JP2000291702A - 電動ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
ーキパッドと被制動部材との摩擦係合後においては力伝
達効率に優れた電動ブレーキを提供する。 【解決手段】電動モータの駆動力を受けてブレーキ部材
6を被制動部材7に押圧する力伝達変換機構4を備えて
いる電動ブレーキ装置において、前記力伝達変換機構4
は、電動モータの回転によって回転するギヤ13と、同
ギヤと対向して配置されているナット18と、ギヤ13
とナット18との間に配置される回転体とからなり、か
つ、ギヤ13とナット18との相対的回転により、ギヤ
13よりナット18が離間するよう作動するランプ機構
と、同ナット18に螺合している非回転のネジ部材31
と、ネジ部材31に作用的に当接するブレーキ部材6と
からなり、前記ランプ機構は、ブレーキ部材6が被制動
部材7に対して所定の押圧力で当接するまでの間はギヤ
13とナット18を一体的に回転し、所定の押圧力以上
になるとギヤ13とナット18との相対的回転を許容し
てナット18を被制動部材方向に移動可能に構成したこ
とを特徴とする電動ブレーキ装置。
Description
電動モータを作動しブレーキ部材を被制動部材に押し付
けてブレーキ力を発生する電動ブレーキ装置において、
ブレーキ作動初期において応答性に優れ、ブレーキパッ
ドと被制動部材との摩擦係合後においては力伝達効率に
優れた電動ブレーキに関するものである。
レーキ部材(ブレーキパッド)を被制動部材(ブレーキ
ロータ)に押し付けてブレーキ力を発生する電動ブレー
キ装置は公知であり、こうした電動ブレーキ装置の一例
として、特表平10−504876号公報が知られてい
る。この電動ブレーキ装置は、電動機の回転力を減速装
置を介して減速し、さらに回転運動を直線運動に変換し
て、ブレーキロータに対向するブレーキパッドをブレー
キロータに向けて移動してブレーキを作動させる構成と
なっている。上記公報に記載された電動ブレーキでは、
電動モータの回転力をブレーキパッドの押し付け力に変
換する力伝達変換機構として、単なるネジとナットから
なる力伝達変換機構に代えて力伝達効率のよいローラネ
ジを使用している。しかしローラネジ機構は、単なるネ
ジ・ナット機構に比べて電動モータや減速機構のスペー
スが大きくなり小型化が困難である、さらにはローラネ
ジ自体が比較的高価であるため、コスト低減が困難であ
る等の欠点がある。
8−510316号公報に記載されたもの等もある。こ
の公報に記載された電動ブレーキは、電動モータとブレ
ーキパッドとの間に、ブレーキパッドを被制動部材(ブ
レーキロータ)に押圧するための歯車伝動装置を備えて
おり、この歯車伝動装置内に二つのクラッチ機構を設
け、第1のクラッチ機構が接続され、第2のクラッチ機
構が非接続状態である時は、ブレーキパッドの種々なる
接近速度および緊締力が得られ、その後、第1のクラッ
チ機構が非接続状態となり、第2のクラッチ機構が接続
状態になると、さらに高い緊締力が得られる(高い制動
力が得られる)構成となっている。この装置は、ブレー
キ作動初期のブレーキパッドの移動を速やかに行うこと
ができ、さらにブレーキ作動後はクラッチを切り換える
ことでより高い緊締力を得ることができる点で利点があ
るが、力伝達変換機構を歯車機構と二つのクラッチによ
って構成しているために、構造が複雑となり小型化する
ことが困難である等の問題がある。
動モータとブレーキパッドとの間にランプ機構を取り入
れた力伝達変換機構を採用することにより、ネジ・ナッ
ト機構よりも効率が良く、ローラネジ機構よりも小型で
安価であり、ブレーキパッドの摩耗に対する追従性にも
優れ、さらに、制動初期のストロークの必要な領域で
は、大きなストロークを得ることができ、制動作用中は
高い制動力を得ることができる構成が簡単な電動ブレー
キ装置を提供し、上記問題点を解決することを目的とす
る。
達変換機構は、電動モータの回転によって回転するギヤ
と、このギヤに対向して配置したナットと、ギヤとナッ
トの間に配置した回転体とからなり、かつ、ギヤとナッ
トとの相対的回転によりギヤよりナットが離間するよう
作動するランプ機構と、同ナット部材に螺合している非
回転のネジ部材と、ネジ部材に設けられているブレーキ
パッドとを備えており、ランプ機構は、ブレーキパッド
がブレーキロータに対して所定の押圧力で当接するまで
の間はギヤとナットを一体的に回転し、所定の押圧力以
上になるとナットとギヤとの相対的回転を許容してナッ
