JP3770627B2 - 電気作動ブレーキ装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は電気作動ブレーキ装置に関するものであり、さらに詳細には、ブレーキ開放時にモータを逆回転させてピストンを戻す際に、モータの慣性等による回転力によって、ピストンが戻り過ぎてパッドクリアランスが広くなり過ぎることを防止できる小型軽量の電気作動ブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、油圧によるブレーキ作動回路とは別に、電気信号によってブレーキを作動させる電気作動ブレーキ装置(いわゆるバイワイヤ方式)の開発が進められている。この電気作動ブレーキ装置はブレーキぺダルの踏力を電気信号に変換し、電子制御装置からの信号によってブレーキ装置を作動させる。このため、従来の油圧回路式のブレーキ装置に比較して、システム全体を軽量小型にできる点に特徴があり、さらにブレーキ装置の各種制御(アンチスキッド制御、トラクション制御、自動ブレーキ制御等々)を実行する上でシステムの構築が容易である等の利点がある。
【0003】
こうした電動ブレーキ装置の一例としては、電動モータを駆動源として摩擦部材を被制動部材に圧接させて制動力をうるようにしたもの(特開昭63−266228号公報)等が提案されている。
上記特開昭63−266228号公報に記載されているブレーキ装置は、ステータ側の圧電振動子によって発生させた弾性進行波によりロータを回転駆動させる超音波モータの回転トルクを、トルク変換手段により被制動部材に対する摩擦部材の圧接力に変換して前記摩擦材に伝達させるようにしている。
前記公報に記載されたブレーキ装置は、超音波モータによってブレーキ力を変化させブレーキ制御を行うものであるため、小型かつ軽量で、小さな消費電力によって必要かつ十分な制動力が得られることができ、制御性及び応答性のよりブレーキ制御を実現できるという効果が期待できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記装置では、ブレーキ開放時に、モータの戻り過ぎによるブレーキディスクとブレーキパッドとの隙間いわゆるパッドクリアランスのコントロールがなされていないため、前記隙間が一定とならず、これが原因で、ブレーキ作動時の応答性が低下したりする等の不都合が生じ、さらに、回転トルクを被制動部材に対する摩擦部材の圧接力に変換するトルク変換手段に戻り過ぎによる過度の力が作用するなど、種々の問題がある。
そこで、本発明は、ブレーキパッドをブレーキディスクに押圧するためのピストンと、該ピストンを移動させる軸を駆動するモータとの間にクラッチ手段を設け、ブレーキ開放時にモータが過度に回転し過ぎた場合には、このクラッチが切れ、モータの慣性力による回転力がブレーキパッドに伝達出来ないようにして、常にブレーキパッドとブレーキディスクとの間のクリアランスを一定に保持できる新規な電気作動ブレーキ装置を提案せんとするものである。また、クラッチが切れることにより、ピストンを駆動する軸に過度の力が作用しないようにして部品の損傷を防止できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このため、本発明が採用した技術解決手段は、
ブレーキ装置のキャリパ4内に形成したシリンダ7と、該シリンダ7内に配置された摺動自在のピストン8と、前記ピストン8をディスク6に向けて往復動させる為の可逆ネジシャフト10と、該可逆ネジシャフト10を作動させるモータMと、該可逆ネジシャフト10と係合するナット13と、該ナットを支承する軸受23と、前記モータを制御する電子制御装置3とからなり、前記軸受23は該可逆ネジシャフト10のブレーキ作動方向回転に対しては該ナット13を不回転に支持し、その反対方向回転に対しては該ナット13の回転を許容する一方向クラッチ付きとし、ブレーキ開放後の前記可逆ネジシャフト10のブレーキ解放方向の回転に対しては前記同ピストンの面8aと前記ナットの端面13aが離れ該ナット13と前記可逆ネジシャフト10とが一体となって回転する様にしたことを特徴とする電気作動ブレーキ装置である。
また、ブレーキ装置のキャリパ4内に形成したシリンダ7と、該シリンダ7内に配置された摺動自在のピストン8と、前記ピストン8をディスク6に向けて往復動させる為の可逆ネジシャフト10と、該可逆ネジシャフト10を作動させるモータMと、該可逆ネジシャフト10と係合するナット13と、該ナットと一体となったコーンクラッチ33と、
