JP2000288592A - 脱水ケーキの脱臭方法及び脱臭剤 - Google Patents

脱水ケーキの脱臭方法及び脱臭剤

Info

Publication number
JP2000288592A
JP2000288592A JP11100235A JP10023599A JP2000288592A JP 2000288592 A JP2000288592 A JP 2000288592A JP 11100235 A JP11100235 A JP 11100235A JP 10023599 A JP10023599 A JP 10023599A JP 2000288592 A JP2000288592 A JP 2000288592A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sludge
nitrite
tank
deodorizing
oxidizing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11100235A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3674939B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Mugibayashi
裕弘 麦林
Nobuyoshi Maejima
伸美 前島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Priority to JP10023599A priority Critical patent/JP3674939B2/ja
Publication of JP2000288592A publication Critical patent/JP2000288592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3674939B2 publication Critical patent/JP3674939B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、亜硝酸塩による脱水ケーキの消臭を
行うに当たり、脱水ケーキ中に窒素分を残留させる原因
となる亜硝酸塩の少ない添加量の条件下で、十分な消臭
効果及びその持続時間を向上させることを目的とするも
のである。 【解決手段】汚泥スラリーに、酸化剤、亜硝酸塩を除く
金属塩、有機系殺菌剤の中から選ばれる1種以上の物質
と亜硝酸塩とを併用して添加することを特徴とする脱水
ケーキの脱臭方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱水ケーキの脱臭
剤及び脱臭方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
下水処理場などの汚泥スラリーを脱水して得られる脱水
ケーキから発生する硫化水素やメチルメルカプタンなど
の悪臭物質に由来する臭気を効果的に防止することがで
きる脱水ケーキの脱臭方法及び脱臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術】下水処理場、し尿処理場や、食品工場、
紙パルプ工場などの有機性産業排水の処理工程などにお
いては、各種の汚泥が発生する。例えば、下水を最初沈
殿池で固液分離すると初沈生汚泥が発生し、最初沈殿池
の上澄水を曝気槽などを用いて浮遊生物方式により処理
すると、活性汚泥の量が増加する。曝気槽などで処理さ
れた水は最終沈殿池に導かれ、活性汚泥が分離され、そ
の一部は返送汚泥として曝気槽などに返送され、残余は
余剰汚泥とされる。初沈生汚泥と余剰汚泥は、汚泥濃縮
槽に導かれ、その後、汚泥貯留槽にいったん貯留され
る。汚泥貯留槽内の汚泥は、次いで脱水機により脱水さ
れ、得られる脱水ケーキは埋め立てや、焼却のために搬
出される。汚泥貯留槽から脱水機周辺においては、汚泥
スラリーから悪臭物質が揮散し、さらに脱水後の脱水ケ
ーキは腐敗により悪臭物質を発生する。下水処理場で発
生する悪臭物質として頻繁に検出される物質は、硫化水
素、メチルメルカプタンなどのイオウ化合物、アンモニ
ア、トリメチルアミンなどの窒素化合物、吉草酸、イソ
酪酸などの低級脂肪酸、汚泥の乾燥焼却工程から発生す
るアルデヒド類などである。これらの中で、汚泥処理工
程から発生する硫化水素とメチルメルカプタンの量が特
に多い。汚泥貯留槽や脱水機の多くは密閉系となってい
るが、脱水により得られる脱水ケーキは開放系で運搬、
保管される場合が多いので、臭気対策はより重要であ
る。すなわち、脱水ケーキの運搬には、通常コンベアや
トラックなどが使われ、臭気発生源である脱水ケーキが
移動するので、覆蓋、臭気の吸引などによる処理が困難
であり、臭気対策がむつかしい。また、最終埋め立て地
