JP2000294793A - 薄膜トランジスターの製法 - Google Patents

薄膜トランジスターの製法

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JP2000294793A
JP2000294793A JP11099905A JP9990599A JP2000294793A JP 2000294793 A JP2000294793 A JP 2000294793A JP 11099905 A JP11099905 A JP 11099905A JP 9990599 A JP9990599 A JP 9990599A JP 2000294793 A JP2000294793 A JP 2000294793A
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silicon film
film
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Hiroshi Yamazoe
博司 山添
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Abstract

(57)【要約】 【発明の名称】薄膜トランジスターの製法。 【課題】結晶質シリコン膜表面の凹凸が大であり、これ
がTFT特性の不均一性に至る。また、ドーピング濃度
の不均一性も課題である。 【解決手段】構成(+効果) 溶融−結晶化の際、静磁場を印加する。また、ドーピン
グを中性子照射による核変換により行う。また、多結晶
シリコン膜の下部に酸化珪素相を存在せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界効果型トラン
ジスター(FET)機能を有する薄膜トランジスター
(TFT)の基礎技術に関する。さらには、本発明は、
約650℃以下の最高プロセス温度で形成される多結晶
シリコンTFTに関する。約650℃という温度は、市
販の硼珪酸ガラスが耐え得る最高温度である。特に、多
結晶シリコンの表面平坦性の向上、ゲート絶縁層内部、
およびゲート絶縁層−多結晶シリコン界面の安定化処
理、さらにチャネル部の均一ドーピング法、とチャネル
部のキャリアのフェルミレベルの再現性の確保に関する
ものであり、閾値の再現性に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術については、「Digest
of Technical Papers;AM−LC
D 98」に詳しい。また、TFTの周知の製法につい
ても、述べられている。
【0003】TFTの重要要素たる多結晶シリコンは、
基板上、例えば非晶質シリコンを形成後、結晶化がなさ
れることによる。結晶化した多結晶シリコンの表面平坦
化のためには、1996年頃、レーザー照射の際、非晶
質シリコン上、2酸化シリコン等によるキャップを形成
し、溶融・結晶化される。それ以後、大きな技術進歩は
無い。
【0004】なお、この場合も、すなわち、レーザー照
射により瞬時の急速溶融および瞬時の固化、結晶化を多
結晶シリコンで得ることを包含するTFTプロセスにお
いても、定常プロセスの最高温度は約650℃に抑える
ことが出来る。実際には、瞬時、溶融シリコンが基板に
接触している故に、すなわち瞬時には、約1400℃以
上の温度が基板にかかる。
【0005】基板は通常、耐熱性硼珪酸ガラスが使わ
れ、瞬時の例えば、1400℃の熱には耐える。定常的
に耐える温度としては、ガラス基板を、一般的な、コー
ニング社製、#1737にした場合、約650℃が限界
である。この意味で、定常プロセスの最高温度は約65
0℃に限るのは、意味が大きい。ゲート絶縁層内部、お
よびゲート絶縁層−多結晶シリコン界面の安定化処理は
特になされていない。逆スタッガー型の場合、非晶質シ
リコンのレーザー照射により瞬時の急速溶融の際、プロ
セスの副プロセスとして、多かれ少なかれ、熱処理によ
りなされていると思われる。
【0006】また、イオン注入により、ドーピングがな
される。相補的MOSの形成のためには、閾値が、約
1.5V内外で、正確に揃える必要がある。(すべて、
インハンスメントモードでTFTは動く。)
【0007】このようなプロセスを経て形成された薄膜
トランジスターにおいては、常に、初期特性でのTFT
の電気的特性の均一性と、その特性の信頼性が問題とな
る。前記電気的特性の均一性は、おもに、ドレイン電流
−ゲート電圧特性でのドレイン電流の立ち上がりに対応
するゲート電圧、すなわち、ゲート閾値に注目して評価
される。信頼性は、この閾値の経時変化に注目して評価
される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】まず、TFTを構成す
るは平坦である必要がある。多結晶シリコンの表面の凹
凸の程度は、電子や正孔等、キャリアの移動度に大きく
影響すること、またこの多結晶シリコンへのイオン注入
の際、チャネル効果等により、不均一に注入される等の
致命的欠陥を有する。イオン注入による均一ドーピング
が、多結晶シリコン膜の凹凸のため等により、達成し難
く、従って、FETの閾値のバラツキ大となる傾向にあ
る。
【0009】この様子を[図1]に、構成断面図で示
す。同図において、1は基板、2は最初に沈積されたシ
リコン膜、3はたとえば、塩化キセノンのエキシマーレ
ーザーで走査され、溶融・再結晶化された結晶質シリコ
ン膜である。
【0010】同図において、通常の技術において、例え
ば化学蒸着法(CVD法)等による沈積されたシリコン
膜の表面の粗度は、厚みを約0.05μmとした場合、
0.001μm程度である。溶融・再結晶化された結晶
質シリコン膜の凹凸は、谷と山で、約0.05μmに及
ぶ。すなわち、膜厚程度の凹凸が生じる。この因って来
るところは、瞬時の溶融の際の、シリコン原子の激しい
対流運動であると理解される。すなわち、シリコン原子
の対流運動による移動が大きく、凹凸に結びつく。これ
は、シリコン単結晶インゴットのチョクラルスキー法に
よる結晶成長の場合の、観察からの帰結である。
【0011】また、以下の観察も上の議論の裏付けとな
る。すなわち、沈積されたシリコン膜を、シリコンの融
点以下、約800℃以上に、数時間〜約100時間、熱
処理することにより、徐々に結晶化させた場合、得られ
た結晶質シリコン膜の表面の平坦さは保存される。これ
は、高価な、石英板を基板とする必要がある。
【0012】この溶融・再結晶化された結晶質シリコン
膜の表面平坦性の向上のため、1995年頃、検討され
た方法は、レーザー照射による溶融・再結晶化の際、シ
リコン膜を2酸化シリコン膜や、窒化シリコン膜等のキ
ャップ膜で、カバーして行うことである。結果は、レー
ザー光の照射パワーを下げないと、前記キャップ膜が割
れるという致命的困難が起こる。また、レーザーパワー
を下げると、十分溶融・再結晶化が起こらないという問
題が派生する。前記キャップ膜の割れは、溶融状態のシ
リコン原子の激しい対流に起因すると考えらる。
【0013】特に、スタッガー型TFT(トップゲート
TFT)の場合、MOS特性のキャリアが走行するチャ
ネル部が凹凸に富む故に、大いなる問題となる。もちろ
ん、逆スタッガー型TFT(アンダーゲートTFT)に
おいても、イオン注入の不均一性等、問題が多い。
【0014】この問題については、従来法では明瞭な切
り口が存在しないと考えられている。
【0015】また、集積回路(IC)技術においては、
単結晶シリコンを水蒸気を含む雰囲気で、約1100℃
