JP4409717B2 - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気信号によって電動モータを作動しブレーキ部材を被制動部材に押し付けてブレーキ力を発生する電動ブレーキ装置において、ブレーキ作動初期において応答性に優れ、ブレーキパッドと被制動部材との摩擦係合後においては力伝達効率に優れた安価で小型の電動ブレーキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気信号によって電動モータを作動しブレーキ部材(ブレーキパッド)を被制動部材(ブレーキロータ)に押し付けてブレーキ力を発生する電動ブレーキ装置は公知であり、こうした電動ブレーキ装置の一例として、特表平10−504876号公報が知られている。
この電動ブレーキ装置は、電動機の回転力を減速装置を介して減速し、さらに回転運動を直線運動に変換して、ブレーキロータに対向するブレーキパッドをブレーキロータに向けて移動してブレーキを作動させる構成となっている。
上記公報に記載された電動ブレーキでは、電動モータの回転力をブレーキパッドの押し付け力に変換する力伝達変換機構として、単なるネジとナットからなる力伝達変換機構に代えて力伝達効率のよいローラネジを使用している。しかしローラネジ機構は、単なるネジ・ナット機構に比べて電動モータや減速機構のスペースが大きくなり小型化が困難である、ローラネジ機構とはいえどもネジ機構を使用しているため力伝達効率が低下する、さらにはローラネジ自体が比較的高価であるため、コスト低減が困難である、一方、ネジ機構を使用せずボールランプ機構のみの構成とした場合には間隙調整機構が必要となるため装置の価格が上昇する等の欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、電動モータとブレーキパッドとの間にランプ機構を取り入れた力伝達変換機構を採用することにより、ネジ・ナット機構よりも効率が良く、ローラネジ機構よりも小型で安価であり、ブレーキパッドの摩耗に対する追従性にも優れ、さらに、制動初期のストロークの必要な領域では、大きなストロークを得ることができ、制動作用中は高い制動力を得ることができる構成が簡単な電動ブレーキ装置を提供し、上記問題点を解決することを目的とする。
本発明の電動ブレーキ装置に採用した力伝達変換機構は、ボールランプとネジを組み合わせた機構を採用しブレーキ作動初期のブレーキパッドの移動を速やかに行うことができるようにするとともに、ブレーキ作動後は高い緊締力を得ることができるようにしている。
【0004】
このため、本発明が採用した技術解決手段は、
電動モータの駆動力を受けてブレーキ部材6を被制動部材7に押圧する力伝達変換機構4を備えている電動ブレーキ装置において、前記力伝達変換機構4は、減速機構を介して電動モータによって回転駆動され、円筒状大径部36を有する回転軸32と、前記円筒状大径部36に対向して配置した円盤部材を有するスクリュウシャフト44と、前記スクリュウシャフト44に螺合するナット45と、前記ナット45に回転不能、かつ軸方向に摺動自在に設けられた押圧ピストン31と、前記押圧ピストン31に押圧されるブレーキ部材と、前記円筒状大径部36と前記円盤部材39との間に設けたボールランプ機構と、前記円盤部材39を円筒状大径部36に付勢する弾性部材43とを備えてなり、前記ボールランプ機構は、ブレーキ部材6が被制動部材7に対して所定の押圧力で当接するまでの間は円筒状大径部36と円盤部材39とを一体的に回転し、所定の押圧力以上になると円筒状大径部36と円盤部材39との相対的回転を許容し、ボールランプ機構の作用で円盤部材39とスクリュウシャフト14とナットと押圧ピストンとを一体に被制動部材方向に移動可能に構成したことを特徴とする電動ブレーキ装置である。
