上面部にロールコータで粘度80cp
s(マイクログラビアロールのメッシュは♯200)の
エポキシ樹脂をコーティングすると金属刃2の桟部分の
上面部にエポキシ樹脂が3μmコーティングされ、金属
刃2の刃先1にもエポキシ樹脂がコーティングされた。
このものにおいては金属刃2の刃先1にもコーティング
されるため切断性が低下するので好ましくない。
【0030】ところで、合成樹脂層部3を上記のように
マイクログラビアロールによる合成樹脂のコーティング
により形成すると、マイクログラビアロールのメッシュ
を変えることで、転写コーティングして形成される合成
樹脂層部3の厚みが異なるものを簡単に得ることができ
るものである。すなわち、濃い髭の人には合成樹脂層部
3の厚みの厚いもの、薄い髭の人には合成樹脂層部3の
厚みの薄いものというようにニーズに合わせて簡単に様
々な厚さの合成樹脂層部3を形成することができるもの
である。
【0031】前述の説明ではロールコータで合成樹脂を
コーティングするに当たって、マイクログラビアロール
のメッシュが♯200であったが、後述の例のようにメ
ッシュを変更することで、合成樹脂層部3を様々な厚み
とすることができるものである。
【0032】一例を示すと、金属刃2の桟部分の上面部
にロールコータで粘度700cps(マイクログラビア
ロールのメッシュは♯250)のエポキシ樹脂をコーテ
ィングすると金属刃2の桟部分の上面部にのみに26μ
mエポキシ樹脂がコーティングされて26μm厚の合成
樹脂層部3が形成され、この場合、金属刃2の刃先1に
はエポキシ樹脂がコーティングされなかった。そして、
形成された合成樹脂層部3はネット刃Aの寿命を超えた
1年2ヶ月使用後でも23μmの樹脂厚を保っていて耐
摩耗性が良かった。
【0033】また、他の例としては、金属刃2の桟部分
の上面部にロールコータで粘度700cps(マイクロ
グラビアロールのメッシュは♯150)のエポキシ樹脂
をコーティングすると金属刃2の桟部分の上面部にのみ
に33μmエポキシ樹脂がコーティングされて33μm
厚の合成樹脂層部3が形成され、この場合、金属刃2の
刃先1にはエポキシ樹脂がコーティングされなかった。
そして、形成された合成樹脂層部3はネット刃Aの寿命
を超えた1年5ヶ月使用後でも31μmの樹脂厚を保っ
ていて耐摩耗性が良かった。
【0034】ところで、熱可塑性の合成樹脂により合成
樹脂層部3を形成すると、ネット刃Aが切れなくなって
交換された場合、交換されて使用されなくなったネット
刃Aは廃棄されるが、この廃棄されるネット刃Aを加熱
するのみで、金属刃2よりなる金属部と、合成樹脂層部
3よりなる合成樹脂とを分別することができて、資源を
リサイクルすることができるものである。
【0035】一例を示すと、金属刃2の桟部分の上面部
にロールコータで熱可塑性合成樹脂であるポリエチレン
樹脂をコーティングして合成樹脂層部3を形成したネッ
ト刃Aを構成し、このネット刃Aを使用して廃棄する際
に、ネット刃Aに熱を加えると熱可塑性の合成樹脂より
なる合成樹脂層部3が溶け、金属部と合成樹脂部とを分
別することができた。
【0036】一方、金属刃2の桟部分の上面部にロール
コータで2液硬化型合成樹脂であるアクリル樹脂をコー
ティングして合成樹脂層部3を形成したネット刃Aを構
成し、このネット刃Aを使用して廃棄する際に、ネット
刃Aの温度を上げても合成樹脂層部3が溶けず、金属部
と合成樹脂部とを分別することができなかった。したが
って、熱を加えてリサイクルするという観点からは本例
は好ましくない。
【0037】使用済みのネット刃Aをリサイクルするた
めに金属部と合成樹脂部とを分別することができる構成
とするに当たっては、上記のように、合成樹脂層部3を
熱可塑性合成樹脂で形成するもの以外の例として、合成
樹脂層部3を溶剤に溶解する合成樹脂により形成するこ
とが考えられる。このように合成樹脂層部3を溶剤で溶
解する合成樹脂により形成することで、ネット刃Aが切
れなくなって交換された場合、交換されて使用されなく
なったネット刃Aは廃棄されるが、この廃棄されるネッ
ト刃Aの合成樹脂層部3を溶剤で溶解することで、金属
部と合成樹脂部とを分別することができて、資源をリサ
イクルすることができるものである。
【0038】一例を示すと、金属刃2の桟部分の上面部
にロールコータでポリスチレン樹脂をコーティングして
合成樹脂層部3を形成したネット刃Aを構成し、このネ
ット刃Aを使用して廃棄する際に、ネット刃Aをポリス
チレン樹脂の溶剤であるメチルエチルケトンに浸すと合
成樹脂層部3が溶け、金属部と合成樹脂部とを分別する
ことができた。
【0039】ところが金属刃2の桟部分の上面部にロー
ルコータでフェノール樹脂をコーティングして合成樹脂
層部3を形成したネット刃Aを構成し、このネット刃A
を使用して廃棄する際に、ネット刃Aをメチルエチルケ
トンに浸しても合成樹脂層部3が溶けず、金属部と合成
樹脂部とを分別することができなかった。したがって、
本例の場合、メチルエチルケトンを溶剤として用いて金
