JP3656164B2 - カルキ消臭剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、強力な酸化殺菌力を有する塩素系製剤のカルキ臭を除去すると共に、塩素系製剤の酸化殺菌力を保持するカルキ消臭システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水道水、プール用水、カビ取り剤、キッチン・洗濯用殺菌漂白剤及び食品関連等の殺菌消毒剤として、塩素系製剤、即ち塩素/次亜塩素酸/次亜塩素酸塩/ジクロロイソシアヌル酸塩/漂白粉等が幅広く使用されている。塩素系製剤は強力な殺菌効果を発揮するが、その反面不快なカルキ臭を放つ欠点を有している。
【0003】
例えば、水道水には殺菌のため塩素ガスが吹き込まれており、そのカルキ臭のため味を損なっている。プールに於いても殺菌のため塩素/次亜塩素酸塩が使用されており、カルキ臭のため良い環境維持が困難である。又家庭では浴室のカビ取り剤、キッチン・洗濯時の漂白時にも同様なことが言える。更に、農業、水産、畜産の現場、食品製造・加工工場に於いて塩素系製剤を使用して殺菌消毒が行なわれるが、カルキ臭の立ちこめる悪環境下での作業が強いられる。
【0004】
塩素系製剤に由来するカルキ臭の除去には活性炭を使用するのが一般的である。又水道水のカルキ臭除去のため、アスコルビン酸を添加する方法も提案されている(特開平1−176487)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこうした従来法では、添加した活性炭、添加したアスコルビン酸の酸化生成物であるデヒドロアスコルビン酸を除去する必要があるとともに、カルキ脱臭した時点で酸化殺菌効果が失われる欠点を有している。
【0006】
したがって、本発明の目的は、殺菌力はいささかも低下せしめることなくカルキ臭のみを選択的に消臭、除去するシステムを新規に開発することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、前述のように、強力な殺菌剤として広範囲に使用されている塩素系製剤に由来するカルキ臭を脱臭するとともに、塩素系製剤の持つ酸化殺菌力を損なうことなく保持できる消臭剤を探索した結果、窒素化合物がその効力を持ち、下記化3で示される一般式(I)を有する含窒素有機化合物、尿素、アンモニア及び/又はそ(れら)の塩類が最も適していることを確認した。
【0008】
【化3】
【0009】
これらの化合物は、全ての塩素系製剤に対するカルキ消臭について著効があるが、以下、塩素及び次亜塩素酸ソーダに対する消臭を例にとって、本発明に係るカルキ消臭システムについて詳述する。
【0010】
本発明を実施するには、塩素系製剤をカルキ消臭剤で処理する必要がある。消臭処理は、塩素系製剤とカルキ消臭剤とを接触せしめればよく、その具体的な態様としては、例えば、塩素系製剤に消臭剤を添加、混合、溶解すればよい。
【0011】
カルキ消臭剤としては、一般式(I)で示される含窒素有機化合物、尿素、アンモニアという含窒素無機化合物、及び/又はそ(れら)の塩が使用され、その具体例としては次のものが挙げられる。
【0012】
タウリン、その塩(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムその他アルカリ(土類)金属塩)、N−メチルタウリン、スルファミン酸、グリシン、ザルコシン、2−アミノエタノール、β−アラニン、N,N−ジヒドロキシエチルタウリン、エチレンジアミン、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、尿素、アンモニア、そ(れら)の鉱酸塩、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム等。
【0013】
こ(れら)のカルキ消臭剤で処理する対象である塩素系製剤としては、塩素、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩、ジクロロイソシアヌル酸塩、及び/又は漂白粉といった塩素系の酸化、漂白、殺菌製剤がすべて挙げられる。
【0014】
塩素系製剤に対する添加量は、溶存している有効塩素の原子1に対して、本発明のカルキ消臭剤0.25モル以上、好ましくは0.5モル以上が望ましい。最も好ましくは有効塩素の原子1に対してカルキ消臭剤1.0モルである。この程度の添加によって効果的にカルキ臭を除去できる。
【0015】