また、電動モータの駆動力を受けてブレーキ部材6を被制動部材7に押圧する力伝達変換機構4を備えている電動ブレーキ装置において、前記力伝達変換機構4は、減速機構を介して電動モータによって回転駆動されるスクリュウシャフト74と、前記スクリュウシャフト74に螺合する円盤部材75と、円盤部材75を囲む円筒部を有してブレーキ部材6を押圧する押圧ピストン71と、前記押圧ピストン71と前記円盤部材75との間に設けたボールランプ機構と、前記円盤部材75を押圧ピストン71に向けて付勢する弾性部材73とを備え、前記ボールランプ機構は、ブレーキ部材6が被制動部材7に対して所定の押圧力で当接するまでの間は円盤部材の回転を止め押圧ピストンと一体的に被制動部材7に向けて移動し、所定の押圧力以上になると円盤部材75をスクリュウシャフトと一体に回転し、ボールランプ機構の作用で押圧ピストン71を被制動部材方向に移動可能に構成したことを特徴とする電動ブレーキ装置である。
また、前記弾性部材はコイルスプリングで構成し、円盤部材に対し軸方向及び周方向の付勢を与えることを特徴とする電動ブレーキ装置である。
【0005】
【実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明すると、図1は第1実施形態に係わる電動ブレーキ装置の一部断面図である。
図1において、電動ブレーキ装置はキャリパ1を備えており、キャリパ1にはブレーキ作動用の電動モータ2、減速機構3、力伝達変換機構4、押圧部材5等が設けられている。
力伝達変換機構側および同変換機構に対向するキャリパ側にはそれぞれ押圧部材5が配置されており、夫々の押圧部材5、5には対となるブレーキパッド(ブレーキ部材)6が設けられ、これらブレーキパッド6が相互の方向に移動することによって被制動部材としてのブレーキロータ7を挟持し、ブレーキ力を働かせることができる構成となっている。その構成は従来公知の電動ブレーキ装置と同様となっている。
【0006】
電動モータ2はキャリパ1に固定されており、電動モータ2の出力軸2aには歯車8が取り付けられ、この歯車8が減速機構3を構成する第1歯車9に噛み合っている。更に減速を重ねて駆動される第3歯車11が後述する力伝達変換機構を構成するギヤ12に噛み合っている。
【0007】
ここで、前記力伝達変換機構4の詳細構成を図2を参照して説明する。
図2において前述の力伝達変換機構4を構成するボールランプ機構の本体13の外周には前記第3歯車11と噛み合うギヤ12が固定されている。本体13は円筒状に形成されており、その中心部にはスクリュウシャフト14が回転自在、かつ摺動自在に嵌合されており、本体13の側壁面とキャリパ1との間にはスラストベアリング15が配置されている。スクリュウシャフト14の端部にはブレーキパッド6を取り付けた押圧部材5が部材16を介して取り付けられており、スクリュウシャフト14の右方端部には、図1に示すようにブレーキ作動時にスクリュウシャフト14に発生する回転力を止めるための、ローラ25がスクリュウシャフトと直行する方向で少なくとも1個(図では2個)取り付けられており、このローラ16はキャリパ1に取り付けたカバー17の壁面(図中紙面に対して垂直方向に存在する対向壁面)によって挟持される構成となっている。
【0008】
力伝達変換機構4を構成するボールランプ機構は、図2に示すように前記本体13と、ボール18と、ボール18を本体13の内壁面との間で挟持する円盤部材19と、本体内壁面および円盤部材19とに形成した傾斜溝20、21とを備えている。円盤部材19は前記スクリュウシャフト14に螺合しており、本体13は、本体13の大径部内においてストッパリング22、保持部材22aを備えている。そして前記保持部材22aと円盤部材19との間には弾性体23が配置され、この弾性体23の付勢力によってボール18を付勢押圧している。
ボールランプ機構を構成する傾斜溝20、21は、図3に示すように本体内面と円盤部材19とが初期位置から相対回転した時に互いの溝深さが次第に浅くなるように形成されている。なお、ボール18に変えて円筒状の回転体を使用することもできる。
