JPH08164185A - 炭酸水素塩含有薬液入りプラスチック容器の収納体 - Google Patents
炭酸水素塩含有薬液入りプラスチック容器の収納体Info
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- JPH08164185A JPH08164185A JP6333407A JP33340794A JPH08164185A JP H08164185 A JPH08164185 A JP H08164185A JP 6333407 A JP6333407 A JP 6333407A JP 33340794 A JP33340794 A JP 33340794A JP H08164185 A JPH08164185 A JP H08164185A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 本発明は、炭酸水素塩を含有する薬液入りプ
ラスチック容器がガスバリアー性の高い包装材で包装さ
れ、前記プラスチック容器と包装材との空間部に脱酸素
剤と酸素検知剤が収納され、かつ前記空間部を炭酸ガス
によって置換された収納体を提供する。 【効果】 前記包装材のガスバリアー性の低下が酸素検
知剤の変化により確認できるので、炭酸水素イオン含量
の低下とそれに伴うｐＨの上昇した薬液を誤って使用す
ることを未然に防止できる。
ラスチック容器がガスバリアー性の高い包装材で包装さ
れ、前記プラスチック容器と包装材との空間部に脱酸素
剤と酸素検知剤が収納され、かつ前記空間部を炭酸ガス
によって置換された収納体を提供する。 【効果】 前記包装材のガスバリアー性の低下が酸素検
知剤の変化により確認できるので、炭酸水素イオン含量
の低下とそれに伴うｐＨの上昇した薬液を誤って使用す
ることを未然に防止できる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、炭酸水素塩を含有する
薬液入りプラスチック容器の収納体に関し、より詳しく
は前記包装材のガスバリアー性の低下を酸素検知剤の変
色を指標として、外観より容易に確認できるようにした
収納体に関する。
薬液入りプラスチック容器の収納体に関し、より詳しく
は前記包装材のガスバリアー性の低下を酸素検知剤の変
色を指標として、外観より容易に確認できるようにした
収納体に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来から、炭酸水素ナトリウムなどの炭
酸水素塩を含有する薬液は、アシドーシスの是正などの
治療に広く用いられている。そして、前記薬液はガラス
製のアンプルやバイアルに充填され、市販されている。
一方、これまで輸液に用いられているプラスチック容器
は、ガスバリアー性が低く、炭酸水素塩を含有する薬液
を充填して放置すると、炭酸ガスが容器外に放出され、
水溶液中の炭酸水素イオン含量が低下し、それに伴いｐ
Ｈが上昇する等の問題点があった。そのため、炭酸水素
塩を含有する薬液を充填したプラスチック容器は実用化
されていなかった。最近、ガスバリアー性の高い包装材
でプラスチック容器を包装し、なおかつ、包装材と容器
との空間部を炭酸ガスで置換することで炭酸水素イオン
の安定性を向上させる方法が開示されている（特開平５
−４９６７５号公報、特開平５−２６１１４１号公報、
特開平６−１０５９０５号公報）。このようなガスバリ
アー性の高い包装材を利用しても、製造中、移送中など
の衝撃や接触により、包装材にピンホール等が発生した
場合、包装材のガスバリアー性の低下は避けられず、更
に包装材のガスバリアー性が低下すると、次第にプラス
チック容器内より炭酸ガスが放出されて、薬液中の炭酸
水素イオン含量が低下し、それに伴いｐＨが上昇する。
しかし、このような変化は収納体の外観からは確認でき
ないため、品質の劣化した薬液を誤って使用する危険性
がある。そして、前記薬液を使用した場合、期待した治
療効果が得られないとか、ｐＨの高い薬液を投与するこ
とによる副作用の発現などが懸念され、使用時に充分な
配慮が必要であった。
酸水素塩を含有する薬液は、アシドーシスの是正などの
治療に広く用いられている。そして、前記薬液はガラス
製のアンプルやバイアルに充填され、市販されている。
一方、これまで輸液に用いられているプラスチック容器
は、ガスバリアー性が低く、炭酸水素塩を含有する薬液