前記モータを制御する電子制御装置3とからなり、前記コーンクラッチ33はブレーキ開放後の前記可逆ネジシャフト10のブレーキ解放方向の回転に対しては前記同ピストンの面8aから離れ、前記ナット13と前記可逆ネジシャフト10とが一体となって回転する様にしたことを特徴とする電気作動ブレーキ装置である。
また、前記軸受23は、回り止めスリーブ24に支承され、回り止めスリーブ24は、前記ピストン8と摺動自在、かつ、回転不能に係合し、バネ26によりパッド方向へ押圧され、その荷重はフリクションリング21と前記ピストン8との間の摺動抵抗よりも低く設定されていることを特徴とする電気作動ブレーキ装置である。
また、前記ナット13を保持する前記コーンクラッチ33は、前記ピストン8に構成されたコーン面にバネ26により押圧され、その荷重はフリクションリング21と前記ピストン8との間の摺動抵抗よりも低く設定されていることを特徴とする電気作動ブレーキ装置である。
【0006】
【作用】
〔第1発明〕
ブレーキぺダルが踏まれると、踏力センサからの信号により、電子制御装置がモータMを駆動し、クラッチ手段を介して回転力が可逆ネジシャフトに伝達される。可逆ネジシャフトが回転すると、ナットおよびピストンが一体となって左に移動し、弾性体を変形させながらピストンを押し出し、ディスクパッドをディスクに押圧し、ブレーキをかける。
そして、ディスクパッド5によるディスク6への押圧力が所定値になると電子制御装置3では前記押圧力センサー20からの信号に基づいて前記モータMの作動を停止しブレーキを掛けた状態を維持する。
【0007】
ブレーキを緩める時は、踏力信号によってモータMが逆転作動し、クラッチ手段を介して可逆ネジシャフト10を逆転する。可逆ネジシャフト10の逆転と変形した弾性体12の付勢力とがあいまって、ナット13、ピストン8が図中右方に移動してブレーキ力が弱められる。その後ディスクパッド5の反力が無くなり、さらに、弾性体12の変形が元に戻ったところで、ピストン8が停止する。この時モータ等が慣性により更に回転した時には、ピストン8が弾性体の摺動抵抗で保持されているので可逆ネジシャフト10及び第2のクラッチホイールがバネ18の付勢力に抗して図中左方に僅かに移動し、これにより、クラッチが切れモータ側からの回転力が切断され、ピストン8の戻り過ぎを防止する。
【0008】
〔第2発明〕
ブレーキぺダル1が踏まれると、踏力センサ2からの信号により、電子制御装置3がモータMを駆動し、モータMの回転はモータの出力軸17より可逆ネジシャフト10に伝達される。この時一方向ベアリング23はナット13を不回転としているため、ナット13は回転せずにナット13、ピストン8が一体となって復帰バネ22の付勢力に抗して移動し、ディスクパッド5をディスク6に押圧してブレーキをかける。
そして、ディスクパッド5によるディスク6への押圧力が所定値になるとこの値を押圧力センサー20が検知し、電子制御装置3に出力し、モータを停止してブレーキ力を維持する。
【0009】
ブレーキを緩める時は、踏力信号によってモータMが逆転作動し、可逆ネジシャフト10が逆転し、復帰バネ22の付勢力によってピストン8およびナット13が移動してブレーキ力が弱められる。さらに、可逆ネジシャフト10が逆転を続けると、ディスクパッド5の反力が無くなり、さらに、復帰バネ22が元に戻ったところで、ピストン8が停止する。この時モータ等が慣性により更に回転した時には、ナット13の端面13aとピストンの面8aとがはなれる(クラッチ手段が切れる)ため、一方向べアリングの作用で可逆ネジシャフト10とナット13とが一体となって回転し、ナット13と可逆ネジシャフト10との相対回転がなくなるためピストン8の戻り過ぎを防止できる。
【0010】
〔第3発明〕
運転者がブレーキぺダルを踏むと、この時の踏力が踏力センサによって検知され、電子制御装置に入力される。モータMが電子制御装置(ECU)からの指令で制御駆動されると、モータMの回転はモータからの出力軸17→可逆ネジシャフト10→ナット13→ナットと一体のコーンクラッチ33に伝達される。この時コーンクラッチ33はナット13を不回転としているため、ナット13は回転せずにナット13、ピストン8が一体となって復帰バネ22の付勢力に抗して図中左方に移動し、ピストン8を図中左方に押し出し、ディスクパッドをディスクに押圧してブレーキをかける。そして、ディスクパッドによるディスクへの押圧力が所定値になるとこの値を押圧力センサー20が検知し、電子制御装置に出力し、モータを停止するなどブレーキ力を制御する。
