JP2000298091A - 走査型トンネル顕微鏡 - Google Patents

走査型トンネル顕微鏡

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JP2000298091A JP11106231A JP10623199A JP2000298091A JP 2000298091 A JP2000298091 A JP 2000298091A JP 11106231 A JP11106231 A JP 11106231A JP 10623199 A JP10623199 A JP 10623199A JP 2000298091 A JP2000298091 A JP 2000298091A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雰囲気の異なる環境下での像観察を容易に行
えるようにし、かつ設定した環境下での像観察であるか
否かの確認が行えるようにする。 【解決手段】 試料ステージ17(19)と、該ステー
ジ上に配置された試料18に対向して設けられた探針1
6が取り付けられたスキャナー14と、スキャナーを駆
動する粗動機構13と、電極端子20とを一体化して設
けたセルユニット5と、該セルユニットを把持するピン
が先端部に形成された搬送ロッド3とを備え、前記搬送
ロッドによりセルユニットを把持して異なる環境の真空
チャンバ8、9間を移動可能にしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走査型トンネル顕微
鏡(STM)等の走査型顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
STMステージは、試料移動機構、探針アプローチ機構
等の駆動機構はステージ部に一体化された固定式構造
で、分離不可能になっていた。そのため雰囲気の異なる
環境下でSTM像を見たい場合には、個別にチャンバー
ごとにSTMステージをそっくり必要な数だけ構成しな
ければならない。例えば、図23に示すように、試料ス
テージ2、試料3、探針スキャナー4、粗動機構5が、
それぞれフランジ6に固定されてチャンバ1に装着され
る。このような構成では、超伝導磁石を用い、高磁界、
極低温の中で観察する場合、STMステージを超伝導磁
石の中に入れるのは困難である。超伝導磁石を極低温ま
で冷却できるように試料等を入れる口は細く長くなって
いて極低温まで冷やす所は熱容量が小さく設計されてい
る。このような条件のもとでSTMステージを入れるた
めには小さく設計しなければならない。
【0003】このように、試料温度を室温から低温に変
化させてSTM像の観察を行うことを考えると、フラン
ジに固定されたSTMユニット全体を設定温度の低温環
境に置くことが理想ではあるが、従来の構成では現実的
ではない。これを実現するには巨大な超高真空かつ冷却
装置の中にフランジユニットを置かなければならず、試
料、探針交換時に再び室温に戻すことを考えると困難で
ある。従って、従来行われているように、STMユニッ
トを部分的に冷却することになる。試料ステージ、或い
は、試料ステージに固定された試料ホルダ、或いは試料
ホルダに熱絶縁されて配置された試料のみを設定した温
度に冷却することは可能ではある。しかし、絶えず熱流
入を受け、STM観察を安定させることが難しいなど、
別の問題が生じる。また、試料は設定温度まで冷却でき
たとしても、室温の探針をアプローチさせた場合、すな
わち、STM観察中は、探針と試料面との間に輻射等の
影響を受け、試料温度に疑問が残る。探針も冷却すれば
よいが、室温中で細い探針を低温にすることには、熱流
入が大きく限界がある。
【0004】また、従来の構成では、温度環境、雰囲気
ガス、蒸着物等が違う異なる環境に試料を置いた時の違
いを明確にすることが難しい。例えば、極低温まで冷却
できる位置に試料を置いた場合、目で観察できないため
試料が本当に設定した環境になっているのかという問題
が絶えず残り、また、細く長い筒の底でのSTM観察は
STMテージを見ることができないため、STM像が良
く見えない場合その原因がどこにあるのか分からなくな
ってしまう。
【0005】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、雰囲気の異なる環境下での像観察を容易に行えるよ
うにするとともに、設定した環境下での像観察であるか
否かの確認が行えるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、試料ステー
ジと、該ステージ上に配置された試料に対向して設けら
れた探針が取り付けられたスキャナーと、スキャナーを
駆動する粗動機構と、電極端子とを一体化して設けたセ
ルユニットと、該セルユニットを把持するピンが先端部
に形成された搬送ロッドとを備え、前記搬送ロッドによ
