JP4403684B2 - 合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物及びそれを使用してなる合成皮革の製造方法 - Google Patents

合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物及びそれを使用してなる合成皮革の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成皮革の製造に適した水性接着剤組成物、それを用いた合成皮革の製造方法、及び該製造方法で得られる合成皮革に関する。
尚、本発明でいう「合成皮革」とは、織編布、不織布等の繊維シート状物、更にこれら繊維シート状物に有機溶剤系あるいは水系の樹脂、好ましくはウレタン樹脂がコーティング加工(発泡コーティングを含む)あるいは含浸加工されてポーラス層を形成したもの、更にスプリットレザー等の天然皮革素材を用いて成るものをいう。
【0002】
【従来の技術】
従来の合成皮革の製造方法は、ウレタン樹脂の有機溶媒溶液を離型紙上に塗布して乾燥させて表皮層を形成した後、その表皮層上にウレタン樹脂の有機溶媒溶液に架橋剤を配合した接着剤を塗布して接着剤層を形成させ、直ちに繊維基材と貼りあわせるウェットラミネート法、或いは該接着剤層を一旦乾燥させた後に繊維基材と貼りあわせるドライラミネート法の何れかの方法である。これらの製造方法では、通常数種類の有機溶媒を混合して使用するため、乾燥工程で揮散した有機溶媒の回収は極めて困難であり、ほとんど大気中に放出されるか、あるいは焼却処理されてきたのが現状である。また、ジメチルホルムアミド(DMF)等の沸点の高い有機溶媒を使用する例もあるが、このような場合は乾燥後も一部有機溶媒が合成皮革に残留し、その毒性が問題となっている。
【0003】
これらの問題を解決すべく、使用するウレタン樹脂を有機溶媒溶液のタイプから水系タイプに変更すべく種々の検討がなされているが、未だ満足すべき外観と物性を有した合成皮革は得られていない。その理由として、通常行われている水性ウレタン樹脂に増粘剤を配合して増粘させた後に塗布しラミネートさせるウェットラミネート法では、▲1▼溶剤系と比較して接着剤の粘性がチクソ性のため、一定の圧力でラミネートした場合、繊維基材に接着剤が浸透し易く、また基材の横にはみ出し易いこと、▲2▼乾燥が遅く、また蒸発させた水蒸気が表皮層と離型紙の間に移行し、一部表皮層の浮きが生じることなどの問題があり、最終的に得られる合成皮革の表皮層の外観、風合い、接着強度等の品質が不良になるという問題があった。
また、上記問題を回避するためにドライラミネート法があるが、従来の水性ウレタン樹脂では乾燥後の皮膜に粘着性がほとんどなく、高温高圧下でのラミネートが必要となり、従って得られる合成皮革の表皮層の外観が不良になったり、発泡層を有する場合は発泡層が高温高圧条件により潰れたりして風合いが低下する等、性能的に満足するものが得られないという欠点があった。
【0004】
更に、水性ウレタン樹脂接着剤として、特許2894494号にアニオン型の水性ウレタン樹脂接着剤が提案されているが、アニオン型の水性ウレタン樹脂はアニオン基にアミン化合物またはアルカリ金属等を付加することにより中和塩を形成することにより水分散性を付与しているために、水性ウレタン樹脂分散体はアルカリ性となり、併用する架橋剤との反応が促進されるために架橋剤配合液の粘度が経時的に減粘(以下、経時減粘という)する。この現象により人工皮革を製造する際に接着剤層の塗布膜厚を一定に制御することが困難となり、合成皮革の外観、風合い、接着強度等の品質が不良になるという問題があった。また、添加剤として酸性物質、カチオン性物質等を添加するとショックを起こし粘度上昇、凝集・沈殿といった問題が発生し、併用する添加剤も制限されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、有機溶剤を全く含まないか、或いは有機溶剤を殆ど含まず、架橋剤配合後の接着剤組成物の経時減粘が少なく、併用する添加剤との併用安定性が改良された水性ウレタン樹脂を使用する合成皮革の製造方法に関して、▲1▼アニオン型、カチオン型、両性型の何れの基も含有せずノニオン型親水性基のみを必須とする水性ウレタン樹脂を使用し、▲2▼溶媒として水を使用し、▲3▼乾燥後に比較的低温の雰囲気下においても十分な初期接着性を有し、▲4▼ラミネート後に溶剤系接着剤と同等の接着性能を発現する合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物を提供し、更に該接着剤組成物を用いてなる合成皮革の製造方法、及び該製造方法で得られる合成皮革を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の水性ウレタン樹脂、架橋剤、増粘剤、及び水性顔料を使用した場合に、上記課題が解決出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、水性ウレタン樹脂(A)、架橋剤(B)、増粘剤(C)、及び水性顔料(D)を用いてなる接着剤組成物において、水性ウレタン樹脂(A)が分子内に結合した親水性基としてアニオン型、カチオン型、両性型の何れの基も含有せずノニオン型親水性基のみを必須として含有し、(A)の分子内に結合したノニオン型親水性基含有化合物をウレタン樹脂固形分100重量部当たり1〜30重量部含有し、該ウレタン樹脂固形分の流出開始温度が80℃以下であり、更に該ウレタン樹脂が架橋剤(B)と反応して硬化した後の流出開始温度が120℃以上であることを特徴とする合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物に関する。
【0008】
