JPH05162746A - 切断部材及びその製造方法 - Google Patents

切断部材及びその製造方法

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JPH05162746A
JPH05162746A JP35011791A JP35011791A JPH05162746A JP H05162746 A JPH05162746 A JP H05162746A JP 35011791 A JP35011791 A JP 35011791A JP 35011791 A JP35011791 A JP 35011791A JP H05162746 A JPH05162746 A JP H05162746A
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JP
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teeth
tooth
cutting member
resin
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JP35011791A
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Tsutomu Konno
勉 今野
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Kureha Corp
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D83/00Containers or packages with special means for dispensing contents
    • B65D83/08Containers or packages with special means for dispensing contents for dispensing thin flat articles in succession
    • B65D83/0847Containers or packages with special means for dispensing contents for dispensing thin flat articles in succession through an aperture at the junction of two walls
    • B65D83/0852Containers or packages with special means for dispensing contents for dispensing thin flat articles in succession through an aperture at the junction of two walls with means for assisting dispensing
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラップフィルムなどのシートを切断するシー
ト切断部材を金属以外の材料により形成した場合であっ
ても、切断機能の高い切断歯を得ることができるように
する。 【構成】 ラップフィルムなどのシートを切断するため
の切断歯50aの縁部に溶射層51Aが形成されてい
る。この溶射層51Aは、セラミックス、好ましくは研
磨材の微粒子52が、例えばコランダム、炭化珪素、酸
化アルミニウム、酸化クロム等をバインダー53として
のガラスなどと共に切断歯50aの表面に溶射されて形
成されている。この溶射層51Aを有する切断部材50
では、微粒子52の鋭いエッジが歯の表面に形成される
ので、フィルムに対する穿孔能力は格段に強いものとな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品包装などに用いら
れる合成樹脂製のラップフィルム、アルミホイル、台所
用紙シートなどの各種シートを、所望の長さに切断して
分配するシート分配ケースに配設される切断部材及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ラップフィルム等のシートを小分け、分
