JP2003048939A - ポリウレタン多孔質体の製造方法 - Google Patents

ポリウレタン多孔質体の製造方法

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JP2003048939A
JP2003048939A JP2001240537A JP2001240537A JP2003048939A JP 2003048939 A JP2003048939 A JP 2003048939A JP 2001240537 A JP2001240537 A JP 2001240537A JP 2001240537 A JP2001240537 A JP 2001240537A JP 2003048939 A JP2003048939 A JP 2003048939A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリウレタン樹脂エマルジョン混合物をゲル
化して、次いで架橋反応させることによりポリウレタン
多孔質体を製造する方法であって、感熱ゲル化/架橋反
応を行なう際に、ポリウレタン樹脂エマルジョン混合物
を均一に加熱し、所望の緻密で均一な微細連続気孔構造
を有するポリウレタン多孔質体の製造方法の提供。 【解決手段】 ポリウレタン樹脂エマルジョン、水溶性
ポリイソシアネート化合物およびポリアミン化合物を主
成分とする混合液を、浸漬加熱およびマイクロ波加熱を
併用した均一加熱処理によりゲル化させ、次いで架橋反
応させることを特徴とするポリウレタン多孔質体の製造
方法であって、特に均一加熱手段を、ポリウレタン樹脂
エマルジョン混合液、および該混合液を含有する容器を
浸漬する温度調整媒体の両者を、同時にマイクロ波加熱
するポリウレタン多孔質体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧用のパフ、各
種半導体、光学材料等の研磨パット、吸水性ロール、人
工皮革、合成皮革等に好適であり、これら各種製品に広
く応用し得る、吸水性に優れた、表面にスキン層がな
く、全体が緻密かつ均一な微細多孔質構造を有するポリ
ウレタン多孔質体およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリウレタン多孔質体は、ポ
リウレタン樹脂エマルジョンを、水溶性ポリマー、例え
ばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシプロ
ピルセルロース、デンプン等の水溶性高分子化合物の存
在下に感熱ゲル化を行った後、架橋剤により架橋反応さ
せ、不溶化させ、水洗を行うことで製造されている。
【0003】この製造法においては、架橋反応の終了後
に、不要となった水溶性ポリマーを水洗し、完全に除去
しなければならず、その水洗にかなりの時間を要し、極
めて非効率的であり、その生産性を損なう原因ともなっ
ていた。
【0004】したがって、ポリウレタン多孔質体の生産
性を上げるためには、ポリウレタン樹脂エマルジョンの
感熱ゲル化の反応性を高めることと、架橋反応後の多孔
質体から水溶性ポリマーを完全に除去する技術の開発が
求められていたが、いまだ十分な解決がなされていない
のが現状である。
【0005】かかる問題点を解決するポリウレタン多孔
質体の製造法として、いわゆる、強制乳化型ポリウレタ
ン樹脂エマルジョンを用い、必要に応じて水溶性高分子
化合物を構造粘性付与剤、すなわち粘度調整剤として添
加し、かかる強制乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョン
の架橋剤として水溶性ポリイソシアネート化合物を使用
したポリウレタン多孔質体の製造法がある。
【0006】この場合の架橋剤として使用する水溶性ポ
リイソシアネート化合物は、末端にイソシアネート基を
有するプレポリマーが、重亜硫酸ナトリウム、メチルエ
チルケトンオキシム、フェノール等でマスクされた水溶
性ポリイソシアネート化合物であり、ポリウレタン樹脂
エマルジョン中の水分によりマスクされたイソシアネー
ト基が解離して、この遊離した末端イソシアネート基が
ポリウレタン樹脂と反応し、強固な分子構造を形成する
ことで不溶化し、耐水性の連続気泡を有するポリウレタ
ン多孔質体になるものと考えられている。
【0007】しかしながら、水溶性ポリイソシアネート
化合物における重亜硫酸ナトリウム、メチルエチルケト
ンオキシムあるいはフェノール等でマスクされた末端イ
ソシアネート基が解離した段階では、遊離したイソシア
ネート基はエマルジョン中の低分子化合物である水分子
と優先的に反応をしてしまう傾向が強く、乳化剤で被覆
されていて、しかも高分子量のポリウレタン樹脂との架
橋反応が優先されにくいものである。そのうえ、水分子
とイソシアネート基との反応では必ず二酸化炭素(炭酸
ガス)が生成し、水中に放出されるため、多孔質体の中
心部にこの二酸化炭素が蓄積し、粗大セルを形成させる
原因となり、得られたポリウレタン多孔質体が粗大セル
化、または巨大セル化する、あるいは亀裂発生の原因に
なり、均質な微細孔を有するポリウレタン多孔質体を得
ることは困難なものであった。
【0008】このような不都合を避けるため、イソシア
ネート化合物以外の架橋剤として、例えば、オキサゾリ
ン化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物等が
検討されてきたが、いずれも、水分の存在下でのウレタ
ン樹脂との反応性が欠しいか、または架橋反応に伴う主
剤のポリウレタン樹脂エマルジョンに対するゲル化効果
も極めて低いものであり、目的とする微細孔を有するポ
リウレタン多孔質体を得ることは困難であった。
【0009】かかる現象を抑制させるため、ポリウレタ
