JP2001038971A - プリンタ - Google Patents

プリンタ

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JP2001038971A
JP2001038971A JP21249299A JP21249299A JP2001038971A JP 2001038971 A JP2001038971 A JP 2001038971A JP 21249299 A JP21249299 A JP 21249299A JP 21249299 A JP21249299 A JP 21249299A JP 2001038971 A JP2001038971 A JP 2001038971A
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Mitsuo Hirabayashi
光男 平林
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性が有りかつ、非粘着性に優れた紙送りロ
ーラを備えたプリンタを提供する。 【解決手段】本発明の紙送りローラは、円筒状にシリコ
ーンゴムを成形してなる紙送りローラにおいて、ローラ
部1をシリコーンゴムと無機質繊維状強化材と無機質粒
子状充填材からなる組成物を金型で成形し、加熱硬化
後、最表面の粗さをRaで3μmから10μm・Ryで
10μmから30μm・Rzで5μmから15μmにし
たことを特徴とする紙送りローラである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラベル紙等に印刷
するプリンタに関し特に、円筒状に形成され、記録媒体
と当接して記録媒体を搬送する紙送りローラに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンビニエンスストアやスーパー
マーケットに広く普及している、バーコード入りのタッ
ク性感熱紙は、簡便な包装にその場で計量し価格・重さ
・品目等の表示が可能になっている。
【0003】そして、この種の紙送りローラとしては、
例えばシリコーンゴムやウレタンゴムやCRゴムやEP
DMゴムやスポンジNBRゴムやクロロプレンゴムやフ
ッ素樹脂やフイルムで被覆した前記ゴムを用いたものが
知られている。
【0004】しかしながら、従来のプリンタの紙送りロ
ーラにおいては、発色時の150℃から300℃耐熱と
−10℃の低温時の紙送り能力(高摩擦係数)問題があ
った。
【0005】用紙を確実に精度良く送るローラーとし
て、特開昭60−112565号があるが、ゴムの厚み
の不均一で硬度変化による脈動の紙送りが考えられる。
【0006】また、特開昭62−130962号がある
が、ローラー表面をタングステンで溶射膜を形成してい
る。これは後述比較例3に相当し、耐久印字で剥離を容
易に発生する。
【0007】また、特開平8−255435号は、後述
比較例3の様に、表面に硬質体(アルミナやシリカな
ど)が混合樹脂で強固に固定されている。しっかり紙面
に食い込みスムーズな紙送りの実現可能である。反面、
シートフィード時の紙が無いときは、直接印字ヘッドに
加圧下で擦られ、ヘッドの摩耗・印字不具合が発生する
要因になる。さらに、硬質体と紙との繰り返し摩擦によ
り、紙粉の発生が起こり、周辺部品への汚染とプリンタ
の故障誘発要因になる。
【0008】そこで、サーマルプリンタに従来より良く
使われているシリコーンゴムは、温度特性(耐寒性)に
おいて優れ、特にマイナス20℃以下の低温になって
も、急激なゴム硬度が上昇しない特性がある。結果とし
て低温時の紙送り能力(シートフィーダ時)は優れか
つ、電気抵抗発熱体の耐熱温度200℃にも安定した物
性を示し広く採用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シリコーン製
の紙送りローラでも、感熱紙の裏側に粘着性を付与した
タック紙には、専用の離型紙(多くはプラスチックフィ
ルム)を間紙として挟まなければ紙送りローラに巻き付
き紙を送れないという問題がある。
【0010】これは、1回のみの使用の離型紙の廃棄処
分と石油資源のロスという環境への影響の点で、解決し
なければならない課題となっている。また離型紙の厚み
