JPH11124329A - カルボプラチン水溶液製剤 - Google Patents

カルボプラチン水溶液製剤

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JPH11124329A
JPH11124329A JP22642998A JP22642998A JPH11124329A JP H11124329 A JPH11124329 A JP H11124329A JP 22642998 A JP22642998 A JP 22642998A JP 22642998 A JP22642998 A JP 22642998A JP H11124329 A JPH11124329 A JP H11124329A
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JP
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container
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carboplatin
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oxygen
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Jun Motoyama
順 本山
Michinobu Nakano
美智信 中野
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カルボプラチン水溶液の保存安定性の良い、小
型化が可能であり、かつ調剤者にとって安全な製剤を提
供する。 【解決手段】酸素透過性の良い樹脂容器に収納したカル
ボプラチン水溶液製剤を完成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗癌剤として用い
られるカルボプラチン水溶液製剤に関するものであり、
医薬の分野で利用される。
【0002】
【従来の技術】市販されているカルボプラチン注射製剤
は、凍結乾燥による用時溶解型の粉末製剤または少量の
溶解液を用いる濃度1%の水溶液製剤である。これらの
製剤は患者に投与する前に生理食塩液または5%ブドウ
糖液などで溶解、または希釈して用いる。この再溶解や
希釈の操作は無菌的であることが要求されており、調製
時に微生物や異物が薬液内に混入することは避けなけれ
ばならない。また、薬物が細胞毒性を有するために調剤
者の安全を守る面から、薬液の注射筒での吸排時におけ
る薬物の外界への放出も避けなければならない。このた
め、調製操作には細心の注意が必要で、細胞毒性を有す
るカルボプラチン注射剤は使われる毎に調剤者に負担を
与えていた。
【0003】上記の様な吸排時の製剤の汚染や薬物の外
界放出による調剤者の薬物曝露を防ぐために、例えば水
溶液のプレフィルドシリンジ製剤化によって調剤を簡略
化する事が考えられたが、次に示すような理由でプレフ
ィルドシリンジ製剤の開発は不可能であった。
【0004】まず第一に、ガラス容器にカルボプラチン
水溶液を内容積に対して100%近い充填率で保存する
と沈殿を生じる。第二に沈殿が生じないように充分な空
間部を保持した容器にカルボプラチン水溶液を充填する
と容器が大型化するため製剤の取扱が不便になり、また
薬物の外界放出の危険性も高くなる。
【0005】通常プレフィルドシリンジ製剤は、迅速な
使用の必要性と体内に空気を注入することの危険性か
ら、予め容器内容積に対してほぼ100%の薬液が充填
されている。これに対しカルボプラチン水溶液は、ガラ
ス製容器内に100%充填すると沈殿が析出する。従っ
てこのような形態での製剤の開発は不可能であった。
【0006】次にカルボプラチン水溶液の安定性は、容
器内の空気(酸素)の存在によって向上することから、
空気または酸素ガスで占められた充分な空間部を持った
プレフィルドシリンジ製剤が考えられた。しかしながら
安定化のために必要な体積の空間部を設けると容器が大
型化して取扱が不便になることや、注射筒内の空気抜き