以上に加温、熱酸化することにより、ゲート絶縁層は得
られる。この温度処理により、電気的レベルの少ない、
緻密なゲート絶縁層と、レベルの少ない、安定な、ゲー
ト絶縁層−多結晶シリコン界面を得られていると思われ
る。
【0016】ところが、本発明がかかる形成温度が比較
的低温である多結晶シリコンを使ったTFTの場合、ゲ
ート絶縁層内部、およびゲート絶縁層−多結晶シリコン
界面の安定化処理は特になされていない。特に、スタッ
ガー型TFTの場合、そうである。逆スタッガー型の場
合、非晶質シリコンのレーザー照射により瞬時の急速溶
融の際、プロセスの副プロセスとして、多かれ少なか
れ、熱処理によりなされていると思われる。しかし、こ
の逆スタッガーの場合、最適化はなされていないのが現
状である。これは、TFTの信頼性に影響を及ぼす。
【0017】また、TFTの閾値の制御等、TFTのチ
ャネル部に制御されたイオン注入がなされる。半導体部
が多結晶シリコンであり、結晶粒界の存在により、チャ
ネル効果等で、均一な注入がなかなか難しい。また、注
入種の活性化度合いも、結晶粒界に影響され、局所的な
濃淡をもったドーピングとなる。また、本発明に関係す
るTFT技術の場合、活性化のための熱処理温度を十分
上げることが出来ない。従って、活性化率は、50%程
度でばらつく。これは、活性化されていない不純物原子
の存在を意味し、これはキャリアの散乱を起こし、それ
だけキャリアの移動度が劣化する。TFTのノーマリー
状態において、電力消費を抑制した相補的MOSの形成
のためには、閾値が、約1.5V内外で、正確に揃える
必要がある。とくに、これで信号処理回路の構築を意図
する場合、とくにそうである。
【0018】溶融・再結晶化の過程は瞬時である。例え
ば、エキシマーレーザーによる場合、パルス幅は、10
n秒から50n秒程度である。すなわち、熱平衡過程か
らはほど遠いプロセスである。従って、細部い亘って、
このプロセスの制御の再現性は確保しにくいものであ
る。例えば、パルス幅内の照射パワーの時間的変化の制
御、また照射パワーのピーク値の制御等、再現性に問題
があるのは公知である。従って、溶融・再結晶化された
結晶質シリコン膜のキャリアのバンド構造の再現性には
限度がある。例えば、結晶欠陥等、常に同一の状況に再
現することは困難である。従って、キャリアのフェルミ
レベル等の再現性が難しく、このものをチャネルとした
場合、閾値にバラツキが生じる。
【0019】従来、TFTの初期特性の均一性は、不十
分であった。このTFT群で、回路を構成しようとする
場合、前記閾値のばらつきは、まずは±0.1V以下が
必要であるが、現状、±0.5V以上である。また、信
頼性は、たとえばBTS法(Bias Temperature Stress
法)により、閾値電圧の移動で評価される。具体的条件
は、たとえば、ゲートとソース、ゲートとドレイン間
に、約10V、100℃ 、30分印加するものであ
る。このあとの閾値の移動量で信頼性を評価する。この
信頼性も不十分である。必要特性は閾値変動にして、
0.1V以下が必要であるが、現状では、0.5V程度
以上ある。
【0020】要請される前記閾値ばらつきの上限、±
0.1Vは、たとえば、CMOS(相補的MOS)の形
成に由来する。
【0021】特に、スタッガー型(=トップゲート)構
造TFTの場合、基板からの多結晶シリコン層への不純
物の拡散の進行が、前記信頼性の悪化の一因であること
が、高感度SIMS(2次イオン質量分析器)等の結果
から推測される(応用物理学会データー)。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、基板上、平坦な表面を有するシリコン膜
を形成し、つぎにシリコン原子の対流移動を抑制しつ
つ、溶融−結晶化させて結晶質シリコン膜を得るような
薄膜トランジスターの製法を提供する。
【0023】さらに本発明は、基板上、平坦な表面を有
するシリコン膜を形成し、つぎにゲート絶縁膜を形成
し、さらにシリコン原子の対流移動を抑制しつつ、溶融
−結晶化させて結晶質シリコン膜を得るような薄膜トラ
ンジスターの製法を提示する。
【0024】また、前記シリコン膜の溶融を、レーザー
照射によりなされるのが望ましい。また、シリコン膜の
エネルギーの吸収の関係から見ると、 レーザーが、エ
キシマーレーザーであるのが望ましい。とくに、約30
0nm近傍の発振波長のものが望ましい。また、溶融・
固化されたシリコン膜の凹凸を緩和するためには、連続
発振の大出力レーザーが望ましく、この点で、アルゴン
レーザーを使用するのが望ましい。
【0025】 本発明は、溶融−結晶化時のシリコン原
子の対流移動を抑制するためには、シリコン原子の反磁
性を利用して、磁場を印加するような薄膜トランジスタ
ーの製法を提案する。シリコン膜の溶融部において磁束
密度は、約2000ガウス以上が望ましい。
【0026】本発明は、対流を抑制するもう一つの手段
として、溶融−結晶化時、高圧力不活性ガスを吹き付け
ることを提案する。
【0027】さらに本発明はゲート絶縁膜およびこれと
結晶質シリコンの界面の安定化のために、ゲート絶縁膜
形成後、瞬間的に、結晶質シリコンを約1000℃以
上、約1400℃以下に加熱するような薄膜トランジス
ターの製法を明かにする。この際、結晶質シリコンの加
熱をレーザー照射によりなされるのが、簡便である。好
ましいレーザーとしては、前述の議論の同様に、エキシ
マーレーザーないしアルゴンレーザーが挙げられる。も
う一つの望ましい方法は、結晶質シリコンを高周波加熱
することである。
【0028】また本発明は、結晶質シリコンのチャネル
部に、TFTの閾値制御のために、n型不純物を均一
に、しかも、ほとんど100%の活性率でもって、か
つ、活性化のための熱処理無しに導入するのに、中性子
線を照射するような薄膜トランジスターの製法を提供す
る。中性子は熱中性子が望ましい。さらに、この後、シ
リコン膜の放射線損傷の回復と、酸素不純物欠陥(通
常、酸素原子は約、10^18原子/cm^2以上、含
まれている)の悪影響を防止するために、中性子照射
後、600℃以上で、真空または不活性雰囲気中で結晶
質シリコンを熱処理するのが、ほとんど必須である。
【0029】さらに、前記課題を解決するために、基板
上、平坦な表面を有するシリコン膜を形成し、つぎにこ
のシリコン膜の表層から約100nm以上の深さに酸素
イオンをイオン注入し、つぎにこのシリコン膜を溶融−
結晶化させて結晶質シリコン膜を得る過程を含むような
薄膜トランジスターの製法を明らかにする。
【0030】より、具体的には、基板上、平坦な表面を
有するシリコン膜を形成し、つぎにこの基板を500℃
から600℃ の間の一定温度に保ちつつ、酸素イオン
をこのシリコン膜の表層から約100nm以上の深さに
イオン注入し、つぎにこの基板を約600℃ 以上の温
度で、約10時間以上熱処理し、つぎにレーザー光を照
射してシリコン膜を溶融−結晶化させて結晶質シリコン
膜を得る過程を含むような手法を提示する。
【0031】この際、基板としては、コストから見て、
硼珪酸系ガラスが望ましい。また、レーザーとしては、
エキシマーレーザーまたは、アルゴンレーザーが望まし
い。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明について、以下より具体的
に説明する。
【0033】基板上、急激な溶融−結晶化された結晶質
シリコン膜の自由面(基板側と逆側の空気に接した面)
の凹凸は、前述の議論とうり、溶融した際のシリコン原
