JP2000296938A - 紙送りローラ及びその製造方法 - Google Patents

紙送りローラ及びその製造方法

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JP2000296938A
JP2000296938A JP10423699A JP10423699A JP2000296938A JP 2000296938 A JP2000296938 A JP 2000296938A JP 10423699 A JP10423699 A JP 10423699A JP 10423699 A JP10423699 A JP 10423699A JP 2000296938 A JP2000296938 A JP 2000296938A
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feed roller
paper
roughness
silicone
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Mitsuo Hirabayashi
光男 平林
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性が有りかつ、非粘着性に優れた紙送りロ
ーラを備えたプリンタを提供する。 【解決手段】本発明の紙送りローラは、円筒状にシリコ
ーンゴムを成形してなる紙送りローラにおいて、シリコ
ーンゴムに粒径20μmから150μmのけい藻土の充
填材を20重量%から50重量%添加し混合したシリコ
ーン生地を、内面に凹凸加工を加えた金型で成形し、加
熱硬化後、最表面の粗さをRaで3μmから10μm・
Ryで10μmから30μm・Rzで5μmから15μ
mにしたことを特徴とする紙送りローラである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状に形成され
たシリコーン製紙送りロールに関し、感熱性記録紙を介
してセラミック製発熱体(以後ヘッドと言う)に押し付
けることによって印刷を行うプリンタに使用されて紙送
りする紙送りローラに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンビニエンスストアーやスーパ
ーマーケットに広く普及している、バーコード入りのタ
ック性感熱紙は、簡便な包装にその場で計量し価格・重
さ・品目等の表示が可能になっている。
【0003】そして、この種の紙送りローラとしては、
例えばシリコーンゴムやウレタンゴムやCRゴムやEP
DMゴムやスポンジNBRゴムやクロロプレンゴムやフ
ッ素樹脂やフイルムで被覆した前記ゴムを用いたものが
知られている。
【0004】しかしながら、従来のプリンタの紙送りロ
ーラにおいては、発色時の150から300℃耐熱と−
10℃の低温時の紙送り能力(高摩擦係数)問題があっ
た。
【0005】用紙を確実に精度良く送るローラとして、
開60−112565(紙送りローラ:キャノン)があ
るが、ゴムの厚みの不均一で硬度変化による脈動の紙送
りがかんがえられる。
【0006】また、開62−130962(排紙ロー
ラ:東芝)があるが、ローラ表面をタングステンで溶射
膜を形成している。これは後述の比較例2に相当し、耐
久印字で剥離を容易に発生する。
【0007】また、開平8−255435(導電性塗装
ローラー及びその製造方法:日東光学・大東製作所)
は、後述比較例1の様に、表面に硬質体(アルミナやシ
リカなど)が混合樹脂で強固に固定されている。しっか
り紙面に食い込みスムーズな紙送りの実現可能である。
反面、シートフィード時の紙が無いときは、直接印字ヘ
ッドに加圧下で擦られ、ヘッドの摩耗・印字不具合が発
生する要因になる。さらに、硬質体と紙との繰り返し摩
擦により、紙粉の発生が起こり、周辺部品への汚染とプ
リンタの故障誘発要因になる。
【0008】そこで、サーマルプリンターに従来より良
く使われているシリコーンゴムは、温度特性(耐寒性)
において優れ、特にマイナス20℃以下の低温になって
も、急激なゴム硬度が上昇しない特性があった。結果と
して低温時の紙送り能力(シートフィーダー時)は優れ
かつ、電気抵抗発熱体の耐熱温度200℃にも安定した
物性を示し広く採用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シリコーン製
の紙送りローラでも、感熱紙の裏側に粘着性を付与した
タック紙には、専用の離型紙(多くはプラスチックフィ
ルム)を間紙として挟まなければ紙送りロールに巻き付
き紙を送れないという問題がある。
