JP4758158B2 - 高吸水性ポリウレタン多孔質体 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスや半導体製品等の洗浄後に表面に残存する水滴を除去し、ウォータースポットを解消する吸水性ロール、化粧用のパフ、各種半導体または光学材料等の研磨パット、湿布剤、インキ保持材、フィルター、化学雑巾、緩衝材、人工皮革、合成皮革などに利用できる、均一で微細なセル形状を有し、吸水性に優れたポリウレタン多孔質体に関する。
従来から、ポリウレタン多孔質体は、ポリウレタン樹脂エマルジョンを、水溶性ポリマー、例えばポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシプロピルセルロースあるいはデンプン等の水溶性高分子化合物の存在下に感熱ゲル化を行った後、架橋剤により架橋反応させ、不溶化させたのち、水溶性ポリマーや水溶性高分子化合物を水洗し、除去する方法で製造されていた。
この製造法では、水溶性ポリマーや水溶性高分子化合物を水洗し、完全に除去する必要があるために生産効率的にはあまり良いものではないと共に、均一で微細なセル形成することが難しいものである。
また、水溶性ポリマーを使用しないポリウレタン多孔質体の製造法が提供されており、その方法としては、例えば、ポリウレタンエラストマーの水分散体(エマルジョン)に結晶水を吸収しうる塩類を加えて攪拌し、さらに水溶性の塩類を添加して混練して半流動性の状態とした後に型成形し、加熱処理し、水洗を行うことにより添加した両塩類を除去することからなるポリウレタン多孔質体の製造法である(特許文献1及び2)。
しかしながらこの方法にあっても、加熱処理した後に、ポリウレタン樹脂エマルジョンに対して添加使用した結晶水を吸収しうる塩類、ならびに水溶性の塩類の両者を、水洗により完全に除去しなければならず、生産性の面で好ましくなく、均一微細セルの点でも不十分である。さらに無機塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム等が多孔質体に残留すると、ポリウレタン多孔質体を劣化させる原因となるために極めて好ましくない。
一般に、ポリウレタン樹脂エマルジョンを感熱ゲル化し、次いで架橋剤による架橋反応によりポリウレタン多孔質体を得る場合には、感熱ゲル化の段階において、ポリウレタン樹脂エマルジョン粒子が水中で不安定化し、乳化状態を失い、ポリイソシアネート化合物等の架橋剤と複合化してより一層強固な分子構造を形成し、微細なセル構造を有するポリウレタン多孔質体を得ることができると考えられている。
したがって、均一で微細なセルを有するポリウレタン多孔質体を製造する場合の重要な要素としては、ポリウレタン樹脂エマルジョンを加熱したときのゲル化融着を如何にうまく行うかである。
上記の内容を考慮すると、ポリウレタン樹脂エマルジョンのゲル化による多孔質構造を形成するためのポリウレタン樹脂エマルジョン粒子の擬似三次元構造体を形成する役割を果たすと考えられる水溶性ポリマーを使用することなく、エマルジョンの粘度等を特段考慮せずに、均一で微細なセル構造を有するポリウレタン多孔質体を得るには、ポリウレタン樹脂エマルジョンをゲル化させる際に、ポリウレタン樹脂粒子がゲル化融着を均一に起こさせるようなものを添加することで可能となると考えられる。
かかる考え方に立脚して、水溶性ポリマーに替わるエマルジョンの吸着剤として無機鉱質物からなる多角形状を有する微細物をエマルジョンの吸着剤として使用するポリウレタン多孔質体の製造法が提案されている(特許文献3)。
また同様、ポリウレタン樹脂エマルジョン中のポリウレタン樹脂の架橋剤である水溶性ポリイソシアネート化合物を、二次架橋剤としてのジアミン化合物で鎖伸長させながら、強固なブロック構造を形成し、ポリウレタン樹脂エマルジョンを感熱ゲル化させて、緻密なポリウレタン多孔質体を得る方法も提案されている(特許文献4)。しかしながら、これらの方法により得られたポリウレタン多孔質体は、均一で微細なセル構造を有しているものの、寸法安定性において多少問題があり、優れた吸水性を有するものではなかった。
また、ポリウレタン樹脂エマルジョンをゲル化、架橋させて得られたポリウレタン多孔質体の吸水性を向上させる方法として、得られたポリウレタン多孔質体に界面活性剤含有水溶液を含浸させて、多孔質体全面に界面活性剤を付着させて、吸水性を向上させることが行われている。