を充填して放置すると、炭酸ガスが容器外に放出され、
水溶液中の炭酸水素イオン含量が低下し、それに伴いｐ
Ｈが上昇する等の問題点があった。そのため、炭酸水素
塩を含有する薬液を充填したプラスチック容器は実用化
されていなかった。最近、ガスバリアー性の高い包装材
でプラスチック容器を包装し、なおかつ、包装材と容器
との空間部を炭酸ガスで置換することで炭酸水素イオン
の安定性を向上させる方法が開示されている（特開平５
−４９６７５号公報、特開平５−２６１１４１号公報、
特開平６−１０５９０５号公報）。このようなガスバリ
アー性の高い包装材を利用しても、製造中、移送中など
の衝撃や接触により、包装材にピンホール等が発生した
場合、包装材のガスバリアー性の低下は避けられず、更
に包装材のガスバリアー性が低下すると、次第にプラス
チック容器内より炭酸ガスが放出されて、薬液中の炭酸
水素イオン含量が低下し、それに伴いｐＨが上昇する。
しかし、このような変化は収納体の外観からは確認でき
ないため、品質の劣化した薬液を誤って使用する危険性
がある。そして、前記薬液を使用した場合、期待した治
療効果が得られないとか、ｐＨの高い薬液を投与するこ
とによる副作用の発現などが懸念され、使用時に充分な
配慮が必要であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】従って、このような品
質の劣化した薬液を誤って使用することがないように、
包装材のガスバリアー性を外観から容易に確認できる収
納体の開発が望まれていた。
質の劣化した薬液を誤って使用することがないように、
包装材のガスバリアー性を外観から容易に確認できる収
納体の開発が望まれていた。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記課題を解決するために鋭意研究した結果、炭酸水素塩
を含有する薬液入りプラスチック容器をガスバリアー性
の高い包装材で包装した収納体において、前記容器と包
装材との空間部に脱酸素剤と酸素検知剤を収納し、かつ
前記空間部を炭酸ガスを含むガス雰囲気とした時に、包
装材のガスバリアー性が低下すると、収納体の空間部に
大気が入って酸素濃度が上昇し、酸素検知剤が変色して
包装材のガスバリアー性の低下が確認できることを見い
出し本発明を完成した。
記課題を解決するために鋭意研究した結果、炭酸水素塩
を含有する薬液入りプラスチック容器をガスバリアー性
の高い包装材で包装した収納体において、前記容器と包
装材との空間部に脱酸素剤と酸素検知剤を収納し、かつ
前記空間部を炭酸ガスを含むガス雰囲気とした時に、包
装材のガスバリアー性が低下すると、収納体の空間部に
大気が入って酸素濃度が上昇し、酸素検知剤が変色して
包装材のガスバリアー性の低下が確認できることを見い
出し本発明を完成した。
【０００５】すなわち、本発明は炭酸水素塩を含有する
薬液入りプラスチック容器がガスバリアー性の高い包装
材で包装された収納体において、前記容器と包装材との
空間部に脱酸素剤と酸素検知剤が収納され、かつ前記空
間部が炭酸ガスを含む実質的に酸素の存在しないガス雰
囲気とされている収納体を提供する。
薬液入りプラスチック容器がガスバリアー性の高い包装
材で包装された収納体において、前記容器と包装材との
空間部に脱酸素剤と酸素検知剤が収納され、かつ前記空
間部が炭酸ガスを含む実質的に酸素の存在しないガス雰
囲気とされている収納体を提供する。
【０００６】本発明に使用される炭酸水素塩を含有する
薬液は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭
酸水素塩の単独の水溶液やこれらの混合液であってもよ
く、炭酸水素イオンの濃度としては通常０．０１〜１Ｍ
の濃度範囲である。更に炭酸水素塩以外の電解質を含む
ことも可能であるが、細胞外液タイプの輸液処方として
は、特に下記の電解質イオン組成範囲が望ましい。
薬液は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭
酸水素塩の単独の水溶液やこれらの混合液であってもよ
く、炭酸水素イオンの濃度としては通常０．０１〜１Ｍ
の濃度範囲である。更に炭酸水素塩以外の電解質を含む
ことも可能であるが、細胞外液タイプの輸液処方として
は、特に下記の電解質イオン組成範囲が望ましい。