子の対流による急激な移動に起因する。従って、考察に
より、より平滑な自由面を得るために、溶融シリコン内
のシリコン原子の移動を抑制することを提案するもので
ある。
【0034】かくすることにより、イオン注入の際の注
入密度や、注入種の活性化の局部的な不均一性を改善す
ることが出来る。すなわち、シリコン膜厚の極端な不均
一性により、注入の状況が不均一になる。また、注入種
の熱による活性化の際、インタースチッシャルな位置に
ある注入種等は、凹凸部に偏析しやすい。
【0035】またエレクトロン等、キャリアの移動度
は、これが走るチャネル部の凹凸性により劣化すること
は公知である。また、これにゲート絶縁膜が形成された
TFTの動作時においては、電界が凸部尖り部や凹部の
凹みに集中し、劣化の原因となる。本発明はこれらを改
善するものである。
【0036】 これは、また、シリコン単結晶の引き上
げ法の経験から考えて、基板からの酸素原子の結晶質シ
リコン膜への拡散を抑制できるという副次的利点があ
る。
【0037】また、スタッガー型、すなわち、トップゲ
ート型の場合について、優れた手法を明らかにする。基
板上、シリコン膜を化学蒸着法(CVD法)、またはプ
ラズマアシスティッド化学蒸着法(プラズマCVD
法)、またはスパッター法により形成する。このとき
の、シリコン膜は、非晶質または微結晶質シリコン膜で
あり、表面は非常に平滑である。シリコン膜の厚みを約
50nmの場合、凹凸は段差計で図ると、0.5nm以
下である。つぎに、約100nmの厚みのゲート絶縁膜
に対応する膜を全面、形成する。例えば、このゲート絶
縁膜は、2酸化シリコン膜や、5酸化タンタル膜、酸化
アルミニウム膜、窒化シリコン膜等が使われる。形成手
法は、CVD法、プラズマCVD法、スパッター法等が
使われる。テトラエトキシシランのプラズマCVD法に
よる膜が優れていた。
【0038】このあと、シリコン膜を瞬時、加熱−冷却
させ、すなわち溶融−結晶化させて、結晶質シリコンを
得る。この溶融の瞬間において、シリコン原子の対流移
動を抑制する手法を講じて行うのが、本発明の主張する
ところである。
【0039】これについては、前述の議論が成立する。
かつ、シリコン膜の溶融の際の瞬時の高温にゲート絶縁
膜や、ゲート絶縁膜−シリコン膜界面が晒される。した
がって、ゲート絶縁膜や界面等の不完全性に起因する電
子のエネルギー準位が、あるていど、削減される。特
に、まだ存在する微量の酸素原子に起因する欠陥を消滅
させる。しかも、1000℃以上の温度から450℃以
下に急冷される。従って、極微量の酸素原子によるドナ
ーレベルの発生の暇を与えない。
【0040】従来、この種の検討が行われたが、例え
ば、レーザー等による十分な急加熱、急冷により、ゲー
ト絶縁膜が破壊された。これは、急加熱によるシリコン
膜の溶融により、シリコン原子の移動が激しく、膜を損
傷するものと考えた。本発明はこれに鑑み、なされたも
ので、本発明の実施においては、この種不都合を生起し
なかった。
【0041】このようなシリコン膜の溶融は、レーザー
照射によりなされるのが、基板に熱的負荷を軽減する意
味で、望ましいものであった。また、このようなレーザ
ーとしては、シリコン膜にのみ、エネルギー吸収を行わ
せる意味で、すなわち、コーニング社製、#1737等
の吸収を軽度にする意味で、短波長可視光レーザーない
し紫外線レーザーが望ましい。この点で、エキシマーレ
ーザーやアルゴンレーザーが望ましい。
【0042】より具体的には、シリコン膜の溶融の瞬間
において、シリコン原子の対流移動を抑制するには、こ
の溶融部に、溶融の間、磁場を印加することである。望
ましくは静磁場であり、磁束としては、シリコン膜に平
行成分のあるのが望ましい。また磁場強度は、実験上で
は約2500ガウス以上が望ましい。
【0043】これで、対流が抑制されるのは、シリコン
原子の反磁性によると理解している。
【0044】また、溶融−結晶化された結晶質シリコン
膜(膜厚約50nm)の平坦度は、磁場強度を十分大き
くした場合、凹凸にして約3nm以下のすることが出来
た。これは、従来に比べ、大幅に改善されている。
【0045】また、高感度2次イオン質量分析(高感度
SIMS)によれば、不純物酸素の含有量は、この磁場
印加をなさない場合に比較して、一桁以上少なくなって
いた。この酸素は、多分、基板から来ていると思われ
る。基板をコーニング社製、#1737ガラスを使用し
た場合、酸素以外に、極微の硼素や、バリウム等、基板
材料からの拡散と思われる不純物も、一桁以上、少なく
なっていた。
【0046】この手法は、シリコン膜上、ゲート絶縁膜
を形成し、そのあと、溶融−結晶化する場合にも、顕著
な効果を発揮する。
【0047】より、具体的に説明する。
【0048】シリコン膜の溶融−結晶化の際、静磁場を
印加、溶融した際のシリコン原子の対流による急激な移
動を抑制する手法について説明する。[図2]に、3種
の方式(a)、(b)、(c)を、構成断面図で示す。
同図において、4は基板、5は沈積されたシリコン膜、
6は磁心、7は電磁石用コイル、8は磁心、9は電磁石
用コイル、10はレーザー光、11は磁心、12はポー
ルピース、13は電磁石用コイル、14はレーザー光、
15は磁心、16は電磁石用コイル、17はレーザー光
である。
【0049】コーニング社製、硼珪酸ガラス、#173
7上、スパッター装置で、約500nmの厚みの2酸化
シリコン膜で被覆し、基板4とした。これに、約50n
mの非晶質シリコン膜を、基板温度約320℃とし、プ
ラズマCVD法で形成した。このCVD条件は、含有水
素量を約0.5%以下にするものである。磁心6、1
1、15をの軟鉄のブロックから、またはパイプから形
成した。これらにコイル7、13、16を巻き、電磁石
とした。また、磁束の集中と方向制御のため、一部の検
討では、軟鉄からなるポールピース12を同図のように
設けた。
【0050】 基板上、急激な された結晶質シリコン
膜の自由面(基板側と逆側の空気に接した面)の凹凸
は、前述の議論とうり、溶融した際のシリコン原子の対
流による急激な移動に起因する。従って、考察により、
より平滑な自由面を得るために、溶融シリコン内のシリ
コン原子の移動を抑制することを提案するものである。
【0051】かくすることにより、イオン注入の際の注
入密度や、注入種の活性化の局部的な不均一性を改善す
ることが出来る。すなわち、シリコン膜厚の極端な不均
一性により、注入の状況が不均一になる。また、注入種
の熱による活性化の際、インタースチッシャルな位置に
ある注入種等は、凹凸部に偏析しやすい。
【0052】またエレクトロン等、キャリアの移動度
は、これが走るチャネル部の凹凸性により劣化すること
は公知である。また、これにゲート絶縁膜が形成された
TFTの動作時においては、電界が凸部尖り部や凹部の
凹みに集中し、劣化の原因となる。本発明はこれらを改
善するものである。
【0053】これは、また、シリコン単結晶の引き上げ
法の経験から考えて、基板からの酸素原子の結晶質シリ
コン膜への拡散を抑制できるという副次的利点がある。
【0054】また、スタッガー型、すなわち、トップゲ
ート型の場合について、優れた手法を明らかにする。基
板上、シリコン膜を化学蒸着法(CVD法)、またはプ
ラズマアシスティッド化学蒸着法(プラズマCVD
法)、またはスパッター法により形成する。このとき
の、シリコン膜は、非晶質または微結晶質シリコン膜で
あり、表面は非常に平滑である。シリコン膜の厚みを約
50nmの場合、凹凸は段差計で図ると、0.5nm以
下である。つぎに、約100nmの厚みのゲート絶縁膜
