JP2000299780A - 印刷用画像データ補間装置、印刷用画像データ補間方法および印刷用画像データ補間プログラムを記録した媒体 - Google Patents

印刷用画像データ補間装置、印刷用画像データ補間方法および印刷用画像データ補間プログラムを記録した媒体

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JP2000299780A
JP2000299780A JP2000076946A JP2000076946A JP2000299780A JP 2000299780 A JP2000299780 A JP 2000299780A JP 2000076946 A JP2000076946 A JP 2000076946A JP 2000076946 A JP2000076946 A JP 2000076946A JP 2000299780 A JP2000299780 A JP 2000299780A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最終的に印刷される解像度が異なりながら同
じしきい値で補間処理を切り替えることにすると、画像
データの状態では切替解像度の上下で高画質あったもの
の方が低画質であったものよりも画質が劣化するという
逆転現象が起きてしまうことがあった。 【解決手段】 インクジェット方式のカラープリンタ1
7bなどを有するコンピュータシステム10において、
当該カラープリンタ17bの解像度と元の画像データの
解像度とが一致しない場合に補間処理を実行するが、こ
の補間処理は先に精度の高い演算処理で切替解像度以上
にした上で精度の低い演算処理で最終の解像度に一致さ
せるようにしており、かつ、カラープリンタ17bにお
ける印刷時の精細度に応じて同切替解像度を変えるよう
にしたため、最終的な精細度が高くなるにつれて精度の
高い演算処理の負担倍率が高くなり、画像データの精細
度が高いにも関わらず画質的には劣化してしまうという
逆転現象がおきにくくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドットマトリクス
状の画素からなる画像データに基づいて印刷装置で印刷
を実行させる印刷用画像データ補間装置、印刷用画像デ
ータ補間方法および印刷用画像データ補間プログラムを
記録した媒体に関し、特に、印刷品質に応じて最適な処
理を実行する印刷用画像データ補間装置、印刷用画像デ
ータ補間方法および印刷用画像データ補間プログラムを
記録した媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータなどで画像を扱う際には、
画像をドットマトリクス状の画素で表現し、各画素を階
調値で表している。例えば、コンピュータの画面で水平
方向に640ドット、垂直方向に480ドットの画素で
写真やコンピュータグラフィックスを表示することが多
い。
【0003】一方、カラープリンタの性能向上がめざま
しく、そのドット密度は720dpi(dot/inc
h)というように極めて高精度となっている。すると、
640×480ドットの画像をドット単位で対応させて
印刷させようとすると極めて小さくなってしまう。この
場合、階調値も異なる上、解像度の意味合い自体が異な
るのであるから、ドット間を補間して印刷用のデータに
変換しなければならない。すなわち、1体1の対応では
画像が小さく印刷されてしまうなら画像データの画素を
増やす処理(これを高解像度化あるいは拡大化と呼ぶ)
を行うし、逆の場合には画像データの画素を減らす処理
(これを低解像度化あるいは縮小化と呼ぶ)を行う。
【0004】従来、このような場合にドットを補間する
手法として、最近隣内挿法(ニアリストネイバ補間:以
下、ニアリスト法と呼ぶ)や、3次たたみ込み内挿法
(キュービックコンボリューション補間:以下、キュー
ビック法と呼ぶ)などの手法が知られている。また、特
開平6−225140号公報にはドットを補間したとき
の縁部のスムージングを行うにあたり、予め縁部がスム
ーズとなるような拡大形態となるようにドットパターン
を用意しておく技術が開示されている。
【0005】また、コンピュータの内部であるとかディ
スプレイにとっては階調表示が容易であるものの、カラ
ープリンタにおいては一般的に色インクでドットを付す
か否かの二階調表現しかできないことが多い。従って、
多階調表示を二階調表示とする階調変換処理を実施する
ことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように画像デ
ータに基づいて印刷装置で印刷を行うためには、画素補
間処理や階調変換処理を実行しなければならない。
【0007】画素補間処理や階調変換処理は、コンピュ
ータ上の一つのユーザーインターフェイスで選択できる
とはいうものの、それぞれは全く独立しており、画質や
処理速度を意識しながら別個に指示していた。しかしな
がら、実際にはそれぞれの画質や処理速度の組合せ如何
で所望の結果が得られるか否か影響を受け、熟練者以外
は無駄が多くなるという課題があった。また、画素補間
処理におけるニアリスト法やキュービック法などの各種
の手法にはそれぞれに得失があるが、利用者がそれを選
択するのは難しく、どちらか一方に固定したとすれば、
不得手な画像に対して補間結果の品質が低下する。さら
に、特開平6−225140号公報に開示された発明に
おいては、予めパターンを用意しておくことから補間倍
率が固定的にならざるを得ないし、カラーの画像を前提
とするとパターンの数が膨大となって予め用意しておく
こと自体が困難である。
【0008】一方、本件発明に先立って本出願人は、キ
ュービック法によって補間処理した後、補間後の画像デ
ータに対して重ねてニアリスト法による補間処理を行う
補間手法を考案した。これにより、キュービック法によ
る補間精度の良さを活かしつつ、ニアリスト法による演
算処理速度の速さを活かすことができるようになった。
この場合、180dpiをしきい値とし、入力される画
像データを一旦キュービック法によって180dpi以
上に補間処理した後、360dpiであるとか720d
piといった本来の印刷データとして必要となる解像度
までニアリスト法による補間処理を行うこととした。す
なわち、キュービック法だけで本来の補間倍率まで補間
処理を実行しようとすると演算量が急激に増加してしま
うし、ニアリスト法だけで補間処理を実行する場合には
ジャギーが目立ってしまうため、これらを避けるために
二段階に補間処理をすることとした。
【0009】しかしながら、最終的に印刷される解像度
が異なりながら同じしきい値で補間処理を切り替えるこ
とにしておくと、高解像度で印刷するときには次のよう
な場合に不具合が生じる。例えば、元の画像データが1
70dpiのものと185dpiのものがあったとする
と、前者のものはキュービック法によって180dpi
以上に補間処理した後、720dpiまでニアリスト法
で補間処理される。演算処理の都合から、キュービック
法では整数倍の補間処理を行うようにしたため、キュー
ビック法では340dpiに補間される。一方、185
dpiで入力された画像はキュービック法による補間処
理を経ることなく、ニアリスト法で720dpiまで補
間処理される。
【0010】この場合、前者のものはキュービック法に
よって340dpiまで補間処理されることによって画
質が向上する一方、後者のものはニアリスト法だけで補
間処理されているので、元の画像データは前者のものの
方が劣るにも関わらず、アウトプットは前者のものの画
質の方がよくなるという逆転現象が起きてしまう。本発
明は、上記課題にかんがみてなされたもので、直接的あ
るいは間接的に印刷品質が指示されるような状況におい
て、最適な印刷を実行させることが可能な印刷用画像デ
ータ補間装置、印刷用画像データ補間方法および印刷用
画像データ補間プログラムを記録した媒体を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、画像をドットマトリクス
状の画素で多階調多階調表現した画像データを取得する
画像データ取得手段と、上記ドットマトリクス状の画素
で多階調表現された画像の画素を所定の補間倍率となる
ように補間して生成するにあたり精度の高い演算手法で
補間してから精度の低い演算手法で補間するものとしつ
つこれらを所定の負担割合で実行する画素補間手段と、
この画素補間手段で上記画像データを基準として補間処
理するにあたり印刷する際の精細度を検出する精細度検
出手段と、この精細度検出手段で検出した精細度に基づ
いて上記画素補間手段における負担割合を算出するにあ
たり高精細であるほど精度の高い演算手法に割り当てら
れる負担割合が増加するように補間倍率を調整する補間
倍率調整手段と、この補間倍率調整手段にて決定される
負担割合で補間処理された補間画像データに基づいて所
定の印刷データに変換して出力する印刷データ出力手段
とを具備する構成としてある。
【0012】上記のように構成した請求項1にかかる発
明においては、画像データ取得手段が画像をドットマト
リクス状の画素で多階調表現した画像データを取得する
と、画素補間手段が精度の高い演算手法で補間してから
精度の低い演算手法で補間するが、同画素補間手段で上
記画像データを基準として補間処理するにあたり、印刷
する際の精細度を精細度検出手段が検出する。そして、
この精細度検出手段で検出した精細度に基づいて補間倍
率調整手段は上記画素補間手段における負担割合を算出
するものとし、その際には高精細であるほど精度の高い
演算手法に割り当てられる負担割合が増加するように補
間倍率を調整する。上記画素補間手段は、このようにし
て調整される補間倍率に従って精度の高い演算手法で補
間してから精度の低い演算手法で補間し、印刷データ出
力手段は補間処理された補間画像データに基づいて所定
の印刷データに変換して出力する。
【0013】従って、印刷する際の精度が高くなると精
度の高い演算手法で行われる補間倍率の負担割合は増加
していき、精度の高い演算手法で補間される負担割合が
上がることによって画質が向上する分、残りの負担割合
を精度の低い演算手法で補間しても画質の逆転が起こり
にくくなる。すなわち、印刷する際の精細度が高くなる
と、精度の高い演算手法から精度の低い演算手法へと画
像データを受け渡す際の精細度が画質に影響を与えるこ
とになるため、印刷する際の精細度が高まれば精度の高
い演算手法の負担割合を増加させることにしている。
【0014】従って、判断の基準となる印刷する際の精
細度もかかる基準となるものであればよい。その一例と
して、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の印刷
用画像データ補間装置において、上記精細度検出手段
は、印刷する際の画像データにおける階調数を精細度と
して検出する構成としてある。上記のように構成した請
求項2にかかる発明においては、精細度検出手段が印刷
する際の画像データにおける階調数を精細度として検出
する。印刷の例を上げると、ある色のドットを付すか否
かというのであれば印刷する際の階調表現は2階調であ
るし、薄いマゼンタと濃いマゼンタとを使用するのであ
れば2×2の4階調であるといえる。また、シアン、マ
ゼンタ、イエローという三要素色について言えば2階調
であるときに8色表現となり、4階調であるときに64
色表現となるので、色数といっても差し支えない。
【0015】また、階調数についても各種の態様があり
得るが、その一例として、請求項3にかかる発明は、請
求項2に記載の印刷用画像データ補間装置において、上
記階調数は、画素に付する記録剤の径の大きさを変えて
変化させる構成としてある。上記のように構成した請求
項3にかかる発明においては、画素に付する記録剤の径
の大きさを変えるような場合も階調表現の一例であるか
ら、この径の大きさに基づいて階調数として検出する。
【0016】精細度は階調数に限られるものではなく、
他の一例として、請求項4にかかる発明は、請求項1〜
請求項3のいずれかに記載の印刷用画像データ補間装置
において、上記精細度検出手段は、印刷する際の画像デ
ータにおける解像度を精細度として検出する構成として
ある。上記のように構成した請求項4にかかる発明にお
いては、精細度検出手段が印刷する際の画像データにお
ける解像度を精細度として検出する。例えば、印刷する
解像度として360dpiと720dpiとを選択可能
としているとき、精細度検出手段はどちらの解像度を選
択されているかを検出することになる。むろん、300
dpiであるとか600dpiであるとか、他の解像度
であっても構わない。
【0017】また、画像データ取得手段は、かかる画像
データを取得するものであり、上記画素補間手段が構成
画素を増やすための補間処理を行うにあたり、対象とな
る画像データを保持するようなものであればよい。従っ
て、その取得手法は特に限定されるものではなく、各種
のものを採用可能である。例えば、インターフェイスを
介して外部機器から取得するものであってもよいし、撮
像手段を備えて画像を撮像するものであっても良い。ま
た、コンピュータグラフィックアプリケーションを実行
してマウスやキーボードから入力するものであってもよ
い。
【0018】画素補間手段は、精度の高い演算手法と精
度の低い演算手法とで補間処理を行うことができるもの
であればよいが、これは二つの演算手法に限られるもの
ではない。また、精度の高い演算手法か精度の低い演算
手法は相対的なものであり、基準値がある必要もない。
それぞれの演算手法は各種の手法を含むものであり、そ
の一例として、請求項5にかかる発明は、請求項1〜請
求項4のいずれかに記載の印刷用画像データ補間装置に
おいて、上記画素補間手段は、精度の高い演算手法で行
う補間処理として補間する画素の画像データがなだらか
に変化するように周囲の画素の画像データから演算処理
で補間画素の画像データを算出する補間処理を実行する
構成としてある。
【0019】上記のように構成した請求項5にかかる発
明においては、周囲の画素の画像データを利用して演算
処理することにより、補間する画素の画像データはなだ
らかに変化する。このように、なだらかに変化させる
と、変化度合いの大きい画素の並びがあったとして、こ
の間を補間したとしても段差が目立たず、従って画質の
良いものとなる。補間する画素の画像データがなだらか
に変化する演算手法は各種のものを採用可能であるが、
その一例として、変化度合いの大きい画素間では画像デ
ータの変化態様を略S字型としつつその傾斜を調整する
とともに、両端部位では低い側にアンダーシュートを発
生させつつ高い側にオーバーシュートを発生させて高低
差を形成してその高低差を調整することも可能である。
このようにすると、なだらかには変化するもののその変
化態様は単に直線的に結ぶ勾配よりは急峻とさせること
ができ、その傾斜を調整して画像の変化度合いを最適な
ものとすることが可能となる。また、両端部位で低い側
にアンダーシュートを発生させつつ高い側にオーバーシ
ュートを発生させると高低差は大きくなり、かつ、その
高低差を調整することによっても見かけ上の画像の変化
度合いを最適なものとすることが可能となる。このよう
な演算処理の一例としては、多次演算処理の3次たたみ
込み内挿法などを使用可能であるし、かかる調整を可能
とする演算処理はこれに限られず、他の演算手法を採用
することもできる。
【0020】さらに、請求項6にかかる発明は、請求項
1〜請求項5のいずれかに記載の印刷用画像データ補間
装置において、上記画素補間手段は、精度の低い演算手
法で行う補間処理として補間処理前の最近隣画素の画像
データを新たな構成画素の画像データに利用する補間処
理を実行する構成としてある。上記のように構成した請
求項6にかかる発明においては、一つの補間処理として
補間処理前の最近隣画素の画像データを新たな構成画素
の画像データに利用するので、実質的に殆ど演算量を要
することが無く、処理量が極めて少ない手法と言える。
【0021】ここでいう負担割合とは、精度の高い演算
手法が行うことになる補間倍率と精度の低い演算手法が
行うことになる補間倍率との比であるとは限らない。す
なわち、負担割合を変えることをしなかった場合の補間
倍率と負担割合を変える場合の補間倍率との比が上がる
ようなものであっても構わない。
【0022】その一例として、請求項7にかかる発明
は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の印刷用画像
データ補間装置において、上記画素補間手段は、所定の
切替解像度を有しており、精度の高い演算手法でこの切
替解像度を超えるように補間処理した上で、残りの補間
倍率を精度の低い演算手法で補間するものであるととも
に、上記補間倍率調整手段は、上記切替解像度を変化さ
せて補間倍率の調整を行う構成としてある。
【0023】上記のように構成した請求項7にかかる発
明においては、精度の高い演算手法で一定の解像度であ
る切替解像度を超えるまで補間し、精度の低い演算手法
で残りの解像度となるまで補間するが、印刷する際の精
細度が高ければこの切替解像度を高くする。いま、印刷
する際の精細度が低いとすると、この場合に設定される
切替解像度は低くなり、精度の高い演算手法ではこの切
替解像度を超えるところまでの補間倍率の補間を行うこ
とになる。しかしながら、印刷する際の精細度が高くな
れば切替解像度も高くなり、その場合には精度の高い演
算手法で同切替解像度を超えるところまで補間するので
あるから補間倍率は増加することになる。この意味で負
担割合が増加すると言える。
【0024】また、印刷する際の精細度が低いときのし
きい値であれば元の画像データの解像度の方が大きいが
ために補間処理されなかったとしても、印刷する際の精
細度が高くなることによってこのしきい値が大きくなる
ので、元の画像データの解像度を越えることもある。す
ると、精度の高い演算手法で補間処理されることにな
り、この場合でも精度の高い演算手法の負担割合が増加
したと言える。むろん、従来のような逆転現象も起こら
