JP2001173691A - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

電動ブレーキ装置

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JP2001173691A
JP2001173691A JP35680999A JP35680999A JP2001173691A JP 2001173691 A JP2001173691 A JP 2001173691A JP 35680999 A JP35680999 A JP 35680999A JP 35680999 A JP35680999 A JP 35680999A JP 2001173691 A JP2001173691 A JP 2001173691A
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brake
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force
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JP35680999A
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Kazuo Kawase
和夫 川瀬
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Akebono Brake Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】コンパクトな歯車配置を採用した小型の電動ブ
レーキを提供する。 【解決手段】電動モータの出力軸2aに設けた歯車を同
じ減速機構3を介して装置内に配置した二つの力伝達変
換機構4L,4R内の夫々の歯車にかみ合わせ、力伝達
変換機構は、力伝達変換機構内の歯車によって回転駆動
される本体と、この本体に回転自在かつ摺動自在に配置
され端部に押圧部材を有するスクリュウシャフトと、ス
クリュウシャフトに螺合する円盤部材と、本体と円盤部
材との間に設けたボールランプ機構と、円盤部材を付勢
する弾性部材とを備え、前記二つの力伝達変換機構は、
ブレーキ部材が被制動部材に対して所定の押圧力で当接
するまでの間は本体と円盤部材とを一体的に回転し、所
定の押圧力以上になると本体と円盤部材との相対的回転
を許容し、ボールランプ機構の作用で円盤部材を被制動
部材方向に移動可能に構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気信号によって
電動モータを作動しブレーキ部材を被制動部材に押し付
けてブレーキ力を発生する電動ブレーキ装置において、
コンパクトな歯車配置を採用した安価で小型の電動ブレ
ーキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気信号によって電動モータを作動しブ
レーキ部材(ブレーキパッド)を被制動部材(ブレーキ
ロータ)に押し付けてブレーキ力を発生する電動ブレー
キ装置は公知であり、こうした電動ブレーキ装置の一例
として、特表平10−504876号公報が知られてい
る。この電動ブレーキ装置は、電動機の回転力を減速装
置を介して減速し、さらに回転運動を直線運動に変換し
て、ブレーキロータに対向するブレーキパッドをブレー
キロータに向けて移動してブレーキを作動させる構成と
なっている。上記公報に記載された電動ブレーキでは、
電動モータの回転力をブレーキパッドの押し付け力に変
換する力伝達変換機構として、単なるネジとナットから
なる力伝達変換機構に代えて力伝達効率のよいローラネ
ジを使用している。しかしローラネジ機構は、単なるネ
ジ・ナット機構に比べて電動モータや減速機構の軸方向
のスペースが大きくなり小型化が困難である、さらには
ローラネジ自体が比較的高価であるため、コスト低減が
困難である等の欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、二
つの出力軸を結ぶ線を挟んで歯車を配置することによ
り、または、二つのモータ軸を結ぶ線を挟んで歯車を配
置することにより、軸方向の長さを短くでき、小さなオ
フセットモータで、大減速比が得られる電動ブレーキ装