に対応する膜を全面、形成する。例えば、このゲート絶
縁膜は、2酸化シリコン膜や、5酸化タンタル膜、酸化
アルミニウム膜、窒化シリコン膜等が使われる。形成手
法は、CVD法、プラズマCVD法、スパッター法等が
使われる。テトラエトキシシランのプラズマCVD法に
よる膜が優れていた。
【0055】このあと、シリコン膜を瞬時、加熱−冷却
させ、すなわち溶融−結晶化させて、結晶質シリコンを
得る。この溶融の瞬間において、シリコン原子の対流移
動を抑制する手法を講じて行うのが、本発明の主張する
ところである。
【0056】これについては、前述の議論が成立する。
かつ、シリコン膜の溶融の際の瞬時の高温にゲート絶縁
膜や、ゲート絶縁膜−シリコン膜界面が晒される。した
がって、ゲート絶縁膜や界面等の不完全性に起因する電
子のエネルギー準位が、あるていど、削減される。特
に、まだ存在する微量の酸素原子に起因する欠陥を消滅
させる。しかも、1000℃以上の温度から450℃以
下に急冷される。従って、極微量の酸素原子によるドナ
ーレベルの発生の暇を与えない。
【0057】従来、この種の検討が行われたが、例え
ば、レーザー等による十分な急加熱、急冷により、ゲー
ト絶縁膜が破壊された。これは、急加熱によるシリコン
膜の溶融により、シリコン原子の移動が激しく、膜を損
傷するものと考えた。本発明はこれに鑑み、なされたも
ので、本発明の実施においては、この種不都合を生起し
なかった。
【0058】このようなシリコン膜の溶融は、レーザー
照射によりなされるのが、基板に熱的負荷を軽減する意
味で、望ましいものであった。また、このようなレーザ
ーとしては、シリコン膜にのみ、エネルギー吸収を行わ
せる意味で、すなわち、コーニング社製、#1737等
の吸収を軽度にする意味で、短波長可視光レーザーない
し紫外線レーザーが望ましい。この点で、エキシマーレ
ーザーやアルゴンレーザーが望ましい。
【0059】より具体的には、シリコン膜の溶融の瞬間
において、シリコン原子の対流移動を抑制するには、こ
の溶融部に、溶融の間、磁場を印加することである。望
ましくは静磁場であり、磁束としては、シリコン膜に平
行成分のあるのが望ましい。また磁場強度は、実験上で
は約2500ガウス以上が望ましい。
【0060】これで、対流が抑制されるのは、シリコン
原子の反磁性によると理解している。
【0061】また、溶融−結晶化された結晶質シリコン
膜(膜厚約50nm)の平坦度は、磁場強度を十分大き
くした場合、凹凸にして約3nm以下のすることが出来
た。これは、従来に比べ、大幅に改善されている。
【0062】また、高感度2次イオン質量分析(高感度
SIMS)によれば、不純物酸素の含有量は、この磁場
印加をなさない場合に比較して、一桁以上少なくなって
いた。この酸素は、多分、基板から来ていると思われ
る。基板をコーニング社製、#1737ガラスを使用し
た場合、酸素以外に、極微の硼素や、バリウム等、基板
材料からの拡散と思われる不純物も、一桁以上、少なく
なっていた。
【0063】この手法は、シリコン膜上、ゲート絶縁膜
を形成し、そのあと、溶融−結晶化する場合にも、顕著
な効果を発揮する。
【0064】(実施例1)より具体的に説明する。
[図2]、(a)、(b)、(c)は本発明を説明する
ための構成断面図である。
【0065】コーニング社から、低アルカリの硼珪酸ガ
ラス、#1737を入手した。これに、日本真空製、高
周波スパッター装置、SPF−312を用いたスパッタ
ー法で、約600nmの2酸化シリコン層を全面に形成
し、基板4とした。これに、約60nmの非晶質シリコ
ン膜を形成した。これは、通常、CVD法、プラズマC
VD法等で形成されるが、ここではサムコインターナシ
ョナル研究所製、PD−2400を用いたプラズマCV
D法で、ただし基板温度を約330℃として沈積させ
た。この条件では、沈積されたシリコン膜中の水素量は
僅少である。また、沈積されたシリコン膜の表面平坦度
としては、走査型電子顕微鏡観察で、約20nm以下の
ものが容易に得られる。このシリコン膜を周知の方法で
島状に微細加工した。
【0066】磁束を発生させるための電磁石は、磁心
6、8、11、15すなわち軟鉄製のブロックまたは中
空管状物に、コイルを巻き付け、形成した。磁束を集中
させるため、場合により、磁心に、軟鉄製ポールピース
12、16を設けた。
【0067】レーザー光照射時、静磁場のかけ方、すな
わち磁束の状況について、3種の磁場印加法(a)、
(b)、(c)を検討した。
【0068】(図2)(a)においては、基板上下の電
磁石は、同じ極極が対向するように、すなわち、N極と
N極、またはS極とS極が対向する場合と、異なった極
性の磁極、すなわち、N極とS極が対向するようにした
場合を検討した。ガラス近傍の磁束密度は、ホール素子
での模擬的評価の結果、局部的には約4000ガウス以
上にした。簡単なシミュレーションの結果、同極性の磁
極が対向する場合、基板近傍の磁力線は、基板に平行な
成分と、垂直な成分があり、異極性の磁極が対向する場
合、基板近傍において、基板に垂直な成分が主となる。
(図2)(b)においては、基板近傍に基板に平行な磁
束を集中させることを狙ったものである。このために、
軟鉄製のポールピース12を設けた。磁束密度は、約3
500ガウスであった。また、(図2)(c)において
も、(b)と同様の効果を有した。ただし、基板裏側に
電磁石を設けた故に、レーザー光の照射のための器具と
の配置において、(c)は(b)よりも、簡略になると
いう長所がある。
【0069】なお、本発明は、シリコン膜の溶融−固化
結晶化時に、溶融−固化結晶化部位に、数1000ガウ
ス以上の静磁場が存在することが本質であって、例え
ば、約40cm角程度の小面積基板の場合、ある程度経
済的に、通常の電磁石、又は超伝導コイルによる電磁石
により、磁場を与えることも出来る。勿論、この場合、
レーザー光の照射の都合上、シリコン膜面に平行な磁力
線となる。本発明はこれらも含むものである。
【0070】レーザーとしては、塩化クロライド・エキ
シマーレーザー、ラムダフィジクス社製、EMG−20
3MSGを基本としたものであった。波長は約300n
mであった。この波長では、シリコン膜の吸収は、表層
約50nm近くに限られる。レーザーの1ショットあた
り、220mJ/cm^2の条件で、約40ショット照
射した。パルス幅は約35n秒であった。雰囲気は、約
10^−3torrのアルゴン雰囲気であった。このと
き、この条件で、シリコン膜が溶融するのは、別の実験
で確認した。
【0071】本発明は、まず、レーザーを照射するシリ
コン膜の部位に、磁束密度を約、3500ガウス〜40
00ガウスになるように、コイルに電流を流し、静磁場
を局所的に印加する。つぎに、前述の条件で、エキシマ
ーレーザー光をこの部位に照射する。さらに照射中、お
よび、照射後、約5μ秒静磁場を保つ。シリコン膜の反
射光の測定から、レーザー照射の終了後、約1〜2μ秒
で固化、結晶化する。
【0072】なお、従来法のレーザー光による、溶融−
結晶化のプロセスは、レーザー光の照射のみである。す
なわち、本発明はこれを組み合わせたところに本質があ
る。
【0073】得られた結晶質シリコン膜の表層の平滑性
は、原子間力顕微鏡での観察によれば、約3nm以下で
あった。特に、(図2)(b)(c)の配置の場合、平
滑性は約1nm以下である。(図2)(a)において、
基板上下の磁極を逆磁極にするよりも、同一磁極にした
方が、平滑性が良かった。これらのことは、磁力線が基
板に平行な方が望ましい結果を与えることを示唆してい