配するシート分配ケースに取り付けられた切断部材とし
て、従来、金属材と紙材の二種類のものが知られてい
る。実公昭61-22823号公報等に開示されている金属材の
切断部材は、例えばブリキ板のプレス打ち抜きにより鋸
歯を有する形状に形成され、紙製ケースの掩蓋片の先端
部裏側にかしめ固定または接着などの手段により取り付
けられている。このプレス打ち抜きにより形成された鋸
歯は、極めて鋭利であり、薄い合成樹脂フィルムである
ラップフィルムやアルミホイルを少ない力で容易に切断
する。金属のこの優れた鋭利さは、打ち抜きの際に金属
が伸びて打ち抜き方向にバリが形成されることが一因で
ある。
【0003】また、実開昭56-20786号公報には、紙また
は合成紙のラップフィルム切断用鋸刃が開示されてい
る。この種の紙材、または合成樹脂材の切断部材は、使
用後のケースの廃棄の際にケースと切断部材を分離せず
に焼却処分できること、また紙材の切断部材に限っては
ケースと共に切断部材を再生処理できることなどのた
め、最近のエコロジーの動きにのって見直されつつあ
る。なお、ここでは、端部に形成された切断歯の歯先を
結ぶ線が略直線となる切断部材を直線刃または直線形状
の切断部材と称し、切断歯の歯先を結ぶ線が略V字状と
なるものをV字刃またはV字形状の切断部材と称す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属材
の切断部材は、歯が鋭利であるため使用中に指などを傷
つけることがあり、危険である。また、使用後に紙材の
ケース本体と金属材の切断部材とを分離して廃棄処理す
る必要があり、処理作業が非常に面倒である。
【0005】また、上記従来の紙製の鋸刃は、切れ味の
点で金属製のものに比べて数段劣り、加えて切断を繰り
返すにしたがって切断歯の先端が捲れて丸くなり、切れ
味が急速に悪化するという問題がある。これらの問題
は、プレス打ち抜きにより形成された紙製鋸刃では、上
述の金属鋸歯におけるような鋭利さの発現は期待でき
ず、また特に塩化ビニリデン樹脂のラップフィルムにあ
っては、切断の際にフィルムが伸びて歯先に大きな変形
力が加えられるため剛性に劣る紙では十分な穿孔能力が
ないことに起因している。
【0006】さらに、たとえ切断部材を合成樹脂材で形
成したとしても、その剛性は金属に比してかなり劣り、
また打ち抜きや溶融成形では刃先の鋭いエッジを形成す
ることが困難であり、その穿孔能力、切れ味はまだ十分
ではなく、実用化には至っていない。このように、金属
以外の材質で製作された切断部材は、金属鋸刃に比べて
穿孔能力、切れ味、耐久性(切断回数)といった切断効
果に劣ることは否めず、歯の改良・工夫が強く望まれて
いた。
【0007】上述の事情に鑑み、本発明者等は金属に代
わり得る優れた切断部材について鋭意検討した結果、特
に切断歯の歯形加工断面を中心とした部位を硬くするこ
とにより、上述の切断歯先端の捲れがなくなると共に穿
孔能力も向上して、ラップフィルム等に対して金属に近
い切断効果が実現されることを見い出し、本願発明に到
った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケースから引
出されたシートを切断する切断歯がその先端に形成され
た切断部材であって、前記切断部材が繊維強化樹脂であ
ることを特徴とするものである。
【0009】さらに、ケースから引き出されたシートを
切断する切断歯がその先端に形成された切断部材であっ
て、前記切断歯表面に金属またはセラミックスの溶射層
が形成されていることを特徴とするものである。
【0010】また、ケースから引き出されたシートを切
断する切断歯がその先端に形成された切断部材を製造す
る方法であって、前記切断部材が繊維強化樹脂であり、
前記切断歯を形成後に樹脂を溶解する溶媒で切断歯を表
面処理することを特徴とする切断部材の製造方法であ
る。
【0011】さらに、ケースから引き出されたシートを
切断する切断歯がその先端に形成された紙材の切断部材
を製造する方法であって、前記切断歯をレーザ切断によ
り切り出すことを特徴とする切断部材の製造方法であ
る。
【0012】
【作用】本願発明の切断部材はいずれも、その端部に形
成された切断歯において、特に切断歯の歯形加工断面を
中心とした部位で硬度を増強する処置が取られている。
かかる処置は、前記部位に金属やセラミックの溶射層或