なくなる。
【0025】なお、しきい値が高くなった場合でも、し
きい値よりも解像度が低い画像データについては精度の
高い演算手法で補間処理されるし、しきい値よりも解像
度が高い画像データについては精度の高い演算手法で補
間処理されないということが起こることに変わりはない
が、この場合のしきい値は十分に高くなっており、精度
の高い演算手法による画質向上の効果が小さくなり、ア
ウトプットに画質の差は出てこなくなる。
【0026】印刷データ出力手段は補間画像データに基
づいて所定の印刷データに変換して出力するが、印刷デ
ータが供給されることになる印刷装置に応じて適宜変更
可能である。例えば、印刷装置の記録剤に対応した印刷
原理であるとか、記録剤の要素色数であるとか、階調数
などに応じて必要となる印刷データは変化するから、こ
れに対応した印刷データに変換すればよい。むろん、色
座標変換であるとか、階調変換などを一要素として含む
ことになる。
【0027】このように、印刷する際の精細度が高精細
であるほど精度の高い演算手法に割り当てられる負担割
合が増加するように補間倍率を調整する手法は必ずしも
実体のある装置に限られる必要はなく、その方法として
も機能することは容易に理解できる。このため、請求項
8にかかる発明は、画像をドットマトリクス状の画素で
多階調表現した画像データについて所定の補間倍率とな
るように補間処理するとともに印刷するための所定の変
換処理を実行して印刷データとする印刷用画像データ補
間方法であって、画像をドットマトリクス状の画素で多
階調表現した上記画像データを取得する工程と、この上
記ドットマトリクス状の画素で多階調表現された画像の
画素を所定の補間倍率となるように補間して生成するに
あたり精度の高い演算手法で補間してから精度の低い演
算手法で補間するものとしつつこれらを所定の負担割合
で実行する工程と、上記画像データを基準として補間処
理するにあたり印刷する際の精細度を検出する工程と、
この検出された精細度に基づいて上記画素補間工程にお
ける負担割合を算出するにあたり高精細であるほど精度
の高い演算手法に割り当てられる負担割合が増加するよ
うに補間倍率を調整する工程と、決定される負担割合で
補間処理された補間画像データに基づいて所定の印刷デ
ータに変換して出力する工程とを具備する構成としてあ
る。
【0028】すなわち、必ずしも実体のある装置に限ら
ず、その方法としても有効であることに相違はない。と
ころで、このような印刷用画像データ補間装置は単独で
存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で
利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに
限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフト
ウェアであったりハードウェアであったりするなど、適
宜、変更可能である。
【0029】発明の思想の具現化例として印刷用画像デ
ータ補間装置のソフトウェアとなる場合には、かかるソ
フトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在
し、利用されるといわざるをえない。その一例として、
請求項9にかかる発明は、画像をドットマトリクス状の
画素で多階調表現した画像データについてコンピュータ
にて所定の補間倍率となるように補間処理するとともに
印刷するための所定の変換処理を実行して印刷データと
する印刷用画像データ補間プログラムを記録した媒体で
あって、画像をドットマトリクス状の画素で多階調表現
した上記画像データを取得するステップと、この上記ド
ットマトリクス状の画素で多階調表現された画像の画素
を所定の補間倍率となるように補間して生成するにあた
り精度の高い演算手法で補間してから精度の低い演算手
法で補間するものとしつつこれらを所定の負担割合で実
行するステップと、上記画像データを基準として補間処
理するにあたり印刷する際の精細度を検出するステップ
と、この検出された精細度に基づいて上記画素補間工程
における負担割合を算出するにあたり高精細であるほど
精度の高い演算手法に割り当てられる負担割合が増加す
るように補間倍率を調整するステップと、決定される負
担割合で補間処理された補間画像データに基づいて所定
の印刷データに変換して出力するステップとを具備する
構成としてある。
【0030】むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体で
あってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後
開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考え
ることができる。また、一次複製品、二次複製品などの
複製段階については全く問う余地無く同等である。さら
に、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェア
で実現されている場合においても発明の思想において全
く異なるものはなく、一部を記録媒体上に記憶しておい
て必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとし
てあってもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、印刷する
際の精度が高くなると精度の高い演算手法で行われる補
間倍率の負担割合が増加していくようにしたため、精度
の高い演算手法で補間される補間倍率が上がることによ
って画質が向上する分、残りの補間倍率を精度の低い演
算手法で補間しても画質の逆転がしにくくなるようにす
ることが可能な印刷用画像データ補間装置を提供するこ
とができる。
【0032】また、請求項2にかかる発明によれば、印
刷段階での階調数が変化する場合に逆転が起こりにくく
なる。さらに、請求項3にかかる発明によれば、印刷段
階での階調をドット径で変化させる場合に逆転が起こり
にくくなる。さらに、請求項4にかかる発明によれば、
印刷段階での解像度が変化する場合に逆転が起こりにく
くなる。さらに、請求項5にかかる発明によれば、周囲
の画素の画像データから演算処理で補間画素の画像デー
タを算出するため、補間する画素の画像データはなだら
かに変化し、演算量が多くなる分、画質が向上する。さ
らに、請求項6にかかる発明によれば、既存の画素の画
像データをそのまま利用することになるので精度面では
向上を望みにくいものの演算量は少なくなる。
【0033】さらに、請求項7にかかる発明によれば、
切替解像度を変化させるだけで負担割合が実質的に変化
し、調整が容易となる。さらに、請求項8にかかる発明
によれば、同様の効果を奏する印刷用画像データ補間方
法を提供することができ、請求項9にかかる発明によれ
ば、印刷用画像データ補間プログラムを記録した媒体を
提供することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面にもとづいて本発明の
実施形態を説明する。ディジタル印刷処理では、画像を
ドットマトリクス状の画素で表現し、各画素を表すデー
タの集まりで画像データが構成される。まず、このよう
な画像データを処理する印刷システムのハードウェアに
ついて説明する。
【0035】本実施形態においてはこのような印刷シス
テムを実現するハードウェアの一例としてカラープリン
タを有するコンピュータシステム10を採用している。
図1は、同コンピュータシステム10をブロック図によ
り示している。本コンピュータシステム10は、画像入
力デバイスとして、スキャナ11aとデジタルスチルカ
メラ11bとビデオカメラ11cとを備えており、コン
ピュータ本体12に接続されている。それぞれの入力デ
バイスは画像をドットマトリクス状の画素で表現した画
像データを生成してコンピュータ本体12に出力可能と
なっており、ここで同画像データはRGBの三原色にお
いてそれぞれ256階調表示することにより、約167
0万色を表現可能となっている。
【0036】コンピュータ本体12には、外部補助記憶
装置としてのフロッピーディスクドライブ13aとハー
ドディスク13bとCD−ROMドライブ13cとが接
続されており、ハードディスク13bにはシステム関連
の主要プログラムが記録されており、フロッピー(登録
商標)ディスクやCD−ROMなどから適宜必要なプロ
グラムなどを読み込み可能となっている。
【0037】また、コンピュータ本体12を外部のネッ
トワークなどに接続するための通信デバイスとしてモデ
ム14aが接続されており、外部のネットワークに同公
衆通信回線を介して接続し、ソフトウェアやデータをダ
ウンロードして導入可能となっている。この例ではモデ
ム14aにて電話回線を介して外部にアクセスするよう
にしているが、LANアダプタを介してネットワークに
対してアクセスする構成とすることも可能である。この
他、コンピュータ本体12の操作用にキーボード15a
やマウス15bも接続されている。
【0038】さらに、画像出力デバイスとして、ディス
プレイ17aとカラープリンタ17bとを備えている。
ディスプレイ17aについては水平方向に800画素と
垂直方向に600画素の表示エリアを備えており、各画
素毎に上述した1670万色の表示が可能となってい
る。むろん、この解像度は一例に過ぎず、640×48
0画素であったり、1024×720画素であるなど、
適宜、変更可能である。また、カラープリンタ17bは
後述するようにCMYKの四色の色インクを用いて記録
媒体たる印刷用紙上にドットを付して画像を印刷可能と
なっている。また、画像密度は720×720dpi
(dot/inch)といった高密度印刷が可能となっ
ているが、階調表限については色インクを付すか否かと
いった2階調の低階調表現となっている。
【0039】一方、このような画像入力デバイスを使用
して画像を入力しつつ、画像出力デバイスに表示あるい
は出力するため、コンピュータ本体12内では所定のプ
ログラムが実行されることになる。そのうち、基本プロ
グラムとして稼働しているのはオペレーティングシステ
ム(OS)12aであり、このオペレーティングシステ
ム12aにはディスプレイ17aでの表示を行わせるデ
ィスプレイドライバ(DSP DRV)12bとカラー
プリンタ17bに印刷出力を行わせるプリンタドライバ
(PRT DRV)12cが組み込まれている。これら
のドライバ12b,12cの類はディスプレイ17aや
カラープリンタ17bの機種に依存しており、それぞれ
の機種に応じてオペレーティングシステム12aに対し
て追加変更可能である。また、機種に依存して標準処理
以上の付加機能を実現することもできるようになってい
る。すなわち、オペレーティングシステム12aという
標準システム上で共通化した処理体系を維持しつつ、許
容される範囲内での各種の追加的処理を実現できる。
【0040】むろん、このようなプログラムを実行する
前提として、コンピュータ本体12内にはCPU12e
とRAM12fとROM12gとI/O12hなどが備
えられており、演算処理を実行するCPU12eがRA
M12fを一時的なワークエリアや設定記憶領域として
使用したりプログラム領域として使用しながら、ROM
12gに書き込まれた基本プログラムを適宜実行し、I
/O12hを介して接続されている外部機器及び内部機
器などを制御している。
【0041】この基本プログラムとしてのオペレーティ
ングシステム12a上でアプリケーション12dが実行
される。アプリケーション12dの処理内容は様々であ
り、操作デバイスとしてのキーボード15aやマウス1
5bの操作を監視し、操作された場合には各種の外部機
器を適切に制御して対応する演算処理などを実行し、さ
らには、処理結果をディスプレイ17aに表示したり、
カラープリンタ17bに出力したりすることになる。
【0042】ここで上述したカラープリンタ17bに
は、プリンタドライバ12cを介してアプリケーション
12dの処理結果が印刷データとして出力され、同カラ
ープリンタ17bは色インクを用いて印刷用紙上にドッ
トを付すことにより、対応する画像を印刷する。図2〜
図4にはこのようなカラープリンタの一例としてカラー
インクジェットプリンタ21の概略構成を示している。
本カラーインクジェットプリンタ21は、三つの印字ヘ
ッドユニットからなる印字ヘッド21aと、この印字ヘ
ッド21aを制御する印字ヘッドコントローラ21b
と、当該印字ヘッド21aを桁方向に移動させる印字ヘ
ッド桁移動モータ21cと、印字用紙を行方向に送る紙
送りモータ21dと、これらの印字ヘッドコントローラ
21bと印字ヘッド桁移動モータ21cと紙送りモータ
21dにおける外部機器とのインターフェイスにあたる
プリンタコントローラ21eとからなるドット印刷機構
を備え、印刷データに応じて印刷用紙である記録媒体上
で印字ヘッド21aを走査しながら画像印刷可能となっ
ている。
【0043】また、図3は印字ヘッド21aのより具体
的な構成を示しており、図4はインク吐出時の動作を示
している。印字ヘッド21aには色インクタンク21a
1からノズル21a2へと至る微細な管路21a3が形
成されており、同管路21a3の終端部分にはインク室
21a4が形成されている。このインク室21a4の壁
面は可撓性を有する素材で形成され、この壁面に電歪素
子であるピエゾ素子21a5が備えられている。このピ
エゾ素子21a5は電圧を印加することによって結晶構
造が歪み、高速な電気−機械エネルギー変換を行うもの
であるが、かかる結晶構造の歪み動作によって上記イン
ク室21a4の壁面を押し、当該インク室21a4の容
積を減少させる。すると、このインク室21a4に連通
するノズル21a2からは所定量の色インク粒が勢いよ
く吐出することになる。このポンプ構造をマイクロポン
プ機構と呼ぶことにする。
【0044】なお、一つの印字ヘッドユニットには独立
した二列のノズル21a2が形成されており、各列のノ
ズル21a2には独立して色インクが供給されるように
なっている。従って、三つの印字ヘッドユニットでそれ
ぞれ二列のノズルを備えることになり、最大限に利用し
て六色の色インクを使用することも可能である。図2に
示す例では、左列の印字ヘッドユニットにおける二列を
黒インクに利用し、中程の印字ヘッドユニットにおける
一列だけを使用してシアン色インクに利用し、右列の印
字ヘッドユニットにおける左右の二列をそれぞれマゼン
タ色インクとイエロー色インクに利用している。
【0045】一方、印字ヘッド21aに形成されている
ノズル21a2の鉛直方向の間隔は印刷解像度とは一致
せず、一般的にはこのノズル21a2は印刷解像度より
も大きな間隔で形成されている。これにもかかわらずよ
り高解像度の印刷を可能とするのは、紙送り方向につい
て紙送りモータ21dを制御するからである。例えば、
ノズル21a2の間隔の間で紙を8段階で送り、各段階
毎に印字ヘッド21aを桁送り方向に操作して印刷すれ
ば解像度は向上する。むろん、桁送り方向については任
意の間隔で色インクを吐出すればそれが解像度と言える
から、タイミングの制御次第と言える。なお、厳密な意
味では色インクのドット径も解像度の要素となりえる
が、ここでは理解の簡便のため無視することにする。
【0046】本実施形態においては、上述したようなハ
ードウェアシステムを前提とし、コンピュータシステム
10の画像入力デバイスで取得した画像データに基づい
て印刷を実行する。その際、元の画像データの解像度と
カラープリンタ17bの解像度とに差がある場合には補
間処理を実行することになる。ここで、アプリケーショ
ン12dが印刷処理を実行した際にカラープリンタ17
bに対して印刷データが出力される際の解像度と階調度
の変化について説明する。図5は画像データの流れを示
している。
【0047】アプリケーション12dはオペレーティン
グシステム12aに対して印刷要求を発生し、その際に
出力サイズとRGB256階調の画像データを受け渡
す。すると、オペレーティングシステム12aはプリン
タドライバ12cに対してこの出力サイズと画像データ
を受け渡し、プリンタドライバ12cは印刷オプション
を入力するためにオペレーティングシステム12aとデ
ータの入出力を行なう。ここで、オペレーティングシス
テム12aはディスプレイドライバ12bを介してディ
スプレイ17aに表示を行いつつ、キーボード15aや
マウス15bの操作結果をプリンタドライバ12cに出
力し、プリンタドライバ12cは操作結果を印刷オプシ
ョンとして反映して印刷データを生成する。通常、この
印刷データはCMYK2階調であり、オペレーティング
システム12aを介してハードウェアポートよりカラー
プリンタ17bに出力されることになる。
【0048】このように、本実施形態においては、印刷
制御プログラムをコンピュータシスム10にて実行して
カラープリンタ17bに印刷データを出力しているが、
対象となる印刷装置は上述したインクジェット方式のカ
ラープリンタ21に限定されるものではない。例えば、
同カラープリンタ21はマイクロポンプ機構を採用する
インクジェット方式のものであるがマイクロポンプ機構
以外のものを採用することも可能である。図6に示すよ
うにノズル21a6近傍の管路21a7の壁面にヒータ
21a8を設けておくとともに、このヒータ21a8に
加熱して気泡を発生させ、その圧力で色インクを吐出す
るようなバブルジェット(登録商標)方式のポンプ機構
も実用化されている。
【0049】また、他の機構として図7にはいわゆる電
子写真方式のカラープリンタ22の主要部概略構成を示
している。感光体としての回転ドラム22aの周縁には
回転方向に対応して帯電装置22bと露光装置22cと
現像装置22dと転写装置22eとが配置され、帯電装
置22bにて回転ドラム22aの周面を均一に帯電させ
た後、露光装置22cによって画像部分の帯電を除去
し、現像装置22dで帯電していない部分にトナーを付
着させ、転写装置22eによって同トナーを記録媒体と
しての紙上に転写させる。その後、ヒータ22fとロー
