JP2002102891A - 汚泥および脱水ケーキの悪臭防止方法 - Google Patents

汚泥および脱水ケーキの悪臭防止方法

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JP2002102891A
JP2002102891A JP2000301869A JP2000301869A JP2002102891A JP 2002102891 A JP2002102891 A JP 2002102891A JP 2000301869 A JP2000301869 A JP 2000301869A JP 2000301869 A JP2000301869 A JP 2000301869A JP 2002102891 A JP2002102891 A JP 2002102891A
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JP2000301869A
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Eiichi Handa
栄一 半田
Yasuhiro Abe
康弘 阿部
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下水、し尿または工場廃水を浄化処理する際
に発生する生活汚泥、消化汚泥、凝集汚泥等汚泥の悪臭
の発生を効果的に抑制することができる汚泥の悪臭防止
方法および持続的に悪臭の発生を抑制することができる
脱水ケーキの悪臭防止方法を提供すること。 【解決手段】 汚泥に無機系凝集剤を添加した後、次い
で、過マンガン酸アルカリを添加すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水、し尿または
工場廃水等を浄化処理する際に発生する生活汚泥、消化
汚泥、凝集汚泥等の汚泥からの悪臭の発生を効果的に抑
制することができる汚泥の悪臭防止方法および悪臭の発
生を持続的に抑制することができる脱水ケーキの悪臭防
止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、下水、し尿、工場廃水の浄化処
理において発生する汚泥は腐敗しやすく、汚泥とそれを
脱水した処理後の汚泥ケーキからも悪臭が発生し、作業
環境を悪化させている。
【0003】これらの悪臭の原因として、硫化水素、メ
ルカプタン類等の含硫黄化合物、アンモニア、メチルア
ミン等の窒素化合物、インドール、スカトール、ホルマ
リン等であり、特に硫化水素やメルカプタン類が主な原
因となることが知られ、また、硫化水素は、悪臭の原因
だけでなく処理機械やコンクリートを腐食することも知
られている。
【0004】この悪臭対策として、脱水機から発散する
悪臭ガスを吸引し、これをアルカリ洗浄、次亜塩素酸ソ
ーダ等の酸化剤により酸化処理したのち活性炭による吸
着を行う方法や木酢液、グリオキザール等を散布、噴霧
し、マスキングすることが行われている。
【0005】しかしながら、悪臭ガスを吸引し、活性炭
により吸着させる方法は、処理設備が大型化し、また悪
臭ガスを完全に吸引して除去することは、困難である。
マスキング剤によりマスキングする方法は、悪臭成分が
変化しないため、臭気の拡散を完全には防止できない。
【0006】このため、汚泥中の悪臭源を分解する方法
が種々提案されている。例えば、汚泥に酸化剤およびヒ
ドラジンを添加する方法(特開昭61−90799号公
報)、消臭剤として、亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩とを併
用する方法(特開平5−253599号公報)、ジチオ
炭酸アミドの誘導体、ラウラムスルフィドの誘導体、チ
オシアンの誘導体、イソチオシアンの誘導体、ピリジン
の誘導体、キノリンの誘導体、トリアジンの誘導体、イ
ソシアヌール酸の誘導体及びハロゲンカルボニル化合物
の誘導体より選ばれる1種以上を主成分とする有機系の
化合物からなる汚泥用消臭剤を汚泥に添加する方法(特
開平5−23698号公報)、汚泥にイソシアヌール酸