分、太巻きになり離型紙の所蔵スペース確保と重量増加
の点で携帯性に劣り、使用分野が制限されている。
【0011】また、高信頼性(連続使用品質安定性)も
兼ね備えることも必要になる。
【0012】本発明は、このような従来の技術の課題を
解決するためになされたものであり、耐久性が有り寸法
精度の良くかつ、非粘着性に優れた紙送りローラを備え
たプリンタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、記録媒体と当接するローラ部を備え、回転
することにより該記録媒体を搬送する紙送りローラにお
いて、前記ローラ部は、シリコーンゴムと無機質繊維状
強化材と無機質粒子状充填材を主成分とする組成物を成
形により形成され、外周表面の粗さをRaで3μmから
10μm・Ryで10μmから30μm・Rzで5μm
から15μmに形成されたことを特徴とする。
【0014】上記構成により、粘着性のある記録媒体で
あっても、記録媒体が紙送りローラに巻き付くことがな
く、スムースに紙送りすることが可能となる。
【0015】また、前記ローラ部は、(1)前記シリコ
ーンゴム40〜70重量%、(2)平均繊維径5μm以
下、アスペクト比3以上且つモース硬度6以下の前記無
機質繊維強化材10〜30重量%、及び(3)平均粒子
径20μm以下且つモース硬度6以下の無機質粒子状充
填材10〜30重量%からなることも望ましい。
【0016】上記構成により、紙送りローラの弾性を適
度に保持することができるとともに適切な非粘着性を得
ることができるとともに、ローラの表面平滑性を適切に
し無機質繊維状強化材が脱落させることもなく、また当
接するものをも傷めることはない。
【0017】更には、前記ローラ部は、シリコーンゴム
に形成されてロールを覆うように構成されていることも
効果的である。
【0018】上記構成により、外周部のみ本願の材質に
することができるので、製造する上でのバリュエーショ
ンが拡大し、最適な製造方法をえることができる。
【0019】また更には、前記無機質繊維状強化材は、
チタン酸カリウムウイスカーであることも望ましい。
【0020】また更には、前記無機質繊維状強化剤及び
前記無機質粒子状充填材は、略粒状であって、最大長さ
が1μmから150μmであることが望ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るプリンタの好
ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0022】(実施例1)図1は、本発明の実施例1の
形態の全体を示す斜視図であり、図2は、同実施例の形
態の要部を示すAA‘断面図である。材料の種類や分量
などは、図10に示す。
【0023】図1に示すように、本実施例の形態の紙送
りローラは、概略、ローラ部1と、軸2と、ローラ部1
と軸2との密着性を良くするプライマー5とから構成さ
れる。硫黄及び硫黄複合快削鋼線(以後、SUMと言
う)製の軸2に、プライマー5を塗布し乾燥後、円筒状
に内面加工した金型に設置、その後ローラ部1を加硫成
形する。金型から取り出し、2次加硫後(温度200℃
×4時間)処理をする。
【0024】研磨後の外周部の面粗度は、Raで4μ
m、Ryで15μm、Rzで10μmと測定され、ほぼ
均一な面を形作った。
【0025】つまり、素材からローラに仕上がるまでの
各工程を順に説明する。
【0026】まずシリコーンゴムの素材調合を説明す
る。
【0027】図10に示す配合に従って秤量後、ロール
ミキサーで15分間混合し、カッターで所定の大きさに
切断、ブロック状にした。
【0028】市販のローラ用シリコーンゴム(東レダウ
コーニングシリコーン社製DY32−420U)に、無
機質繊維状強化材としてチタン酸カリウムウィスカー4
(商品名:ティスモN−102、平均繊維径0.4μ
m、平均繊維長14μm、アスペクト比35、モース硬
度4、大塚化学株式会社製)を15重量%と、無機質粒
子状充填材としてタルク3(商品名:タルクMS、平均
粒子径9μm、モース硬度1、日本タルク株式会社製)
を25重量%で添加し、後記の加硫剤(C−4:外観は
灰白色ペースト状)を0.8部添加し、混合ロール機で
20分練り上げる。シリコーン未加硫ゴムに粒径20μ
mから150μmのけい藻土の充填材を添加したことに