【0011】
ブレーキを緩める時は、踏力信号によってモータMを逆転作動させる。すると、可逆ネジシャフト10が逆転し、前記復帰バネ22の付勢力によってピストン8およびナット13が図中右方に移動してブレーキ力が弱められる。さらに、可逆ネジシャフト10が逆転を続けると、ディスクパッド5の反力が無くなり、さらに、復帰バネ22が元に戻ったところで、ピストン8が停止する。この時モータ等が慣性により更に回転した時には、コーンクラッチ33とピストン8とがはなれる(クラッチ手段が切れる)ため、可逆ネジシャフト10とナット13とが一体となって回転し、ナットと可逆ネジシャフトとの間の相対回転がなくなりピストン8の戻り過ぎを防止できる。
【0012】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
図1はキャリパ内に組込んだ本発明の第1実施例に係る電気作動ブレーキ装置の断面図である。
図において1はブレーキペダル、2は踏力センサ、3は電子制御装置(ECU)、4はブレーキキャリパ、5は2個のディスクパッド、6は前記ディスクパッド間に配置されたディスクであり、個々の構成は公知のものを使用しており、それらの詳細構成の説明は省略する。
【0013】
前記キャリパ4内にはシリンダ7が形成されており、このシリンダ7内にピストン8が摺動自在に配置されている。前記ピストン8は一端部が閉塞された円筒状に形成されており、前記一端部の外面にはディスクパッド5の一方が取り付けられ、さらに、このディスクパッド5と前記ピストン8との間にはピストンの廻り止め手段9および押圧力センサー20が設けられている。シリンダ7の内周面には凹溝11が形成されており、この凹溝11のディスクパッド5側の面11aは開いたテーパ状に形成されている。そして前記凹溝11内に前記ピストン8とシリンダ7との間のシール部材を兼ねた弾性体12が設けられている。この弾性体12はブレーキ作動時にピストン8がディスクパッド5側に移動した際に、傾斜面に沿って変形し、この変形によってピストン8を復帰させるための付勢力を与えることができるようになっている。
【0014】
前記ピストン8内の中央にはナット13が固定されており、このナット13にはピストン8の軸と一致して配置された可逆ネジシャフト10が螺子結合されている。また、前記可逆ネジシャフト10のディスクパッド5とは反対側の端部には第2のクラッチホイール14が固定されている。また、前記第2のクラッチホイール14に対向して第1のクラッチホイール15が配置されており、この第1クラッチホイール15は第1スラストベアリング16を介してキャリパ4に軸支されている。前記各クラッチホイール14、15により、いわゆるクラッチ手段が構成されている。
【0015】
第1のクラッチホイール15にはモータMの出力軸17が取付けられており、一方、前記第2のクラッチホイール14とキャリパ4との間にはバネ18および第2スラストベアリング19が配置されており、前記バネのバネ座はキャリパ4に設けられており、また前記第2スラストベアリング19は、第2のクラッチホイール14がバネ18の付勢力の影響を受けることなく円滑に回転できるようにするために配置されている。このため、バネ座に変えて直接キャリパによってバネ座を構成したりあるいは、必要に応じて第2スラストベアリングを省略する他の変形例を採用することができる。前記第2のクラッチホイール14は、常時は前記バネ18の付勢力によって、前記第1のクラッチホイール15に接続されており、この結果モータMの回転力が可逆ネジシャフト10に伝達できるようになっている。
なお、前記弾性体12の保持力Rは可逆ネジシャフト10に回転力を与える軸力fよりも大きく、また、バネ18の荷重Fよりも大きく設定されている(R>F>f)。また、前記モータMの出力軸17および各クラッチホイールの軸、さらに可逆ネジシャフト10の軸は同軸上に配置されている。
【0016】
モータMは電子制御装置(ECU)3からの指令で制御駆動され、モータMの回転はモータの減速機を介した出力軸17→第1のクラッチホイール15→第2のクラッチホイール14→可逆ネジシャフト10に伝達され、可逆ネジシャフト10が回転すると、ナット13、ピストン8が一体となって図中左方に移動して、ピストン8を図中左方に押し出し、ディスクパッド5をディスク6に押圧してブレーキをかける。そして、モータMはディスクパッド5によるディスク6への押圧力が所定値になると電子制御装置3からの信号により作動を停止しブレーキを掛けた状態を維持する。