また、本発明は、前記の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物を、離型紙上に予め形成された表皮層上に塗布し乾燥させ接着剤層を形成させた後、該接着剤層と繊維基材とをドライラミネートすることを特徴とする合成皮革の製造方法に関する。
【0009】
また、本発明は、前記の製造方法で得られたことを特徴とする合成皮革に関する。
【0010】
更に、本発明は、前記の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物を用いて得られたことを特徴とする合成皮革に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次いで、本発明を実施するにあたり、必要な事項を具体的に以下に述べる。
【0012】
本発明の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物(以下、接着剤組成物という)は、少なくとも水性ウレタン樹脂(A)、架橋剤(B)、増粘剤(C)、及び水性顔料(D)を用いてなる。
【0013】
本発明で使用する水性ウレタン樹脂(A)の製造に用いるポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フエニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフエニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられ、これらの中では、原料コストを考慮すると2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートが好ましく、また、得られる水性ウレタン樹脂の光劣化及び熱劣化を抑制するためには1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが好ましい。
【0014】
本発明で使用する水性ウレタン樹脂(A)の製造に用いるイソシアネート基と反応し得る活性水素含有化合物は、便宜上平均分子量が好ましくは300〜10,000の範囲であり、より好ましくは500〜5,000の範囲の高分子量化合物と、分子量300以下の低分子量化合物に分けられる。
【0015】
上記高分子量化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリブタジエン系等のポリオレフィンポリオール等が挙げられる。
該ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量300〜6,000)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキレンオキシド付加体等のグリコール成分とコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の酸成分とから脱水縮合反応によって得られるポリエステルの他にε−カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル及びこれらの共重合ポリエステルが挙げられる。
該ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、しょ糖、アコニット糖、トリメリット酸、ヘミメリット酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタール酸、1,2,3−プロパントリチオール、等の活性水素原子を少なくとも2個有する化合物の1種または2種以上を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン、等のモノマーの1種または2種以上を常法により付加重合したもの、または上記モノマーをカチオン触媒、プロトン酸、ルイス酸等を触媒として開環重合したものが挙げられる。
該ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のグリコールとジフェニルカーボネート、ホスゲンとの反応によって得られる化合物が挙げられる。
【0016】
上記低分子量化合物としては、分子量300以下の分子内に少なくとも2個以上の活性水素を含有する化合物であり、例えば、ポリエステルポリオールの原料として用いたグリコール成分;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ化合物;エチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,2−プロパンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン化合物、及びヒドラジン、酸ヒドラジド等のヒドラジン類が挙げられる。
【0017】
本発明で使用する水性ウレタン樹脂(A)は、分子内に結合した親水性基としてアニオン型、カチオン型、両性型の何れの基も含有せず、ノニオン型親水性基のみを必須として含有する。
【0018】
本発明で使用する水性ウレタン樹脂(A)を製造する際に用いるノニオン型親水性基含有化合物は、エチレンオキシドの繰り返し単位とその他のアルキレンオキシドの繰り返し単位からなる基を含有するノニオン型親水性基含有化合物が挙げられる。
該ノニオン型親水性基含有化合物としては、例えば、エチレンオキシドの繰り返し単位を少なくとも30重量%以上含有し、分子中に少なくとも1個以上の活性水素を含有する重量平均分子量が好ましくは300〜20,000の範囲のポリオキシエチレングリコール又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体グリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシブチレン共重合体グリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシアルキレン共重合体グリコール又はそのモノアルキルエーテル等のノニオン型親水性基含有化合物又は前述の高分子量化合物にエチレンオキシドを付加したブロック重合型のノニオン型親水性基含有化合物が挙げられる。