又はそのハロゲン、ハロゲンアルキル、Na、Kからな
る誘導体を主成分とする薬剤を添加して、緩速でかつ長
時間の攪拌を行う方法(特開平6−296669号公
報)、汚泥に過酸化水素等の酸素系酸化剤、亜塩素酸ソ
ーダ、次亜塩素酸ソーダ、亜臭素酸ソーダ等の酸化剤を
添加して脱臭した後、汚泥腐敗防止剤を添加する方法
(特開平8−206695号公報)、汚泥に過酸化水素
及びアントラキノン化合物を添加する方法(特開平10
−323700号公報)、汚泥に過酸化物と亜鉛塩を添
加する方法(特開平10−57992号公報)等が提案
されている。
【0007】下水、し尿及び有機性産業廃水等の有機性
廃水は、通常活性汚泥等の好気性処理方法により浄化さ
れている。この際、廃水中の硫黄成分は、SO4 2- (硫
酸イオン)に酸化され汚泥及び脱水ケーキ中に存在する
ようになる。汚泥、脱水ケーキ等からの悪臭発生の機構
は、この硫酸イオンが硫酸塩還元菌の作用により硫化水
素等の悪臭物質に変化し、更に、有機酸の発生によりp
Hが低下することと相俟って硫化水素等の空気中への飛
散が一層激しくなり、これに有機酸による酸敗臭も加わ
り、より一層悪臭がひどくなる。
【0008】つまり生成した硫化水素、メチルメルカプ
タンを種々の反応等により除去しても腐敗の進行により
悪臭ガスが再発生することになることから、単に発生し
た悪臭を除去しただけでは、下水、し尿及び有機性産業
廃水等の処理施設により発生する有機質汚泥の処理に関
して、効果的な悪臭の防止方法とすることはできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、下水、し尿または工場廃水を浄化処理する際に発生
する生活汚泥、消化汚泥、凝集汚泥等の汚泥からの悪臭
の発生を効果的に抑制することができる汚泥の悪臭防止
方法および持続的に悪臭の発生を抑制することができる
脱水ケーキの悪臭防止方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、汚泥に、無機系凝集
剤を添加し、汚泥中の悪臭成分を沈澱凝集させ、更に、
過マンガン酸アルカリを添加して、汚泥中の悪臭の発生
元となる微生物を殺菌することにより、汚泥の悪臭の発
生を効果的に抑制することができ、更に、かかる処理を
施した後、処理汚泥を脱水処理して得られる脱水ケーキ
は、持続的に悪臭の発生が抑制されることを知見し、本
発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、汚泥に無機系凝集剤を添
加した後、次いで、過マンガン酸アルカリを添加するこ
とを特徴とする汚泥の悪臭防止方法を提供する。
【0012】また、本発明は、汚泥に無機系凝集剤を添
加した後、過マンガン酸アルカリを添加し、次いで脱水
処理を行うことを特徴とする脱水ケーキの悪臭防止方法
を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の汚泥の悪臭防止方法は、
悪臭源となる硫化水素やメルカプタンを含有する汚泥に
無機系凝集剤を添加した後、次いで、過マンガン酸アル
カリを添加することにその特徴があり、かかる操作は、
汚泥に無機系凝集剤を添加して、悪臭成分を沈澱凝集さ
せる第一工程、前記第一工程の処理汚泥に過マンガン酸
アルカリを添加して、汚泥中の悪臭の発生源となる微生
物を殺菌する第二工程からなるものである。
【0014】本発明の処理対象とする汚泥の種類として
は、悪臭源となる硫化水素やメルカプタンを含有する汚
泥であれば特に限定はなく、例えば、下水・し尿処理
場、食品工業、化学工業等により発生する各種汚泥を例
示することができる。
【0015】第一工程で用いられる無機系凝集剤として
は、例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸バンド(硫酸
アルミニウム)、アルミン酸ソーダ、塩化第1鉄、塩化
第2鉄、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、硝酸第1鉄、硝酸第
2鉄、ポリ硫酸第2鉄等が挙げられ、これらの中で、ポ
リ硫酸第2鉄が汚泥の凝集能力が優れているため特に好
