JP2000288066A - 眼灌流・洗浄液バッグ包装体 - Google Patents

眼灌流・洗浄液バッグ包装体

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JP2000288066A
JP2000288066A JP11099759A JP9975999A JP2000288066A JP 2000288066 A JP2000288066 A JP 2000288066A JP 11099759 A JP11099759 A JP 11099759A JP 9975999 A JP9975999 A JP 9975999A JP 2000288066 A JP2000288066 A JP 2000288066A
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gas
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indicator
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JP11099759A
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Hidekatsu Shoji
英克 庄司
Mitsuhira Nishio
充平 西尾
Minoru Oka
実 岡
Hiroshi Honda
浩 本田
Kohei Yuyama
恒平 湯山
Junji Kaga
順二 加賀
Nobuaki Sumiyoshi
信昭 住吉
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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    • B65D81/3261Flexible containers having several compartments
    • B65D81/3266Flexible containers having several compartments separated by a common rupturable seal, a clip or other removable fastening device

Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラス容器の破損やガラスフレークの発生を回
避し 眼灌流、洗浄液を安定に収容でき、更に該液のp
H変化を的確に目視判断できる、眼灌流、洗浄液バッグ
包装体を提供。 【解決手段】1室にオキシグルタチオン含有薬液又は固
形剤、他室に重炭酸イオン液が封入されたガス透過性プ
ラスチック製複室バッグが、単独で、或いはpHインジ
ケーター又はピンホール検知剤と共に、ガス非透過性プ
ラスチック包装材包装材で包装され、該バッグと包材と
の間が実質的に気体が存在しない状態とされている眼灌
流、洗浄液バッグ包装体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は眼灌流、洗浄液バッ
グ包装体、より詳しくは、眼科手術時の眼内及び眼外灌
流、洗浄等に用いられる重炭酸イオン及びグルタチオン
及び/又はデキストロースを含む液を用時混合して調整
するための各成分を複室バッグに安定に収容してなるバ
ッグ包装体であって、更に上記液の炭酸ガス発生による
pH変化を目視確認できるpHインジケーター又は上記
バッグ包装体の包装材のピンホール発生等によるガスバ
リア性消失乃至低下を目視確認できるピンホール検知剤
を備えた改良された上記包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】白内障手術、硝子体手術、緑内障手術等
の眼科手術時等に、眼内及び眼外灌流、洗浄に用いられ
る液としては、現在、「オペガード」(千寿製薬株式会
社製造、武田薬品工業株式会社販売)及び「ビーエスエ
スプラス」(BSS PLUS、参天製薬株式会社輸入
販売)が市販されている。
【0003】前者のオペガードは、有効成分の一つとし
てのデキストロースを含むpH7.2〜8.2の範囲の
液状形態に調整されているが、該デキストロースは酸性
域で安定なため、長期保存安定性に欠ける不利がある。
【0004】また、後者のビーエスエスプラスは、オキ
シグルタチオン、デキストロース、カルシウムイオン及
びマグネシウムイオンを含む溶液(10ml又は20m
l)と、重炭酸イオンを含む希釈液(240ml又は4
80ml)とを、別々のガラスバイアルに収容し、使用
時に両頭針のついた移注器を用いてオキシグルタチオン
等を含む溶液を、希釈液の入ったガラス容器に移注し、
混注後使用する形態となっている。これはオキシグルタ
チオン及びデキストロースが、pH7以上での長期に亘
る安定維持が困難であることと、カルシウムイオン及び
マグネシウムイオンは長期間希釈液と接触する場合には
沈殿を生じる不利があるという理由による。
【0005】しかるに、上記ビーエスエスプラスは、長
期安定に保存できるものである反面、その使用時には、
下記(1)〜(4)に従う移注手順を必要とし、これに伴われ
る、例えば下記(a)〜(f)等の欠点がある。 (1) 10ml又は20mlのオキシグルタチオン溶液を
収容したガラス容器(ボトル)のゴム栓を覆うアルミニ
ウムカバーを外し、移注器の一方の針(樹脂針)のキャ
ップを外し、該樹脂針を上記ボトルのゴム栓に突き刺
す、 (2) 次に、移注針の他方の針(ステンレス針)のキャッ
プを外し、 (3) 希釈液を入れたガラス容器(ボトル)のアルミカバ
ーを外し、ステンレス針を該ボトルのゴム栓に突き刺
す、 (4) 注入後2液をよく混合する。 (a) 上記操作自体煩雑であり、特にオキシグルタチオン
溶液を収容したボトルのゴム栓に、樹脂針を突き刺す操
作は、かなり困難である、 (b) 2液の混注に時間がかかりすぎ、救急使用時等には
迅速に対応できない、 (c) 上記混注時における細菌汚染の危険は避けられな
い、 (d) 同一ボトルのゴム栓に樹脂針を2回以上刺したりす
ると、それだけ異物混入の危険が多くなる、 (e) 上記混合手順を間違うと混合されないか混合後に液
の濃度が変化する、 (f) 混注されないで希釈液だけが誤って投与される可能
性もある。
【0006】更に、上記オペガード及びビーエスエスプ
ラスは勿論のこと、この種の眼灌流、洗浄液は、一般に
ガラスバイアルに収容された液状形態を有しており、ま
た重炭酸イオンを用いてpH8付近のアルカリ域に調整
されるため、ガラス製容器に充填後、加熱滅菌して保存
すると、経時的にガラスフレークが発生するという致命
的欠点があった。
【0007】従って、従来の眼灌流、洗浄液に代わっ
て、之等に認められる欠点を全て解消された、新しい眼
灌流、洗浄液の開発が当業界で要望されている。
【0008】また、この種の眼灌流、洗浄液に用いられ
る重炭酸イオン(炭酸水素イオン)は、液中では次式
(1)
【0009】
【化1】
【0010】で表わされるような平衡関係にある。開放
系では該式(1)の右辺の炭酸ガスの揮散によって反応
が右側に進行し、これに伴われて重炭酸イオンの減少及
び炭酸イオンの増加が起こり、水溶液のpHが次第に上
昇する。
【0011】一方、健康な人の涙液は、覚醒時ではpH
7.5±0.2の範囲にあり、眼瞼を長時間閉じた状態
では、pH約7.25である。該pH範囲を外れた例え
ばpH6以下や8以上では、人は不快感を感じるので、
眼灌流、洗浄液のpHはできるだけ上記範囲内とする必
要がある。この範囲を外れるpH上昇等は極力防がなけ
ればならない。
【0012】このため、従来よりかかる眼灌流、洗浄液
は、上記経時的pH変化を防止するために、ガラス製バ
イアル等の密閉容器に充填され、発生する炭酸ガスの揮
散を防止することにより一定の平衡状態を保ち、重炭酸
イオン濃度及び液pHの安定化を図っている。
【0013】しかしながら、ガラス製容器は破損し易
く、非常に重く、廃棄処分にも苦労するという致命的欠