かかる親水性成分としては、上記化合物をそれぞれ単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0019】
本発明で使用する水性ウレタン樹脂(A)を安定に製造するためには、分子内に結合したノニオン型親水性基含有化合物を最終的に得られるウレタン樹脂固形分100重量部当たり、好ましくは1〜30重量部の範囲、より好ましくは2〜20重量部の範囲で含有する。
【0020】
また、本発明で使用する水性ウレタン樹脂(A)を製造する際に、前記親水性成分以外に外部乳化剤を併用しても構わない。かかる外部乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート等のノニオン系乳化剤;オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルフォン酸塩、アルカンスルフォネートナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ナトリウム塩等のアニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸塩等のノニオンアニオン系乳化剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン系乳化剤;及びフッ素系、シリコーン系の特殊乳化剤などが挙げられる。
【0021】
本発明で使用する水系ウレタン樹脂の製造方法としては、従来から公知の何れの方法でもよく、特に限定せず、例えば以下のような方法が挙げられる。
方法▲1▼:活性水素含有化合物、ノニオン型親水性基含有化合物、及びポリイソシアネート化合物とを反応させて得られたノニオン型親水性基含有ウレタン樹脂の有機溶剤溶液又は有機溶剤分散液に、水を混合して水系分散体を得る方法。
方法▲2▼:活性水素含有化合物、ノニオン型親水性基含有化合物、及びポリイソシアネート化合物とを反応させて得られたノニオン型親水性基含有末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの有機溶剤溶液又は有機溶剤分散液に、水を混合して水に分散させた後、ポリアミンと反応させて水系分散体を得る方法。
方法▲3▼:活性水素含有化合物、ノニオン型親水性基含有化合物、及びポリイソシアネート化合物とを反応させて得られたノニオン型親水性基含有末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの有機溶剤溶液又は有機溶剤分散液に、ポリアミンを含む水溶液と混合して水系分散体を得る方法。
但し、上記の方法▲1▼〜▲3▼の何れについても、更に乳化剤を水の中、あるいはウレタン樹脂の有機溶剤溶液又は分散液に添加しても構わない。
これらの反応は有機溶剤を使用せずに無溶剤下にて行なうこともできるが、反応系の反応制御あるいは粘度低下等の目的で有機溶剤を使用することもできる。かかる有機溶剤はとくに限定されないが、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類が挙げられる。かかる有機溶剤を、最終的に得られるウレタン樹脂水系分散体から蒸留除去する場合は、蒸留除去が容易な比較的沸点が低いものを用いることが好ましい。やむを得ず沸点100℃以上の有機溶剤を使用しなければならない場合においてもその使用量は必要最小限に止めることが好ましい。
かくして得られた水系ウレタン樹脂は有機溶剤を必要に応じて蒸留除去して用いられるが、そのまま用いてもよい。
有機溶剤の蒸留除去を行うに際しては各種の蒸留装置が使用できるが、蒸留効率や蒸留除去した有機溶剤が大気中に放出されない蒸留装置が好ましく、中でも薄膜蒸発装置が特に好ましい。
【0022】
本発明の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物は、本発明の目的である、乾燥後に比較的低温の雰囲気下においても充分な初期接着性を有し、且つラミネート後は溶剤系接着剤と同等の接着性能を発現させるために、水性ウレタン樹脂(A)と架橋剤(B)を用いており、特に水性ウレタン樹脂(A)が分子内に結合した親水性基としてアニオン型、カチオン型、両性型の何れの基も含有せずノニオン型親水性基を必須として有し、分子内に結合したノニオン型親水性基含有化合物を最終的に得られるウレタン樹脂固形分100重量部当り、好ましくは1〜30重量部の範囲で含有し、該ウレタン樹脂固形分の流出開始温度が好ましくは80℃以下であり、更に該ウレタン樹脂が架橋剤(B)と反応して硬化した後の流出開始温度が好ましくは120℃以上である。より好ましくは、該ウレタン樹脂固形分の流出開始温度は60℃以下であり、且つ80℃での溶融粘度が105Pa・s以下である。ウレタン樹脂固形分の流出開始温度、及び80℃における溶融粘度がかかる条件を満たすならば、表皮層と繊維基材をラミネートして合成皮革を製造する際に、接着剤層の充分な粘着性が得られ、被着体である表皮層あるいは繊維基材に対する充分な濡れ性と初期接着性が得られる。
尚、本発明でいう流出開始温度及び溶融粘度は、株式会社島津製作所製の高化式フローテスター CFT−500D型を使用して、荷重30kgf、内径1mm且つ長さ1mmのオリフィスを使用し、昇温速度3℃/分の条件で測定した時の流出開始温度及び溶融粘度である。
【0023】
本発明で使用する水性ウレタン樹脂(A)のウレタン樹脂固形分の流出開始温度を80℃以下にするためには、該水性ウレタン樹脂の分子量を小さくする方法が有効であり、水性ウレタン樹脂の重量平均分子量は、好ましくは2,000〜200,000の範囲であり、より好ましくは3,000〜100,000の範囲である。