置を提供することにより、上記問題点を解決することを
目的とする。本発明の電動ブレーキ装置は、ブレーキ作
動初期のブレーキパッドの移動を速やかに行うことがで
きるようにするとともに、ブレーキ作動後は高い緊締力
を得ることができるようにしている。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため、本発明が採用
した技術解決手段は、一つの電動モータの駆動力を受け
てブレーキ部材を被制動部材に押圧する力伝達変換機構
を備えている電動ブレーキ装置において、前記電動モー
タの出力軸に設けた歯車を同じ減速機構を介して装置内
に配置した二つの力伝達変換機構内の夫々の歯車にかみ
合わせ結合し、前記力伝達変換機構は、前記力伝達変換
機構内の歯車によって回転駆動される本体と、この本体
に回転自在かつ摺動自在に貫通して配置され端部に押圧
部材を有するスクリュウシャフトと、前記スクリュウシ
ャフトに螺合する円盤部材と、前記本体と円盤部材との
間に設けたボールランプ機構と、前記円盤部材を本体に
向けて付勢する弾性部材とを備えてなり、前記二つの力
伝達変換機構は、ブレーキ部材が被制動部材に対して所
定の押圧力で当接するまでの間は本体と円盤部材とを一
体的に回転し、所定の押圧力以上になると本体と円盤部
材との相対的回転を許容し、ボールランプ機構の作用で
円盤部材をスクリュウシャフトと一体に被制動部材方向
に移動可能に構成したことを特徴とする電動ブレーキ装
置であり、二つの電動モータの駆動力を受けてブレーキ
部材を被制動部材に押圧する力伝達変換機構を備えてい
る電動ブレーキ装置において、前記それぞれの電動モー
タの出力軸に設けた歯車を同じ減速機構を介して一つの
力伝達変換機構内の歯車にかみ合わせ結合し、前記力伝
達変換機構は、前記力伝達変換機構内の歯車によって回
転駆動される本体と、この本体に回転自在かつ摺動自在
に貫通して配置され端部に押圧部材を有するスクリュウ
シャフトと、前記スクリュウシャフトに螺合する円盤部
材と、前記本体と円盤部材との間に設けたボールランプ
機構と、前記円盤部材を本体に向けて付勢する弾性部材
とを備えてなり、前記二つの力伝達変換機構は、ブレー
キ部材が被制動部材に対して所定の押圧力で当接するま
での間は本体と円盤部材とを一体的に回転し、所定の押
圧力以上になると本体と円盤部材との相対的回転を許容
し、ボールランプ機構の作用で円盤部材をスクリュウシ
ャフトと一体に被制動部材方向に移動可能に構成したこ
とを特徴とする電動ブレーキ装置であり、前記力伝達変
換機構は、二つのボールランプ機構を組み合わせ構成し
たことを特徴とする電動ブレーキ装置である。
【0005】
【実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形
態を説明すると、図1は第1実施形態に係わる電動ブレ
ーキ装置の歯車配列を示す正面図、図2は図1中のA−
A断面図、図3は図1中のB−B断面図、図4は図3中
のコイルスプリングの正面図である。図1、図2におい
て、電動ブレーキ装置のキャリパ1にはブレーキ作動用
の電動モータ2、減速機構3を備えており、この減速機
構3によって後述する二つの力伝達変換機構4L、4R
(図1、図3参照)を介してブレーキパッド6を備えた
押圧部材を作動できる構成となっている。押圧部材とキ
ャリパのそれぞれには公知のように一対のブレーキパッ
ド6が設けられ、これらブレーキパッドが相互の方向に
移動することによって被制動部材としてのブレーキロー
タ7を挟持し、ブレーキ力を働かせることができる構成
となっている。
【0006】電動モータ2はキャリパ1に適宜手段で固
定されており、電動モータ2の出力軸2aには歯車8が
取り付けられ、この歯車8が減速機構3を構成する第1
歯車9に噛み合っている。第1歯車9は小径歯車9aを
一体に備えており、この小径歯車9aが、第2歯車10
に噛み合っている。第2歯車10は小径歯車10aを一
体に備えており、この小径歯車10aが、図1に示す左
右一対の歯車11L、11Rに噛み合っている。左右一
対の歯車11L、11Rは、図3に示す同じ機構からな
る力伝達変換機構4L、4Rに結合されており、力伝達
変換機構4L、4Rを介して、図1中の左右の押圧部材
を作動し、押圧部材に備えたブレーキパッドをブレーキ