より、易研磨加工性と非粘着性を素材に機能を持たせ
た。
【0029】加硫成形後の非粘着ローラ材の特性を発揮
させるためには、無機質繊維状強化材や無機質粒子状充
填材そのものは粉末で粘性の有るシリコーンゴムとの均
一分散が重要である。さらに、その他後述の充填剤や一
般的な添加剤を加えても良い。
【0030】次にローラ部1の成形加硫工程を説明す
る。
【0031】シリコーンゴムとの接触するSUM製の軸
2の部分に、プライマー5(東レダウコーニングシリコ
ーン社製プライマー:DY39−012)を塗布し60
℃で30分乾燥させる。175℃に加熱してあるゴム金
型に、前記プライマー処理した軸2を金型中心の位置に
治具を調整しながら設置、上金型を被せる。前記金型が
設置したコンプレッション成型機に、前記シリコーンゴ
ム未加硫品を適量秤量して置く。1次加硫条件は170
℃で9分で、シリコーンゴムは完全硬化した。金型から
取り出し、高温加熱器に投入し、2次加硫条件200℃
で4時間の紙送りローラを処理する。加硫反応の完結や
反応から出る副生成物、コンパウンド中の揮発成分の除
去、物性の安定化(特に圧縮永久歪など)が達成された
ことになる。
【0032】次にローラ部1の研磨工程を説明する。
【0033】ローラ部1の外周を研磨研磨機(商品名L
EO−600F2:水口製作所株式会社)で、砥石(商
品名:GC60KK23V4PO:株式会社テイケン)
を使い、周速度1800rpmで研磨加工した。この工
程で所定の偏芯精度を確保した。
【0034】被測定物を回転しながら、非接触のレーザ
ー外径測定器(商品名:サーフテストSV−500、株
式会社ミツトヨ社製:最小分解能0.2μm)でローラ
部1の外周面を多数箇所測定した。外周面の粗さを、R
aで3μmから10μm・Ryで10μmから30μm
・Rzで5μmから15μmに加工する。この範囲は非
粘着ローラの機能を発揮させるに必須の条件である。本
発明の実施例の最表面の粗さは、Raで4μm・Ryで
15μm・Rzで10μmに加工していた。
【0035】一方最表面の粗さを、Raで3μm以下・
Ryで10μm以下・Rzで5μm以下に加工すると、
タック紙と高い圧力で接触して紙送りするローラ部1
に、タック紙が巻き付き離型性が無くなる。タック紙の
裏面の糊の強度は、製紙メーカーと紙加工メーカーによ
ってまちまちだが、正確な紙送りと糊との分離の機能を
この範囲では保証できない。
【0036】また最表面の粗さを、Raで10μm以上
・Ryで30μm以上・Rzで15μm以上に加工する
と、正確な紙送り機能をこの範囲では保証できない。つ
まり、紙との片当たりの発生や紙との摩擦係数(μ)値
が低くなり、スリップ現象が見られ紙送り精度が保証で
きない。また、印字耐久時の紙の蛇行や紙の空回りなど
が発生してくる。
【0037】さらにタック紙ばかりでなく普通感熱紙と
の兼用を考慮すると最表面の粗さは、Raで4μmから
6μm・Ryで12μmから20μm・Rzで6μmか
ら10μmが良好である。非粘着性を影響させる特性の
要因に使用環境(温度・湿度)があり、高温高湿環境ほ
ど非粘着性は増し、低温低湿度ほど非粘着性の割合が増
し、良好な結果を得る。
【0038】結果は、図11の様になった。優劣内容
は、後述評価方法で示す。
【0039】本発明においてシリコーンゴムとしては、
後記する無機質繊維状強化材と無機質粒子状充填材のそ
れぞれ所定量と混合した時に、上記に規定の非粘着及び
耐摩耗性を発現し得るものを使用すればよい。このよう
なシリコーンゴムは実際の試験により容易に選定できる
が、その具体例を挙げると、例えば、シリコーン接着剤
・シリコーンRTV・シリコーンポティング材・シリコ
ーンゲル製品・シリコーンレジン・シリコーン表面保護
コーティング剤(JCR)・フルオロシリコーンゴムな
どである。シリコーンゴムは1種を単独で又は2種以上
を併用して使用できる。
【0040】シリコーンゴムの配合量は特に制限されず
広い範囲から適宜選択できるが、通常本組成物全量の4
0〜70重量%程度とすればよい。40重量%を著しく
下回ると、得られる組成物の耐久摩耗性とゴム弾性が悪
くなる可能性がある。一方、70重量%をはるかに超え
ると、上記の規定の非粘着性を得ることができず、紙送
りローラとしてタック紙の印字時に密着や接着現象が生
じる恐れがある。