る。さらには、シリコン原子の電子軌道の反磁性の故
に、シリコン原子が磁力線に拘束されることを暗示して
いるようだ。
【0074】このあと、周知の方法すなわち、テトラエ
トキシシラン(TEOS)−オゾン系のプラズマCVD
でゲート絶縁膜を形成する。さらに周知の方法で、スタ
ッガー型(トップゲート型)TFTを形成した。
【0075】TFTチャネル部のキャリアの移動度は、
従来に比べ、約40%向上した。特に、(図2)(b)
(c)に対応するTFTでは、移動度は約70%向上し
た。これは、結晶質シリコン膜の平滑性と平行関係にあ
る。
【0076】高感度2次イオン質量分析(高感度SIM
S)による、結晶質シリコン膜の分析によれば、膜中の
酸素濃度は、従来に比べ、約2桁低かった。従来、通
常、結晶シリコン中の酸素は、多くの場合、ドナーとし
て働き、外部からのドーピングの制御を擾乱させるが、
本発明はある程度これを回避するものである。
【0077】(実施例2)[図3]、(a)、(b)、
(c)は本発明を説明するための構成断面図である。同
図において、19は基板、20は沈積されたシリコン
膜、21はキャップ膜(ゲート絶縁膜となるもの)、2
2は磁心、23は電磁石用コイル、24は磁心、25は
電磁石用コイル、26はレーザー光、27は磁心、28
はポールピース、29は電磁石用コイル、30はレーザ
ー光、31は磁心、32はポールピース、33は電磁石
用コイル、34はレーザー光である。
【0078】実施例1と同様に、非晶質シリコン膜を形
成した。次に、テトラエトキシシラン(TEOS)−オ
ゾン系のプラズマCVD法でゲート絶縁膜となる2酸化
シリコン膜、かつこの場合、キャップ膜ともなる2酸化
シリコン膜を形成する。使用装置は、(株)サムコイン
ターナショナル研究所製、液体ソースCVD装置、PD
−240であった。膜厚、約100nmとした。
【0079】これに、実施例1と同様に、同様のパワー
のレーザーを照射しつつ、照射部に同時に約3000の
静磁場を印加した。この様子を模式的に、(図3)
(a)〜(c)に示す。
【0080】勿論、この場合、上の2酸化シリコン膜
は、勿論、この程度のレーザー照射で溶融の証拠は無い
(融点は不明瞭ではあるが、実際上の軟化の温度はシリ
コンより若干低い。しかし、レーザー光の吸収が軽微の
ため、ここまで加熱されない。)従来、このようなレー
ザー光の条件では、中のシリコンが溶融し、この際のシ
リコン原子の激しい移動により、上のゲート絶縁膜たる
膜が破壊される。ところが、本発明においては、全く、
破壊が見られない。すなわち、シリコン原子の激しい移
動が抑制されたと思われる。磁束に基板平行成分のある
方が望ましかった。
【0081】 また、ゲート絶縁膜およびこれとシリコ
ン膜との界面は、約1400℃程度の熱処理を受ける。
これは、界面等の準位等、ゲート絶縁膜中の準位等を消
去する効果を有する。この1400℃が、約1000℃
以上であることに大なる意味がある。すなわち、100
0℃以下の熱処理においては、約10^18/cm^3
程度ある酸素原子がドナー化するのを防ぐ。
【0082】また、シリコン膜の溶融の瞬間において、
シリコン原子の対流移動を抑制するもう一つの方法は、
この溶融部に、溶融の間、高圧不活性ガスを吹き付ける
ことである。不活性ガスとしては、高純度アルゴンガス
そのまま、または高純度水素ガスを含む高純度アルゴン
ガスを使用することが望ましい。圧力は、約2気圧以上
が望ましい(背景雰囲気は、1気圧以下である)。
【0083】また、シリコン膜の溶融の瞬間において、
シリコン原子の対流移動を抑制するには、この溶融部
に、溶融の間、高圧不活性ガスを吹き付けることであ
る。不活性ガスとしては、高純度アルゴンガスそのま
ま、または高純度水素ガスを含む高純度アルゴンガスを
使用することが望ましい。圧力は、約2気圧以上が望ま
しい(背景雰囲気は、1気圧か、以下である)。
【0084】(実施例3)シリコン膜の溶融−固化結晶
化の際、シリコン原子の対流による移動を抑制する方法
を説明するための[図4]は構成断面図である。同図に
おいて、35は基板、36はシリコン膜、37は高圧気
体導入パイプ、38は高圧気体、39はレーザー光であ
る。
【0085】非晶質シリコン膜の作成は、(実施例1)
と同様に作成された。この非晶質シリコン膜の雰囲気
を、一気圧のアルゴンになるよう置換する。つぎに、
(実施例1)の如く、レーザー光を照射、溶融−結晶化
させる。レーザーは、日本電気製、アルゴンレーザー、
GLG−3202を基本としたものであった。時間的
に、レザー照射の直前から、レーザー照射終了後数m秒
まで、高圧アルゴンガス(約4気圧)を、細孔から、照
射部に向けて、噴出させ続ける。
【0086】結果、結晶化シリコン膜の表面凹凸性は、
約5nm以下にすることが出来た。
【0087】つぎに、溶融−結晶化した結晶質シリコン
の上にゲート絶縁膜を形成後、シリコン−絶縁膜の界面
および絶縁膜のキャリアトラップ等、不純なエネルギー
準位の原因となる欠陥を減少させるために、瞬時に結晶
質シリコンを約1000℃以上、約1400℃以下に加
熱するのが、移動度の向上と、移動度の再現性、さらに
移動度の信頼性、またTFT特性の閾値の再現性の確保
の、決定的効果を有する。概略の評価によれば、この加
熱は、結晶質シリコンが約、1000℃以上、約140
0℃以下が望ましい。1400℃以上にすると、結晶質
シリコンが再溶融し、プロセスの制御にかなり注意が必
要となる(例えば、凹凸等)。
【0088】多分、これの効果の裏付けは以下のようだ
と思われる。分析によれば、約10^16〜10^17
/cm^3程度、結晶質シリコンに入っている酸素が、
1000℃以上では固溶し、ドナー等にはならず、無害
化される。ところが、これ以下の温度の熱処理において
は、やらないよりは特性が改善されるものの、酸素原子
が微小欠陥として析出したり、またドナー的振る舞いを
するようになる。これは、キャリアの移動度を抑制し、
また閾値を変動させる。
【0089】この加熱は局部加熱が有利であり、この点
レーザーや、高周波加熱が望ましい。レーザーとして
は、シリコン膜の吸収の点から、エキシマーレーザー
や、アルゴンレーザーが望ましく、高周波熱は約100
KHz強のマイクロ波が望ましいものであった。
【0090】溶融−結晶化した結晶質シリコンの上にゲ
ート絶縁膜を形成後、シリコン−絶縁膜の界面および絶
縁膜のキャリアトラップ等、不純なエネルギー準位の原
因となる欠陥を減少させるために、瞬時に結晶質シリコ
ンを約1000℃以上、約1400℃以下に加熱するの
が、移動度の向上と、移動度の再現性、さらに移動度の
信頼性、またTFT特性の閾値の再現性の確保の、決定
的効果を有する。概略の評価によれば、この加熱は、結
晶質シリコンが約、1000℃以上、約1400℃以下
が望ましい。1400℃以上にすると、結晶質シリコン
が再溶融し、プロセスの制御にかなり注意が必要となる
(例えば、凹凸等)。
【0091】多分、これの効果の裏付けは以下のようだ
と思われる。分析によれば、約10^16〜10^17
/cm^3程度、結晶質シリコンに入っている酸素が、
1000℃以上では固溶し、ドナー等にはならず、無害
化される。ところが、これ以下の温度の熱処理において
は、やらないよりは特性が改善されるものの、酸素原子
が微小欠陥として析出したり、またドナー的振る舞いを
するようになる。これは、キャリアの移動度を抑制し、
また閾値を変動させる。
【0092】この加熱は局部加熱が有利であり、この点
レーザーや、高周波加熱が望ましい。レーザーとして