ましく、これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて
用いられる。
【0016】無機系凝集剤の汚泥に対する添加量は、通
常、500〜5000mg/L・汚泥、好ましくは10
00〜2000mg/L・汚泥である。無機系凝集剤の
添加量が500mg/L・汚泥未満では悪臭成分の沈澱
凝集が不充分となり、5000mg/L・汚泥を越える
と後の汚泥の脱水が困難となるので好ましくない。ま
た、無機系凝集剤は、粉体としてそのまま汚泥に添加し
てもよく、水溶液として汚泥に添加してもよい。
【0017】かかる第一工程の操作は、処理温度が、通
常5〜40℃、好ましくは15〜30℃であり、処理時
間が、3分〜5時間、好ましくは5分〜1時間行うこと
が好ましい。
【0018】本発明において、この無機系凝集剤の添加
により、汚泥中の硫化水素やメルカプタン等の悪臭を発
する物質を凝集沈澱させることができる。
【0019】第二工程で用いる過マンガン酸アルカリと
しては、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウ
ム等が挙げられ、これらの中、工業的に入手可能で安価
な過マンガン酸カリウムが好ましい。また、これら過マ
ンガン酸アルカリは1種単独又は2種以上を組み合わせ
て用いられる。過マンガン酸アルカリは粉体としてその
まま汚泥に添加してもよく、過マンガン酸アルカリ水溶
液として汚泥に添加してもよい。
【0020】かかる過マンガン酸アルカリの前記第一工
程で処理された汚泥に対する添加量は、通常50〜10
00mg/L・汚泥、好ましくは100〜500mg/
L・汚泥である。過マンガン酸アルカリの添加量が50
mg/L・汚泥未満では、脱臭及び抗菌効果が不充分と
なり、1000mg/L・汚泥を越えると、過マンガン
酸アルカリの添加による抗菌効果は飽和し、未反応の過
マンガン酸アルカリが存在することとなるので工業的に
有利でない。
【0021】かかる第二工程の操作は、処理温度が、通
常5〜40℃、好ましくは15〜30℃であり、処理時
間が、3分〜5時間、好ましくは5分〜1時間行うこと
が好ましい。
【0022】本発明において、第一工程で処理された汚
泥への過マンガン酸アルカリの添加により、汚泥中の悪
臭成分の生成菌となる硫酸塩還元菌等を殺菌することが
できる。
【0023】かくすることにより、汚泥を効果的に脱臭
することができるが、本発明において、更に過マンガン
酸アルカリ添加後、汚泥中の嫌気性細菌に作用し、死滅
または増殖抑制効果を持つ殺生物剤や防腐剤等の公知の
薬剤を前記の処理汚泥に添加することができる。用いる
ことができる薬剤としては、例えば、1, 2−ベンゾイ
ソチアゾロンや5−クロロ−2−メチルイソチアゾロン
などのチアゾロン化合物、3, 5−ジメチルテトラヒド
ロ−1, 3, 5−チアジアジン−2−チオンや3, 3'
−エチレンビス(テトラヒドロ−4, 6−ジメチル−
1, 3, 5−チアジアジン−2−チオン)などのチアジ
アジン化合物、メチルチオシアネートやメチレンビスチ
オシアネートなどのシアネート化合物、エチレンビス
(ジチオカルバミン酸)亜鉛、エチレンビス(ジチオカ
ルバミン酸)マンガン、ジメチルジチオカルバミン酸亜
鉛などのカルバミン酸化合物、ビス(ジメチルチオカル
バモイル)ジスルフィド、2−n−オクチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、p−クロロ−m−クレゾル、ジ
イソプロピル−1, 3−ジチオラン−2−イリデンマロ
ネート、5, 5' −ジクロロ−2, 2' −ジヒドロキシ
ジフェニルメタン、4,5−ジクロロ−1, 2−ジチオ
ラン−3−オン、ジクロロフェン、2, 3−ジクロロ−
1, 4−ナフトキノン、2, 5−ジクロロ−4−ブロモ
フェノール、5,6−ジヒドロ−2−メチル−1, 4−
オキサチン−3−カルボキサニリド−4,4' −ジオキ
シド、1, 2−ジブロモ−2, 4−ジシアノブタン、
2, 3, 3−トリヨードアルコール、N−( フルオロジ
クロロメチルチオ)フタルイミド、4−ブロモ−3−エ