ト部材を被制動部材方向に移動可能に構成し、ブレーキ
作動初期のブレーキパッドの移動を速やかに行うことが
できるようにするとともに、ブレーキ作動後は高い緊締
力を得ることができるようにしている。
した技術解決手段は、電動モータの駆動力を受けてブレ
ーキ部材を被制動部材に押圧する力伝達変換機構を備え
ている電動ブレーキ装置において、前記力伝達変換機構
は、電動モータの回転によって回転するギヤと、同ギヤ
と対向して配置されているナットと、ギヤとナットとの
間に配置される回転体とからなり、かつ、ギヤとナット
との相対的回転によりギヤよりナットが離間するよう作
動するランプ機構と、同ナットに螺合している非回転の
ネジ部材と、ネジ部材に作用的に当接するブレーキ部材
とからなり、前記ランプ機構は、ブレーキ部材が被制動
部材7に対して所定の押圧力で当接するまでの間はギヤ
とナットを一体的に回転し、所定の押圧力以上になると
ギヤとナットとの相対的回転を許容してナットを被制動
部材方向に移動可能に構成したことを特徴とする電動ブ
レーキ装置であり、前記ランプ機構は、ギヤとナットの
対向する夫々の面に形成した傾斜溝と、該傾斜溝の間に
保持された回転体とを備え、前記傾斜溝は、ナットとギ
ヤとが相対回転した時に互いの溝深さが次第に浅くなる
ように形成し、互いの溝の最深部には前記回転体を保持
する凹部が形成され、互いの溝の最浅部の端部には回転
体の移動を禁止する壁部を構成してなることを特徴とす
る電動ブレーキ装置である。
態を説明すると、図1は実施形態に係わる電動ブレーキ
装置の一部断面図であり、図2は図1中のA−A断面
図、図3は図1中のB−B断面図、図4は同ブレーキ装
置内に配置する力伝達変換機構を構成するランプ機構の
平面図、図5はネジ部材と押圧部材との連結部に配置し
たブレーキパッドクリアランスを一定に保つためのスイ
ッチの構成図である。図1において、電動ブレーキ装置
は公知のようにキャリパ1を備えており、キャリパ1に
はブレーキ作動用の電動モータ2、減速機構3、力伝達
変換機構4、押圧部材5等が設けられている。キャリパ
1と押圧部材5のそれぞれには摩擦部材を構成する一対
のブレーキパッド6が設けられ、これらブレーキパッド
6が相互の方向に移動することによって被制動部材とし
てのブレーキロータ7を挟持し、ブレーキ力を働かせる
ことができる構成となっている。その構成は従来公知の
電動ブレーキ装置と同様となっている。
り、電動モータ2の出力軸2aには歯車8が取り付けら
れ、この歯車8が減速機構3を構成する第1歯車9に噛
み合っている。第1歯車9は小径の第2歯車10を一体
に備えており、この第2歯車10が大径の第3歯車11
に噛み合っている。第3歯車11は小径で且つ、軸方向
に長い第4歯車12を一体に備えており、第4歯車12
の図中左方側先端部が後述するランプ機構を構成するギ
ヤ13に噛み合っている。ギヤ13はベアリング13a
介してキャリパと当接している。第1、第2歯車9、1
0は軸受14、15により、また、第3、第4歯車1
1、12は軸受16、17によってキャリパ側に軸支さ
れている。
ヤ13とギヤに対向して配置したナット18と、ギヤ1
3とナット18の対向する夫々の面に対向して形成され
ている傾斜溝20、21と、両傾斜溝20、21間に保
持される回転体としてのボール19とを備えて構成され
ている。傾斜溝20、21は、図4に示すようにギヤ1
3とナット18とが初期位置から相対回転した時に互い
の溝深さが次第に浅くなるように形成され、且つ互いの
溝20、21の最深部にはボール19を保持する凹部2
2、23が形成され、この凹部22、23と傾斜溝2
0、21との接続点には所定の力が作用した時にボール
19が乗り越えることができる段部24、25が形成さ
れている。また、互いの溝20、21の最浅部の端部に
はボールの移動を禁止する壁部26(ナット側は図示せ
ず)が形成されており、対向する傾斜溝20、21の間
にボール19が保持され、図4に示す初期状態をとって
いる。なお、ボール19に変えて円筒状の回転体を使用
することもできる。
よってギヤ13側(図中右方側)に付勢されており、こ
の弾性体27はストップリング28によってキャリパに
保持されている支持部材29とナット18との間に配置
されている。支持部材29の中心部には軸受30が配置
されこの軸受30にナット18と一体に形成されている
小径部18aの外周が摺動自在に保持され、ナット18
の中心部には図3に示すようにネジ部材31が螺合32
している。またネジ部材31は図2に示すようにギヤ1