点があるに加えて、上記眼灌流、洗浄液の加熱滅菌時に
おける炭酸ガスの発生は避けられず、この発生ガスによ
り容器内圧が上昇し、これがガラス容器の破損を誘発す
るおそれも多々ある。
【0014】更に、重炭酸イオンを含む眼灌流、洗浄液
は、上記のようにpHが7〜8程度の範囲の弱アルカリ
性を保持するのが望ましいが、かかるpHでは、ガラス
容器に充填後、加熱滅菌して保存すると、経時的に器壁
からガラスフレークを発生させ、このために長期保存が
できない欠点もある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記従来技術に見られる欠点を解消して、オキシグ
ルタチオン及び/又はデキストロースと共に重炭酸イオ
ンを含有する眼灌流、洗浄液を、長期間安定に収容し、
炭酸ガス発生による液のpH変化をできるだけ防止し、
しかも該液pHに変化があった場合には、これを的確に
目視判断可能な機構を備えた、新しい眼灌流、洗浄液バ
ッグ包装体を提供することにある。
【0016】本発明者らは、上記目的より鋭意研究を重
ねた結果、重炭酸イオンを含有する薬液とオキシグルタ
チオン及び/又はデキストロースを含有する薬液又は固
形剤とを、それぞれガス透過性プラスチック製複室バッ
グの各室に封入して高圧蒸気滅菌、熱水浸漬滅菌、熱水
シャワー滅菌等の一般的滅菌方法により滅菌するか或い
はそれぞれ無菌的にプラスチック製複室バッグの各室に
封入し、その後、得られるバッグをガス非透過性プラス
チック製包装材で包装し、上記バッグと包装材との間を
実質的に気体が存在しない状態とする時には、使用時に
上記バッグの各室を連通させることによってバッグ内容
物を混合して眼灌流、洗浄液を調整でき、かくして、上
記目的に合致する安定保存できる眼灌流、洗浄液が得ら
れることを見いだした。
【0017】また、本発明者らは、上記プラスチック製
複室バッグと特定のpHインジケーターとをガス非透過
性プラスチック製包装材で包装し、複室バッグと包装材
との間を実質的に気体が存在しない状態とする時には、
複室バッグの一室に封入された重炭酸イオンを含有する
薬液のpH変化が的確に目視判断できることを見いだし
た。
【0018】更に、本発明者らは、上記プラスチック製
複室バッグと特定のピンホール検知剤とをガス非透過性
プラスチック製包装材で包装し、複室バッグと包装材と
の間を実質的に気体が存在しない状態とする時には、ピ
ンホールの発生等が的確に目視判断できることを見いだ
した。本発明はかかる新しい知見に基づいて完成された
ものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ガス透
過性プラスチック製複室バッグをガス非透過性プラスチ
ック包装材で包装した包装体であって、該複室バッグは
オキシグルタチオン及びデキストロースから選ばれる少
なくとも1種を含む薬液(以下「GSSG/GLU液」
という)又は固形剤(以下「GSSG/GLU固形剤」
という)が封入されたA室と、重炭酸イオンを含む薬液
(以下「重炭酸イオン液」という)が封入されたB室と
を少なくとも有しており、上記複室バッグと包装材との
間は実質的に気体が存在しない状態とされていることを
特徴とする眼灌流、洗浄液バッグ包装体が提供される。
【0020】また本発明によれば、ガス透過性プラスチ
ック製複室バッグとpHインジケーターとをガス非透過
性プラスチック包装材で包装した包装体であって、該複
室バッグはGSSG/GLU液又はGSSG/GLU固
形剤が封入されたA室と、重炭酸イオン液が封入された
B室とを少なくとも有しており、上記pHインジケータ
ーは重炭酸イオンを含む液と該液のpH変化に応じて色
調変化を起こすpH指示薬とをガス透過性プラスチック
製小容器に封入したものであり且つ上記複室バッグと包
装材との間は実質的に気体が存在しない状態とされてい
ることを特徴とする眼灌流、洗浄液バッグ包装体が提供
される。
【0021】更に本発明によれば、ガス透過性プラスチ
ック製複室バッグとピンホール検知剤とをガス非透過性
プラスチック包装材で包装した包装体であって、該複室
バッグはGSSG/GLU液又はGSSG/GLU固形
剤が封入されたA室と、重炭酸イオン液が封入されたB
室とを少なくとも有しており、上記ピンホール検知剤は
pH指示薬を含み且つ炭酸ガスが溶解した又は有機溶剤
溶液を担体に保持させたものであり且つ上記複室バッグ
と包装材との間は実質的に気体が存在しない状態とされ
ていることを特徴とする眼灌流、洗浄液バッグ包装体が
提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明眼灌流、洗浄液バッグ包装
体の好ましい態様には、例えば下記各態様が包含され
る。 (1) A室が、GSSG/GLU液に更にカルシウムイオ
ン及びマグネシウムイオンから選ばれる少なくとも1
種、好ましくは両者を含む薬液を封入したもの。 (2) A室に封入される上記(1)の薬液が、pH2.5〜
6.5、より好ましくはpH3.0〜6.0であるも
の。 (3) A室が、GSSG/GLU固形剤に更にカルシウム
塩及びマグネシウム塩から選ばれる少なくとも1種、好
ましくは両者を含む固形剤を封入したもの。 (4) B室に封入される薬液が、更にカルシウムイオン及
びマグネシウムイオンから選ばれる少なくとも1種、好
ましくは両者、とクエン酸イオンとを含むもの。 (5) B室に封入される上記(4)の薬液が、pH7.0〜
9.0、より好ましくはpH7.0〜8.5であるも
の。 (6) 複室バッグが、カルシウムイオン及びマグネシウム
イオンから選ばれる少なくとも1種、好ましくは両者を
含む薬液(以下「Ca/Mg液」という)を封入したC
室を更に有するもの。 (7) 上記(6)のC室に封入される薬液が、pH3.5〜
5.5、より好ましくは4.0〜5.0であるもの。 (8) 複室バッグが、カルシウム塩及びマグネシウム塩か
ら選ばれる少なくとも1種、好ましくは両者を含む固形
剤(以下「Ca/Mg固形剤」という)を封入したC室
を更に有するもの。 (9) 複室バッグ内容物を混ぜ合わせて形成される眼灌
流、洗浄液が、その1000ml当たりに下記許容範
囲、より好ましくは下記好適範囲から選ばれる各成分を
含有するように調整されるもの。
【0023】 成分 許容範囲(g) 好適範囲(g) オキシグルタチオン 0〜0.5 0〜0.3 デキストロース 0.4〜1.8 0.7〜1.65 炭酸水素ナトリウム 1.5〜2.5 1.9〜2.3 塩化カルシウム(無水物として) 0.09〜0.17 0.1〜0.15 塩化マグネシウム又は硫酸マグネシウム (いずれも無水物として) 0.07〜0.18 0.08〜0.16 (10) 複室バッグ内容物を混ぜ合わせて形成される眼灌
流、洗浄液が、その1000ml当たりに下記許容範
囲、より好ましくは下記好適範囲から選ばれる各成分を
含有するように調整される眼灌流、洗浄液バッグ包装
体。
【0024】 成分 許容範囲(g) 好適範囲(g) オキシグルタチオン 0〜0.5 0〜0.3 デキストロース 0.4〜1.8 0.7〜1.65 炭酸水素ナトリウム 1.5〜2.5 1.9〜2.3 塩化カルシウム(無水物として) 0.09〜0.17 0.1〜0.15 塩化マグネシウム又は硫酸マグネシウム (いずれも無水物として) 0.07〜0.18 0.08〜0.16 クエン酸ナトリウム(無水物として) 0.4〜1.4 0.7〜1.1 (11) pHインジケーターにおける重炭酸イオンを含有
する液が、濃度0.01〜2.0w/v%のものであり且
つpH指示薬が濃度10〜2000ppmのクレゾール
レッド、m−クレゾールパープル、チモールブルー及び
フェノールフタレインから選択されるもの。 (12) pHインジケーターにおける重炭酸イオンが、炭
酸水素ナトリウムイオンである眼灌流、洗浄液バッグ包
装体。 (13) ピンホール検知剤が、更に保湿剤を含むもの。 (14) ピンホール検知剤が、更に塩基性化合物を含むも
の。 (15) ピンホール検知剤における担体が、濾紙、結晶セ
ルロース、珪藻土、タルク、モンモリロナイト、ベント