トキシカルボニルオキシ−1, 2−ジヨード−1−プロ
ペン、α−ブロモシンナムアルデヒド、サリチル酸ソー
ダ、1,3,5−(β―オキシエチル)−ヘキサヒドロ
トリアジン、クレゾール、イソシアヌール酸、トリクロ
ロイソシアヌール酸、ジクロロイソシアヌール酸、ジク
ロロイソシアヌール酸ナトリウム、アンモニウム塩、ホ
スホニウム塩等の有機系薬剤、亜鉛、銅、銀、ニッケル
の硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、過塩素酸塩、水酸化
物等の無機酸、シュウ酸塩、蟻酸塩等の有機酸塩、亜
鉛、銅、銀、ニッケルを担持したゼオライト、アパタイ
ト、リン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの薬剤
の汚泥に対する添加量は、10〜800mg/L・汚泥
とすることが好ましい。
【0024】本発明において、前記第一工程および前記
第二工程の処理を順次施した処理汚泥は、更に脱水処理
を行う第三工程を施すことにより、悪臭の発生がない脱
水ケーキとすることができる。汚泥の脱水方法として
は、例えば、遠心分離機、フィルタープレス、ベルトプ
レス、スクリュープレス等の脱水機により脱水を行って
もよいが、本発明において、脱水は、フロックが形成し
やすく脱水汚泥の含水率が小さいことから高分子凝集剤
を汚泥に添加しフロックを生成させた後、脱水処理する
ことが好ましい。
【0025】高分子凝集剤としては、例えば、ポリアク
リル酸ナトリウム、アクリルアミドまたはメタアクリル
アミドとアクリル酸ナトリウム又はメタアクリル酸ナト
リウムとの共重合体、ポリアクリルアミドまたはポリメ
タアクリルアミドの部分加水分解物、アクリルアミドま
たはメタクリルとアクリル酸ナトリウムまたはメタアク
リル酸ナトリウムと2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸ナトリウムの三元共重合体およびアル
ギン酸ナトリウム又はこれらの2価金属塩等が挙げら
れ、これらは単独で用いても2種以上を併用してもよ
い。これらの中でアクリルアミドとアクリル酸ナトリウ
ムの共重合体が好ましい。
【0026】かかる高分子凝集剤の添加量は、通常10
〜5000mg/L・汚泥、好ましくは50〜1000
mg/L・汚泥である。高分子凝集剤の添加量が10m
g未満ではフロックの形成が不充分となり、後に得られ
る脱水ケーキの含水率が高くなることから好ましくな
い。一方、5000mgを越えると生成フロックが分散
し、フロックと水との分離が困難となるので好ましくな
い。
【0027】かかる高分子凝集剤によるフロック形成操
作は、処理温度が、通常5〜40℃、好ましくは15〜
30℃であり、処理時間が、3分〜5時間、好ましくは
5分〜1時間行うことが好ましい。
【0028】上記した、無機系凝集剤、過マンガン酸ア
ルカリ、高分子凝集剤の薬剤の汚泥への混合方法は、汚
泥と薬剤とを均一混合させるため攪拌状態で行うことが
好ましく、攪拌方法としては、混合攪拌槽、攪拌翼、イ
ンラインミキサー等汚泥と混合できる方法であれば特に
制限はない。
【0029】本発明の汚泥の悪臭防止方法によれば、下
水、し尿または工場廃水を浄化処理する際に発生する生
活汚泥、消火汚泥、凝集汚泥等汚泥の悪臭の発生を効果
的に抑制することができ、また、かかる処理を施して得
られる脱水ケーキは、持続的に悪臭の発生を抑制するこ
とができることから、脱水ケーキが最終処分されるまで
の貯蔵や処理場への運搬時に悪臭の発生がない。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限
するものではない。
【0031】実施例1及び2 処理前の汚泥を密閉容器に封入し、10分間攪拌後、密
閉容器内のH2 S濃度及びSH濃度を検知管により測定
したところ、H2 S濃度が48ppm でSH濃度が2.2
ppm であった。(但し、SHはメルカプタンのことを示
す。以下同様である。)検知管は、H2 SとSHの検出
限界が0.05ppm 以下であるGASTEC社製の検知管を用
いた。
【0032】<第一工程>市販のポリ硫酸第2鉄(日鉄