ラ22gとの間を通過させて同トナーを溶融して紙に定
着させている。そして、これらが一組となって一色のト
ナーによる印刷を行わせることになるので、合計四色分
が個別に備えられている。
【0050】すなわち、その印刷装置の具体的な構成は
特に限定されるものではないし、このような個別的な印
刷手法の適用範囲のみならずその適用態様についても各
種の変更が可能である。上述した実施形態においては、
印刷データを取得するために画像入力デバイスや画像出
力デバイスなどを含むコンピュータシステム10におい
て所定のアプリケーション12dとプリンタドライバ1
2cとが印刷データを生成している。しかしながら、必
ずしもかかるコンピュータシステム10を必要とするわ
けではない。
【0051】例えば、図8に示すように、コンピュータ
システムを介することなく画像データを入力して印刷す
るカラープリンタ17bにおいては、スキャナ11aや
デジタルスチルカメラ11bあるいはモデム14a等を
介して画像データを直に入力し、当該カラープリンタ1
7bの内部において後述する所定の処理を実行して印刷
データに変換して印刷を行うように構成することも可能
である。次に、上述した印刷システムを利用して出力解
像度に応じた最適な画像処理を実行する処理について説
明する。
【0052】図9は、この印刷システムの概略構成を示
している。ディジタル印刷処理のように画素単位で処理
する系においては、印刷装置の記録解像度と元の画像デ
ータの解像度とが異なることが生じ、解像度が一致する
ように構成画素を補間することになる。印刷装置では所
定の要素色のインクドットを紙などに付着せしめるが、
スキャナやディスプレイなどの入力装置のように必ずし
もフルカラーで高精細に表現できるわけではなく、低階
調でありながら色の配列を調整してできる限り入力画像
データの再現性を向上させようとしている。ただ、この
ような調整は人間の視認性能を無視して成り立つもので
はなく、微妙な相関関係を持っているので理論通りの結
果が得られるとも限らない。
【0053】以下においては、入力画像データに対し
て、精度の高い演算手法である解像度まで補間し、重ね
て不足分を精度の低い演算手法で画素補間する場合に、
印刷品質に密接に関連する印刷解像度に応じて最適な画
素補間処理を実施する例について詳細に説明する。すな
わち、上述した微妙な相関関係を持っている人間の視認
性能を考慮しつつ構成画素の補間処理を実施するため、
画像データ取得ユニットC1が画像をドットマトリクス
状の画素で多階調表現した画像データを取得すると、画
素補間ユニットC2が精度の高い演算手法で補間してか
ら精度の低い演算手法で補間するが、同画素補間ユニッ
トC2で上記画像データを基準として補間処理するにあ
たり、印刷する際の精細度を精細度検出ユニットC3が
検出する。そして、この精細度検出ユニットC3で検出
した精細度に基づいて補間倍率調整ユニットC4は上記
画素補間ユニットC2における負担割合を算出するもの
とし、その際には高精細であるほど精度の高い演算手法
に割り当てられる負担倍率が増加するように補間倍率を
調整する。上記画素補間ユニットC2は、このようにし
て調整される補間倍率に従って精度の高い演算手法で補
間してから精度の低い演算手法で補間し、印刷データ出
力ユニットC5は補間処理された補間画像データに基づ
いて所定の印刷データに変換して出力する。
【0054】言い換えれば、精細度検出ユニットC3が
印刷品質を取得すると、補間倍率調整ユニットC4は取
得された印刷品質に対応して二つの補間処理における負
担割合を決定する。全体としてみるとこの負担割合によ
って補間処理の品質が変化するから、補間処理を決定す
ることに他ならない。そして、この負担割合に応じて画
素補間ユニットC2が現実に画素補間を切り換えて行う
ため、決定された補間処理を実行することになり、その
結果に基づいて印刷データ出力ユニットC5が所定の印
刷データに変換して出力すれば、全体として印刷制御処
理を実行するものといえる。なお、この実施形態におい
ては、負担割合を決定することで補間処理を決定するよ
うにしているが、後述する実施形態のように複数の補間
処理の中からいずれかを選択するものも含むことはいう
までもない。
【0055】上記印刷システムにおいては、プリンタド
ライバ12cが画像データ取得ユニットC1や画素補間
ユニットC2や印刷データ出力ユニットC5とともに後
述する処理内容に対応して精細度検出ユニットC3や補
間倍率調整ユニットC4を構成することになる。なお、
かかるプリンタドライバ12cは、ハードディスク13
bに記憶されており、起動時にコンピュータ本体12に
て読み込まれて稼働する。また、導入時にはCD−RO
Mであるとかフロッピーディスクなどの媒体に記録され
てインストールされる。従って、これらの媒体は印刷用
画像データ補間プログラムを記録した媒体を構成する。
【0056】なお、本発明をソフトウェアで実現する場
合、ハードウェアやオペレーティングシステムを利用す
る構成とすることも可能であるし、これらと切り離して
実現することもできる。例えば、印刷品質を入力する処
理といっても、その実現方法はオペレーティングシステ
ムにおける所定の関数を呼び出してGUIの表示や入力
処理を実現することも可能であれば、このような関数を
呼び出すことなく入力することも可能である。そして、
実際にはオペレーティングシステムの介在のもとで実現
するとしても、プログラムが媒体に記録されて流通され
る過程においては、このプログラムだけで本発明を実施
できるものと理解することができる。
【0057】次に、上述したようなコンピュータシステ
ム10において画像データを補間する具体的な処理につ
いて説明する。図10は本コンピュータシステム10に
おける印刷処理の内容を示している。ステップST10
2では画像データを入力する。例えば、アプリケーショ
ン12dにてスキャナ11aから画像を読み込み、所定
の画像処理を行った後で印刷処理すると、所定の解像度
の画像データがオペレーティングシステム12aを介し
てプリンタドライバ12cに引き渡されるため、この引
渡の段階が該当する。むろん、スキャナ11aにて画像
を読み込むものであってもよい。
【0058】ステップST102は、印刷する際の精細
度を取得するために出力解像度の選択をする処理であ
る。アプリケーション12dにて印刷処理を実行する際
には、オペレーティングシステム12aがGUI環境を
提供するものとすると図11に示すように印刷操作用の
ウィンドウ表示が行われる。ここで入力されるパラメー
タなどは各種のものを採用可能であるが、一例として、
「(印刷の)部数」、「開始ページ」、「終了ページ」
などがある。また、操作指示ボタンとしては「OK」ボ
タンと「キャンセル」ボタンとともに、「プリンタの設
定」ボタンも用意されている。
【0059】「プリンタの設定」を指示すると、図12
に示すようなウィンドウ表示が行われる。このウィンド
ウ表示ではプリンタ毎の機能に応じた各種の設定を行う
ために用意されており、この例では「(印刷)解像度」
として「360dpi」と「720dpi」の一方を選
択できる。また、「用紙」として「A4」か「B5」、
「印刷の向き」として「縦」か「横」を選択できる。本
実施形態においては、この「解像度」の選択が重要な意
味を持ち、ステップST104では解像度が既に選択さ
れているのであれば設定ファイルを参照して読み出す
し、操作者が印刷操作に伴って解像度を変更する場合に
は変更後の解像度を出力解像度として読み出す。本実施
形態においては、このようなウィンドウ表示に基づいて
ソフトウェア的に選択される解像度を精細度として検出
しているが、解像度の選択操作はこれに限られるもので
はなく、ソフトウェア的にもハードウェア的にも適宜変
更可能である。ソフトウェアではウィンドウ表示以外の
表示を行っても良いし、解像度を直に選択させるのでは
なく、印刷速度の速さ(精細であれば遅くなるし粗くな
れば早くなるので)のように間接的に選択するようなも
のであっても構わない。
【0060】次のステップST106の処理では、選択
されている解像度に応じて処理を分岐し、ステップST
108,ST110にて切替解像度を設定する処理を行
う。この切替解像度について詳述する前に画素補間処理
の流れについて説明しておく。ステップST108では
切替解像度を180dpiに設定するし、ステップST
110では切替解像度を240dpiに設定する。そし
て、ステップST112では補間倍率を取得し、この補
間倍率と上記切替解像度との関係から第一段階の補間倍
率を求めてステップST114にてMキュービック倍率
とするとともに、続いて残りの補間倍率を求めてステッ
プST116にてニアリスト倍率とした後、それぞれの
補間倍率を利用してステップST118とステップST
120にて補間処理を実行する。この二段階の補間処理
は異なる手法によるものであり、前者のものがいわゆる
精度の高い演算手法による補間処理であり、後者のもの
がいわゆる精度の低い演算手法による補間処理である。
【0061】ここで、本実施形態において実行する補間
処理の各手法について説明する。コンピュータグラフィ
ックスのような非自然画に適した補間処理として、ステ
ップST210ではニアリスト法の補間処理を実行可能
となっている。ニアリスト法は図13に示すように、周
囲の四つの格子点Pij,Pi+1j,Pij+1,P
i+1j+1と内挿したい点Puvとの距離を求め、も
っとも近い格子点のデータをそのまま移行させる。これ
を一般式で表すと、 Puv=Pij ここで、i=[u+0.5]、j=[v+0.5]であ
る。なお、[]はガウス記号で整数部分を取ることを示
している。
【0062】図14は、ニアリスト法で画素数を縦横3
倍ずつに補間する状況を示している。補間する前には四
隅の画素(□△○●)があるとして、補間して生成する
画素にはこれらの画素のうちもっとも近い画素のデータ
をそのまま移行させている。すなわち、この例で言えば
四隅の画素に隣接する画素についてそれぞれ複写するこ
とになる。また、かかる処理を行うと、図15に示すよ
うに白い画素を背景として黒い画素が斜めに配置される
元画像は、図16に示すように黒の画素が縦横に3倍に
拡大されつつ斜め方向に配置されることになる。
【0063】ニアリスト法においては、画像のエッジが
そのまま保持される特徴を有する。それ故に拡大すれば
ジャギーが目立つもののエッジはエッジとして保持され
る。これに対して他の補間処理では補間される画素を周
りの画素のデータを利用してなだらかに変化するように
する。従って、ジャギーが目立たなくなる反面、本来の
元画像の情報は削られていってしまい、エッジがなくな
ることになってコンピュータグラフィックスなどの非自
然画には適さなくなる。
【0064】一方、写真のような自然画に適した補間処
理として、ステップST212ではキュービック法の補
間処理を実行する。キュービック法は図17に示すよう
に、内挿したい点Puvを取り囲む四つの格子点のみな
らず、その一周り外周の格子点を含む計16の格子点の
データを利用する。内挿点Puvを取り囲む計16の格
子点がそれぞれに値を備えている場合に、内挿点Puv
はそれらの影響を受けて決定される。例えば、一次式で
補間しようとすれば、内挿点を挟む二つの格子点からの
距離に反比例させて重みづけ加算すればよい。X軸方向
に注目すると、内挿点Puvから上記16の格子点との
距離は、図面上、左外側の格子点までの距離をx1、左
内側の格子点までの距離をx2、右内側の格子点までの
距離x3、右外側の格子点までの距離x4と表しつつ、
このような距離に対応した影響度合いを関数f(x)で
表すことにする。また、Y軸方向に注目すると、内挿点
Puvから上記16の格子点との距離は、上方外側の格
子点までの距離をy1、上方内側の格子点までの距離を
y2、下方内側の格子点までの距離y3、下方外側の格
子点までの距離y4と表しつつ、同様に影響度合いは関
数f(y)で表せる。
【0065】16の格子点は以上のような距離に応じた
影響度合いで内挿点Puvに寄与するので、全ての格子
点にデータに対してX軸方向とY軸方向のそれぞれの影
響度合いを累積させる一般式は次式のようになる。
【0066】
【数1】 また、ここで距離に応じた影響度合いを3次たたみ込み
関数で表すとすると、f(t) = {sin(πt)}/πtとなる。
なお、上述した各距離x1〜x4,y1〜y4は格子点
Puvの座標値(u,v)について絶対値を利用して次
のように算出することになる。 x1 = 1+(u-|u|) y1 = 1+(v-|v|) x2 = (u-|u|) y2 = (v-|v|) x3 = 1-(u-|u|) y3 = 1-(v-|v|) x4 = 2-(u-|u|) y4 = 2-(v-|v|) 以上の前提のもとでPについて展開すると、
【0067】
【数2】 となる。なお、3次たたみ込み関数と呼ばれるように距
離に応じた影響度合いf(t)は次のような三次式で近
似される。
【0068】
【数3】 このキュービック法では一方の格子点から他方の格子点
へと近づくにつれて徐々に変化していき、その変化具合
がいわゆる3次関数的になるという特徴を有している。
【0069】図18と図19はキュービック法にて補間
される際の具体例を示している。理解を容易にするた
め、垂直方向についてのデータの変化はなく、水平方向
についてエッジが生じているモデルについて説明する。
また、補間する画素を3点とする。まず、図19の具体
的数値について説明する。補間前の画素の階調値を左列
に「Original」として示しており、階調値「6
4」の画素(P0、P1、P2、P3)が4点並び、階
調値「128」の画素(P4)を1点挟み、階調値「1
92」の画素(P5、P6、P7、P8、P9)が5点
並んでいる。この場合、エッジは階調値「128」の画
素の部分である。
【0070】ここで各画素間に3点の画素(Pn1、P
n2、Pn3)を内挿することになると、内挿される画
素間の距離は「0.25」となり、上述したx1〜x4
は内挿点毎に表の中程の列の数値となる。x1〜x4に
対応してf(x1)〜f(x4)も一義的に計算される
ことになり、例えば、x1,x2,x3,x4が、それ
ぞれ「1.25」、「0.25」、「0.75」、
「1.75」となる場合、それに対するf(t)につい
ては、概略「−0.14」、「0.89」、「0.3
0」、「−0.05」となる。また、x1,x2,x
3,x4が、それぞれ「1.50」、「0.50」、
「0.50」、「1.50」となる場合、それに対する
f(t)については、「−0.125」、「0.62
5」、「0.625」、「−0.125」となる。ま
た、x1,x2,x3,x4が、それぞれ「1.7
5」、「0.75」、「0.25」、「1.25」とな
る場合、それに対するf(t)については、概略「−
0.05」、「0.30」、「0.89」、「−0.1
4」となる。以上の結果を用いて内挿点の階調値を演算
した結果を表の右列に示しているとともに、図18にお
いてグラフで示している。なお、このグラフの意味する
ところについて後に詳述する。
【0071】垂直方向についてのデータの変化がないも
のとみなすと、演算は簡略化され、水平方向に並ぶ四つ
の格子点のデータ(P1,P2,P3,P4 )だけを参照しつつ、
内挿点から各格子点までの距離に応じた影響度合いf
(t)を利用して次のように算出できる。 P=P1・f(x1)+P21f(x2)+P3・f(x3)+P4・f(x4) 従って、内挿点P21について算出する場合には、 P21=64*f(1.25)+64*f(0.25)+64*f(0.75)+128*f(1.75) =64*(-0.14063)+64*(0.890625)+64*(0.296875)+128*(-0.04688) =61 となる。
【0072】キュービック法によれば3次関数的に表せ
る以上、そのカーブの形状を調整することによって補間
結果の品質を左右することができる。その調整の一例と
して、 0<t<0.5 f(t) = -(8/7)t**3-(4/7)t**2+1 0.5<t<1 f(t) = (1-t)(10/7) 1<t<1.5 f(t) = (8/7)(t-1)**3+(4/7)(t-1)**2-(t-1) 1.5<t<2 f(t) = (3/7)(t-2) としたものをMキュービック法と呼ぶことにする。
【0073】図20はMキュービック法にて補間される
際の具体例を示しており、キュービック法の場合と同じ
仮定のモデルについて補間した結果を示している。ま
た、図18にもMキュービック法による補間処理結果を
示しており、この例では3次関数的なカーブがわずかに
急峻となり、画像全体のイメージがシャープとなる。す
なわち、ニアリスト法は極めて演算処理が少ない一方
で、画像の変化が大きいエッジ部分がジャギーとして表
れ、精度の低い演算と言えるし、Mキュービック法は写
真などにおいてシャープさを増しつつ段差が生じないと
いう好適な影響を及ぼすものの、3次たたみ込み関数を
利用するので演算処理は大きく、それ故に精度の高い演
算と言える。
【0074】このように性格を異にする二つの演算手法
を重ねて実行するのは次のような利点があるからであ
る。Mキュービック法は一つの補間画素に要する演算処
理量が多いので、補間倍率が大きくなると実質的にかか
る補間処理を採用することは不可能となる。一方、印刷
用に補間処理を行うのは解像度の相違を解消することが
多いし、印刷装置の解像度が上げられているのは低階調
の印刷でありながらより画質を向上させるためであるこ
とが多い。すると、ある程度までドット径が小さくなっ
てくると精度の高い演算処理結果が必ずしも良好な画質
を得られるとは限らなくなるという現実もある。すなわ
ち、ある程度を越えると演算処理量の増大の程度に比べ
て画質の向上がさほど得られないという現象が生じる。
このため、ある程度まではMキュービック法で補間処理
するものの、それ以上についてはニアリスト法で補間処
理しても画質の程度に大きな変化はない上、演算処理量
は相対的に激減するという効果がある。
【0075】従って、ステップST112にて補間倍率