ナイト、カオリナイト、エチルセルロース及び澱粉から
選ばれるもの。
【0025】本発明眼灌流、洗浄液バッグ包装体は、A
室及びB室の少なくとも2室を有する複室バッグの利用
に基づいて、オキシグルタチオン、デキストロース及び
重炭酸イオン液の長期に亘る安定化が可能である。
【0026】また、本発明包装体は、ガス非透過性プラ
スチック包装材の利用と共に、該包装材と複室バッグと
の間を実質的に気体が存在しない状態としたことに基づ
いて、重炭酸イオン液から発生する炭酸ガスの大気中へ
の揮散が防止でき、これにより該液のpH値を一定値に
保持できる利点が保証される。
【0027】更に、特定のpHインジケーターを利用し
た本発明包装体は、該pHインジケーターの利用に基づ
いて、長期保存時や、輸送時の衝撃、接触等による包装
材のピンホール発生等のトラブルによるバッグ包装体内
からの炭酸ガスの漏出、それによる眼灌流、洗浄液の炭
酸水素イオン含量の低下及びpH上昇、惹いては眼灌
流、洗浄液の品質劣化乃至失効を、容易に目視確認する
ことができる。
【0028】また更に、特定のピンホール検知剤を利用
した本発明包装体は、該ピンホール検知剤の利用に基づ
いて、包装材のピンホール発生を迅速且つ的確に目視判
断することができる。
【0029】特に、上記pHインジケーターは、該pH
インジケーター内液として重炭酸イオンを含有する液を
利用したことに基づいて、これがバッグ内の重炭酸イオ
ン液のpH変化に比例するpH変化を起こし、従って、
この内液のpH変化をpH指示薬にて検知することによ
って、バッグ内重炭酸イオン液のpH変化を、忠実に上
記pH指示薬の色調変化としてとらえることができる利
点がある。
【0030】また、上記ピンホール検知剤の利用は、通
常容易には確認できない包装材におけるピンホール発生
を迅速且つ確実に検知可能とし、かくして品質劣化乃至
失効した眼灌流、洗浄液の誤用による副作用等の危険を
確実に回避できる利点がある。
【0031】更に加えて、本発明包装体は、上記構成、
特にプラスチック製バッグを利用する構成の採用に基づ
いて、破損やガラスフレーク発生の危険を回避でき、軽
量化を図ることができ、また、通常の操作で容易に製造
できる利点もある。
【0032】以下、本発明バッグ包装体につき詳述す
る。
【0033】本発明において眼灌流、洗浄液としては、
GSSG/GLU液又はGSSG/GLU固形剤、重炭
酸イオン液、及び更に所望によりCa/Mg液又はCa
/Mg固形剤から構成されるものを使用する。
【0034】尚、本明細書においてイオン及び塩濃度の
表示は、特に明記する場合を除いて、複室バッグの各室
内容物(封入物)を混合して調整される眼灌流、洗浄液
のイオン及び塩濃度(無水物換算とする)を示すものと
する。
【0035】GSSG/GLU液及び重炭酸イオン液の
各液(A室封入液及びB室封入液)は、それぞれ、オキ
シグルタチオン及び/又はデキストロース、及び重炭酸
イオンを必須成分として、他にそれぞれ、カルシウムイ
オン及びマグネシウムイオンから選ばれる少なくとも1
種を含ませることができる。特に重炭酸イオン液にカル
シウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる少な
くとも1種を含ませる場合には、沈殿防止のために更に
クエン酸イオンを含ませる。
【0036】また、上記カルシウムイオン及びマグネシ
ウムイオンから選ばれる少なくとも1種は、上記GSS
G/GLU液及び重炭酸イオン液とは別個に、Ca/M
g液として調整して、複室バッグの他の室(C室)に封
入することもできる。
【0037】これら各成分の組成は適宜決定することが
できる。即ち、各室封入成分を混合した液が従来より汎
用されているこの種の眼内灌流、洗浄液の組成と同様の
もの又は之等を若干変更したものとすることができる。
代表的な眼灌流、洗浄液組成例としては、各液を混ぜ合
わせて調製される眼灌流、洗浄液が前述した組成範囲と
なるものを例示できる。
【0038】GSSG/GLU液、重炭酸イオン液及び
Ca/Mg液のそれぞれには、更に例えばリン酸イオ
ン、銅、亜鉛等の微量金属のイオン等を含ませることも
できる。
【0039】また、GSSG/GLU液中には、塩化ナ
トリウムや塩化カリウム等を加えてナトリウムイオン、
カリウムイオン及び塩素イオン等を含ませるのがよい。
之等の配合量は、通常塩化ナトリウムでは約0.5〜
0.9w/v%、好ましくは約0.6〜0.8w/v%の範囲
であるのがよく、塩化カリウムでは約0.02〜0.0
5w/v%、好ましくは約0.025〜0.045w/v%の
範囲であるのが望ましい。尚、上記ナトリウムイオン及
びカリウムイオンは、重炭酸イオン液及びCa/Mg液
中にも適宜加えることができる。
【0040】重炭酸イオン液中に配合される重炭酸イオ
ンを生ずる化合物は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ア
ンモニウム、炭酸水素カリウム、その他の炭酸水素塩の
いずれでもよく、之等は水溶液形態で用いられる。ま
た、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸イオ
ンを生じる炭酸塩水溶液は、之等を炭酸塩として添加し
ても、調製される薬液のpH範囲では重炭酸イオンを生
じるため、之等も上記重炭酸イオンを生じる化合物とし
て重炭酸イオン液に添加配合することができる。之等各
水溶液の重炭酸イオン濃度は、特に限定されるものでは
ないが、通常15〜50mM程度の範囲にあるのが普通
であり、これは例えば炭酸水素ナトリウム水溶液の場
合、約0.1〜0.4w/v%の濃度に相当する。特に好
ましい炭酸水素ナトリウム水溶液の濃度範囲は、約0.
16〜0.24w/v%である。
【0041】GSSG/GLU液及び重炭酸イオン液に
適宜添加配合でき、またCa/Mg液を構成し得る、カ
ルシウムイオンを生じる化合物及びマグネシウムイオン
を生じる化合物としては、例えばカルシウム及びマグネ
シウムの塩化物、硫酸塩等のこの種眼灌流、洗浄液に慣
用されるもののいずれであってもよい。
【0042】重炭酸イオン液にカルシウムイオン及び/
又はマグネシウムイオンと共に添加配合されるクエン酸
イオンは、得られる液中に共存する重炭酸イオンとカル
シウムイオンやマグネシウムイオンとの反応によって炭
酸カルシウムや炭酸マグネシウムの沈殿が生成するのを
防止する作用を奏し得る。即ち、クエン酸イオンは、カ
ルシウムイオンやマグネシウムイオンとキレートを作
り、之等カルシウムイオン等が炭酸イオンと直接結合す
るのを阻止する作用を奏する。かかる作用を奏し得る化
合物としては、例えばクエン酸ナトリウム等のクエン酸
塩を例示できる。その配合量は、通常クエン酸塩として
約0.35〜2w/v%の範囲、より好ましくは約0.5
〜1.2w/v%の範囲から選ばれるのがよい。
【0043】重炭酸イオン液は、含有される重炭酸イオ
ンの安定性を考慮して、通常、適当なpH調整剤、例え
ば水酸化ナトリウム、塩酸等を用いてpHを約7.0〜
9.0、好ましくは約7.0〜8.5の範囲に調整され
るのがよい。また、該液には、更に緩衝作用を有する例
えばリン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム等の緩衝剤を添加すること
もでき、これにより急激なpH変化を防止することがで
きる。かかる緩衝剤は、複室バッグの各室内薬液を混合
したときに充分な緩衝能を発揮できる濃度で用いられる
のがよい。該濃度は、例えばリン酸水素二ナトリウムを
例にとれば、約0.03〜0.06w/v%、好ましくは
約0.035〜0.05w/v%の範囲から選ばれるのが
よい。また、酢酸ナトリウムでは、約0.02〜0.0
6w/v%、好ましくは約0.03〜0.05w/v%の範囲
から選ばれるのがよい。
【0044】一方、GSSG/GLU液は、該液中のオ
キシグルタチオン及び/又はデキストロースを安定に保
持するために、通常上記と同様のpH調整剤を用いてp
H約2.5〜6.5の範囲、好ましくは約3.0〜6.