鉱業株式会社製;ポリテツC)を用いて汚泥1Lに対し
て、表1に示すように添加量が2000mg/L・汚泥
となるように添加し、20℃で5分間攪拌下に反応を行
い、汚泥中のH2 SとSHの濃度を、処理前の汚泥と同
様に密閉容器を用いて上記GASTEC社製検知管により測定
した。その結果を表2に示す。
【0033】<第二工程>第一工程終了後の処理汚泥
に、予め調製された、2wt%過マンガン酸カリウム水
溶液を、上記ポリ硫酸第2鉄の添加前における汚泥の体
積を基準として、汚泥1Lに対して過マンガン酸カリウ
ム添加量が100mg/L・汚泥(実施例1)、又は2
00mg/L・汚泥(実施例2)になるように添加し、
20℃で5分間攪拌下に反応を行い、汚泥中のH2 Sと
SHの濃度を処理前の汚泥と同様に密閉容器を用いて上
記GASTEC社製検知管により測定した。その結果を表2に
示す。
【0034】<第三工程>第二工程終了後の処理汚泥
に、上記ポリ硫酸第2鉄の添加前における汚泥の体積を
基準として、汚泥1Lに対して高分子凝集剤(三洋化成
株式会社製;サンフロックC−009P)400mgを
添加し、20℃で10分間攪拌下に反応させた後、脱水
機により脱水し、脱水ケーキ試料を調製した。
【0035】得られた脱水ケーキ80gを密閉管に封入
した後、25℃の温度に調整した恒温槽に放置し、脱水
直後から1日毎に、H2 SとSHの濃度を上記GASTEC社
製検知管により測定した。その結果を表4、表5にそれ
ぞれ示す。
【0036】比較例1 ポリ硫酸第2鉄(日鉄鉱業株式会社製;ポリテツC)
を、汚泥1Lに対して表1に示すように、添加量が20
00mg/L・汚泥となるように添加し、20℃で5分
間攪拌下に反応を行い、汚泥中のH2 SとSHの濃度
を、処理前の汚泥と同様に密閉容器を用いて上記GASTEC
社製検知管により測定した。その結果を表3に示す。
【0037】次いで、実施例1と同様な操作で、脱水ケ
ーキ試料を調製し、脱水直後から1日毎に脱水ケーキか
ら発生するH2 SとSHの濃度を上記GASTEC社製検知管
により測定した。その結果をそれぞれ表4、表5にそれ
ぞれ併載する。
【0038】比較例2 2wt%過マンガン酸カリウム水溶液を用いて、過マン
ガン酸カリウム添加量が200mg/L・汚泥になるよ
うに、汚泥に添加し、20℃で5分間攪拌下に反応を行
い、汚泥中のH2 SとSHの濃度を処理前の汚泥と同様
に密閉容器を用いて上記GASTEC社製検知管により測定し
た。その結果を表3に示す。
【0039】実施例1と同様な操作で、脱水ケーキ試料
を調製し、脱水直後から1日毎に脱水ケーキから発生す
るH2 SとSHの濃度を上記GASTEC社製検知管により測
定した。その結果をそれぞれ表4、表5にそれぞれ併載
する。
【0040】比較例3 汚泥1Lにポリ硫酸第2鉄および過マンガン酸カリウム
を添加しないで、そのまま高分子凝集剤400mgを添
加し、20℃で15分間攪拌下に反応させ、汚泥ケーキ
試料を調製した。
【0041】次いで、実施例1と同様に、脱水直後から
1日毎に脱水ケーキから発生するH 2 SとSHの濃度を
上記GASTEC社製検知管により測定した。その結果を表
4、表5にそれぞれ併載する。
【0042】比較例4 処理前の汚泥を密閉容器に封入し、10分間攪拌後、密
閉容器内のH2 S濃度及びSH濃度を上記GASTEC社製検
知管により測定したところ、H2 S濃度が48ppm でS
H濃度が2.2ppm であった。
【0043】次いで、予め調製された2wt%過マンガ
ン酸カリウム水溶液を汚泥1Lに対して過マンガン酸カ
リウム添加量が200mg/L・汚泥となるように添加
し、20℃で5分間攪拌下に反応を行ない、次いで、ポ
リ硫酸第2鉄を2000mg/L・汚泥となるように添
加し、20℃で5分間攪拌下に反応を行って処理汚泥試
料とした。
【0044】次いで、該処理汚泥試料1Lに対して高分
子凝集剤(三洋化成株式会社製;サンフロックC−00
9P)400mgを添加し、20℃で10分間撹拌下に
反応させた後、脱水機により脱水し、脱水ケーキ試料を
調製した。
【0045】次いで、実施例1と同様に、脱水直後から