【0010】これは、1回のみの使用の離型紙の廃棄処
分と石油資源のロスという環境への影響の点で、解決し
なければならない課題となっている。また離型紙の厚み
分、太巻きになり離型紙の所蔵スペース確保と重量増加
の点で携帯性に劣り、使用分野が制限されている。
【0011】また、高信頼性(連続使用品質安定性)も
兼ね備えることも必要になる。
【0012】本発明は、このような従来の技術の課題を
解決するためになされたものであり、耐久性が有りか
つ、非粘着性に優れた紙送りローラを提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する目に
本発明の紙送りローラは、粒径20μmから150μm
の充填材を20重量%から50重量%添加し混合したシ
リコーン生地で、外周面の粗さを中心平均粗さが3μm
から10μm、10点平均粗さが10μmから30μ
m、最大粗さが5μmから15μmに形成されている外
周部を有していることを特徴とする。
【0014】上記構成により、紙との片当たりがなく、
紙送り精度を向上させて紙の蛇行や紙の空回りなどない
紙送りローラを提供できる。また、タック紙等に対して
非粘着性を向上させる良好な機能を有する紙送りローラ
を提供できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るプリンタの好
ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。 <実施例1>図1は、本発明の実施1の形態の全体を示
す斜視図であり、図2は、同実施の形態の要部を示すA
A‘断面図である。
【0016】同図に示すように、本実施例の形態の紙送
りローラは、概略、紙送りローラ1と、軸2と、紙送り
ローラ1に添加されているけい藻土3と、紙送りローラ
1の粗い表面層4と軸との密着性を良くする接着剤5と
から構成される。硫黄及び硫黄複合快削鋼線(SUM)
製の軸2に、接着剤5(東レダウコーニングシリコーン
社製プライマーDY39−012)を塗布し乾燥後、図
11の様にあらかじめ金型の内面に面粗し処理(以降
シボ加工と言う)しておき、紙送りローラ1を加硫成形
する。
【0017】外周を研磨は無く、加硫時の軸固定精度で
所定の偏芯を確保する。
【0018】成形後の外周部の面粗度は、ほぼ金型の精
度と同じRaで4μm、Ryで15μm、Rzで10μ
mでほぼ均一な面を形作る。
【0019】次にシリコーンゴムの素材調合工程を説明
する。
【0020】市販ロール用シリコーンゴム(東レダウコ
ーニングシリコーン社製DY32−420U)に、珪藻
土(Dicalite PS:Great Lakes Carbon社)を30重
量%で添加し、後記の加硫剤(C−4:外観は灰白色ペ
ースト状)を0.8部添加し、混合ロール機で20分練
り上げる。シリコーン未加硫ゴムに粒径20μmから1
50μmのけい藻土の充填材を添加したことにより、易
研磨加工性と非粘着性を素材に機能を持たせた。
【0021】加硫成形後の非粘着ロール材の特性を発揮
させるためには、珪藻土そのものは粉末で粘性の有るシ
リコーンゴムとの均一分散が重要である。さらに、その
他後述の充填剤や一般的な添加剤を加えても良い。
【0022】次に紙送りローラの成形加硫工程を説明す
る。
【0023】硫黄及び硫黄複合快削鋼線(SUM)製の
軸2のシリコーンゴムとの接触部分に接着剤5(東レダ
ウコーニングシリコーン社製プライマーDY39−01
2)を塗布し60℃で30分乾燥させる。前記内面シボ
加工を加えた、175℃に加熱してあるゴム金型に、前
記プライマー処理した軸2を金型中心の位置に冶具を調
整しながら設置、上金型を被せる。コンプレッション成
型機に前記金型と前記シリコーンゴム未加硫品を適量秤
量して置く。1次加硫条件は170℃で9分で完全硬化
する。金型から取り出し、高温加熱器に投入し、2次加
硫条件200℃で4時間の紙送りローラ1を処理する。
加硫反応の完結や反応から出る副生成物、コンパウンド
中の揮発成分の除去、物性の安定化(特に圧縮永久歪な
ど)が達成されたことになる。
【0024】被測定物を回転しながら、非接触のレーザ
ー外径測定器で本発明の紙送りローラ1を多数箇所測定
した。最表面の粗さを、Raで3μmから10μm・R
yで10μmから30μm・Rzで5μmから15μm
に加工する。この範囲は非粘着ロールの機能を発揮させ
るに必須の条件である。本発明の実施例の最表面の粗さ
は、Raで4μm・Ryで15μm・Rzで10μmに
加工していた。
【0025】一方最表面の粗さを、Raで3μm以下・
Ryで10μm以下・Rzで5μm以下に加工すると、