は炭化物を形成すること、及び炭素繊維やガラス繊維な
どの硬度の高い繊維を充填した繊維強化樹脂を切断部材
の材料として用いたことである。そのため、切断歯は鋭
利になると共に剛性が増す分腰の強いものとなり、シー
ト切断に際して歯先に加えられるフィルム張力に起因す
る変形によく抵抗し、そのため穿孔能力、切れ味、耐久
性に優れた切断部材が得られる。
【0013】また、本願発明の切断部材は、打ち抜き加
工でもバリが形成されず、従来のブリキ板などから打ち
抜いたものに比べて歯の鋭利性が過剰なものではなくな
り、使用時に指を傷つける危険が少ない。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面によって説明す
る。図1は本発明の一実施例としてラップフィルムの分
配ケースを示す斜視図である。この分配ケースのケース
本体10は、底板11、前側板12、背板13ならび
に、底板11と前側板12と背板13の両側端部どうし
をつなぐ2枚の端板14とから成り、上方の面が開口部
15となる立方体形状の箱となっている。ケース本体1
0の背板13の上縁部には連続して蓋板17が延びてい
る。背板13と蓋板17の境界部は、素材である厚紙に
折り癖を付けたヒンジ部16となっている。さらに蓋板
17の前縁には掩蓋片18がほぼ直角に折曲げられて一
体に延長されている。また蓋板17の左右端部と掩蓋片
18の左右端部は側蓋片19により接続されている。
【0015】前記掩蓋片18の下縁部18aはほぼV字
形状となっており、この下縁部18aに沿って同じくV
字形状の切断部材20が取付られている。切断部材20
には鋸歯状の切断歯20aが形成されており、切断部材
20は切断歯20aを下向きにして掩蓋片18の内側下
部に接着または金具によるかしめなどにより取付られて
いる。本実施例では、この切断部材20が紙材により製
造されている。この紙材は膠化繊維板あるいは他の硬質
紙である。またケース本体10、これと一体の蓋板1
7、掩蓋片18、側蓋片19は、全て厚紙により製作さ
れている。
【0016】さらに前側板12の前面の左右ほぼ中央位
置であって蓋板17が閉じられたときに掩蓋片18によ
り覆われる部分には、フィルム保留部21が形成されて
いる。このフィルム保留部21は、粘着材の層が設けら
れた粘着部21aとその表面を二重丸状に覆う樹脂層2
1bとから構成されている。前記ラップフィルムWはコ
アに円筒状に巻かれたものであり、この巻かれたフィル
ムロール5がケース本体10内に収納されている。この
ラップフィルムWは例えば塩化ビニリデン系、塩化ビニ
ール系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、あるいは
ブタジエン系などの合成樹脂フィルムである。
【0017】硬質な紙材の一種としてあげることのでき
る緻密で剛性の高い前記膠化繊維(バルカナイズド・フ
ァイバー)板は、コウゾ、ミツマタ、木材パルプなどか
ら得られる植物性繊維を、塩化亜鉛、硫酸などのセルロ
ース膨潤剤により表面膨潤させた状態で加圧圧着し、そ
の後に前記膨潤剤を除去したものである。さらにこれに
ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリスチレン樹脂、ユリア樹脂、ポリフェニレ
ンスルフィド樹脂などの合成樹脂を含浸させて防湿性を
高め、また硬度をさらに増強させたものが好ましく使用
される。切断部材20の材料となる膠化繊維板の厚さ
は、切断すべきラップフィルムの材質などに応じて任意
であり、例えば0.05mmないし2.0mm程度の厚
さ寸法のものが使用される。
【0018】切断部材20の材質は膠化繊維板に限られ
るものではなく、これ以外の硬質の紙材が使用可能であ
る。その他の好適な硬質紙の一例として、長さ20mm
程度のポリエステル長繊維を主材料に、パルプ繊維や分
散剤を加えて抄紙した高強度紙(モルザ社製)を挙げる
ことができる。また硬質の紙材に上記合成樹脂などを含
浸させたもの、または紙材の表裏両面あるいは一方の面
にコーティングしたものが好ましく使用される。
【0019】図2は、図1に示したラップフィルムの分
配ケースに用いられている切断部材20を単独にて示し
ている。図2に示すように例えば膠化繊維板により製作
された切断部材20の下縁には、鋸歯状の切断歯20a