0の範囲に調整されるのがよい。該液にも、上記と同様
に、緩衝作用を有する酢酸ナトリウムや酢酸カリウム等
の緩衝剤を添加することができる。
【0045】また、Ca/Mg液は、カルシウム及び/
又はマグネシウムの沈殿の生成を確実に防止するため
に、通常上記と同様のpH調整剤を用いてpH約3.5
〜5.5の範囲、好ましくは約4.0〜5.0の範囲に
調整されるのが望ましい。該液にも上記と同様に緩衝作
用を有する酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸二水
素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等の緩衝剤を添加
することができる。
【0046】本発明においてはまた、前記GSSG/G
LU液に代えて、GSSG/GLU固形剤を利用するこ
とができる。また、前記Ca/Mg液に代えてCa/M
g固形剤を利用することもできる。
【0047】GSSG/GLU固形剤には、オキシグル
タチオン及びデキストロースから選ばれる少なくとも1
種を必須成分として、更にカルシウム塩及びマグネシウ
ム塩から選ばれる少なくとも1種を含有させることがで
きる。また、Ca/Mg固形剤は、カルシウム塩及びマ
グネシウム塩から選ばれる少なくとも1種、好ましくは
両者を用いて調整できる。かかるカルシウム塩及びマグ
ネシウム塩としては、この種眼灌流、洗浄液に慣用され
る通常のもののいずれでもよい。その例としてはカルシ
ウム及びマグネシウムの塩化物、硫酸塩等を例示でき
る。
【0048】GSSG/GLU固形剤及びCa/Mg固
形剤には、更に、銅、亜鉛等の微量金属の塩や、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リ
ン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸
二水素カリウム等のナトリウム塩、カリウム塩、リン酸
塩等を添加することができる。之等の添加量は、之等を
混合して得られる眼灌流、洗浄液中の之等イオン濃度が
前述した範囲となる量とすればよい。
【0049】之等の固形剤は、その構成成分化合物を、
通常入手される形態、例えば粉末形態で単に混合して粉
末形態に調整してもよく、各成分混合物を常法に従い賦
形して細粒、顆粒、錠剤等の形態に調整することもでき
る。また、各成分を水その他の適当な溶媒に溶解した溶
液を通常の方法に従い凍結乾燥して得られる凍結乾燥粉
末等の形態とすることもできる。
【0050】本発明包装体において、眼灌流、洗浄液の
各成分(GSSG/GLU液、GSSG/GLU固形
剤、重炭酸イオン液、Ca/Mg液、Ca/Mg固形
剤)を各室に封入(収容、充填)するためのガス透過性
プラスチック製複室バッグとしては、例えばポリエチレ
ン製、エチレン酢酸ビニル共重合体製、ポリプロピレン
製、ポリ塩化ビニル製のものや之等を適当な比率で配合
あるいはラミネートしたものを例示できる。該バッグの
形状、大きさ、厚さ等には特に制限はなく、一般には長
方形のものがよく用いられる。該バッグの内容量は、一
般的には約20ml程度から3リットル程度の範囲とさ
れ、厚さは100〜500μm程度の範囲とされるのが
望ましい。
【0051】上記バッグは、連通可能な隔壁を有する少
なくとも2室からなるガス透過性プラスチック製バッグ
であるのがよい。かかるバッグは、輸液分野では既に知
られており、例えば2室の連通部を閉鎖する手段が設け
られたもの(特公昭63−20550号公報、実公昭6
3−17474号公報等参照)や、2室を区画するシー
ル部が押圧により連通できるもの(特開昭63−309
263号公報、特開平2−4671号公報等参照)等を
例示することができる。本発明では之等バッグの少なく
とも1室に、前記重炭酸イオン液が封入され、他の少な
くとも1室にGSSG/GLU液又はGSSG/GLU
固形剤が封入されればよい。
【0052】ガス非透過性プラスチック包装材における
「ガス非透過性」とは、厳密にガスを透過しないという
意味ではなく、そのガス透過性が上記眼灌流、洗浄液
(そのための各液)を封入するバッグのそれよりも相対
的に小さいことを意味している。例えば上記バッグと同
一の材質でもその厚みが大きい場合には、本発明にいう
ガス非透過性プラスチック包装材として利用することが
できる。かかる包装材としては、通常のもの、例えばポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナ
フタレート(PEN)、ポリビニルアルコール(PV
A)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVO
H)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ナイロン等の
材質のものや、之等の表面に更に酸化珪素、酸化アルミ
ニウム等の無機物を蒸着させたものや、之等各種材質の
多層フィルム(ラミネートフィルム)からなるものを例
示できる。之等包装材の形状及び大きさは、前記ガス透
過性プラスチック製バッグを収容できることを前提とし
て特に制限されない。一般には、上記ガス透過性プラス
チック製バッグの約1.2〜1.5倍容量程度の大きさ
であるのが望ましい。
【0053】本発明によれば、上記バッグと包装材との
間は、実質的に気体が存在しない状態とされる。また本
発明によれば、上記バッグをpHインジケーター又はピ
ンホール検知剤と共に上記包装材で包装し、このバッグ
と包装材との間を実質的に気体が存在しない状態とする
ことができる。
【0054】ここで、上記バッグと包装材との間を実質
的に空気が存在しない状態とするための手段としては、
代表的にはバッグをガス非透過性プラスチック包装材で
包装後、バッグと包装材との空間部を抜気する手段を挙
げることができる。また、上記バッグの包装材による包
装を真空下乃至減圧下で行なう手段によっても、上記実
質的に気体が存在しない状態とすることができる。
【0055】本発明に従う、眼灌流、洗浄液のバッグへ
の充填、滅菌、包装材による包装等は、通常の注射液の
製造方法と同様にして容易に行なうことができる。
【0056】以下、pHインジケーターを利用した本発
明につき詳述すれば、該pHインジケーターは、重炭酸
イオンを含む液と該液のpH変化に応じて色調変化を起
こすpH指示薬とをガス透過性プラスチック製小容器に
封入したものである。ここで重炭酸イオンを含む内液
は、重炭酸イオンを含有する限り、その濃度や組成には
特に限定はない。その重炭酸イオン濃度は、通常約0.