においても、発生する臭気が拡散し、付近の住民に不快
感を与えるなど、環境に悪影響を及ぼす。このために、
脱水ケーキから発生する臭気自体を抑制する必要があ
り、従来よりさまざまな脱臭方法が提案されている。例
えば、過酸化水素、過硫酸アルカリ、亜塩素酸塩などの
活性酸素発生化合物を使用した脱臭方法が採用されてい
る。活性酸素発生化合物は、添加してすぐに脱臭効果が
得られるなど、汚泥スラリーに対して即効性に特徴があ
りかつ有効であるが、汚泥中の還元物質と直接的に反応
して消費されるために、短時間で効果を失うという欠点
がある。特開平5−253599号公報には、各種の脱
水ケーキから発生する臭気を効率よく抑制することがで
きる脱臭方法として、亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩と場合
により静菌剤系消臭剤とを併用する脱水ケーキの脱臭方
法が提案されている。また、特公昭63−58640号
公報には、全く十分に脱臭するが、同時にバクテリアを
完全に殺すことのない脱臭方法として、排水汚泥をアル
カリ金属又はアルカリ土類金属亜塩素酸塩で5〜40℃
で処理する方法が提案されている。亜塩素酸塩や次亜塩
素酸は、脱臭効果の持続時間が短いので、汚泥処理工程
のできる限り後の工程、例えば、脱水の直前に添加する
などの方法が採られているが、それでも脱水ケーキの脱
臭効果の持続時間は不十分である。特開昭63−205
197号公報には、硫化水素、アンモニア、メチルメル
カプタンなどの悪臭物質を含む排水、汚泥ガスの脱臭方
法として、硫酸亜鉛などの亜鉛化合物で処理する方法が
提案されており、銅化合物を用いる脱臭処理方法も知ら
れている。亜鉛化合物や銅化合物は、即効性があり、脱
水ケーキの脱臭効果も大きいが、セメント材料やコンポ
ストなど脱水ケーキの二次使用を行う場合には、利用先
での悪影響が懸念され、使用が敬遠される。また、金属
塩、特に塩化銅などは、腐食性が高く、装置への悪影響
も懸念される。さらに、特公平1−60319号公報に
は、嫌気的条件下での硫酸還元菌による硫化水素の発生
を防止する方法として、微生物の生育環境に亜硝酸イオ
ンを存在させる方法が提案されている。亜硝酸塩につい
ては、このように廃水処理装置内などの密閉系におかれ
た汚泥スラリーへの使用は検討されているが、開放系に
保管される脱水ケーキを含めた下水処理工程全般におけ
る脱臭手段としては、全く検討されていなかった。ま
た、特開昭50−105890号公報には、洗米廃水か
ら生じた白糠を主体とするスラッジ又はその脱水ケーキ
に、亜硫酸塩を添加して雑菌の繁殖、腐敗を防止する方
法が記載されているが、強い臭気を放つ汚泥脱水ケーキ
の脱臭方法については検討されていなかった。特開平4
−126597号公報には、脱水ケーキから発生する臭
気を効率よく抑制する方法として、酸化剤系消臭剤と静
菌剤系消臭剤を併用する脱臭方法が提案されている。静
菌剤を用いると、脱水ケーキの長時間脱臭などで良好な
効果が得られることが分かっているが、使用する薬剤の
単価が高く処理コストの増大を招くおそれがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、下水処理場
などの汚泥スラリーや脱水ケーキから発生する硫化水素
やメチルメルカプタンなどの悪臭物質に由来する臭気
を、消臭能力の高い亜硝酸塩で処理する場合に、この高
い脱水ケーキの脱臭効果を維持しながら脱水ケーキ及び
脱水ろ液に残留する亜硝酸塩由来の窒素分を減少させる
方法及び脱臭剤を提供するものである。特に、亜硝酸塩
は単独で使用することで脱水ケーキの消臭は、亜硝酸塩
の添加量を増加するほど脱臭効果及び持続時間が向上す
る。しかし、亜硝酸塩を大量に使用することは、脱水後
の脱水ろ液中の亜硝酸イオンを増加させる結果となる。
脱水ろ液は返流水として水処理工程へ戻される。ところ
が、亜硝酸イオンは殺菌効果を有するため、水処理にお
ける生物処理工程に悪影響を与え、さらにまた、この亜
硝酸イオンは、排水の窒素負荷を高めるため、排水の窒
素分の規定の対象となる問題も派生させる。このため、
脱臭効果のために使用する亜硝酸塩の添加量をなるべく
低い添加率に留める必要がある。本発明は、亜硝酸塩の
顕著な脱臭効果を有効に活用するとともに、亜硝酸塩の
添加量を減少して、消臭効果及びその持続時間が維持す
ることを目的とするものであり、具体的には、亜硝酸塩
と併用する薬剤を提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、亜硝酸塩の大き
い消臭効果に着目して、これに他の特定の消臭効果のあ
る物質を併用することによって、少ない亜硝酸塩の添加
量においても、消臭効果が相剰的に増大して、消臭効果
の持続性が向上することを見いだし、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、次