【0009】
以上の構成からなる電動ブレーキ装置の作動を説明する。
運転者がブレーキぺダルを踏み、その踏力を踏力センサが検知すると電子制御装置(不図示)からの信号により電動モータ2に対して踏力に比例した電流が流れ、電動モータ2の出力軸2aが回転すると歯車8が回転し、減速機構3を構成する第1歯車9・・・・第3歯車11が回転し、第3歯車11と噛み合っているギヤ12が回転する。
【0010】
このブレーキ作動初期においては、ブレーキパッド6とロータ7との間のブレーキクリアランスが埋められておらず、ブレーキトルクが作用しないため弾性体23の付勢力によって円盤部材19と、本体13と、それらの間に挟持されているボール18が一体となり、本体13とともに円盤部材19が一体に回転する。この円盤部材19の回転によって、円盤部材19に螺合しているスクリュウシャフト14が図2中左方に移動し、押圧部材5に設けたブレーキパッド6をブレーキロータ7に押しつけ、この反力によってキャリパ1側のブレーキパッド6が図中右方に移動してブレーキロータ7を挟持する。ブレーキパッド6のブレーキロータ7への押しつけ力が大きくなると、スクリュウシャフト14には反力が作用し、この反力によってネジ部の摩擦力が大きくなり、スクリュウシャフト14に螺合している円盤部材19が回転を停止する。
【0011】
さらに電動モータ2によって回転力が伝達されると本体13の回転作用でボール18が傾斜溝20、21の最深部から浅い溝部に移動し、この時のボール18の作用によって円盤部材19がスクリュウシャフトと一体となって図中左方へ移動してさらに高い制動圧力を得ることができる。この間、ブレーキペダルの踏力に比例して制御された電動モータへの電流により、ブレーキペダル踏力に比例した所定のブレーキ力を得ることができる。なお、移動量が限界に達した時は、円盤部材19の肩部がストッパー22aに当たりボールが溝から脱落しないようになっている。
【0012】
ブレーキペダルを開放すると、電動モータ2が逆転し、減速機構3を介してボールランプ機構の本体13が逆転する。ブレーキ開放時はボール18の転がり抵抗の方がスクリュウシャフト14と本体13との間の摩擦抵抗よりも小さいために、はじめにボール18が傾斜溝20、21内を移動しながらブレーキ力を低下させ、その後ボール18が傾斜溝20、21の最深部に移動すると、円盤部材19が逆転し、スクリュウシャフト14が図中右方に移動してブレーキを開放する。
【0013】
つづいて本発明の第2実施形態に係わる電動ブレーキ装置について説明すると、図4は第1実施形態と同様の電動ブレーキ装置の断面図であり、この電動ブレーキ装置も、第1実施形態と同様に、電動モータ、減速機構、力伝達変換機構、押圧部材等を備えている。
キャリパ1内に形成されたシリンダ部1a内には押圧ピストン31が摺動自在に配置されており、押圧ピストン31とキャリパ1のそれぞれには第1実施形態と同様に一対のブレーキパッド6が設けられ、これらブレーキパッド6が相互の方向に移動することによって被制動部材としてのブレーキロータを挟持し、ブレーキ力を働かせることができる構成となっている。
【0014】
電動モータ2はキャリパ1に適宜手段で固定されており、電動モータ2の出力軸2aには歯車8が取り付けられ、電動モータ2の出力軸2aには歯車8が取り付けられ、この歯車8が減速機構3を構成する第1歯車9に噛み合っている。第1歯車9は第1歯車と一体に形成された小径歯車を介して第2歯車10に噛み合っており、第2歯車10は第2歯車と一体に形成された小径歯車を介して第3歯車11に噛み合っており、第3歯車11が後述する力伝達変換機構を構成する回転軸32にキーにより固定されている。回転軸32はキャリパ1およびカバー33とによって回転自在に軸支されており、キャリパ1との回転部にはシール部材34が配置されている。
【0015】
回転軸32にはブレーキパッド側に力を伝達するボールランプ機構を収納する円筒状大径部36が形成されており、同大径部36の側壁面とキャリパ1との間にはスラストベアリング37が配置されている。