【０００７】 ナトリウムイオン １２０〜１５０ｍＥｑ／ｌ カリウムイオン ０〜 １０ｍＥｑ／ｌ カルシウムイオン ０〜 ５ｍＥｑ／ｌ マグネシウムイオン ０〜 ５ｍＥｑ／ｌ クエン酸イオン １〜 ５ｍＥｑ／ｌ 炭酸水素イオン ２０〜 ３５ｍＥｑ／ｌ また、必要に応じて上記組成の溶液に微量元素などの成
分を添加することも可能であり、その薬液のｐＨ範囲は
７．０〜７．８であるものが好ましい。
分を添加することも可能であり、その薬液のｐＨ範囲は
７．０〜７．８であるものが好ましい。
【０００８】前記電解質としては、薬理学的に許容され
るものであればいずれも使用できるが、例えば、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム、塩化ナトリウム、酢
酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、
塩化カリウム、乳酸カリウム、クエン酸カリウム、酢酸
カリウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、グリ
セロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム等をあげ
ることができる。
るものであればいずれも使用できるが、例えば、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム、塩化ナトリウム、酢
酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、
塩化カリウム、乳酸カリウム、クエン酸カリウム、酢酸
カリウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、グリ
セロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム等をあげ
ることができる。
【０００９】また本発明において、前記炭酸水素塩を含
有する薬液入りプラスチック容器をガスバリアー性の高
い包装材で包装して収納する際、脱酸素剤及び酸素検知
剤と共に少なくとも前記脱酸素剤及び酸素検知剤の周囲
に空間が存在するように収納するのが好ましい。その周
囲に空間が存在しないように包装すると、脱酸素剤の酸
素徐脱効果が悪くなり、酸素検知剤は空間部に残存する
酸素と速やかに反応して変色する。本発明において、前
記容器と包装材との空間部の酸素濃度が酸素検知剤の変
色域濃度以下、好ましくは０．５％以下にすることが必
要である。このための手段としては、炭酸ガスと不活性
ガスとの混合ガスで前記空間部を置換し、更に脱酸素剤
を併用する方法が有利である。この方法に用いられる不
活性ガスとしては、窒素ガスが好ましい。脱酸素剤とし
ては、前記容器と包装材との空間部の酸素を除去できる
ものであればいずれでもよいが、酸素吸収と同時に炭酸
ガスを放出する脱酸素剤を用いるのが好ましい。例えば
市販の三菱瓦斯化学（株）製（商品名：エージレスＧ）
等を用いることができる。
有する薬液入りプラスチック容器をガスバリアー性の高
い包装材で包装して収納する際、脱酸素剤及び酸素検知
剤と共に少なくとも前記脱酸素剤及び酸素検知剤の周囲
に空間が存在するように収納するのが好ましい。その周
囲に空間が存在しないように包装すると、脱酸素剤の酸
素徐脱効果が悪くなり、酸素検知剤は空間部に残存する
酸素と速やかに反応して変色する。本発明において、前
記容器と包装材との空間部の酸素濃度が酸素検知剤の変
色域濃度以下、好ましくは０．５％以下にすることが必
要である。このための手段としては、炭酸ガスと不活性
ガスとの混合ガスで前記空間部を置換し、更に脱酸素剤
を併用する方法が有利である。この方法に用いられる不
活性ガスとしては、窒素ガスが好ましい。脱酸素剤とし
ては、前記容器と包装材との空間部の酸素を除去できる
ものであればいずれでもよいが、酸素吸収と同時に炭酸
ガスを放出する脱酸素剤を用いるのが好ましい。例えば
市販の三菱瓦斯化学（株）製（商品名：エージレスＧ）
等を用いることができる。
【００１０】また、本発明に使用される酸素検知剤とし
ては、酸素のみに反応し、他のガスと反応しないもの、
例えば市販の三菱瓦斯化学（株）製（商品名：エージレ
スアイＣＳ）等を用いることができる。また酸素検知剤
を長期間に亙って使用する場合、炭酸ガス放出型の脱酸
素剤と併用することがより好ましい。
ては、酸素のみに反応し、他のガスと反応しないもの、
例えば市販の三菱瓦斯化学（株）製（商品名：エージレ