の各項の発明よりなる。(1)汚泥スラリーに、酸化
剤、亜硝酸塩を除く金属塩、有機系殺菌剤の中から選ば
れる1種以上の物質と亜硝酸塩とを併用して添加するこ
とを特徴とする脱水ケーキの脱臭方法。(2)酸化剤、
亜硝酸塩を除く金属塩、有機系殺菌剤から選ばれる1種
以上の物質と亜硝酸塩とを有効成分として含有すること
を特徴とする脱水ケーキ用脱臭剤。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明を適用する汚泥スラリー
は、特に制限はなく、例えば、下水処理場、し尿処理場
や、食品工場、紙パルプ工場などの有機性産業排水の処
理工程などにおいて発生する各種の汚泥に適用すること
ができる。図1は、下水処理の一態様の工程系統図であ
る。原水は、最初沈殿池1へ導かれ、初沈生汚泥が分離
される。最初沈殿池の上澄水は、必要に応じて凝集剤を
添加したのち曝気槽2へ送られ、活性汚泥法により生物
的処理が行われる。曝気槽の処理水は、必要に応じて凝
集剤を添加したのち最終沈殿池3へ送られ、汚泥が分離
される。分離された汚泥は、一部が返送汚泥として曝気
槽に返送され、残余は余剰汚泥として処理される。最終
沈殿池の上澄水は、そのままで、又は、必要な処理が施
されたのち、放流される。余剰汚泥は、初沈生汚泥とと
もに、汚泥濃縮槽4へ送られる。汚泥濃縮槽において濃
縮された汚泥は、汚泥貯留槽5へ送られる。汚泥貯留槽
に貯留された汚泥は、脱水機6により脱水され、脱水ケ
ーキとして搬出される。汚泥濃縮槽の上澄水及び脱水機
からの脱離水は、原水に返送されるか、又は、必要な処
理が施されたのち放流される。本発明に主薬剤として用
いる亜硝酸塩に特に制限はなく、例えば、亜硝酸アンモ
ニウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ル
ビジウム、亜硝酸セシウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸
ストロンチウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸バリウ
ム、亜硝酸ニッケル、亜硝酸銅、亜硝酸銀、亜硝酸亜
鉛、亜硝酸タリウムなどを挙げることができる。これら
の亜硝酸塩は、1種を単独で用いることができ、あるい
は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これ
らの中で、亜硝酸ナトリウム及び亜硝酸カリウムは、脱
水ケーキの二次使用を行う場合にも利用先での悪影響が
なく、特に好適に用いることができる。
【0006】本発明方法に脱水ケーキの消臭のために使
用される薬剤は、汚泥スラリーに添加したのち脱水す
る。本発明の主薬剤の亜硝酸塩は、添加後15分以上、
より好ましくは2時間以上経過したのち脱水することに
より、より効果的かつ持続的に脱臭することができる。
従って、図1に示す工程をとる場合、亜硝酸塩は、汚泥
濃縮槽4又は汚泥貯留槽5において添加し、汚泥スラリ
ーが脱水機6において脱水されるまでに15分以上経過
する工程とすることが好ましく、2時間以上経過する工
程とすることがより好ましい。汚泥の処理が回分式に行
われる場合は、亜硝酸塩の添加と脱水の時間の間隔は、
操作時間から直接決定することができる。また、汚泥の
処理が連続的に行われる場合は、亜硝酸塩の添加と脱水
の時間の間隔は、汚泥スラリーの平均滞留時間として算
出することができる。亜硝酸塩を、汚泥スラリーに添加
して15分以上経過したのち脱水することにより、脱水
ケーキからの悪臭成分の発生をより長時間にわたって防
止することができる。亜硝酸塩は、汚泥スラリーに対し
ても脱臭効果を奏し、その効果は添加後15分以上を経
過すると顕著になる。したがって、貯留槽、脱水機など
の汚泥処理装置の臭気が問題となる場合には、汚泥スラ
リーが脱臭を要する装置に到達する15分以上前に、亜
硝酸塩を添加することにより、脱水ケーキのみならず、
これらの装置の周辺の脱臭をも行うことができる。
【0007】本発明に用いる亜硝酸塩は、汚泥スラリー
に対して、1リットル当たり25〜600mg、好ましく
は50〜300mgを添加することができる。亜硝酸塩の
添加量が25mg/リットル未満では、脱臭効果が不十分
であり、600mg/リットルを越えると窒素分が増加す
るので好ましくない。ただし、亜硝酸塩を酸化剤と併用
した場合は、酸化剤の添加量を増加させると、亜硝酸塩
の添加量も1,000mg/リットルまで増加することが
できる。すなわち、酸化剤を多量使用した場合は、亜硝
酸塩の添加量を増加させても脱水後のろ液中に残留する
亜硝酸イオンは増加しない。一方、本発明に亜硝酸塩と
併用して用いられる他の薬剤は、添加時期に特に制限は
ないが、薬剤の種類によって、最適の添加時期が存在す