タック紙と高い圧力で接触紙送りする紙送りローラ1
に、タック紙が巻き付き離型性が無くなる。タック紙の
裏面の糊の強度は、製紙メーカーと紙加工メーカーによ
ってまちまちだが、正確な紙送りと糊との分離の機能を
この範囲では保証できない。
【0026】また最表面の粗さを、Raで10μm以上
・Ryで30μm以上・Rzで15μm以上に加工する
と、正確な紙送り機能をこの範囲では保証できない。つ
まり、紙との片当たりの発生や紙との摩擦係数(μ)値
が低くなり、スリップ現象が見られ紙送り精度が保証で
きない。また、印字耐久時の紙の蛇行や紙の空回りなど
が発生してくる。
【0027】さらにタック紙ばかりでなく普通感熱紙と
の兼用を考慮すると最表面の粗さは、Raで4μmから
6μm・Ryで15μmから25μm・Rzで8μmか
ら14μmが良好である。非粘着性を向上させる特性の
要因に使用環境(温度・湿度)が影響し、高温高湿度ほ
ど非粘着性は増すし、低温低湿度ほど非粘着性の割合が
増し、良好な結果をえる。
【0028】結果は、表1の様になった。
【0029】
【表1】
【0030】優劣内容は、後述評価方法で示す。
【0031】
【作用】本発明においては、シリコーンゴムの欠点であ
る非粘着性・耐久摩耗性の改良を着眼し、珪藻土の微粉
末の添加によるシリコーンゴムの脆性の増加と非粘着性
付与と、押し付ける表面に空気層を創出させる凹凸模様
を付けることで、低硬度ゴムに見られる接触面のゴムの
変形によるタック性向上や初期起動トルク上昇を押さえ
る。かつ本発明の表面接触面積の減少で、障害となって
いたタック性向上や初期起動トルク上昇を押さえる効果
が確認された。
【0032】また、軸に、硫黄及び硫黄複合快削鋼線
(SUM)、ステンレス鋼線(SUS)、アルミ合金鋼
線(AL)などの他に高剛性プラスチックであるポリフ
ェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテ
ルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(PLA)、ポリ
サルフォン(PU)を使い、軽量化・連続生産による自
動化・低コスト化を図ることが出来る。
【0033】さらに、珪藻土の様な無機充填材の他、後
述の補強性充填剤や非補強性充填剤や導電材料添加剤や
顔料などの添加剤を配合したものであっても良い。
【0034】紙送りローラ1に単体で添加しても、複数
の充填材を添加しても良い。
【0035】充填剤は補強性充填剤と非補強性充填剤が
ある。
【0036】補強性充填剤とは、エアロジル(130・
200・300・380日本エアロジル社)やCab−
O−Sil(MS−5・MS−7・HS−5・HS−7
Cabot社)や(Santocel FRC・CS
Monsanto社)や(Hi−Sil 233・X
303 PPG Ind.,Inc.社)や(Quso
F−20 PhiladelphiaQuartz社)
や(ニプシル VN−3 日本シリカ工業社)がある。
【0037】非補強性充填剤とは、珪藻土(Celite Su
per Floss:Johns−Manville社)や珪藻土(Celite
270,315,350:Johns−Manville社)や珪藻土(Dicalite
White Filler:Great Lakes Carbon社)や珪藻土
(Dicalite PS:Great Lakes Carbon社)や石英粉末
(Min−U−Sil 5μ:Pennsylvania社)や石英粉末(Mi
n−U−Sil 10μ:Glass Sand社)や石英粉末(Min−U
−Sil 15μ:GlassSand社)や石英粉末(Imsil A−1
0:Illinois Mineral社)や石英粉末(ImsilA−15:Il
linois Mineral社)や石英粉末(クリスタライト:龍
森社)やノバキュライト(ケイ質砂岩)(Thermosill
625:Indian Mountain Minerals社)やノバキュライ
ト(ケイ質砂岩)(Thermomist 5000:Indian Mounta
in Minerals社)やノバキュライト(ケイ質砂岩)(Th
ermosill 1250:Indian Mountain Minerals社)やノ
バキュライト(ケイ質砂岩)(Super Neo Novacite:M
cKesson Chemicel社)やケイ酸ジルコニウム(Superpa
x:National Lead社)やクレイ(Whitetex:Freeport
Kaolin社)や炭酸カルシウム(Albacar 5970:PFIZER
Inc.社)や炭酸カルシウム(Calcene NG:PPG Ind.