3に形成した孔33を貫通しており、ギヤ13とネジ部
材31との間には両部材が接触しないように隙間34が
形成されている。
止めロッド35により廻り止めが成されているととも
に、ネジ部材31の先端(図中左方端)には押圧部材5
が取り付けられている。
に示すようにパッドクリアランスを設定するためのスイ
ッチ機構36が取り付けられている。スイッチ機構36
を構成する端子37、38は図示せぬリード線で電子制
御装置に接続されているとともに、端子37、38は互
いに電気的絶縁状態でネジ部材31に固定されている。
端子37、38は非ブレーキ作動時には、押圧部材5と
の間に形成される隙間により非接続状態になっており、
ブレーキ作動中は押圧部材5と当接状態となり、端子3
7、38が導電性材料からなる押圧部材5によって短絡
されスイッチがON状態となるように構成されている。
動を説明する。運転者が図示せぬブレーキぺダルを踏
み、その踏力を図示せぬ踏力センサが検知すると図示せ
ぬ電子制御装置からの信号により電動モータ2に踏力に
比例した電流が流れ、電動モータ2の出力軸2aが回転
し、出力軸2aに設けた歯車8が回転する。歯車8の回
転により減速機構3の第1、第2歯車9、10が回転
し、さらに第2歯車10と噛み合っている大径の第3歯
車11が回転し第3歯車と一体の第4歯車12が回転す
る。第4歯車12の回転により力伝達変換機構4を構成
するランプ機構内のギヤ13が図4の矢印方向に回転す
る。
キパッド6とロータ7との間のブレーキクリアランスが
埋められておらず、ギヤ13によるナット18への押圧
は小さいため、このボール19が段部24、25を乗り
越えることができず、ギヤ13とナット18は一体に回
転する。ナット18の回転により廻り止めロッド35に
よって非回転状態に保持され、かつ、ナット18と螺合
しているネジ部材31が図1の左方に移動する。ネジ部
材31の図中左方への移動により押圧部材5の内面にネ
ジ部材31の端部が当接し、さらに、押圧部材5および
ブレーキパッド6を移動して同パッド6をブレーキロー
タ7に押しつけ、その時の反力によってキャリパ1が右
方に移動して他側のブレーキパッド6もブレーキロータ
7に押圧され両ブレーキパッドによりブレーキを働かせ
る。そして、ブレーキ作動状態になるとネジ部材31に
設けた2個の端子37、38は押圧部材5に接触して導
通状態となる。
ト18に対するネジ部材31の押圧力が大きくなるとナ
ットの回転は停止し、電動モータ2によって回転力が伝
達されているギヤ13の回転でボール19が傾斜溝2
0、21の最深部の凹部22、23の段部24、25を
乗り越えて、傾斜溝20、21内に移動し、ボールと溝
との作用で、非回転状態となっているナット18を弾性
体27を変形させながら図中左方に移動し、ネジ部材3
1を左方へ移してさらに高い制動圧力を得ることができ
る。この間、ブレーキペダルの踏力に比例して制御され
た電動モータへの電流により、ブレーキペダル踏力に比
例した所定のブレーキ力を得ることができる。
2が逆転し、第1ギヤ9〜第4ギヤ12が逆転し、ギヤ
13を逆転する。ブレーキ開放時はボール19の転がり
抵抗の方がネジ部材31とナット18の間の摩擦抵抗よ
りも小さいために、はじめにボール19が傾斜溝20、
21内を移動しながらブレーキ力を低下させ、その後ボ
ール19が傾斜溝の最深部の凹部22、23に移動する
と、ギヤ13とナット18が一体に回転し、ネジ部材3
1を図中右方に移動させてブレーキを開放する。
材31が戻り、押圧部材5とネジ部材とが離れ、端子3
7、38が押圧部材から離れると、スイッチがOFF状
態となり、この状態によって電子制御装置ECUから電
動モータ2への電流供給を停止し電動モータ2を停止す
る。この電動モータ2の停止により、ブレーキクリアラ
ンスが常に所定値で保持される。即ち、ブレーキパッド
が摩耗した状態であっても、ブレーキ作動後、ブレーキ
が開放され、電動モータ2が逆転してネジ部材31が初
期位置に戻り端子37、38とが押圧部材5と離れ電動
モータが停止することでブレーキパッド摩耗状態に係わ
らず常に一定のブレーキクリアランスを得ることができ
る。ブレーキ力増加中にギヤ13が回転する中でボール
19が傾斜溝20、21の最浅部にくると壁面26に当
接し、ボール19の移動が禁止され、この結果、ギヤ1
3とナット18が一体化して一体に回転し、ナット18
の回転でネジ部材31を更に図中左方に移動してブレー
キ押圧力を高めることができる。なお、本実施形態で
は、ブレーキペダル開放後に於けるブレーキクリアラン
