JP2000297211A - 多孔質形成用水系ウレタン樹脂組成物 - Google Patents

多孔質形成用水系ウレタン樹脂組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、常温では安定であって、か
つシャープな感熱凝固性を有し、特に繊維基材に含浸加
工あるいはコーティング加工した場合に、マイグレーシ
ョンもなく繊維基材中に均一に充填され、かつ乾燥後に
均一な多孔質層を形成し、しかも溶剤系と同等の風合
い、即ち充実感と腰のある風合いを与える繊維基材、特
に人工皮革用に適した水系ウレタン樹脂組成物にある。 【解決手段】 本発明は、(イ)感熱凝固温度が40〜
90℃である水系ウレタン樹脂と、(ロ)会合型増粘剤
からなる事を特徴とする多孔質形成用水系ウレタン樹脂
組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質を形成する
水系ウレタン樹脂組成物に関する。更に詳しくは、シャ
ープな感熱凝固性を有し、特に繊維基材に含浸加工ある
いはコーティング加工した場合に、マイグレーションも
なく繊維基材中に均一に充填され、かつ乾燥後に均一な
多孔質層を形成し、しかも溶剤系と同等の風合い、即ち
充実感、腰のある風合いを与える繊維基材、特に人工皮
革用に適した多孔質形成用水系ウレタン樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の人工皮革の製造方法は、ウレタン
樹脂の有機溶媒溶液を繊維材料基体に含浸又は塗布し、
ウレタン樹脂に対し貧溶媒で、かつ当該有機溶媒と相溶
性のある凝固液(通常は水)中に通して凝固させ、次い
で水洗、乾燥させる湿式凝固法と呼ばれる方法が知られ
ている。しかし、この際工業的に使用されているジメチ
ルホルムアミド(DMF)等の有機溶剤は毒性が強く、
回収に多額のコストがかかるという問題があった。これ
らの問題点を解決するために、繊維材料基体に含浸又は
塗布するウレタン樹脂を有機溶剤タイプから水系ウレタ
ン樹脂に移行すべく検討がなされているが、満足すべき
風合いと物性を有した人工皮革は得られていない。
【0003】この大きな理由としては、水系ウレタン樹
脂を繊維材料基体に含浸し加熱乾燥した場合、水が繊維
材料基体の表面より蒸発し、水の移動に引き連られて水
系ウレタン樹脂が繊維材料基体の表面に移行するマイグ
レーションを起こすことが挙げられる。このマイグレー
ションによって、ウレタン樹脂は繊維材料基体の表面に
移行し内部はほとんど付着していない状態となるため、
風合いが硬く、折れ皺の出来やすい状態の人工皮革しか
得られなかった。そこで、このマイグレーションを防止
するため種々の検討がなされてきた。
【0004】例えば特公昭55−51076号公報に
開示されているような感熱ゲル化剤を添加し感熱凝固性
を付与した合成樹脂エマルジョンを熱水中で凝固する方
法がある。特公昭59−1823号公報に開示されて
いるような、アニオン性界面活性剤で乳化して、カルボ
キシル基を持つウレタン樹脂を作成し、後で少量のノニ
オン性界面活性剤を添加し貯蔵安定性を有したポリウレ
タンエマルジョンに、感熱凝固剤を添加したポリウレタ
ンエマルジョン配合液を含浸または塗布したのち、熱風
または熱水で加熱し感熱凝固する方法がある。また、
特開平6−316877号公報に開示されているような
強制乳化されたエマルジョンに無機塩類を溶解した水系
樹脂組成物を付与し加熱乾燥する方法もある。更に、
特公平6−60260公報に開示されているようにマイ
クロバルーンを加えた水系ウレタン樹脂組成物を感熱凝
固させるとともに、マイクロバルーンを発泡させて発泡
体を形成したものがある。
【0005】しかしにおいてはマイグレーション防止
は可能であるが、含浸液の一部が凝固浴中に流出して凝
固し、凝固したゲル物が加工物の表面に再付着するとい
う問題が起こる。またポリウレタン樹脂濃度が低下する
につれて感熱凝固性が低下し、ウレタン樹脂の熱水中へ
の流出が更に起こりやすくなる問題がある。において
は樹脂組成物が主にアニオン性であるため、感熱凝固性
促進剤の無機塩(特に2価以上の金属塩)を添加した場
合、樹脂組成物の安定性が非常に悪く配合上問題があ
る。また加工方法が熱風乾燥の場合は、皮膜化した樹脂
内部を見ると多孔質層を形成せず、また樹脂付着量が増
加するにつれて風合いが硬くなる傾向にある。加工方法
が熱水凝固の場合はと同様の問題が起こる。におい
ては熱風乾燥であるためと同様に多孔質層を形成しな
い。また無機塩類を多量に使用するため加工後の繊維中
に無機塩類が残留し、そのまま人工皮革として使用する
には問題がある。においては多孔質層を形成させるた
めにマイクロバルーンを添加したものであるが、添加し
たマイクロバルーンに起因して熱やけによる着色がおき
たり、風合いが硬くなったり、孔の径が大きくまた基本
的には独立した孔であるため、風合いや物性の点でまだ
十分な性能が得られない。
【0006】以上の如く従来の技術では、人工皮革とし
て満足すべき風合いと物性を有するものは得られず、特
に本発明の目的である、乾燥後のウレタン樹脂が多孔質
層を形成し、溶剤系と同等の充実感と腰のある風合いを
与えるものは全く無かった。
【0007】尚、本発明における「多孔質」とは繊維中
に充填された水系ウレタン樹脂組成物の乾燥皮膜中に均
一に多数の小さな孔が存在している状態を表す。(図1
の写真を参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、常温
では安定であって、感熱凝固、特にスチームによる感熱
凝固によりシャープな感熱凝固性を有し、特に繊維基材
に含浸加工あるいはコーティング加工した場合に、マイ
グレーションもなく繊維基材中に均一に充填され、かつ
乾燥後に均一な多孔質層を形成し、しかも溶剤系と同等
の風合い、即ち充実感、腰のある風合いを与える水系ウ
レタン樹脂組成物にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する多孔質形成用水系ウレタン樹脂組成物につい
て鋭意研究の結果、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0010】即ち、本発明は、(イ)感熱凝固温度が40
〜90℃である水系ウレタン樹脂と、(ロ)会合型増粘剤
からなる事を特徴とする多孔質形成用水系ウレタン樹脂
組成物、好ましくは水系ウレタン樹脂が、軟化温度12
0〜240℃のウレタン樹脂である、好ましくは水系ウ
レタン樹脂が、平均粒子径0.1〜5μmの水系ウレタ
ン樹脂であること、好ましくは水系ウレタン樹脂が、H