が形成されている。この切断部材20は切断歯20aが
V字形状に配列されたV字刃であり、掩蓋片18の裏面
に接着などの手段により前記切断歯20aが掩蓋片18
のV字縁部18aから突出する状態で取り付けられる。
【0020】図2の実施例では、三角形状の複数の歯が
連続して並んで切断歯20aが形成されている。そして
V字状に配列された歯のうちのV字状の頂点に位置して
いる歯(a)が一番大きく、次にその両側に位置する歯
(b)が二番目に大きく、その他の歯(c)はこれらよ
りも小さい形状である。このようにV字状の頂点に位置
している歯(a)の形状を大きくすることにより、ケー
ス本体10内からラップフィルムWを引き出して切断部
材20により切断するときに前記歯(a)によりフィル
ム中央に最初の切れ目が入りやすく、またこの切れ目を
きっかけとしてラップフィルムWを容易に切断できるよ
うになる。
【0021】ただし切断歯20aの構造は図2に示す構
造に限られるものではなく、全ての歯が同じ大きさのも
のであってもよい。あるいはV字状の頂点付近の歯は小
さく、V字の頂点を挟む両側の傾斜配列部((d)部)
の途中または両端部を大きな歯としてもよい。また歯は
必らずしも連続して配列されている必要はなく、複数の
歯が間欠的に配列されていてもよく、あるいは全体とし
てはV字状に小さな歯が連続して並んでおり、そのうち
の数個が間隔を開けて大きな歯とされていてもよい。さ
らに歯の形状は、正三角形、細く突出する二等辺三角
形、あるいは両側の傾斜配列部((d)部)の全ての歯
の歯先が切断部材のV字形状の頂点方向へ向けられた形
状でもよい。または全ての歯の歯先が図2の右縁方向あ
るいは左縁方向へ向けられて配列されていてもよい。ま
た歯が連続してあるいは一定ピッチにて配列される場
合、その配列密度は1cmあたり2個から20個程度の
範囲が好ましい。
【0022】膠化繊維板などの紙材からの切断歯20a
の切り出しは、例えばレーザ切断装置を使用して行われ
る。図3はレーザ切断装置を使用した切断作業を示して
いる。この作業では、膠化繊維板などをレーザビームに
より切断歯の形状に沿って切断していく。このレーザビ
ームによる切断軌跡は、レーザ切断装置の制御部に設定
されたプログラムに基づいて進行するようになってい
る。図3ではレーザビームによる切断軌跡を符号(e)
にて示している。
【0023】図4はレーザビームにより切断された切断
歯を示すIV−IV断面の拡大図である。図4に示すよ
うに、レーザビームが膠化繊維板などの紙材に対して矢
印L方向から照射されたとすると、切断歯20aの歯と
歯の空間(f)がレーザビームの照射方向Lに向かって
徐々に狭められるように焼き切られる。これは、レーザ
ビームの照射面(図4で切断歯20aの下面)の方が反
対面に比べて、レーザ照射時間が若干長いためである。
そして、レーザビームの熱により歯形加工された断面が
符号(g)で示すように炭化される。これは膠化繊維板
などの紙材の繊維が熱で炭化されたものである。無論、
膠化繊維板または他の紙材に合成樹脂が含浸されあるい
はコーティングされている場合には、この合成樹脂も炭
化温度まで加熱されて炭化され得る。この炭化により切
断歯の歯形加工された断面を中心とした部位における繊
維のまくれあるいは剥がれなどが生じにくくなる。また
炭化により歯の硬度が高くなり、フィルムに対する穿孔
能力が向上する。さらに切断歯20aは紙材をレーザビ
ームにより焼き切ることにより形成されるので、紙材に
はプレス切断のときなどのような切断応力が作用せず、
歯の部分にて紙材の腰が弱くなって剛性が低下するよう
なことはない。なお、合成樹脂が含浸またはコーティン
グされていない紙材をレーザビームにより切断して切断
歯20aを形成し、その後切断歯20aの少なくとも歯
形加工された断面に合成樹脂を含浸させあるいはコーテ
ィングしてもよい。
【0024】上記レーザビームにより切断された切断部
材20は、図4における図示上方の面をラップフィルム
Wに向けて掩蓋片18に取り付けることが好ましい。こ
れにより図4に示す歯先または歯の縁部の炭化されたエ
ッジ部(h)が、ケース本体10から引出されたラップ
フィルムWに当ることになり、このエッジ部(h)によ
りラップフィルムWに対する切断能力が高まることにな
る。歯を硬くしてフィルムに対する切断効果を増強する
ことは、上述のレーザビームによる炭化に止まらない。