ン樹脂エマルジョンの感熱ゲル化段階における、ポリウ
レタンエマルジョン粒子のブロック構造化を強固なもの
とする処方が研究され、ポリビニルメチルエーテル、ポ
リアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール/ポリプロピレングリコール変性シリコ
ンオイルなどの有機系化合物や、硫酸ナトリウム、炭酸
ナトリウム、塩化カルシウム等の無機化合物を併用する
ことによるポリウレタン多孔質体の製造法の研究が行わ
れてきた。
【0010】しかしながら、この場合にあっても、ポリ
ウレタン樹脂に対する架橋剤として使用する水溶性ポリ
イソシアネート化合物は、マスクされたイソシアネート
基が解離した段階では、遊離したイソシアネート基が優
先的に水と反応して、二酸化炭素を発生させるものであ
り、ポリウレタン多孔質体の粗大セル化や、亀裂発生を
根本的に解決し得る製造法ではなかった。
【0011】一般に、ポリウレタン樹脂エマルジョンを
感熱ゲル化し、次いで架橋剤による架橋反応によりポリ
ウレタン多孔質体を得る場合においては、感熱ゲル化の
段階では、ポリウレタン樹脂エマルジョン粒子同士が強
力なブロック構造を形成し、そのブロック構造を維持し
たまま、加熱によりポウレタン樹脂が連結してゲル化
し、この過程で水溶性ポリイソシアネート化合物等の架
橋剤がポリウレタン樹脂と反応して、より一層強固な分
子構造を形成することで不溶化し、耐水性に優れた連続
気泡を有するポリウレタン多孔質体になると考えられて
いる。
【0012】したがって、緻密で均一な多孔質体を製造
する場合の重要な要素としては、ポリウレタン樹脂エマ
ルジョン粒子同士の強固なブロック構造の形成と、か
つ、そのブロック構造を維持したまま、加熱によるポリ
ウレタン樹脂の連結/ゲル化融着であるといえる。
【0013】しかしながら、ポリウレタン樹脂エマルジ
ョンの感熱ゲル化にあったっては、これまでは、ポリウ
レタン樹脂エマルジョンを含有する加熱容器を、容器外
側から単純に熱媒体あるいは加熱空気により加熱する手
段が採用されていた。この方法では、加熱容器側壁部に
接した部分、あるいはポリウレタン樹脂エマルジョン混
合溶液の表面部分からのみ液温が上昇するため、加熱容
器内部で、加熱による温度差に起因する流動現象が生
じ、そのため得られるポリウレタン多孔質体が極めて不
均一なものとなっていた。
【0014】これらの点から判断すると、所望の緻密で
均一な連続気孔を有するポリウレタン多孔質体を製造す
るためには、第一に、ポリウレタン樹脂に対する架橋剤
としての水溶性ポリイソシアネート化合物が、エマルジ
ョン中の水との反応による二酸化炭素の生成に起因する
巨大セルの発生を回避し、ポリウレタン樹脂との反応性
を優先させるものであること、第二に、ポリウレタン樹
脂エマルジョンに対し、エマルジョンの粘度の高低を問
わずに、エマルジョン粒子を強固にブロック構造化させ
るとことができると共に、ゲル化段階では強固なブロッ
ク構造を維持したままポリウレタン樹脂を連結させ得
る、ゲル化効果の大きな架橋剤を使用すればよいこと、
第三に、ポリウレタン樹脂エマルジョン混合溶液の感熱
ゲル化において、混合溶液系全体のゲル化を安定に生じ
させると共に均一化させ、しかもエマルジョン粒子の融
着強度を高める加熱手段を採用すればよいといえる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
上記の考え方に立脚し、ポリウレタン樹脂エマルジョン
混合溶液をゲル化し、架橋反応させて得られるポリウレ
タン多孔質体として、従来の水溶性ポリイソシアネート
化合物を使用する場合に認められる巨大セルの発生を回
避させると共に、主剤であるポリウレタン樹脂エマルジ
ョンに対するゲル化効果の大きなイソシアネート化合物
を使用し、感熱ゲル化に際してエマルジョン混合溶液系
全体のゲル化を均一化し、しかもエマルジョン粒子の融
着強度を高める加熱手段により、所望の緻密で均一な連
続気孔を有するポリウレタン多孔質体を製造する方法を
提供することを課題とする。
【0016】かかる課題を解決するために本発明者は、
ポリウレタン樹脂エマルジョン中のポリウレタン樹脂の
架橋剤である水溶性ポリイソシアネート化合物の組成お
よびその使用量の検討を行い、水溶性ポリイソシアネー
ト化合物に対する二次架橋剤として、ポリアミン化合物
をゲル化反応の系に併用させること、ならびに感熱ゲル
化に際しての加熱手段を検討し、加熱容器を浸漬加熱お
よびマイクロ波加熱を併用することにより、緻密で均一
な連続気孔を有するポリウレタン多孔質体を得ることを
新規に見出した。
【0017】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明の基
本的態様である請求項1に記載の発明は、ポリウレタン
樹脂エマルジョン、水溶性ポリイソシアネート化合物お
よびポリアミン化合物を主成分とする混合液を、浸漬加
熱およびマイクロ波加熱を併用した均一加熱処理により
ゲル化させ、次いで架橋反応させることを特徴とするポ
リウレタン多孔質体の製造方法である。
【0018】すなわち本発明は、水溶性ポリイソシアネ
ート化合物の末端イソシアネート基が解離した場合に、
水との反応に優先し、二酸化炭素を発生させないものと
してイソシアネート基との反応性が高いポリアミン化合
物を併用させること、併用されたポリアミン化合物とイ
ソシアネート基の反応により水溶性ポリイソシアネート
が高分子重合化して水不溶性になると共に、このものが
ポリウレタン樹脂エマルジョンに対するゲル化剤/架橋
剤として作用すること、さらに感熱ゲル化を行うに際し
てポリウレタン樹脂エマルジョン混合溶液を浸漬加熱お
よびマイクロ波加熱の併用による均一加熱処理を行うこ
とにより、所望の緻密で均一な連続気孔を有するポリウ
レタン多孔質体を製造し得ることを新規に見出した。