【0024】
また、本発明で使用する水性ウレタン樹脂(A)は、架橋剤(B)と反応して硬化した後の流出開始温度を120℃以上にするために、ポリウレタンの分子中にイソシアネート基と反応し得る活性水素基を少なくとも2個以上含有することが好ましい。
該活性水素基1当量当たりの重量平均分子量としては、好ましくは1,000〜15,000の範囲であり、より好ましくは2,000〜10,000の範囲である。活性水素基1当量当たりの重量平均分子量がかかる範囲であれば、表皮層や繊維基材に対する適度な濡れ性が得られ、充分な初期接着力、接着耐久性が得られる。
【0025】
かかる活性水素基としては、例えば、フェノール性水酸基、水酸基メルカプト基等が挙げられるが特に好ましくは水酸基である。かかる水酸基導入方法としては、従来公知の方法であれば何れの方法でも使用することができ、例えば、(1)過剰量のポリオール及び/又はグリコールとポリイソシアネートとの反応で得られる分子末端に水酸基を導入する方法、(2)イソシアネート基末端のウレタンプレポリマーを2−アミノエタノール、2−アミノエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミノアルコール類、アミノフェノール等とを反応させて水酸基を導入する方法等が挙げられる。
【0026】
本発明の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物を構成する架橋剤(B)としては、前記ポリイソシアネート単独、あるいはこれらのイソシアヌレート型、アロファネート型あるいはビューレット型の少なくとも2官能以上のポリイソシアネート化合物、あるいは2官能以上のポリオール等の活性水素含有化合物との反応により得られる末端イソアネート基含有ウレタンプレポリマー等の実質的に疎水性のポリイソシアネート類;これらポリイソシアネート類に前記乳化剤を配合して水に分散できるようにしたもの;カルボキシル基含有化合物、スルホン酸基含有化合物、あるいはノニオン性基含有化合物を前記ポリイソシアネート類に共重合して得られる自己乳化性の親水性ポリイソシアネート類;並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0027】
本発明で使用するポリイソシアネート化合物は、表皮層、水系でも有機溶剤系でもよいが好ましくは水系のウレタン樹脂で形成された表皮層及び繊維基材との初期接着性並びに接着耐久性を付与するために、通常、前記水性ウレタン樹脂と組み合わせて使用される。
【0028】
かかるポリイソシアネート化合物は、最終的に得られる合成皮革の耐湿熱性等の接着耐久性を発現するために、前記水性ウレタン樹脂(A)と架橋剤(B)との硬化反応による硬化後の流出開始温度が120℃以上になるように配合することが好ましく、より好ましくは140℃以上である。
かかる流出開始温度にするための前記水性ウレタン樹脂(A)と架橋剤(B)の配合比は、ウレタン樹脂固形分100重量部当たり、好ましくは1〜30重量部(固形分)であり、より好ましくは2〜20重量部(固形分)である。
【0029】
更に、本発明の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物は、離型紙上に形成された表皮層に塗工する際に各種塗工方法に応じた粘度調整を行うことが好ましく、その粘度調整方法として増粘剤(C)を使用することが好ましい。
本発明で使用する増粘剤(C)は、水性ウレタン樹脂に相溶する増粘剤であれば公知慣用の化合物を使用することができ、例えば、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、MC(メチルセルロース)、CMC(カルボキシメチルセルロース)等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸塩、PVP(ポリビニルピロリドン)、あるいはウレタン系、ポリエーテル系等の会合型増粘剤等が挙げられる。
【0030】
これら増粘剤(C)の中でも、水性ウレタン樹脂との相溶性、高剪断力から低剪断力下の広範囲で比較的一定の粘度、即ちニュートン流動性の粘性特性を発現する会合型増粘剤を使用することが、チクソ性を有するセルロース誘導体等に比較して、樹脂組成物を基材へ塗工する際のレベリング性、膜厚調整等のハンドリング性の点で優れることより特に好ましい。これらの増粘剤(C)は単独であっても二種以上を併用してもよい。
【0031】
また、本発明に係る合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物は、最表面となる表皮層、及び含浸層又は基材との接着を担うことより、最終的に完成した合成皮革は用途、意匠性、デザイン等により様々な色調に調整される。従って、本発明の接着剤組成物に関しても、合成皮革断面の接着層が外観として現れる部位については表皮層、含浸層又は基材との色調統一は必須となり、水性顔料等による着色が可能でなければならない。
本発明で使用する水性顔料(D)としては、公知慣用の水性顔料が使用できるが、水性顔料の分散性、保存安定性、合成皮革の基布として使用されるポリエステル繊維、ナイロン繊維等への接着性などをはじめ、ドライラミネート物性、並びに耐熱水性などの水性顔料としての基本的物性を考慮した場合には、バインダーとしてダイマージオール及び/又はダイマー酸系ポリエステルポリオールを用いて得られる水性ウレタン樹脂を使用した水性顔料が前記の物性を全て満足する点で特に好ましい。