をしたときに抗癌剤が外部へ放出し、調剤者が薬物で汚
染される危険性があり、抗癌剤のプレフィルドシリンジ
製剤化の目的に反するため、このような開発も不可能で
あった。
【0007】特開平7−53368によると、カルボプ
ラチン水溶液の安定化のためには、容器中の液体及び上
部空間を空気または酸素でパージすること、そして容器
中の液体が全体容積の50%以下、即ち液体で満たされ
ていない空気酸素容積または上部空間が容器の全容積の
50%以上であることが好ましいとされている。
【0008】そこで沈殿を生じないガラス製のプレフィ
ルドシリンジ製剤を製造するためには空間部を設けるの
が必須であり、カルボプラチン水溶液では、安定化のた
めに容器内容積の50%以上の空気量を必要とするため
通常より大きな容器が必要となる。例えば50mLの製
剤では、別に50mLの空間部が必要であり合計100
mL以上の内容積が必要となる。このような大きなプレ
フィルドシリンジ製剤では、注射筒の内径が必然的に増
加し薬液の注入に必要な力も大きくなるため、取り扱い
が難しくなる。
【0009】また、注射筒内の空間部が大きいと輸液と
混合するためにも空気を抜く操作が必要となり、操作が
煩雑となる。さらに、カルボプラチンの様な細胞毒性を
有する化合物の製剤においては、シリンジ内の空気抜き
などの操作は、少量とはいえ注射針に入っていた薬液を
外へまき散らす可能性があり、安全性の面からも行わな
い方がよい。
【0010】つまり、空間部を持ったプレフィルドシリ
ンジ製剤は、抗癌剤の調剤操作上の問題などから開発す
ることが不適当であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】予め容器内にカルボプ
ラチン水溶液とその安定化に必要な量の空気(酸素)を
パージすること等により共存させなくとも溶液の安定性
を向上させる保存方法を開発し、例えばプレフィルドシ
リンジ製剤化を可能とすることで医療機関での有用性の
ある注射剤を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々研究
の結果、上述の課題を解決する手段を見い出し、本発明
を完成した。
【0013】即ち、(1)酸素透過性の樹脂製容器に収
納したカルボプラチン水溶液製剤、(2)樹脂製容器の
酸素透過係数が後記定義の方法で測定した場合、0.5
×10-172/Pa・sec以上であり、上限は特に限
定されないが、好ましくは25×10-172/Pa・s
ec以下である上記(1)の製剤、(3)カルボプラチ
ン水溶液の濃度が0.1〜20mg/mLである上記
(1)または(2)の製剤、(4)カルボプラチン水溶
液の容積が、容器の全内容積に対して50%以上である
上記(1)、(2)または(3)の製剤、(5)樹脂が
ポリアルキレン系樹脂またはポリビニル系樹脂である上
記(1)、(2)、(3)または(4)の製剤、(6)
樹脂がポリメチルペンテン(TPX)、ポリプロピレン
(PP)、ポリエチレン(PE)またはポリ塩化ビニル
(PVC)である上記(1)、(2)、(3)、(4)
または(5)の製剤、(7)容器がプレフィルドシリン
ジである上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)
または(6)の製剤、(8)容器がボトルまたはバッグ
である(1)、(2)、(3)、(4)、(5)または
(6)の製剤、に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明において、酸素透過性の樹脂容器とは、そ
の材質が酸素透過性の良好なものであれば特に限定され
ない。好ましくは、例えばポリメチルペンテン(TP
X)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)
等のポリアルキレン系樹脂、ポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリ酢酸ビニル等のポリビニル系樹脂が挙げられ
る。特に、TPX、PP、PE、PVCが好ましい。本