しかし、このように製造された吸水性を有するポルウレタン多孔質体の吸水速度等の吸水性能は、界面活性剤による後処理等の条件によりバラツキが大きく、吸水等を繰り返すと界面活性剤が脱落してしまい、吸水性能が持続しないものであった。
特開平4−63845号公報 特開平9−48872号公報 特開2002−20529号公報 特開2003−48940号公報
したがって本発明は、かかる問題点を解消した、吸水性に優れ、そのうえ湿潤時の寸法安定性が良好なポリウレタン多孔質体を、簡便に製造し提供することを課題とする。
かかる課題を解決するべく本発明者は鋭意検討した結果、極めて微細な特定の粒子径を有するセルロース微粉末を、ポリウレタン樹脂エマルジョン及びウレタンプレポリマー水溶液に添加し、ゲル化、架橋剤による架橋させることにより、セルロース微粉末が起点になりポリウレタン樹脂の均一で微細なセルからなる多孔質体構造が形成され、セル表面が親水性になることを見出した。このセル表面が親水性になることにより、ポリウレタン多孔質体は優れた吸水性能を有すると共に、湿潤時の寸法安定性も優れたものになることを確認し、本発明を完成させるに至った。
したがって、上記の課題を解決するための本発明は、基本的態様として、ポリウレタン樹脂エマルジョンを、水溶性ウレタンプレポリマーとセルロースの微粉末の存在下にゲル化し、架橋反応させて得られたことを特徴とする吸水性に優れたポリウレタン多孔質体である。
また、本発明は、セルロースの微粉末が、平均粒子径1〜10μmを有するセルロース微粉末であり、さらに、セルロース微粉末を、ウレタン固形分に対し5〜50重量%存在させたことを特徴とするポリウレタン多孔質体である。
すなわち、セルロースの微粉末及びウレタンプレポリマーがポリウレタンエマルジョン粒子と一体化して複合化し、多孔質体(第一次)を形成し、続いてポリウレタン樹脂エマルジョンが加熱によりゲル化し、水中に析出すると同時にこの第一次多孔質体構造と一体化し、第二次多孔質体構造を形成し、本発明の多孔質体構造が完成される。
この場合の第一次多孔質構造とゲル化前のポリウレタンエマルジョン粒子の位置関係は不明であるが、一部は既にセルロース微粉末に吸着されて第一次多孔質構造中にゲル化に近い状態で捕捉されていると考えられ、残りの部分は、表面近くに存在していると考えられる。
また、ポリウレタン樹脂エマルジョン粒子に水溶性ウレタンプレポリマーが吸着する状態が存在し、見掛け上は表面に水溶性ウレタンプレポリマーの末端に存在する重亜硫酸ナトリウムに起因するスルホン酸基を配したアニオン性粒子を形成しているとも考えられる。このような状態に架橋剤のジアミンが反応することで、これらの複合体粒子が水中で不溶化し、多孔質体構造を形成すると考えられる。
本発明により提供されるポリウレタン多孔質体は、極めて微細な連続した多孔質構造、すなわち緻密な連続セル構造を有するものであり、その緻密な連続セル構造の表面は親水性を有しているため、多孔質体自体の吸水性能は極めて良好なものである。そのうえ湿潤時の寸法安定性にも優れるものである。
かかる吸水性能に優れたポリウレタン多孔質体を、ポリウレタン樹脂エマルジョンと水溶性ウレタンプレポリマーのゲル化段階で、微細なセルロース微粉末を単に添加ことによって簡便に達成することができる利点を有している。
したがって、ガラスや半導体製品等の洗浄後に表面に残存する水滴を好適に除去し、ウォータースポットを解消する吸水性ロール、化粧用のパフ、各種半導体または光学材料等の研磨パット、湿布剤、インキ保持材、フィルター、化学雑巾、緩衝材、人工皮革、合成皮革などに好適に使用し得るポリウレタン多孔質体を安価に、かつ簡便に提供しうる利点を有している。
本発明においては、ポリウレタン樹脂エマルジョンと水溶性ウレタンポリマーのゲル化段階において、微細なセルロース微粉末を存在させるのが特徴である。すなわち、添加されたセルロース微粉末は、製造されたポリウレタン多孔質体の微細なセル構造のなかに取り込まれ、そのセル表面を親水性にすることにより、多孔質体の吸水性能が向上されることとなる。
そのようなセルロース微粉末としては、その平均粒子径が1〜10μmのものが好ましく、木材セルロース原料としては、油分の多い杉や松などの針葉樹よりも、楓、ポプラ、柏などの広葉樹系のものが好ましい。
従来のセルロース粉末の一般的な用途としては、医薬品添加物や食品添加物としての増量剤、粒状化促進剤等の用途であり、使用されるセルロース粉末の平均粒子径としては、20〜200μmの範囲内であり、その形状としては繊維状のものが使用されており、アスペクト比として1/3〜1/10程度のものである。