ボールランプ機構は、回転軸32に形成した円筒状大径部36内に収容されており、ボール38と、ボールを大径部内壁面との間で挟持する円盤部材39と、大径部36内面および円盤部材39とに形成した傾斜溝40、41とを備えており、円盤部材39は、大径部内においてストッパリング42と円盤部材39との間に配置した弾性体43の付勢力によってボール38を挟持している。
ボールランプ機構を構成する傾斜溝は、第1実施形態と同様に初期位置から相対回転した時に互いの溝深さが次第に浅くなるように形成されている。なお、ボールに変えて円筒状の回転体を使用することもできる。
【0016】
円盤部材39の回転中心にはスクリュウシャフト44が立設固定されており、このスクリュウシャフト44にはナット45がネジ嵌合している。ナット45はその外周部でキャリパ内に摺動自在に配置された押圧ピストン31の内周面と回転不能、かつ軸方向に摺動自在に係合しており、押圧ピストン31とナット45との間にはナット45がピストンの突当部に当たるまでの微小距離変位する皿バネ46が配置されている。
押圧ピストン31には公知のようにブレーキパッド6が取りつけられており、またキャリパ1と押圧ピストン31との間にはシール部材47が配置されている。なおシール部材47はブレーキ作動時には、押圧ピストン31の移動に連れて変形し、ブレーキ開放時に押圧ピストン31を初期位置に復帰させるための復帰力を与える機能を有している。
【0017】
以上の構成からなる電動ブレーキ装置の作動を説明する。
運転者がブレーキぺダルを踏み、その踏力を踏力センサが検知すると電子制御装置(不図示)からの信号により電動モータに踏力に比例した電流が流れ、電動モータ2の出力軸2aが回転し、出力軸2aに設けた歯車8が回転する。歯車8の回転により減速機構3を介して第3歯車11が回転し、さらに第3歯車11とキーによって結合されている回転軸32が回転する。
【0018】
このブレーキ作動初期においては、ブレーキパッド6とロータ7との間のブレーキクリアランスが埋められておらず、ブレーキトルクが作用しないため弾性体43によって挟持されているボール38を介してスクリュウシャフト44が一体に回転する。このスクリュウシャフト44の回転によって、スクリュウシャフト44と螺合しているナット45が皿バネ46を介して押圧ピストン31を図中左方に移動し、押圧ピストン31とともにブレーキパッド6を移動して同パッドをブレーキロータに押しつける。パッドのブレーキロータへの押しつけ力が大きくなると、押圧ピストン31には反力が作用し、この反力によってスクリュウシャフト44も図中右方の押されて円盤部材39が回転を停止する。
【0019】
さらに、電動モータ2によって回転力が伝達されると回転軸32の回転でボール38が傾斜溝40、41の最深部から浅い溝部に移動し、この時のボール38の移動によってスクリュウシャフト44を左方へ移動し、押圧ピストン31を介してさらに高い制動圧力を得ることができる。この間、ブレーキペダルの踏力に比例して制御された電動モータへの電流により、ブレーキペダル踏力に比例した所定のブレーキ力を得ることができる。
【0020】
ブレーキペダルを開放すると、電動モータ2が逆転し、第1ギヤ〜第3ギヤ9〜11が逆転し、回転軸32を逆転する。ブレーキ開放時はボールの転がり抵抗の方がスクリュウシャフト44とナット45の間の摩擦抵抗よりも小さいために、はじめにボール38が傾斜溝40、41内を移動しながらブレーキ力を低下させ、その後ボール38が傾斜溝の最深部に移動すると、スクリュウシャフト44が回転軸32と一体に回転し、ナット45を図中右方に移動させてブレーキを開放する。
【0021】
つづいて、本発明の第3実施形態について説明すると、図5、図6は第3実施形態の要部拡大図である。