【0019】特に本発明の製造方法においては、ポリウ
レタン樹脂エマルジョン、水溶性ポリイソシアネート化
合物およびポリアミン化合物を主成分とする混合液を均
一に加熱処理する手段は、具体的には、ポリウレタン樹
脂エマルジョン混合液と該混合液を含有する容器を浸漬
する温度調整媒体との両者を、同時にマイクロ波加熱す
ることにより行われる。かかる特異的加熱方法を採用す
ることにより、ポリウレタン樹脂エマルジョン混合溶液
の温度と、その混合溶液を含有する加熱容器を浸漬する
温度調整媒体の温度がほぼ同様に変化することとなり、
容器内部で混合溶液の加熱による温度差に起因する流動
現象が抑制され、感熱ゲル化がポリウレタン樹脂混合溶
液系全体で均一に行われ、その結果所望の緻密で均一な
連続気孔を有するポリウレタン多孔質体を製造されるの
である。
【0020】したがって、請求項2に記載の本発明は、
請求項1における均一加熱手段を、ポリウレタン樹脂エ
マルジョン、水溶性ポリイソシアネート化合物およびポ
リアミン化合物を主成分とする混合液と、該混合液を入
れた容器を浸漬する温度調整媒体との両者を、同時にマ
イクロ波加熱することからなるポリウレタン多孔質体の
製造方法である。
【0021】この場合のマイクロ波加熱におけるマイク
ロ波は、周波数300MHzから300GHzの範囲で
あって、本発明では最も一般的に使用されている2,4
50MHzのマイクロ波が、そのまま極めて有効に使用
できる。
【0022】また温度調整媒体の量は、ポリウレタン樹
脂エマルジョン混合液を入れる容器の形状等により左右
されるが、概ね、容器内のポリウレタン樹脂エマルジョ
ン量の1/10から1/2程度の範囲内である。なおこ
こで、混合液を入れる容器とは、多孔質体を所望の形状
に成形するための成形型をいう。この成形型の形状とし
ては、密閉タイプでも、上面開放型であってもよい。容
器の材質としては、如何なるものも使用することができ
るが、マイクロ波の影響によりスパーク等の防止対等を
行っておくのが望ましい。
【0023】ところで本発明者の検討によれば、ポリウ
レタン樹脂エマルジョンの粒子構造の差異、具体的に
は、自己乳化型ポリウレタンエマルジョンを使用する場
合と、強制乳化型ポリウレタンエマルジョンを使用する
場合との差異により、緻密なポリウレタン多孔質体を生
成させる重要な要因となるゲル化のメカニズムが、両者
で異なることを見出した。
【0024】すなわち、自己乳化型ポリウレタン樹脂エ
マルジョンを使用した場合には、室温下にポリアミン化
合物が分子内のカルボン酸基と反応し、不溶性の塩を作
ることでゲル化を生じ、次いで、加熱による水溶性ポリ
イソシアネート化合物の末端イソシアネート基の解離に
より再生するイソシアネート基が、ポリアミン化合物と
反応して水溶性ポリイソシアネート化合物の鎖伸張反応
が生じ、この反応過程でポリウレタン樹脂エマルジョン
粒子を取り込んで、緻密な連続気孔を有するポリウレタ
ン多孔質体となると考えられる。
【0025】これに対し、強制乳化型ポリウレタン樹脂
エマルジョンを使用した場合には、強制乳化型ポリウレ
タン樹脂エマルジョンの表面が乳化剤で被覆されている
ために、水溶性ポリイソシアネート化合物およびポリア
ミン化合物との混合物は、室温下において極めて安定で
あり、この段階ではゲル化は生じない。したがって、こ
の混合物が加熱されることにより、曇点や、pH変化に
よる混合液の不安定化からのゲル化現象と、水溶性ポリ
イソシアネート化合物の末端イソシアネート基の解離に
より再生するイソシアネート基が、ポリアミン化合物と
反応して水溶性ポリイソシアネート化合物の鎖伸張反応
による硬化物生成がほぼ同時に生じ、この反応過程でポ
リウレタン樹脂エマルジョン粒子を取り込んで、緻密な
連続気孔を有するポリウレタン多孔質体となると考えら
れる。
【0026】したがって本発明は、請求項1に記載の製
造方法において使用するポリウレタン樹脂エマルジョン
としては、自己乳化型ポリウレタンエマルジョンまたは
強制乳化型ポリウレタンエマルジョンを使用することが
できる。
【0027】また請求項3に記載の本発明は、請求項1
に記載の製造方法において、さらに水溶性高分子化合物
を存在させて行うポリウレタン多孔質体の製造方法であ
る。この場合に添加される水溶性高分子化合物は、ポリ
ウレタン樹脂エマルジョンに対する構造粘性付与剤、す
なわち粘度調整剤としての役割も果たすものであり、ポ
リウレタン樹脂エマルジョン中のエマルジョン粒子がブ
ロック化する際の吸着サイトとして作用すると考えられ
る。
【0028】さらに請求項4に記載の本発明は、請求項
1に記載の製造方法において使用する水溶性ポリイソシ
アネート化合物として、より具体的には、末端イソシア
ネート基が重亜硫酸ナトリウムによりマスクされたイソ
シアネート化合物を使用するポリウレタン多孔質体の製
造方法である。
【0029】かかる水溶性ポリイソシアネート化合物を
使用することにより、低温での末端イソシアネート基の
解離が生じる。ここで再生したイソシアネート基は、ポ
リアミン化合物と反応して、水溶性ポリイソシアネート
化合物を水不溶化にさせると共に、一部のイソシアネー
ト基が主剤のポリウレタン樹脂と反応し、主剤のポリウ
レタン樹脂エマルジョンをゲル化させ、目的とする緻密
で均一な連続気孔を有するポリウレタン多孔質体を製造
し得る特徴を有する。
【0030】
【発明の実施の形態】上記したように本発明で使用しう
るポリウレタン樹脂エマルジョンとしては、基本的に
は、強制乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョンあるいは
自己乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョン等のいずれも