LB10〜18のノニオン性乳化剤で分散されているこ
と、好ましくはノニオン性乳化剤が、下記構造式(I)
で表される骨格を有するノニオン性乳化剤 Ra−Ph− (I) R:炭素数1〜9のアルキル基、アリール基あるいはア
ルキルアリール基 a:1〜3の整数 Ph:フェニル環残基 好ましくは会合型増粘剤が、末端に疎水基を含有し、分
子鎖中にウレタン結合を含有すること、好ましくは会合
型増粘剤の末端の疎水基が下記構造式(I)で表される
骨格を有する会合型増粘剤であること、 Ra−Ph− (I) R:炭素数1〜9のアルキル基、アリール基あるいはア
ルキルアリール基 a:1〜3の整数 Ph:フェニル環残基 好ましくは水系ウレタン樹脂が、分子鎖中に(A)エチ
レンオキサイドの繰り返し単位を少なくとも50重量%
以上含有するポリオキシアルキレングリコール及び/又
は(B)エチレンオキサイドの繰り返し単位を少なくと
も50重量%以上含有する片末端ポリオキシアルキレン
グリコールを含有するものであること特徴とする多孔質
形成用水系ウレタン樹脂組成物を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の感熱凝固温度が40〜9
0℃である水系ウレタン樹脂とは、樹脂液がこの温度範
囲で凝固するものである。ここで言う「感熱凝固温度」
とは、樹脂液50gを100mlのガラス製ビーカーに
とり、内容物を温度計で攪拌しつつ、そのビーカーを9
5℃の熱水で徐々に加熱し、内容物が流動性を失い凝固
する温度をいうものである。
【0012】感熱凝固温度が40℃未満では、樹脂自体
の安定性が悪く、特に夏場の保管時に凝集物を発生した
り、ゲル化したりする等の問題があり、また90℃を越
える場合は、凝固性がシャープでなくなり、繊維内に樹
脂が均一に充填しにくく、一部マイグレーションを起こ
すため不適当である。更に好ましい感熱凝固温度は、4
5〜80℃である。
【0013】かかる水系ウレタン樹脂の製法としては、
従来公知のいかなる方法でもよく、例えば、 特定のHLBを有するノニオン性乳化剤を使用してウ
レタン樹脂を乳化分散させる方法、 特定のHLBを有するノニオン性乳化剤を使用して末
端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを乳化分
散させポリアミンで鎖伸長させる方法、 特開昭57−39286号公報記載のポリエチレング
リコールを共重合させる方法、 感熱凝固剤を含有した水系ウレタン樹脂等が挙げられ
る。
【0014】本発明の水系ウレタン樹脂の製造に用いら
れるジイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリ
レンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネ
ート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フエニレ
ンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイ
ソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフ
エニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,
4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタ
レンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレ
ンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカ
メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシ
アネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリ
レンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシア
ネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘ
キシルメタンジイソシアネート等が挙げられる
【0015】本発明の水系ウレタン樹脂の製造において
用いられるイソシアネート基と反応し得る活性水素含有
化合物は、好ましくは平均分子量300〜10,00
0、より好ましくは500〜5,000の高分子量活性
水素含有化合物と、好ましくは平均分子量300以下の
低分子量活性水素含有化合物に分けられる。
【0016】上記高分子量活性水素含有化合物として
は、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポ
リオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセター
ルポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエス
テルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール等
が挙げられる。
【0017】ポリエステルポリオールとしては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子
量300〜6,000)、ジプロピレングリコール、ト
リプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベン
ゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加
ビスフェノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキ
レンオキシド付加体等のグリコール成分とコハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカル
ボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペ
ンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4
−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル
酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカル
ボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒ
ドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安
息香酸及びこれらのヒドロキシカルボン酸のエステル形
成性誘導体等の酸成分とから脱水縮合反応によって得ら
れるポリエステルの他にε−カプロラクトン等の環状エ
ステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエス
テルポリオール及びこれらの共重合ポリエステルポリオ
ールが挙げられる。
【0018】ポリエーテルポリオールとしては、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、
しょ糖、アコニット糖、トリメリット酸、ヘミメリット
酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロ
キシ安息香酸、ヒドロキシフタール酸、1,2,3−プ
ロパントリチオール、等の活性水素原子を少なくとも2
個有する化合物の1種または2種以上を開始剤としてエチ
レンオキシト゛、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイ
ド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラ
ヒドロフラン、シクロヘキシレン、等のモノマーの1種
または2種以上を常法により付加重合したもの、又は上
記モノマーをカチオン触媒、プロトン酸、ルイス酸等を
触媒として開環重合したものが挙げられる。
【0019】ポリカーボネートポリオールとしては、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等の
グリコールとジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、エチレンカーボネート、ジフェニルカーボネー
ト、ホスゲンとの反応により得られる化合物が挙げられ
る。
【0020】上記低分子量活性水素含有化合物として
は、好ましくは分子量300以下の分子内に少なくとも
2個以上の活性水素を含有する化合物で、例えば、ポリ
エステルポリオールの原料として用いたグリコール成
分;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、ソルビトール、ペンタエリスリトール等の
ポリヒドロキシ化合物等があり、この他に更にエチレン
ジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサ
メチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジ
ン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミ
ン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,
3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジ
アミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シ
クロヘキサンジアミン、アミノエチルエタノールアミ
ン、ヒドラジン類、酸ヒドラジド類、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミンが挙げら
れる。
【0021】本発明の水系ウレタン樹脂は感熱凝固温度
が40〜90℃である以外は特に組成、構造上の限定を
受けるものではないが、本発明で好ましい水系ウレタン
樹脂は、ウレタン樹脂の軟化温度が少なくとも100℃
以上のものである。軟化温度が100℃未満では乾燥工
程での多孔質の形成が阻害され、更に、得られた多孔質
層が水、溶剤、湿熱、光等により劣化しやすくなるため
好ましくない。更に好ましくは120〜240℃の軟化
温度を有する水系ウレタン樹脂である。
【0022】尚、本発明でいうところの軟化温度とは、
高化式フローテスターを使用して、荷重10kgf、内
径1mmかつ長さ1mmのオリフィスを使用し、昇温速
度3℃/分で測定した時の流動開始温度を指すものであ
る。
【0023】かかる軟化温度を有するウレタン樹脂の構
造としては、リニヤー構造あるいは分岐構造を有するウ
レタン樹脂が使用できるが、本発明で特に好ましいの
は、分岐構造を有するウレタン樹脂である。その分岐の
濃度としては、ウレタン樹脂固形分1kg当たり0.0
1〜0.8molが好ましい。分岐濃度が0.01mo
lより小さい場合は、得られた多孔質層が水、溶剤、湿
熱、光等により劣化しやすく、また分岐濃度が0.8m
olより大きいの場合は、多孔質層は形成されるものの
粒子間の造膜性が極端に悪くなるため、皮膜としての機
械的強度、耐久性が低下するため好ましくない。更に好
ましくは、0.02〜0.3molである。かかる分岐
構造を得るために使用される原料としては、前記三官能
以上のポリオール、ポリアミン、あるいは前記ジイソシ
アネートを公知の技術で変性して得られる多官能ポリイ
ソシアネートが挙げられる。
【0024】本発明の水系ウレタン樹脂の製造に用いら
れる特定のHLBを有する乳化剤としては、HLBが1
0〜18であるノニオン性乳化剤が好ましい。ここで言
う「HLB」とは、最終的に使用するノニオン性乳化剤
全体のHLBであり、複数のノニオン性乳化剤を使用す
る場合は、それらの乳化剤のHLBを加重平均して求め
たものである。
【0025】HLBが10〜18のノニオン性乳化剤と
しては従来公知の乳化剤が使用できるが、本発明の水系
ウレタン樹脂組成物の多孔質層の形成を容易にし、及び
繊維基材に含浸あるいはコーティング加工した場合に溶
剤系と同等の風合い、即ち充実感、腰のある風合いを与
えるためには、特に下記構造式(I)で表される骨格を
有するノニオン性乳化剤を使用する事が好ましい。 Ra−Ph− (I) R:炭素数1〜9のアルキル基、アリール基あるいはア
ルキルアリール基 a:1〜3の整数 Ph:フェニル環残基
【0026】具体的には、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンジオクチルフェニルエーテル等
のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポ
リオキシエチレンモノスチレン化フェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリ
オキシエチレントリスチレン化フェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンモノスチレン化メチルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンジスチレン化メチルフェニルエ
ーテル及びこらの混合物を含むポリオキシエチレンスチ
レン化フェニルエーテル類;ポリオキシエチレンクミル
フェノールエーテル;ポリオキシエチレントリベンジル
フェノールエーテル等のポリオキシエチレンベンジルフ
ェノールエーテル類が挙げられ、これら単独で使用され
るか、あるいは併用しても差し支えない。
【0027】かかる乳化剤の使用量は、特に限定されな
いが、水系ウレタン樹脂(イ)の固形分当たり、好ましく
は1〜20重量%で、更に好ましくは2〜10重量%で
ある。また、本発明の効果を損なわない範囲において、
他の乳化剤を併用しても差し支えない。かかる乳化剤と
しては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオ
キシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン
オレイルエーテル等のポリオキシエチレン長鎖アルキル
エーテル類;ポリオキシエチレンソルビトールテトラオ
レエート等、あるいはポリオキシプロピレン・ポリオキ
シエチレングリコールのブロックあるいはランダムポリ
マー、ポリアミンのポリオキシプロピレン・ポリオキシ
エチレン付加物等;オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸
塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフ
ォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスル
フォン酸塩、アルカンスルフォネートナトリウム塩、ア
ルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ナトリウム塩等
のアニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキル硫酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸塩等のノ
ニオンアニオン系乳化剤が挙げられる。
【0028】本発明の水系ウレタン樹脂(イ)を得るため
に前記乳化剤以外に親水成分をウレタン樹脂中に導入す
ることができる。かかる親水成分としては、ノニオン性
親水基が特に好ましい。かかるノニオン性親水基を導入
するために用いられる原料としては、分子内に少なくと
も1個以上の活性水素原子を有し、かつエチレンオキサ
イドの繰り返し単位からなる基、エチレンオキサイドの
繰り返し単位とその他のアルキレンオキサイドの繰り返
し単位からなる基を含有するノニオン性の化合物が挙げ
られる。
【0029】本発明の水系ウレタン樹脂において、特に
好ましいノニオン性親水基含有化合物としては、(A)
エチレンオキサイドの繰り返し単位を少なくとも50重
量%以上含有するポリオキシアルキレングリコール及び
/又は(B)エチレンオキサイドの繰り返し単位を少な
くとも50重量%以上含有する片末端ポリオキシアルキ
レングリコールである。
【0030】ポリオキシアルキレングリコール(A)及
び片末端ポリオキシアルキレングリコール(B)として
は、分子量200〜6,000のポリエチレングリコー
ル、又はブロックあるいはランダム型のポリオキシエチ
レン−ポリオキシプロピレン共重合体グリコール、ポリ
オキシエチレン−ポリオキシブチレン共重合体グリコー
ル、ポリオキシエチレン−ポリオキシアルキレン共重合
体グリコール、及びそれらのメチルエーテル、エチルエ
ーテル、ブチルエーテル等のモノアルキルエーテル類が
挙げられる。
【0031】またかかるポリオキシアルキレングリコー
ル(A)及び片末端ポリオキシアルキレングリコール
(B)の含有量は、本発明の水系ウレタン樹脂の固形分
中にそれぞれ1〜10重量%であることが好ましい。
【0032】本発明で用いられる特定の感熱凝固温度を
有する水系ウレタン樹脂は、前記したように基本的には
ノニオン性の水系ウレタン樹脂が好ましいが、本発明の
その他の実施態様として、感熱凝固性を付与するために
感熱凝固剤を含有した水系ウレタン樹脂を用いることも
できる。
【0033】かかる水系ウレタン樹脂としては、前記し
たノニオン性の水系ウレタン樹脂の他に、更にウレタン
樹脂骨格中に親水成分としてカルボキシル基を含有した
ものが挙げられる。
【0034】かかるカルボキシル基を導入するために用
いられる原料としては、例えば、分子内に少なくとも1
個以上の活性水素原子を有し、かつ少なくとも一つのカ
ルボキシル基を含有する化合物が挙げられる。かかるカ
ルボキシル基含有化合物としては、例えば2,2−ジメ
チロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン
酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール
吉草酸、ジオキシマレイン酸、2,6−ジオキシ安息香
酸、3,4−ジアミノ安息香酸等のカルボン酸含有化合
物及びこれらの誘導体又はこれらを共重合して得られる
ポリエステルポリオールが挙げられる。これらのカルボ
キシル基を中和するために用いられる塩基としては、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の不揮発性
塩基;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル
エタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等の三級アミン類、アンモニア等の揮発
性塩基が挙げられる。
【0035】かかるカルボキシル基の含有量は、最終的
に得られるウレタン樹脂固形分中の酸価として好ましく
は0〜15、より好ましくは1〜10であることが必要
である。酸価が15を越えると、十分な感熱凝固性が得
られなかったり、配合安定性が不安定になったり、耐水
性等の耐久性が低下するため好ましくない。
【0036】また本発明で用いられる感熱凝固剤として
は、例えば、珪弗化ナトリウム、珪弗化カリウム;塩
酸、硝酸、硫酸、リン酸のアンモニウム塩、ナトリウ
ム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、バリ