社)や炭酸カルシウム(Witcarb R:Witca Chemical
社)や酸化チタン(Tipure FF:F . I . du Pont社)
がある。
【0038】導電材料添加剤には、カーボンブラックや
グラファイトや粒子状Agや粒子状Auや粒子状Niや
粒子状ステンレスや粒子状酸化チタンー酸化錫や粒子状
導電性亜鉛華やAU−AG、Ni−Ag複合や銀コート
ガラスビーズや粒子状カーボンバルーンがある。
【0039】また、シリコーンゴムの加硫剤は、 (1)C−1:外観:白色ペースト状 特徴:ベン
ゾイルパーオキサイド50%含有 (2)C−2:外観:白色ペースト状 特徴:ビス
・2,4ジクロロベンゾイルパーオキサイド 50%含有 (3)C−3:外観:白色ペースト状 特徴:ジク
ミルパーオキサイド 20%含有 (4)C−4:外観:灰白色ペースト状 特徴:ジタ
ーシャリーブチルパーオキサイド 20%含有 (5)C−7:外観:白色ペースト状 特徴:P−
モノクロロベンゾイルパーオキサイド 50%含有 (6)C−8:外観:灰白色ペースト状 特徴:
2,5ジメチル−2,5ビス(t−ブチルパーオキシ)−ヘ
キサン (7)C−8A:外観:半透明ペースト状 特徴:2
5%含有(C−8),80%含有(C−8A) (8)C−10:外観:褐色ペースト状 特徴:金
属塩含有 (9)C−14:外観:灰白色ペースト状 特徴:ジ
ターシャリーブチルパーオキサイド 20%含有 (10)C−15:外観:半透明生ゴムペースト状
特徴:2,5ジメチル−2,5ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−ヘキサン12.5%含有 (11)C−16:外観:液状 特徴:ターシャリー
ブチルクミルパーオキサイド 50%含有 がある。
【0040】シリコーン未加硫ゴムの練り装置は、以下
にしめす。
【0041】練り工程も多くの基本的な問題を含んでい
る。すなわち配合剤の分散の不均一,混合中の熱の発
生,溶剤に対する溶解度の不足などが起こる。これを加
工に適するように可塑化するために行なう操作を素練と
称する。
【0042】機械的素練は普通、混合ロールで行なう。
バンバリーミキサー(Banbury mixer)あるいはプラス
チケータ(Plasticator)が多い。
【0043】ここで、面精度の表示は、新JIS規格で
表現されている下記の測定法によった。
【0044】一方、面粗さは次の3種類で測定される。 (1)Ra(中心線平均粗さ B0601−1982) これは、次の式で表される。
【0045】
【数1】
【0046】(2)Rz(10点平均粗さ B0601
−1982) これは、次の式で表される。
【0047】
【数2】
【0048】(3)Ry(最大高さ B0601−19
82) これは、次の式で表される。
【0049】
【数3】
【0050】<実施例2>図3は、本実施例2の形態の
紙送りローラ1の全体を示す斜視図であり、図4は、同
実施例2の形態の要部を示すAA‘断面図である。同図
に示すように、本実施例の形態のは、概略、紙送りロー
ラ1と軸2とけい藻土3と補強性充填剤6と表面層4と
接着剤5とから構成される。
【0051】まず、シリコーンゴムの素材調合工程を説
明する。
【0052】市販ロール用シリコーンゴム(東レダウコ
ーニングシリコーン社製DY32−421U)に、珪藻
土(Dicalite PS:Great Lakes Carbon社)を20重
量%で添加し、エアロジル(300日本エアロジル社)
を15重量%で添加し、後記の加硫剤(C−4:外観は
灰白色ペースト状)を0.8部添加し、混合ロール機で
25分練り上げる。シリコーン未加硫ゴムに粒径20μ
mから150μmのけい藻土の充填材を添加したことに
より、研磨易加工性と非粘着性を素材に機能を持たせ
た。
【0053】次に紙送りローラの成形加硫工程を説明す
る。
【0054】高剛性プラスチックであるポリフェニレン
サルファイド(PPS)の軸2のシリコーンゴムとの接
触部分に接着剤5(東レダウコーニングシリコーン社製
プライマーDY39−012)を塗布し60℃で30分