る場合もある。例えば、亜硝酸塩を除く金属塩は、亜硝
酸塩と同じく、脱水工程の15分以上前、好ましくは2
時間以上前に添加するのが望ましく、有機系殺菌剤は、
脱水工程直前の15分以内に添加するのが望ましい。ま
た、本発明で亜硝酸塩と併用される酸化剤の添加時期
は、脱臭効果にあまり影響はない。本発明において亜硝
酸塩と併用する酸化剤としては、公知の酸化剤を特に制
限なく使用でき、例えば、亜塩素酸塩、過酸化水素、過
マンガン酸塩、ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、過炭酸塩、
臭素酸塩、過硫酸塩等の公知の酸化剤を使用することが
できる。特に、亜塩素酸塩、過酸化水素、過マンガン酸
塩、ヨウ素酸塩が好適であり、特に重金属を含有しない
ものがさらに好適である。本発明においては、亜硝酸塩
と酸化剤を併用することによって、亜硝酸塩に由来する
排水規制の対象である窒素分を酸化反応で減少させる利
点が得られる。
【0008】本発明において亜硝酸塩と併用する亜硝酸
塩を除く金属塩としては、脱臭効果の点からは、特に制
限はなく公知の金属塩を使用することができ、例えば、
硝酸塩、リン酸塩、塩化物、硫酸塩、硫化物、酸化物、
亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、酢酸塩、水酸化物、炭酸塩、
クエン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、ヨウ化物等の公知の
金属塩を使用することができる。特に、硝酸塩の場合、
脱水ケーキの2次利用の場合の観点から、硝酸ナトリウ
ム、硝酸カリウム、硝酸アルミニウム等の軽金属の硝酸
塩を好適に併用することができる。また、例えばリン酸
塩も硝酸塩と同様に、リン酸アルミニウム、リン酸ナト
リウム、リン酸カリウム等の軽金属のリン酸塩を好適に
併用することができる。同様に塩化物も、塩化亜鉛、塩
化銅、塩化第二鉄などの金属塩化物並びに塩化鉄ナトリ
ウムカリウムのような金属塩化物複塩を好適に併用する
ことができる。また、本発明において、亜硝酸塩と併用
する有機系殺菌剤としては、公知の有機系殺菌剤を特に
制限なく使用でき、例えば、ピリチオン塩、サリチル
酸、キノリン、クレゾール、チウラム、イソチアン酸塩
等を使用でき、特にピリチオン塩が好適である。本発明
方法において、汚泥スラリーの脱水方法に特に制限はな
く、例えば、遠心脱水機、ベルトプレス脱水機、スクリ
ュープレス脱水機、フィルタープレス脱水機、真空脱水
機などを用いることができる。汚泥スラリーには、脱水
性を向上するために、脱水機に投入する前段に又は脱水
機内に、脱水剤を添加することが好ましい。添加する脱
水剤としては、例えば、アニオン系高分子凝集剤、カチ
オン系高分子凝集剤、両性高分子凝集剤、塩化第二鉄、
消石灰などを挙げることができる。本発明方法におい
て、汚泥スラリーに亜硝酸塩と併用して添加する酸化剤
は、過酸化水素換算で、汚泥スラリー1リットル当たり
25〜3,000mgであることが好ましく、100〜1,
000mgであることがより好ましい。本発明において、
亜硝酸塩と併用する塩化物、硝酸塩、リン酸塩に代表さ
れる亜硝酸塩を除く金属塩の添加量は、特に制限はない
が、25〜1,000mgであることが好ましく、100
〜500mgであることがより好ましい。本発明の併用薬
剤の添加によって、汚泥スラリー中の微生物の活動を抑
え、新たな悪臭成分の発生を抑制し、さらに、脱水後も
脱水ケーキ中における微生物の活動を抑制し、脱水ケー
キからの臭気の発生を長時間にわたって防止することが
できる。
【0009】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、硫化水素の分析は、ガステック社製ガス検知管4
M、4L又は4LLを用い、メチルメルカプタンの分析
は、ガステック社製ガス検知管71H又は71を用いて
行った。検出下限濃度は、硫化水素、メチルメルカプタ
ンともに0.25ppmである。NO2の減少率は、亜硝酸
ナトリウム添加時にろ液中に残留した亜硝酸イオン量を
分析して、これを100として、酸化剤を併用したとき
に、脱水ケーキ中の亜硝酸イオンが100%から減少し
た差額%を減少率として算出した。実施例1〜14及び
比較例1〜14並びにブランク試験1〜2下水処理場で
採取した混合生汚泥[pH:6.0、SS(浮遊物質):
28000mg/リットル]300mlをビーカーに入れ、
表示の薬剤を表示の添加時間に加えて、かきまぜた。つ
いで、所定の時間に、カチオンポリマー系脱水剤[栗田
工業(株)、クリフィックスCP604]の0.2重量%
水溶液25.0gを加え、2枚羽根付き撹拌機を用いて
500rpmで20秒間撹拌したのち、ナイロンろ布を敷
いたブフナーロート上に注いでろ過した。ろ過後の汚泥
を圧搾機を用いて脱水し、圧搾機にかけて脱水ケーキを