ウム、ニッケル、スズ、鉛、鉄及びアルミニウム等の多
価金属塩;セルロースメチルエーテル、ポリビニルメチ
ルエーテル等のような冷水に可溶性で温水に不溶性であ
るメチルエーテル基を有する高分子化合物;ポリエーテ
ルチオエーテルグリコール類、ポリエーテル変性ポリジ
メチルシロキサン系化合物;アルキルフェノール−ホル
マリン縮合物のアルキレンオキシド付加物、あるいは特
開昭51−127142号報、特開昭51−63841
号報、特開昭60−65015号報記載のポリエーテル
ウレタン等が挙げられ、これら単独であるいは併用して
使用される。
【0037】かかる感熱凝固剤は、水系ウレタン樹脂の
製造途中あるいは製造後に添加するか、あるいは会合型
増粘剤(ロ)を配合する時に一緒に添加配合されても構わ
ない。
【0038】本発明にかかわる水系ウレタン樹脂(末端
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含む)
は、従来公知の方法で製造され、例えば、前記ジイソシ
アネートと活性水素含有化合物(親水成分も含む)を、
イソシアネート基と活性水素基の当量比をそれぞれウレ
タン樹脂の場合は、好ましくは0.8:1〜1.2:
1、より好ましくは0.9:1〜1.1:1の比率で、
また末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの
場合は、好ましくは1.1:1〜3:1、より好ましく
は1.2:1〜2:1の比率で、好ましくは20〜12
0℃、より好ましくは30〜100℃にて反応する。
【0039】これらの反応は、無溶剤下にて行なうこと
もできるが、反応系の反応制御あるいは粘度低下等の目
的で有機溶剤を使用することもできる。かかる有機溶剤
はとくに限定されないが、例えば、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸
エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;ジメチルホル
ムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げら
れるが、蒸留除去が容易な比較的沸点が低いものを用い
ることが好ましい。
【0040】かくして得られた水系ウレタン樹脂(イ)
(末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー)
は、前記ノニオン性の乳化剤を使用して従来公知の方法
で水に分散される。末端イソシアネート基含有ウレタン
プレポリマーを使用した場合は、水に分散させた後に、
引き続き前記ポリアミンあるいは水で鎖伸長される。ま
たウレタン樹脂あるいは末端イソシアネート基含有ウレ
タンプレポリマーに親水成分としてカルボキシル基を導
入した場合は、ウレタン化反応の前、途中、反応後、あ
るいは水に分散させる際に前記中和剤を使用して中和さ
れ、水に分散される。
【0041】本発明の水系ウレタン樹脂(イ)は、繊維基
材中への浸透性、会合型増粘剤との組み合わせによるシ
ャープな感熱凝固性と、更に乾燥後に強靱な多孔質層を
形成するためには、平均粒子径が少なくとも0.1μm
以上である事が好ましい。平均粒子径が0.1μm未満
の場合は、マイグレーションあるいは多孔質層の形成能
が低下するため不適当である。更に好ましい範囲は、
0.15〜5μmである。ここで言う平均粒子径は、レ
ーザ回折/散乱式粒度分布測定装置であるLA−910
((株)堀場製作所製)の体積基準で測定した場合のメジ
アン径を指す。
【0042】かくして得られた水系ウレタン樹脂(イ)
は、反応のために有機溶剤を使用した場合は、最終的に
有機溶剤を減圧蒸留等により蒸留除去し、実質的に有機
溶剤を含有しない水系ウレタン樹脂として用いられる。
【0043】又、本発明の水系ウレタン樹脂(イ)を製造
する際に、本発明の効果を損なわない範囲において、水
に加えてその他の水系分散体や水分散液、例えば酢ビ
系、エチレン酢ビ系、アクリル系、アクリルスチレン系
等のエマルジョン;スチレン・ブタジエン系、アクリロ
ニトリル・ブタジエン系、アクリル・ブタジエン系等の
ラテックス;ポリエチレン系、ポリオレフィン系等のア
イオノマー;ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミ
ド、エポキシ系樹脂等の各種水系分散体、水分散液を併
用してもよい。
【0044】かくして有機溶剤を除去して得られた水系
ウレタン樹脂は、固形分が約10〜60重量%、好まし
くは15〜50重量%の実質的に無溶剤の水分散体であ
る。しかしながらやむ終えず沸点100℃以上の有機溶
剤を水系ウレタン樹脂の製造に使用しなければならない
場合でも、水系分散体の全重量当たり20重量%までに
そのような有機溶剤の使用量は止めるべきである。
【0045】本発明で用いられる会合型増粘剤(ロ)は、
シャープな感熱凝固性を付与するとともに、多孔質層を
形成し、かつ繊維基材に含浸あるいはコーティング加工
した場合に溶剤系と同等の風合い、即ち充実感、腰のあ
る風合いを与えるためには必須の成分である。かかる会
合型増粘剤は公知であり、例えば特開昭54−8034
9号公報、特開昭58−213074号公報、特開昭6
0−49022号公報、特公昭52−25840号公
報、特開平9−67563号公報、特開平9−7176
6号公報等に記載されたウレタン系の会合型増粘剤や、
特開昭62−292879号公報、特開平10−121
030号公報記載のノニオン性ウレタンモノマーを会合
性モノマーとして他のアクリルモノマーと共重合して得
られる会合性増粘剤、あるいはWO9640815記載
のアミノプラスト骨格を有する会合型増粘剤等が挙げら
れる。
【0046】これら会合型増粘剤の市販品の例として
は、例えばRHEOX社のRHEOLATE 216,
266、Bernd Schwegmann社製のSc
hwego Pur8020,Pur8050、MUN
ZING CHEMIE GMBH社製のTafige
l PUR40,PUR45,PUR60、BASF社
製のCollacral PU85、ヘキスト社製のB
ORCHIGEL L75N、ローム・アンド・ハース
社製のプライマル QR−708,RM−825,RM
−870,RM−1020,RM−2020NPR,S
CT−200,SCT−270,RM−8W,RM−
4,TT−935、第一工業製薬社製のDKシックナー
SCT−275、旭電化社製のアデカノールUH−42
0,UH540,UH−550,UH−750、サンノ
プコ社製のSNシックナー603,612,A−80