本発明におけるダイマージオール及び/又はダイマー酸系ポリエステルポリオールを用いて得られる水性ウレタン樹脂とは、例えば、それぞれ、(a)重合脂肪酸を還元させて得られる、いわゆるダイマージオールまたは(b)ダイマージオールを用いて得られる、いわゆるポリエステルポリオールあるいは(c)重合脂肪酸を水添化せしめて得られる、いわゆる水添ダイマー酸を用いて得られるいわゆるポリエステルポリオールと、更に必要に応じて、(d)上記したそれぞれ、(a)または(b)に属するジオールないしはポリオールあるいは上記した(c)に属するポリオール以外のポリオールと、(e)前述の有機イソシアネート化合物と、(f)親水性基を有し、しかも、両末端にイソシアネート基との反応性のある官能基を、2個有する化合物と、更にはまた必要に応じて、(g)鎖伸長剤及び/又は(h)末端停止剤とを反応せしめるということによって得られるというような部類の化合物などを指称するものである。
【0032】
本発明の接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、水に加えてその他の水系分散体や水分散液、例えば、酢ビ系、エチレン酢ビ系、アクリル系、アクリルスチレン系等のエマルジョン;スチレン・ブタジエン系、アクリロニトリル・ブタジエン系、アクリル・ブタジエン系等のラテックス;ポリエチレン系、ポリオレフィン系等のアイオノマー;ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、エポキシ樹脂等の各種水系分散体、水分散液などを併用してもよい。
【0033】
また、本発明の接着剤組成物には、ジブチル錫ラウレート等のウレタン化触媒;ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、天然系等の酸化防止剤、ヒンダードアミン系等の耐光安定剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤等の各種安定剤;フッ素系、アセチレングリコール系等の炭化水素系、あるいはシリコーン系の各種レベリング剤;鉱物油系、シリコーン系等の消泡剤、可塑剤、粘着付与性樹脂、可使時間延長剤等の添加剤を配合して使用することもできる。
【0034】
本発明の合成皮革の製造方法は、上述の本発明の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物を、離型紙上に予め形成された表皮層上に塗布して乾燥させて接着剤層を形成させ、引き続き該接着剤層と繊維基材とをドライラミネートすることを特徴とする。
本発明で使用する表皮層は、ウレタン樹脂の有機溶媒溶液、あるいは水系ウレタン樹脂の何れかを主成分にして形成したものであり、ウレタン樹脂の組成はとくに限定されない。かかる表皮層の厚みは、一般に乾燥後で好ましくは5〜100μmの範囲である。
また、本発明で使用する離型紙は、はじき等の問題がなく使用できるものであれば特に制限はなく、有機溶剤系専用あるいは水系専用の市販の離型紙が使用できる。
【0035】
本発明の接着剤組成物を上記表皮層上に塗布する方法は、従来公知の何れの方法でもよく、特に限定せず、例えば、グラビアロール、リバースロール、ロッド、ナイフオーバーロールなどによる塗工方法などが挙げられる。塗布厚は乾燥後で好ましくは5〜100μmの範囲となればよい。
【0036】
本発明で接着剤組成物を乾燥する方法は、従来公知の乾燥方法であれば広く使用することができる。例えば、熱風乾燥機、赤外線照射式乾燥機、マイクロ波照射式乾燥機、あるいは、これらの内の少なくとも2種類以上を併用した乾燥装置等を挙げることができる。
乾燥条件は、該水性ドライラミネート接着剤組成物中の水分が充分に蒸発するのに必要な乾燥条件であれば特に限定はなく、一般に好ましくは40〜180℃の範囲であり、より好ましくは60〜120℃の範囲である。過乾燥は、表皮層、繊維基材、あるいは接着剤層の熱劣化、変質を起こすだけでなく、水性ウレタン樹脂とポリイソシアネート化合物の硬化反応を促進し接着不良を起こす可能性があり、比較的低温、且つ短時間での乾燥が好ましい。
【0037】
かくして得られた接着剤層は十分な初期接着性を有するため、引き続き繊維基材と重ね合わせ、圧着ロールにより、好ましくは0.01〜3MPa、より好ましくは0.05〜1MPaの圧力でドライラミネートすることにより、接着剤層の繊維基材への浸透やはみ出しがなく、且つソフトな風合いを有する合成皮革が得られる。その後引き続き、必要に応じて20〜60℃の雰囲気下でエージングさせることにより、更に強固な接着性を有し、耐加水分解性、耐湿熱性、耐寒性、耐熱性、耐水接着性、耐洗濯性、耐ドライクリーニング性等の耐久性に優れた合成皮革が得られる。
【0038】
本発明で使用する繊維基材とは、合成皮革の製造に一般に用いられる繊維基材であれば広く使用することができ、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリルなどの合成繊維およびこれらの改良繊維;羊毛、絹、木綿、麻などの天然繊維;アセテート、レーヨンなどの半合成繊維など、あるいはこれらの混用繊維からなる織編布、不織布等の繊維シート状物が挙げられる。更に、これら繊維シート状物に有機溶剤系あるいは水系の樹脂、好ましくはウレタン樹脂がコーティング加工(発泡コーティングも含む)あるいは含浸加工されてポーラス層を形成したものも挙げられ、本発明においては特に好ましい。更にスプリットレザー等の天然皮革素材を使用することもできる。
【0039】
更に、本発明の方法により得られた合成皮革は、最終仕上げ工程で、トップコートあるいは揉み加工などの表面処理加工を施して実用に供される。
【0040】
本発明の合成皮革は、上記の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物を用いて得られたことを特徴とする。
【0041】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により、一層具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。以下において、部及び%は、特にことわりのない限り、全て重量基準であるものとする。尚、諸特性は、以下に概略を示した評価方法にて測定した。