りセルユニットを把持して異なる環境の真空チャンバ間
を移動可能にしたことを特徴とする。また、本発明は、
異なる環境の各真空チャンバに、前記セルユニットの電
極端子と接続するコネクタが設けられていることを特徴
とする。また、本発明は、コネクタの少なくとも1つは
スライドコネクタであることを特徴とする。また、本発
明は、セルユニット頂部に搬送ロッド先端部のピンと係
合して回転可能なテーパー面が形成された羽根を有する
回転板を備えるとともに、前記真空チャンバ底部壁に固
定ブロックが形成され、前記ピンによる係合を外す搬送
ロッドの回転動作により前記羽根のテーパー面が固定ブ
ロック下面に入り込んでセルユニットが下側に押圧固定
されることを特徴とする。また、本発明は、セルユニッ
トの電極がスプリング内蔵電極からなり、前記固定ブロ
ックによりセルユニットを押圧固定したとき、前記スプ
リング内蔵電極が真空チャンバ側の固定電極と弾性接触
することを特徴とする。また、本発明は、セルユニット
の粗動機構を駆動する回転伝達軸を備え、前記回転伝達
軸に軸方向の長さの変化を吸収する回転伝達継手を設け
たことを特徴とする。また、本発明は、セルユニットの
粗動機構を平歯車を介して駆動する回転伝達軸を備え、
粗動機構と回転伝達軸の平歯車の各歯の全周に渡ってテ
ーパー面を形成したことを特徴とする。また、本発明
は、セルユニット頂部に、搬送ロッドの先端が挿入され
るラッパ状のガイド孔が形成されたガイドを形成したこ
とを特徴とする。また、本発明は、スキャナーの外面3
箇所を平坦面として3点支持し、その中の1点は弾性体
で支持するようにしたことを特徴とする。また、本発明
は、スキャナー中心からずれた位置に試料蒸着用の偏心
孔を形成したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本発明の一例を説明する図で、図1
(a)は像観察部を示す図、図1(b)はSTMセルを
示す図である。STMセルが置かれる真空容器は、上部
チャンバ9と細長い下部チャンバ8からなっていて、図
示しない真空ポンプにより超高真空に保たれ、上部チャ
ンバ9は常温、下部チャンバ8は液体ヘリウムタンク7
で極低温に保たれている。STMセル5は、図1(b)
に示すように、電線や駆動軸が切り離し可能なカートリ
ッジタイプのユニット化されたカプセル構造であり、カ
プセル内に粗動機構13、スキャナー14、探針ホルダ
15、探針16が設けられ、これに対向して試料18が
試料ホルダ17に取り付けられ、カプセルには端子20
が設けられている。そしてSTMセル5は、トランスフ
ァーユニット1により、上部チャンバ、下部チャンバの
位置へ移動できるようになっている。下部チャンバで
は、セットされた位置において電線や駆動軸がカプセル
に結合され、上部チャンバではステージサポート11を
介して電線や駆動軸が結合される。ステージサポート1
1はベローズ12により移動可能で、トランスファーユ
ニット1でSTMセル5を移動するときの妨げにならな
いように構成されている。トランスファーユニット1
は、トランスファーロッド3、チャック4から構成され
ており、回転導入器2を回転することにより、トランス
ファーロッド3が上下し、その先端のチャック4をST
Mセルに結合してSTMセルを移動させる。ゲートバル
ブ10は他の真空容器との間により試料等の出し入れ時
に開閉するバルブである。
【0008】このような構成において、まず、トランス
ファーユニット1を操作し、STMセル5を上部チャン
バ9の所定位置に移動させてステージサポート11上に
置くと、ステージサポート11を介して電線や駆動軸が
STMセル5に結合されて常温での観察が行われる。こ
の位置では目視可能であるので、STM像が得られるか
否かの予備観察として位置付けられる。ここで、STM
像が得られることを確認した後、トランスファーユニッ
ト1を操作し、STMセルを下部チャンバ8の底部に移
動させる。下部チャンバ8の底部においては、電線や駆
動軸がSTMセル5に結合されて極低温での観察が行わ
れる。この位置ではSTMセル5は目で見ることはでき
ないが、予備観察で正常にSTM像が得られることが確
認されているので問題はない。万一、STM像が良く見
えない場合でもその原因がどこにあるかのチェックも容
易となる。
【0009】次に、カプセル化したSTMセルの例と、
これを異なる環境のチャンバに入れる例について説明す
る。図2は本発明のSTMセルの例を示している。ST
Mセルは円筒形あるいは角柱形等からなり、セルの中に
試料ステージ19に取り付けられて試料ホルダ17、試
料18が設けられ、さらに、差動ネジ21を介して駆動
されるZ粗動機構13a、X,Y粗動機構13bからな
る粗動機構、PZTスキャナー14、探針ホルダ15、
探針16が一体化して組み込まれ、キャップ部分に16
個の測温用、加熱用等の電極20が設けられている。こ
のSTMセルを必要な環境に置けば、試料を含めてセル
全体がその環境中にあることになり、その結果、STM