本発明の特徴は、活性炭、アスコルビン酸等従来のカルキ消臭剤で処理した場合、塩素製剤の有効塩素が失われるのに対して、本発明のカルキ消臭剤ではカルキ臭を消臭した場合でも、塩素製剤の有効塩素を殆ど損なわないで、本来の効果を継続発揮できる点にある。換言すれば、効果は持続するが無臭の塩素製剤を製造することが出来る。
【0016】
本発明において使用するカルキ消臭剤は、既知物質であって工業的に製造されており、且つ、その安全性も確認されており、安価に入手可能なものである。本発明に係る塩素製剤は、このカルキ消臭剤で市販の塩素系製剤を処理すればよく、工業的製造が充分可能である。
【0017】
このようにして、本発明製剤を使用することによって、従来の塩素系製剤の欠点であるカルキ臭を効果的に除去するとともに、強力な酸化力を損なうことなく保持し、換言すれば、無臭の塩素系製剤を製造することが出来、消毒殺菌、酸化、漂白の用に供することが出来る。
【0018】
以下、実施例にてカルキ消臭効果及び有効塩素保持効果を示す。
【0019】
【実施例1:次亜塩素酸ソーダに対するタウリンの効果】
共栓付500mlの三角フラスコに有効塩素4.2grを含む次亜塩素酸ソーダ溶液300mlにタウリンを添加し、1時間後の気相の塩素量を嗅覚試験及び北川式検知管で測定した。得られた結果を下記表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【実施例2:塩素水に対する尿素の効果】
共栓付300ml三角フラスコに塩素0.455grを含む塩素水100mlに尿素と等モルの苛性ソーダを添加、溶解、1時間後気相の嗅覚試験と共に北川式検知管にて塩素を測定した。得られた結果を下記表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【実施例3:塩素に対するグリシンの効果】
共栓付300ml三角フラスコに塩素0.02grを含む塩素水100mlに、グリシンを添加し、1時間後の気相の塩素量を嗅覚試験及び北川式検知管で測定した。得られた結果を下記表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】
【実施例4:有効塩素保持効果】
有効塩素11.8grを含む次亜塩素酸ソーダ溶液100mlにタウリン5.0gr添加した場合、添加前後の溶液中の有効塩素を測定した結果を以下に示す。
タウリン添加前 11.8gr有効塩素
タウリン添加後 11.6gr有効塩素(98.3%残存)
【0026】
【実施例5:浴室のカルキ臭の脱臭】
120cm×175cm×245cmの浴室の、黒カビが発生している天井、タイル目地に市販の次亜塩素酸製剤を塗布した。塗布直後、カルキ臭のため浴室に留まることは困難であった。5%ザルコシン溶液1リットルを噴霧した直後、カルキ臭は完全に消失していた。カビ除去効果に何ら影響を及ぼさなかった。
【0027】
【実施例6:塩素に対する炭酸アンモニウムの効果】
共栓付き300ml三角フラスコに塩素0.50grを含む塩素水100mlに、炭酸アンモニウムを添加し、1時間後の気相の塩素量を嗅覚試験及び北川式検知管で測定した。得られた結果を下記表4に示す。
【0028】
【表4】
【0029】
【実施例7:次亜塩素酸ソーダに対するN−メチルタウリンの効果】
実施例5の5%ザルコシン溶液を3%N−メチルタウリンソーダに置き換えて、同様な実験を行った。カルキ臭は、完全に消失し、カビ除去効果には、何ら影響を及ぼさなかった。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、酸化、殺菌、及び 漂白力はそこなうことなく、塩素系製剤のカルキ臭をきわめて効率的に除去することができる。
Claims (4)
- グリシン、ザルコシン、タウリン、N−メチルタウリン、及び炭酸アンモニウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有してなること、を特徴とするカルキ消臭剤。
- 請求項1に記載のカルキ消臭剤で塩素系製剤を処理してなる塩素製剤。
- 塩素系製剤が塩素、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩、ジクロロイソシアヌル酸塩、及び漂白粉系の塩素系製剤であることを特徴とする請求項2に記載の塩素製剤。
- グリシン、ザルコシン、タウリン、N−メチルタウリン、及び炭酸アンモニウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物で処理することにより、酸化殺菌力は保持しつつカルキ臭を消臭すること、を特徴とする塩素系製剤のカルキ臭消臭方法。
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