従来のこのようなセルロース微粉末は、低粘度状態、すなわち100cps程度以下のウレタンエマルジョン中に安定して分散することができず、多孔質体におけるセル表面を親水性化する性質を発揮できないものであった。しかしながら、本発明者の検討によれば、平均粒径が10μm以下のセルロース微粉末が、良好にポリウレタン樹脂エマルジョン中に均一に分散し、ゲル化の結果、多孔質体の微細なセル構造のなかに取り込まれ、セル表面を親水性にすることにより、得られた多孔質体は吸水性能に優れ、湿潤時の寸法安定性に優れたものとなることを見出したのである。
すなわち、本発明で使用するセルロース微粉末は、木材セルロースを原料とした二硫化炭素によるキサントゲン酸製法、モルホリン−N−オキサイド溶液法等によるレーヨンあるいはテンセル(登録商標)等として知られているセルロースとは異なり、木材セルロースを乾式粉砕等の方法により、粒径がほぼ限界レベルである1〜10μmのものに微粉砕したものである。かかる微細なセルロース微粉末を使用することにより、従来にない表面性状を備えたポリウレタン多孔質体が得られるのである。
一般に、ナノ材料と称されるものは100nm以下、特に10〜50nm程度の粒子径としたときに急激な性状変化を示すが、本発明で使用するセルロース微粉末にあっては、10μm以下の粒子径とすることで、顕著な形状変化をきたし、ポリウレタン樹脂エマルジョンと水溶性ウレタンプレポリマー中に配合することで、得られたポリウレタン多孔質体に吸水性付与という顕著な効果をもたらすのである。
かかる微細なセルロース微粉末は、例えば、高圧空気中でセルロース粉末を相互に衝突させ粉砕し、10μm以下に微粒子として得ることができる。この粉砕方法は、いわゆるジェットミルと称される装置で行うことが可能である。すなわち、高速エアーが同一円周上の数カ所から吹き出している中に、被粉砕試料を供給し、相互に衝突させることにより粉砕化し、製造される。衝突により粉砕され、軽量化したセルロースの微細粒子は、粒状容器の中心部のエアーポケット部から上昇気流に乗って排出され、バックフィルターで回収される。なお、乾式粉砕されて到達する最終粒径は、原料パルプの組成、空気圧、空気量、粉体供給速度等によって決定することができる。これによりほぼ5〜10μm程度のセルロースの微粉末が製造され、さらに微細にするには、冷凍粉砕等の手段により実施することができる。
かかるセルロース微粉末の添加量は、ポリウレタン樹脂エマルジョンと水溶性ウレタンプレポリマー中のウレタン固形分に対して5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%程度である。
添加量が5重量%未満であると、目的とするポリウレタン多孔質体の微細セル中への取り込みが認められず、セル表面を所望の親水性とすることが困難となる。
また、50重量%を超えて添加すると、ポリウレタン樹脂エマルジョンのゲル化に支障をきたし、その結果所望するポリウレタン多孔質体が製造できないこととなる。
一方、本発明で使用するポリウレタン樹脂エマルジョンとしては、通常の合成法によるものが使用できるが、特に感熱ゲル化性を考慮したものが好ましい。かかるポリウレタン樹脂エマルジョンとしては、いわゆる自己乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョンまたは強制乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョンの両者が使用可能である。
そのようなポリウレタン樹脂エマルジョンの組成としては、ポリオール成分とポリイソシアネート成分からなるものであり、ポリオール成分としてのグリコール成分としては、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ(2−メチルテトラメチレンエーテルグリコール)等を使用することができる。
また、ポリオール成分としてのポリエステルジオールとしては、ポリブチレングリコールアジペート、ポリカプロラクトン、ポリ−3−メチルペンタンジオールアジペート、ポリ−β−メチルバレロラクトン、ポリ−3−メチルペンタンジオールセバケート等を使用することができる。
さらに、ポリオール成分としてのポリカーボネートジオールとしては、ポリヘキサメチレンカーボネート、ポリヘキサメチレン/3−メチル−ペンタンカーボネート等を使用することができる。また単鎖ジオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジメチロールヘプタン、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ノナンジオール、3−メチルペンタンジオール、N−メチルジエタノールアミン等を使用することができる。