3,A−812,A−814、三洋化成社製のエレミノ
ールN62、ビスライザーAP−2、Sud−Chem
ie社製のOPTIFLO L150,M210,H4
00等が挙げられる。
【0047】これらの会合型増粘剤の中でも、特に末端
に疎水基を含有し、分子鎖中にウレタン結合を含有する
ウレタン系の会合型増粘剤が好ましく、具体的には下記
構造式を有する会合型増粘剤、あるいはこれらの反応混
合物が挙げられる。
【0048】(II) R1-X-(PEG-X-R2-X)m-
PEG-X-R1' (R1,R1':炭素数8〜36のアルキル基あるいは芳
香環を有する炭化水素基でR1とR1'は同一でも異なっ
ていても良い、R2:NCO基を除く炭素数6〜36の
ジイソシアネート残基、X:ウレタン結合、PEG:分
子量1,500〜33,000のポリエチレングリコー
ル残基、m:0以上の整数)
【0049】(III) R1-Y-R2-(X-PEG-X-R
3)m-X-PEG-X-R2-Y-R1' (R1,R1':炭素数8〜36のアルキル基あるいは芳
香環を有する炭化水素基でR1とR1'は同一でも異なっ
ていても良い、R2,R3:NCO基を除く炭素数6〜3
6のジイソシアネート残基でR2とR3は同一でも異なっ
ていても良い、X:ウレタン結合、Y:ウレタン結合あ
るいはウレア結合、PEG:分子量1,500〜33,
000のポリエチレングリコール残基、m:0以上の整
数)
【0050】(IV) R1-(OA)p-X-R2-(X-PE
G-X-R3)m-X-(AO)q-R1' (R1,R1':炭素数8〜36のアルキル基あるいは芳
香環を有する炭化水素基でR1とR1'は同一でも異なっ
ていても良い、R2,R3:NCO基を除く炭素数6〜3
6のジイソシアネート残基でR2とR3は同一でも異なっ
ていても良い、X:ウレタン結合、A:炭素数2〜4の
炭化水素で少なくともエチレンを含む炭化水素残基、
m:0以上の整数、p,q:1〜200の整数でpとq
は同一でも異なっていても良い)
【0051】 (R1,R1',R1":炭素数8〜36のアルキル基ある
いは芳香環を有する炭化水素基で、R1、R1'とR1"は
同一でも異なっていても良い、R4:NCO基を除く多
官能ポリイソシアネート残基、A:炭素数2〜4の炭化
水素で少なくともエチレンを含む炭化水素残基、X:ウ
レタン結合、i,j,k:0以上の整数でかつ(i+j
+k)が3以上の整数、p,q,r:1〜200の整数
で、p、qとrは同一でも異なっていても良い)
【0052】 (R1,R1',R1":炭素数8〜36のアルキル基ある
いは芳香環を有する炭化水素基で、R1、R1'とR1"は
同一でも異なっていても良い、R4:NCO基を除く多
官能ポリイソシアネート残基、A:炭素数2〜4の炭化
水素で少なくともエチレンを含む炭化水素残基、X:ウ
レタン結合、Y:ウレタン結合あるいはウレア結合、
i,j,k:0以上の整数でかつ(i+j+k)が3以
上の整数、p,q:1〜200の整数で、pとqは同一
でも異なっていても良い)
【0053】 (R1,R1',R1":炭素数8〜36のアルキル基ある
いは芳香環を有する炭化水素基で、R1、R1'とR1"は
同一でも異なっていても良い、R5:活性水素を除く多
官能ポリオールあるいはポリアミン残基、A:炭素数2
〜4の炭化水素で少なくともエチレンを含む炭化水素残
基、X:ウレタン結合、i,j,k:0以上の整数でか
つ(i+j+k)が3以上の整数、p,q,r:1〜2
00の整数で、p、qとrは同一でも異なっていても良
い)
【0054】更に、本発明の水系ウレタン樹脂組成物の
感熱凝固性をシャープにするとともに多孔質層の形成を
容易にし、更に繊維基材に含浸あるいはコーティング加
工した場合に溶剤系と同等の風合い、即ち充実感、腰の
ある風合いを与えるためには、会合型増粘剤の末端の疎
水基が、特に下記構造式(I)で表される骨格を有する
事が好ましい。 Ra−Ph− (I) R:炭素数1〜9のアルキル基、アリール基あるいはア
ルキルアリール基 a:1〜3の整数 Ph:フェニル環残基 具体的には、ノニルフェニル、ジノニルフェニル、オク
チルフェニル、ジオクチルフェニル等のアルキルフェニ
ル基;モノスチレン化フェニル、ジスチレン化フェニ
ル、トリスチレン化フェニル、モノスチレン化メチルフ
ェニル、ジスチレン化メチルフェニル、及びこらの混合
物を含むスチレン化フェニル基;トリベンジルフェニル
等のベンジルフェニル基;p−(α−クミル)フェニル
基等が挙げられ、これら単独で使用されるか、あるいは
併用しても差し支えない。
【0055】またこれら会合型増粘剤の使用量は、固形
分比で水系ウレタン樹脂100重量部に対して0.1〜
20重量部が必要であり、好ましくは0.3〜10重量
部である。会合型増粘剤の使用量が0.1重量部未満で
は、多孔質層を形成せず、しかも繊維基材に含浸あるい
はコーティング加工した場合に溶剤系と同等の充実感、
腰のある風合いを得ることはできない。逆に20重量部
を越えると、感熱凝固性は向上し多孔質層の形成は促進
されるものの、耐水性が低下するとともに、繊維基材に
含浸あるいはコーティング加工した場合に風合いが硬く
なり過ぎてしまい不適当である。
【0056】かくして本発明の水系ウレタン樹脂組成物
は(イ)感熱凝固温度が40〜90℃である水系ウレタン
樹脂と、(ロ)会合型増粘剤を、水系ウレタン樹脂の感熱
凝固温度より十分に低い温度で、添加して十分に均一混
合することによって得られる。あるいは会合型増粘剤を
水系ウレタン樹脂の製造する途中で添加配合することも
可能である。ただしその場合は、会合型増粘剤を含んだ
水系ウレタン樹脂の感熱凝固温度より十分に低い温度で
製造することは言うまでもない。
【0057】本発明の水系ウレタン樹脂組成物には、本
発明の感熱凝固性及び多孔質層の形成を阻害しない範囲
で他の水分散体、例えば酢ビ系、エチレン酢ビ系、アク
リル系、アクリルスチレン系等のエマルジョン;スチレ
ン・ブタジエン系、アクリロニトリル・ブタジエン系、
アクリル・ブタジエン系等のラテックス;ポリエチレン
系、ポリオレフィン系等のアイオノマー;ポリウレタ
ン、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ系の水分散体
を配合することができる。
【0058】また上記水分散体に加えて、造膜性を改良
する目的でアルキレングリコール誘導体、あるいは脂肪
族ジカルボン酸のジアルキルエステル、N−メチルピロ
リドン等の造膜助剤を、また加工適性を改善する目的で
フッ素系のレベリング剤、ジアルキルスルホサクシネー
ト系等の乳化剤、アセチレングリコール誘導体等の各種