ロータに押しつけ、ブレーキ力を働かせる。
【0007】左右一対の歯車11L、11Rに結合され
る力伝達変換機構4L、4Rについて図3を参照して説
明する。なお、左右の力伝達変換機構4L、4Rは同じ
機構であるが、図1から明かなように左右歯車11L、
11Rの回転方向が逆になるため、力伝達変換機構内の
スクリュウシャフトのネジは逆ネジとして形成してあ
り、これによって同方向へのブレーキ力を発揮すること
ができるようにしてある。ここでは、一方側の力伝達変
換機構について説明する。
【0008】図3において力伝達変換機構4Lを構成す
るボールランプ機構の本体12の外周には前述した左右
一対の歯車11L、11Rの内の一方の歯車11Lが固
定されている。本体12は円筒状に形成されており、そ
の中心部はスクリュウシャフト13に対して回転自在、
かつ摺動自在に嵌合している。スクリュウシャフト13
はブレーキパッド6を取り付けた押圧部材とは部材14
を介して固定され、非回転状態で図示せぬ位置で本体1
2に支持されている。また、スクリュウシャフト13の
図中右方端部には、ブレーキ作動時にスクリュウシャフ
トに発生する回転力を止めるための、ローラ15が取り
付けられており、このローラ15は図示せぬキャリパに
取り付けたカバーによって回転可能に挟持される構成と
なっている。この為ブレーキ作動時に後述する円盤部材
を介してスクリュウシャフト13に回転方向の力が作用
しても回転方向の力はローラ15を介してカバーによっ
て受け止められ、スクリュウシャフト13に固定された
押圧部材には回転力が伝達されないようになる。
【0009】スクリュウシャフト13にはボールランプ
機構を構成する円盤部材16が螺合しており、円盤部材
16と本体12との間にはボール17が配置され、本体
12の側壁面とキャリパ(不図示)との間にはスラスト
ベアリング18が配置されている。ボールランプ機構
は、本体12と、ボール17と、ボール17を本体内壁
面との間で挟持する円盤部材16と、本体内壁面および
円盤部材とに形成した傾斜溝19、20とを備えてお
り、円盤部材16は、本体12に取りつけたバネ座21
との間で保持されるコイルスプリング22の付勢力によ
ってボール17を挟持している。コイルスプリング22
は図4に示すように、ブレーキが作動する方向に回転と
コイルが締まる形状に形成され取りつけられており、こ
のコイルスプリング22はブレーキ作動時にはコイルが
締まり、ブレーキ開放方向への付勢力を増す機能を果た
す。ボールランプ機構を構成する傾斜溝19、20は、
図5に示すように本体内壁面12と円盤部材16とに形
成され、その溝は初期位置から互いに相対回転した時に
互いの溝深さが次第に浅くなるように形成されており、
図5に示す初期状態をとっている。なお、ボールに変え
て円筒状の回転体を使用することもできる。
【0010】以上の構成からなる電動ブレーキ装置の作
動を説明する。運転者が図示せぬブレーキぺダルを踏
み、その踏力を図示せぬ踏力センサが検知すると図示せ
ぬ電子制御装置からの信号により電動モータ2に踏力に
比例した電流が流れ、電動モータ2の出力軸2aが回転
し、出力軸に設けた歯車8が回転する。歯車8の回転に
より減速機構の第1、第2歯車9、10が回転し、さら
に第2歯車の小径歯車10aと噛み合っている図1に示
す左右一対の歯車11L、11Rを回転する。左右一対
の歯車11L、11Rは、前述したように同じ機構から
なる力伝達変換機構4L、4Rに結合されており、力伝
達変換機構を介して、左右の押圧部材を介してブレーキ
パッドをブレーキロータに押しつける。
【0011】即ち、このブレーキ作動初期においては、
ブレーキパッドとロータとの間のブレーキクリアランス
が埋められておらず、ブレーキトルクが作用しないため
歯車が回転するとコイルスプリング22によって挟持さ
れているボール17を介して二組のボールランプ機構中
のそれぞれの円盤部材16が一体に回転する。この円盤
部材16の回転によって、各力伝達変換機構中のスクリ
ュウシャフト13が図3中左方に移動し、押圧部材に設
けたパッドをブレーキロータに押しつけ、また、キャリ
パ側のブレーキパッドも移動して、相互のブレーキパッ
ドが被制動部材としてのブレーキロータを挟持し、ブレ
ーキ力を働かせる。ブレーキパッドのブレーキロータへ
の押しつけ力が大きくなると、スクリュウシャフト13