一方、ポリイソシアネート成分としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等を使用することができる。
また、上記した以外の特殊なジオールとして、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等を使用することもできる。
さらに、鎖伸張剤として、ジアミン化合物を使用することもできる。そのようなジアミン化合物としては、例えば、ヒドラジンヒドラート、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等を使用することができる。
また、本発明における上記した水溶性ウレタンプレポリマーにおいては、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の末端イソシアネート基を重亜硫酸ナトリウム、メチルエチルケトキシム等で封鎖したものが使用できるが、特に重亜硫酸ナトリウム付加物が、解離温度及び反応性の点で好ましい。
またさらに、これらの水溶性ウレタンプレポリマーとポリウレタンエマルジョン樹脂との架橋反応を進行させるために、触媒を使用することが好ましい。そのような触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫、トリエチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリン、N、N,N’,N’−テトラメチルウレア等である。
本発明に使用される水溶性ウレタンプレポリマーの有効な潜在イソシアネート%(NCO%)は、2〜15%の範囲であり、これらの10〜30%水溶液が使用される。
ポリウレタン樹脂エマルジョンのゲル化/架橋反応に添加される水溶性ウレタンプレポリマーの使用量としては、固形分15〜60%のポリウレタンエマルジョン100重量部あたり、前記水溶液を50〜200重量部加えることが好ましい。水溶性ウレタンプレポリマーの添加量が少ないと、ゲル化が充分に進行せず、多すぎると多孔質体の強度低下を起こし、好ましくない。
本発明が提供するポリウレタン多孔質体は、基本的には、ポリウレタン樹脂エマルジョンと水溶性ウレタンプレポリマー中にセルロースの微粉末を分散せしめてゲル化させ、さらに架橋反応を行い、水洗することにより製造することができる。
当該製造方法において、ポリウレタン樹脂エマルジョンと水溶性ウレタンプレポリマーをゲル化させ、また架橋反応させる条件としては、加圧性密閉容器中で、室温から反応を開始し、約130℃程度までの温度範囲で反応させることにより、完結させることができる。そのような加熱方法としては、容器または注形型を加熱雰囲気中、もしくは熱浴中に浸漬することにより加熱することが可能である。
成形型容器の内面は、架橋反応後の樹脂の付着を防止する目的で、離型性に優れるものとするのが好ましく、特に、所謂フッ素樹脂コーティングしたものが挙げられる。フッ素樹脂コーティングの表面粗さは10μm以下が好ましい。0.1〜1μmであれば、多孔質体としての表面は、鏡面状態に近いものが得られる。
本発明におけるゲル化、架橋反応には、その他の成分として着色剤、抗菌剤、消泡剤、増粘剤等、高分子化学上汎用されている他の成分を、必要に応じて併用することもできることはいうまでもない。
以上の製造法により製造される本発明のポリウレタン多孔質体としては、例えばシート状物として、介護医療用品としてのベッド、健康福祉用品、化粧品様のパフ、研磨材シート、農業資材、電子機器製造関係資材、空気洗浄機器フィルター、人工皮革、湿布剤等の各種製品に使用し得る。
以下に本発明を実施例、比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではないことはいうまでもない。
実施例1〜3/比較例
日本製紙ケミカル社製セルロース微粉末KCフロック(粒子サイズ:20〜200μm、針状晶)をジェットミル(アイシン産業社製:ナノジェットマイザー)で粉砕し、平均粒子径5μmのセルロース微粉末を得、本実験に供した。