発明で用いる容器においてその酸素透過係数は次の方法
で測定した場合に0.5×10-172/Pa・sec以
上であることが好ましく、より好ましくは、1.0×1
-172/Pa・sec以上であり、1.3×10-17
2/Pa・sec以上であることが特に好ましい。上
限は特に限定されないが、25×10-1 72/Pa・s
ec以下であることが好ましい。
【0015】酸素透過係数の測定法:本発明において酸
素透過係数とは、次の測定方法で測定した値をいう。酸
素透過係数を調べたい材質でできたバイアルやシリンジ
等の容器を用意し、予め内容積を十分窒素置換し密栓し
た後、所定温度(50℃)の恒温槽内にこれを静置す
る。一定期間(2週間)経過後、容器内の気体を採取し
ガスクロマトグラフ法によってその気体組成を分析す
る。増加した酸素の組成比から次式を用いて容器の酸素
透過係数を算出する。
【0016】
【数1】 0:実験前、容器内の酸素組成比 x1:実験後、容器内の酸素組成比 xair:空気中の酸素組成比(0.21) V:容器内容積(m3) l:容器壁厚み(m) A:容器内表面積(m2) t:時間(sec) P0:全圧(大気圧1.013×105Pa)
【0017】容器に収納されるカルボプラチン溶液の濃
度は特に限定されないが、通常0.1〜20mg/m
L、好ましくは1〜18mg/mL、特に好ましくは5
〜16mg/mLである。溶液のpHは特に限定されな
いが通常5〜8、より好ましくは5〜7程度である。
【0018】本発明の容器に収納するカルボプラチン溶
液の量は、通常容器の内容積に対して50%以上であ
り、好ましくは70〜100%、より好ましくは、90
〜100%である。
【0019】本発明に用いる容器の形状は、バイアル、
プレフィルドシリンジ、バッグ、ボトル等いずれでも良
く、またその内容積も特に限定されず、通常1〜150
0mL、好ましくは3〜500mL、特に好ましくは5
〜100mLである。また、容器の壁厚は、使用する材
質等により異なるので一概に言えないが、容器としての
強度をもち、酸素の透過性が良好であればよく、通常
0.05mm〜5mm、より好ましくは0.1mm〜2
mm程度である。
【0020】本発明の製剤は、抗癌剤として用いられる
が、1回あたり通常輸液250mL〜500mLと共に
投与され、カルボプラチンとしては150mg〜450
mg投与される。カルボプラチンと輸液をあらかじめ混
合して通常のバッグ製剤に製しても良いが、配合安定性
の良い輸液を選択する必要があり、例えばブドウ糖液の
他にマンニトール、ソルビトール、キシリトール等の糖
アルコール液を用いることができる。また、ピーエヌツ
イン(ヘキストマリオンルセル製)のようなカルボプラ
チンと輸液を別々に収める複室を持つバッグ製剤に製し
ても良い。
【0021】本発明の製剤は、容器内に予め空気(酸
素)をパージすること等をしなくとも安定であり、沈殿
が析出することもない。また、容器の内容積に対して1
00%の溶液を充填することができ、製剤の小型化が可
能である。
【0022】本発明により、例えばプレフィルドシリン
ジ製剤またはバッグ製剤とすることもでき、以下に示す
点から調製時の操作が簡略化され、安全な製剤を作製で
きる。また、調剤に用いる器具の数なども削減できる。
【0023】水溶液の製剤であっても、バイアルから薬
剤を吸入した後、輸液の容器に注入混合させる必要があ
り、バイアルからの薬剤の吸排時に薬物の飛散などが起
り得る。
【0024】これに対し本発明のプレフィルドシリンジ
製剤の場合、これらの吸排操作が不要となり、そのまま
輸液容器に注入するだけで済むため薬剤飛散の機会を減
らせる。また、吸排等に用いるシリンジが必要なくな
り、抗癌剤で汚染された廃棄物の点数も減らせる。更に
調製に必要な時間も短縮できる。
【0025】更に、薬剤を吸排する回数の減少により、
調製時に薬剤が汚染を受ける機会が減少すると共に、調
剤者の薬剤被曝の機会も減少する。このように、細胞毒
性を有するような本剤では操作性の良い形態に収納する
ことは特に意義がある。また、バッグ製剤の場合、上記
と同様の効果(更に輸液容器に注入するということも必
要なくなる)が得られる。