を取得したら、この補間倍率を二段階で達成するように
ステップST114にてMキュービック倍率を設定する
とともに、ステップST116にてニアリスト倍率を設
定しなければならないが、この割り振りを行うのに必要
となるのが切替解像度である。すなわち、上述したよう
な演算処理量と画質の倍率のバランスを維持するため
に、Mキュービック倍率とニアリスト倍率との比が一定
となるように決めるのではなく、Mキュービック法で切
替解像度以上となるように補間処理を行い、残りの補間
倍率をニアリスト法で補間処理することとしている。
【0076】また、このような切替解像度も、Mキュー
ビック法の補間処理で同切替解像度に一致させるように
解像度を変換した後、不足分をニアリスト法とするわけ
ではなく、あくまでも同切替解像度を超えるための最小
整数倍率をMキュービック倍率としている。これは、任
意の倍率で補間処理しようとすると補間後の画像データ
の全ての画素を演算により算出しなければならず、演算
時間が多大となるのに対し、整数倍率であると一部の画
素は既存の画素の格子点と一致することになって実質的
な演算処理量を減らすことができるからである。
【0077】図21は水平方向と垂直方向に2倍に補間
する処理例を示している。予め、補間後の画像データに
ついての変数領域を確保するとして、整数倍の補間処理
であれば元画像の画像データは整数倍した座標値に対応
する画素の画像データとなる。図に示す例で言えば、旧
座標値(0,0)は新座標値(0,0)に対応し、旧座
標値(1,0)は新座標値(2,0)に対応し、旧座標
値(0,1)は新座標値(0,2)に対応し、旧座標値
(1,1)は新座標値(2,2)に対応するということ
である。
【0078】すなわち、補間処理自体は任意の倍率で実
行可能であるにしても、整数倍の補間処理だけを受け付
けるようにすると、演算すべき画素が減り、処理の高速
化を図ることができる。さて、切替解像度を用いてMキ
ュービック法の補間倍率やニアリスト法の補間倍率を調
整しているものの、同切替解像度自体を出力解像度に応
じてステップST108やステップST110にて変化
させているのは次のような理由からである。
【0079】具体例として、入力される画像データが1
70dpiのものと185dpiのものであるとし、切
替解像度が180dpiというように固定された状態
で、出力解像度を360dpiに設定した場合と出力解
像度を720dpiに設定した場合とを比較してみる。
この場合、前者の画像データはいずれにしてもMキュー
ビック法で2倍して340dpiに補間されるし、後者
の画像データはMキュービック法で補間されることはな
い。ただ、出力解像度が360dpiであるときには印
刷の精細度があまり高いとはいえないので、Mキュービ
ック法を経た前者の画像データとMキュービック法を経
ない後者の画像データが最終的に360dpiとなった
ときでも画質の逆転は見られない。しかし、出力解像度
が720dpiであるときには精細になった分だけ、前
者のものについての画質の向上分を視認できてしまい、
逆転現象が起きてしまう。
【0080】このような微妙な感覚に基づく差であるか
ら、切替解像度を出力解像度に比例して上げていくのが
最適であるとも言えないし、さらには演算処理時間に対
する寛容度も一因となっているので結果的には実験など
によって定めていくほかはない。本実施形態の場合は、
かかるバランスを考慮して出力解像度が360dpiの
場合は切替解像度を180dpiに設定し、出力解像度
が720dpiの場合は切替解像度を240dpiに設
定している。すなわち、出力解像度が2倍になるのに対
して切替解像度は1.33…倍となっている。
【0081】このようにした場合、先程の例を当てはめ
ると、出力解像度が720dpiと設定したときのMキ
ュービック倍率については、170dpiのものと18
5dpiものとはともに切替解像度240dpiよりも
小さいので、それぞれ整数倍で240dpiを越えるよ
うにするために2倍を設定する。すると、Mキュービッ
ク法で340dpitと370dpiまで補間処理さ
れ、残りの720/340倍と720/370倍をニア
リスト法で補間処理する。Mキュービック法で340d
pitと370dpiと補間処理されるので、画質が逆
転するということはない。なお、ニアリスト倍率は整数
倍とはならないが、元もとの演算量が少ないので大した
問題とはならない。
【0082】以上は、理解の簡易のために画像データに
ついて解像度が指定されているようにして説明したが、
実際には上述したようにアプリケーション12dがオペ
レーティングシステム12aに対して出力サイズと画像
データを受け渡している。従って、この場合の例につい
て説明する。アプリケーション12dがVGAサイズ
(640×480画素)の画像を2Lプリントサイズ
(6×12cm)を指定して印刷要求したとする。2L
プリントサイズは6.299×4.724インチであ
り、101.6dpiとなる。出力解像度を720dp
iに設定しているときには、切替解像度は240dpi
となり、Mキュービック法での補間倍率は240dpi
以上となる最小整数倍であるので、3倍となる。3倍の
補間処理によって304.8(101.6×3)dpi
となるので、残りのニアリスト法による補間処理では
(720/304.8)倍の補間処理を行うことにな
る。
【0083】別の表現で説明すると、最終解像度が72
0dpiであるなら2Lプリントサイズでは4536×
3401画素となる。全体の補間倍率は4536/64
0=7.0875倍であり、最小整数倍率を3倍として
Mキュービック倍率とすればニアリスト倍率は7.08
75/3=2.3625倍となる。ステップST118
やステップST120にて補間処理を終了したら、続く
ステップST122にて色変換処理を行う。上述したよ
うにアプリケーション12dがオペレーティングシステ
ム12aに受け渡すのはRGB256階調の画像データ
であってこれまで行った補間処理では画素数が変化する
だけであってRGB256階調であることに変わりはな
い。これをカラープリンタ17bで使用する色インクに
合わせてRGB色空間からCMYK色空間へと画像デー
タの変換を行う。色変換は数式を利用して一義的に定ま
るものではないので予め対応関係を求めておいたルック
アップテーブルを利用するのが基本であり、その場合で
も全色分の巨大なルックアップテーブルを用意しておい
て対応関係を求めるようにしても良いし、色数を減らし
た比較的小さめのルックアップテーブルを用意しておい
て不足分を補間演算で補うようにしても良い。
【0084】ルックアップテーブルで参照されるCMY
Kの色データの階調は必ずしも256階調である必要は
ないが、対応関係を定める以上は多階調でなければ思わ
ぬ変換結果となってしまう。このため、別にステップS
T124にてカラープリンタ17bの性能に応じた2階
調へのハーフトーン処理を行う。ハーフトーン処理によ
れば低階調でありながらも多数のドットを利用してマク
ロ的に色のずれの最小化を図ることができる。
【0085】そして、このようにして最終的に得られた
CMYK2階調の印刷データはステップST126にて
カラープリンタ17bに出力される。むろん、印刷装置
に応じて具体的な印刷データの形態は変化してくること
になるし、必ずしも直に印刷装置に出力される必要はな
く、ファイル形式で保存されるようにしても構わない。
従って、印刷データを出力するというのは、次の段階へ
のデータの受け渡しを意味すればよい。
【0086】以上の例では、カラープリンタ17bの印
刷性能が2階調であり、印刷解像度を選択できるものと
して説明した。これはバブルジェット方式のポンプ機構
を採用するインクジェットプリンタや電子写真方式のカ
ラープリンタ22においても、ほぼ同様のことがいえ
る。しかしながら、昇華式のカラープリンタを始め多階
調表現可能なものもあり、この場合には印刷する精細度
は解像度以外に階調数の要素も含まれることになる。以
下に、このような階調数を変更可能な場合の実施形態に
ついて説明する。
【0087】図22〜図25は図3〜図5に示したピエ
ゾ素子を採用するマイクロポンプ機構を備えたインクジ
ェット方式においてドット径を変化できるようにしたカ
ラープリンタを示している。ドット径を変化させるため
にはピエゾ素子21a5に対する印加電圧を変化させる
ものとし、その印加電圧波形を図22に示している。ピ
エゾ素子21a5は印加電圧の極性によって変形方向も
異なるから、同図の波形に示すように最初に負の電圧を
印加するとインク室21a4を広げることになり、次い
で正の電圧を印加して色インク粒を吐出させている。こ
れを引きの電圧と押しの電圧と呼ぶことにすれば、小さ
く引いて小さく押すときに小さな色インク粒が吐出され
るし、大きく引いて大きく押すときに大きな色インク粒
が吐出されることになる。なお、小さい色インク粒を小
ドットと呼び、大きい色インク粒を中ドットと呼ぶ。
【0088】ハードウェア的には図22に示すように出
力電圧を任意に変化させることが可能なD/Aポートを
印字ヘッドコントローラ21bに備えておき、図23に
示すようにオペアンプを介してピエゾ素子21a5へ駆
動電圧を出力する。駆動電圧の差は色インク粒のドット
径のみならず、吐出速度にも影響を与える。図24には
小ドットと中ドットの吐出タイミングを示している。印
字ヘッド21aと用紙との間には一定の距離があるの
で、吐出速度によって到達するのに要する時間は異な
る。一方、印字ヘッド21a自体は桁送り方向に移動し
ているので、吐出速度が速い場合と遅い場合とで吐出タ
イミングが同じだとすればドットの付着位置が変わって
きてしまう。この例においては、小ドットの吐出タイミ
ングと中ドットの吐出タイミングをずらして設定してあ
り、このずれは色インク粒が紙に付着するタイミングが
一致するように調整してある。むろん桁送り方向での各
位置ごとにこのタイミングのずれを設定してあり、付す
べきドットが小ドットであれば小ドット吐出タイミング
で色インク粒を吐出させるし、付すべきドットが中ドッ
トであればわずかに遅れた中ドット吐出タイミングで色
インク粒を吐出させる。また、両方の色インク粒を吐出
させることも可能であり、この場合には1画素に対応す
る小ドット吐出タイミングと中ドット吐出タイミングの
両方で駆動電圧を印加させることにより連続して色イン
ク粒が吐出され、ちょうど紙面に付着するタイミングで
両者は一体化しつつ紙上にドットを付すことになる。
【0089】図25は色インク粒が吐出されて紙面上に
形成するドットの大きさを示している。小ドットと中ド
ットが単独で付着する場合とともに、両者が複合して付
着する場合とがあり、付着されるドットの大きさは3種
類ある。むろん付着しない状態を含めれば4種類存在す
ることになるし、ドットの大きさはその色の現れ方の強
さと言えるから階調としては4階調となる。すなわち、
印字ヘッドコントローラ21bにて二種類の印加電圧を
出力可能としつつ、その出力タイミングも1画素あたり
小ドット用と中ドット用との二つのタイミングを可能と
しておき、かつ、各タイミングでの印加電圧をオン・オ
フ制御することにより、4階調印刷が可能となる。
【0090】一方、図26はこのような4階調印刷を可
能とした場合におけるプリンタの設定を行う操作ウィン
ドウを示している。先の例では、印刷時の精細度として
「解像度」を選択できるようにしたが、この例では「印
刷階調」を「2階調」とするか「4階調」とするかを選
択可能としている。その他の「用紙」や「印刷の向き」
については同様である。なお、この例では解像度が72
0dpiに固定されているものとして説明するが、むろ
ん解像度自体を併せて選択可能とすることも可能であ
る。
【0091】図27は階調数を変更可能なカラープリン
タで印刷を行う場合における図10の印刷処理との相違
点を示す部分フローチャートである。図27に示すフロ
ーと図10に示すフローとにおいて、それぞれ下二桁が
一致する処理が相互に変更される処理であり、残りの処
理は一致している。ステップST204では印刷階調数
の選択処理であり、ここでは上述した場合と同様に既に
階調数が設定されていればそれを読み込むことになる
し、印刷オプションの入力操作が行われるような場合に
は入力される階調数を取得することになる。また、その
後のステップST206ではこのようにして取得されて
いる階調数が2階調であるか4階調であるかを判断し、
2階調であればステップST208にて切替解像度を2
40dpiに設定するし、4階調であればステップST
210にて切替解像度を360dpiに設定する。
【0092】階調数が倍になることにより、フルカラー
出力に必要なドット数は1/2に減り、理論上の表現解
像度は縦横の二次元であることを考慮すると2**(1
/2)倍となる。これを反映して概ね上のような切替解
像度の設定としている。これが64階調か256階調か
という選択になるとすれば、フルカラー出力に必要なド
ット数は1/4に減り、理論上の表現解像度は2倍にな
ったことになる。そして、このように設定した切替解像
度を基準として、ステップST112〜ST122にて
Mキュービック倍率とニアリスト倍率とを設定した上で
それぞれの補間処理を実行する。むろん、この場合もM
キュービック倍率は上記切替解像度以上となる最小整数
倍であるし、ニアリスト法は残りの倍率を補間する。
【0093】上述したように理論上の表現解像度が高く
なるにもかかわらず、切替解像度が240dpiのまま
であったとすると、230dpiの画像データについて
は240dpiを越えるようにMキュービック法で補間
処理されるし、245dpiの画像データはMキュービ
ック法では補間処理されない。ただ、この場合は切替解
像度が十分に高いので、2階調での表示においては両者
の画質の差が殆ど見られない。
【0094】しかしながら、4階調表示となることによ
って理論上の表現解像度が高くなると、230dpiの
画像データについて240dpiを越えるようにミニマ
ムの整数倍である2倍の補間処理を実施したものの方が
245dpiの画像データについてニアリスト法だけで
720dpiにしたものよりも画質の差が良くなってし
まい、逆転現象が生じてしまう。これに対して4階調の
表示としつつ切替解像度を360dpiに上げることに
より、245dpiの画像データについてもMキュービ
ック法によって2倍に補間処理されることになり、逆転
現象は生じなくなる。また、350dpiと365dp
iの画像データについては前者のものについてだけMキ
ュービック法による補間処理がなされるが、4階調表示
の場合での両者の差異は視認できないといってよい。
【0095】なお、先の例ではステップST124のハ
ーフトーン処理で256階調を2階調に階調変換してい
るが、この場合はステップST224にてCMYK25
6階調をCMYK4階調に階調変換することになる。こ
のように、インクジェット方式のカラープリンタ17b
などを有するコンピュータシステム10において、当該
カラープリンタ17bの解像度と元の画像データの解像
度とが一致しない場合に補間処理を実行するが、この補
間処理は先に精度の高い演算処理で切替解像度以上にし
た上で精度の低い演算処理で最終の解像度に一致させる
ようにしており、かつ、カラープリンタ17bにおける
印刷時の精細度に応じて同切替解像度を変えるようにし
たため、最終的な精細度が高くなるにつれて精度の高い
演算処理の負担倍率が高くなり、精細度が高いにも関わ
らず画質的には劣化してしまうという逆転現象がおきに
くくすることができる。
【0096】以上説明したように、本実施形態において
は、画像をドットマトリクス状の画素で多階調表現した
画像データを取得する画像データ取得ユニットと、上記
ドットマトリクス状の画素で多階調表現された画像の画
素を所定の補間倍率となるように補間して生成するにあ
たり精度の高い演算手法で補間してから精度の低い演算
手法で補間するものとしつつこれらを所定の負担割合で
実行する画素補間ユニットと、この画素補間ユニットで
上記画像データを基準として補間処理するにあたり印刷
する際の精細度を検出する精細度検出ユニットと、この
精細度検出ユニットで検出した精細度に基づいて上記画
素補間ユニットにおける負担割合を算出するにあたり高
精細であるほど精度の高い演算手法に割り当てられる負
担倍率が増加するように補間倍率を調整する補間倍率調
整ユニットと、この補間倍率調整ユニットにて決定され
る負担割合で補間処理された補間画像データに基づいて
所定の印刷データに変換して出力する印刷データ出力ユ
ニットとを具備する構成としてある。
【0097】このように構成した場合には、画像データ
取得ユニットが画像をドットマトリクス状の画素で多階
調表現した画像データを取得すると、画素補間ユニット
が精度の高い演算手法で補間してから精度の低い演算手
法で補間するが、同画素補間ユニットで上記画像データ
を基準として補間処理するにあたり、印刷する際の精細
度を精細度検出ユニットが検出する。そして、この精細
度検出ユニットで検出した精細度に基づいて補間倍率調
整ユニットは上記画素補間ユニットにおける負担割合を
算出するものとし、その際には高精細であるほど精度の
高い演算手法に割り当てられる負担倍率が増加するよう
に補間倍率を調整する。上記画素補間ユニットは、この
ようにして調整される補間倍率に従って精度の高い演算
手法で補間してから精度の低い演算手法で補間し、印刷
データ出力ユニットは補間処理された補間画像データに
基づいて所定の印刷データに変換して出力する。
【0098】従って、印刷する際の精度が高くなると精
度の高い演算手法で行われる補間倍率の負担倍率は増加
していき、精度の高い演算手法で補間される負担倍率が
上がることによって画質が向上する分、残りの負担倍率
を精度の低い演算手法で補間しても画質の逆転が起こり
にくくなる。このように、印刷する際の精度が高くなる
と精度の高い演算手法で行われる補間倍率の負担倍率が
増加していくようにしたため、精度の高い演算手法で補
間される負担倍率が上がることによって画質が向上する
分、残りの負担倍率を精度の低い演算手法で補間しても