【0025】図5は他の好ましい切断部材50の切断歯
50aの一部を拡大して示す部分平面図であり、図6は
図5のVI−VI断面図である。この切断部材50は、
図2の切断部材20と似たV字刃であり、その一部分の
切断歯を拡大して示している。図5及び図6における符
号51は、切断歯50aの表面に形成された溶射層であ
る。溶射層51は、線材アーク溶射装置やプラズマ溶射
装置等を用いて、例えば鋼、ステンレス鋼、チタン、
錫、ニッケル、各種合金などの金属または酸化アルミニ
ウム、酸化珪素、酸化クロム、酸化ジルコニウム等のセ
ラミックスを溶射することにより形成される。層の厚み
は、5〜300μmの範囲から選ばれるものが好まし
く、更に好ましくは10〜100μmとされる。厚みを
300μmより大きくしても切断効果はさほど向上せ
ず、また5μm以下では歯の剛性をそれ程高めることは
できない。
【0026】まず、紙または合成樹脂の板に切断歯50
aを形成し、その後歯の加工断面を中心にした部位に溶
射層51が設けられる。切断部材50の全表面に溶射層
51を形成する必要はない。図6は形成された溶射層5
1の一例であり、歯の加工断面に溶射層51a、溶射層
51aに連続して切断歯の図示上面に溶射層51bと図
示下面に溶射層51cが形成されている。溶射層51b
と51cは共に形成される必要はなく、一方のみとする
こともできる。なお、溶射層51bと51cの幅は、
0.5〜5mm程度である。
【0027】図7は溶射層51の他の実施例を説明する
ための、切断歯の拡大断面図である。この例における溶
射層51Aは、セラミックス、好ましくは研磨材の微粒
子52、例えばコランダム、炭化珪素、酸化アルミニウ
ム、酸化クロム等をバインダー53としてのガラスなど
と共に切断歯50aの表面に溶射したときの状態を示
す。この溶射層51Aを有する切断部材50では、微粒
子52の鋭いエッジが歯の表面に形成されるので、フィ
ルムに対する穿孔能力は格段に強いものとなる。また、
バインダー53を用いず、プラズマ溶射装置で灼熱した
微粒子を打ち込んで、切断歯50aの表面に微粒子52
が一部埋め込まれた状態の切断部材50とすることもで
きる。なお、微粒子52の大きさは、切断すべきラップ
フィルムの厚みの2〜10倍程度が適当である。
【0028】歯を硬くしてフィルムに対する切断効果を
増強する更に他の方法は、繊維強化樹脂を切断部材の材
料として用いることである。この繊維強化樹脂を構成す
る樹脂としては、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリ
ア樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹
脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂など広く利用できる合成樹脂が
用いられ得る。繊維強化樹脂を例示すると、炭素繊維充
填フェノール樹脂、セルロース充填メラミン樹脂、ガラ
ス繊維充填ポリエステル樹脂などである。繊維強化樹脂
は、繊維で補強されて強度が強くなっているので、切断
部材50の厚みを薄くでき、加えて耐衝撃性が向上して
いるので、打ち抜きなどの歯形加工の際に歯こぼれがあ
まりなく、歯先の角度をより鋭角に加工できる。そし
て、その結果として、鋭利な歯が形成される。
【0029】上述の観点に立って、繊維強化樹脂を構成
する繊維として合成繊維を用いてもよい。しかし歯を硬
くするという点から、ガラス繊維や炭素繊維などの無機
繊維が好適である。また、炭素繊維とパルプ繊維とを混
ぜて抄紙した混抄紙も好ましく用いられる。
【0030】また、無機繊維を充填した強化繊維の板に
歯形加工を施し、その後樹脂を溶解する溶媒で歯の加工
断面を中心とした部位を表面処理して、表面樹脂層を溶
解除去することもできる。この操作により、表面の樹脂
層が削り取られた形となり、図8に示すように、処理表
面で無機繊維61が鋭く突き出た、極めて鋭利な切断歯
60aを形成することができる。樹脂表面上に突出した
無機繊維61の長さは、切断すべきラップフィルムの厚
みにより異なるが、一般に0.05〜5mmが採用され
る。
【0031】図8に示すような、無機繊維61が樹脂表
面上に突出した切断部材60においては、無機繊維の太
さは、好ましくは10〜200μmである。繊維の太さ