は、シリコン膜の吸収の点から、エキシマーレーザー
や、アルゴンレーザーが望ましく、高周波熱は約100
KHz強のマイクロ波が望ましいものであった。
【0093】(実施例4)本発明、すなわち結晶質シリ
コンおよびこれに接してゲート絶縁膜形成後、この界面
およびゲート絶縁膜内部の不都合な電子エネルギー準位
の低減を目指し、瞬間的に、結晶質シリコンを約100
0℃以上、約1400℃以下に加熱することに関し、こ
れを説明するための構成断面図が[図5]である。同図
において、40は基板、41は結晶質シリコン膜、42
はゲート絶縁膜用キャップ膜、43はレーザー光であ
る。
【0094】まず、実施例1〜3の如く、表面が平滑な
結晶質シリコンを得る。必要とあれば、これにゲート絶
縁膜を沈積、加工して、(図5)のような、構成物を得
る。この結晶質シリコンを約1000℃以上、約140
0℃以下に加熱する。
【0095】約1400℃以下の熱処理に限定したの
は、結晶質シリコンの再溶融による不都合を避けるため
である。シリコンは、ほぼ、1400℃強で溶融する。
実験的には、溶融−不溶融の境目の温度を、約1400
℃程度として、エネルギー印加条件(レーザーおよび高
周波加熱の)を決めたのが実状である。約1000℃
は、計算から、推測した。
【0096】ほんとに約1000℃、以上の熱処理が安
定させるのか。検討によれば、周知の方法で、電極形成
および、n+またはp+のソース、ドレイン領域を形成
されてなるTFTにおいて、いわゆるBT(バイアス
温度 ストレス)法による信頼性評価によると、100
0℃以下の熱処理の場合に比較、約2倍以上、変化率が
抑えられた。何故については、よく分からないが、10
^18は存在する不純物酸素原子が、1000℃以上で
は固溶し、しかも、不都合な電子のエネルギー準位を形
成しないと推測している。文献等では、900℃程度の
熱処理では、酸素に由来する、ドナー準位を発生させる
ようである。
【0097】(実施例1〜3)による結晶質シリコン膜
は平坦であり、これに起因すると思われるが、この約1
000℃の熱処理によるゲート絶縁膜用キャップ膜の割
れ、クラックは全く起こらない。(実施例1〜3)によ
らない、従来法による結晶質シリコン膜に関しては、し
ばしば、この約1000℃の熱処理のあと、ゲート絶縁
膜用キャップ膜にクラックが観測される。
【0098】瞬時の約1000℃以上、約1400℃以
下に加熱においては、前述のようなエキシマーレーザー
やアルゴンレーザーが使われる。
【0099】また、約110KHzの断続的高周波加熱
で、約1000℃以上、約1400℃以下に加熱がなさ
れた。これについては、対応する図は掲載しなかった。
装置は縦形エピタクシー装置、国際電気製、DC520
0を使用した。結果は、前述と同様、好ましいものであ
った。
【0100】また、予測されるように、多結晶シリコン
の均一ドーピングはなかなか難しい。この事態を改善す
るために、結晶質シリコンのチャネル部に、熱中性子を
照射、薄膜トランジスターの閾値制御を行うことを提案
する。これは、原子核変換により、ドナーとなる燐原子
を均一にドープするものである。承知されるとおり、熱
中性子は、荷電粒子と相互作用すること無く、従って透
過力が強い。すなわち、結晶粒界や、シリコン膜厚には
関係無く、均一に、結晶を透過、一部の熱中性子は、シ
リコン原子核に捕らえられる。
【0101】具体的には、シリコンの質量数30の同位
元素、30 Siが熱中性子を吸収し、燐原子、31Pにβ
崩壊することを利用する。この半減期は、2.62時間
であり、30 Siは通常のシリコンに3.09%含まれ
ており、また31Pは通常の燐原子である。これは、もと
もと結晶格子にあるシリコン原子を格子位置の燐に変換
するものであることに注目する必要がある。すなわち、
通常のドーピングのように、はじめ、多くの不純物原子
は結晶格子間位置(インタースティッシャル位置)に入
り、熱処理により格子位置におさまるのとは、大いに異
なる。
【0102】熱中性子の照射は、原子炉または、医療用
にも使われるサイクロトロン、または中性子輻射装置で
なされる。本実施例では、医療用サイクロトロンでなさ
れた。照射時間は、約5時間必要とし、結果燐濃度とし
て、約3×10^13程度であった。これは、予め、別
の検討で、抵抗率の温度依存性、移動度の温度依存性か
ら評価されたものである。この検討を通じて、均一なド
ーピングがなされているのが理解された。
【0103】なお、基板にも勿論、熱中性子が照射され
るが、基板をコーニング社製、#1737とする場合、
残留放射能に関する大きな問題は無かった。
【0104】また、この中性子の照射後、多結晶シリコ
ン膜とキャップ膜(ゲート絶縁膜になる場合)の放射線
損傷の回復のため、熱処理するのが望ましい。特に、存
在する酸素がドナー的振る舞いを抑制するために、60
0℃以上で、真空または不活性雰囲気中での熱処理が望
ましい。
【0105】(実施例5)つぎに本発明に関する、中性
子照射ドーピング法を説明するための[図6]は構成断
面図である。同図において、44は基板、45は結晶質
シリコン膜、46はキャップ膜、47は中性子線、48
は中性子発生装置、49は中性子線透過用窓である。な
お、本検討では、中性子発生装置48として、医療用サ
イクロトロンを使った。同図において、中性子発生装置
48は、模式的に示されている。
【0106】照射時間は、約5時間必要とし、つぎに、
約800℃に約2分、ランプアニール法により熱処理し
た。雰囲気は、真空雰囲気で行った。結果燐濃度とし
て、約3×10^13程度であった。これは、予め、別
の検討で、抵抗率の温度依存性、移動度の温度依存性か
ら評価されたものである。この検討を通じて、抵抗率の
測定等から、従来より均一なドーピングがなされている
のが理解された。また、結果したTFT特性の信頼性評
価も優れたものであった(BTストレス法による)。
【0107】中性子照射時に想定される多結晶シリコン
膜、キャップ膜(ゲート膜となる場合)の放射線損傷の
回復のため、約600℃以上の熱処理が望ましい。約6
00℃〜650℃の場合、長時間の熱処理が必要であ
る。600℃以下の熱処理の場合、活性化率は大幅に劣
化し、しかもこれの再現性が著しく悪くなる。これは、
抵抗値測定から、理解された。これは、TFT特性のバ
ラツキに大きく関係する。
【0108】残留放射能については、ディテクターで測
定したところ、安全基準のはるか以下であった。この検
討においては、基板として、高純度石英基板を用い、キ
ャップ膜は2酸化シリコン膜を用いた。酸素原子に対し
ては、残留放射能は問題が無いことは、予測されること
である。
【0109】さらに、本発明について、以下より具体的
に説明する。以降、トップゲート型のTFTについて、
話を進めるが、ボトムゲート型のTFTについての、細
かい違いはあるものの、本質は変わらない。従って、ト
ップゲート型TFTについてのみ、詳述する。さらに、
制御さるべき、キャリアとしては、電子、または正孔の
2種があるが、本質的には変わらないので、ここでは、
キャリアとして電子、すなわち、NチャネルのTFTに
ついて、以下に議論する。
【0110】該TFTの初期特性の均一性は、一つの要
因は、以下のように、考えた。すなわち、TFTの作成
工程において、加熱プロセスが数多くある。このとき、
TFTを構成する半導体膜、すなわち、結晶質シリコン
膜に、基板側から、微小量(ほとんど、分析不可能な
量)の拡散が起こり、ゲート絶縁膜−結晶質シリコン膜
界面近傍のキャリアのエネルギー準位の状況をばらつか
せる。