レベリング剤、浸透剤等を配合しても構わない。更に機
械発泡による加工適性を付与する目的で、ステアリン酸
アンモニウム、高級脂肪酸の金属塩、ジアルキルスルホ
サクシネート系乳化剤等の発泡剤を配合しても良い。あ
るいは配合液の発泡を抑制する目的で、鉱物油系、アマ
イド系、シリコーン系等の各種消泡剤あるいはエタノー
ル、イソプロピルアルコール等の少量のアルコール類を
配合することも可能である。
【0059】更に着色を目的として水溶性あるいは水分
散性の各種無機、有機顔料を配合することができ、また
炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミ、シリカ、ガラ
ス繊維等の無機フィラーや、セルロースパウダー、プロ
テインパウダー、シルクパウダー、有機短繊維等の有機
フィラーを配合することもできる。また上記水分散体の
耐光性、耐熱性、耐水性、耐溶剤性等の各種耐久性を改
善する目的で酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止
剤等の安定剤を水系ウレタン樹脂の製造工程中か、その
製造後に添加することもできる。或いはまたエポキシ樹
脂、メラミン樹脂、イソシアネート化合物、アジリジン
化合物、ポリカルボジイミド化合物、オキサゾリン化合
物等の架橋剤を配合して使用することもできる。
【0060】本発明の水系ウレタン樹脂組成物は、好ま
しくは最終的には樹脂固形分5〜50重量%、より好ま
しくは10〜40重量%に調整されて使用される。
【0061】本発明の水系ウレタン樹脂組成物は、常温
での安定性に優れ、かつシャープな感熱凝固性と多孔質
形成性を有するので、天然繊維、合成繊維、無機繊維等
の紙、不織布、あるいは編織布等の各種繊維基材に対し
て含浸あるいはコーティング等により加工され、従来の
溶剤系ウレタン樹脂に匹敵する風合い、特に充実感と腰
のある風合いを与えるものである。
【0062】本発明の水系ウレタン樹脂組成物の多孔質
を形成させる方法としては、該水系ウレタン樹脂組成物
を上記基材に加工した後、該水系ウレタン樹脂組成物の
感熱凝固温度以上に、熱風、温水、スチーム、赤外線、
電磁波、高周波等の手段によって加熱し、引き続き水分
を蒸発させる事により得られる。本発明の水系ウレタン
樹脂組成物の特徴を最大限に発揮させるには、特にスチ
ーム、電磁波による感熱凝固法が好ましい。
【0063】かくして本発明の水系ウレタン樹脂組成物
は、靴、鞄、衣料、椅子やソファ等の家具、車両シート
やハンドル等の自動車用内装材、透湿防水素材等の各種
合成皮革、人工皮革、あるいは研磨材、フェルトペンの
芯材、各種注型製品等の処理剤として有用である。
【0064】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、本
発明は実施例のみに限定されるものではない。実施例中
の「部」は「重量部」を示す。
【0065】[水系ポリウレタン樹脂の合成例] (合成例A)分子量1,000のポリテトラメチレング
リコール500部、1,4−ブタンジオール10.0
部、トリメチロールプロパン10.9部、分子量600
のポリエチレングリコール48.2部とイソホロンジイ
ソシアネート235.0部をメチルエチルケトン433
部中でジブチル錫ジラウレート0.2部の存在下、NC
O%が1.7%に達するまで70℃で反応させ末端イソ
シアネート基含有ウレタンプレポリマーを得た。このウ
レタンプレポリマーをポリオキシエチレンジスチレン化
フェニルエーテル(HLB=14)48.2部を溶解さ
せた乳化剤水溶液1254部と混合してホモミキサーで
乳化分散させた後、無水ピペラジン20部を溶解させた
鎖伸長剤水溶液206部を添加して鎖伸長を行わせた。
次いで減圧下メチルエチルケトンを留去して固形分40
%、平均粒子径0.3μm、感熱凝固温度48℃の水系
ウレタン樹脂Aを得た。また、その乾燥皮膜の軟化温度
は195℃であった。
【0066】(合成例B)分子量1,000の1,4−
ブタンジオール/アジピン酸のポリエステル500部、
トリメチロールプロパン14.7部、分子量1,000
のポリエチレングリコールモノメチルエーテル40.8
部と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート25
6.8部をトルエン348部中で、NCO%が2.5%
に達するまで80℃で反応させ末端イソシアネート基含
有ウレタンプレポリマーを得た。このウレタンプレポリ
マーをポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(H
LB=16)40.6部とポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル(HLB=12)40.6部を溶解させ
た乳化剤水溶液894部と混合してホモミキサーで乳化
分散させた後、無水ピペラジン26部を溶解させた鎖伸
長剤水溶液260部を添加して鎖伸長を行わせた。次い
で減圧下トルエンを留去して固形分50%、平均粒子径
1.5μm、感熱凝固温度62℃の水系ウレタン樹脂B
を得た。また、その乾燥皮膜の軟化温度は210℃であ
った。
【0067】[会合型増粘剤の合成例] (合成例a)分子量8,000のポリエチレングリコー
ル600部、ジスチレン化メチルフェノールのエチレン
オキサイド12モル付加物133部を仕込み減圧下に1
05℃で脱水した後、イソホロンジイソシアネート37
部を加え80〜90℃で4時間反応させたものを、水に
溶解させて固形分20%の会合型増粘剤aを得た。 (合成例b)分子量6,000のポリエチレングリコー
ル500部、ノニルフェノールのエチレンオキサイド1
7モル付加物234部を仕込み減圧下に105℃で脱水
した後、ヘキサメチレンジイソシアネート35部を加え
80〜90℃で4時間反応させたものを、水に溶解させ
て固形分20%の会合型増粘剤bを得た。
【0068】(実施例1)水系ウレタン樹脂A50部に
対して、会合型増粘剤aを2部を予め水48部で希釈溶
解した水溶液を配合し、ウレタン樹脂濃度が20%の水
系樹脂組成物を調整した。この水系ウレタン樹脂組成物
をポリエステル繊維からなる目付300g/m2の不織
布に含浸し、マングルでウエットピックアップ250%
となるよう絞った。次いで100℃の飽和水蒸気中に2
分間静置し、その後100℃の乾燥機で20分乾燥し
た。また、この水系ウレタン樹脂組成物は常温で1ケ月
静置しても安定であった。
【0069】(実施例2)会合型増粘剤bを使用した以
外は実施例1と同様に水系ウレタン樹脂組成物を調整
し、実施例1と同様に加工を行った。また、この水系ウ