使用が可能である。自己乳化型ポリウレタンエマルジョ
ンとは、ポリウレタンエマルジョンのなかでカルボン酸
基が存在するもの全てを意味し、例えば、ジメチロール
プロピオン酸、ジメチロールブタン酸等の、分子内にカ
ルボン酸基を有するポリヒドロキシ化合物を共重合する
ことで得ることができる。一方、強制乳化型ポリウレタ
ン樹脂エマルジョンとは、カルボン酸基を有しない、強
制的に乳化したポリウレタン樹脂エマルジョンを意味す
る。
【0031】このポリウレタン樹脂エマルジョンの組成
としては、ポリオール成分とポリイソシアネート成分か
らなるものであり、ポリオール成分としては、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポ
リ−2−メチルテトラメチレングリコール、ポリブタン
ジオールアジペート、ポリ−3−メチルペンタンジオー
ルアジペート、ポリ−1,6−ヘキサンジオールアジペ
ート、ポリネオペンチルグリコールアジペート、ポリ−
3−メチルペンタンジオールカーボネート、ポリノナン
ジオールカーボネート、ポリエチレングリコールアジペ
ート、ポリカプロラクトン、ポリ−β−メチルバレロラ
クトン等を単独、または併用して使用することができ
る。
【0032】さらに、ポリオール成分としての短鎖ジオ
ール化合物としては、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジ
オール、ノナンジオール、オクタンジオール、ジメチロ
ールヘプタン等のグリコールおよび上記したジメチロー
ルプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等が使用可能で
ある。
【0033】一方ポリイソシアネート成分であるジイソ
シアネート化合物としては、トルエンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、4,4’−ジエニルメタンジイソシアネ
ート、ノルボルネンジイソシアネート、キシレンジイソ
シアネート、リジンジイソシアネート等が使用できる。
【0034】また鎖伸張剤として短鎖ジアミン化合物を
使用することもできる。そのような短鎖ジアミン化合物
としては、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミ
ン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、ビス
(p−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノシク
ロヘキシル)メタン、ヒドラジン、ピペラジン、テトラ
エチレンペンタミン等が使用できる。
【0035】ポリウレタン樹脂エマルジョンの合成は、
アセトン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリド
ン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の有
機溶媒を用いて、プレポリマー合成時の粘度を下げてそ
のままポリウレタンエマルジョン中に残存させてもよ
く、一部減圧蒸留により除去してもよい。
【0036】本発明のポリウレタン樹脂エマルジョンに
対するゲル化剤/架橋剤として使用する水溶性ポリイソ
シアネート化合物としては、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール/
ポリプロピレングリコールブロック共重合体、ポリテト
ラメチレングリコール、テトラヒドロフラン/2−メチ
ルテトラヒドロフランランダム共重合体、ポリブタンジ
オールアジペート、ポリエチレングリコールアジペー
ト、ポリヘキサンジオールアジペート、ポリネオペンチ
ルグリコールアジペート、ポリ−3−メチルペンタンジ
オールアジペート等のジヒドロキシ化合物と、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、ノルボネンジイソシアネート、トルエンジイソシア
ネート等のジイソシアネートとの付加反応物であり、末
端にイソシアネート基を有するプレポリマーを合成した
後、末端のイソシアネート基を重亜硫酸ナトリウム、メ
チルエチルケトンオキシム、フェノール等の化合物でマ
スク(ブロック)したものである。
【0037】そのなかでも、低温状態でイソシアネート
基を解離しやすいものが好ましく、特に、重亜硫酸ナト
リウム(NaHSO)によるブロック体が最も好まし
く使用される。これらの水溶性ポリイソシアネート化合
物にあっては、その水溶液または水分散液を使用するこ
とができる。使用可能なものとしては、具体的には、第
一工業製薬製のエラストロンBAP、エラストロンE−
37、日華化学製エバファノールAL−3等を挙げるこ
とができる。
【0038】これらの水溶性ポリイソシアネート化合物
中における有効な潜在イソシアネート%(NCO%)
は、2〜15%の範囲であり、一般的には、これらの1
0〜30%水溶液または水分散液が使用される。
【0039】本発明のポリウレタン樹脂エマルジョンに
対するゲル化反応/架橋反応に使用する上記の水溶性ポ
リイソシアネートの使用量としては、具体的には、固形
分25〜60%のポリウレタン樹脂エマルジョン100
重量部あたり、これらのゲル化促進剤(兼架橋剤)を5
0〜200重量部使用するのが好ましい。この量が少な
いと、ポリウレタン樹脂エマルジョンのゲル化は十分に
進行せず、また、反面多すぎると多孔質体構造が粗大化
する場合がみられる。
【0040】一方、水溶性ポリイソシアネート化合物に
対する二次架橋剤として使用するポリアミン化合物は、
水溶性ポリイソシアネート化合物を加熱した際に、末端
に解離・生成したポリイソシアネート基との反応に関
し、水との競争反応に打ち勝つと共に、水溶性ポリイソ