【0111】また、TFTの信頼性、特に、前記閾値の
変化も、一つの要因は、電圧と温度により、結晶質シリ
コン膜に、基板側から、微小量(ほとんど、分析不可能
な量)の拡散が起こることに、発すると考えた。
【0112】この発明は、TFTを構成する多結晶シリ
コン層の断面が結果として異なるので、まず、従来法を
再度、吟味する。
【0113】[図7]に、従来の、TFTの製作手法例
を示す。(図7)において、50は基板、51は脱水素
処理された非晶質シリコン、52はレーザー光、53は
溶融・結晶化して得られる結晶質シリコン膜、54はゲ
ート絶縁膜、55はゲート金属電極膜、56はソース金
属電極膜とドレイン金属電極膜、57はパッシベーショ
ン膜である。
【0114】 簡単に、従来の工程を示す。まず、非
晶質シリコン膜を周知のプラズマ化学蒸着法(プラズマ
CVD法)で形成する。そのあと、約350℃で約1時
間 、真空雰囲気で熱処理して、脱水素処理を行う(同
図(a))。つぎに、キセノンのエキシマーレーザーを
照射し、前記脱水素処理された非晶質シリコン51を溶
融・固化させて、再結晶化された結晶質シリコン膜53
を得る(同図(b))。さらに、ゲート金属電極直下と
想定される結晶質シリコンの部分に、リンの薄いイオン
注入を行い(チャネルドープ)、また、ソース及びドレ
イン金属電極直下と想定される結晶質シリコンの部分
に、リンの濃いイオン注入を行う(n+ドープ)。さら
に、注入種の活性化のための熱処理を窒素気流中、約6
00℃ で約30分行う。つぎに、2酸化珪素等からな
るゲート絶縁膜54を得る。手法は、周知の如く、シラ
ンと酸素あるいはこれに水蒸気の混合ガスからの減圧化
学蒸着法(LPCVD)か、テトラエトキシシランとオ
ゾンの混合ガスからのプラズマCVD法等による。この
膜厚は、0.1μm〜0.01μmである(同図
(c))。つぎに、アルミニウム等による、ゲート金属
電極膜55を、周知の電子ビーム蒸着法とフォトリソグ
ラフィー法と化学蝕刻法でもって、形成する(同図
(d))。前記ゲート絶縁膜54のソース電極部および
ドレイン電極部に対応する部分を、周知の化学蝕刻法で
孔あけし、この孔部分に、周知の電子ビーム蒸着法とフ
ォトリソグラフィー法と化学蝕刻法でもって、ソース金
属電極膜およびドレイン金属電極膜7を形成する(同図
(e))。つぎに、全体に、プラズマCVD法により、
パッシベーション膜(同図(f))として窒化シリコン
膜を形成する。
【0115】基板としては、耐熱性硼珪酸ガラスや、溶
融石英板が使われる。溶融石英板は非常に高価である。
現実には、8インチ径基板以上は、生産に供するのは、
絶望的である。従って、場合によっては、耐熱性硼珪酸
ガラス、たとえば、コーニング社製、#1737ガラス
が、もっともよく使われる。ところが、これの一般的製
法に由来して、0.1%程度のアルカリ元素を耐熱性硼
珪酸ガラスは含まれている。この耐熱性硼珪酸ガラス中
のアルカリ元素やそのほかの不純物が、TFT製造時に
結晶質シリコン膜中に拡散してくると考えられる。この
現象は、加熱により促進されると思われる。これが、T
FT製造初期の前記閾値をばらつかせる要因と考えられ
る。現実に、このばらつきは、従来、約0.5V以上で
あった。目標は、0.1V以下である。
【0116】また、信頼性の加速評価、すなわち、BT
S法下での閾値の大きな変動も、これに由来すると考え
られる。
【0117】(実施例6)[図8]は本発明にかかる手
法を説明するための構成断面図である。同図において、
58は基板、59は非晶質シリコン膜、60は加速され
た酸素イオン流、61は酸素原子密度の極少の非晶質シ
リコン膜、62は酸素原子密度の大なる非晶質シリコン
膜、63はレーザー光、64は溶融結晶化した結晶質シ
リコン膜、65は電子線回折評価で酸化シリコンと同定
される膜、66はゲート絶縁膜、67はゲート金属電極
膜、68はソース金属電極膜とドレイン金属電極膜、6
9はパッシベーション膜である。
【0118】(図8)を使って、本発明を説明する。
【0119】まず、コーニング・ジャパン社より1.1
mm厚の耐熱性硼珪酸ガラス、#1737を入手した。
この上に、(株)サムコインターナショナル研究所製、
プラズマCVD装置、PD−2400を使い、プラズマ
CVD法で、約250nm厚の非晶質シリコン膜を形成
した。つぎに、周知のフォトリソグラフィー法及び、フ
ッ酸−硝酸−酢酸混液による湿式エッチで島状にパター
ニングする。つぎに、真空中、約400℃ で約1時間
熱処理して、前記非晶質シリコン膜から水素を脱離させ
た(同図(a))。
【0120】つぎに、住友イートンノバ製、NV−GS
D−A−160を用い、約120KeV相当のエネルギ
ーで、ドーズ量、約1.5×10^18/cm^2と
し、約20分、酸素イオンを注入した。基板温度は約4
00℃ にした。別の実験によれば、シリコン中の酸素
イオン密度のピークは、深さ約150nmにあり、この
ピークの酸素密度は約4×10^22/cm^3であっ
た(同図(b))。このあと、約600℃ 、約5時
間、熱処理した。
【0121】つぎに、レーザー光を照射した。レーザー
としては、塩化クロライド・エキシマーレーザー、ラム
ダフィジクス社製、EMG−203MSGを基本とした
ものであった。波長は約300nmであった。この波長
では、シリコン膜の吸収は、表層約50nm近くに限ら
れる。レーザーの1ショットあたり、220mJ/cm
^2の条件で、約40ショット照射した。パルス幅は約
35n秒であった。雰囲気は、約10^−3torrの
アルゴン雰囲気であった。このとき、この条件で、酸素
原子密度の極小の非晶質シリコン膜が瞬時に溶融・固化
するのは、別の実験で確認した(同図(c))。レーザ
ー処理されたシリコン膜の走査型電子顕微鏡による断面
観察によれば、溶融・固化して得た結晶質シリコン膜の
表面の平坦性は従来に比較して、一桁近く向上してい
た。これは、本発明にかかる一つの長所である。また、
結晶質シリコン膜とその下部の2酸化珪素相の存在は、
電子線回折により、確認された。
【0122】つぎに、従来と同様に、ゲート金属電極直
下と想定される結晶質シリコンの部分に、リンの薄いイ
オン注入を行い(チャネルドープ)、また、ソース及び
ドレイン金属電極直下と想定される結晶質シリコンの部
分に、リンの濃いイオン注入を行う(n+ドープ)。さ
らに、注入種の活性化のための熱処理を窒素気流中、約
600℃ で約30分行う。さらに、シラン−酸素系ガ
スを用いた、LPCVD炉(東京エレクトロン製、型式
IW−6)で、膜厚約80nmのゲート絶縁膜を形成
し、周知の方法で、前記結晶質シリコン膜の島近傍にの
み、このゲート絶縁膜が残存するよう、微細加工した
(同図(d))。
【0123】つぎに、ゲート金属電極膜を形成する。ま
ず、EB蒸着機(日本真空(株)製、EVC 500
A)を用い、アルミニウムを約800nm、蒸着する。
これを、周知のフォトリソグラフィー法および、燐酸−
硝酸−酢酸系混液で微細加工して得た(同図(e))。
【0124】つぎに、周知のフォトリソグラフィー法お
よびフッ酸系緩衝液を用い、ゲート絶縁膜のうちソース
電極部位、およびドレイン電極部位に孔を開けた。つぎ
に、前述のように、電子ビーム蒸着法でもって、アルミ
ニウム膜を約1.2μm厚になるよう形成し、さらに前
述のように、微細加工してソース金属電極膜とドレイン
金属電極膜を形成した(同図(f))。
【0125】さらに、つぎに、全体に、プラズマCVD
法により、パッシベーション膜として窒化シリコン膜を
形成する(同図(g))。