画質の逆転がしにくくなるようにすることが可能な印刷
用画像データ補間装置を提供することができる。
【0099】すなわち、印刷する際の精細度が高くなる
と、精度の高い演算手法から精度の低い演算手法へと画
像データを受け渡す際の精細度が画質に影響を与えるこ
とになるため、印刷する際の精細度が高まれば精度の高
い演算手法の負担割合を増加させることにしている。従
って、判断の基準となる印刷する際の精細度もかかる基
準となるものであればよい。その一例として、上記精細
度検出ユニットを、印刷する際の画像データにおける階
調数を精細度として検出する構成とすることもできる。
【0100】このように構成した場合は、精細度検出ユ
ニットが印刷する際の画像データにおける階調数を精細
度として検出する。印刷の例を上げると、ある色のドッ
トを付すか否かというのであれば印刷する際の階調表現
は2階調であるし、薄いマゼンタと濃いマゼンタとを使
用するのであれば2×2の4階調であるといえる。ま
た、シアン、マゼンタ、イエローという三要素色につい
て言えば2階調であるときに8色表現となり、4階調で
あるときに64色表現となるので、色数といっても差し
支えない。
【0101】このようにすれば、印刷段階での階調数が
変化する場合に逆転が起こりにくくなる。また、階調数
についても各種の態様があり得るが、その一例として、
上記階調数は、画素に付する記録剤の径の大きさを変え
て変化させる構成とすることもできる。かかる構成にお
いては、画素に付する記録剤の径の大きさを変えるよう
な場合も階調表現の一例であるから、この径の大きさに
基づいて階調数として検出する。
【0102】このようにすれば、印刷段階での階調をド
ット径で変化させる場合に逆転が起こりにくくなる。精
細度は階調数に限られるものではなく、他の一例とし
て、上記精細度検出ユニットは、印刷する際の画像デー
タにおける解像度を精細度として検出する構成とするこ
ともできる。このように構成した場合は、精細度検出ユ
ニットが印刷する際の画像データにおける解像度を精細
度として検出する。例えば、印刷する解像度として36
0dpiと720dpiとを選択可能としているとき、
精細度検出ユニットはどちらの解像度を選択されている
かを検出することになる。むろん、300dpiである
とか600dpiであるとか、他の解像度であっても構
わない。
【0103】このようにすれば、印刷段階での解像度が
変化する場合に逆転が起こりにくくなる。また、画像デ
ータ取得ユニットは、かかる画像データを取得するもの
であり、上記画素補間ユニットが構成画素を増やすため
の補間処理を行うにあたり、対象となる画像データを保
持するようなものであればよい。従って、その取得手法
は特に限定されるものではなく、各種のものを採用可能
である。例えば、インターフェイスを介して外部機器か
ら取得するものであってもよいし、撮像ユニットを備え
て画像を撮像するものであっても良い。また、コンピュ
ータグラフィックアプリケーションを実行してマウスや
キーボードから入力するものであってもよい。
【0104】画素補間ユニットは、精度の高い演算手法
と精度の低い演算手法とで補間処理を行うことができる
ものであればよいが、これは二つの演算手法に限られる
ものではない。また、精度の高い演算手法か精度の低い
演算手法は相対的なものであり、基準値がある必要もな
い。それぞれの演算手法は各種の手法を含むものであ
り、その一例として、上記画素補間ユニットは、精度の
高い演算手法で行う補間処理として補間する画素の画像
データがなだらかに変化するように周囲の画素の画像デ
ータから演算処理で補間画素の画像データを算出する補
間処理を実行する構成とすることもできる。
【0105】このように構成した場合は、周囲の画素の
画像データを利用して演算処理することにより、補間す
る画素の画像データはなだらかに変化する。このよう
に、なだらかに変化させると、変化度合いの大きい画素
の並びがあったとして、この間を補間したとしても段差
が目立たず、従って画質の良いものとなる。このように
すれば、周囲の画素の画像データから演算処理で補間画
素の画像データを算出するため、補間する画素の画像デ
ータはなだらかに変化し、演算量が多くなる分、画質が
向上する。補間する画素の画像データがなだらかに変化
する演算手法は各種のものを採用可能であるが、その一
例として、変化度合いの大きい画素間では画像データの
変化態様を略S字型としつつその傾斜を調整するととも
に、両端部位では低い側にアンダーシュートを発生させ
つつ高い側にオーバーシュートを発生させて高低差を形
成してその高低差を調整することも可能である。このよ
うにすると、なだらかには変化するもののその変化態様
は単に直線的に結ぶ勾配よりは急峻とさせることがで
き、その傾斜を調整して画像の変化度合いを最適なもの
とすることが可能となる。また、両端部位で低い側にア
ンダーシュートを発生させつつ高い側にオーバーシュー
トを発生させると高低差は大きくなり、かつ、その高低
差を調整することによっても見かけ上の画像の変化度合
いを最適なものとすることが可能となる。このような演
算処理の一例としては、多次演算処理の3次たたみ込み
内挿法などを使用可能であるし、かかる調整を可能とす
る演算処理はこれに限られず、他の演算手法を採用する
こともできる。
【0106】さらに、上記画素補間ユニットは、精度の
低い演算手法で行う補間処理として補間処理前の最近隣
画素の画像データを新たな構成画素の画像データに利用
する補間処理を実行する構成とすることもできる。この
ように構成した場合は、一つの補間処理として補間処理
前の最近隣画素の画像データを新たな構成画素の画像デ
ータに利用するので、実質的に殆ど演算量を要すること
が無く、処理量が極めて少ない手法と言える。
【0107】このようにすれば、既存の画素の画像デー
タをそのまま利用することになるので精度面では向上を
望みにくいものの演算量は少なくなる。ここでいう負担
倍率とは、精度の高い演算手法が行うことになる補間倍
率と精度の低い演算手法が行うことになる補間倍率との
比であるとは限らない。従って、精度の高い演算手法が
行うことになる補間倍率自体は徐々に減っていくことと
なっても構わない。補間倍率が徐々に減っていきながら
負担倍率が増加するというのは、このように負担倍率を
変えるということをしなかった場合の補間倍率とする場
合の補間倍率の比が上がるようなものであっても良いこ
とを意味する。
【0108】その一例として、上記画素補間ユニット
は、所定の切替解像度を有しており、精度の高い演算手
法でこの切替解像度を超えるように補間処理した上で、
残りの補間倍率を精度の低い演算手法で補間するもので
あるとともに、上記補間倍率調整ユニットは、上記切替
解像度を変化させて補間倍率の調整を行う構成とするこ
ともできる。このように構成した場合は、精度の高い演
算手法で一定の解像度である切替解像度を超えるまで補
間し、精度の低い演算手法で残りの解像度となるまで補
間するが、印刷する際の精細度が高ければこの切替解像
度を高くする。いま、印刷する際の精細度が低いとする
と、この場合に設定される切替解像度は低くなり、精度
の高い演算手法ではこの切替解像度を超えるところまで
の補間倍率の補間を行うことになる。しかしながら、印
刷する際の精細度が高くなれば切替解像度も高くなり、
その場合には精度の高い演算手法で同切替解像度を超え
るところまで補間するのであるから補間倍率は増加する
ことになる。この意味で負担倍率が増加すると言える。
【0109】また、印刷する際の精細度が低いときのし
きい値であれば元の画像データの解像度の方が大きいが
ために補間処理されなかったとしても、印刷する際の精
細度が高くなることによってこのしきい値が大きくなる
ので、元の画像データの解像度を越えることもある。す
ると、精度の高い演算手法で補間処理されることにな
り、この場合でも精度の高い演算手法の負担倍率が増加
したと言える。むろん、従来のような逆転現象も起こら
なくなる。
【0110】なお、しきい値が高くなった場合でも、し
きい値よりも解像度が低い画像データについては精度の
高い演算手法で補間処理されるし、しきい値よりも解像
度が高い画像データについては精度の高い演算手法で補
間処理されないということが起こることに変わりはない
が、この場合のしきい値は十分に高くなっており、精度
の高い演算手法による画質向上の効果が小さくなり、ア
ウトプットに画質の差は出てこなくなる。
【0111】このようにすれば、切替解像度を変化させ
るだけで負担倍率が実質的に変化し、調整が容易とな
る。印刷データ出力ユニットは補間画像データに基づい
て所定の印刷データに変換して出力するが、印刷データ
が供給されることになる印刷装置に応じて適宜変更可能
である。例えば、印刷装置の記録剤に対応した印刷原理
であるとか、記録剤の要素色数であるとか、階調数など
に応じて必要となる印刷データは変化するから、これに
対応した印刷データに変換すればよい。むろん、色座標
変換であるとか、階調変換などを一要素として含むこと
になる。
【0112】このように、印刷する際の精細度が高精細
であるほど精度の高い演算手法に割り当てられる負担倍
率が増加するように補間倍率を調整する手法は必ずしも
実体のある装置に限られる必要はなく、その方法として
も機能することは容易に理解できる。ところで、このよ
うな印刷制御装置は単独で存在する場合もあるし、ある
機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、
発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むも
のである。従って、ソフトウェアであったりハードウェ
アであったりするなど、適宜、変更可能である。
【0113】発明の思想の具現化例として印刷用画像デ
ータ補間装置のソフトウェアとなる場合には、かかるソ
フトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在
し、利用されるといわざるをえない。むろん、その記録
媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体
であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体に
おいても全く同様に考えることができる。また、一次複
製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余
地無く同等である。その他、供給方法として通信回線を
利用して行なう場合でも本発明が利用されていることに
はかわりない。
【0114】さらに、一部がソフトウェアであって、一
部がハードウェアで実現されている場合においても発明
の思想において全く異なるものはなく、一部を記録媒体
上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるよう
な形態のものとしてあってもよい。上述した実施形態に
おいては、印刷品質に影響を与える出力解像度を基準と
して、切換解像度を設定して最適な印刷処理を実現でき
るようにしているが、印刷品質を基準として印刷制御を
切り換えるのはこのような例に限られるものではない。
以下においては、印刷品質を考慮した所望のパフォーマ
ンスに対応した最適な印刷制御を実施する例について説
明する。
【0115】本実施形態においては、上述したようなハ
ードウェアシステムを前提とし、コンピュータシステム
10の画像入力デバイスで取得した画像データに基づい
て印刷を実行する。その際、元の画像データの解像度と
階調度がカラープリンタ17bの解像度と階調度と相違
するため、プリンタドライバ12cにおいて画素補間処
理と階調変換処理とを実行する。その概略構成は図28
に示すようになっている。
【0116】ここで、アプリケーション12dが印刷処
理を実行した際にカラープリンタ17bに対して印刷デ
ータが出力される際の解像度と階調度の変化について説
明する。図29はかかる処理を行うプリンタドライバ1
2cのフローチャートを示している。ドットマトリクス
状の画素として表した元画像データの解像度は72dp
iであって256階調であるとすると、最初のステップ
150にてカラープリンタ17bの色インクに合わせる
ために色変換処理を実行してRGB256階調からCM
YK256階調へと変換し、続くステップ160にて画
素補間処理を実行してカラープリンタ17aの解像度で
ある720dpiに解像度を一致させる。すると、補間
された画像データは720dpiでCMYK256階調
となり、この後、ステップ170の階調変換処理が行な
うとカラープリンタ17bにおける表現階調度である2
階調のCMYK画像データとなる。最後に、ステップ1
80にて制御データを含む印刷データとしてカラープリ
ンタ17bに出力する。なお、本実施形態においては、
先に色変換処理を実行してから解像度を一致させるよう
にしているが、先に解像度を一致させてから色変換処理
を実行することも可能である。この場合、解像度の低い
状態で色変換処理を実行すると色変換処理の対象となる
画素数が少ないというメリットがある。
【0117】ステップ150にて色変換する元の画像デ
ータはアプリケーション12dがスキャナ11aなどか
ら取得して受け渡されるが、必ずしも直接に画像データ
を取得するのみならず、このように他のソフトウェアな
どから画像データを引き継ぐものであっても画像データ
を取得することに他ならない。従って、この例であれば
ステップ150の色変換処理で画像データを得る工程は
画像データ取得工程A1に該当することになる。また、
ステップ160では72dpiから720dpiへの解
像度変換を行うので画素補間工程A2に該当するし、ス
テップ170では256階調から2階調へのハーフトー
ン処理を行うので階調変換工程A3に該当する。そし
て、ステップ180では720dpiで2階調となった
画像データをカラープリンタ17bに出力するので画像
データ出力工程A4に該当する。
【0118】このように、一連の画像データ処理はプリ
ンタドライバ12cが実施し、かかるプリンタドライバ
12cは、ハードディスク13bに記憶されており、起
動時にコンピュータ本体12にて読み込まれて稼働す
る。また、導入時にはCD−ROMであるとかフロッピ
ーディスクなどの媒体に記録されてインストールされ
る。従って、これらの媒体は画像データ補間階調変換プ
ログラムを記録した媒体を構成する。
【0119】上述した実施形態においては、印刷データ
を取得するために画像入力デバイスや画像出力デバイス
などを含むコンピュータシステム10において所定のア
プリケーションが印刷データを生成するという前提であ
る。しかしながら、必ずしもかかるコンピュータシステ
ムを必要とするわけではない。例えば、図30に示すよ
うにデジタルスチルカメラ11b1内に組み込み、解像
度と階調変換した画像データを用いてディスプレイ17
a1に表示させたりカラープリンタ17b1に印字させ
るようなシステムであっても良い。また、図31に示す
ように、コンピュータシステムを介することなく画像デ
ータを入力して印刷するカラープリンタ17b2におい
ては、スキャナ11a2やデジタルスチルカメラ11b
2あるいはモデム14a2等を介して入力される画像デ
ータについて自動的に解像度と階調変換を行って印刷処
理するように構成することも可能である。この他、図3
2に示すようなカラーファクシミリ装置18aや図33
に示すようなカラーコピー装置18bといった画像デー
タを扱う各種の装置においても当然に適用可能である。
【0120】図29に示すプリンタドライバ12cのフ
ローチャートはあくまでも大概念での手順であり、実際
のプログラムにおいては必ずしもこのように明確に分離
されている必要はない。図34は、上述したプリンタド
ライバ12cが実行する解像度変換と階調変換に関連す
るソフトウェアフローを示している。アプリケーション
12dから印刷処理を実行するとRGB256階調の画
像データがオペレーティングシステム12aを介してプ
リンタドライバ12cに出力され、図34に示すフロー
に従って印刷処理が実行されていく。最初のステップ2
00ではGUIを介して処理の指針となる設定値を取得
する。図35は同設定値の設定画面表示を示しており、
このGUI画面はディスプレイ17a上に表示され、マ
ウス15bで各ラジオボタンをクリックして設定する。
本プリンタドライバ12cでは画像データが自然画か非
自然画かに応じて処理を変えるため、自然画を表す「写
真」であるか非自然画を表す「グラフ」であるかを選択
できるようにしている。また、自動認識の余地も残して
有り、連続処理なども実現できるようにしている。
【0121】この画像データの選択の他に、GUI画面
では印刷時の色インクであるCMYKの各要素色ごとに
画質優先か速度優先かを設定できるようにしている。図
面上では、C成分とM成分とK成分については画質優先
を選択しており、Y成分については速度優先を選択して
いる。Y成分を速度優先としているのはY(黄色)が極
めて淡く、意識的にドットを探そうとしても見いだせな
いほどであるので、あまり画質に影響を与えないからで
ある。また、同様のことをRGBで指定するような場
合、B成分だけを速度優先とするようにしても良い。こ
れは、人間の視覚感度が青色成分について鈍感であるこ
とに対応する。例えば、輝度Yを簡易に表す計算式は、 Y=3.0R+0.59G+0.11B であり、B成分については均等な「0.33」程度に対
して1/3と極めて低く、全体の10%程度ほどしかな
い。従って、画質を優先させても効果はあまり現れず、
速度を優先させても支障はないからである。
【0122】ここで画質優先と速度優先が意味する内容
について説明する。図37はその具体的内容を図表にし
て示しており、複数の画素補間処理と階調変換処理とを
組み合わせて段階的な組合せを実現している。実行可能
な画素補間処理は後述する「ニアリスト法」と「バイリ
ニア法」と「Mキュービック法」であり、階調変換処理
はディザ法として「ディザA」と「ディザB」、それに