【0017】
上記構成に係わる電気作動ブレーキ装置の作動について説明する。
ブレーキ作動前には、電子制御装置3からの指令がないため、このブレーキ装置は図1の状態となっている。
運転者がブレーキぺダル1を踏むと、この時の踏力が踏力センサ2によって検知され、電子制御装置3に入力される。電子制御装置3では、入力信号に応じてモータMを駆動し、モータからの出力軸17→第1のクラッチホイール15→第2のクラッチホイール14→可逆ネジシャフト10に伝達され、可逆ネジシャフト10が回転すると、ナット13およびピストン8が一体となって図中左に移動し、弾性体12を変形させながらピストン8を図中左方に押し出し、ディスクパッド5をディスク6に押圧し、ブレーキをかける。この時、ブレーキ力が強くなることにより、クラッチ手段の接続力が増大するため、第1、第2のクラッチホイール15、14が滑ることはない。なお、弾性体12は凹溝11の傾斜面11aに沿って変形するため、ピストン8に図中右方への付勢力を付与している。
そして、ディスクパッド5によるディスク6への押圧力が所定値になるとこの値を押圧力センサー20が検知し、電子制御装置3に出力する。電子制御装置3では前記押圧力センサー20からの信号に基づいて前記モータMの作動を停止しブレーキを掛けた状態を維持する。
【0018】
ブレーキを緩める時は、踏力信号によってモータMを逆転作動させる。すると、クラッチ手段を介して可逆ネジシャフト10が逆転し、可逆ネジシャフト10が逆転すると、前記変形した弾性体12の付勢力とあいまって、ナット13、ピストン8が図中右方に移動してブレーキ力が弱められる。さらに、可逆ネジシャフト10が逆転を続けると、ディスクパッド5の反力が無くなり、さらに、弾性体12の変形が元に戻ったところで、ピストン8が停止する。この時モータ等が慣性により更に回転した時には、ピストン8が弾性体の摺動抵抗で保持されているので可逆ネジシャフト10及び第2のクラッチホイールがバネ18の付勢力に抗して図中左方に僅かに移動し、これにより、クラッチが切れモータ側からの回転力が切断され、ピストン8の戻り過ぎを防止する。なお、第2のクラッチホイールは第1のクラッチホイールから一時的に離れるがバネ18の付勢力により可逆ネジシャフト10を回転し元の位置にもどり、再びクラッチホイール同志が接続状態となり、初期状態に復帰する。
【0019】
次に、図2を参照して本発明の第2実施例に係る電気作動ブレーキ装置を説明する。第2実施例はキャリパ内に組込むクラッチ機構のみが第1の実施例と異なっており、他の構成は同様であるので、共通の構成機能の説明は省略する。
図においてキャリパ4内にはシリンダ7が形成されており、このシリンダ7内にピストン8が摺動自在に配置されている。前記ピストン8は一端部が閉塞された円筒状に形成されており、前記一端部の外面にはディスクパッド5の一方が取り付けられ、さらに、このディスクパッド5と前記ピストン8との間にはピストンの廻り止め手段9および押圧力センサー20が設けられている。シリンダ7の内周面にはバネ収納溝27が形成されており、このバネ収納溝27内にはピストン8との間に摺動リング21を介し復帰バネ22が設けられている。
【0020】
前記ピストン8内の中央にはナット13が配置されており、このナット13とピストン8の内面との間には、回り止めスリーブ24を介して加圧方向にはナッド13を不回転とし、戻り方向のみナット13の回転を許容する一方向べアリング23が配置されている。また、前記ナット13の端面13aとピストンに形成された面8aとによって図示の如く常時はバネ26によって押圧されているクラッチ手段が形成されている。前記ナット13にはピストン8の軸と一致して配置された可逆ネジシャフト10が螺子結合されており、前記可逆ネジシャフト10のディスクパッド5とは反対側の端部は、第1スラストベアリング16を介してキャリパ4に軸支されている。また可逆ネジシャフト10の端部はモータMからの出力軸17に取付けられている。前記可逆ネジシャフト10はキャリパに設けられたストップリング25によって軸方向への移動が規制されれている。
【0021】
上記構成に係わる電気作動ブレーキ装置の作動について説明する。
ブレーキ作動前には、電子制御装置3からの指令がないため、このブレーキ装置は図1の状態となっている。