また、ポリオールの平均分子量は水酸基価(mgKOH/g)より、次式により算出した値である。以下、単位省略。
ポリオールの平均分子量=(56100/水酸基価)×(ポリオール1分子当たりの水酸基の数)
【0042】
[合成例1]水性ウレタン樹脂1の調製
水酸基価=56.1である平均分子量2000のポリプロピレングリコール1000部、ネオペンチルグリコール47.2部、トリメチロールプロパン9.3部、水酸基価=56.1である平均分子量1000の片末端メトキシ封鎖したポリエチレングリコール68.6部とトリレンジイソシアネート247部をメチルエチルケトン(MEK)588部中で反応させてイソシアネート末端のプレポリマーを合成した後、ホモミキサーで攪拌しながら水2450部を添加して乳化し、更に80%水加ヒドラジン12.3部とジエタノールアミン20.6部を水296部に溶解させた水溶液を加えて鎖伸長させ、最後に溶剤を減圧下留去して固形分50%の水性ウレタン樹脂1を得た。また、株式会社島津製作所製高化式フローテスターCFT−500D型を使用して、荷重30kgf、内径1mm且つ長さ1mmのオリフィスを使用し、昇温速度3℃/分の条件で得られた樹脂の流出開始温度及び溶融粘度を測定したところ、流出開始温度は40℃以下であり、80℃における溶融粘度は溶出してしまい測定できなかった。
【0043】
[合成例2]水性ウレタン樹脂2の調製
水酸基価=56.1である平均分子量2000のポリプロピレングリコール1000部、ネオペンチルグリコール58.1部、水酸基価=112.2である平均分子量1000のポリエチレングリコール69.3部とトリレンジイソシアネート255部をMEK593部中で反応させてイソシアネート末端のプレポリマーを合成した後、ホモミキサーで攪拌しながら水2469部を添加して乳化し、更に80%水加ヒドラジン12.7部とジエタノールアミン21.3部を水306部に溶解させた水溶液を加えて鎖伸長させ、最後に溶剤を減圧下留去して固形分50%の水性ウレタン樹脂2を得た。また、株式会社島津製作所製高化式フローテスターCFT−500D型を使用して、荷重30kgf、内径1mm且つ長さ1mmのオリフィスを使用し、昇温速度3℃/分の条件で得られた樹脂の流出開始温度及び溶融粘度を測定したところ、流出開始温度は40℃以下であり、80℃における溶融粘度は溶出してしまい測定できなかった。
【0044】
[合成例3]水性ウレタン樹脂3の調製
水酸基価=56.1である平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール1000部と、ネオペンチルグリコール45.9部、ジメチロールプロピオン酸45.1部、水酸基価=28.1である平均分子量2,000の片末端のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール75.7部とイソホロンジイソシアネート345.8部をMEK648部中で反応させてイソシアネート末端のプレポリマーを合成した後、トリエチルアミン34部を加えて、ホモミキサーで攪拌しながら水1587部を添加して乳化し、更にイソホロンジアミン44部を水197部に溶解させた水溶液を加えて鎖伸長させ、最後に溶剤を減圧下留去して固形分40%の水性ウレタン樹脂3を得た。また、株式会社島津製作所製高化式フローテスターCFT−500D型を使用して、荷重30kgf、内径1mm且つ長さ1mmのオリフィスを使用し、昇温速度3℃/分の条件で得られた樹脂の流出開始温度及び溶融粘度を測定したところ、流出開始温度は110℃であり、80℃においては溶融しなかったために溶融粘度は測定できないことを確認した。
【0045】
[合成例4]会合型増粘剤aの調製
水酸基価=14.0である平均分子量8,000のポリエチレングリコール600部、ジスチレン化メチルフェノールのエチレンオキサイド12モル付加物133部を仕込み減圧下に105℃で脱水した後、イソホロンジイソシアネート37部を加え80〜90℃で4時間反応させたものを、水に溶解させて固形分20%の会合型増粘剤aを得た。
【0046】
[合成例5]会合型増粘剤bの調製
水酸基価=18.7である平均分子量6,000のポリエチレングリコール500部、ノニルフェノールのエチレンオキサイド17モル付加物234部を仕込み減圧下に105℃で脱水した後、ヘキサメチレンジイソシアネート35部を加え80〜90℃で4時間反応させたものを、水に溶解させて固形分20%の会合型増粘剤bを得た。
【0047】
[合成例6]水性顔料用バインダーの調製
反応容器に、「ペスポールPP−200」[東亜合成(株)製、水添ダイマー酸/エチレングリコールのポリエステルポリオールの商品名;水酸基価=82]の136.8部及びイソホロンジイソシアネートの44.5部を仕込んだ。次いで、これを撹拌しながら、110℃に加熱した。1時間後に、80℃にまで冷却して、ジメチロールプロピオン酸の13.4部、オクチル酸錫の0.2部及びMEKの200部を加え、80℃で7.5時間反応させた。この時のNCO基の含有量は、固形分換算で以て、0.07%であった。これを30℃以下にまで冷却して、此処へ、25%のアンモニア水の7.5部を加え、次いで、イオン交換水600部を加えて、O/W型のエマルジョンを得た。しかるのち、減圧下において、蒸留を行ない、溶剤と水の一部とを除去せしめてから、イオン交換水を加えて濃度を調整せしめた処、透明な水性ポリウレタンが得られた。
【0048】
[合成例7]水性顔料用バインダーの調製