誤差拡散法である。そして、最速の組合せは、画素補間
処理として「ニアリスト法」を実行しつつ階調変換処理
として「ディザA」あるいは「ディザB」を実行する
し、高画質な組合せは、画素補間処理として「Mキュー
ビック法」を実行しつつ階調変換処理として「誤差拡散
法」を実行する。また、その中間が必要な場合は、画素
補間処理として「バイリニア法」を実行しつつ階調変換
処理として「ディザA」と「ディザB」と「誤差拡散
法」とを適宜組み合わせて実行する。
【0123】かかる組合せを選択しているのは、それぞ
れの画素補間処理と階調変換処理に得失があるからであ
り、これについて以下に詳述する。補間処理については
上述した処理を採用するが、先に触れなかったバイリニ
アの補間手法について説明する。図37には各補間処理
における補間関数f(t)を示している。同図におい
て、横軸に位置を示し、縦軸に補間関数を示している。
t=0、t=1、t=2の位置に格子点が存在し、内挿
点はt=0〜1の位置となる。キュービック法とMキュ
ービック法とを比較すると、Mキュービック法の方が3
次関数的なカーブがわずかに急峻となり、画像全体のイ
メージがよりシャープとなる。
【0124】バイリニア法(共1次内挿法)の補間手法
を説明すると、図37に示すように、一方の格子点から
他方の格子点へと近づくにつれて徐々に変化していく点
でキュービック法と共通するが、その変化が両側の格子
点のデータだけに依存する一次関数的となっている。す
なわち、上述した図17に示すように内挿したい点Pu
vを取り囲む四つの格子点Pij,Pi+1j,Pij
+1,Pi+1j+1で区画される領域を当該内挿点P
uvで四つの区画に分割し、その面積比で対角位置のデ
ータに重み付けする。これを式で表すと、 P={(i+1)−u}{(j+1)−v}Pij +{(i+1)−u}{v−j}Pij+1 +{u−i }{(j+1)−v}Pi+1j +{u−i }{v−j}Pi+1j+1 となる。なお、i=[u]、j=[v]である。
【0125】キュービック法とバイリニア法では、その
変化状況が3次関数的であるか1次関数的であるかが異
なり、画像としてみたときの差異は大きい。バイリニア
法の場合、隣接する二点間(t=0〜1)で直線的に変
化するだけであるので境界をスムージングすることにな
り、画面の印象はぼやけてしまう。すなわち、角部のス
ムージングと異なり、境界がスムージングされると、コ
ンピュータグラフィックスでは、本来あるべき輪郭がな
くなってしまうし、写真においてはピントが甘くなって
しまう。むろん、写真においてはシャープな方が好まし
いのは当然であるが、演算量が多くなって速度が低下す
るのを回避するためにはジャギーの生じるニアリスト法
がピントが甘くなるバイリニア法かを選択せざるを得
ず、その場合にはバイリニア法の方が画質はよい。
【0126】一方、階調変換処理で実行可能なものを大
別するとディザ法と誤差拡散法とに別れ、後者の方が画
質はよいものの演算処理量が大きい。ディザ法は所定の
大きさのマトリクス内に階調値の範囲に相当する段階的
な階調値を当てはめたものを用意しておき、実際の画像
データの同一領域に当てはめて階調値を比較する。画像
データの方が大きい升目にはドットを付し、画像データ
の方が小さい升目にはドットを付さない。マトリクスの
大きさを5×5としつつ、階調値の範囲を1〜25とし
て当てはめてみたものを図38と図39に示している。
前者は中央集点型といわれるディザAのマトリクスパタ
ーンであり、後者は分散型といわれるディザBのマトリ
クスパターンである。ディザAは中央から順次外側に向
けて階調値が当てはめられているため、ベタ部分が多い
と図40に示すように中央から外側に向かってドットが
付されやすい。これに対してディザBは階調値の割り当
てをランダムにしているため、図41に示すようにベタ
部分であっても全体的にばらつきやすい。グラフなどの
CGを想定すると、ランダムにばらつくよりも網点印刷
のような中央集点型の方が好まれるという特徴がある。
また、ディザ法自体は画像データとの大小判定だけであ
って処理量は極めて少ない。
【0127】これに対して誤差拡散法は画像データの階
調値とドットの有無とで生じる誤差を近隣の画素に配分
していく手法であり、誤差が生じない分だけ画質がよい
反面、誤差を算出して割り振っていく際の演算処理が必
要である。その具体的手法を、図42に簡易に示してい
る。上段に現実の画像データを並べ、下段にドットを付
すか否かを示す変換結果を示している。この例では、階
調値の範囲を0〜255としてある。
【0128】最初の画素の階調値は「250」であり、
しきい値の「128」と比較して大きいため、ドットを
付す。ドットが付されると「255」の階調値が付与さ
れたのと同様であるから、ここで「−5」の誤差が生じ
る。この誤差を右に隣接する画素に割り振ると、本来の
階調値は「52」であるので「52−5=47」の階調
値となる。これはしきい値の「128」と比較して小さ
いため、ドットを付さないが、ドットが付されないこと
によって「0」の階調値が付与されたのと同様であるか
ら、ここでは「47」の誤差が生じたことになって次の
画素に繰り越される。
【0129】すなわち、繰り越される誤差Dgと現実の
画像データDnとを累算し、「128」よりも大きけれ
ば「255−Dn+Dg」を次の画素への繰り越し画素
とする。この場合、一次元的に誤差を拡散するだけでな
く、二次元的に誤差を拡散していっても良いし、隣接す
る画素のみならず、その周縁の画素に拡散していっても
良い。このように、誤差拡散は誤差を正確に把握して割
り振っていくので、トータル的な誤差は少なく、一般的
には画質がよい。
【0130】一方、階調変換処理と画素補間処理との組
合せとなると、親和性の善し悪しも問題となる。図43
はニアリスト法で拡大処理を実施した場合の画像データ
の割り当てを示しているが、ニアリスト法であれば当然
に元の画像データがそのまま複写される。これによって
ある階調値の画素はその面積割合をそのまま維持される
ことになるが、他の補間処理を実行すると隣接する画素
との関係からなだらかな変化が生じるなどして面積割合
の維持ということは望めない。一方、ディザ法について
言えばマトリクスの大きさに対応した領域ごとに当該領
域の濃度が定まっていくことになるから、ニアリスト法
のような面積割合を維持する補間処理の方が親和性があ
るということになる。すなわち、ディザ法にニアリスト
法を対応させる組合せはそれぞれ画質が低いものの演算
速度が速いという共通点のみならず、親和性のある組合
せであるという特徴も有している。
【0131】このような画素補間処理の得失と階調変換
処理の得失とを鑑みると、単に画素補間処理だけの得失
に基づいて処理を選択したとしても、階調変換処理を固
定しておいたのでは最高のパフォーマンスとは言えな
い。すなわち、画素補間処理で高画質の処理を選択して
も階調変換処理が高画質でないならば最高の画質には至
らないし、画素補間処理で高速の処理を選択しても階調
変換処理が高画質であると演算処理の負担があるので最
速とはならない。また、別の視点では、階調変換処理の
得失を重視したときに画素補間処理を追従して選択する
ということも意味のあることである。
【0132】以上の各処理の得失を前提として、図34
に示すフローチャートの説明に戻ると、ステップ200
で設定値を取得した後、ステップ202では取得した設
定値に基づいて処理を分岐し、「写真」を選択していれ
ばステップ204で「写真フラグ」をセットするし、
「グラフ」を選択していればステップ206で「CGフ
ラグ」をセットする。また、「自動認識」を選択してい
る場合にはステップ208で画像データが利用している
総色数をカウントし、ステップ210にて色数が「12
8色」以上であれば「写真」と判断してステップ204
で「写真フラグ」をセットするし、色数が「128色」
未満であれば「グラフ」と判断してステップ206で
「CGフラグ」をセットする。自然画の場合、一色の物
であっても明暗によって異なる色数とカウントされる結
果、非常に多くの色数を使用しているが、CGなどであ
れば基本的に人が操作して色を決定している関係から利
用色数はあまり多くならない。従って、このように総利
用色数をカウントすることによって写真かグラフか、す
なわち自然画か非自然画かを判断することができる。
【0133】これらのフラグは後に利用することとし、
続くステップ220ではRGB表色系からCMY表色系
へと色変換する。CMY表色系においてはカラープリン
タ17bの利用色インクに対応しているから、カラープ
リンタ17bがCMYKの四色の色インクを利用してい
る場合にはRGB→CMYKという変換となる。この変
換は予めRGBの三要素色の階調値で参照する3次元の
ルックアップテーブルを用意し、各階調値の組合せとC
MYKの階調値とを対応づけておく。このようにする
と、テーブルを参照するだけで即時に変換できるもの
の、RGBの三原色においてそれぞれ256階調を許容
すると約1670万色になり、テーブルが巨大になりす
ぎる。このため、256階調の全てについてデータを用
意するのではなく、とびとびの格子点上にだけデータを
用意しておき、所望の座標値を取り囲む格子点のデータ
から補間演算で求めるようにする。また、このような格
子座標に無理矢理移動させつつ、その誤差を近隣の画素
に割り当てていくようにしてもよい。後者の手法によれ
ば、誤差拡散法と同様の加減算処理だけで可能となり、
補間演算の負担が減少する。
【0134】色変換を終えたら、ステップ240で画素
補間と階調変換を実行する。ここでは72dpiから7
20dpiへと拡大処理を実行しつつ、256階調から
2階調へとハーフトーン変換を実行する。そして、各処
理は上述したように相互に関連し、各色インクごとに個
別に処理すべくループ処理で対処している。より具体的
には、ステップ242にて現時点のループでの対象色イ
ンクに対してステップ200にて取得した設定値から画
素補間処理を選択する。すなわち、CMK成分について
は画質優先であるので図37に示す図表からMキュービ
ック法の画素補間処理が選択されているものと判断し、
ステップ244にてMキュービック法で画素補間処理す
る。また、ステップ246では同様にステップ200に
て取得した設定値から階調変換処理を選択するが、この
場合は優先順位のみならず、ステップ204またはステ
ップ206にて設定したフラグを参照して画像種類も考
慮に入れている。ただし、画質優先を選択している場合
には画像種類にかかわらず誤差拡散法が選択され、ステ
ップ248にて同誤差拡散法にてハーフトーン化する。
【0135】これに対して、Y成分の場合は速度優先が
設定されているので、ステップ242ではニアリスト法
が選択されてステップ244にて同ニアリスト法にて画
素補間処理を実行する。また、ステップ246にて階調
変換処理を選択する場合には、速度優先の設定値のみな
らず、写真フラグとCGフラグから画像種類を判定し、
元の画像が写真であればディザBを選択するし、グラフ
などのCGであればディザAを選択する。そして、ステ
ップ248にて同選択され多階調変換処理によって階調
変換処理する。従って、速度に注目してニアリスト法が
選択されるのみならず、階調変換処理についてもこのニ
アリスト法に親和しつつ速度が速いディザ法が選択され
るし、さらに、ディザ法としても画像の種類に応じてデ
ィザAかディザBかが適切に選択される。
【0136】ところで、画質向上のために色インクを6
色としてシアン色インクとマゼンタ色インクについて濃
色と淡色のインクを使い分けるものもある。また、ピエ
ゾ素子21a5に印加する電圧を二段階として、高い電
圧で大きなドット径のインク粒を吐出させるとともに低
い電圧で小さなドット径のインク粒を吐出させるバリア
ブルドットの手法を採用することもできる。この場合、
大径のドット(CL,ML)は濃色の色インクに相当
し、小径のドット(CS,MS)は淡色の色インクに相
当するといえる。
【0137】これらの場合でも、画素補間処理と階調変
換処理とを適切に対応づけることは当然に有効であり、
図44に示すようにステップ300にてRGBからL
C、C、LM、M、Y、Kの6色に変換するか、ドット
径に対応したCL,CS,ML,MS,Y,Kのドット
径の異なる2色とドット径が単一の2色に色変換してか
ら、ステップ310にて解像度変換し、ステップ320
にて階調変換する。このとき、解像度変換と階調変換と
の対応を図45に示している。同図表に示す対応は、高
画質組合せの場合にも画質と速度との調和を図るべく、
淡色である場合や小径のドットの場合に画質の劣化を図
る誤差拡散法を前提としてMキュービック法の画素補間
処理を実行し、それ以外の場合にはディザ法を前提とし
てニアリスト法による画素補間処理を選択するようにな
っている。
【0138】淡色のライトシアンやライトマゼンタは同
じように淡いY成分の黄色とは異なり、画質に大きく影
響を与える。これは黄色のドットが単一であると殆ど見
えないくらいであるのに対してライトシアンやライトマ
ゼンタは十分に視認でき、その拡散具合で見た感じが変
わるからである。これに対して濃色のシアンやマゼンタ
のドットを付す際には既に近隣が所定の濃度となってい
るので、単一のドットが目立つこともないし、エッジ部
分であってもジャギーは目立たない。従って、画質に大
きな影響を与える淡色や小径のドットについてのみ高画
質の処理を選択して実行するようにしている。なお、図
46は6色の色インクを使用しつつ、さらにドット径が
異なる場合の対応の組合せを示している。この場合も、
画質に対して最も影響の大きい淡色の小径ドットについ
てのみ高画質な組合せを対応させるようにしている。
【0139】一方、図35に示す設定画面では、画質優
先か速度優先かを選択することにより、画素補間処理と
階調変換処理を組み合わせて選択しているが、画質に応
じて階調変換処理を選択することにより、それに対応す
る画素補間処理だけが選べるようにしても良い。図47
はそのような設定画面の一例を示しており、図48は許
容される対応関係を示している。各色インクごとにハー
フトーンの手法を個別に選択できるようにしてあり、中
央集点型のディザAおよび分散型のディザBに対しては
高速な画素補間処理であるニアリスト法とやや高速なバ
イリニア法とを選択可能となり、誤差拡散に対してはや
や画質の良いバイリニア法と画質は良いが演算量の負担
の大きいMキュービック法とを選択できるようになる。
【0140】なお、上述した例においては、画素補間で
拡大する場合についてだけ説明したが、縮小させる処理
を実行させる場合についても、階調変換の得失に応じた
画素補間処理を選択させることによってこのように、画
素補間処理と階調変換処理とを全く独立に処理するので
はなく、図37に示すような対応関係の割り当てに基づ
いて処理の目的に対応した組合せを用意しておいたり、
図48に示すように階調変換処理を指定することによっ
て選択可能な画素補間処理を限定することにより、ステ
ップ160にて実行される解像度変換とステップ170
にて実行される階調変換とが有機的に結合し、画素補間
処理を選択するだけでは得られない最適なパフォーマン
スを実現でき、さらに、階調変換処理と画素補間処理と
の個別の親和性からも特定の階調変換処理に画素補間処
理とが対応することによってパフォーマンスの向上を図
ることができる。
【0141】以上説明したように、本実施形態において
は、画像をドットマトリクス状の画素で多階調表現した
画像データを取得する画像データ取得ユニットと、同画
像データに対して順次画素補間処理と階調変換処理とを
実行するに際して予め複数の画素補間手法と複数の階調
変換手法とで所定のパフォーマンスを得られるような組
合せを設定しておき、そのうちのいずれかのパフォーマ
ンスに対応する一の画素補間手法で画素補間処理を実行
する画素補間ユニットと、同画素補間手法と対応する階
調変換手法で階調変換処理を実行する階調変換ユニット
と、この階調変換ユニットにて所定階調に変換された画
像データを出力する画像データ出力ユニットとを具備す
る構成としてある。
【0142】このように構成した場合は、画素補間ユニ
ットの画素補間処理に続いて階調変換ユニットの階調変
換処理を実行するにあたり、画素補間ユニットで実行す
る画素補間処理と階調変換ユニットで実行する階調変換
処理とが予め対応づけられており、個別に処理を実行す
るのではなく、最適な対応関係の処理だけが行われる。
このようにすれば、順次実行される画素補間処理と階調
変換処理とが最適な対応関係のもの同士が組み合わされ
て行われるため、熟練者でなくても所望通りのパフォー
マンスを得ることが可能な画像データ補間階調変換装置
を提供することができる。
【0143】ここでいう対応付けは、画素補間処理と階
調変換処理の特性に鑑みて定められ、その一例として、
上記画素補間ユニットにて実行可能な画素補間処理と上
記階調変換ユニットにて実行可能な画素補間処理はそれ
ぞれ画質への影響度を異にするとともに、それぞれ画質
の良否が類似する処理同士を対応づけて構成とすること
もできる。このように構成した場合は、画質の良い画素
補間処理には画質の良い階調変換処理が実行されて画質
の劣化を防止するし、画質の良くない画素補間処理が実
行されたときには同様に画質の良くない階調変換処理と
を実行して速度面などのメリットを向上させる。
【0144】このようにすれば、画質への影響度を異に
する複数の画素補間処理と階調変換処理とがある場合
に、それぞれ画質の良否が類似する処理同士を対応づけ
ておくことにより、画質の良否に応じて組合せが定まる
ため、選択が容易になる。画素補間処理は特に限定され
るものではないが、例えば、補間生成する画素の最近隣
の既存画素を複写するニアリストネイバ法であるとか、
補間生成する画素を取り巻く既存画素から距離に反比例
した重み付けで合算するバイリニア法であるとか、補間
生成する画素を二重(多重)に取り巻く既存画素から3
次元(高次元)のたたみ込み関数で算出するキュービッ
クコンボリューション法(以下キュービック法と呼ぶ)
などがあり、これらに関して言えば後者になるほど画質