レタン樹脂組成物は常温で1ケ月静置しても安定であっ
た。
【0070】(実施例3)水系ウレタン樹脂Bを使用し
た以外は実施例1と同様に水系ウレタン樹脂組成物を調
整し、実施例1と同様に加工を行った。また、この水系
ウレタン樹脂組成物は常温で1ケ月静置しても安定であ
った。
【0071】(実施例4)水系ウレタン樹脂Bを使用し
た以外は実施例2と同様に水系ウレタン樹脂組成物を調
整し、実施例2と同様に加工を行った。また、この水系
ウレタン樹脂組成物は常温で1ケ月静置しても安定であ
った。
【0072】(比較例1)水系ウレタン樹脂としてボン
ディック1850NS(大日本インキ化学工業社製、感
熱凝固温度100℃以上)を使用した以外は実施例1と
同様に加工を行った。
【0073】(比較例2)会合型増粘剤を無添加とした
以外は実施例1と同様に加工を行った。
【0074】(比較例3)水系ウレタン樹脂A50部に
対して、アルカリ可溶型アクリル系増粘剤であるボンコ
ートHV(大日本インキ化学工業社製)2部を予め水4
7部で希釈溶解し、更に28%アンモニア水を1部添加
して増粘させた水溶液を配合して水系ウレタン樹脂組成
物を調整し、実施例1と同様に加工を行った。また、こ
の水系ウレタン樹脂組成物は1ケ月静置しても安定であ
った。これらの評価結果を以下の表に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】<評価方法>マイク゛レーション の有無 :加工布の断面の電子顕微鏡写真によ
りウレタン樹脂の充填状態を目視観察した。 〈判定〉○:マイク゛レーションも無く均一に充填された状態 ×:マイク゛レーションが有り不均一な充填状態
【0078】多孔質層の形成 :加工布の断面の電子顕
微鏡写真により充填されたウレタン樹脂の表面が多孔質
を形成しているか否かを目視観察した。 〈判定〉○:多孔質有り ×:多孔質無し
【0079】加工布風合 :加工布を触感により評価
した。 〈判定〉◎:腰感、充実感共に特に優れる ○:腰感があり、充実感有り優れる △:腰感、充実感にやや劣る ×:腰感、充実感全く無し
【0080】以上の実施例・比較例より、本発明の水系
ウレタン樹脂組成物が、静置安定性に優れ、感熱凝固に
よりマイグレーションもなく繊維間に均一充填され、乾
燥後に多孔質層を形成し、しかも溶剤系と同等の風合
い、即ち充実感、腰のある風合いを与える加工布が得ら
れることを確認した。
【0081】
【発明の効果】本発明の水系ウレタン樹脂組成物は、
(イ)特定の感熱凝固温度を有する水系ウレタン樹脂と
(ロ)会合型増粘剤とからなることにより、常温では安定
であって、かつシャープな感熱凝固性を有し、特に繊維
基材に含浸加工あるいはコーティング加工した場合に、
マイグレーションもなく繊維基材中に均一に充填され、
かつ乾燥後に均一な多孔質層を形成し、しかも溶剤系と
同等の風合い、即ち充実感と腰のある風合いを与える加
工布、特に人工皮革用に適したものである。
【0082】
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1図は、実施例1における加工布の断面の
顕微鏡写真(500×)で、水系ウレタン樹脂が繊維基
材に含浸し、多孔質構造を形成しているのが解る。
【符号の説明】
1.繊維 2.多孔質層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)感熱凝固温度が40〜90℃であ
    る水系ウレタン樹脂と、(ロ)会合型増粘剤からなるこ
    とを特徴とする多孔質形成用水系ウレタン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 水系ウレタン樹脂(イ)が、軟化温度12
    0〜240℃のウレタン樹脂であることを特徴とする請
    求項1記載の多孔質形成用水系ウレタン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 水系ウレタン樹脂(イ)が、平均粒子径
    0.1〜5μmの水系ウレタン樹脂であることを特徴と
    する請求項1又は2記載の多孔質形成用水系ウレタン樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 水系ウレタン樹脂(イ)が、HLB10〜
    18のノニオン性乳化剤で分散された水系ウレタン樹脂
    であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の多
    孔質形成用水系ウレタン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ノニオン性乳化剤が下記構造式(I)で
    表される骨格を有するノニオン性乳化剤 Ra−Ph− (I) R:炭素数1〜9のアルキル基、アリール基あるいはア
    ルキルアリール基 a:1〜3の整数 Ph:フェニル環残基 であることを特徴とする請求項4記載の多孔質形成用水
    系ウレタン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 会合型増粘剤(ロ)が、末端に疎水基を含
    有し、分子鎖中にウレタン結合を含有することを特徴と
    する請求項1〜5いずれか記載の多孔質形成用水系ウレ
    タン樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 末端の疎水基が下記構造式(I)で表さ
    れる骨格を有する会合型増粘剤 Ra−Ph− (I) R:炭素数1〜9のアルキル基、アリール基あるいはア
    ルキルアリール基 a:1〜3の整数 Ph:フェニル環残基 であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の多
    孔質形成用水系ウレタン樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 水系ウレタン樹脂(イ)が、分子鎖中に
    (A)エチレンオキサイドの繰り返し単位を少なくとも
    50重量%以上含有するポリオキシアルキレングリコー
    ル及び/又は(B)エチレンオキサイドの繰り返し単位
    を少なくとも50重量%以上含有する片末端ポリオキシ
    アルキレングリコールを含有するものであることを特徴
    とする請求項1〜7いずれか記載の多孔質形成用水系ウ
    レタン樹脂組成物。
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