01〜2.0w/v%の範囲から選ばれるのが好ましい。
【0057】上記pHインジケーター内液に添加配合さ
れるpH指示薬は、インジケーター内液のpH変化を色
調変化により指示できる各種の酸塩基指示薬から選択す
ることができる。特にこれはバッグ内に封入された重炭
酸イオン液の問題となるpHに相当するpH域付近で、
鋭敏に色調変化(変色)するものであるのが好ましい。
一般に、上記問題となる重炭酸イオン液のpHは、前述
したように中性以上の弱アルカリ域にあり(例えば7%
炭酸水素ナトリウム水溶液の規格上限値は、日局XIIIで
はpH8.6である)、インジケーター内液のpHも同
様に中性乃至弱アルカリ域とされるため、上記pH指示
薬はかかる中性乃至弱アルカリ域において変化するpH
を色調変化により指示できるものであるのが好ましい。
【0058】特に好ましい上記pH指示薬は、更に
(1)変色域が狭いこと、(2)発色強度が大きいこ
と、(3)変色の方向が適切であること(目立たない色
から目立つ色へ)、(4)衛生性に優れること(物質自
体の安全性が高く、移行性がないこと)、(5)安定性
がよく、長期に亘って初期の変色能を保持すること等の
性質を具備するものから選択されるのがよい。
【0059】かかる条件を満たすものとしては、例えば
ニュートラルレッド、アウリン、フェノールレッド、o
−クレゾールレッド、α−ナフトールフタレイン、m−
クレゾールパープル、オレンジI、チモールブルー、フ
ェノールフタレイン等を例示できる。之等の内でも、フ
ェノールレッド(pH6.8〜8.4で黄色から赤色に
変色)、o−クレゾールレッド(pH7.2〜8.8で
黄色から赤色に変色)、m−クレゾールパープル(pH
7.6〜9.2で黄色から紫色に変色)、チモールブル
ー(pH8.0〜9.6で黄色から青色に変色)、フェ
ノールフタレイン(pH8.3〜10で無色から赤色に
変色)等は好適である。
【0060】上記pH指示薬の濃度は、色調変化が目視
観察しやすいものであればよく、例えばこれを上記イン
ジケーター内液と共に封入される小容器の大きさ(液体
層の厚み)等に応じて、約10〜2000ppmの範囲
から選択されるのが好ましい。
【0061】本発明に利用するpHインジケーターは、
上記内液とpH指示薬とをガス透過性プラスチック製小
容器に封入することにより製造できる。その製造は、一
般的方法に従うことができ、その際用いられる小容器の
材質は、前述したバッグのそれと同等乃至それ以上のガ
ス透過性を有するものであればよい。例えば上記小容器
は、縦型3方シール機、縦型ピロー包装機、ロータリー
パッカー等を用いて、製袋、充填、シールを連続して行
なう方法により製造することができる。かかる方法を利
用する場合、特に小容器材質は、機械適性の点からラミ
ネートフィルムであるのが好ましく、特にバッグがポリ
エチレン製のものである場合、該小容器はポリプロピレ
ン(外側)とポリエチレン(内側)とのラミネートフィ
ルムやポリ−4−メチル−1−ペンテン(外側)とポリ
エチレン(内側)とのラミネートフィルムで製造された
ものであるのが好ましい。
【0062】上記小容器の大きさと内液の容積について
は、小容器内に内液を封入した際に、内液の量が少ない
とインジケーターの液体層の厚みが薄くなりすぎて、色
調変化を目視判別し難くなる傾向があるので、この色調
変化を容易に目視判別できることを前提とし、更にバッ
グと包装材との大きさ等を勘案して、適宜決定すること
ができる。
【0063】かくして製造されるpHインジケーター
は、その長期保存時に内液中で細菌が増殖して濁りが発
生する場合があり、これを防止乃至抑制するために、高
圧蒸気滅菌を行なうこともできる。またこれに代えて、
塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン等
の殺菌剤、ナリジクス酸、ノルフロキサシン等の抗菌
剤、パラオキシ安息香酸エステル、ベンジルアルコール
等の保存剤等を適宜添加配合することもできる。
【0064】本発明バッグ包装体は、上記小容器とバッ
グとを一緒に包装材にて包装し、抜気することにより製
造できる。該小容器の配置位置は、これが包装材による
包装後にも外部から目視できる限り特に限定はない。か
くして、本発明所期の眼灌流、洗浄液のpH変化を目視
判別できる、改良されたバッグ包装体を得ることができ
る。
【0065】本発明眼灌流、洗浄液バッグ包装体の好ま
しい一実施態様は、添付図面(図1)に示す通りであ
る。該図によれば、本発明包装体は、重炭酸イオン液及
びGSSG/GLU液(内容液、1及び1)を、弱シー
ル部6で区画された各室に、それぞれ封入してなるガス
透過性プラスチック製複室バッグ2、pHインジケータ
ー5及び該バッグとpHインジケーターとを包装したガ
ス非透過性プラスチック包装材3からなり、上記バッグ
と包装材との間は実質的に気体が存在しない状態とされ
ている。該包装体は、この構成の採用によって、本発明
所期のバッグ内重炭酸イオン液のpH変化を目視確認で
きる効果を有すると共に、前述した各種の効果を奏し得
る。
【0066】また、本発明によれば、ピンホール検知剤
を利用した眼灌流、洗浄液が提供される。該ピンホール
検知剤を利用した本発明につき詳述すれば、利用される
ピンホール検知剤は、pH指示薬を含み且つ炭酸ガスが
溶解した又は有機溶媒溶液を担体に保持させてなること
を特徴としており、これは複室バッグと共に包装材で包
装されることによって、包装材におけるピンホール発生
を容易且つ迅速に目視確認可能とする。即ち、包装材に
ピンホールが発生すれば、ピンホール検知剤中の担体に
保持された炭酸ガスを溶解させた水溶液又は有機溶媒溶
液中から炭酸ガスが放出され、これにより該液のpHが
変化し、その変化に応じてpH指示薬が色調変化し、か
くして、ピンホールの発生がpH指示薬の色調変化とし
て容易に目視確認できるのである。
【0067】該ピンホール検知剤において用いられるp
H指示薬としては、ピンホール検知剤の炭酸ガス吸収又
は放出によって起こるpH変化を、色調変化として指示
できる各種の酸・塩基指示薬から選択することができ
る。該pH指示薬の色調は、炭酸ガスが存在する場合に
は酸性色を有しており、該ガスが漏出した場合には塩基
性色に変化する。
【0068】特に好ましい上記pH指示薬の具備すべき
性質は、上述したpHインジケーターにおけるそれらと
同様であり、該pHインジケーターの項で例示した各種
のものはいずれも同様にピンホール検知剤におけるpH
指示薬として利用できる。殊に、本ピンホール検知剤
は、上記の通り炭酸ガスの吸収又は放出によって起こる
pH変化を指示するものであり、前述したpHインジケ
ーターのようにバッグ内重炭酸イオン液と同様のpHに
調整される必要はないため、これに利用するpH指示薬
も、中性乃至弱アルカリ域でのpH変化をとらえるもの
に限定されず、酸性からアルカリ性の広範なpH域での
pH変化をとらえて、色調変化し得るものであることが
できる。
【0069】かかるpH指示薬の好ましい例としては、
例えばm−クレゾールパープル、チモールブルー、クレ
ゾールレッド、フェノールフタレイン、ブロモチモール
ブルー、フェノールレッド、ジブロムフェノールテトラ
ブロム、メチルチモールブルー、アリザリン、キシリト
ールオレンジ、ブロモフェノールレッド、コンゴーレッ
ド、アリザリンスルホン酸ナトリウム等を挙げることが
できる。之等は1種を単独で用いることもでき、また必
要に応じて2種以上を併用することもできる。之等の内
では特にm−クレゾールパープル(pH7.4〜9.0
で黄色から紫色に変色)、チモールブルー&クレゾール
レッド(pH8.3付近で黄色から紫色に変色)、フェ
ノールフタレイン(pH8.3〜10.0で無色からピ
ンク色に変色)、コンゴーレッド(pH3.0〜5.0
で青色から赤色に変色)がより好適である。
【0070】上記pH指示薬は、水溶液形態又は有機溶
媒溶液形態で用いられる。ここで有機溶媒としては、例
えばエタノール、メタノール、アセトン、之等の混合溶
剤を使用することができる。
【0071】アルカリ域で変色する(塩基性色に発色す
る)pH指示薬を利用する場合、本発明に用いるピンホ