は良好である反面、処理速度が低下する。
【0145】また、階調変換処理は、中央集点型ディザ
法や分散型ディザ法といった組織型ディザ法が可能であ
り、この場合、多値ディザ法も有効である。この、ディ
ザよりも正確に階調変換が可能な誤差拡散法も有効であ
り、一般的にはこの誤差拡散法の画質の方がディザ法よ
りも良好と言える。従って、画質の良好な誤差拡散法と
キュービック方とを対応付け、画質の良くないディザ法
とニアリストネイバ法とを対応づけるといったことが好
適である。
【0146】この場合、ディザ法とニアリストネイバ法
とを対応づけることには別の意味合いもある。従って、
上記画素補間ユニットにて補間生成する画素として既存
の画素をそのまま利用する補間手法を実行するときに上
記階調変換ユニットにてディザ法で階調変換する構成と
することもできる。このように構成した場合は、既存の
画素をそのまま補間生成する画素として利用する補間処
理はニアリストネイバ法に対応している。ディザ法は補
間倍率に対して所定濃度の画素がそのまま拡大されるの
で、面積補間とも呼ばれる。一方、ディザ法は所定のデ
ィザパターンを利用しつつ一定濃度の画素について確率
的にドットを付すことになるため、面積補間の方が確率
的にドットを付すか否かを決定するのに親和性がある。
従って、ニアリストネイバ法にディザ法を対応づけるの
は、画質の程度の視点だけでなく技術的な親和性の点で
有効である。
【0147】このようにすれば、画素補間処理が面積補
間である場合にディザ法を選択して親和性のある処理同
士を実行することができる。画素補間処理と階調変換処
理との対応付けは、画像データの各構成要素について一
律に一定とする必要はなく、各構成要素ごとに対応付け
を変更することも可能である。その前提として、上記画
像データは、色分解した各要素色についての多階調デー
タを有し、上記画素補間ユニットと階調変換ユニット
は、各要素色ごとに組合せを設定可能とした構成とする
こともできる。
【0148】このように構成した場合は、画像データの
構成要素が色分解した各要素色について、その濃度値を
多階調データとして有しているので、要素色ごとの特性
の相違が明確であるし、それ以外の意味では他の要素色
との関係は同等に扱える。従って、各要素色ごとに最適
なパフォーマンスを得られるように画素補間ユニットと
階調変換ユニットでは各要素色ごとに組合せを変更する
ということができる。例えば、光の三原色であるRGB
(赤緑青)の場合は、B成分に対する人間の視認感度が
低いので、他の要素色と組合せを変えることも有効であ
る。
【0149】このようにすれば、画像データが色分解し
た要素色の構成要素を持つ場合に適用されるので、要素
色ごとに対応付けを変えるといったことも容易になる。
なお、階調変換処理と画素補間処理とが対応づけられて
いればよいのであって、階調変換処理のいずれかを指定
することによって対応づけられた画素補間処理が実行さ
れるようになっていても良いし、画素補間処理のいずれ
かを指定することによって対応づけられたが階調変換処
理が実行されるようになっていても構わない。
【0150】このような階調変換と補間処理とを対応づ
けた画像データを利用する好適な一例として、上記階調
変換後の画像データは、印刷装置において要素色の記録
材を付すか否かの制御データとして利用される構成とす
ることもできる。印刷装置においては多階調でなく、要
素色の記録材を付すか否かによるハーフトーンの処理が
簡易であって多用されており、このように構成した場合
は、このような印刷装置に対する制御データとして利用
されることにより、画質面において最適な対応が可能と
なる。
【0151】このようにすれば、印刷装置での印刷を前
提とすると画素補間処理と階調変換処理とが必要にな
り、所望の品質に応じた最適なパフォーマンスで印刷物
を得ることができるようになる。また、印刷装置におい
ても画質の向上を特に考慮されているものもあり、その
ような場合には画質だけを最優先することによって処理
時間が長くなってしまうのも使いづらくなる。このた
め、上記印刷装置は濃色系と淡色系の記録材を使用する
とともに、上記画素補間ユニットと上記階調変換ユニッ
トでは、淡色系の記録材に対して画質の良好な画素補間
処理と階調変換処理とを実行する構成とすることもでき
る。
【0152】このように構成した場合は、印刷装置が濃
色系と淡色系の記録材を使い分けて画質の向上を図って
おり、これらを使い分けている。そして、この際に、淡
色系の記録材に対しては画素補間ユニットと階調変換ユ
ニットで画質の良好な画素補間処理と階調変換処理とを
実行する。淡色と濃色とでは淡色の方が画質に影響を与
えやすいことが多い。淡色については非常に薄い色を再
現したいときに下地に対してまばらにドットを付すこと
があり、一つ一つのドットが目立ちやすい。これに対
し、濃色を付すときは既に淡色の濃度を越えている場合
であるから周りにドットを付していることが多く、一つ
一つのドットは目立ちにくい。従って、淡色について特
に画質の向上を図っておけば、濃色について画質への配
慮を減らしていても画質への影響は少ない。
【0153】このようにすれば、濃色と淡色とを使い分
ける印刷装置の場合にできるだけ画質を劣化させにくく
することができる。この濃色と淡色に対する処理とほぼ
同様の関係にあるのが、大径と小径の記録材を使用する
印刷装置の場合である。その一例として、上記印刷装置
は大径と小径の記録材を使用するとともに、上記画素補
間ユニットと上記階調変換ユニットでは、小径の記録材
に対して画質の良好な画素補間処理と階調変換処理とを
実行する構成とすることもできる。
【0154】この場合、大径のドットは濃色のドットに
対応し、小径のドットは淡色のドットに対応する。従っ
て、ドットの目立ちにくい小径ドットについて特に画質
の向上を図っておけば、大径ドットについて画質への配
慮を減らしていても画質への影響は少ない。このように
すれば、異なるドット径を使い分ける印刷装置の場合に
できるだけ画質を劣化させにくくすることができる。こ
のようにして画素補間ユニットと階調変換ユニットにお
ける補間処理と階調変換処理とを対応づけたとして、ど
の組合せを実行するかを操作者が個別に指定するように
しても良いが、自動化することも可能であり、その一例
として、上記画素補間ユニットと上記階調変換ユニット
では、上記画像データの種類に基づいて最適な画素補間
処理と階調変換処理とが選択される構成とすることもで
きる。
【0155】このように構成した場合は、画素補間処理
と階調変換処理の対応付けに画像データの種類を組み合
わせておき、同画像データの種類に基づいて最適な選択
を行なう。このようにすれば、所望のパフォーマンスを
得る基準として画像データの種類に応じて選択すること
ができる。また、そのような画像データの種類の一例と
して、上記画素補間ユニットと上記階調変換ユニットで
は、上記画像データが自然画か非自然画かを判定して画
素補間処理と階調変換処理との組合せを変える構成とす
ることもできる。
【0156】写真のような自然画においては自然物の画
像であるが故に細部まで本来の情報が含まれているので
リアルであることが要求され、画素補間処理や階調変換
処理において高画質なものを要求する。これに対して、
非自然画の場合は人の操作によって情報を付加していっ
ているので、一部を除いて細部にまで本来の情報がある
とは言えないし、逆に塗りつぶしが一定パターンで行わ
れているのであれば画素補間処理について簡易な処理の
方がざらつきなどが生じにくい。
【0157】このような自然画か非自然画かの相違を前
提として、上記のように構成した場合は、画像データが
自然画か非自然画かを判断し、その結果に基づいて画素
補間処理と階調変換処理との組合せを変えている。この
場合、画像データの種類の判断は自ら行うことも可能で
あるし、外部から判断結果だけを取得して組合せを変更
するようにしても良い。このように、補間処理と階調変
換処理とをその種類に応じて特定の対応付けをしておく
手法は必ずしも実体のある装置に限られる必要はなく、
その方法としても機能することは容易に理解できる。
【0158】このようにすれば、自然画と非自然画とを
区別してそれぞれの画質を良好にすることができる。と
ころで、このような画像データ補間階調変換装置は単独
で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態
で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれ
に限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフ
トウェアであったりハードウェアであったりするなど、
適宜、変更可能である。
【0159】発明の思想の具現化例として画像データ補
間階調変換装置のソフトウェアとなる場合には、かかる
ソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存
在し、利用されるといわざるをえない。むろん、その記
録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒
体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体
においても全く同様に考えることができる。また、一次
複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う
余地無く同等である。その他、供給方法として通信回線
を利用して行なう場合でも本発明が利用されていること
にはかわりない。
【0160】さらに、一部がソフトウェアであって、一
部がハードウェアで実現されている場合においても発明
の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒
体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるよ
うな形態のものとしてあってもよい。所望される印刷品
質に応じて対応する補間処理を変更する例としては、さ
らに各種の例を採用可能である。図49〜図51は、印
字用紙を選択することによって間接的に印刷品質を判断
し、最適なパフォーマンスの印刷制御を実施する例を示
している。
【0161】この例では、図49に示すように印字用紙
の種類を表示してユーザーに選択させる。印字用紙によ
ってインクにじみの発生量や光沢度が相違し、要求する
印字品質によって印字用紙を交換している。「スーパー
ファイン」は光沢がありにじみの発生がほとんどなく高
画質な印字品質を望む場合に利用する。以下、印字品質
が低くても良い場合に「ファイン」「普通紙」を使用す
る。このため、印字用紙を設定させればが印字品質が分
かる。
【0162】図50のフローチャートに示すように、ス
テップ400にて図49に示すGUIの設定外面を表示
し、操作者に印字用紙を選択させる。ここで入力された
印字用紙はステップ410にて図51に示すテーブルを
参照するのに利用される。すなわち、用紙が「スーパー
ファイン」であれば、印刷品質は高いものを望まれてい
ることになるから、画素補間処理としては「Mキュービ
ック」を選択しつつ階調変換処理は「誤差拡散法」を選
択する。これらはいずれも高画質を期待できる処理であ
る。一方、「普通紙」であれば、印刷品質よりはさほど
高いものが望まれておらず、逆に印刷品質は低くても高
速処理が望まれていると分かる。このため、画素補間処
理としては「ニアリスト」を選択しつつ階調変換処理は
「ディザB」を選択する。また、「ファイン」であれ
ば、印刷品質や処理速度の妥協点が求められており、画
素補間処理としては「バイリニア」を選択しつつ階調変
換処理は「誤差拡散法」を選択する。
【0163】このテーブルの参照結果は、ステップ42
0にて画素補間処理を選択する際と、ステップ460に
て階調変換処理を選択する際に利用され、ステップ43
0の「Mキュービック」か、ステップ440の「バイリ
ニア」か、ステップ「450」の「ニアリスト」で画素
補間処理が行われ、ステップ470の「誤差拡散法」
か、ステップ480の「ディザB」で階調変換処理が行
われる。以上のように、印字用紙を選択することによっ
て印刷品質が判定され、その印刷品質に見合う画質や処
理速度の面での最適なパフォーマンスを得ることができ
る。
【0164】次に、図52〜図55は、印字ヘッドをオ
ーバーラップして駆動させることによって印刷品質を変
更可能な場合に、最適なパフォーマンスを得られる処理
の例を示す。まず、オーバーラップについて簡単に説明
する。ごく一般的には、印字ヘッドに設けられている一
つのノズルは、印字用紙の幅方向に並ぶ一列のドット列
の印字を担当する。これに対して、オーバーラップでは
一列のドット列を異なる複数のノズルを使用して印字す
る。印字密度が高精細化してくると、ノズルから吐出さ
れるインク粒の飛行方向のわずかなずれが白線を生じさ
せる。例えば、上下に並ぶ二列のドット列を対比したと
き、上列を印字するノズルからの飛行方向は上方にず
れ、下列を印字するノズルからの飛行方向が下方にずれ
たとすると、間に白線が生じやすくなる。ノズルからの
飛行方向を調整するのは難しいため、上述したように複
数のノズルを使用して一列のドット列を印字する。
【0165】図52にはオーバーラップが2回の例と4
回の例を参照して基本原理を示している。印字ヘッドの
ノズル列が1〜16まであるとすると、オーバーラップ
しなければ一回の桁移動で16列のドット列を印字でき
るが、オーバーラップを2回する場合には一列のドット
列を1番目のノズル列と9番目のノズル列とを使用して
印字する。むろん、先に1番目のノズル列だけを使用し
て一つ飛びのドット列を印字し、9番目のノズル列だけ
を使用して一つ飛びのドット列を印字する。次に、印字
用紙を半分の紙送り量で紙送りすると、1番目のノズル
列は9番目のノズル列で印字したドット列に対面し、9
番目のノズル列は1番目のノズル列で印字したドット列
に対面する。1番目のノズル列と9番目のノズルの飛行
方向が共に一致するのは稀であるから、印字されるドッ
ト列が基準位置から大幅にずれてしまうことが無くな
る。
【0166】図53の(a)はオーバーラップが4回の
場合にドット列がどのノズルから吐出されたものか分か
るように示しており、同図の(b)はオーバーラップが
2回の場合の例を示している。すなわち、各ドットに付
した数字がノズルの番号を示している。操作者が所有す
るカラープリンタで仕上げ用の印字を行なう場合、白線
が表れるのであればオーバーラップを指定する。図55
に示すステップ500にて印字品質を入力するには、図
54に示す「印字品質(オーバーラップ関連)」のGU
I画面を表示し、「高精細」、「精細」、「通常」のい
ずれかの選択を促す。入力された印字品質に基づいてス
テップ510で分岐処理を実行し、ステップ520,5
30,540の各処理ではオーバーラップ回数を示す変
数OVER_WRPに対して「4」、「2」、「1」を
代入する。
【0167】また、これと同時に選択された品質に対応
してステップ525,535,545の各処理ではフラ
グ(HOKAN_FLG)に実行すべき補間処理の種類
をセットする。ここでは、図51に示すのと同様に、最
高品質の場合にはMキュービックを選択し、次に高品質
の場合にはバイリニアを選択し、通常の品質の場合には
ニアリストを選択する。この後、ステップ550にて色
変換処理を実行し、ステップ560にて上記フラグ(H
OKAN_FLG)を参照しつつ指示されている補間処
理を実行する。また、補間処理を終了したらステップ5
70にて階調変換処理を実行する。
【0168】そして、ステップ580にてラスタデータ
を作成する際にこの変数OVER_WRPを参照してラ
スタデータを生成していく。ただし、実際の印字処理で
は、物理的なノズル間隔よりも少ない紙送りを実施して
ノズル間隔の精細度以上の高精細な印字を行っており、
このような印字処理に加えて上述したように一列のドッ
ト列を複数のノズルから印字する制御を行っている。以
上の例では印字品質を直に選択させているが、実質的に
はオーバーラップの回数を選択させており、その印刷品
質に対応した補間処理を実現できる。
【0169】図56と図57は印刷解像度に応じて印字
ヘッドの移動方向を制御する例を示している。印字ヘッ
ドを使用して印刷する場合、印字ヘッドを用紙の紙幅方
向に往復動させながら紙を送って印字用紙の全面にわた
って印刷を可能としている。当初は、印字ヘッドを一方
向に動かすときにだけ印字を行い、逆方向に動かすとき
には印字を行わないようにしていたが、印字データの順
番を逆にし、戻る移動の際にも印字を行うことによって
一往復で二列のドット列を印字できるようになった。
【0170】しかしながら、印刷解像度が極端に向上し
てきた今日では、機構的なくせなどによって往復の各動
作でずれが生じる。このため、印刷ヘッドを往復動作さ
せる指示を与えつつ、高解像度の印刷を指定しても良好
な結果を得られないことが多い。これに対して、図57
に示すフローチャートのステップ600にて、図56に
示すような印刷解像度の設定画面を表示し、印刷解像度
を入力しておく。ステップ610ではその印刷解像度が
高精細であるか否かに応じてステップ620またはステ
ップ630にて印字方向を示すフラグをセットする。す
なわち、印刷解像度が高精細なものを要求されていれば
印刷品質の高いものが要求されているのであるからステ
ップ630にて方方向でしか印刷を行わないようにさせ
るフラグを設定しておくし、印刷解像度が低いものを要
求していれば印刷品質も低いもので十分であるからステ
ップ620に双方向でしか印刷を行わせないようにフラ
グを設定しておく。
【0171】また、ステップ610の分岐に伴ってステ
ップ625,635の各処理ではフラグ(HOKAN_
FLG)に実行すべき補間処理の種類をセットする。こ
こでは、選択肢が二つとなり、最高品質の場合にはMキ
ュービックを選択し、通常の品質の場合にはニアリスト
を選択する。この後、ステップ640にて色変換処理を