テレフタル酸の294部、イソフタル酸の294部、エチレングリコールの131部およびジエチレングリコールの223部を混合して、180〜230℃で、8時間のあいだ加熱して、エステル化反応を行なったのち、酸価が1mgKOH/gよりも小さくなるまで、230℃で6時間、縮合反応を行なった。次いで、減圧下において、120℃で、脱水処理を行なってから、90℃にまで冷却したのち、MEKの263部を加えて、よく撹拌して、充分に溶解させた処、酸価が0.7で、且つ、水酸基価が50なるポリエステルポリオールが得られた。しかる後、このポリエステルポリオールの226部と、イソホロンジイソシアネートの44部とを、75℃において、充分に撹拌させたのち、鎖伸長剤としての2,2−ジメチロールプロピオン酸の13部を加え、70℃で、12時間のあいだ反応せしめた。反応終了後は、40℃にまで冷却してから、5%アンモニア水の35部を加えるということによって、水溶化せしめた。次いで、かくして得られた、透明なる反応生成物より、減圧下において、60℃で、メチルエチルケトンを除去せしめてから、イオン交換水を加えて、濃度を調整せしめた処、透明なる水性ポリウレタンが得られた。
【0049】
[合成例8]水性顔料1〜4の調製
合成例6、及び合成例7で得た水性顔料用バインダーを表1に示す割合で配合し、ペイントコンディショナーにより30分間練肉し、それぞれの水性顔料組成物1〜4を得た。
【0050】
【表1】
Figure 0004403684
【0051】
[実施例1]
水系ウレタン樹脂 ハイドラン WLS−210(大日本インキ化学工業(株)製)/顔料/添加剤/増粘剤(ウレタン系)=100/15/0.3/1(重量比)で配合した表皮用配合液を離型紙(DN-TP-APW DE-7 大日本印刷・味の素(株)製)上に塗布厚80μm(wet)で塗布し、直ちにワーナーマチスで70℃で1分予備乾燥し、その後120℃で2分乾燥を行った。
更に、水性ウレタン樹脂1(合成例1)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネート、固形分100重量%、NCO含量16〜18重量%)/会合型増粘剤a(合成例4)/水性顔料1=100/10/2/5(重量比)で配合した接着用配合液を表皮層上に塗布厚80μm(wet)で塗布した。
塗布後、ワーナーマチスで70℃で1分乾燥を行い、乾燥直後に基材の張り合わせ(ドライラミネート)を行った。その後120℃で2分キュアリングを行い、更に40℃で2日エージングを行い、得られた加工布を離型紙から剥離した。
【0052】
[実施例2]
接着用配合液を水性ウレタン樹脂2(合成例2)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネート、固形分100重量%、NCO含量16〜18重量%)/会合型増粘剤a(合成例4)/水性顔料1=100/10/2/5(重量比)で配合した以外は実施例1と同様に加工を行った。
【0053】
[実施例3]
溶剤系ウレタン樹脂 クリスボン 7367SL(大日本インキ化学工業(株)製)/顔料/MEK/DMF=100/15/30/10(重量比)で配合した表皮用配合液を離型紙(DN-TP-APT フラット 大日本印刷・味の素(株)製)上に塗布厚80μm(wet)で塗布し、直ちにワーナーマチスで70℃で1分予備乾燥し、その後120℃で2分乾燥を行った。その後の接着層の配合、加工は実施例1と同様に行った。
【0054】
[実施例4]
接着用配合液を水性ウレタン樹脂1(合成例1)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネート、固形分100重量%、NCO含量16〜18重量%)/会合型増粘剤a(合成例4)/水性顔料2=100/10/2/5(重量比)で配合した以外は実施例1と同様に加工を行った。
【0055】
[実施例5]
接着用配合液を水性ウレタン樹脂2(合成例2)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネート、固形分100重量%,NCO含量16〜18重量%)/会合型増粘剤b(合成例5)/水性顔料1=100/10/2/5(重量比)で配合した以外は実施例1と同様に加工を行った。
【0056】
[実施例6]
接着用配合液を水性ウレタン樹脂1(合成例1)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネート、固形分100重量%、NCO含量16〜18重量%)/会合型増粘剤(ウレタン系)/水性顔料2=100/10/2/5(重量比)で配合した以外は実施例1と同様に加工を行った。
【0057】
[実施例7]
接着用配合液を水性ウレタン樹脂1(合成例1)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネート、固形分100重量%、NCO含量16〜18重量%)/カルボキシメチルセルロース(CMC)/水性顔料1=100/10/2/5(重量比)で配合した以外は実施例1と同様に加工を行った。
【0058】
[実施例8]
接着用配合液を水性ウレタン樹脂1(合成例1)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネート、固形分100重量%、NCO含量16〜18重量%)/会合型増粘剤b(合成例5)/水性顔料3=100/10/2/5(重量比)で配合した以外は実施例1と同様に加工を行った。
【0059】
[実施例9]
接着用配合液を水性ウレタン樹脂1(合成例1)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネート、固形分100重量%、NCO含量16〜18重量%)/会合型増粘剤b(合成例5)/水性顔料4=100/10/2/5(重量比)で配合した以外は実施例1と同様に加工を行った。
【0060】
[比較例1]
表皮層は実施例1と同様に加工を行った。更に水性ウレタン樹脂3(合成例3)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネート、固形分100重量%,NCO含量16〜18重量%)/会合型増粘剤a(合成例4)/水性顔料1=100/10/2/5(重量比)で配合した接着用配合液を表皮層上に塗布厚80μm(wet)で塗布した。塗布後直ちに基材の張り合わせ(ウェットラミネート)を行った。張り合わせ後、ワーナーマチスで120℃で2分乾燥を行い、更に40℃で2日エージングを行い、加工布を離型紙から剥離した。