像観察中でも試料面の環境変化もなく、安定したSTM
像観察が可能となる。
【0010】図3は図2のSTMセルを異なる環境のチ
ャンバに入れる例を示す図である。搬送用ロッド3は9
0°旋回できるようになっており、このロッドを用い、
ゲートバルブ10を開閉してSTMセル5を異なった環
境の超高真空(UHV)チャンバA、B、C間で移動可
能である。従って、ある温度環境のチャンバ内にSTM
セルを置けば、しばらく時間を置くことにより、セル全
体がその温度になる。探針を試料にアプローチさせて、
STM像観察を行う場合において、探針と試料の温度
差、試料と試料ホルダ、試料ステージの温度差がないた
め、試料温度の変化がなく、このため試料が安定した温
度にあるとみなすことができ、さらに温度勾配もないた
め、熱ドリフトも抑えられる。従って、安定したSTM
像観察を行うことができ、試料の電子状態などの物理特
性が厳密に調べられる。また、一体化に伴い、STMユ
ニットを小さく、軽く、固くすることができ、固有振動
数を上げて、振動に対して強い構造とすることができ
る。
【0011】上記のようにフランジ等に固定されるST
Mではなく、移動可能なカプセルタイプのSTMの駆動
方法についてより詳細に説明する。前述したように、S
TMセルは搬送ロッドを用いて環境の異なるチャンバ間
を移動でき、セル全体を環境温度にすることができるの
で、熱流入のない安定した状態でSTM像観察を行うこ
とができ、また、一体化に伴い、固有振動数を上げて、
振動に対して強い構造とすることができる。しかし、S
TMセルを駆動する場合、トンネル電流取り出しライ
ン、一般的に圧電素子からなるスキャナーを駆動するた
めの電圧供給ライン、試料−探針間のバイアス電圧供給
ライン等が必要である。このためのリード線をどうする
かが問題となる。
【0012】図4は外部のSTMコントローラからリー
ド線を引回して2つの環境下を移動するSTMセルを説
明する図である。図4(a)は環境A、温度AのUHV
チャンバ内にSTMセル5が置かれた状態にあり、この
ように外部のSTMコントローラ25からSTMセル5
までリード線を引き回しては、電気的接続は確実である
が、STMセルを容易に移動できるという利便性が失わ
れる。即ち、図4(b)に示すように、環境B、温度B
へSTMセル5を移動した場合、リード線が他の部分に
絡まったりして断線する可能性がある。また、温度の異
なる環境へSTMセルを移動する場合、リード線からの
熱流入が起こって熱的安定性が失われる可能性がある。
また、図4(c)に示すようにゲートバルブ10がある
場合は、STMセルを送り込んだ後搬送ロッドをはずし
てもリード線が残るためにゲートバルブを閉じることが
できなくなる。また、環境Aが室温で環境Bが低温の場
合、AからBへの移動はよいが、BからAへの移動の際
には、リード線が冷却されて硬化しており移動時に断線
する可能性もある。
【0013】図5はコネクタを配置したSTMセル駆動
方法を示す図である。図5(a)(縦に移動する場
合)、図5(b)(横に移動する場合)に示すように、
各環境のもとにリード線コネクタ26、27を配置して
STMコントローラと接続しておき、STMセルを各環
境に置いたときSTMセルの電極端子がこれと接続する
ようにする。こうして、STMセルを異なる環境間で移
動するとき、STMセルのみを移動し、コネクタの位置
に置くことで、STM駆動のためのコントローラ25と
の接続を行うことができる。もちろん、異なる環境は2
個に限定されるものではない。
【0014】図6はスライドコネクタを用いた例を説明
する図である。図6(a)はSTMセル側の電極20と
スライドコネクタとの接続前の状態を示し、スライドコ
ネクタは固定電極30に板バネ30aを取り付けたもの
で、図示するようにセルを上から下へ移動したときセル
側壁をスライドし、図6(b)に示すようにセルの側面
に固定されたセル側電極20と接続する。このように、
STMセルは、図のように環境の中央に配置されるとは
限らず、場合によってはある環境の内壁、例えばUHV
の場合はチャンバの内壁に接触させるようにしてもよ
く、搬送用のロッドは装着したままでよく、内壁のどこ
か(底部)に固定して搬送ロッドとSTMセルを分離し
てもよい。コネクタの位置は、STMセルをどこに配置
するかを考慮して配置し、UHVの場合にはチャンバに
電流導入端子を付ける。
【0015】図7はSTMセルの形状を説明する図であ
る。図7はSTMセルを上方から見た図であり、図7
(a)は角柱の場合、図7(b)は円筒形の場合を示し
ており、このようにSTMセルは円筒形の場合も角柱の
場合あり得る。また、電極数も適宜変更可能である。
【0016】次に、STMセルの位置決めと固定法につ
いて図8〜15により説明する。STMセルをクライオ
スタット内部に配置して冷却する場合、効率良く冷却す
るためにはクライオスタット内部で適切に固定しなけれ