シアネート化合物を確実に水に不溶化し、かつ、ポリウ
レタンエマルジョンをゲル化するために使用されるもの
である。
【0041】そのようなポリアミン化合物としては、
3,3’−ジアミノジプロピルアミン、エチレンジアミ
ン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−ジアミノペ
ンタン、1,5−ジアミノペンタン、1,4−ジアミノ
ブタン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘ
プタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,
3−アミノメチルシクロヘキサン、1,4−ジアミノシ
クロヘキサン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エ
タン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、
1,4−ビス(3−アミノプロポキシ)ブタン、1,2
−ビス(アミノエトキシ)エタン、2−ヒドロキシルア
ミノプロピルアミン、ビス−(3−アミノプロピル)エ
ーテル、1,3−ビス−(3−アミノピロポキシ)−
2,2−ジメチルプロパン、イミノビスプロピルアミ
ン、メチルイミノビスプロピルアミン、ラウリルアミノ
プロピルアミン、N,N’−ビスアミノプロピル−1,
3−プロピレンジアミン、N,N’−ビスアミノプロピ
ル−1,4−ブチレンジアミン、ポリエチレンジアミ
ン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン、ノルボルナンジアミン、プロピレンジアミ
ン、ヒドラジンヒドラート、テトラエチレンペンタミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
ペンタエチレンヘキサミン、ピペラジン、2−メチルピ
ペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−アミノメ
チルピペラジン、ホモピペラジン、4−アミノメチルピ
ペリジン、(3R)−(+)−3−アミノピロリジン、
(3S)−(−)−3−アミノピロリジン等が使用でき
る。
【0042】また、ポリプロピレンオキサイドのジアミ
ン末端物、例えば、α,ω−ジアミノポリプロピレンオ
キサイド、およびポリアミン末端物、例えば、トリメチ
ロールプロパンまたはグリセリンのプロピレンオキサイ
ド付加物で末端アミノ基を有するもの等を使用すること
もできる。ポリプロピレンオキサイドのジアミン末端物
としの分子量は、例えば230〜2,000程度のもの
が使用でき、また、ポリアミン末端物の分子量として
は、例えば480〜5,000程度のものが使用でき
る。
【0043】これらのポリアミン化合物の使用量は、本
発明者の検討によれば、水溶性ポリイソシアネート化合
物のイソシアネート基に対して、60〜100%の等量
比が好ましい。50%以下ではイソシアネート基と水と
の反応により生成する炭酸ガスによる粗大孔および亀裂
発生がみられる。また100%を越える場合には、炭酸
ガスの発生は完全に抑制できるものの、多孔質体の形成
が困難なものとなる。
【0044】本発明のポリウレタン樹脂エマルジョンの
ゲル化/架橋化に際して、上記したポリウレタン樹脂エ
マルジョン、水溶性ポリイソシアネート化合物およびポ
リアミン化合物以外に、水溶性高分子化合物をさらに添
加することもできる。
【0045】かかる水溶性高分子化合物は、ポリウレタ
ン樹脂エマルジョンが感熱ゲル化する際の凝集剤として
機能するもの、すなわち、ポリウレタン樹脂エマルジョ
ン中のエマルジョン粒子がブロック化する際の吸着サイ
トとして部分的に作用し、ゲル化前の状態における、い
わば構造粘性を形成するもの(構造粘性付与剤)と考え
られる。
【0046】使用可能な構造粘性付与剤である水溶性高
分子化合物としては、カルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコ
ール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチル
セルロース等が挙げられる。これらの水溶性高分子化合
物の添加量としは、概略ポリウレタン樹脂エマルジョン
に対し1〜10%程度の範囲内であり、あらかじめ水溶
液として調製しておいたものを添加するのが好ましい。
【0047】本発明が提供するポリウレタン多孔質体の
製造方法は、基本的には、ポリウレタン樹脂エマルジョ
ン、水溶性ポリイソシアネート化合物およびポリアミン
化合物を主成分とし、さらに所望により水溶性高分子化
合物を含有するポリウレタン樹脂エマルジョン混合溶液
を、浸漬加熱およびマイクロ波加熱を併用して均一に加
熱してゲル化を行うと共に架橋反応を行い、さらに水洗
することにより製造することができる。
【0048】なおこの場合、使用するポリウレタン樹脂
エマルジョンとして自己乳化型ポリウレタン樹脂エマル
ジョンを使用する場合と、強制乳化型ポリウレタン樹脂
エマルジョンを使用する場合では、ゲル化の過程が異な
るものである。すなわち、自己乳化型ポリウレタン樹脂
エマルジョンを使用した場合には、ポリウレタン樹脂エ
マルジョン、水溶性ポリイソシアネート化合物およびポ
リアミン化合物、さらに所望により水溶性高分子化合物
を含有する混合溶液は、室温下であっても、ポリウレタ
ン樹脂エマルジョン中のエマルジョン粒子同士を、吸着
させ、ブロック化し、次いでそのブロック化した分散状
態を維持たままゲル化が進行する。次いで、加熱による
水溶性ポリイソシアネート化合物の末端イソシアネート
基の解離により再生するイソシアネート基が、ポリアミ
ン化合物と反応して水溶性ポリイソシアネート化合物の