ール検知剤には、かかるpH指示薬を塩基性色に発色さ
せるための塩基性化含物を含ませる。該塩基性化合物と
しては、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水
酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩等が挙げられ
る。之等は含水塩でもよく、無水塩でもよい。より具体
的には、ホウ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、リン
酸水素ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウ
ム等が挙げられる。之等の中でも、炭酸水素ナトリウ
ム、リン酸水素ナトリウム及び水酸化ナトリウムは好ま
しい。之等塩基性化合物は、その1種を単独で用いるこ
とができ、また2種以上を併用することもできる。
【0072】また、本発明に利用するピンホール検知剤
には、適宜保湿剤を添加配合することができる。該保湿
剤は、従来よりよく知られている各種のものでよい。そ
の例としては、例えば、グリセリン、ポリエチレングリ
コール、プロピレングリコール等を1種単独で又は2種
以上混合して用いることができる。その配合量は、特に
限定されるものではないが、通常調製される溶液中に、
10%(w/v%、以下同じ)程度迄の濃度となる量と
されるのがよい。この添加配合は、得られるピンホール
検知剤の水分活性保持に有効である。
【0073】本発明に用いるピンホール検知剤は、上記
pH指示薬を含み且つ炭酸ガスが溶解した又は有機溶媒
溶液を担体に保持させることにより調製される。ここで
用いられる担体は、上記水溶液又は有機溶媒溶液を含浸
保持でき且つその中のpH指示薬及び必要に応じて配合
される塩基性化合物、更に得られるピンホール検知剤に
吸収される炭酸ガスと反応しないものであることを前提
として、適宜選択することができる。より好ましくは、
該担体は、pH指示薬の変色の目視確認を妨げない淡色
乃至白色又は白色に近い色であり、pH指示薬のpH指
示能を妨げない適度の吸湿性を有しているもの乃至保持
できるものであるのがよい。かかる担体としては、例え
ば濾紙、結晶セルロース、珪藻土、タルク、モンモリロ
ナイト、ベントナイト、カオリナイト、エチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、澱粉等が例示できる。
【0074】該担体への上記水溶液又は有機溶媒溶液の
保持は、常法に従い単に両者を接触(混合、含浸等)さ
せることにより行ない得る。水溶液又は有機溶媒溶液の
担体への保持量は、特に限定されるものではないが、通
常5〜70重量%程度の範囲から選ばれるのが適当であ
る。
【0075】かくして、本発明に利用するピンホール検
知剤を得ることができる。該ピンホール検知剤を構成す
る各成分の割合(濃度)は、用いる各成分の種類や得ら
れる検知剤のpH等に応じて適宜決定され、特に制限さ
れるものではないが、通常、pH指示薬は0.001〜
1.0%(重量%、以下同じ)程度の範囲、塩基性化合
物の水溶液又は有機溶媒溶液は2%程度まで、保湿剤は
0.1〜10%程度の範囲、担体は約30〜95%の範
囲から選択されるのが適当である。特に、得られるピン
ホール検知剤は、その水分含量が0.3%程度以上の範
囲であるのが好ましい。
【0076】上記の如くして調製される本発明に利用す
るピンホール検知剤は、通常、殆ど流動性のないペース
ト状乃至半固体状形態或いは粉末状形態を含む固体状を
有しており、それ故、そのままの形態で、本発明眼灌
流、洗浄バッグ包装体に利用することができ、これによ
って、迅速に所望のピンホール検知を行ない得る。
【0077】また、例えば粉末状形態のものでは、これ
を更にプレス成形等によって適当な形状に賦形し、得ら
れる成型物を、複室バッグと共に包装材で包装すること
もできる。更に、ペースト状乃至半固体及び固体状のピ
ンホール検知剤は、例えば適当な孔をあけた小袋等(気
密性を有しない)に収容した形態で利用することもでき
る。かかる小袋は、本発明製品の製造、移送時等におけ
る落下、荷積みの際の圧迫等によって該小袋の破損等が
起こっても、内容物がこぼれ出て製品を汚す危険はな
い。
【0078】本発明に利用するピンホール検知剤を、上
記の如く適当な小袋に収容して利用する場合、該小袋
は、より好ましくは炭酸ガス透過性及び透明性の高いプ
ラスチックフィルム製等であるのがよい。その例として
は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン(外側)とポ
リエチレン(内側)とのラミネートフィルム、ポリ−4
−メチル−1−ペンテン(外側)とポリエチレン(内
側)とのラミネートフィルム等を例示できる。上記小袋
の好ましい使用例としては、例えば上記フィルムに直径
約50μm以上の孔を1箇所以上あけたものを例示する
ことができる。かかる小袋の大きさ、形状は、これにピ
ンホール検知剤が収容できればよく、特に限定されな
い。通常、前記に例示した大きさのプラスチック製小袋
の場合を例にとれば、その大きさは、外寸縦約1〜5c
m×横約1〜5cmの袋状形態であることができる。
【0079】上記小袋へのピンホール検知剤の収容は、
常法に従って、例えば、縦型3方シール機、縦型ピロー
包装機、ロータリーパッカー等を用いて製袋し、これに
ピンホール検知剤成分を収容し、シールを連続して行な
う方法によることができる。
【0080】尚、上記ピンホール検知剤は、通常その色
調変化が充分に目視確認できる鮮明なものであるため、
特に必要ではないが、その色調変化をより一層鮮明なも
のとするため、適当な色素を適宜添加配合することもで
きる。例えば無色(白色基材の利用によれば白色)から
赤色に変色するフェノールフタレインを利用したピンホ
ール検知剤では、これに青色系色素を添加することによ
って、青色から紫色への変色としてピンホールを検出す
ることができる。
【0081】上記ピンホール検知剤の配置位置は、ピン
ホール検知剤が二次包装材による包装後にも外部から目
視できる限り特に限定はない。かくして、本発明所期の
眼灌流、洗浄液バッグ包装体を得ることができる。
【0082】ピンホール検知剤を利用した本発明眼灌
流、洗浄液バッグ包装体の好ましい一実施態様として
は、例えば前述した図1に示すそれにおいて、pHイン
ジケーター5に替えてピンホール検知剤を配置したもの
を例示できる。該包装体は、この構成の採用によって、
本発明所期のピンホール検知効果を有すると共に、前述
した各種の効果を奏し得る。
【0083】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、複
室バッグの調製例、pHインジケーターの製造例及びピ
ンホール検知剤の製造例を挙げ、次いで本発明眼灌流、
洗浄液バッグ包装体の製造例を実施例として挙げ、次い
で得られるバッグ包装体についての試験例を挙げる。 (1)複室バッグの調製 調製例1 ポリエチレン製の、連通可能な隔壁を有する2室(A室
及びB室)からなるプラスチックバッグ(厚み:約26
0μm)の各室にそれぞれ下記薬液を充填閉塞し、熱水
シャワー滅菌して複室バッグを調製した。 (A室)下記組成の薬液 オキシグルタチオン 0.09g デキストロース 0.46g 塩化ナトリウム 3.32g 塩化カリウム 0.19g 塩酸 適量 水酸化ナトリウム 適量 滅菌精製水 全体を150mLとする量 pH 4.5 (B室)下記組成の薬液 炭酸水素ナトリウム 1.05g 酢酸ナトリウム・3水和物 0.30g クエン酸ナトリウム・2水和物 0.50g 塩化カルシウム・2水和物 0.08g 塩化マグネシウム・6水和物 0.10g 塩酸 適量 水酸化ナトリウム 適量 滅菌精製水 全体を350mLとする量 pH 7.8 調製例2 ポリエチレン製の、連通可能な隔壁を有する2室(A室
及びB室)からなるプラスチックバッグ(厚み:約26
0μm)の各室にそれぞれ下記固形剤及び薬液を充填閉
塞し、熱水シャワー滅菌して複室バッグを調製した。 (A室)下記成分を滅菌精製水20mlに溶解し、0.