ばならない。また、STMセルを駆動するためにはプリ
アンプ、STMコントローラとリード線等を適切に固定
しなければならない。前述したように、STMセル自体
は搬送ロッドなどで容易に移動でき、所定の位置でコネ
クタを利用して接続することにより、リード線を引き回
すことは避けられる。しかし、効率良く熱伝導を行うこ
と、STMセルが振動しないようにすること、電極を確
実に接触させること、複数ある電極同志の位置を間違え
ないようすることのためには、STMセルの位置決めと
固定法が問題となる。
【0017】図8はSTMセルをクライオスタット底部
に配置したときの概略図である。図示するように、搬送
ロッドが装着された室温のUHVチャンバ31が防振台
35に固定され、このチャンバの下にクライオスタット
32が設けられて内部にUHVチャンバ33が構成され
ている。クライオスタット稼働中は内部UHVチャンバ
33は低温にあり、温度コントロールされている。ST
Mセルに装着された試料を冷却する場合には、UHVチ
ャンバ31内にあったSTMセル5をUHVチャンバ3
3の底部に搬送ロッド3で送り込み、密着固定する。リ
ード線とチャンバ内固定電極30をクライオスタット内
のUHVチャンバ33の底部に配置しておき、STMセ
ル5が搬送ロッド3で搬送されて底部に配置されるとき
STMセル側電極と固定電極とが接触する。冷却効率を
上げるためにSTMセルの振動を抑える必要があり、そ
のためSTMセル側電極と、固定電極の接触をそれぞれ
確実にし、STMセルの位置決めと固定を確実に行う必
要がある。
【0018】図9はクライオスタット内部チャンバ底部
を示す図で、図9(a)は平面図であり、そのb視野、
c視野がそれぞれ図9(b)、図9(c)である。図示
するように、クライオスタット内部UHVチャンバ33
の壁部の所定高さ位置に対向してSTMセルを固定する
ための一対の固定ブロック40が対向して設けられてい
る。
【0019】図10は搬送ロッド先端を示す図(図10
(a)はピンと直交する方向から見た図、図10(b)
はピンと同方向から見た図)、図11はセルキャップを
示す図(図11(a)は平面図、図11(b)は側面
図)、図12はセルキャップの下に設けられる回転テー
パーを示す図(図12(a)、図12(b)は羽根と同
方向からみた平面図と側面図、図12(c)、図12
(d)は羽根と直交する方向から見た平面図と側面
図)、図13は搬送ロッドでSTMセルを移動させると
きの説明図(図13(a)はSTMセルに搬送ロッドを
出し入れするときの平面図、図13(b)はSTMセル
を搬送中の平面図、図13(c)はチャックの出し入れ
可能位置を説明するc視野の側面図、図13(d)はチ
ャックの出し入れ不可位置・セル搬送可能位置を説明す
るd視野の側面図)図14は電極端子を説明する図(図
14(a)は接触前を示す図、図14(b)は接触状態
を示す図)、図15はクライオスタット内部チャンバ底
部へのSTMセルの固定を説明する図(図15(a)は
平面図、図15(b)、図15(c)はそれぞれ図15
(a)のb視野図、c視野図)である。
【0020】図10に示すように、搬送ロッド3の先端
には、ロッドの両側に延びる形でピン41が埋め込まれ
ている。一方、図11に示すように、STMセル5の頂
部には、STMセルキャップ51が、裏面にはくぼみ5
1bがそれぞれ設けられており、セルキャップに形成さ
れているロッド挿入口51aに搬送ロッド3の先端が挿
入される。セルキャップ51の下には、図12に示すよ
うな回転テーパー52が設けられており、その中心には
セルキャップのロッド挿入口51aに対応してロッド受
け口52aが形成されるとともに、周縁にはテーパー面
Tを有するくさび状の一対の羽根52bが互いに対向す
る位置に形成されている。なお、52cはピン41が入
るくぼみである。そして、図12(a)の状態で搬送ロ
ッド3をセルキャップのロッド挿入口51aを通してロ
ッド受け口52aに挿入し、ロッドを90°回転すると
回転テーパー52は図12(c)のように90°回転す
る。従って、図13(a)、13(c)(図13(a)
のc視野図)に示すチャックの出し入れが可能位置にお
いてセルキャップの挿入口51aを通して回転テーパー
のロッド受け口52aに搬送ロッド3の先端を挿入し、
図13(b)、13(d)(図13(b)のd視野図)
に示すチャックの出し入れ不可位置・セル搬送可能位置
までロッドを90°回転すると回転テーパーが90°回
転し、このときロッド3のピン41はSTMセルキャッ
プ51の裏面の溝に嵌合するので、ロッドを上下させる
ことによりSTMセル5を上下に搬送することができ
る。なお、STMセルをUHVチャンバ底部に密着固定
した時、同時にSTMセル側電極とチャンバ側固定電極
も接触する。図14に示すように、STMセル側電極2
0はスプリング内蔵電極となっており、STMセルが押
さえ込まれるとき電極どうしが強く接触する。
【0021】次に、STMセルの固定について説明する