鎖伸長反応が生じ、この反応過程でポリウレタン樹脂エ
マルジョン粒子を取り込んで、緻密で均一な連続気孔を
有するポリウレタン多孔質体が製造される。
【0049】すなわち、自己乳化型ポリウレタン樹脂エ
マルジョンを使用した場合のポリウレタン樹脂エマルジ
ョンのゲル化/架橋反応におけるポリウレタン多孔質体
の製造においては、ポリウレタン樹脂エマルジョン、水
溶性ポリイソシアネート化合物およびポリアミン化合
物、さらに所望により水溶性高分子化合物を含有する配
合液は、自己乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョンのカ
ルボキシル基とポリアミン化合物との反応が進行し、不
溶性の塩を作ることでゲル化が生じる。次いで、加熱さ
れることにより、水溶性ポリイソシアネート化合物にお
ける末端イソシアネート基のブロック部分の解離反応が
生じ、その結果、遊離したイソシアネート基がポリウレ
タン樹脂と架橋反応し、エマルジョン粒子を取り込ん
で、より一層強固な分子構造、いわゆるポリウレタンポ
リウレア構造を形成することにより、耐水性に優れた連
続気孔を有する多孔質体になると考えられる。
【0050】一方、強制乳化型ポリウレタン樹脂エマル
ジョンを使用した場合には、ポリウレタン樹脂エマルジ
ョン、水溶性ポリイソシアネート化合物、水溶性高分子
化合物を含有する混合溶液は、通常室温下で安定である
ため、このままではゲル化は生じない。しかしながら、
水溶性ポリイソシアネート化合物として重亜硫酸ナトリ
ウムによるブロック体を使用し、ポリアミンを添加する
と室温下であっても徐々にゲル化が進行する。
【0051】すなわち、強制乳化型ポリウレタン樹脂エ
マルジョン、重亜硫酸ナトリウムブロック化水溶性ポリ
イソシアネート化合物およびポリアミン化合物、さらに
所望により水溶性高分子化合物を含有する混合溶液は、
室温においても水溶性ポリイソシアネート化合物におけ
る重亜硫酸ナトリウムブロックの一部が解離し、その結
果、遊離したイソシアネート基がポリアミン化合物と反
応して高分子化し、水溶性ポリイソシアネート化合物の
不溶化が生じる。
【0052】ついで、ポリウレタン樹脂エマルジョンの
粒子同士の吸着、さらにはポリウレタン樹脂エマルジョ
ンの粒子の不溶化した水溶性ポリイソシアネート化合物
への吸着が生じ、ゲル化反応が進行する。次いで加熱す
ることにより、粒子同士の結合がより強固になると共
に、水溶性ポリイソシアネート化合物のブロックの解離
がより完全に進行し、ポリウレタン樹脂との架橋反応を
する。その結果、より強固な分子構造を形成し、耐水性
に優れた連続気孔を有する多孔質体をなると考えられ
る。
【0053】したがって、ポリウレタン樹脂エマルジョ
ンをゲル化させ、さらに架橋反応させる条件としては、
ポリウレタン樹脂エマルジョン、重亜硫酸ナトリウムブ
ロック化水溶性ポリイソシアネート化合物およびポリア
ミン化合物、さらに所望により水溶性高分子化合物を含
有する混合溶液を室温にてゲル化させ、次いで好ましく
は40〜130℃、さらに好ましくは50〜95℃程度
に加熱することにより架橋反応を行わせることにより行
うことが可能である。
【0054】しかしながら、室温にてポリウレタン樹脂
エマルジョン混合溶液のゲル化を行う場合にあっては、
温度変化や局所的ゲル化による不均一なゲル化状態、例
えば沈降や分離といった現象を回避するために、ある一
定温度での瞬間的なゲル化を求める原因にもなってい
る。安定したゲル化に長い時間がかかることは、極めて
非効率的であり、その生産性を損なう原因ともなってい
た。
【0055】したがって、室温状態ではゲル化させにく
くしておき、加熱を行うことにより感熱ゲル化の反応性
を高めて多孔質体の形成を行うことが、製造時間の短縮
や均一な多孔質体を製造できることにつながり好ましい
ものである。しかしながら、液状状態のままの加熱は、
従来、加熱容器外部から単純に熱媒体あるいは加熱空気
による加熱手段により行われていたものであり、かかる
手段では、加熱容器側壁部あるいはポリウレタン樹脂エ
マルジョン混合溶液の表面部から中心部に向かって温度
勾配が生じることうより、ポリウレタン樹脂エマルジョ
ン混合溶液に流動現象が生じゲル化が不均一になるこ
と、さらに側壁部より中心部に向かって徐々にゲル化、
架橋反応が進行する傾向があった。その結果、形成され
る多孔質体の均質性が損なわれ、多孔質体中心部と外縁
部で孔の緻密さや強度、弾性感等が異なったものとな
る。
【0056】したがって本発明の製造方法においては、
使用するポリウレタン樹脂エマルジョンとして自己乳化
型ポリウレタン樹脂エマルジョンを使用する場合であっ
ても、また強制乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョンを
使用する場合であっても、製造時間の短縮化のために、
ポリウレタン樹脂エマルジョン混合溶液を浸漬加熱およ
びマイクロ波加熱を併用した均一加熱処理により行い、
所望の緻密で均一な連続気孔を有するポリウレタン多孔
質体の製造を行う点に特徴がある。
【0057】具体的には、ポリウレタン樹脂エマルジョ
ン混合溶液を容器に入れ、該容器を温度調整熱媒体に浸
漬させ、ポリウレタン樹脂エマルジョン混合溶液と温度
調整熱媒体との両者を、同時にマイクロ波加熱すること
により行われる。このマイクロ波加熱により、温度調整
熱媒体とポリウレタン樹脂エマルジョン混合溶液はほぼ
同時に温度変化をきたすこと、また、加熱容器を浸漬さ
せた温度調整熱媒体が流動し均一化の役目を果たすこと
より、マイクロ波加熱によりポリウレタン樹脂エマルジ
ョン混合溶液系の全体が均一に温度変化することとな
り、加熱容器内部での温度差による流動現象が生じるこ
とがない。したがって、ポリウレタン樹脂エマルジョン
混合溶液は、均一なゲル化ならびに架橋反応が生じ、得