には反力が作用し、この反力によってスクリュウシャフ
ト13に螺合している円盤部材16が図中右方に押され
てボール17を強く押す。
【0012】こうしてブレーキ押圧力が高くなると、電
動モータ2による回転力が円盤部材16と本体12との
間に相対回転を引き起こし、本体の回転でコイルスプリ
ングを締まる方向に変形させ、さらに、ボール17が傾
斜溝19、20の最深部から浅い溝部に移動し、この時
のボール17の作用によって円盤部材16が左方へ移し
てさらに高い制動圧力を得ることができる。この間、ブ
レーキペダルの踏力に比例して制御された電動モータへ
の電流により、ブレーキペダル踏力に比例した所定のブ
レーキ力を得ることができる。さらに前記コイルスプリ
ングにはエネルギが蓄積された状態となる。
【0013】ブレーキペダルを開放すると、電動モータ
2が逆転し、減速機構3を介して本体が逆転する。ブレ
ーキ開放時はボールの転がり抵抗の方がスクリュウシャ
フトと本体との間の摩擦抵抗よりも小さいために、エネ
ルギが蓄積された状態のコイルスプリングの解放付勢力
によって本体と円盤部材とが相対回転をし、さらにボー
ルが傾斜溝内を移動しながらブレーキ力を低下させ、そ
の後ボールが傾斜溝の最深部に移動すると、円盤部材が
逆転し、スクリュウシャフト上を円盤部材が図中右方に
移動してブレーキを開放する。
【0014】つづいて、本発明に係る第2実施形態の説
明をする。第2実施形態は電動モータを2個備えてお
り、この2個の電動モータの回転力を一つの力伝達変換
機構に伝達することで、ブレーキ力を得ることができる
構成となっている。以下、図面に基づいて本形態を説明
すると、図6は第2実施形態に係わる電動ブレーキ装置
の歯車配列を示す正面図、図7は図6中のD−D断面
図、図8は図7中のE−E断面図である。図において、
電動ブレーキ装置のキャリパ21にはブレーキ作動用の
2個の電動モータ22A、22B、減速機構23が設け
られており、この減速機構23によって後述する1個の
力伝達変換機構24を介してブレーキパッドを備えた押
圧部材を作動できる構成となっている。押圧部材とキャ
リパのそれぞれには公知のように一対のブレーキパッド
が設けられ、これらブレーキパッドが相互の方向に移動
することによって被制動部材としてのブレーキロータを
挟持し、ブレーキ力を働かせることができる構成となっ
ている。
【0015】電動モータ22A、22Bはキャリパ21
に適宜手段で固定されており、電動モータ22A、22
Bの出力軸22a、22bには歯車25A、25Bが取
り付けられ、この2個の歯車25A、25Bが減速機構
23を構成する第1歯車26に噛み合っている。第1歯
車26は小径歯車26aを一体に備えており、この小径
歯車26aが、図7に示す力伝達変換機構24を構成す
る歯車27に噛み合っており、力伝達変換機構24を介
して、押圧部材を作動し、押圧部材に備えたブレーキパ
ッドをブレーキロータに押しつけ、ブレーキ力を働かせ
る。
【0016】左右の歯車25A、25Bに結合される力
伝達変換機構について図7を参照して説明する。図7に
おいて力伝達変換機構を構成するボールランプ機構の本
体31の外周には前述した歯車27が固定されている。
本体31は円筒状に形成されており、その中心部はスク
リュウシャフト32に対して回転自在、かつ摺動自在に
嵌合している。スクリュウシャフト32はブレーキパッ
ドを取り付けた押圧部材と部材33を介して固定され、
非回転状態で図示せぬ位置でキャリパに支持されてい
る。スクリュウシャフト32にはボールランプ機構を構
成する第1円盤部材34、、第2円盤部材35が螺合し
ており、第1円盤部材34と本体31との間にはボール
36が、また第1円盤部材34と第2円盤部材34との
間にはボール37が配置され、本体31の側壁面とキャ
リパ(不図示)との間にはスラストベアリング38が配
置されている。
【0017】ボールランプ機構は、二段式となってお
り、前述した本体31と、ボール36を本体31内壁面
との間で挟持する第1円盤部材34と、ボール37を第
1円盤部材34との間で挟持する第2円盤部材35と、
ボールを挟持する面に形成した傾斜溝とを備えておりこ
れらのボールランプ機構の作動は基本的には第1実施形
態と同様である。第2円盤部材35および第1円盤部材
34は、本体に取りつけたバネ座39との間で保持され