第3実施形態は、第1実施形態中の弾性体23の代わりにコイルスプリングを使用した点に特徴があり、以下特徴的構成を中心に説明する。なお第1実施形態と同じ部材には同一符号を使用している。
図5において、ボールランプ機構を構成する本体13の外周にはギヤ12が固定されており、このギヤ12が第1実施形態と同様に図示せぬ減速機構を介して電動モータに連結されている。
【0022】
本体13は円筒状に形成されており、その中心部においてスクリュウシャフト14に回転自在にかつ摺動自在に嵌合してある。スクリュウシャフト14には部材16を介して図示せぬ押圧部材が係合している。スクリュウシャフト14にはボールランプ機構を構成する円盤部材19が螺合しており、円盤部材19と本体13との間にはボール18が配置されている。また、本体13の側壁面とキャリパ(不図示)との間にはスラストベアリング15が配置されている。ボール18は本体内壁面および円盤部材とに形成した傾斜溝20、21内に収納されており、円盤部材19は、本体に取りつけたコイルスプリング51の付勢力によってボール18を挟持している。ボールランプ機構を構成する傾斜溝20、21は、第1実施形態と同様に本体内面と円盤部材とが初期位置から相対回転した時に互いの溝深さが次第に浅くなるように形成されている。また、コイルスプリング51は軸方向に付勢力を持つとともに図6に示すように、ボールランプを戻す方向に回転力が予め与えられている。したがって、小さな付勢力で安定的なボールランプのホールドトルクが得られる。
【0023】
スクリュウシャフト14の図中右方端部には、ブレーキ作動時にスクリュウシャフトに発生する回転力をとめるための、ローラ25がスクリュウシャフトと直交する方向で取り付けられており、このローラ25はキャリパに取り付けた図示せぬカバーによって第1実施形態と同様に挟持される構成となっている。この為ブレーキ作動時に円盤部材19を介してスクリュウシャフト14に作用する回転力がカバーによって止められ、スクリュウシャフト14に取り付けた押圧部材には回転力が伝達されないようになる。
【0024】
第3実施形態の電動ブレーキ装置の作動を説明する。
運転者がブレーキぺダルを踏み、その踏力を踏力センサが検知すると電子制御装置(不図示)からの信号により電動モータに踏力に比例した電流が流れ、電動モータの出力軸が回転し、減速機構を介して本体を回転する。
【0025】
このブレーキ作動初期においては、ブレーキパッドとロータとの間のブレーキクリアランスが埋められておらず、ブレーキトルクが作用しないためコイルスプリング51の付勢力によって円盤部材と本体との間に挟持されているボール18を介して円盤部材19が本体13と一体に回転する。この円盤部材19の回転によって、スクリュウシャフト14が図中左方に移動し、押圧部材に設けたパッドをブレーキロータに押しつける。パッドのブレーキロータへの押しつけ力が大きくなると、スクリュウシャフト14には反力が作用し、この反力によってネジ部の摩擦が大きくなりスクリュウシャフトに螺合している円盤部材19が回転を停止する。
【0026】
さらに、電動モータ2によって回転力が伝達されると本体の回転でコイルスプリングを締まる方向に変形させ、さらにボール18が傾斜溝20、21の最深部から浅い溝部に移動し、この時のボール18の作用によって円盤部材19が左方へ移動してさらに高い制動圧力を得ることができる。この間、ブレーキペダルの踏力に比例して制御された電動モータへの電流により、ブレーキペダル踏力に比例した所定のブレーキ力を得ることができる。また、ブレーキ作動時に円盤部材19を介してスクリュウシャフト14に作用する回転力がローラ25によって止められることになり、スクリュウシャフト14に固定された押圧部材には回転力が伝達されないようになる。さらに前記コイルスプリングにはエネルギが蓄積された状態となる。
【0027】