属部と合成樹脂部とを分別するという観点からは好まし
くない。
【0040】また、使用済みのネット刃Aをリサイクル
するために金属部と合成樹脂部とを分別することができ
る構成の他例としては、金属刃2と合成樹脂層部3との
間に厚さ1〜2μmの熱可塑性又は溶剤に可溶な合成樹
脂を介在させるものであってもよい。このものにおいて
は、ネット刃Aが切れなくなって交換された場合、交換
されて使用されなくなったネット刃Aは廃棄されるが、
この廃棄されるネット刃Aを加熱又は溶剤に浸すこと
で、金属刃2よりなる金属部と、合成樹脂層部3よりな
る合成樹脂とを分別することができて、資源をリサイク
ルすることができるものである。
【0041】一例を示すと、金属刃2の桟部分の上面部
にロールコータで熱可塑性合成樹脂であるポリスチレン
樹脂を1μmコーティングし、更にその上にロールコー
タで30μmエポキシ樹脂をコーティングして合成樹脂
層部3を形成したネット刃Aを構成し、このネット刃A
を使用して廃棄する際に、ネット刃Aを加熱すること
で、中間層であるポリスチレン樹脂が溶け、金属部と合
成樹脂部とを分別することができた。
【0042】また、金属刃2の桟部分の上面部にロール
コータで熱可塑性合成樹脂であるポリスチレン樹脂を2
μmコーティングし、更にその上にロールコータで25
μmエポキシ樹脂をコーティングして合成樹脂層部3を
形成したネット刃Aを構成し、このネット刃Aを使用し
て廃棄する際に、ネット刃Aをポリスチレン樹脂の溶剤
であるメチルエチルケトンに浸すと、中間層であるポリ
スチレン樹脂が溶け、金属部と合成樹脂部とを分別する
ことができた。
【0043】ところが金属刃2の桟部分の上面部に2液
硬化型アクリル樹脂を1μmコーティングし、更にその
上にロールコータで30μmエポキシ樹脂をコーティン
グして合成樹脂層部3を形成したネット刃Aを構成し、
このネット刃Aを使用して廃棄する際に、ネット刃Aを
加熱しても、中間層であるアクリル樹脂が溶けず、金属
部と合成樹脂部とを分別することができなかった。この
ため、加熱して中間層を溶かして金属部と合成樹脂部と
を分別するという観点からは本例は好ましくない。ま
た、金属刃2の桟部分の上面部にロールコータでフェノ
ール樹脂を2μmコーティングし、更にその上にロール
コータで25μmエポキシ樹脂をコーティングして合成
樹脂層部3を形成したネット刃Aを構成し、このネット
刃Aを使用して廃棄する際に、ネット刃Aをメチルエチ
ルケトンに浸しても、中間層であるフェノール樹脂が溶
けず、金属部と合成樹脂部とを分別することがでなかっ
た。このため、本例の場合、メチルエチルケトンを溶剤
として用いて金属部と合成樹脂部とを分別するという観
点からは好ましくない。
【0044】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1記載の発
明にあっては、刃先角が30〜60°の刃先を有し且つ
刃厚が30〜60μmの金属刃の上面部に厚さ20〜4
0μmの合成樹脂層部を形成してあるので、簡単な構成
で2段刃とすることができて刃先の刃先長が長くて鋭利
な刃を形成することができ、また、金属刃が薄くても合
成樹脂層部により補強ができるとともに開口率を上げて
髭の導入率を上げても肌が開口部に食い込むのを防止し
て肌の切断を防止できるものである。また、合成樹脂層
部を表層に有していることから肌当たりが良く、快適な
使用ができるものである。
【0045】また、請求項2記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、合成樹脂層部の
形状を台形または山形形状としてあるので、簡単な構成
で髭のような毛の導入がしやすく、髭のような毛の導入
率を上げることができるものである。
【0046】また、請求項3記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、合成樹脂層部
が、金属刃の上面に合成樹脂をロールコータによりコー
ティングして形成してあるので、刃先に合成樹脂がコー
ティングされることなく金属刃の上層のみに合成樹脂を
コーティングして刃先を除いて合成樹脂層部を形成でき
るものである。
【0047】また、請求項4記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、合成樹脂層部
が、粘度500〜1000cpsの合成樹脂を金属刃の
上面にコーティングして形成したものであるので、刃先
を除いて金属刃の上面部に合成樹脂層の厚みを20〜4
0μmにコーティングしたネット刃を提供できるもので
ある。
【0048】また、請求項5記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、合成樹脂層部が
耐摩耗性の合成樹脂により形成してあるので、使用に当
たって合成樹脂層部が摩耗して無くなるということを防
止することができて、長寿命化が図れるものである。
【0049】また、請求項6記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、合成樹脂層部が