るコイルスプリング40の付勢力によってそれぞれボー
ル36、37を挟持している。コイルスプリングは第1
実施形態のものと同じであり、このコイルスプリングは
ブレーキ作動時にはコイルが締まり、ブレーキ開放方向
への付勢力を増す。ボールランプ機構を構成するそれぞ
れの傾斜溝は、図8に示すように初期位置から互いに相
対回転した時に互いの溝深さが次第に浅くなるように形
成されており、図8に示す初期状態をとっている。な
お、ボールに変えて円筒状の回転体を使用することもで
きる。
【0018】以上の構成からなる電動ブレーキ装置の作
動を説明する。運転者が図示せぬブレーキぺダルを踏
み、その踏力を図示せぬ踏力センサが検知すると図示せ
ぬ電子制御装置からの信号により2個の電動モータ22
A、22Bに踏力に比例した電流が流れ、電動モータの
出力軸22a、22bが回転し、出力軸に設けた歯車2
5A、25Bが回転する。歯車25A、25Bの回転に
より減速機構の第1歯車26が回転し、さらに第1歯車
26の小径歯車26aと噛み合っている力伝達変換機構
内の歯車27を介して、左右のブレーキパッドをブレー
キロータに押しつける。
【0019】即ち、このブレーキ作動初期においては、
ブレーキパッドとロータとの間のブレーキクリアランス
が埋められておらず、ブレーキトルクが作用しないため
歯車27が回転するとコイルスプリング40によって挟
持されているボールを介して二組のボールランプ機構中
の第1、第2円盤部材34、35が一体に回転する。第
1、第2円盤部材34、35の回転によって、各力伝達
変換機構中のスクリュウシャフト32が図中左方に移動
し、押圧部材に設けたパッドをブレーキロータに押しつ
け、また、キャリパ側のブレーキパッドも移動して、相
互のブレーキパッドが被制動部材としてのブレーキロー
タを挟持し、ブレーキ力を働かせる。ブレーキパッドの
ブレーキロータへの押しつけ力が大きくなると、スクリ
ュウシャフト32には反力が作用し、この反力によって
スクリュウシャフトに螺合している第1、第2円盤部材
34、35が図中右方に押されてボールを強く押し、さ
らにボールを介して本体に押しつけられる。
【0020】こうしてブレーキ押圧力が高くなると、電
動モータによる回転力が本体31と第1円盤部材34と
の間および第1円盤部材34と第2円盤部材35との間
に相対回転を引き起こし、各ボール36、37が傾斜溝
の最深部から浅い溝部に移動し、この時のボールの作用
によって盤部材が左方へ移してさらに高い制動圧力を得
ることができる。この間、ブレーキペダルの踏力に比例
して制御された電動モータへの電流により、ブレーキペ
ダル踏力に比例した所定のブレーキ力を得ることができ
る。
【0021】ブレーキペダルを開放すると、電動モータ
が逆転し、減速機構を介して本体が逆転する。ブレーキ
開放時はボールの転がり抵抗の方がスクリュウシャフト
と本体との間の摩擦抵抗よりも小さいために、はじめに
ボールが傾斜溝内を移動しながらブレーキ力を低下さ
せ、その後ボールが傾斜溝の最深部に移動すると、円盤
部材が逆転し、スクリュウシャフト上を円盤部材が図中
右方に移動してブレーキを開放する。この時本実施形態
ではボールランプ機構を2組としたことにより、ブレー
キ作動時のストロークを大きくとることができる。
【0022】本発明は以上のように二つの出力軸を結ぶ
線を挟んでギヤを配置することにより、または、二つの
モータ軸を結ぶ線を挟んでギヤを配置することにより、
軸方向の長さを短くでき、小さなオフセットモータで、
大減速比が得られる電動ブレーキ装置を得ることができ
る。なお、力伝達変換機構内のボールランプ機構は1段
式、2段式の構成のものを適宜選択しながら使用するこ
とができる。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に述べた如く本発明によれば、
二つの出力軸を結ぶ線を挟んでギヤを配置することによ
り、または、二つのモータ軸を結ぶ線を挟んでギヤを配
置することにより、軸方向の長さを短くでき、小さなオ
フセットモータで、大減速比が得られる。また電動ブレ
ーキ装置の力伝達変換機構にランプ機構を採用したこと
により、ネジ機構よりも力伝達効率が良く、さらに、制
動初期のストロークの必要な領域では、大きなストロー
クを得ることができ、応答性に優れ、制動作用中は高い
制動力を得ることができる小型で安価な電動ブレーキ装