実行し、ステップ565にて上記フラグ(HOKAN_
FLG)を参照しつつ指示されている補間処理を実行す
る。
【0172】以上のように望まれる印刷品質の高低に応
じて印刷品質に影響を与える印刷方向を指定するととも
に補間処理を指定することにより、画像処理だけは高度
になっても機構的に双方向に印字してしまって画質が低
下してしまうというようなことがなくなる。ところで、
図44に示す色変換ではRGBからLC、C、LM、
M、Y、Kの6色に変換している。異なる色空間の間で
独自の座標系を有する場合、色変換は単に計算だけで求
められるものではなく、予め両色空間を対応づけた色変
換テーブルを利用しなければならない。この色変換テー
ブルは、サンプリングパッチについてそれぞれの色空間
で測色し、同じサンプリングパッチに対する測色データ
を組み合わせて作成する。ただし、RGBの各色につい
て256階調あれば、その組合せ1670万色となり、
全組合せについての色変換テーブルは巨大な容量とな
る。
【0173】このため、一般には入力側の階調数を下げ
たテーブルを用意し、不足分は補間演算で補うことにし
ている。例えば、各色8階調とすると色変換テーブルは
8×8×8の容量となってサイズが減少する。むろん、
8×8×8の色変換テーブルでは実際の画像データが一
致するわけではないので、実際の色空間で求めようとす
る画像データを取り囲む最近隣の8つの格子点を探し出
し、この8つの格子点との対応関係から補間演算する。
この補間演算の簡単な例は8点補演算である。
【0174】しかし、8点補間演算といっても単純には
8つの重みづけ加算とその結果の累算を行うので8回の
乗算と7回の加算が必要になり、各画素毎にこの演算を
行うのでは処理量が多大になる。この演算量を減らすた
めに本出願人は「プレポスト変換」を実現した。図58
と図59はプレポスト変換を簡易に理解するための模式
図である。図58に示すように、RGB各256階調で
あった入力画像データをプレ階調変換部31において各
9階調あるいは17階調あるいは33階調に階調変換
し、階調変換後に色変換部32にて色補正テーブル33
を参照して色変換する。プレ階調変換部31では誤差拡
散法で階調変換するが、この誤差拡散法であれば基本的
には加減算程度の演算で済むため、8点補間演算と比較
して演算量は激減する。
【0175】ところで、プレ階調変換部31にて階調変
換する際、量子化誤差が発生する。誤差拡散によってマ
クロ的には誤差が発生しないというものの、現実には画
質に影響を与える。むろん、量子化誤差は色変換テーブ
ル33のサイズの影響を受け、色変換テーブル33のサ
イズが大きければ量子化誤差は低減する。この実施形態
においては、印刷品質に影響を与える色変換の手法に応
じて色補正テーブルのサイズを切り換えることとする。
色変換は図60に示すようにドットマトリクス状の構成
画素において対象画素を特定し、順次、この対象画素を
X−Y方向に走査するように移動させて全画素について
の処理を行なう。
【0176】ステップ710にて図61に示すようなG
UI設定画面を表示して操作者から印刷品質に対応する
仕上がり画質を入力させ、ステップ720にてこの仕上
がり画質に基づいてサイズの異なる色変換テーブルを参
照すべくステップ721とステップ723とステップ7
25へと分岐する。ここでは仕上がり画質は色変換の手
法に対応しており、最良の仕上がり画質は最大の色変換
テーブルを利用することによって実現され、良好の仕上
がり画質は中程度の色変換テーブルを利用することによ
って実現され、通常の仕上がり画質は最小の色変換テー
ブルを利用することによって実現される。
【0177】仕上がり画質が最良のものを望むのであれ
ば、33×33×33階調の色変換テーブルを使用する
ためにステップ721にてRGB256階調を33階調
に誤差拡散によって階調変換し、ステップ722にて同
色変換テーブルを参照する。同様にして良好の仕上がり
画質を望むのであれば、ステップ723にてRGB25
6階調を17階調に変換し、ステップ724にて17×
17×17階調の色変換テーブルを参照するし、通常の
仕上がり画質を望むのであれば、ステップ725にてR
GB256階調を9階調に変換し、ステップ726にて
9×9×9階調の色変換テーブルを参照する。
【0178】また、ここでもステップ720の分岐に伴
ってステップ727,728,729の各処理ではフラ
グ(HOKAN_FLG)に実行すべき補間処理の種類
をセットする。ここでは、選択肢が三つとなり、図51
に示すのと同様に、最高品質の場合にはMキュービック
を選択し、次に高品質の場合にはバイリニアを選択し、
通常の品質の場合にはニアリストを選択する。この後、
ステップ730にて上記フラグ(HOKAN_FLG)
を参照しつつ指示されている補間処理を実行する。
【0179】CMYK色空間における画像データに変換
されたら、ステップ740にてプリンタ17bの階調に
合わせるべく2階調へと階調変換する。この最終段階に
おける256階調から2階調への色変換がポスト階調変
換部33に相当する。以上のように、仕上がり画質を入
力することによって印刷品質を判断し、その印刷品質に
応じた最適な印刷制御処理を実現するようにしたため、
無駄なく最良の画質で印刷処理を行うことが可能とな
る。
【0180】このように、コンピュータシステム10を
利用した印刷システムにおいて、印字用紙のような印刷
品質に影響を与える要素を選択させることにより(ステ
ップ400)、印字用紙の選択から印刷品質を推定し、
予め対応づけておいた適切な印刷制御を選択しつつ(ス
テップ410)、この選択した印刷制御を実行するよう
に処理を分岐させるようにした(ステップ420〜ステ
ップ450、ステップ460〜ステップ480)ため、
最適な印刷制御を実施できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムを実現
するコンピュータシステムのブロック図である。
【図2】インクジェット方式のカラープリンタの概略ブ
ロック図である。
【図3】同カラープリンタにおける印字ヘッドユニット
の概略説明図である。
【図4】同印字ヘッドユニットで色インクを吐出させる
状況を示す概略説明図である。
【図5】本印刷システムにおける画像データの流れを示
すフロー図である。
【図6】バブルジェット方式の印字ヘッドで色インクを
吐出させる状況を示す概略説明図である。
【図7】電子写真方式のプリンタの概略説明図である。
【図8】本発明の印刷用画像データ補間装置の他の適用
例を示す概略ブロック図である。
【図9】本印刷システムの概略構成を示すブロックであ
る。
【図10】本発明の印刷用画像データ補間装置における
印刷処理のフローチャートである。
【図11】印刷処理の操作ウィンドウを示す図である。
【図12】プリンタの設定の操作ウィンドウを示す図で
ある。
【図13】ニアリスト法の概念図である。
【図14】ニアリスト法で各格子点のデータが移行され
る状況を示す図である。
【図15】ニアリスト法の補間前の状況を示す概略図で
ある。
【図16】ニアリスト法の補間後の状況を示す概略図で
ある。
【図17】キュービック法の概念図である。
【図18】キュービック法の具体的適用時におけるデー
タの変化状況を示す図である。
【図19】キュービック法の具体的適用例を示す図であ
る。
【図20】Mキュービック法の具体的適用例を示す図で
ある。
【図21】整数倍の補間処理を示す概略図である。
【図22】ドット径を変化させる場合のピエゾ素子に印
加する電圧信号波形を示す図である。
【図23】ドット径を変化させる場合のピエゾ素子に印
加する電圧信号波形を示す図である。
【図24】ドットの吐出タイミングと着紙タイミングと
を示す図である。
【図25】小ドットと中ドットを使用したドット径の変
化を示す図である。
【図26】プリンタの設定の操作ウィンドウを示す図で
ある。
【図27】階調数を変更可能とした場合の印刷処理のフ
ローチャートである。
【図28】本発明の一実施形態にかかる印刷システムの
概略フローチャートである。
【図29】印刷処理を実行するプリンタドライバの概略
フローチャートである。
【図30】本発明の画像データ補間階調変換装置の他の
適用例を示す概略ブロック図である。
【図31】本発明の画像データ補間階調変換装置の他の
適用例を示す概略ブロック図である。
【図32】本発明の画像データ補間階調変換装置の他の
適用例を示す概略ブロック図である。
【図33】本発明の画像データ補間階調変換装置の他の
適用例を示す概略ブロック図である。
【図34】プリンタドライバのより詳細なフローチャー
トである。
【図35】GUIを利用した設定画面を示す図である。
【図36】優先順位に基づいて組み合わせた画素補間処
理と階調変換処理の対応を示す図表である。
【図37】画素補間で利用する補間関数の変化を示す図
である。
【図38】中央集点型ディザマトリクスの一例を示す図
である。
【図39】分散型ディザマトリクスの一例を示す図であ
る。
【図40】中央集点型ディザをベタ画面に適用した場合
にドットが付される状況を示す図である。
【図41】分散型ディザをベタ画面に適用した場合にド
ットが付される状況を示す図である。
【図42】誤差拡散法を簡易的に示す図である。
【図43】ニアリスト法で拡大処理する状況を示す図で
ある。
【図44】色インク粒の多様性に対応したプリンタドラ
イバの概略フローチャートである。
【図45】色インク粒が多様化した場合の画素補間処理
と階調変換処理の対応を示す図表である。
【図46】色インク粒が多様化した場合の画素補間処理
と階調変換処理の対応を示す図表である。
【図47】GUIを利用してハーフトーンを指定する場
合の設定画面を示す図である。
【図48】ハーフトーンを指定して画素補間処理が限定
される状況を示す図表である。
【図49】印字用紙の選択を行う設定画面を示す図であ
る。
【図50】印字用紙に基づいて最適な印刷処理を実施す
るためのフローチャートである。
【図51】印字用紙と画素補間処理と階調変換処理との
対応を示すテーブルを示す図である。
【図52】印字ヘッドのオーバーラップ時の動作状況を
示す模式図である。
【図53】オーバーラップによってドット列を印字する
ときのノズルを示す図である。
【図54】印字品質の選択を行う設定画面を示す図であ
る。
【図55】印字用紙に基づいて最適な印刷処理を実施す
るためのフローチャートである。
【図56】印刷解像度の選択を行う設定画面を示す図で
ある。
【図57】印刷解像度に基づいて最適な印刷処理を実施
するためのフローチャートである。
【図58】プレポスト変換の概略説明図である。
【図59】プレ階調変換で256階調から33階調へと
変換する際の対応関係を示す図である。
【図60】対象画素を移動させながら色変換を行う過程
を示す図である。
【図61】仕上がり画質の選択を行う設定画面を示す図
である。
【図62】仕上がり画質に基づいて最適な印刷処理を実
施するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10…コンピュータシステム 11a…スキャナ 11a2…スキャナ 11b…デジタルスチルカメラ 11b1…デジタルスチルカメラ 11b2…デジタルスチルカメラ 11c…ビデオカメラ 12…コンピュータ本体 12a…オペレーティングシステム 12b…ディスプレイドライバ 12b…ドライバ 12c…プリンタドライバ 12d…アプリケーション 13a…フロッピーディスクドライブ 13b…ハードディスク 13c…CD−ROMドライブ 14a…モデム 14a2…モデム 15a…キーボード 15b…マウス 17a…ディスプレイ 17a1…ディスプレイ 17b…カラープリンタ 17b1…カラープリンタ 17b2…カラープリンタ 18a…カラーファクシミリ装置 18b…カラーコピー装置 21…カラーインクジェットプリンタ 22…カラープリンタ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像をドットマトリクス状の画素で多階
    調表現した画像データを取得する画像データ取得手段
    と、 上記ドットマトリクス状の画素で多階調表現された画像
    の画素を所定の補間倍率となるように補間して生成する
    にあたり精度の高い演算手法で補間してから精度の低い
    演算手法で補間するものとしつつこれらを所定の負担割
    合で実行する画素補間手段と、 この画素補間手段で上記画像データを基準として補間処
    理するにあたり印刷する際の精細度を検出する精細度検
    出手段と、 この精細度検出手段で検出した精細度に基づいて上記画
    素補間手段における負担割合を算出するにあたり高精細
    であるほど精度の高い演算手法に割り当てられる負担割
    合が増加するように補間倍率を調整する補間倍率調整手
    段と、 この補間倍率調整手段にて決定される負担割合で補間処
    理された補間画像データに基づいて所定の印刷データに
    変換して出力する印刷データ出力手段とを具備すること
    を特徴とする印刷用画像データ補間装置。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載の印刷用画像データ
    補間装置において、上記精細度検出手段は、印刷する際
    の画像データにおける階調数を精細度として検出するこ
    とを特徴とする印刷用画像データ補間装置。
  3. 【請求項3】 上記請求項2に記載の印刷用画像データ
    補間装置において、上記階調数は、画素に付する記録剤
    の径の大きさを変えて変化させるものであることを特徴
    とする印刷用画像データ補間装置。
  4. 【請求項4】 上記請求項1〜請求項3のいずれかに記
    載の印刷用画像データ補間装置において、上記精細度検
    出手段は、印刷する際の画像データにおける解像度を精
    細度として検出することを特徴とする印刷用画像データ
    補間装置。
  5. 【請求項5】 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記
    載の印刷用画像データ補間装置において、上記画素補間
    手段は、精度の高い演算手法で行う補間処理として補間
    する画素の画像データがなだらかに変化するように周囲
    の画素の画像データから演算処理で補間画素の画像デー
    タを算出する補間処理を実行することを特徴とする印刷
    用画像データ補間装置。
  6. 【請求項6】 上記請求項1〜請求項5のいずれかに記
    載の印刷用画像データ補間装置において、上記画素補間
    手段は、精度の低い演算手法で行う補間処理として補間
    処理前の最近隣画素の画像データを新たな構成画素の画
    像データに利用する補間処理を実行することを特徴とす
    る印刷用画像データ補間装置。
  7. 【請求項7】 上記請求項1〜請求項6のいずれかに記
    載の印刷用画像データ補間装置において、上記画素補間
    手段は、所定の切替解像度を有しており、精度の高い演
    算手法でこの切替解像度を超えるように補間処理した上
    で、残りの補間倍率を精度の低い演算手法で補間するも
    のであるとともに、上記補間倍率調整手段は、上記切替
    解像度を変化させて補間倍率の調整を行うことを特徴と
    する印刷用画像データ補間装置。
  8. 【請求項8】 画像をドットマトリクス状の画素で多階
    調表現した画像データについて所定の補間倍率となるよ
    うに補間処理するとともに印刷するための所定の変換処
    理を実行して印刷データとする印刷用画像データ補間方
    法であって、 画像をドットマトリクス状の画素で多階調表現した上記
    画像データを取得する工程と、 この上記ドットマトリクス状の画素で多階調表現された
    画像の画素を所定の補間倍率となるように補間して生成
    するにあたり精度の高い演算手法で補間してから精度の
    低い演算手法で補間するものとしつつこれらを所定の負
    担割合で実行する工程と、 上記画像データを基準として補間処理するにあたり印刷
    する際の精細度を検出する工程と、 この検出された精細度に基づいて上記画素補間工程にお
    ける負担割合を算出するにあたり高精細であるほど精度
    の高い演算手法に割り当てられる負担割合が増加するよ
    うに補間倍率を調整する工程と、 決定される負担割合で補間処理された補間画像データに
    基づいて所定の印刷データに変換して出力する工程とを
    具備することを特徴とする印刷用画像データ補間方法。
  9. 【請求項9】 画像をドットマトリクス状の画素で多階
    調表現した画像データについて所定の補間倍率となるよ
    うに補間処理するとともに印刷するための所定の変換処
    理を実行して印刷データとする印刷用画像データ補間プ
    ログラムを記録した媒体であって、 画像をドットマトリクス状の画素で多階調表現した上記
    画像データを取得するステップと、 この上記ドットマトリクス状の画素で多階調表現された
    画像の画素を所定の補間倍率となるように補間して生成
    するにあたり精度の高い演算手法で補間してから精度の
    低い演算手法で補間するものとしつつこれらを所定の負
    担割合で実行するステップと、 上記画像データを基準として補間処理するにあたり印刷
    する際の精細度を検出するステップと、 この検出された精細度に基づいて上記画素補間工程にお
    ける負担割合を算出するにあたり高精細であるほど精度
    の高い演算手法に割り当てられる負担割合が増加するよ
    うに補間倍率を調整するステップと、 決定される負担割合で補間処理された補間画像データに
    基づいて所定の印刷データに変換して出力するステップ
    とを具備することを特徴とする印刷用画像データ補間プ
    ログラムを記録した媒体。
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