【0026】以下に本願発明に関する試験例について述
べる。
【0027】参考試験例1:酸素不透過性容器における
水溶液の安定性に対する充填溶液量の影響。 カルボプラチン水溶液の安定性に対する容器内容積に対
する溶液容量の影響を50℃で調べた。10mg/mL
のカルボプラチン水溶液をつくり、ガラスバイアルに無
菌的に、溶液量がバイアル容積のそれぞれ60、70、
80、85、90、95、100%となるように充填、
密封し、遮光した状態で保存した。結果を表1に示す。
【0028】安定性評価については、水溶液の外観変化
を目視により観察すると共に、高速液体クロマトグラフ
(HPLC)法を用いて、水溶液中のカルボプラチン濃
度を経時的に測定した。
【0029】カルボプラチン定量のためのHPLC条件 カラム:イナートシル ODSー2 (GL Scie
nces Inc.製) 検出:220nm 注入量:10μL 試料濃度:約1mg/mL 温度:25℃付近の一定温度 移動層:0.2%リン酸2水素ナトリウム水溶液/メタ
ノール(100:1) 移動速度:1mL/分 操作時間:25−30分
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果は、酸素不透過性容器の場合、
カルボプラチン水溶液の安定性が容器の内容積に対する
溶液の充填量に影響されることを示している。溶液の充
填量(%)が増えるほど沈殿析出までにかかる時間が早
くなり、それに伴ってカルボプラチン残存%の低下も著
しかった。
【0032】高い溶液充填量の試料(充填量90%−1
00%)では、溶液が黒色変化した後に銀色沈殿を析出
した。比較的空間部の多い試料(充填量60%−70
%)では、溶液は黄色く変色した後変化はあまり大きく
なかった。このことは、カルボプラチン水溶液の安定性
に容器内の空気容量が大きく関わっているためと考えら
れた。
【0033】参考試験例2:容器の酸素透過係数 前記定義の方法に従って各種材質のバイアル容器の酸素
透過係数を測定した。容器内を十分窒素置換し密閉した
ガラス製(参考例1で用いたバイアル)、アペル1)
(実施例1で用いたバイアル)、PP製(実施例2で用
いたバイアル)のバイアルを50℃の恒温槽に1ヶ月間
静置し、容器内の気体組成変化から酸素透過係数を測定
した。結果を表2に示す。 1):三井石油化学工業(株)製の環状オレフィンコポ
リマー樹脂の商標名
【0034】
【表2】
【0035】試験例1:容器の材質(酸素透過係数)の
違いによる水溶液の安定性 カルボプラチン水溶液を満液(充填量100%)に充填
したとき、容器の材質が安定性に与える影響を50℃で
調べた。カルボプラチン10mg/mLの水溶液をつく
り、ガラス製(参考例1で用いたバイアル)、アペル製
(実施例1で用いたバイアル)、PP製(実施例2で用
いたバイアル)のバイアルにそれぞれ満液に充填(参考
例1、実施例1及び2)、密封し遮光状態で保存し、参
考試験例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】表2及び表3の結果より、容器材質(酸素
透過係数)の違いによる安定性への影響は明らかであ
る。樹脂製の容器を用いることによって、沈殿は起こら
なかった。しかしながら、比較的酸素透過係数の小さい
アペル製は、PP製と比べるとカルボプラチン含量の低
下が大きかった。このことから樹脂容器を用いてカルボ
プラチン水溶液を保存する場合でも、酸素透過性の高い
ものを用いる方が好ましい事がわかる。
【0038】試験例2:注射筒の材質(酸素透過係数)
の違いによる水溶液安定性 予め前記の方法で50℃の恒温槽に2週間静置して注射
筒(胴径:約2cm;壁厚み:1mm)の酸素透過係数
を測定した。ガラス製(参考例2)のシリンジ、PP製
(実施例3)のシリンジ、TPX製(実施例4)のシリ
ンジはそれぞれ0.05×10-172/Pa・sec未
満、4.0×10-172/Pa・sec、10.7×1
-172/Pa・secであった。それらの注射筒に濃
度が10mg/mLのカルボプラチン水溶液を10mL
空気が混入しない様に充填し(参考例2、実施例3及び