【0041】本発明において、無機質繊維状強化材は、
上記に規定した表面の非粘着性、耐摩耗性、相手材(サ
ーマルプリンタのヘッド)の非擦過性を得るため、並び
に塗装工程によるローラの偏芯精度を低く押さえるため
に使用する。該無機質繊維状強化材としては、ガラス繊
維、炭素繊維、岩石繊維などを除く公知のものが使用で
き、例えば、繊維状チタン酸カリウム、繊維状ケイ酸カ
ルシウム、繊維状ホウ酸マグネシウム、繊維状硫酸マグ
ネシウム、繊維状硫酸カルシウム、繊維状炭酸カルシウ
ム、繊維状ホウ酸アルミニウム等のウィスカーなどを挙
げることができる。これらは1種を単独で使用してもよ
く、又は2種以上を併用してもよい。
【0042】無機質繊維状強化材の配合量は、特に制限
されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常本組成物
全量の10〜30重量%程度とすればよい。10重量%
を著しく下回ると、規定の性能が発揮されない恐れがあ
る。一方、30重量%を著しく超えると、本組成物のロ
ーラとしての物性得られなる可能性がある。
【0043】無機質繊維状強化材の繊維径、アスペクト
比及びモース硬度は特に制限はないが、平均繊維径5μ
m以下、アスペクト比3以上且つモース硬度6以下のも
のが好ましい。無機質繊維状強化材の平均繊維径が5μ
mよりも著しく大きいと、本組成物から得られるローラ
の表面平滑性が低下する可能性がある。またアスペクト
比が3よりも著しく小さくなると、規定の耐久印字で無
機質繊維状強化材が脱落し極端に寿命が低下する恐れが
ある。更にモース硬度が6よりもはるかに大きいと、相
手材の非擦過性が低下し、約1Kgfの荷重で加圧され
ているサーマルプリンタのヘッドを傷める可能性があ
る。
【0044】本発明において、無機質粒子状充填材は、
本組成物のシリコーンゴムの表面の凹凸を調整し、かつ
表面の摩擦係数改良により紙送り性・耐久性を一層向上
させるために使用する。
【0045】無機質粒子状充填材としては公知のものを
使用でき、例えば、タルク、炭酸カルシウム、ピロリン
酸カルシウムなどを挙げることができる。詳細では、補
強性充填剤と非補強性充填剤がある。
【0046】補強性充填剤とは、エアロジル(130・
200・300・380日本エアロジル社)やCab−
O−Sil(MS−5・MS−7・HS−5・HS−7
Cabot社)や(Santocel FRC・CS
Monsanto社)や(Hi−Sil 233・X
303 PPG Ind.,Inc.社)や(Quso
F−20 PhiladelphiaQuartz
社)や(ニプシル VN−3 日本シリカ工業社)があ
る。
【0047】非補強性充填剤とは、珪藻土(Celite Su
per Floss:Johns−Manville社)や珪藻土(Celite
270,315,350:Johns−Manville社)や珪藻土(Dicalite
White Filler:Great Lakes Carbon社)や珪藻土
(Dicalite PS:Great Lakes Carbon社)や石英粉末
(Min−U−Sil 5μ:Pennsylvania社)や石英粉末(Mi
n−U−Sil 10μ:Glass Sand社)や石英粉末(Min−U
−Sil 15μ:GlassSand社)や石英粉末(Imsil A−1
0:Illinois Mineral社)や石英粉末(ImsilA−15:Il
linois Mineral社)や石英粉末(クリスタライト:龍
森社)やノバキュライト(ケイ質砂岩)(Thermosill
625:Indian Mountain Minerals社)やノバキュライ
ト(ケイ質砂岩)(Thermomist 5000:Indian Mounta
in Minerals社)やノバキュライト(ケイ質砂岩)(Th
ermosill 1250:Indian Mountain Minerals社)やノ
バキュライト(ケイ質砂岩)(Super Neo Novacite:M
cKesson Chemicel社)やケイ酸ジルコニウム(Superpa
x:National Lead社)やクレイ(Whitetex:Freeport
Kaolin社)や炭酸カルシウム(Albacar 5970:PFIZER
Inc.社)や炭酸カルシウム(Calcene NG:PPG Ind.