と、図13(a)に示すように、搬送ロッド3をロッド
受け口52aに挿入して90°回転し、STMセルを搬
送ロッドに接続して(図13(b))、内部UHVチャ
ンバ33の底部に搬送する。図9に示したように、内部
UHVチャンバ33の底部には一対の固定ブロック40
が設けられており、底部にSTMセルを置いたとき、回
転テーパー52の上面が、固定ブロック40の下面より
少し上方に位置し、羽根52bは一対の固定ブロックと
平行となる。そこで、STMセルがチャバ底面についた
とき搬送ロッド3を90°もとの方向に回転する。図1
5は搬送ロッドを90°もとの方向に回転した状態を示
しており、ロッドの回転により回転テーパー52が回転
して羽根52bのテーパー面の先端部分が固定ブロック
40の下に入り込み、くさび作用により回転テーパーは
下側に強く押しつけられ、その結果STMセル本体がU
HVチャンバ33の底面に押さえ込まれ、STMセルと
内部チャンバ底面は密着する。図15に示すように、S
TMセルには位置決めピン53が、チャンバ33には位
置決めピン受け口43がそれぞれ形成されており、ロッ
ドを90°回転して固定すると同時に位置決めピン53
がピン受け口43に入り、各電極どうしはスプリングに
より強く接触する。このように、回転テーパーのみが回
転し、セル全体は回転しないので電気接点部が摩耗する
ことがなく、長寿命のワッタッチ式電気接点が実現でき
る。位置決めピン53は中心に対して反対側に非対称な
位置に設けられており、位置決めピンが電極より先に接
触するので、180°間違っているとピン受け口に入ら
ないので、向きを誤って電極を接続することが防止でき
る。なお、間違い防止は、ピンとピン受け口の形状の違
い等を利用するようにしている。
【0022】前述したように、セルキャップの挿入口5
1aを通して搬送ロッド3の先端を挿入して90°回転
するとロッド3のピン41がSTMセルキャップ51の
裏面に当たり、STMセル5をチャックして上下に搬送
することができる。しかし、STMセルが低温チャンバ
底部にある場合、目視することができないので、ロッド
とセルキャップの挿入口の位置がずれているとうまくロ
ッドを挿入できず、チャッキング不能となってしまう。
そこで、図16に示すように、セルキャップ51にロッ
ド3の先端部が挿入しやすいような間口が広く徐々に狭
くなるラッパ状のガイド孔が形成されたガイド85を設
ける。すなわち、ガイド85にはロッド先端軸より大き
めの孔とピンで方位決めされるガイド溝が切られ、かつ
孔はピン長より大きめのテーパー孔からなるラッパ状の
ガイド孔となっている。チャッキングする場合は、ロッ
ド3の先端をラッパ状のガイド孔のテーパー面に沿って
スライドさせて細いストレート孔まで入れ、ピンが入り
込んだ後に、ある角度(例えば90°)ピンを回転させ
ると、セルキャップの挿入口とロッドピンがずれてST
Mセルをチャッキングすることができる。
【0023】次に、STMセルへの粗動機構を駆動する
伝達機構について説明する。UHVチャンバ内にあるS
TMセルを駆動する場合、回転軸による回転伝達を利用
しているが、ベローズ等真空圧の変化による伸縮や温度
変化により回転軸の方向に大幅に寸法が変化する。この
ような寸法の変化が起きても回転軸を通してSTMセル
の粗動機構に回転がスムーズに伝達される必要がある。
かかる機構について図17、図18を参照して説明す
る。
【0024】図17はUHVチャンバに位置するSTM
セルへの回転伝達機構を説明する図である。モータ60
から延びる水平方向の回転軸による回転を、室温状態に
あるUHVチャンバ31の中心付近でベベルギア61を
介して垂直方向の回転伝達軸63に伝達する。例えば、
STMセル5はUHVチャンバ31からほぼ2m下部に
ある低温のUHVチャンバ33の底部に位置し、回転伝
達軸先端の回転伝達歯車64と粗動機構13とが噛み合
ってX、Y、Z方向の駆動が行われるが、室温から液体
ヘリウムまでの温度変化や、真空圧の変化(大気圧〜1
-10 Torr)によるベローズの伸縮により、垂直軸
方向の寸法が20mm近い変化をする。このような垂直
軸方向の寸法変化があっても、回転伝達歯車64と粗動
機構13との噛み合いを常時維持するために、回転伝達
継手63で寸法変化を吸収する。回転伝達継手63は軸
方向の長さ変化を吸収し、回転の伝達は維持するもので
あればどのような構成のものでもよい。
【0025】図18は回転伝達継手の例を説明する図
で、図18(a)は継手の構造を説明する斜視図、図1
8(b)は上面図である。この回転伝達継手は、ベベル
ギアからの回転が伝えられる伝達軸70に、その先端部
から所定高さ位置において両側に突出するピン71を埋
め込み、伝達軸70が挿入される伝達軸72に、ピン7
1と係合する軸方向に所定の長さを有する2つの係合突
起73を形成したもので、伝達軸70を伝達軸72に挿
入すると、図18(b)に示すようにピン71が係合突