スアイＣＳ）等を用いることができる。また酸素検知剤
を長期間に亙って使用する場合、炭酸ガス放出型の脱酸
素剤と併用することがより好ましい。
【００１１】このように脱酸素剤と併用した場合、前記
容器と包装材との空間部の酸素濃度が０．５％以下とな
るので、酸素検知剤の効力が維持され、包装材のガスバ
リアー性の低下を確認するために長期間に亙って利用で
きる。
容器と包装材との空間部の酸素濃度が０．５％以下とな
るので、酸素検知剤の効力が維持され、包装材のガスバ
リアー性の低下を確認するために長期間に亙って利用で
きる。
【００１２】本発明に使用されるプラスチック容器とし
ては、従来使用されているポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル等の材質からなるものを用いること
ができる。更に、ガスバリアー性の高い包装材料として
は、延伸ビニロン（ＯＶ）、エチレンビニルアルコール
共重合体（ＥＶＯＨ）、ポリエチレンテレフタレート
（ＰＥＴ）、ポリ塩化ビニリデン（ＰＶＤＣ）等の材質
のものやこれらの多層フィルムからなるものを用いるこ
とができ、酸素検知剤の変色が確認できる程度の透明性
を有することが望ましい。
ては、従来使用されているポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル等の材質からなるものを用いること
ができる。更に、ガスバリアー性の高い包装材料として
は、延伸ビニロン（ＯＶ）、エチレンビニルアルコール
共重合体（ＥＶＯＨ）、ポリエチレンテレフタレート
（ＰＥＴ）、ポリ塩化ビニリデン（ＰＶＤＣ）等の材質
のものやこれらの多層フィルムからなるものを用いるこ
とができ、酸素検知剤の変色が確認できる程度の透明性
を有することが望ましい。
【００１３】前記容器と包装材との空間部の炭酸ガス濃
度は、薬液の炭酸水素イオン濃度に合わせて炭酸ガスと
窒素ガスの混合比率を適宜設定することが炭酸水素イオ
ンの安定化に必要である。具体的には、炭酸水素イオン
濃度が２０〜３５ｍＥｑ／ｌの範囲にある場合は炭酸ガ
ス濃度を５〜２０％とすればよい。
度は、薬液の炭酸水素イオン濃度に合わせて炭酸ガスと
窒素ガスの混合比率を適宜設定することが炭酸水素イオ
ンの安定化に必要である。具体的には、炭酸水素イオン
濃度が２０〜３５ｍＥｑ／ｌの範囲にある場合は炭酸ガ
ス濃度を５〜２０％とすればよい。
【００１４】
【作用】このように本発明によれば、炭酸水素塩を含有
する薬液入りプラスチック容器が脱酸素剤及び酸素検知
剤と共にガスバリアー性の高い包装材に収納されてお
り、前記容器と包装材との空間部の酸素濃度が０．５％
以下となっている。このため、酸素検知剤の安定性が良
くなり、薬液の長期保存に適用できる。また、製造中、
移送中などの衝撃や接触により包装材にピンホール等が
発生し、包装材のガスバリアー性が低下すると、酸素検
知剤の変色が収納体の外観から容易に確認できる。即
ち、薬液の長期保存中に炭酸水素イオン含量が低下し、
それに伴ってｐＨが次第に上昇した劣化品を誤って使用
する心配がないので、期待した治療効果が得られないと
か、ｐＨの高い薬液を投与することによる副作用が発現
するなどの虞を回避でき、安全性の高い薬液を提供でき
る。従って、炭酸水素塩を含有する電解質輸液剤の場合
には、特に本発明を適用するのが効果的である。
する薬液入りプラスチック容器が脱酸素剤及び酸素検知
剤と共にガスバリアー性の高い包装材に収納されてお
り、前記容器と包装材との空間部の酸素濃度が０．５％
以下となっている。このため、酸素検知剤の安定性が良
くなり、薬液の長期保存に適用できる。また、製造中、
移送中などの衝撃や接触により包装材にピンホール等が
発生し、包装材のガスバリアー性が低下すると、酸素検
知剤の変色が収納体の外観から容易に確認できる。即
ち、薬液の長期保存中に炭酸水素イオン含量が低下し、
それに伴ってｐＨが次第に上昇した劣化品を誤って使用
する心配がないので、期待した治療効果が得られないと
か、ｐＨの高い薬液を投与することによる副作用が発現
するなどの虞を回避でき、安全性の高い薬液を提供でき
る。従って、炭酸水素塩を含有する電解質輸液剤の場合
には、特に本発明を適用するのが効果的である。
【００１５】
【実施例】以下、実施例、試験例に基づいて本発明をよ
り詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
り詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【００１６】〔実施例１〕表１に示した各成分を常温で
蒸留水に溶解し、溶液中に炭酸ガスを吹き込んでｐＨを
６．８に調整後、この溶液を孔径０．２２μｍのメンブ
ランフィルターで濾過した。これをポリエチレン製のプ
ラスチック容器に５００ｍｌずつ充填し、常法にしたが
って高圧蒸気滅菌を行った。冷却後、前記薬液入りプラ
スチック容器を脱酸素剤（三菱瓦斯化学（株）製エージ
レスＧ）及び酸素検知剤（三菱瓦斯化学（株）製エージ
レスアイＣＳ）と共に包装材（エチレンビニルアルコー
ル共重合体、クラレ（株）製エバールなどからなる多層
フィルム）に収納し、包装材との空間部を炭酸ガスと窒
素ガスとの混合ガス（１５：８５）により置換し、ヒー
トシールで密封することにより炭酸水素塩含有薬液入り
プラスチック容器の収納体を製造した。
蒸留水に溶解し、溶液中に炭酸ガスを吹き込んでｐＨを
６．８に調整後、この溶液を孔径０．２２μｍのメンブ
ランフィルターで濾過した。これをポリエチレン製のプ
ラスチック容器に５００ｍｌずつ充填し、常法にしたが
って高圧蒸気滅菌を行った。冷却後、前記薬液入りプラ
スチック容器を脱酸素剤（三菱瓦斯化学（株）製エージ
レスＧ）及び酸素検知剤（三菱瓦斯化学（株）製エージ
レスアイＣＳ）と共に包装材（エチレンビニルアルコー
ル共重合体、クラレ（株）製エバールなどからなる多層
フィルム）に収納し、包装材との空間部を炭酸ガスと窒
素ガスとの混合ガス（１５：８５）により置換し、ヒー
トシールで密封することにより炭酸水素塩含有薬液入り
プラスチック容器の収納体を製造した。
【００１７】
【表１】
【００１８】〔実施例２〕炭酸水素ナトリウム７０．０
ｇを蒸留水に溶解し、全量を１０００ｍｌとした点を除
き、実施例１と同様に操作して炭酸水素塩含有薬液入り
プラスチック容器の収納体を製造した。
ｇを蒸留水に溶解し、全量を１０００ｍｌとした点を除
き、実施例１と同様に操作して炭酸水素塩含有薬液入り
プラスチック容器の収納体を製造した。
【００１９】〔試験例１〕前記実施例１で製造した収納
体の包装材の表面に注射針（１８ゲージ）で１ヶ所穴を
あけた。そして、経時的に酸素検知剤の色の変化、薬液
のｐＨ、炭酸水素イオン含量及び収納体空間部の酸素濃
度を測定した。その結果を表２に示した。
体の包装材の表面に注射針（１８ゲージ）で１ヶ所穴を
あけた。そして、経時的に酸素検知剤の色の変化、薬液
のｐＨ、炭酸水素イオン含量及び収納体空間部の酸素濃
度を測定した。その結果を表２に示した。
【００２０】
【表２】
【００２１】上記の結果から、包装材のガスバリアー性
の低下に伴い薬液のｐＨが大きく変化する前に、収納体
空間部の酸素濃度が上昇し、酸素検知剤の色が変化して
炭酸水素イオンの含量低下を確認することができた。ま
た、この変化を溶液の外観からは観察することができな
かった。
の低下に伴い薬液のｐＨが大きく変化する前に、収納体
空間部の酸素濃度が上昇し、酸素検知剤の色が変化して
炭酸水素イオンの含量低下を確認することができた。ま
た、この変化を溶液の外観からは観察することができな
かった。
【００２２】〔試験例２〕前記実施例１で製造した収納
体を４０℃で１カ月間保存した。また、評価は薬液のｐ
Ｈ、炭酸水素イオン含量及び収納体の空間部の炭酸ガス
濃度を測定して行った。その結果を表３に示した。
体を４０℃で１カ月間保存した。また、評価は薬液のｐ
Ｈ、炭酸水素イオン含量及び収納体の空間部の炭酸ガス
濃度を測定して行った。その結果を表３に示した。
【００２３】
【表３】
【００２４】上記の結果より、薬液のｐＨ、炭酸水素イ
オン含量及び収納体空間部の炭酸ガス濃度に大きな変化
はなく、また酸素検知剤の色にも変化は認められなかっ
た。従って、酸素検知剤が長期間の保存に対して安定で
あることが明らかとなった。
オン含量及び収納体空間部の炭酸ガス濃度に大きな変化
はなく、また酸素検知剤の色にも変化は認められなかっ
た。従って、酸素検知剤が長期間の保存に対して安定で
あることが明らかとなった。
【００２５】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば炭酸水素
塩を含有する薬液入りプラスチック容器の包装材のガス
バリアー性の低下が、酸素検知剤の変色を指標として確
認できるので、炭酸水素イオン含量が低下し、ｐＨが上