社)や炭酸カルシウム(Witcarb R:Witca Chemical
社)や酸化チタン(Tipure FF:F . I . du Pont社)
がある。
【0048】これらは一種を単独で使用してもよく、又
は2種以上を併用してもよい。無機質粒子状充填材の粒
子径は特に制限されないが、切削加工後の表面平滑性な
どを考慮すると、通常平均粒子径20μm程度以下、好
ましくは10μm程度以下とすればよい。また無機質粒
子状充填材のモース硬度も特に制限はないが、通常6程
度以下とするのがよい。上記と同様にモース硬度が6程
度よりもはるかに大きいと、摩擦係数(μ)値が低下
し、紙送り時の接触相手のヘッドの表面を傷める可能性
がある。
【0049】無機質粒子状充填材の配合量は特に制限さ
れず広い範囲から適宜選択できるが、通常本組成物全量
の10〜30重量%程度とすればよい。10重量%を著
しく下回ると、非粘着性の向上効果が十分に現れないお
それがある。一方、30重量%をはるかに超えると、本
組成物の機械的強度が低下し紙送りローラとしての性能
を発揮しない可能性がある。本組成物には、上記の規定
の機械的強度及び切削加工性を低下させない範囲で、例
えば、熱安定剤、離型剤、着色剤などの公知のゴム添加
剤を添加してもよい。
【0050】また、軸に、硫黄及び硫黄複合快削鋼線
(SUM)、ステンレス鋼線(SUS)、アルミ合金鋼
線(AL)などの他に高剛性プラスチックであるポリフ
ェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテ
ルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(PLA)、ポリ
サルフォン(PU)を使い、軽量化・連続生産による自
動化・低コスト化を図ることが出来る。
【0051】さらに、前記補強性充填剤や非補強性充填
剤の他に、導電材料添加剤や顔料などの添加剤を配合し
たものであっても良い。
【0052】ローラ部1に単体で添加しても、複数の充
填材を添加しても良い。
【0053】導電材料添加剤には、カーボンブラックや
グラファイトや粒子状Agや粒子状Auや粒子状Niや
粒子状ステンレスや粒子状酸化チタンー酸化錫や粒子状
導電性亜鉛華やAU−AG、Ni−Ag複合や銀コート
ガラスビーズや粒子状カーボンバルーンがある。
【0054】ここで、面精度の表示は、新JIS規格で
表現されている下記の測定法を使用した。
【0055】上記の実施の形態においては、シリコーン
ゴムの欠点である非粘着性・耐久摩耗性の改良を着眼
し、ウイスカーの微粉末の添加によるシリコーンゴムの
脆性の増加と非粘着性付与と、押し付ける表面に空気層
を創出させる凹凸模様を付けることで、低硬度ゴムに見
られる接触面のゴムの変形によるタック性向上や初期起
動トルク上昇を押さえる。かつ本発明ウイスカーの添加
で、障害となっていたヘッドの擦過性を緩和する効果が
確認された。
【0056】(実施例2)図3は、本発明の実施例2の
形態の全体を示す斜視図であり、図4は、同実施例の形
態の要部を示すAA‘断面図である。
【0057】材料の種類や分量などは、図10に示す。
【0058】紙送りローラの表面に塗装されている材料
は、 繊維状珪酸カルシウム4(ワラストナイト、商品名:
Wicro11−10、平均繊維径4.5μm、平均繊
維長14μm、アスペクト比3、モース硬度4.5、P
artek Minerals社製)30重量% タルク4(商品名:タルクMS、平均粒子径9μm、
モース硬度1、日本タルク株式会社製)10重量% シリコーン樹脂5(商品名:KE1820、一液型R
TVゴム、信越化学工業株式会社製)5重量% から形成される。
【0059】結果は、図11の様になった。
【0060】(実施例3)材料の種類や分量などは、図
10に示す。
【0061】次にシリコーンゴムの素材は、 シリコーンゴム(東レダウコーニングシリコーン社製
DY32−421U) チタン酸カリウムウィスカー(商品名:ティスモD−
102、大塚化学株式会社製) 20重量% タルク4(商品名:タルクMS、平均粒子径9μm、
モース硬度1、日本タルク株式会社製)10重量% によりなる。
【0062】結果は、図11に示す。
【0063】(比較例1)材料の種類や分量などは、図
10に示す。
【0064】シリコーンゴムの素材は、 シリコーンゴム(信越化学工業社製KE−7029U
) チタン酸カリウムウィスカー(商品名:ティスモN−
102、大塚化学株式会社製) 35重量% タルク4(商品名:タルクMS、平均粒子径9μm、