乾燥させる。170℃に加熱してあるゴム金型に、前記
プライマー処理した軸2をシボ金型の中心の位置に冶具
を調整しながら設置、上金型を被せる。コンプレッショ
ン成型機に前記金型と前記シリコーンゴム未加硫品を適
量秤量して置く。1次加硫条件は170℃で11分で完
全硬化する。金型から取り出し、高温加熱器に投入し、
2次加硫条件200℃で5時間の紙送りローラ1を処理
する。
【0055】最表面の粗さを、Raで3μmから10μ
m・Ryで10μmから30μm・Rzで5μmから1
5μmに加工する。この範囲は非粘着ロールの機能を発
揮させるに必須の条件である。本発明の実施例の最表面
の粗さは、Raで5μm・Ryで18μm・Rzで12
μmに成形加工していた。 初期の摩擦係数(μ)値と
外径と耐久後の摩擦係数(μ)値と外径は測定され、脱
落や剥離や分離などの耐久摩耗性の問題はなかった。タ
ック紙に対しても、粘着性の低下性の低下などの実用上
の課題はなかった。
【0056】結果は、表2の様になった。
【0057】
【表2】
【0058】<比較例1>図5は、比較例1の形態の紙
送りローラ1の全体を示す斜視図であり、図6は、同比
較例1の形態の要部を示すAA‘ 断面図である。
【0059】同図に示すように、同比較例1の形態は、
概略、軸2と、紙送りローラ1とから構成される。アル
ミ合金鋼線(A2011)製の軸2に、接着剤5(東レ
ダウコーニングシリコーン社製プライマーDY39−0
12)を塗布し乾燥後、ゴム成型金型に設置し紙送りロ
ーラ1を加硫成形する。外周を研磨し所定の外径と芯ブ
レを確保する。
【0060】紙送りローラ1の材質は、ミラブル型シリ
コーン(信越化学工業社製KE7140U)で、紙送り
ローラ1の表面にアルミナ粉末7とシリカ粉末8を35
重量%をエポキシ樹脂バインダー9と混合して塗装し表
面乾燥してある。外周部の面粗度はRaで12μm、R
yで50μm、Rzで34μmでほぼ均一で凹凸を形作
った。
【0061】タック紙との密着性は低く押さえられ、非
粘着ロールとしては良好の評価結果を得た。
【0062】印字耐久時、紙送りローラ1の柔軟な変形
性とセラミック製の塗装コート層との密着が心配にな
る。
【0063】そして、紙面の裏面との接触で紙粉が発生
し取り扱い性の問題と、紙送り時のサーマルヘッドと直
接接触する際相手側のヘッドを研磨する事での重大欠陥
課題を引き起こす事になる。
【0064】初期の摩擦係数(μ)値と外径と耐久後の
摩擦係数(μ)値と外径は測定され、脱落や塗装剥離な
どの、耐久摩耗性に問題はあった。タック紙に対して
も、粘着性の低下は見られるものの実用する程度には成
らなかった。
【0065】結果は、表3の様になった。
【0066】
【表3】
【0067】<比較例2>図7は、比較例の形態の紙送
りローラ1の全体を示す斜視図であり、図8は、同比較
例の形態の要部を示すAA‘ 断面図である。
【0068】同図に示すように、本実施の形態の紙送り
ローラ1は、概略、軸2と、紙送りローラ1とフィルム
被覆層10とから構成される。ステンレス鋼線(SU
S)製の軸2に、接着剤5(東レダウコーニングシリコ
ーン社製プライマーDY39−012)を塗布し乾燥
後、ゴム成型金型に設置し紙送りローラ1を加硫成形す
る。外周を研磨し所定の外径と芯ブレを確保する。
【0069】紙送りローラ1の材質は、ミラブル型シリ
コーン(東レダウコーニングシリコーン社製DY32−
421U)である。研磨後の外周部の面粗度はRaで2
μm、Ryで8μm、Rzで6μmのほぼ均一な研磨面
を形作る。ロールの外径を所定の厚みにするため、下記
熱収縮チューブの厚み相当だけ多めに研磨した。
【0070】柔軟性エラストマー熱収縮チューブ(住友
電気工業社製スミチューブE)を、研磨後の紙送りロー
ラの外周部に厚み200μで均一被覆し、熱風乾燥機で
150℃で25分の条件で加熱収縮する事により、平坦
な均一硬化膜と非粘着層を形作った。凹凸の高さは、R
aで5μm、Ryで12μm、Rzで8μmであった。
【0071】初期の摩擦係数(μ)値と外径と耐久後の