運転者がブレーキぺダル1を踏むと、この時の踏力が踏力センサ2によって検知され、電子制御装置3に入力される。モータMが電子制御装置(ECU)からの指令で制御駆動されると、モータMの回転はモータからの出力軸17→可逆ネジシャフト10→ナット13に伝達される。この時一方向ベアリング23はナット13を不回転としているため、ナット13は回転せずにナット13、ピストン8が一体となって復帰バネ22の付勢力に抗して図中左方に移動し、ピストン8を図中左方に押し出し、ディスクパッド5をディスク6に押圧してブレーキをかける。そして、ディスクパッド5によるディスク6への押圧力が所定値になるとこの値を押圧力センサー20が検知し、電子制御装置3に出力し、モータを停止するなどブレーキ力を制御する。
【0022】
ブレーキを緩める時は、踏力信号によってモータMを逆転作動させる。すると、可逆ネジシャフト10が逆転し、前記復帰バネ22の付勢力によってピストン8およびナット13が図中右方に移動してブレーキ力が弱められる。さらに、可逆ネジシャフト10が逆転を続けると、ディスクパッド5の反力が無くなり、さらに、復帰バネ22が元に戻ったところで、ピストン8が停止する。この時モータ等が慣性により更に回転した時には、ピストンは摺動リング21の摺動抵抗により保持されているので、ナット13の端面13aとピストンの面8aとがはなれる(クラッチ手段が切れる)ため、一方向べアリングの作用で可逆ネジシャフト10とナット13とが一体となって回転し、ナットと可逆ネジシャフトとの間の相対回転がなくなりピストン8の戻り過ぎを防止できる。
【0023】
更に、図4を参照して本発明の第3実施例に係る電気作動ブレーキ装置を説明する。第3実施例は前記第2実施例に於ける前記一方向ベアリング23と、前記回り止めスリーブ24との組み合わせの代わりにコーンクラッチ33を採用し、ブレーキ解放時にピストンが所定位置に復帰した後は、モータの慣性回転力によってコーンクラッチ33がピストン8から離れ、コーンクラッチ33に保持されたナットがネジシャフトと一体に回転できるようになっており、その他の構成は第2実施例と同様である。なお、図中19´はコーンクラッチ33とバネ26との間に設けられたスラストベアリングである。
【0024】
上記構成に係わる電気作動ブレーキ装置の作動について説明する。
運転者がブレーキぺダルを踏むと、この時の踏力が踏力センサによって検知され、電子制御装置に入力される。モータMが電子制御装置(ECU)からの指令で制御駆動されると、モータMの回転はモータからの出力軸17→可逆ネジシャフト10→ナット13→ナットと一体のコーンクラッチ33に伝達される。この時コーンクラッチ33はナット13を不回転としているため、ナット13は回転せずにナット13、ピストン8が一体となって復帰バネ22の付勢力に抗して図中左方に移動し、ピストン8を図中左方に押し出し、ディスクパッドをディスクに押圧してブレーキをかける。そして、ディスクパッドによるディスクへの押圧力が所定値になるとこの値を押圧力センサー20が検知し、電子制御装置に出力し、モータを停止するなどブレーキ力を制御する。
【0025】
ブレーキを緩める時は、踏力信号によってモータMを逆転作動させる。すると、可逆ネジシャフト10が逆転し、前記復帰バネ22の付勢力によってピストン8およびナット13が図中右方に移動してブレーキ力が弱められる。さらに、可逆ネジシャフト10が逆転を続けると、ディスクパッド5の反力が無くなり、さらに、復帰バネ22が元に戻ったところで、ピストン8が停止する。この時モータ等が慣性により更に回転した時には、コーンクラッチ33とピストン8とがはなれる(クラッチ手段が切れる)ため、可逆ネジシャフト10とナット13とが一体となって回転し、ナットと可逆ネジシャフトとの間の相対回転がなくなりピストン8の戻り過ぎを防止できる。
【0026】
以上のように、本発明では、ピストンと、該ピストンを駆動するモータとの間にクラッチ手段を設け、このクラッチ手段によってブレーキを緩める時に生ずるモータの逆回転のオーバランによるピストンの戻り過ぎを防止できるとともに、可逆ネジシャフトへの過度の力が作用することを防止できる。
また、本発明では、電子制御装置からの制御信号によりブレーキ力の加圧、保持、減圧をすることもできるため、アンチスキッド制御やトラクション制御を実行することもできる。
なお、前記実施例中において、踏力センサーはどこに設けてもよく、また、第1実施例中の弾性体12を第2実施例のバネ22と摺動リング21としたり、あるいは、第2、第3実施例中のバネ22と摺動リング21を第1実施例のように弾性体12としてもよい。