得た。この脱水ケーキをテトラバックに入れ密閉し、3
0℃の恒温槽で保存した。テトラバックに脱水ケーキを
密閉後の24時間及び48時間の経過毎にバック内の臭
気物質の硫化水素(H2S)及びメチルメルカプタン
(MM)の濃度を測定した。また、酸化剤との併用にお
いては、NO2の減少率を測定した。得られた結果は、
第1〜3表に示した。各表の上欄には、薬剤無添加のブ
ランク試験1及び亜硝酸塩単独添加のブランク試験2の
結果が示されている。本発明の酸化剤、亜硝酸塩を除く
金属塩、有機系殺菌剤を併用した効果を示すために、そ
れぞれの薬剤を単独で使用した場合の試験を比較例とし
て、各実施例の下欄に表示した。すなわち、例えば実施
例1の併用の効果は、ブランク試験2と比較例1の結果
を対比すると明らかである。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】第1表の実施例の結果を見ると、亜硝酸塩
単独及び酸化剤単独では完全に押さえられなかった臭気
を酸化剤と併用することで完全に押さえることができ
る。このことは、酸化剤の併用によって、同一の脱臭効
果を達成するために必要な亜硝酸塩の使用量を低減でき
ることを示す。また、亜硝酸イオンの残留量を10〜2
0%程度削減可能である。この削減は酸化剤の化学反応
であるので、併用酸化剤の添加率を実施例よりさらに大
巾に増加すると、亜硝酸イオンの減少率も大幅に増加す
ることは明白である。このことは、酸化剤を多量併用す
ることによって、亜硝酸塩の添加量を逆に増加しても亜
硝酸イオンを増加させない利点があることを示唆してい
る。酸化剤の併用により亜硝酸イオンの添加率を低減で
きるとともに、多量に添加したものについても、ろ液中
の残留量を削減できることが分かった。第2表の実施例
の結果を見ると、亜硝酸塩単独では完全に押さえられな
かった臭気が、塩化物又はリン酸塩と併用することで完
全に押さえることができる。特に塩化銅では、それぞれ
単独では48時間の消臭が不可能なのに対し、併用法で
は48時間の消臭が可能となった。このことは、亜硝酸
塩の添加量を低減できることを示す。また、単独ではま
ったく効果の見られない塩化第二鉄、リン酸アルミニウ
ムでも、併用により消臭効果向上があることが分かる。
このことは、脱水助剤である塩化第二鉄、リン酸アルミ
ニウムを使用している下水処理場では、これに亜硝酸塩
を添加することだけで、亜硝酸塩単独使用時よりも高い
消臭効果を得られることを示唆している。第3表の結果
を見ると、亜硝酸塩単独では完全に押さえられなかった
臭気が、ピリチオン塩又は硝酸塩と併用することで完全
に押さえることができる。同じく、亜硝酸塩の添加率を
低減できる。
【0014】
【発明の効果】本発明は、亜硝酸塩と酸化剤、亜硝酸塩
を除く金属塩、有機系殺菌剤のいずれかとの併用によっ
て、脱臭効果及びその持続性を向上できるので、亜硝酸
塩の使用量を低減した状態で、汚泥脱水ケーキの脱臭及
びこの脱臭効果の持続を達成することができる。これに
よって、亜硝酸塩を脱臭剤とした場合において、汚泥の
脱水ケーキの脱臭とろ液中の環境規制の対象となる亜硝
酸イオンの減少という二つの問題を解決することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、下水処理の一態様の工程図である
【符号の説明】
1 最初沈殿池 2 曝気槽 3 最終沈殿池 4 汚泥濃縮槽 5 汚泥貯留槽 6 脱水機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D059 AA03 BE09 BE16 BE26 BE37 BE49 BE53 BE56 BE57 BE59 BK01 DA01 DA05 DA11 DA13 DA15 DA21 DA24 DA25 DA34 DA35 DA39 DA44 DA45 DA46 DA70 DB02 DB07 DB08 DB21

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】汚泥スラリーに、酸化剤、亜硝酸塩を除く
    金属塩、有機系殺菌剤の中から選ばれる1種以上の物質
    と亜硝酸塩とを併用して添加することを特徴とする脱水
    ケーキの脱臭方法。
  2. 【請求項2】酸化剤、亜硝酸塩を除く金属塩、有機系殺
    菌剤から選ばれる1種以上の物質と亜硝酸塩とを有効成
    分として含有することを特徴とする脱水ケーキ用脱臭
    剤。