起73と係合して回転が伝達される。このような構成で
あるので、軸方向の長さが変化しても、ピン71と係合
突起73とがスライドして係合を維持し、回転を伝達す
ることができる。なお、ピン71の位置、係合突起の軸
方向長さは軸方向の長さ変化に応じて適宜選択する必要
がある。
【0026】ところで、本発明のSTMセルは、試料移
動機構、探針粗動機構を内蔵する単一のユニットであ
り、ワンタッチで着脱し、遠隔操作ができる構造でなけ
ればならない。このようなSTMセルは、回転伝達機構
を工夫する必要があり、そのためのギアについて図1
9、図20により説明する。
【0027】図19は回転伝達軸とSTMセルとの係合
を説明する図、図20は歯車の構造を説明する図であ
る。この例では2本の回転伝達軸の先端の平歯車80と
STMセル側の平歯車81とが係合しており、前述した
ようにUHVチャンバ33の底部にSTMセルを位置さ
せたときに平歯車81が平歯車80に確実、かつ簡単に
係合する必要がある。そのために、図20に示すよう
に、伝達軸側、セル側とも平歯車の一歯づつに全周に渡
ってテーパー面を形成する。すなわち、図20(a)
(歯車の側断面図)この例では2本の回転伝達軸の先端
の平歯車80とSTMセル側の平歯車81とが係合して
おり、前述したようにUHVチャンバ33の底部にST
Mセルを位置させたときに平歯車81が平歯車80に確
実、かつ簡単に係合する必要がある。そのために、図2
0に示すように、伝達軸側、セル側とも平歯車の一歯づ
つに全周に渡ってテーパー面を形成する。すなわち、図
20(a)(歯車の側断面図)に示すように、歯82の
長さ方向端部にテーパー82aを形成し、図20(b)
(歯車の平断面図)に示すように、歯の頂部両側にテー
パー82bを形成し、図20(c)(歯車の側面図)に
示すように、テーパー82aの両側をカットしてテーパ
ー面82cを形成する。このように、各歯の全周に渡っ
てテーパーを形成することにより、STMセルを下ろし
ていって互いの歯を係合させるとき、テーパー部がガイ
ドの役割をしてスムーズに噛み合わせることができ、同
様に係合をスムーズに外すことができる。そのため、ワ
ンタッチでの着脱、遠隔操作が可能となる。
【0028】図21はスキャナーが回転方向、X,Y方
向にずれないようにするガイド部を説明する図である。
STMセルを低温の下部チャンバに配置する場合、従来
のSTMステージのようにガイド部品であるリニアガイ
ドレール等は使用できないため、スペースをとらず回転
方向にずれが生ぜず、X,Y方向にもずれを生じないで
Z動が高精度に案内できる構造のガイド部が必要であ
る。図21(a)(平面図)、図21(b)(側面図)
に示すように、スキャナー14の3箇所を平坦面とし、
2つの面をロッド91で、他の1つの面を弾性押し板9
0で支持する。ロッド91は丸棒とすることによりスキ
ャナーと線接触となるが、上下2箇所での点接触として
もよい。このような3点支持とすることにより、回転方
向、X,Y方向ともずれを生じないようにすることがで
きる。また、図21(c)に示すように、押し板部の構
造を、押し板93の真ん中に板バネ94を設けた構造と
してこの部分に押しネジ95を当て、左右に引っ張りネ
ジ96を設けて押し板の両端部を引っ張る構造とするこ
とにより、押し板の真ん中部分とスキャナーの平坦面と
の間のクリアランスを限りなく0に近い、最適なバラン
スに調整することが可能である。
【0029】図22は試料表面を蒸着可能にしたSTM
セルの例を説明する図で、図22(a)は側面図、図2
2(b)は側断面図である。低温のUHVチャンバ33
にSTMを配置し、このとき試料表面を蒸着して観察し
たい場合がある。しかし、スキャナー自身が試料に対し
て蒸着物の飛行を遮ってしまうため、試料まで蒸着物を
到達させることは不可能である。そこで、図22に示す
ように、スキャナー14の中心から僅かにずれた位置
(例えばX方向)に2〜3φの偏心孔87を形成すると
ともに、中心に対して偏心孔87と反対方向にずれた位
置に探針16を設け、スキャナー全体をX方向に±2m
m程度移動させるX移動機構を設ける。そして、STM
セルをUHVチャンバ33に配置して用いているときに
も、このX移動機構で偏心孔87を中心に移動させ、こ
の孔を通して上部のUHVチャンバ31に設けられた蒸
着装置(図示せず)から発せられた蒸着物を試料18上
に導くことができ、試料表面を蒸着することが可能であ
る。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明によれば以下のよう
な効果が達成可能である。 ・STMセルをカートリッジタイプのものとし、極低温
における観察で目視できない場合でも、一度見える所で
予備観察して確認した後、観察するようにしているの
で、像がでなかったような場合のチェックを少なくする
ことができる。また、電線や駆動軸を引き回さなくても
よいのでSTMセルを簡単に移動することが可能とな