22μmのメンブランフィルターで濾過後、凍結乾燥し
て得られる固形剤(無菌的に封入) オキシグルタチオン 0.09g デキストロース 0.46g 塩化カルシウム・2水和物 0.08g 硫酸マグネシウム・6水和物 0.10g 塩化ナトリウム 3.57g 塩化カリウム 0.19g (B室)下記組成の薬液 炭酸水素ナトリウム 1.05g リン酸水素二ナトリウム・12水和物 0.52g 塩酸 適量 滅菌精製水 全体を500mLとする量 pH 7.4 調製例3 ポリエチレン製の、連通可能な隔壁を有する3室(A
室、B室及びC室)からなるプラスチックバッグ(厚
み:約260μm)の各室にそれぞれ下記薬液及び固形
剤を充填閉塞し、熱水シャワー滅菌して複室バッグを調
製した。 (A室)下記組成の薬液 オキシグルタチオン 0.09g デキストロース 0.46g 塩酸 適量 水酸化ナトリウム 適量 滅菌精製水 全体を100mLとする量 pH 4.5 (B室)下記組成の薬液 炭酸水素ナトリウム 1.05g リン酸水素二ナトリウム・12水和物 0.52g 塩化カリウム 0.19g 塩酸 適量 水酸化ナトリウム 適量 滅菌精製水 全体を400mLとする量 pH 7.6 (C室)下記各成分を乾熱滅菌して得た固形剤(無菌的に封入) 塩化カルシウム・2水和物 0.08g 硫酸マグネシウム・6水和物 0.10g 塩化ナトリウム 3.57g (2)pHインジケーターの製造 製造例1 フェノールレッド10mgに0.28%炭酸水素ナトリ
ウム水溶液を加えて溶解し、500mLとした(20w/
v ppm)。このもの0.5mLを、縦型3方シール機に
より、ポリプロピレン(外側、厚さ:20μm)/ポリ
エチレン(内側、厚さ:30μm)ラミネートフィルム
中に封入し、縦30mm、横15mm(内寸)のpHイ
ンジケーターを得た。このものは製造時は、赤紫色(発
色済み)を呈していた。 製造例2 クレゾールレッド10mgに0.28%炭酸水素ナトリ
ウム水溶液を加えて溶解し、500mLとした(20w/
v ppm)。このもの0.5mLをポリエチレンフィルム
(三井石油化学製、厚さ250μm)中に封入し、縦4
0mm、横20mm(内寸)のpHインジケーターを得
た。このものは製造時は、紫色(発色済み)を呈してい
た。 製造例3 m−クレゾールパープル10mgに0.28%炭酸水素
ナトリウム水溶液を加えて溶解し、500mLとした
(20w/v ppm)。このもの0.5mLを、縦型3方シ
ール機により、ポリプロピレン(外側、厚さ:20μ
m)/ポリエチレン(内側、厚さ:30μm)ラミネー
トフィルム中に封入し、縦30mm、横15mm(内
寸)のpHインジケーターを得た。このものは製造時
は、紫色(発色済み)を呈していた。 製造例4 m−クレゾールパープル1gに0.28%炭酸水素ナト
リウム水溶液を加えて溶解し、50Lとした(20w/v
ppm)。この液を、BOTTLEPACK305(ROMMELAG社製)
で、低密度ポリエチレンにより、成形を行なうと同時に
充填・閉塞して、縦約20mm、横約10mm及び肉厚
約0.4mmのpHインジケーターを作製した(内容液
量:約0.4mL)。 製造例5 m−クレゾールパープル1gに0.28%炭酸水素ナト
リウム水溶液を加えて溶解して50Lとした(20w/v
ppm)。この液1mLを、縦型三方シール機により延伸
ポリプロピレン(外側、厚み:20μm)と直鎖状低密
度ポリエチレン(内側、厚み:60μm)のラミネート
フィルム中に封入し、外寸が縦40mm、横20mm
で、内寸が縦30mm、横12mmのpHインジケータ
ーを作成した。このものは、使用時まで、ナイロン(厚
み:15μm)/ポリビニルアルコール(厚み:18μ
m)/低密度ポリエチレン(厚み:60μm)のラミネ
ートフィルムで作成した袋に、炭酸ガス10%と空気9
0%の混合ガスと共に封入して保存した。 製造例6 pHインジケーターのための袋(包装材料)として、ポ
リ−4−メチル−1−ペンテン(外側、厚み:30μ
m)とポリエチレン(内側、厚み:60μm)とのラミ
ネートフィルムを用いて、製造例5と同様にして、pH
インジケーターを作製した。このものは、ポリ−4−メ
チル−1−ペンテンの耐熱性が高いことから、高速シー
ル性に優れ、より優れた生産性を有していた。このもの
を、使用時まで、ナイロン(厚み:15μm)/ポリビ
ニルアルコール(厚み:18μm)/低密度ポリエチレ
ン(厚み:60μm)のラミネートフィルムで作成した
袋に、炭酸ガス10%と空気90%との混合ガスと共に
封入して保存した。 製造例7 チモールブルー1gに0.28%炭酸水素ナトリウム水
溶液を加えて溶解して50Lとした(20w/v ppm)。
この液1mLを、縦型三方シール機により延伸ポリプロ
ピレン(外側、厚み:30μm)と直鎖状低密度ポリエ
チレン(内側、厚み:60μm)のラミネートフィルム
中に封入し、外寸が縦40mm、横20mmで、内寸が
縦30mm、横12mmのpHインジケーターを作成し
た。このものは、使用時まで、ナイロン(厚み:15μ
m)/ポリビニルアルコール(厚み:18μm)/低密
度ポリエチレン(厚み:60μm)のラミネートフィル
ムで作成した袋に、炭酸ガス10%と空気90%の混合
ガスと共に封入して保存した。 (3)ピンホール検知剤の製造 製造例1 m−クレゾールパープル20mgに0.08%炭酸ナト
リウム水溶液を加えて溶解し、グリセリン10gを加え
て100mLとした。その後炭酸ガスを溶解させてpH
を約7.6に調整した。この液0.06mLを東洋濾紙
1650(10mm×10mm)に含浸させ、得られる
含浸紙を三方シール機を用いて低密度ポリエチレン(厚
さ:45μm、大きさ:15mm×15mm)で包装し
て、ピンホール検知剤を製造した。 製造例2 フェノールフタレイン20mgに0.08%水酸化ナト
リウム水溶液を加えて溶解し、グリセリン10gを加え
て100mLとした。その後炭酸ガスを溶解させてpH
を約8.3に調整した。この液0.06mLを東洋濾紙
1650(10mm×10mm)に含浸させ、得られる
含浸紙を三方シール機を用いて低密度ポリエチレン(厚
さ:45μm、大きさ:15mm×15mm)で包装し
て、小袋入り形態のピンホール検知剤を製造した。 製造例3 チモールブルー25mg及びクレゾールレッド15mg
の混合物に0.08%水酸化ナトリウム水溶液を加えて
溶解し、グリセリン10gを加えて100mLとした。
その後炭酸ガスを溶解させてpHを約8.0に調整し
た。この液0.06mLを東洋濾紙1650(10mm
×10mm)に含浸させ、得られる含浸紙を三方シール
機を用いて低密度ポリエチレン(厚さ:45μm、大き
さ:15mm×15mm)で包装して、小袋入り形態の
ピンホール検知剤を製造した。 製造例4 m−クレゾールパープル2mgに0.27%炭酸水素ナ
トリウム水溶液を加えて溶解し、グリセリン10gを加
えて100mLとした。その後炭酸ガスを溶解させてp
Hを約7.6に調整した。この液0.06mLを東洋濾
紙1650(10mm×10mm)に含浸させ、得られ
る含浸紙を三方シール機を用いて低密度ポリエチレン
(厚さ:45μm、大きさ:15mm×15mm)で包
装して、小袋入り形態のピンホール検知剤を製造した。 製造例5 コンゴーレッド20mgに水を加えて溶解して100m
Lとした。その後炭酸ガスを溶解させてpHを約3.5
に調整した。この液0.06mLを東洋濾紙1650
(10mm×10mm)に含浸させ、得られる含浸紙を
三方シール機を用いて、有孔低密度ポリエチレン(厚
さ:45μm、大きさ:15mm×15mm、注射針
(27G、テルモ社、ネオラス)で直径約200μmの
孔を任意に10箇所あけたもの)で包装して、小袋入り
形態のピンホール検知剤を製造した。 製造例6 m−クレゾールパープル20mgに0.3%炭酸ナトリ
ウム水溶液を加えて溶解し、100mLとした。その後
炭酸ガスを溶解させてpHを約7.6に調整した。この
液5mLを結晶セルロース20gに含浸させ、得られる
含浸物を打錠機により打錠して、錠剤形態(1錠0.5
g)のピンホール検知剤を製造した。 製造例7 m−クレゾールパープル20mgにグリセリン10及び
0.3%炭酸ナトリウム水溶液を加えて溶解し、100
mLとした。その後炭酸ガスを溶解させてpHを約7.