摩擦係数(μ)値と外径は測定され、耐久印字の課題は
無いものの、タック紙での摩擦係数(μ)値は密着によ
る紙送り不良の問題はあった。また、熱収縮チューブの
材質を非粘着性の高いテフロン性の材質を検討しても同
様の現象が観察された。
【0072】初期の摩擦係数(μ)値と外径と耐久後の
摩擦係数(μ)値と外径は測定された。タック紙に対し
ても、初期から強粘着性が見られ、実用する程度には成
らなかった。ちなみに、普通感熱紙との耐久摩耗性は、
ずれや剥離など問題はあった。
【0073】結果は、表4の様になった。
【0074】
【表4】
【0075】<比較例3> 図9は、比較例の形態の紙
送りローラ1の全体を示す斜視図であり、図10は、同
比較例の形態の要部を示すAA‘ 断面図である。
【0076】同図に示すように、本実施の形態の紙送り
ローラ1は、概略、軸2と、紙送りローラ1とから構成
される。硫黄及び硫黄複合快削鋼線(SUM)製の軸2
に、接着剤(東レダウコーニングシリコーン社製プライ
マーDY39−012)を塗布し乾燥後、コンプレッシ
ョン金型におき、紙送りローラ1を加硫成形する。
【0077】紙送りローラ1の材質は、ミラブル型シリ
コーン(信越化学社製KE−7140U)である。外周
を研磨加工して、加硫時の軸固定精度で所定の偏芯を確
保する。
【0078】次に紙送りローラの研磨工程を説明する。
【0079】コンプレッション成型時のバリ除去や偏芯
精度確保をするために、研磨機で紙送りローラ1を外径
加工する。研磨機に砥石(帝国研磨砥石社製GC100
GS)をバランスを取りながら据え付け、前記紙送りロ
ーラ1を高速回転しつつ研磨し高精度なロールに仕上げ
る。
【0080】被測定物を回転しながら、非接触のレーザ
ー外径測定器で本発明の紙送りローラ1を多数箇所測定
した。比較例の最表面の粗さは、Raで3μm・Ryで
11μm・Rzで9μmに研磨加工していた。
【0081】次に紙送りローラのテフロン塗装工程を説
明する。
【0082】外径研磨後の紙送りローラ1を、密着性向
上のためのプライマー処理を施しテフロン塗料を0.0
5mmから0.3mmの厚みで塗装する。予備加熱27
0℃20分、本加熱450℃12分で皮膜が形成でき
る。
【0083】初期の摩擦係数(μ)値と外径と耐久後の
摩擦係数(μ)値と外径は測定され、脱落や塗装剥離な
どの、耐久摩耗性に問題はあった。タック紙に対して
も、粘着性の低下は見られるものの実用する程度には成
らなかった。
【0084】追加研磨加工による品質改善は、本来のテ
フロン加工の利点が損なわれた。
【0085】結果は、表5の様になった。
【0086】
【表5】
【0087】評価方法 〔非粘着性試験〕実施例1〜2及び比較例1〜3のにつ
いて、摩擦係数評価機を用い、摩擦係数(μ)値を評価
した。
【0088】本発明の効果として、図15の様に市販の
感熱紙での摩擦係数(μ)値の測定値と、裏面にタック
糊を加工したタック紙(王子製紙製)での摩擦係数
(μ)値を測定した。
【0089】測定冶具は、Fはテンションゲージ13、
Wは重さ14(50g)、Aは本発明の紙送りローラ
1、Bは感熱紙12で、紙送りローラ1を50回転/分
でのFの値を測定し、下記の摩擦係数(μ)値の計算式
で算出した。
【0090】
【数4】
【0091】その結果を表6に示す。
【0092】
【表6】
【0093】ここで、摩擦係数(μ)値が0.6以下も
のを◎とし、1.3未満のものを○とし、1.3以上の
ものを×とした。 〔耐摩耗性試験〕また、プリンターに組み込み、印字し
ながら紙を送り50kmの長さの印字紙を耐久試験をし
た。試験条件は、欧州で広く出回っている感熱紙でかつ
粗悪紙のKT50、と国内で入手可能な日本製紙社製T
F50を使用して、印字耐久前後の外径と摩擦係数
(μ)値を測定した。その結果を表1に示す。 ここ
で、寸法変化率±0.001%以内ものを◎とし、±
0.005%未満のものを○とし、±0.005%以上
ものを×とした。
【0094】表1から明らかなように、実施例1及び2
の紙送りローラは摩擦係数(μ)値が、タック紙で0.