る。 ・一体化STMセル構造とすることにより、試料の温度
変化による物理特性を調べる場合、STMセル全体を同
じ温度にすることができ、その結果、試料の温度設定、
計測が容易であり、設定値と実際の試料温度との差や試
料面への探針のアプローチ前後での試料温度の差がなく
なり、また、探針からの輻射による熱の流入がなく、試
料の周囲からの伝導、輻射による熱の流入をなくすこと
ができる。また、STMセルを移動することにより、容
易に異なった環境へ試料を置くことができ、超高真空の
中では特に有効である。ゲートバルブによって接続され
たチャンバ内をSTMセルを移動することによって、温
度、蒸着など異なった環境へ移動可能である。また、大
気圧STMにおいても、STMセルを移動することによ
り、試料を異なったガス雰囲気中、温度差、真空度差の
ある環境へ置くことができる。また、一体化に伴い、S
TMユニットを、小さく、軽く、かたくすることがで
き、固有振動数を上げることができ、その結果、STM
像観察で常に問題となる振動に対して強い構造のものを
実現することができる。 ・異なる閉じた環境にそれぞれSTMコントローラに接
続されたコネクタを配置しておくことにより、セルの移
動の際にリード線を引きずったり、絡まることがなく、
また、リード線からの熱の流入がなく、リード線が動か
ないのでSTMセルへ振動を伝達することがなく、セル
を低温から室温に移動したときなどリード線が断線する
ことがない。また、スライドコネクタの採用で、STM
セルが上下両方から可能であり、また、スライドコネク
タの位置を変えることにより閉じた環境内でSTMセル
の配置位置を変えることができる。 ・搬送ロッドを利用してクライオスタット内部のチャン
バ底部にSTMセルを置き、そのままロッドを90°回
転することにより、固定ブロック下面に対してSTMセ
ルのテーパー面がチャンバ底部に押さえられる力が働
き、STMセルをチャンバ底部に密着固定することがで
きる。同時にスプリング内蔵の電極どうしが強く接触す
る。また、位置決めピンが電極より先に接触することに
より、STMセルの向きを誤って固定するのを防ぐこと
ができる。その結果、回転可能な搬送ロッドで搬送と固
定、電極接触を行うことができ、クライオスタット内部
チャンバとSTMセルの熱伝達効率を高めることができ
る。また、STMセルの振動を押さえることができ、S
TM像観察、特性分析などを安定して行うことができ、
内部チャンバでの電極の確実な接触を図ることができ
る。 ・粗動機構を駆動する回転伝達軸の途中に軸方向の長さ
変化を吸収する回転伝達継手を設けるようにしたので、
真空圧の変化や温度変化により軸方向の長さが変化して
も、長さ変化を吸収したまま、スムーズに回転を伝える
ことが可能となり、大気圧下、真空下、室温下、液体ヘ
リウム温度下等全ての環境下において1つの回転伝達機
構での兼用が可能となる。 ・粗動機構と回転伝達軸の平歯車の各歯の全周に渡って
テーパー面を形成するようにしたので、超高真空下、強
磁場下、極低温下でのワンタッチ着脱が可能となり、か
つ遠隔操作が可能になる。 ・STMセルのキャップにラッパ状のガイド溝が形成さ
れたガイドを設けるようにしたので、搬送ロッドの先端
の位置が多少ずれていても容易に嵌合することができ、
簡単かつ確実なSTMセルのチャックを行うことができ
る。 ・Z動のガイド部の構造を3点支持とし、その中の1箇
所を弾性体による支持としたので、Z動の動きをスムー
ズに、かつ高精度に行うことができる。 ・スキャナーの中心からずれた位置に試料蒸着用の偏心
孔を形成し、反対方向にずれた位置に探針を形成したの
で、蒸着可能なSTMセルを実現することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一例を説明する図である。
【図2】 本発明のSTMセルの例を示す図である。
【図3】 STMセルを異なる環境のチャンバに入れる
例を示す図である。
【図4】 外部のSTMコントローラからリード線を接
続して2つの環境下を移動するSTMセルを説明する図
である。
【図5】 ゲートバルブがある場合におけるSTMセル
駆動方法を説明する図である。
【図6】 スライドコネクタを用いる例を説明する図で
ある。
【図7】 STMセルの形状を説明する図である。
【図8】 STMセルをクライオスタット底部に配置し
たときの図である。
【図9】 クライオスタット内部チャンバ底部を示す図
である。
【図10】 搬送ロッド先端を示す図である。
【図11】 セルキャップを示す図である。
【図12】 回転テーパーを示す図である。
【図13】 搬送ロッドでSTMセルを移動させるとき
の説明図である。
【図14】 電極端子を説明する図である。
【図15】 内部チャンバ底部へのSTMセルの固定を
説明する図である。
【図16】 ロッドピンによるSTMセルのチャッキン
グを容易にするガイドを説明する図である。