JP10023599A 1999-04-07 1999-04-07 脱水ケーキの脱臭方法及び脱臭剤 Expired - Lifetime JP3674939B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10023599A JP3674939B2 (ja) 1999-04-07 1999-04-07 脱水ケーキの脱臭方法及び脱臭剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10023599A JP3674939B2 (ja) 1999-04-07 1999-04-07 脱水ケーキの脱臭方法及び脱臭剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000288592A true JP2000288592A (ja) 2000-10-17
JP3674939B2 JP3674939B2 (ja) 2005-07-27

Family

ID=14268609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10023599A Expired - Lifetime JP3674939B2 (ja) 1999-04-07 1999-04-07 脱水ケーキの脱臭方法及び脱臭剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3674939B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001300545A (ja) * 2000-04-18 2001-10-30 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 消臭方法
JP2003010889A (ja) * 2001-07-03 2003-01-14 Kurita Water Ind Ltd 汚泥脱水ケーキの臭気発生防止方法
JP2004230292A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Ebara Corp 臭気発生防止方法及び装置
JP2004358392A (ja) * 2003-06-05 2004-12-24 Kurita Water Ind Ltd ヘドロ処理剤及びヘドロ処理方法
JP2006150335A (ja) * 2004-11-02 2006-06-15 Leaps:Kk 臭気抑制材及び有機性廃棄物の臭気抑制方法
JP2008086847A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Hokuetsu Paper Mills Ltd 製紙スラッジの焼却処理方法及びこの方法で得られる製紙スラッジ焼却灰
WO2008093707A1 (ja) * 2007-01-31 2008-08-07 Central Research Institute Of Electric Power Industry 下水汚泥の脱臭方法
JP2010227937A (ja) * 2010-06-15 2010-10-14 Kurita Water Ind Ltd 臭気発生防止法
JP2012157862A (ja) * 2012-04-04 2012-08-23 Swing Corp 脱水ケーキの臭気発生防止方法
JP2013086007A (ja) * 2011-10-17 2013-05-13 Nippon Steel & Sumikin Eco-Tech Corp 汚泥スラリーの脱臭方法、脱水ケーキの脱臭方法、及び脱臭剤
JP2013116472A (ja) * 2013-03-22 2013-06-13 Swing Corp 脱水ケーキの臭気発生防止方法
JP2013166108A (ja) * 2012-02-15 2013-08-29 Kurita Water Ind Ltd 脱臭方法及び脱臭剤キット
JP2016055229A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 栗田工業株式会社 汚泥濃縮方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001300545A (ja) * 2000-04-18 2001-10-30 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 消臭方法
JP2003010889A (ja) * 2001-07-03 2003-01-14 Kurita Water Ind Ltd 汚泥脱水ケーキの臭気発生防止方法
JP2004230292A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Ebara Corp 臭気発生防止方法及び装置
JP4707012B2 (ja) * 2003-06-05 2011-06-22 栗田工業株式会社 ヘドロの悪臭抑制処理方法
JP2004358392A (ja) * 2003-06-05 2004-12-24 Kurita Water Ind Ltd ヘドロ処理剤及びヘドロ処理方法