ブレーキペダルを開放すると、電動モータが逆転し、減速機構を介して本体が逆転する。ブレーキ開放時はボールの転がり抵抗の方がスクリュウシャフトと本体との間の摩擦抵抗よりも小さいために、エネルギが蓄積された状態のコイルスプリングの解放付勢力によって、本体と円盤部材とが相対回転をし、さらにボールが傾斜溝内を移動しながらブレーキ力を低下させ、その後ボールが傾斜溝の最深部に移動すると、円盤部材が逆転し、スクリュウシャフト上を図中右方に移動してブレーキを開放する。
【0028】
つづいて、本発明の第4実施形態について説明すると、図7は第4実施形態の要部断面図である。
図において、図示せぬ電動モータによって回転されるスクリュウシャフト74には、ボールランプ機構を構成する円盤部材75が螺合しており、円盤部材75には円筒状大径部を有する押圧ピストン71がブレーキパッド6と回転不能に係合している。そして押圧ピストン71の内壁面と円盤部材には前記ランプ機構と同様に傾斜溝が形成されており、この溝内にボール72が収納保持される。また押圧ピストン71と円盤部材75との間には、コイルスプリング73が配置されている。
第4実施形態の電動ブレーキ装置の作動を説明する。
運転者がブレーキぺダルを踏み、その踏力を踏力センサが検知すると電子制御装置(不図示)からの信号により電動モータに踏力に比例した電流が流れ、電動モータの出力軸が回転し、減速機構を介してスクリュウシャフト74を回転する。
【0029】
このブレーキ作動初期においては、ブレーキパッドとロータとの間のブレーキクリアランスが埋められておらず、ブレーキトルクが作用しないため円盤部材75と押圧ピストン71との間に挟持されているボール18を介して円盤部材19が非回転状態で押圧ピストン71と一体となってスクリュウシャフト74上を図中左方に移動し、押圧ピストンに設けたブレーキパッドをブレーキロータに押しつける。パッドのブレーキロータへの押しつけ力が大きくなると、押圧ピストン71には反力が作用し、この反力によってスクリュウシャフト74に螺合しているネジ面の摩擦力が大きくなり、円盤部材75が今度はスクシュウシャフト74と一体になって回転する。
【0030】
さらに、電動モータ2によって回転力が伝達されるとスクリュウシャフト74と円盤部材75が一体となってコイルスプリング73を締まる方向に変形させながら回転し、この時、円盤部材75と押圧ピストン71との間に生じる相対回転によってボール72が傾斜溝の最深部から浅い溝部に移動し、ボール72の作用によって押圧ピストン71が左方へ移動してさらに高い制動圧力を得ることができる。この間、ブレーキペダルの踏力に比例して制御された電動モータへの電流により、ブレーキペダル踏力に比例した所定のブレーキ力を得ることができる。
【0031】
ブレーキペダルを開放すると、電動モータが逆転し、減速機構を介してスクリュウシャフト74が逆転する。ブレーキ開放時はボールの転がり抵抗の方がスクリュウシャフト74と円盤部材75との間の摩擦抵抗よりも小さいために、コイルスプリングの付勢力によって、スクリュウシャフト74と円盤部材75とが一体回転しながらボールを傾斜溝内で移動させブレーキ力を低下させる。その後ボール72が傾斜溝の最深部に移動すると、円盤部材がスクリュウシャフト上を非回転状態で図中右方に移動してブレーキを開放する。
【0032】
本発明は以上のように制動初期においては、ネジ機構で、所定のブレーキ力が発生した以後においては、ランプ機構によりブレーキ押圧力が高められる。電動モータの単位回転量当たりの、押圧部材5によるブレーキパッド6の移動量は、ネジ機構よりもランプ機構の方が小さく設定されている。そのため、制動初期においては、ブレーキパッドとブレーキロータ間のブレーキクリアランスは速やかに埋められ、所定のブレーキ力が発生した以後においては、機械効率の良いランプ機構によりネジ機構によるよりも、大きな押圧力でブレーキパッドを押圧できる。そのため電動モータの小型化にも役立つ。
【0033】
【発明の効果】