【図17】 UHVチャンバに位置するSTMセルへの
回転伝達機構を説明する図である。
【図18】 回転伝達継手の構成例を説明する図であ
る。
【図19】 回転伝達軸とSTMセルとの係合を説明す
る図である。
【図20】 歯車の構造を説明する図である。
【図21】 STMセルが回転方向、X,Y方向にズレ
ないようにするガイド部を説明する図である。
【図22】 試料表面を蒸着可能にしたSTMセルを説
明する図である。
【図23】 従来のSTMステージを説明する図であ
る。
【符号の説明】
3…搬送ロッド、5…STMセル、7…ヘリウムタン
ク、8…下部チャンバ、9…上部チャンバ、10…ゲー
トバルブ、13…粗動機構、14…スキャナー、15…
探針ホルダ、16…探針、17…試料ホルダ、18…試
料、20…電極、25…STMコントローラ、26,2
7…コネクタ、30…固定電極、31…UHVチャン
バ、32…クライオスタット、33…クライオスタット
内部UHVチャンバ、40…固定ブロック、41…ピ
ン、51…セルキャップ、52…回転テーパー、52b
…羽根、62…回転伝達継手、63…回転伝達軸、7
0,72…伝達軸、80…伝達軸側平歯車、81…セル
側平歯車、90…弾性押し板、91…ロッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天草貴昭 東京都昭島市武蔵野三丁目1番2号 日本 電子株式会社内 Fターム(参考) 2F063 AA04 AA43 CA40 DB01 DB05 DD02 EA16 FA07 FA16 NA02 PA02 PA04 ZA01 ZA05 2F069 AA04 AA60 DD30 EE02 GG04 GG06 GG62 HH30 JJ08 JJ25 KK01 KK07 KK10 LL03 MM01 MM31 PP01 PP06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料ステージと、該ステージ上に配置さ
    れた試料に対向して設けられた探針が取り付けられたス
    キャナーと、スキャナーを駆動する粗動機構と、電極端
    子とを一体化して設けたセルユニットと、該セルユニッ
    トを把持するピンが先端部に形成された搬送ロッドとを
    備え、前記搬送ロッドによりセルユニットを把持して異
    なる環境の真空チャンバ間を移動可能にしたことを特徴
    とする走査型トンネル顕微鏡。
  2. 【請求項2】 異なる環境の各真空チャンバに、前記セ
    ルユニットの電極端子と接続するコネクタが設けられて
    いることを特徴とする請求項1記載の走査型トンネル顕
    微鏡。
  3. 【請求項3】 前記コネクタの少なくとも1つはスライ
    ドコネクタであることを特徴とする請求項2記載の走査
    型トンネル顕微鏡。
  4. 【請求項4】 セルユニット頂部に搬送ロッド先端部の
    ピンと係合して回転可能なテーパー面が形成された羽根
    を有する回転板を備えるとともに、前記真空チャンバ底
    部壁に固定ブロックが形成され、前記ピンによる係合を
    外す搬送ロッドの回転動作により前記羽根のテーパー面
    が固定ブロック下面に入り込んでセルユニットが下側に
    押圧固定されることを特徴とする請求項1記載の走査型
    トンネル顕微鏡。
  5. 【請求項5】 セルユニットの電極がスプリング内蔵電
    極からなり、前記固定ブロックによりセルユニットを押
    圧固定したとき、前記スプリング内蔵電極が真空チャン
    バ側の固定電極と弾性接触することを特徴とする請求項
    4記載の走査型トンネル顕微鏡。
  6. 【請求項6】 セルユニットの粗動機構を駆動する回転
    伝達軸を備え、該回転伝達軸に軸方向の長さの変化を吸
    収する回転伝達継手を設けたことを特徴とする請求項1
    記載の走査型トンネル顕微鏡。
  7. 【請求項7】 セルユニットの粗動機構を平歯車を介し
    て駆動する回転伝達軸を備え、粗動機構と回転伝達軸の
    平歯車の各歯の全周に渡ってテーパー面を形成したこと
    を特徴とする請求項1記載の走査型トンネル顕微鏡。
  8. 【請求項8】 セルユニット頂部に、搬送ロッドの先端
    が挿入されるラッパ状のガイド孔が形成されたガイドを
    形成したことを特徴とする請求項1記載の走査型トンネ
    ル顕微鏡。
  9. 【請求項9】 スキャナーの外面3箇所を平坦面として
    3点支持し、その中の1点は弾性体で支持するようにし
    たことを特徴とする請求項1記載の走査型トンネル顕微
    鏡。
  10. 【請求項10】 スキャナー中心からずれた位置に試料
    蒸着用の偏心孔を形成したことを特徴とする請求項1記
    載の走査型トンネル顕微鏡。
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