昇した薬液を誤って使用することが未然に防止できる。
塩を含有する薬液入りプラスチック容器の包装材のガス
バリアー性の低下が、酸素検知剤の変色を指標として確
認できるので、炭酸水素イオン含量が低下し、ｐＨが上
昇した薬液を誤って使用することが未然に防止できる。
【図１】本発明の炭酸水素塩を含有する薬液入りプラス
チック容器の収納体の正面図である。
チック容器の収納体の正面図である。
１ 炭酸水素塩を含有する薬液 ２ ガスバリアー性の高い包装材 ３ 酸素ガス検知剤 ４ 脱酸素剤 ５ プラスチック容器 ６ プラスチック容器２とガスバリアー性の高い包装材
３との空間部
３との空間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ａ６１Ｋ 33/10 //(Ａ６１Ｋ 33/10 31:19）
Claims (4)
- 【請求項１】 炭酸水素塩を含有する薬液入りプラスチ
ック容器がガスバリアー性の高い包装材で包装された収
納体において、前記容器と包装材との空間部に脱酸素剤
と酸素検知剤が収納され、かつ前記空間部が炭酸ガスを
含む実質的に酸素の存在しないガス雰囲気とされている
ことを特徴とする収納体。 - 【請求項２】 薬液が、下記成分を下記の組成範囲内で
含有し、そのｐＨが７．０〜７．８であることを特徴と
する請求項１に記載の収納体。 ナトリウムイオン １２０〜１５０ｍＥｑ／ｌ カリウムイオン ０〜 １０ｍＥｑ／ｌ カルシウムイオン ０〜 ５ｍＥｑ／ｌ マグネシウムイオン ０〜 ５ｍＥｑ／ｌ クエン酸イオン １〜 ５ｍＥｑ／ｌ 炭酸水素イオン ２０〜 ３５ｍＥｑ／ｌ - 【請求項３】 薬液入りプラスチック容器と包装材との
空間部の炭酸ガス濃度が５〜２０％であることを特徴と
する請求項１又は２に記載の収納体。 - 【請求項４】 薬液入りプラスチック容器と包装材との
空間部の酸素濃度が０．５％以下であることを特徴とす
る請求項１〜３のいずれかに記載の収納体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33340794A JP3243387B2 (ja) | 1994-12-14 | 1994-12-14 | 炭酸水素塩含有薬液入りプラスチック容器の収納体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33340794A JP3243387B2 (ja) | 1994-12-14 | 1994-12-14 | 炭酸水素塩含有薬液入りプラスチック容器の収納体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08164185A true JPH08164185A (ja) | 1996-06-25 |
| JP3243387B2 JP3243387B2 (ja) | 2002-01-07 |
Family
ID=18265773
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33340794A Expired - Lifetime JP3243387B2 (ja) | 1994-12-14 | 1994-12-14 | 炭酸水素塩含有薬液入りプラスチック容器の収納体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3243387B2 (ja) |
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997048365A1 (fr) * | 1996-06-17 | 1997-12-24 | Otsuka Pharmaceutical Factory, Inc. | EMBALLAGE POUR RECIPIENT A MEDICAMENT LIQUIDE CONTENANT DU BICARBONATE ET UN INDICATEUR DE pH |
| WO1998035228A1 (en) * | 1997-02-07 | 1998-08-13 | Baxter International Inc. | System for preserving and delivering gas-containing solutions |
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