8、普通紙で0.5程度に抑えられている。また、実施
例1及び2の紙送りローラは耐久特性(印字)に優れる
とともに、粗悪紙に対しても変形、収縮することなく外
径変化率も良好であった。
【0095】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、紙送
りローラは、粒径20μmから150μmの充填材を2
0重量%から50重量%添加し混合したシリコーン生地
で、外周面の粗さを中心平均粗さが3μmから10μ
m、10点平均粗さが10μmから30μm、最大粗さ
が5μmから15μmに形成されている外周部を有して
いることを特徴とする。
【0096】上記構成により、紙との片当たりがなく、
紙送り精度を向上させて紙の蛇行や紙の空回りなどない
紙送りローラを提供できる。また、タック紙等に対して
非粘着性を向上させる良好な機能を有し、更には耐久性
があり、タック紙にも印字が良好な紙送りローラを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の形態の紙送りローラ1の全
体を示す斜視図である。
【図2】実施例1の形態の要部を示すAA‘ 断面図で
ある。
【図3】本発明の実施例2の形態の紙送りローラ1の全
体を示す斜視図である。
【図4】実施例2の形態の要部を示すAA‘ 断面図で
ある。
【図5】比較例1の形態の紙送りローラ1の全体を示す
斜視図である。
【図6】比較例1の形態の要部を示すAA‘ 断面図で
ある。
【図7】比較例2の形態の紙送りローラ1の全体を示す
斜視図である。
【図8】比較例2の形態の要部を示すAA‘ 断面図で
ある。
【図9】比較例3の形態の紙送りローラ1の全体を示す
斜視図である。
【図10】比較例3の形態の要部を示すAA‘ 断面図
である。
【図11】内面シボ加工してある紙送りローラ金型の図
である。
【図12】摩擦係数(μ)値を測定する機構の原理図で
ある。
【符号の説明】
1 紙送りローラ 2 軸 3 けい藻土 4 粗い表面層(シボ面) 5 接着剤 6 補強性充填剤 7 接着剤に含まれるアルミナ粉末 8 接着剤に含まれるシリカ粉末 9 バインダー 10 フイルム被覆層 11 金型のシボ面 12 感熱紙 13 テンションゲージ 14 重さ 15 テフロン層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送路に沿って当接する記録紙を搬送す
    るための紙送りローラにおいて、 粒径20μmから150μmの充填材を20重量%から
    50重量%添加し混合したシリコーン生地からなり、外
    周面の粗さ(Ra)を中心平均粗さが3μmから10μ
    m、10点平均粗さ(Ry)が10μmから30μm、
    最大粗さ(Rz)が5μmから15μmに形成されてい
    る外周部を有していることを特徴とする紙送りローラ。
  2. 【請求項2】前記充填材は、シリカ粉末、石英粉末、ク
    レイ、炭酸カルシュウム、酸化チタン、ケイ質砂岩、ケ
    イ酸ジルコニウムの少なくとも1つと前記けい藻土であ
    ることを特徴とする請求項1記載の紙送りローラ。
  3. 【請求項3】前記外周部を形成するための内面に凹凸加
    工を加えた金型で請求項1または2記載の前記紙送りロ
    ーラを成形し、その後加熱硬化して製造することを特徴
    とする紙送りローラの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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