られるポリウレタン多孔質体は、所望の緻密で均一な連
続気孔を有するポリウレタン多孔質体となるのである。
【0058】なお、加熱容器としてジャケット付きの容
器を用い、ジャケット内部に温度調整熱媒体を充填さ
せ、かかるジャケット付き容器をマイクロ波加熱する手
段を採用することも可能である。このような温度調整熱
媒体としては、水単独、あるいは水とエチレングリコー
ルとの混合液、または無機塩水溶液を使用することがで
きる。また、加熱容器の内面は、架橋反応後の樹脂の付
着を防止する目的で、離型性に優れるものとするのが好
ましく、特に、所謂フッ素樹脂コーティングしたものが
挙げられる。
【0059】本発明者の検討によれば、ポリウレタン樹
脂エマルジョン混合溶液を含有する加熱容器を温度調整
熱媒体に浸漬させることなくマイクロ波加熱のみを行っ
た場合には、ポリウレタン樹脂エマルジョン混合溶液が
ゲル化を生じるものの未硬化部分が残り、均一な多孔質
体を得ることはできないものであった。また一方、ポリ
ウレタン樹脂エマルジョン混合溶液を含有する加熱容器
を浸漬加熱のみ行うと、短時間でゲル化を生じるが、所
望する多孔質体を得るには、高温で長時間を要してい
た。
【0060】したがって、本発明はまた別の態様とし
て、本発明の特異的製造方法により製造することが可能
となる、極めて緻密で均一な連続気孔を有するポリウレ
タン多孔質体を提供するものでもあり、具体的な請求項
5に記載の本発明は、ポリウレタン樹脂エマルジョン
を、水溶性ポリイソシアネート化合物およびポリアミン
化合物の存在下にゲル化し、次いで架橋反応させて得ら
れた表面、特に容器に接した面にスキン層がなく、平均
セル径が100μ以下で、全体が緻密かつ均一な微細多
孔質構造を有することを特徴とするポリウレタン多孔質
体を提供するものでもある。
【0061】本発明におけるゲル化、架橋反応に際して
は、その他の成分として着色剤、抗菌剤、消泡剤、増粘
剤等、高分子化学品加工上汎用されている他の成分を、
必要に応じて併用することもできることはいうまでもな
い。
【0062】なお、上記した本発明の製造方法において
は、架橋反応の終了後に水洗工程を設けているが、この
水洗工程は架橋反応に使用した水溶性ポリイソシアネー
トのブロック剤、所望により添加した水溶性高分子化合
物、あるいはさらに添加した慣用成分としての消泡剤、
増粘剤、pH調整剤等を水洗し除去するために行われる
ものである。
【0063】以上の製造法により製造される本発明のポ
リウレタン多孔質体は、緻密で均一な連続気孔を有する
ポリウレタン多孔質体であり、その平均セル径は100
μ以下、特に表面部から中心部までが5〜50μm程度
のポリウレタン多孔質体であり、例えばシート状物とし
て、介護医療用品としてのベッド、健康福祉用品、化粧
品用のパフ、研磨材シート、農業資材、電子機器製造関
係資材、空気洗浄機器フィルター、人工皮革等の各種製
品に使用し得る。
【0064】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものでは
ない。
【0065】実施例1:エバファノールAP−EXP.
No.AN−12(ポリカーボネート系ポリウレタンエ
マルジョン;固形分35%;日華化学社製)100g、
エバファノールAL−3(水溶性ポリイソシアネート;
重亜硫酸ナトリウムブロック型;日華化学社製)100
g、10%カルボキシメチルセルロース水溶液15.0
g、ヘキサメチレンジアミン4.4g、アデカネートB
943(鉱物油系消泡剤;旭電化社製)2.0g、A7
180(ポリアクリル酸塩水溶液;粘度調整剤;東亞合
成社製)1.0gおよび水15gを秤量し、攪拌機にて
均一に混合した。次いでこの混合物をsus304製容
器内に入れ、密封した。該容器を、水を温度調整媒体と
する容器内に浸漬させ、次いで、この容器を温度調整媒
体と共にマイクロ波加熱(2,450MHz、600
W、12分処理)した。反応終了後、水洗を行い、乾燥
させて本発明のポリウレタン多孔質体を得た。このもの
は、5〜10μmの緻密な空隙(気孔)を有する均質な
多孔質体であった。
【0066】比較例1:実施例1において、容器をマイ
クロ波加熱することなく、水を温度調整媒体とする容器
内に浸漬させ60℃にて加熱処理を行い同様に反応処理
した。得られたポリウレタン多孔質体は、表面にスキン
層がみられ、また多孔質体内部のセル構造は不均一なも
のであった。
【0067】比較例2:実施例1において、容器を、水
を温度調整媒体とする容器内に浸漬させることなくマイ
クロ波加熱処理を行い同様に反応処理した。得られたポ
リウレタン多孔質体の内部のセル構造は不均一なもので
あり、中心部付近には未発泡部分のままであった。
【0068】実施例2:実施例1と同様の処方によりポ
リウレタン樹脂エマルジョン混合溶液を得、次いでこの
混合溶液をsus304製のジャケット付き加熱容器内
に入れ、密封した。加熱容器のジャケット内には温度調
整媒体として水を充填させた。次いで、この容器全体を
マイクロ波加熱した。反応終了後、水洗を行い、乾燥さ
せて本発明のポリウレタン多孔質体を得た。このもの
は、5〜10μmの緻密な空隙(気孔)を有する均質な
多孔質体であった。
【0069】実施例3:実施例1において使用したエバ
ファノールAP−EXP.No.AP−12に代えて、
エバファノール APC55(日華化学製)を用い、実
施例2と同様に反応処理して、ポリウレタン多孔質体を
得た。このものも5〜10μmの緻密な空隙(気孔)を
有する均質な多孔質体であった。
【0070】実施例4:実施例1において使用したヘキ
サメチレンジアミンに代えてイソホロンジアミンを使用
した以外は実施例2と同様に反応処理し、ポリウレタン
多孔質体を得た。このものも5〜10μmの緻密な空隙
(気孔)を有する均質な多孔質体であった。