置を得ることができる。さらに二つのランプ機構を使用
することで、ブレーキ作動時のストロークを大きくとる
ことができる、等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係わる電動ブレーキ装置の歯
車配列を示す正面図である。
【図2】図1中のA−A断面図である。
【図3】図1中のB−B断面図である。
【図4】図3中のコイルスプリングの正面図である。
【図5】図3中のC−C断面図である。
【図6】第2実施形態に係わる電動ブレーキ装置の歯車
配列を示す正面図である。
【図7】図6中のD−D断面図である。
【図8】図7中のE−E断面図である。
【符号の説明】
1 キャリパ 2 電動モータ 3 減速機構 4L、4R 力伝達変換機構 2a 出力軸 8 歯車 9 第1歯車 10 第2歯車 11 歯車 12 本体 13 スクリュウシャフト 14 部材 15 ローラ 16 円盤部材 17 ボール 18 スラストベアリング 19、20 傾斜溝 21 バネ座 22 コイルスプリング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つの電動モータ2の駆動力を受けてブレ
    ーキ部材を被制動部材に押圧する力伝達変換機構4L、
    4Rを備えている電動ブレーキ装置において、 前記電動モータの出力軸2aに設けた歯車を同じ減速機
    構3を介して装置内に配置した二つの力伝達変換機構内
    の夫々の歯車にかみ合わせ結合し、 前記力伝達変換機構は、前記力伝達変換機構内の歯車に
    よって回転駆動される本体12と、 この本体12に回転自在かつ摺動自在に貫通して配置さ
    れ端部に押圧部材を有するスクリュウシャフト13と、 前記スクリュウシャフト13に螺合する円盤部材16
    と、 前記本体12と円盤部材16との間に設けたボールラン
    プ機構と、 前記円盤部材16を本体に向けて付勢する弾性部材22
    とを備えてなり、 前記二つの力伝達変換機構は、ブレーキ部材が被制動部
    材に対して所定の押圧力で当接するまでの間は本体と円
    盤部材とを一体的に回転し、所定の押圧力以上になると
    本体と円盤部材との相対的回転を許容し、ボールランプ
    機構の作用で円盤部材をスクリュウシャフトと一体に被
    制動部材方向に移動可能に構成したことを特徴とする電
    動ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】二つの電動モータの駆動力を受けてブレー
    キ部材を被制動部材に押圧する力伝達変換機構を備えて
    いる電動ブレーキ装置において、 前記それぞれの電動モータの出力軸に設けた歯車を同じ
    減速機構を介して一つの力伝達変換機構内の歯車にかみ
    合わせ結合し、 前記力伝達変換機構は、前記力伝達変換機構内の歯車に
    よって回転駆動される本体と、 この本体に回転自在かつ摺動自在に貫通して配置され端
    部に押圧部材を有するスクリュウシャフトと、 前記スクリュウシャフトに螺合する円盤部材と、 前記本体と円盤部材との間に設けたボールランプ機構
    と、 前記円盤部材を本体に向けて付勢する弾性部材とを備え
    てなり、 前記二つの力伝達変換機構は、ブレーキ部材が被制動部
    材に対して所定の押圧力で当接するまでの間は本体と円
    盤部材とを一体的に回転し、所定の押圧力以上になると
    本体と円盤部材との相対的回転を許容し、ボールランプ
    機構の作用で円盤部材をスクリュウシャフトと一体に被
    制動部材方向に移動可能に構成したことを特徴とする電
    動ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】前記力伝達変換機構は、二つのボールラン
    プ機構を組み合わせ構成したことを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の電動ブレーキ装置。
JP35680999A 1999-12-16 1999-12-16 電動ブレーキ装置 Withdrawn JP2001173691A (ja)

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