JP2006150335A (ja) * 2004-11-02 2006-06-15 Leaps:Kk 臭気抑制材及び有機性廃棄物の臭気抑制方法
JP2008086847A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Hokuetsu Paper Mills Ltd 製紙スラッジの焼却処理方法及びこの方法で得られる製紙スラッジ焼却灰
WO2008093707A1 (ja) * 2007-01-31 2008-08-07 Central Research Institute Of Electric Power Industry 下水汚泥の脱臭方法
JP5323500B2 (ja) * 2007-01-31 2013-10-23 一般財団法人電力中央研究所 下水汚泥の脱臭方法
JP2010227937A (ja) * 2010-06-15 2010-10-14 Kurita Water Ind Ltd 臭気発生防止法
JP2013086007A (ja) * 2011-10-17 2013-05-13 Nippon Steel & Sumikin Eco-Tech Corp 汚泥スラリーの脱臭方法、脱水ケーキの脱臭方法、及び脱臭剤
JP2013166108A (ja) * 2012-02-15 2013-08-29 Kurita Water Ind Ltd 脱臭方法及び脱臭剤キット
JP2012157862A (ja) * 2012-04-04 2012-08-23 Swing Corp 脱水ケーキの臭気発生防止方法
JP2013116472A (ja) * 2013-03-22 2013-06-13 Swing Corp 脱水ケーキの臭気発生防止方法
JP2016055229A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 栗田工業株式会社 汚泥濃縮方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3674939B2 (ja) 2005-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5984993A (en) Method and composition for odor control
JP3674939B2 (ja) 脱水ケーキの脱臭方法及び脱臭剤
JP3605821B2 (ja) 脱水ケーキの脱臭剤及び脱臭方法
JP2000351000A (ja) 汚泥脱水ケーキの臭気発生防止剤及び臭気発生防止方法
JP2991001B2 (ja) 脱水汚泥ケーキの消臭方法
JP3944909B2 (ja) 濃縮汚泥スラリーの脱臭剤及び脱臭方法
JP5616872B2 (ja) 汚泥スラリーの脱臭方法、脱水ケーキの脱臭方法、及び脱臭剤
JP4174757B2 (ja) 汚泥脱水ケーキの臭気抑制方法
JPH04126597A (ja) 脱水汚泥ケーキの消臭方法
JP2945402B2 (ja) 汚泥脱臭剤
JP2829685B2 (ja) 脱水汚泥ケーキの消臭方法
JP5990706B2 (ja) 汚泥処理工程における硫化水素の発生抑制方法
JP5982852B2 (ja) 脱臭方法及び脱臭剤キット
JP2004000992A5 (ja)
JP3656164B2 (ja) カルキ消臭剤
JP3900512B2 (ja) 脱水ケーキの臭気発生防止方法
JP3736344B2 (ja) 汚泥脱水ケーキの臭気発生防止方法
JP2002102891A (ja) 汚泥および脱水ケーキの悪臭防止方法
JP2796932B2 (ja) 汚泥の消臭方法
JP4736012B2 (ja) 汚泥脱水ケーキの臭気発生防止方法
JPS62121699A (ja) 脱水ケ−キの脱臭方法
JP2005073942A (ja) 脱水ケーキ用消臭剤及び消臭方法
JPH091191A (ja) 消臭方法
JP3408666B2 (ja) 消臭方法
JP2001340895A (ja) 汚水又は汚泥の消臭方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050424

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100513

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110513

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120513

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130513

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term