【0071】実施例5:実施例1において使用したエバ
ファノールAP−EXP.No.AP−12に代えて、
自己乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョン(HUX29
0HM63:旭電化社製)を用い、攪拌機にて均一に混
合した。この段階で混合物はゲル化を生じていた。次い
でこの混合物をsus304容器内に入れ、密封したの
ち、水を温度調整媒体とする容器内に浸漬させ、次い
で、この容器を温度調整媒体と共にマイクロ波加熱し
た。反応終了後、水洗を行い、乾燥させて本発明のポリ
ウレタン多孔質体を得た。このものは、5〜10μmの
緻密な空隙(気孔)を有する均質な多孔質体であった。
【0072】本発明が提供するポリウレタン多孔質体の
多孔質構造の比較・検討として、上記の実施例1〜5で
得た多孔質体について表面スキン層の有無、ならびに多
孔質体を均等間隔で3ヶ所切断し、その切断部分におけ
る層の空隙状態、亀裂発生の有無、多孔質体の全体の孔
密度状態、寸法安定性を検討した。その結果を以下の表
1中にまとめて示した。
【0073】
【表1】表1
【0074】
【発明の効果】以上記載したように、本発明はポリウレ
タン樹脂エマルジョン、水溶性ポリイソシアネート化合
物およびポリアミン化合物を主成分とする混合液を、浸
漬加熱およびマイクロ波加熱を併用した均一加熱処理に
よりゲル化させると共に架橋反応させることを特徴とす
るポリウレタン多孔質体の製造方法を提供するものであ
り、特に、均一加熱処理手段が、ポリウレタン樹脂エマ
ルジョン混合液、および該混合液を含有する容器を浸漬
する温度調整媒体の両者を、同時にマイクロ波加熱する
ことからなる方法を提供する。
【0075】かかる特異的な加熱方法により、従来の加
熱方法でみられていたポリウレタン多孔質体内部のセル
の不均一さが回避され、極めて緻密で均一な連続気孔を
有するポリウレタン多孔質体を製造することができる利
点を有している。
【0076】また、従来にあってはポリウレタン樹脂エ
マルジョン混合液のゲル化段階で、長時間室温放置する
など製造時間に長時間要していたものが、本発明の製造
方法により1/10程度の短縮化が図れ、製造コストの
著しい低減が得られる利点を有している。
【0077】さらに本発明にあっては、ポリウレタン樹
脂エマルジョンを、水溶性ポリイソシアネート化合物お
よびポリアミン化合物の存在下にゲル化し、次いで架橋
反応させて得られたポリウレタン多孔質体が提供され、
従来の水溶性ポリイソシアネート化合物を使用する場合
に認められる巨大セルの発生を回避させた、所望する緻
密な連続気孔を有するポリウレタン多孔質体が提供され
る利点を有する。
【0078】特に、本発明の製造方法により提供される
ポリウレタン多孔質体は、ゲル化/で架橋反応において
浸漬加熱とマイクロ波加熱を併用することから、ポリウ
レタン多孔質体として表面にスキン層がなく、セルの空
隙状態(密度状態)が表面から中心部まで微細かつ均一
なものであり、肌触りが極めて良好な多孔質体を得るこ
とが可能となり、その応用性は多大なものである。
【0079】さらに、本発明のポリウレタン多孔質体に
あっては、水溶性ポリイソシアネート化合物および二次
架橋剤としてのポリアミン化合物を併用することから、
浸漬加熱とマイクロ波加熱を併用してポリウレタン樹脂
エマルジョンをゲル化状態とした場合でも、エマルジョ
ン粒子同士が強固にブロック化し、かつ均一/微細なブ
ロック状態でのゲル化を保持することができ、肉厚の多
孔質体の場合であっても、層全域の多孔質構造が極めて
均一緻密で、寸法安定性の良好な、強度的に優れたポリ
ウレタン多孔質体が得られる利点を有する。特に、成形
容器と接した面も、スキン層がほとんどない状態の均一
な多孔質構造になっているために、表面層を除去するこ
となくそのまま使用することが可能となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン樹脂エマルジョン、水溶性
    ポリイソシアネート化合物およびポリアミン化合物を主
    成分とする混合液を、浸漬加熱およびマイクロ波加熱を
    併用した均一加熱処理によりゲル化させ、次いで架橋反
    応させることを特徴とするポリウレタン多孔質体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 ポリウレタン樹脂エマルジョン、水溶性
    ポリイソシアネート化合物およびポリアミン化合物を主
    成分とする混合液と、該混合液を入れた容器を浸漬する
    温度調整媒体との両者を、同時にマイクロ波加熱する請
    求項1に記載のポリウレタン多孔質体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記混合液に構造粘性付与剤として、水
    溶性高分子化合物をさらに存在させた請求項1または2
    に記載のポリウレタン多孔質体の製造方法。
  4. 【請求項4】 水溶性ポリイソシアネート化合物が、末
    端イソシアネート基が重亜硫酸ナトリウムによりマスク
    されたイソシアネート化合物である請求項1または2に
    記載のポリウレタン多孔質体の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリウレタン樹脂エマルジョンを、水溶
    性ポリイソシアネート化合物およびポリアミン化合物の
    存在下にゲル化し、次いで架橋反応させて得られた表面
    にスキン層がなく、平均セル径が100μ以下で、全体
    が緻密かつ均一な微細多孔質構造を有することを特徴と
    するポリウレタン多孔質体。
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