1日毎に脱水ケーキから発生するH 2 S濃度及びSH濃
度を上記GASTEC社製検知管により測定した。その結果を
表4、表5にそれぞれ併載する。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】表2及び表3の結果より、本発明の汚泥の
悪臭防止方法により処理した処理汚泥中には、悪臭成分
となる硫化水素、メルカプタンがほとんど残留していな
いのに対して、汚泥にポリ鉄のみを添加して処理したも
の(比較例1)、及び汚泥に過マンガン酸カリウムのみ
を添加して処理したもの(比較例2)は、硫化水素、メ
ルカプタンが残留していることがわかる。
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】表4および表5の結果より、汚泥を無処理
で脱水した脱水ケーキ(ブランク;比較例3)では、脱
水直後、H2 S濃度が10ppm で最大になり、その後、
一旦、H2 S濃度が低下するが、時間の経過にともない
2 S濃度は増加した。また、汚泥をポリ硫酸第2鉄単
独で(比較例1)、過マンガン酸カリウム単独で(比較
例2)及び、過マンガン酸カリウムで処理した後、ポリ
硫酸第2鉄で処理したもの(比較例4)は、時間の経過
とともに、悪臭の原因である硫化水素およびメルカプタ
ンの発生量が増加するのに対して、本発明の脱水ケーキ
の悪臭防止方法で処理した脱水ケーキは、1週間の長期
に亘って、悪臭の原因である硫化水素およびメルカプタ
ンの発生がないことが分かる。
【0053】
【発明の効果】上記したとおり、本発明の汚泥の悪臭防
止方法によれば、下水、し尿または工場廃水を浄化処理
する際に発生する生活汚泥、消化汚泥、凝集汚泥等の汚
泥の悪臭を抑制することができ、更に、本発明の汚泥の
悪臭防止方法を施した後、脱水処理して得られる脱水ケ
ーキは、悪臭の発生を持続的に抑制することができるの
で、脱水ケーキが最終処分されるまでの貯蔵や運搬時に
おいても作業環境を悪化させることがないという効果を
奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D015 BA19 BA26 BB05 BB12 CA11 DA04 DA06 DA08 DA13 DA16 DA17 DB08 DB12 DB13 DB30 DB33 FA02 FA24 4D059 AA06 AA23 BC05 BE55 BE59 BK01 BK13 DA01 DA16 DA17 DA18 DA22 DA23 DA24 DB16 DB24 DB28

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥に無機系凝集剤を添加した後、次い
    で、過マンガン酸アルカリを添加することを特徴とする
    汚泥の悪臭防止方法。
  2. 【請求項2】 前記無機系凝集剤は、ポリ硫酸第2鉄で
    ある請求項1記載の汚泥の悪臭防止方法。
  3. 【請求項3】 前記無機系凝集剤の添加量は、500〜
    5000mg/L・汚泥である請求項1又は2記載の汚
    泥の悪臭防止方法。
  4. 【請求項4】 前記過マンガン酸アルカリは、過マンガ
    ン酸カリウムである請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の汚泥の悪臭防止方法。
  5. 【請求項5】 前記過マンガン酸アルカリの添加量は、
    50〜1000mg/L・汚泥である請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の汚泥の悪臭防止方法。
  6. 【請求項6】 汚泥に無機系凝集剤を添加した後、過マ
    ンガン酸アルカリを添加し、次いで脱水処理を行うこと
    を特徴とする脱水ケーキの悪臭防止方法。
  7. 【請求項7】 汚泥に無機系凝集剤を添加した後、過マ
    ンガン酸アルカリを添加し、次いで高分子凝集剤を添加
    した後、脱水処理を行うことを特徴とする脱水ケーキの
    悪臭防止方法。
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