【0061】
[比較例2]
表皮層は実施例1と同様に加工を行った。更に水性ウレタン樹脂3(合成例3)/架橋剤(水分散性ポリイソシアネート、固形分100重量%、NCO含量16〜18重量%)/会合型増粘剤a(合成例4)/水性顔料1=100/10/2/5(重量比)で配合した接着用配合液を表皮層上に塗布厚80μm(wet)で塗布した。塗布後は実施例1と同様に加工を行った。
【0062】
[比較例3]
溶剤系ウレタン樹脂 クリスボン 7367SL(大日本インキ化学工業(株)製)/顔料/MEK/DMF=100/15/30/10(重量比)で配合した表皮用配合液を離型紙(DN-TP-APT フラット 大日本印刷・味の素(株)製)上に塗布厚80μm(wet)で塗布した。直ちにワーナーマチスで70℃で1分予備乾燥し、その後120℃で2分乾燥を行った。その後、溶剤系ウレタン樹脂 クリスボン 4070(大日本インキ化学工業(株)製)/架橋剤 クリスボン NX(大日本インキ化学工業(株)製)/触媒 クリスボンアクセル HM(大日本インキ化学工業(株)製)/トルエン/DMF=100/12/3/20/10(重量比)で配合した接着用配合液を表皮層上に塗布厚80μm(wet)で塗布した。塗布後は実施例1と同様に加工を行った。
【0063】
上記各実施例、比較例で得られた加工布について、表皮の状態、剥離強度、加工布の風合、揮発性有機化合物(以下、VOCという)対策の4項目につき評価を行った。その評価結果を表2に示した。
(1)表皮の状態の評価方法
加工布の断面の電子顕微鏡写真により表皮の凹凸の状態を目視にて観察し、下記の基準にて判定した。
○:凹凸なし
×:凹凸あり
(2)剥離強度の評価方法
島津オートグラフAGS−G型(株式会社島津製作所製)を用いて、フルスケール5kg、ヘッドスピード20mm/分の条件にて剥離強度を測定した。
(3)加工布の風合の評価方法
加工布を触感により、下記の基準により判定評価した。
○:ソフト
△:ソフトとハードの中間的な触感
×:ハード
(4)VOC対策
実施例、及び比較例全配合中の有機溶剤の含有量により評価した。
○:0〜10%
△:10〜50%
×:50%以上
【0064】
【表2】
Figure 0004403684
【0065】
【表3】
Figure 0004403684
【0066】
表2の注釈は以下の通りである。
*1)D:ドライラミネート、W:ウェットラミネート。
*2)kg/cm
*3)CMC:カルボキシメチルセルロース
【0067】
【発明の効果】
本発明により得られる合成皮革用水性ドライラミネート用接着剤組成物、及びそれを用いた合成皮革の製造方法は、有機溶剤を全く含まない或いはほとんど含まず、架橋剤配合後の接着剤組成物の経時減粘が少なく、併用する添加剤との併用安定性が改良された水性ウレタン樹脂を使用した合成皮革の製造が可能となるという優れた特徴を有する。

Claims (5)

  1. 水性ウレタン樹脂(A)、架橋剤(B)、増粘剤(C)、及び水性顔料(D)を用いてなる接着剤組成物において、水性ウレタン樹脂(A)が分子内に結合した親水性基としてアニオン型、カチオン型、両性型の何れの基も含有せずノニオン型親水性基のみを必須として含有し、(A)の分子内に結合したノニオン型親水性基含有化合物をウレタン樹脂固形分100重量部当たり1〜30重量部含有し、該ウレタン樹脂固形分の流出開始温度が80℃以下であり、更に該ウレタン樹脂が架橋剤(B)と反応して硬化した後の流出開始温度が120℃以上であり、かつ、前記ノニオン型親水性基含有化合物が、エチレンオキシドの繰り返し単位を少なくとも30重量%以上含有し、分子中に少なくとも1個以上の活性水素を含有する重量平均分子量が好ましくは300〜20000の範囲のポリオキシエチレングリコール又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体グリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシブチレン共重合体グリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシアルキレン共重合体グリコール又はそのモノアルキルエーテル、又はそれらのエチレンオキシド付加物であることを特徴とする合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物。
  2. 水性ウレタン樹脂(A)がイソシアネート基と反応し得る活性水素基を少なくとも2個以上含有し、架橋剤(B)がポリイソシアネート化合物である請求項1記載の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物。
  3. 増粘剤(C)が会合型増粘剤である請求項記載の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物。
  4. 前記水性顔料(D)がバインダーとしてダイマージオール及び/又はダイマー酸系ポリエステルポリオールを用いて得られる水性ウレタン樹脂を含有する請求項1〜の何れか一項に記載の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物。
  5. 請求項1〜の何れか一項に記載の合成皮革用水性ドライラミネート接着剤組成物を、離型紙上に予め形成された表皮層上に塗布し乾燥させ接着剤層を形成させた後、該接着剤層と繊維基材とをドライラミネートすることを特徴とする合成皮革の製造方法。
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