6に調整した。この液10mLにPVA水溶液(PV
A:熱水=2g:50mL)を加えて攪拌し、そこに徐
々に四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)飽和水溶液60mL
を攪拌しながら加えてゲル体を調製した。得られたゲル
体1gを三方シール機により低密度ポリエチレン(厚
さ:45μm、大きさ:15mm×15mm)で包装し
て、ピンホール検知剤を製造した。 (4)本発明眼灌流、洗浄液バッグ包装体の製造 実施例1〜3 複室バッグの調製例1〜3のそれぞれで調製したバッグ
を、ナイロン(厚み:15μm)/ポリビニルアルコー
ル(厚み:18μm)/ポリエチレン(厚み:60μ
m)のラミネートフィルム袋(二次包装材)中に入れ、
袋内(空間量:400ml)を抜気後、密閉して、本発
明眼灌流、洗浄液バッグの包装体を得た。 実施例4〜6 複室バッグの調製例1〜3のそれぞれで調製したバッグ
を、pHインジケーターの製造例7で製造したpHイン
ジケーターと共に、ナイロン(厚み:15μm)/ポリ
ビニルアルコール(厚み:18μm)/ポリエチレン
(厚み:60μm)のラミネートフィルム袋(二次包装
材)中に入れ、袋内(空間量:400ml)を抜気後、
密閉して、本発明眼灌流、洗浄液バッグの包装体を得
た。 実施例7〜9 複室バッグの調製例1〜3のそれぞれで調製したバッグ
を、ピンホール検知剤の製造例7で製造したピンホール
検知剤と共に、ナイロン(厚み:15μm)/ポリビニ
ルアルコール(厚み:18μm)/ポリエチレン(厚
み:60μm)のラミネートフィルム袋(二次包装材)
中に入れ、包装材(空間量:400ml)内を抜気後、
密封して、本発明眼灌流、洗浄液バッグの包装体を得
た。 実施例10〜13 複室バッグの調製例1で調製したバッグを、ピンホール
検知剤の製造例2、3、5及び6で製造した各ピンホー
ル検知剤と共に、ナイロン(厚み:15μm)/ポリビ
ニルアルコール(厚み:18μm)/ポリエチレン(厚
み:60μm)のラミネートフィルム袋(二次包装材)
中に入れ、包装材(空間量:400ml)内を抜気後、
密封して、本発明眼灌流、洗浄液バッグの包装体を得
た。 (5)性能試験 実験例1 実施例4で製造した本発明眼灌流、洗浄液バッグ包装体
(調製例1で調製した複室バッグ使用)の包装材に、注
射針(27G、テルモ社、ネオラス)で、ピンホール
(長径:約500μm、短径:約50μm)をあけ、p
Hインジケーターの変色を観察した。その結果、3日後
に、pHインジケーターは緑色になった。 実験例2 実施例7で製造した本発明眼灌流、洗浄液バッグ包装体
(調製例1で調製した複室バッグ使用)の包装材に、注
射針(27G、テルモ社、ネオラス)で、ピンホール
(長径:約500μm、短径:約50μm)をあけ、ピ
ンホール検知剤の変色を観察した。その結果、ピンホー
ル検知剤は、製造当初黄色であったが、8時間後には炭
酸ガスを放出して紫色になった。 実験例3 実施例10で製造した本発明眼灌流、洗浄液バッグ包装
体(製造例2で調製したピンホール検知剤使用)の包装
材に、注射針(27G、テルモ社、ネオラス)で、ピン
ホール(長径:約500μm、短径:約50μm)をあ
け、ピンホール検知剤の変色を観察した。その結果、ピ
ンホール検知剤は、製造当初無色であったが、5時間後
には炭酸ガスを放出してピンク色になった。 実験例4 実施例11で製造した本発明眼灌流、洗浄液バッグ包装
体(製造例3で調製したピンホール検知剤使用)の包装
材に、注射針(27G、テルモ社、ネオラス)で、ピン
ホール(長径:約500μm、短径:約50μm)をあ
け、ピンホール検知剤の変色を観察した。その結果、ピ
ンホール検知剤は、製造当初黄色であったが、10時間
後には炭酸ガスを放出して紫色になった。 実験例5 実施例12で製造した本発明眼灌流、洗浄液バッグ包装
体(製造例5で調製したピンホール検知剤使用)の包装
材に、注射針(27G、テルモ社、ネオラス)で、ピン
ホール(長径:約500μm、短径:約50μm)をあ
け、ピンホール検知剤の変色を観察した。その結果、ピ
ンホール検知剤は、製造当初青紫色であったが、20分
後には炭酸ガスを放出して赤色になった。 実験例6 実施例13で製造した本発明眼灌流、洗浄液バッグ包装
体(製造例6で調製したピンホール検知剤使用)の包装
材に、注射針(27G、テルモ社、ネオラス)で、ピン
ホール(長径:約500μm、短径:約50μm)をあ
け、ピンホール検知剤の変色を観察した。その結果、ピ
ンホール検知剤は、製造当初黄色であったが、5分後に
は炭酸ガスを放出して紫色になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明眼灌流、洗浄液バッグ包装体の一実施態
様を示す概略図である。
【符号の説明】
1 眼灌流、洗浄液 2 ガス透過性プラスチック製複室バッグ 3 ガス非透過性プラスチック包装材 4 上記バッグ2と包装材3との空間部 5 ガス透過性プラスチック製小容器(pHインジケ
ーター又はピンホール検知剤) 6 ガス透過性プラスチック製複室バッグの弱シール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 充平 兵庫県姫路市北条梅原町98−3 (72)発明者 岡 実 徳島県板野郡北島町江尻字松堂27の4 (72)発明者 本田 浩 徳島県徳島市佐古四番町4の10 (72)発明者 湯山 恒平 徳島県板野郡松茂町満穂字満穂開拓96−1 大塚製薬松茂寮 (72)発明者 加賀 順二 徳島県板野郡北島町江尻字山王宮11−1 (72)発明者 住吉 信昭 徳島県鳴門市撫養町立岩字七枚28番地 第 一城見橋コーポ35号 Fターム(参考) 4C076 AA99 BB24 CC10 CC50 FF36

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス透過性プラスチック製複室バッグを
    ガス非透過性プラスチック包装材で包装した包装体であ
    って、該複室バッグはオキシグルタチオン及びデキスト
    ロースから選ばれる少なくとも1種を含む薬液又は固形
    剤が封入されたA室と重炭酸イオンを含む薬液が封入さ
    れたB室とを少なくとも有しており、上記複室バッグと
    包装材との間は実質的に気体が存在しない状態とされて
    いることを特徴とする眼灌流・洗浄液バッグ包装体。
  2. 【請求項2】 ガス透過性プラスチック製複室バッグと
    pHインジケーターとをガス非透過性プラスチック包装
    材で包装した包装体であって、該複室バッグはオキシグ
    ルタチオン及びデキストロースから選ばれる少なくとも
    1種を含む薬液又は固形剤が封入されたA室と重炭酸イ
    オンを含む薬液が封入されたB室とを少なくとも有して
    おり、上記pHインジケーターは重炭酸イオンを含む液
    と該液のpH変化に応じて色調変化を起こすpH指示薬
    とをガス透過性プラスチック製小容器に封入したもので
    あり且つ上記複室バッグと包装材との間は実質的に気体
    が存在しない状態とされていることを特徴とする眼灌
    流、洗浄液バッグ包装体。
  3. 【請求項3】 ガス透過性プラスチック製複室バッグと
    ピンホール検知剤とをガス非透過性プラスチック包装材
    で包装した包装体であって、該複室バッグはオキシグル
    タチオン及びデキストロースから選ばれる少なくとも1
    種を含む薬液又は固形剤が封入されたA室と重炭酸イオ
    ンを含む薬液が封入されたB室とを少なくとも有してお
    り、上記ピンホール検知剤はpH指示薬を含み且つ炭酸
    ガスが溶解した水溶液又は有機溶媒溶液を担体に保持さ
    せたものであり且つ上記複室バッグと包装材との間は実
    質的に気体が存在しない状態とされていることを特徴と
    する眼灌流、洗浄液バッグ包装体。
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