【0126】また、用いるレーザーとしては、エキシマ
ーレーザーの代わりに、アルゴンレーザーを用いても、
同様の結果が得られた。レーザーは、日本電気製、アル
ゴンレーザー、GLG−3202を基本としたものであ
った。
【0127】出来上がったTFTの前記閾値のばらつき
は、ほぼ、0.1V以下であり、著者の仮説を裏付ける
ものであった。また前述のようなBTS法の評価によれ
ば、前記閾値の変動幅は0.1V以下であった。
【0128】
【発明の効果】本発明を実施する際に、TFTを構成す
る結晶質シリコン膜や、これとゲート絶縁膜、または界
面の性質の抜本改善により、特性の一様化や信頼性向上
に寄与するものであり、TFTは液晶表示装置への応用
や、入出力装置等、価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来法に対応する結晶化法を説明する構成断
面図
【図2】 本発明に関する結晶化法を説明する構成断面
【図3】 本発明に関する結晶化法を説明する構成断面
【図4】 本発明に関する結晶化法を説明する構成断面
【図5】 本発明に関する熱処理法に関する構成断面図
【図6】 本発明に関するドーピング法に関する構成断
面図
【図7】 従来法に対応する結晶化法を説明する構成断
面図
【図8】 本発明に関する結晶化法を説明する構成断面
【符号の説明】
1 基板 2 沈積されたシリコン膜 3 溶融・再結晶化された結晶質シリコン膜 4 基板 5 沈積されたシリコン膜 6 磁心 7 電磁石用コイル 8 磁心 9 電磁石用コイル 10 レーザー光 11 磁心 12 ポールピース 13 電磁石用コイル 14 レーザー光 15 磁心 16 ポールピース 17 電磁石用コイル 18 レーザー光 19 基板 20 沈積されたシリコン膜 21 キャップ膜(ゲート絶縁膜となるもの) 22 磁心 23 電磁石用コイル 24 磁心 25 電磁石用コイル 26 レーザー光 27 磁心 28 ポールピース 29 電磁石用コイル 30 レーザー光 31 磁心 32 ポールピース 33 電磁石用コイル 34 レーザー光 35 基板 36 シリコン膜 37 高圧気体導入パイプ 38 高圧気体 39 レーザー光 40 基板 41 結晶質シリコン膜 42 ゲート絶縁膜用キャップ膜 43 レーザー光 44 基板 45 結晶質シリコン膜 46 キャップ膜 47 中性子線 48 中性子発生装置 49 中性子線透過用窓 50 基板 51 脱水素処理された非晶質シリコン 52 レーザー光 53 溶融・結晶化して得られる結晶質シリコン膜 54 ゲート絶縁膜 55 ゲート金属電極膜 56 ソース金属電極膜とドレイン金属電極膜 57 パッシベーション膜 58 基板 59 非晶質シリコン膜 60 加速された酸素イオン流 61 酸素原子密度の極少の非晶質シリコン膜 62 酸素原子密度の大なる非晶質シリコン膜 63 レーザー光 64 溶融結晶化した結晶質シリコン膜 65 電子線回折評価で酸化シリコンと同定される膜 66 ゲート絶縁膜 67 ゲート金属電極膜 68 ソース金属電極膜とドレイン金属電極膜 69 パッシベーション膜

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上、平坦な表面を有するシリコン膜
    を形成し、つぎにシリコン原子の対流移動を抑制しつ
    つ、溶融−結晶化させて結晶質シリコン膜を得ることを
    特徴とする薄膜トランジスターの製法。
  2. 【請求項2】 基板上、平坦な表面を有するシリコン膜
    を形成し、つぎにゲート絶縁膜を形成し、さらにシリコ
    ン原子の対流移動を抑制しつつ、溶融−結晶化させて結
    晶質シリコン膜を得ることを特徴とする薄膜トランジス
    ターの製法。
  3. 【請求項3】 シリコン膜の溶融を、レーザー照射によ
    りなされることを特徴とする請求項1、2に記載の薄膜
    トランジスターの製法。
  4. 【請求項4】 レーザーが、エキシマーレーザーである
    ことを特徴とする請求項3に記載の薄膜トランジスター
    の製法。
  5. 【請求項5】レーザーが、アルゴンレーザーであること
    を特徴とする請求項3に記載の薄膜トランジスターの製
    法。
  6. 【請求項6】磁場を印加して、溶融−結晶化時、シリコ
    ン原子の対流移動を抑制することを特徴とする請求項
    1、2に記載の薄膜トランジスターの製法。
  7. 【請求項7】高圧力不活性ガスを吹き付けて、溶融−結
    晶化時、シリコン原子の対流移動を抑制することを特徴
    とする請求項1、2に記載の薄膜トランジスターの製
    法。
  8. 【請求項8】結晶質シリコンおよびこれに接してゲート
    絶縁膜形成後、瞬間的に、結晶質シリコンを約1000
    ℃以上、約1400℃以下に加熱することを特徴とする
    薄膜トランジスターの製法。
  9. 【請求項9】 結晶質シリコンの加熱を、レーザー照射
    によりなされることを特徴とする請求項8に記載の薄膜
    トランジスターの製法。
  10. 【請求項10】 レーザーが、エキシマーレーザーであ
    ることを特徴とする請求項9に記載の薄膜トランジスタ
    ーの製法。
  11. 【請求項11】レーザーが、アルゴンレーザーであるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の薄膜トランジスターの
    製法。
  12. 【請求項12】結晶質シリコンの加熱を、高周波加熱に
    よりなされることを特徴とする請求項8に記載の薄膜ト
    ランジスターの製法。
  13. 【請求項13】結晶質シリコンのチャネル部に、中性子
    を照射、薄膜トランジスターの閾値制御を行うことを特
    徴とする薄膜トランジスターの製法。
  14. 【請求項14】中性子照射後、600℃以上で、真空ま
    たは不活性雰囲気中で、熱処理することを特徴とする請
    求項13に記載の薄膜トランジスターの製法。
  15. 【請求項15】 基板上、平坦な表面を有するシリコン
    膜を形成し、つぎにこのシリコン膜の表層から約100
    nm以上の深さに酸素イオンをイオン注入し、つぎにこ
    のシリコン膜を溶融−結晶化させて結晶質シリコン膜を
    得る過程を含むことを特徴とする薄膜トランジスターの
    製法。
  16. 【請求項16】 基板上、平坦な表面を有するシリコン
    膜を形成し、つぎにこの基板を500℃ から600℃
    の間の一定温度に保ちつつ、酸素イオンをこのシリコン
    膜の表層から約100nm以上の深さにイオン注入し、
    つぎにこの基板を約600℃ 以上の温度で、約10時
    間以上熱処理し、つぎにレーザー光を照射してシリコン
    膜を溶融−結晶化させて結晶質シリコン膜を得る過程を
    含むことを特徴とする薄膜トランジスターの製法。
  17. 【請求項17】 基板が硼珪酸系ガラスであることを特
    徴とする請求項15、16に記載の薄膜トランジスター
    の製法。
  18. 【請求項18】 レーザーが、エキシマーレーザーであ
    ることを特徴とする請求項16に記載の薄膜トランジス
    ターの製法。
  19. 【請求項19】 レーザーが、アルゴンレーザーである
    ことを特徴とする請求項16に記載の薄膜トランジスタ
    ーの製法。
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