モース硬度1、日本タルク株式会社製)25重量% によりなる。
【0065】結果は、図11に示す。
【0066】(比較例2)材料の種類や分量などは、図
10に示す。
【0067】ローラ部1の表面に塗装されている材料
は、 繊維状珪酸カルシウム(ワラストナイト、商品名:W
icro11−10、平均繊維径4.5μm、平均繊維
長14μm、アスペクト比3、モース硬度4.5、Pa
rtek Minerals社製)5重量% タルク4(商品名:タルクMS、平均粒子径9μm、
モース硬度1、日本タルク株式会社製)15重量% シリコーン樹脂5(商品名:KE1820、一液型R
TVゴム、信越化学工業株式会社製)5重量%。
【0068】よりなる。
【0069】結果は、図11に示す。
【0070】(比較例3)図5は、比較例3の形態の紙
送りローラの全体を示す斜視図であり、図6は、同比較
例3の形態の要部を示すAA‘ 断面図である。
【0071】同図に示すように、本実施の形態の紙送り
ローラは、概略、軸2と、ローラ部1とフィルム被覆層
10とから構成される。
【0072】材料の種類や分量などは、図10に示す。
【0073】SUM製の軸2に、接着剤5を塗布し乾燥
後、ゴム成型金型に設置しローラ部1を加硫成形する。
外周を研磨し所定の外径と芯ブレを確保した後、アルミ
ナ粒子粉末7とシリカ粉末8を混合したエポキシ樹脂バ
インダ9をローラ部1の外周表面に塗布乾燥する。
【0074】紙送りローラ1の表面に塗装されている材
料は、 アルミナ粒子粉末 25重量% シリカ粉末 15重量% エポキシ樹脂バインダー 5重量% よりなる。
【0075】結果は、図11に示す。
【0076】(比較例4)図7は、比較例の形態の紙送
りローラの全体を示す斜視図であり、図8は、同比較例
の形態の要部を示すAA‘ 断面図である。
【0077】材料の種類や分量などは、図10に示す。
【0078】同図に示すように、本実施の形態の紙送り
ローラは、概略、軸2と、ローラ部1とフィルム被覆層
10とから構成される。ステンレス鋼線(SUS)製の
軸2に、接着剤5(東レダウコーニングシリコーン社製
プライマーDY39−012)を塗布し乾燥後、ゴム成
型金型に設置しローラ部1を加硫成形する。外周を研磨
し所定の外径と芯ブレを確保する。
【0079】ローラ部1の材質は、ミラブル型シリコー
ン(信越化学工業社製KE−7140U)である。研磨
後の外周部の面粗度は、Raで2μm、Ryで8μm、
Rzで6μmのほぼ均一な研磨面を形作る。ローラ部1
の外径を所定の厚みにするため、下記熱収縮チューブの
厚み相当だけ多めに研磨した。
【0080】柔軟性エラストマー熱収縮チューブ(住友
電気工業社製スミチューブK)を、研磨後のローラ部1
の外周部に厚み200μで均一被覆し、熱風乾燥機で1
50℃で25分の条件で加熱収縮する事により、平坦な
均一硬化膜と非粘着層を形作った。凹凸の高さは、Ra
で2μm、Ryで8μm、Rzで6μmであった。
【0081】初期の摩擦係数(μ)値と外径と耐久後の
摩擦係数(μ)値と外径は測定され、耐久印字の課題は
無いものの、タック紙での摩擦係数(μ)値は密着によ
る紙送り不良の問題はあった。また、熱収縮チューブの
材質を非粘着性の高いテフロン性の材質を検討しても同
様の現象が観察された。
【0082】初期の摩擦係数(μ)値と外径と耐久後の
摩擦係数(μ)値と外径は測定された。タック紙に対し
ても、初期から強粘着性が見られ、実用する程度には成
らなかった。ちなみに、普通感熱紙との耐久摩耗性は、
ずれや剥離など問題はあった。
【0083】結果を図11に示す。
【0084】評価方法 〔非粘着性試験〕実施例1〜3及び比較例1〜4につい
て、摩擦係数評価機を用い、摩擦係数(μ)値を評価し
た。
【0085】本発明の効果として、図9の様に市販の感
熱紙での摩擦係数(μ)値の測定値と、裏面にタック糊
を加工したタック紙(王子製紙製)での摩擦係数(μ)
値を測定した。
【0086】測定冶具の構成は、テンションゲージ1
3、重り14(50g)、本発明の紙送りローラのロー
ラ部1、感熱紙12から成る。紙送りローラを50回転
/分で回転させ、テンションゲージ13の値を測定し、
下記の摩擦係数(μ)値の計算式で算出した。
【0087】 摩擦係数(μ)値=0.6366197×ln(テンションゲージの測定値(gf)/ローラ回 転数(rpm)) :ローラの外径:105mm その結果を図11に示す。
【0088】ここで、摩擦係数(μ)値が0.6以下も
のを◎とし、1.3未満のものを○とし、1.3以上の
ものを×とした。
【0089】〔耐摩耗性試験〕また、プリンタに組み込