マイクログラビアロールによる合成樹脂のコーティング
により形成してあるので、マイクログラビアロールのメ
ッシュを変えることで、転写コーティングして形成され
る合成樹脂層部の厚みが異なるものを簡単に得ることが
できるものであり、濃い髭の人には合成樹脂層部の厚み
の厚いもの、薄い髭の人には合成樹脂層部の厚みの薄い
ものというようにニーズに合わせて簡単に様々な厚さの
合成樹脂層部を形成することができるネット刃を提供す
ることができるものである。
【0050】また、請求項7記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、合成樹脂層部が
熱可塑性合成樹脂により形成してあるので、ネット刃が
切れなくなって交換された場合、交換されて使用されな
くなったネット刃を廃棄する際、廃棄するネット刃を加
熱するのみで、金属刃よりなる金属部と、合成樹脂層部
よりなる合成樹脂とを分別することができて、リサイク
ル化が図れ、資源の有効利用に寄与できるものである。
【0051】また、請求項8記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、合成樹脂層部が
溶剤に溶解する合成樹脂により形成してあるので、ネッ
ト刃が切れなくなって交換された場合、交換されて使用
されなくなったネット刃を廃棄する際、溶剤で溶かすこ
とにより、金属刃よりなる金属部と、合成樹脂層部より
なる合成樹脂とを分別することができて、リサイクル化
が図れ、資源の有効利用に寄与できるものである。
【0052】また、請求項9記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、金属刃と合成樹
脂層部との間に厚さ1〜2μmの熱可塑性又は溶剤に可
溶な合成樹脂を介在させてあるので、ネット刃が切れな
くなって交換された場合、交換されて使用されなくなっ
たネット刃を廃棄する際、加熱するか又は溶剤で溶かす
ことにより中間の合成樹脂を溶かして、金属部と、合成
樹脂とを分別することができて、リサイクル化が図れ、
資源の有効利用に寄与できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のネット刃の斜視図である。
【図2】同上の断面図である。
【図3】同上の合成樹脂層部を台形状とした例の断面図
である。
【図4】本発明において髭を切断する場合の模式図であ
る。
【図5】従来例の髭を切断する場合の模式図である。
【図6】従来の他例において髭を切断する場合の模式図
である。
【図7】従来の更に他例において髭を切断する場合の模
式図である。
【符号の説明】
A ネット刃 1 刃先 2 金属刃 3 合成樹脂層部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐近 茂俊 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 3C056 AA06 AA07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刃先角が30〜60°の刃先を有し且つ
    刃厚が30〜60μmの金属刃の上面部に厚さ20〜4
    0μmの合成樹脂層部を形成して成ることを特徴とする
    ネット刃の構造。
  2. 【請求項2】 合成樹脂層部の形状を台形または山形形
    状として成ることを特徴とする請求項1記載のネット刃
    の構造。
  3. 【請求項3】 合成樹脂層部が、金属刃の上面に合成樹
    脂をロールコータによりコーティングして形成してある
    ことを特徴とする請求項1記載のネット刃の構造。
  4. 【請求項4】 合成樹脂層部が、粘度500〜1000
    cpsの合成樹脂を金属刃の上面にコーティングして形
    成したものであることを特徴とする請求項1記載のネッ
    ト刃の構造。
  5. 【請求項5】 合成樹脂層部が耐摩耗性の合成樹脂によ
    り形成してあることを特徴とする請求項1記載のネット
    刃の構造。
  6. 【請求項6】 合成樹脂層部がマイクログラビアロール
    による合成樹脂のコーティングにより形成してあること
    を特徴とする請求項1記載のネット刃の構造。
  7. 【請求項7】 合成樹脂層部が熱可塑性合成樹脂により
    形成してあることを特徴とする請求項1記載のネット刃
    の構造。
  8. 【請求項8】 合成樹脂層部が溶剤に溶解する合成樹脂
    により形成してあることを特徴とする請求項1記載のネ
    ット刃の構造。
  9. 【請求項9】 金属刃と合成樹脂層部との間に厚さ1〜
    2μmの熱可塑性又は溶剤に可溶な合成樹脂を介在させ
    て成ることを特徴とする請求項1記載のネット刃の構
    造。
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