エバファノールH107C(日華化学社製;自己乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョン、固形分40%)、エバファノールAL7(日華化学社製;水溶性ウレタンプレポリマー、固形分23%)を主成分として、下記の表1に記載の処方によりポリウレタン多孔質体を製造した。
なお、水溶性高分子化合物としてアルギン酸ソーダ、ジアミン化合物としてN−メチル−ビス(3−アミノプロピル)アミン[MIBPA]を再生イソシアネート量に対して80%モル量使用した。
得られた多孔質体について、その湿潤時寸法変化、吸水速度、湿潤時膨張率、セル形状及び外観を評価し、結果を合わせて表中に示した。
Figure 0004758158
表中の注記については以下のとおりである。
*1:エバファノールHA107C(日華化学社製):自己乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョン、固形分40%
*2:エバファノールAP12(日華化学社製):強制乳化型無黄変ウレタン樹脂エマルジョン
*3:エバファノールAL7(日華化学社製):水溶性ウレタンプレポリマー、固形分23%)
*4:エバファノールAL45(日華化学社製):水溶性ウレタンポリマー(重亜硫酸ナトリウムブロック型)
*5:鉱物油系消泡剤
*6:N−メチル−ビス(3−アミノプロピル)アミン
*7:湿潤時寸法変化は、以下のようにして評価した。
水洗、乾燥したポリウレタン多孔質体の表面に、10cm間隔幅で2本の標線を描き、多孔質体を水に浸漬させ、60分を経過した後の標線幅の寸法変化率を測定した。
評価は、その寸法変化率(%)で示した以外、寸法変化がなかったものを◎で示した。
*8:吸水速度は、以下のようにして評価した。
水洗、乾燥したポリウレタン多孔質体の表面に、約0.1mLの水滴をスポイトで静かに滴下し、滴下した水滴がポリウレタン多孔質体に吸収され、完全に消失するまでの時間を評価した。
評価は、以下の基準に従って評価した。
◎:極めて良好(10秒以内)
○:良好(60秒以内)
×:不良(60秒以上)
*9:湿潤時膨張率は、以下のようにして評価した。
水洗、乾燥したポリウレタン多孔質体を5cm角の正方体として切り出し、その多孔質体を水に浸漬させ、60分を経過した後の膨張変化を測定した。
評価は、以下の基準に従って評価した。
◎:極めて良好(膨張変化を認めない)
○:良好(僅かに膨張変化を認める)
×:不良(膨張変化を認める)
*10:セル形状は、以下の基準で評価した。
走査型電子顕微鏡写真によりポリウレタン多孔質体のセル形状を測定した。
評価は、極めて微細であり、均一で連続したセルの存在を、以下の基準に従って評価した。
◎:80〜100%
○:60〜80%未満
△:60%未満
*11:外観は、以下の基準で評価した。
目視による肉眼判断を行った。評価は以下の基準に従って評価した。
*12:総合評価は、上記の吸水性、膨潤性の結果及びセルサイズを総合的に評価して、以下の基準に従って評価した。
◎:極めて良好
○:良好
△:不良
比較例で得られたポリウレタン多孔質体は、ポリウレタン樹脂エマルジョンのゲル化時において、粒径の大きな(20μm)のセルロース微粉末を添加したものである。
これに対して本発明の実施例で得られたポリウレタン多孔質体は、セルロース微粉末として粒径の小さなもの(5μm)を添加したものである。
表中に示した結果からも判明するように、本発明のポリウレタン多孔質体は、極めて微細であり、均一で連続したセルの構造を有すると共に、良好な寸法安定性を示し、その吸水速度も極めて優れたものであることが判明する。
以上記載したように、本発明により、湿潤時の寸法安定性が良好であり、吸水性に優れ、極めて緻密なセル構造を有するポリウレタン多孔質体が提供される。これらのポリウレタン多孔質体は、吸水性ロール、化粧用のパフ、各種半導体または光学材料等の研磨パット、湿布剤、インキ保持材、板海苔製造用吸液パッド、人工皮革、合成皮革などの完全に空隙が連続したウレタン多孔質体の性質を利用した各種製品分野に好適に利用できるものであり、その産業上の効果は多大なものである。

Claims (2)

  1. ポリウレタン樹脂エマルジョンを、水溶性ウレタンプレポリマーと平均粒子径1〜10μmのセルロース微粉末の存在下にゲル化し、架橋反応させて得られたことを特徴とする高吸水性ポリウレタン多孔質体。
  2. セルロース微粉末を、ウレタン固形分に対し5〜50重量%存在させたことを特徴とする請求項1に記載の高吸水性ポリウレタン多孔質体。
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