み、印字しながら紙を送り50kmの長さの印字紙を耐
久試験をした。試験条件は、欧州で広く出回っている感
熱紙でかつ粗悪紙の王子製紙製KT50、と国内で入手
可能な日本製紙社製TF50を使用して、印字耐久前後
の外径と摩擦係数(μ)値を測定した。その結果を図1
1に示す。 ここで、寸法変化率±0.001%以内も
のを◎とし、±0.005%未満のものを○とし、±
0.005%以上ものを×とした。
【0090】図11から明らかなように、実施例1及び
2の紙送りローラは摩擦係数(μ)値が、タック紙で
0.8、普通紙で0.5程度に抑えられている。また、
実施例1及び2の紙送りローラは耐久特性(印字)に優
れるとともに、粗悪紙に対しても変形、収縮することな
く外径変化率も良好であった。
【0091】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、耐久
性のあり、タック紙にもスムースに紙送りすることが可
能な良好な紙送りローラを得ることができる。
【0092】このような本発明成形品は、かかる本発明
のシリコーン組成品を被覆することで、精度良く、安価
に紙送りローラを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の形態の紙送りローラの全体
を示す斜視図である。
【図2】実施例1の形態の要部を示すAA‘ 断面図で
ある。
【図3】本発明の実施例2の形態の紙送りローラの全体
を示す斜視図である。
【図4】実施例2の形態の要部を示すAA‘ 断面図で
ある。
【図5】比較例3の形態の紙送りローラの全体を示す斜
視図である。
【図6】比較例3の形態の要部を示すAA‘ 断面図で
ある。
【図7】比較例4の形態の紙送りローラの全体を示す斜
視図である。
【図8】比較例4の形態の要部を示すAA‘ 断面図で
ある。
【図9】摩擦係数(μ)値を測定する機構の原理図であ
る。
【図10】実施例と比較例の条件をまとめた図である。
【図11】実施例と比較例の結果をまとめた図である。
【符号の説明】
1 ローラ部 2 軸 3 無機質粒子状充填材 4 無機質繊維状強化材 5 接着剤(プライマー) 6 バインダー 7 接着剤に含まれるアルミナ粉末 8 接着剤に含まれるシリカ粉末 9 凹凸部分 10 フイルム被覆層 11 感熱紙 12 テンションゲージ 13 重さ 14 ローラの回転方向

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体と当接するローラ部を備え、回
    転することにより該記録媒体を搬送する紙送りローラが
    備えられたプリンタにおいて、 前記ローラ部は、シリコーンゴムと無機質繊維状強化材
    と無機質粒子状充填材を主成分とする組成物を成形によ
    り形成され、外周表面の粗さをRaで3μmから10μ
    m・Ryで10μmから30μm・Rzで5μmから1
    5μmに形成されたことを特徴とするプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記ローラ部は、(1)前記シリコーン
    ゴム40〜70重量%、(2)平均繊維径5μm以下、
    アスペクト比3以上且つモース硬度6以下の前記無機質
    繊維強化材10〜30重量%、及び(3)平均粒子径2
    0μm以下且つモース硬度6以下の無機質粒子状充填材
    10〜30重量%からなることを特徴とする請求項1記
    載のプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記ローラ部は、シリコーンゴムに形成
    されてロールを覆うように構成されていることを特徴と
    する請求項1又は2に記載のプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記無機質繊維状強化材は、チタン酸カ
    リウムウイスカーであることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか1項項記載のプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記無機質繊維状強化剤及び前記無機質
    粒子状充填材は、略粒状であって、最大長さが1μmか
    ら150μmであることを特徴とする請求項1乃至4記
    載のプリンタ。
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