スは前述のようにランプ機構、スイッチ機構によって適
正状態に維持できるようになっているが、上記スイッチ
機構は必要に応じて省略することも可能である。
は、ナットとネジ部材からなるネジ機構で、所定のブレ
ーキ力が発生した以後においては、ランプ機構によりブ
レーキ押圧力が高められる。電動モータの単位回転量当
たりの、押圧部材5によるブレーキパッド6の移動量
は、ネジ機構よりもランプ機構の方が小さく設定されて
いる。そのため、制動初期においては、ブレーキパッド
とブレーキロータ間のブレーキクリアランスは速やかに
埋められ、所定のブレーキ力が発生した以後において
は、機械効率の良いランプ機構によりネジ機構によるよ
りも、大きな押圧力でブレーキパッドを押圧できる。そ
のため電動モータの小型化にも役立つ。
電動ブレーキ装置の力伝達変換機構にランプ機構を採用
したことにより、ネジ機構よりも力伝達効率が良く、さ
らに、制動初期のストロークの必要な領域では、大きな
ストロークを得ることができ、応答性に優れ、制動作用
中は高い制動力を得ることができる構成が簡単な電動ブ
レーキ装置を得ることができる。
一部断面図である。
構成するランプ機構の平面図である。
ッチの構成図である。
Claims (2)
- 【請求項1】電動モータの駆動力を受けてブレーキ部材
6を被制動部材7に押圧する力伝達変換機構4を備えて
いる電動ブレーキ装置において、 前記力伝達変換機構4は、電動モータの回転によって回
転するギヤ13と、同ギヤと対向して配置されているナ
ット18と、ギヤ13とナット18との間に配置される
回転体とからなり、かつ、ギヤ13とナット18との相
対的回転によりギヤ13よりナット18が離間するよう
作動するランプ機構と、同ナット18に螺合している非
回転のネジ部材31と、ネジ部材31に作用的に当接す
るブレーキ部材6とからなり、前記ランプ機構は、ブレ
ーキ部材6が被制動部材7に対して所定の押圧力で当接
するまでの間はギヤ13とナット18を一体的に回転
し、所定の押圧力以上になるとギヤ13とナット18と
の相対的回転を許容してナット18を被制動部材方向に
移動可能に構成したことを特徴とする電動ブレーキ装
置。 - 【請求項2】前記ランプ機構は、ギヤとナットの対向す
る夫々の面に形成した傾斜溝と、該傾斜溝の間に保持さ
れた回転体とを備え、前記傾斜溝は、ナットとギヤとが
相対回転した時に互いの溝深さが次第に浅くなるように
形成し、互いの溝の最深部には前記回転体を保持する凹
部が形成され、互いの溝の最浅部の端部には回転体の移
動を禁止する壁部を構成してなることを特徴とする請求
項1に記載の電動ブレーキ装置。
Priority Applications (2)
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---|---|---|---|
JP09619799A JP4115617B2 (ja) | 1999-04-02 | 1999-04-02 | 電動ブレーキ装置 |
US09/538,243 US6279691B1 (en) | 1999-04-02 | 2000-03-30 | Electric braking device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09619799A JP4115617B2 (ja) | 1999-04-02 | 1999-04-02 | 電動ブレーキ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000291702A true JP2000291702A (ja) | 2000-10-20 |
JP4115617B2 JP4115617B2 (ja) | 2008-07-09 |
Family
ID=14158575
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP09619799A Expired - Fee Related JP4115617B2 (ja) | 1999-04-02 | 1999-04-02 | 電動ブレーキ装置 |
Country Status (2)
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US (1) | US6279691B1 (ja) |
JP (1) | JP4115617B2 (ja) |
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