以上詳細に述べた如く本発明によれば、電動ブレーキ装置の力伝達変換機構にランプとネジを組み合わせた機構を採用したことにより、ネジ機構よりも力伝達効率が良く、さらに、制動初期のストロークの必要な領域では、大きなストロークを得ることができ、応答性に優れ、制動作用中は高い制動力を得ることができる小型で安価な電動ブレーキ装置を得ることができる。また、上述のようなネジ機構とボールランプ機構とを組み合わせた構成とすることでブレーキパッドの磨耗にも自動的に対応することができる、等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る電動ブレーキ装置の断面図である。
【図2】同電動ブレーキ装置の力伝達変換機構の拡大断面図である。
【図3】ボールランプ機構に形成する傾斜溝の説明図である。
【図4】第2実施形態に係る電動ブレーキ装置の断面図である。
【図5】第3実施形態に係るボールランプ機構の断面図である。
【図6】同ボールランプ機構内に使用するコイルスプリングの図である。
【図7】第4実施形態に係るボールランプ機構の断面図である。
【符号の説明】
1 キャリパ
2 電動モータ
3 減速機構
4 力伝達変換機構
5 押圧部材
6 ブレーキ部材(ブレーキパッド)
7 被制動部材(ブレーキロータ)
8 歯車
9 第1歯車
10 第2歯車
11 第3歯車
12 ギヤ
13 本体
14 スクリュウシャフト
15 スラストベアリング
16 部材
17 カバー
18 ボール
19 円盤部材
20、21 傾斜溝
22 ストッパリング
23 弾性体

Claims (3)

  1. 電動モータの駆動力を受けてブレーキ部材6を被制動部材7に押圧する力伝達変換機構4を備えている電動ブレーキ装置において、前記力伝達変換機構4は、減速機構を介して電動モータによって回転駆動され、円筒状大径部36を有する回転軸32と、前記円筒状大径部36に対向して配置した円盤部材を有するスクリュウシャフト44と、前記スクリュウシャフト44に螺合するナット45と、前記ナット45に回転不能、かつ軸方向に摺動自在に設けられた押圧ピストン31と、前記押圧ピストン31に押圧されるブレーキ部材と、前記円筒状大径部36と前記円盤部材39との間に設けたボールランプ機構と、前記円盤部材39を円筒状大径部36に付勢する弾性部材43とを備えてなり、前記ボールランプ機構は、ブレーキ部材6が被制動部材7に対して所定の押圧力で当接するまでの間は円筒状大径部36と円盤部材39とを一体的に回転し、所定の押圧力以上になると円筒状大径部36と円盤部材39との相対的回転を許容し、ボールランプ機構の作用で円盤部材39とスクリュウシャフト14とナットと押圧ピストンとを一体に被制動部材方向に移動可能に構成したことを特徴とする電動ブレーキ装置。
  2. 電動モータの駆動力を受けてブレーキ部材6を被制動部材7に押圧する力伝達変換機構4を備えている電動ブレーキ装置において、前記力伝達変換機構4は、減速機構を介して電動モータによって回転駆動されるスクリュウシャフト74と、前記スクリュウシャフト74に螺合する円盤部材75と、円盤部材75を囲む円筒部を有してブレーキ部材6を押圧する押圧ピストン71と、前記押圧ピストン71と前記円盤部材75との間に設けたボールランプ機構と、前記円盤部材75を押圧ピストン71に向けて付勢する弾性部材73とを備え、前記ボールランプ機構は、ブレーキ部材6が被制動部材7に対して所定の押圧力で当接するまでの間は円盤部材の回転を止め押圧ピストンと一体的に被制動部材7に向けて移動し、所定の押圧力以上になると円盤部材75をスクリュウシャフトと一体に回転し、ボールランプ機構の作用で押圧ピストン71を被制動部材方向に移動可能に構成したことを特徴とする電動ブレーキ装置。
  3. 前記弾性部材はコイルスプリングで構成し、円盤部材に対し軸方向及び周方向の付勢を与えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動ブレーキ装置。
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