また、押圧力センサー20、ブレーキぺダル踏力センサ2からの信号は電子制御装置3に伝達され、電子制御装置3ではこれらの信号に基づいてモータ24を制御する。
さらに、前記押圧力センサー20を使用せずにモータに掛かる負荷からディスクパッド5によるディスク6への押圧力を検知し、モータを上述の如く制御することもできる。また本発明は上記実施例に限定されることはなく、同様の機能を奏する機構であればどのようなものでも適用できる。
【0027】
【発明の効果】
以上詳細に述べた如く本発明は、可逆ネジシャフトとモータとの間にクラッチを設けたことにより、ブレーキ開放時にモータ回転力の慣性により、ピストンが戻りすぎることがなくなり、ディスクパッドとディスクとの隙間を常に一定に保つことができる。その結果、ブレーキ制御の応答性がよくなる。また、モータの回転力による螺子部への過度の力が作用することを防止できるため、装置の損傷を防止することができる。さらに装置を小型、安価に製作することができる。さらに電子制御装置による制御により、アンチスキッド制御、トラクション制御等も容易に実現することができる。等々の優れた作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例としての電気作動ブレーキ装置の概略断面図である。
【図2】本発明に係る第2実施例としての電気作動ブレーキ装置の概略断面図である。
【図3】一方向べアリングの説明図である。
【図4】本発明に係る第3実施例としての電気作動ブレーキ装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル
2 踏力センサ
3 電子制御装置
4 キャリパ
5 ディスクパッド
6 ディスク
7 シリンダ
8 ピストン
9 回り止め手段
10 可逆ネジシャフト
11 凹溝
12 弾性体
13 ナット
14、15 第2、第1クラッチホイール
17 減速機(モータ)の出力軸
18 バネ
19 スラストベアリング
20 押圧力センサー
Claims (4)
- ブレーキ装置のキャリパ4内に形成したシリンダ7と、
該シリンダ7内に配置された摺動自在のピストン8と、
前記ピストン8をディスク6に向けて往復動させる為の可逆ネジシャフト10と、
該可逆ネジシャフト10を作動させるモータMと、
該可逆ネジシャフト10と係合するナット13と、
該ナットを支承する軸受23と、
前記モータを制御する電子制御装置3と
からなり、
前記軸受23は該可逆ネジシャフト10のブレーキ作動方向回転に対しては該ナット13を不回転に支持し、その反対方向回転に対しては該ナット13の回転を許容する一方向クラッチ付きとし、ブレーキ開放後の前記可逆ネジシャフト10のブレーキ解放方向の回転に対しては前記同ピストンの面8aと前記ナットの端面13aが離れ該ナット13と前記可逆ネジシャフト10とが一体となって回転する様にしたことを特徴とする電気作動ブレーキ装置。 - ブレーキ装置のキャリパ4内に形成したシリンダ7と、
該シリンダ7内に配置された摺動自在のピストン8と、
前記ピストン8をディスク6に向けて往復動させる為の可逆ネジシャフト10と、
該可逆ネジシャフト10を作動させるモータMと、
該可逆ネジシャフト10と係合するナット13と、
該ナットと一体となったコーンクラッチ33と、
前記モータを制御する電子制御装置3と
からなり、
前記コーンクラッチ33はブレーキ開放後の前記可逆ネジシャフト10のブレーキ解放方向の回転に対しては前記同ピストンの面8aから離れ、前記ナット13と前記可逆ネジシャフト10とが一体となって回転する様にしたことを特徴とする電気作動ブレーキ装置。 - 前記軸受23は、回り止めスリーブ24に支承され、回り止めスリーブ24は、前記ピストン8と摺動自在、かつ、回転不能に係合し、バネ26によりパッド方向へ押圧され、その荷重はフリクションリング21と前記ピストン8との間の摺動抵抗よりも低く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電気作動ブレーキ装置。
- 前記ナット13を保持する前記コーンクラッチ33は、前記ピストン8に構成されたコーン面にバネ26により押圧され、その荷重はフリクションリング21と前記ピストン8との間の摺動抵抗よりも低く設定されていることを特徴とする請求項2に記載の電気作動ブレーキ装置。
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