が10μmより小さいと、もし繊維が折れて使用者の皮
膚に付いたり、また食品と一緒に口腔内に入ったとき、
毛穴などを通して体内に侵入する恐れがある。また、2
00μm以上では鋭利さが十分でない。図8の切断部材
60を含めて、本願発明の繊維強化樹脂には無機繊維に
限らず、金属繊維が用いられてもよい。
【0032】以上、V字刃を中心に説明してきたが、本
発明はそれに限定されるものではなく、無論直線刃につ
いても好適に適用できる。さらに本発明による分配ケー
スは合成樹脂製のラップフィルムWの切断のみに適する
ものではなく、アルミホイル、台所用紙シートなどの各
種シートの切断に使用できる。
【0033】
【発明の効果】以上のように請求項1および請求項2記
載の発明によれば、剛性の高い切断歯が得られ、ラップ
フィルムなどのシートの穿孔能力を高めることができ
る。また金属歯のように過剰に鋭利にならないため、使
用者の指などを傷つけることがない。また繊維強化樹脂
は繊維を含むものであるため、金属の切断部材に比べて
廃棄処理の面で有利である。さらに溶射層を形成された
切断部材が紙材の場合には、さらに廃棄処理、再生処理
に優れたものとなる。
【0034】請求項3記載の発明では、繊維強化樹脂に
対し、溶媒で切断歯を表面処理する簡単な行程で、繊維
が突出した切断機能の優れた切断歯を得ることができ
る。
【0035】請求項4記載の発明では、レーザ切断によ
り切断歯を形成しているため、切断歯に打ち抜きのため
の応力が作用せず、切断歯の剛性の低下を防ぐことがで
きる。さらにレーザの加熱により歯先または歯の稜線部
分を炭化させて、硬度を高めることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の一例としてラップフィルムの
分配ケースを示す斜視図、
【図2】図1の分配ケースに取り付けられた切断部材を
単体で示す正面図、
【図3】切断部材の切断歯をレーザビームにより切り出
す切断工程の説明図、
【図4】図3の工程により切断された歯を示すIV−I
V断面拡大図、
【図5】本発明の他の実施例の切断部材の切断歯の部分
拡大平面図、
【図6】図5のVI−VI断面図、
【図7】他の実施例の溶射層を説明する切断歯の拡大断
面図、
【図8】他の実施例の切断部材の切断歯の拡大断面図、
【符号の説明】
W ラップフィルム 5 フィルムロール 10 ケース本体 11 底板 12 前側板 13 背板 14 端板 15 開口部 16 ヒンジ部 17 蓋板 18 掩蓋片 18a 掩蓋片の縁部 19 側蓋片 20,50, 切断部材 20a,50a,60a 切断歯 51,51A 溶射層 52 微粒子 53 バインダー 61 無機繊維

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケースから引出されたシートを切断する
    切断歯がその先端に形成された切断部材であって、前記
    切断部材が繊維強化樹脂であることを特徴とする切断部
    材。
  2. 【請求項2】 ケースから引き出されたシートを切断す
    る切断歯がその先端に形成された切断部材であって、前
    記切断歯表面に金属またはセラミックスの溶射層が形成
    されていることを特徴とする切断部材。
  3. 【請求項3】 ケースから引き出されたシートを切断す
    る切断歯がその先端に形成された切断部材を製造する方
    法であって、前記切断部材が繊維強化樹脂であり、前記
    切断歯を形成後に樹脂を溶解する溶媒で切断歯を表面処
    理することを特徴とする切断部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 ケースから引き出されたシートを切断す
    る切断歯がその先端に形成された紙材の切断部材を製造
    する方法であって、前記切断歯をレーザ切断により切り
    出すことを特徴とする切断部材の製造方法。
JP35011791A 1991-12-10 1991-12-10 切断部材及びその製造方法 Withdrawn JPH05162746A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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