4)、50℃恒温槽に遮光して保存した場合の水溶液の
安定性を調べた。結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】プレフィルドシリンジで保存した場合、ガ
ラス製シリンジに比べ、酸素透過係数が大きい樹脂製シ
リンジに保存したカルボプラチン水溶液の安定性は、著
しく高かった。PP製に比べ酸素透過係数の大きいTP
X製のシリンジでは、よりカルボプラチン残存度が高
く、プレフィルドシリンジ製剤にするのにより適してい
ることがわかる。
【0041】また、酸素透過性の高い容器にカルボプラ
チン水溶液を保存した場合、同時に容器の水蒸気透過性
も高くなる可能性があり、製剤中の水分が幾分損失する
可能性がある。その場合は、二次包装によって水蒸気透
過を防ぐ事が好ましい。
【0042】
【実施例】以下に参考例及び実施例を挙げて本発明を更
に詳しく説明するが、これらは本発明を限定するもので
はない。 参考例1 10mg/mLカルボプラチン水溶液を作成し、この溶
液をガラスバイアル(不二硝子製、30φ×60、容器
内容積26.4mL、容器内表面積51.9cm2、容
器壁厚み1mm)に容器内容積に対し満液充填した。
【0043】参考例2 10mg/mLカルボプラチン水溶液を作成し、この溶
液をガラスシリンジ(ベクトンディキンソン製、17
φ、容器内容積15mL、容器内表面積41.8c
2、容器壁厚み1mm)に15mL充填した。
【0044】実施例1 10mg/mLカルボプラチン水溶液を作成し、この溶
液をアペルバイアル(三井石油化学工業試作、30φ×
60、容器内容積28.9mL、容器内表面積51.9
cm2、容器壁厚み1mm)に容器内容積に対し満液充
填した。
【0045】実施例2 10mg/mLカルボプラチン水溶液を作成し、この溶
液をPPバイアル(ニッショー試作、30φ×60、容
器内容積33.0mL、容器内表面積56.5cm2
容器壁厚み1mm)に容器内容積に対し満液充填した。
【0046】実施例3 10mg/mLカルボプラチン水溶液を作成し、この溶
液をPPシリンジ(ニッショー試作、22φ、容器内容
積15mL、容器内表面積33.1cm2、容器壁厚み
1mm)に、15mL充填した。
【0047】実施例4 10mg/mLカルボプラチン水溶液を作成し、この溶
液をTPXシリンジ(ニッショー試作、22φ、容器内
容積15mL、容器内表面積33.1cm2、容器壁厚
み1mm)に、15mL充填した。
【0048】
【発明の効果】本発明の製剤は、容器内に予め空気(酸
素)を共存させなくとも安定であり、沈殿が析出するこ
ともない。そのため容器の内容積に対して100%の溶
液を充填することができ、製剤の小型化が可能である。
本発明を利用することによって例えばプレフィルドシリ
ンジ製剤や、バッグ製剤においても必要以上に大きすぎ
ない製剤をつくることができる。これによって、細胞毒
性を持つ抗癌剤の調製作業に簡便性を与えた製剤を提供
することができ、また抗癌剤によって汚染された廃棄物
の量を減らすことも可能となった。
【0049】本発明を利用したプレフィルドシリンジ製
剤は、使用時に容器内から空気抜きをすることを必要と
せず、その場合抗癌剤を外界に放出することがなく調剤
者にとっても、安全な製剤となる。本発明によって、カ
ルボプラチン水溶液の保存のために必要な容器容積の制
約をなくし、医療機関にとって有用な製剤の提供が可能
となった。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素透過性の樹脂製容器に収納したカルボ
    プラチン水溶液製剤。
  2. 【請求項2】樹脂製容器の酸素透過係数が本文定義の方
    法で測定した場合に0.5×10-172/Pa・sec
    以上である請求項1の製剤
  3. 【請求項3】カルボプラチン水溶液の濃度が0.1〜2
    0mg/mLである請求項1または2の製剤。
  4. 【請求項4】カルボプラチン水溶液の容積が、容器の全
    内容積に対して50%以上である請求項1、2または3
    の製剤。
  5. 【請求項5】樹脂がポリアルキレン系樹脂またはポリビ
    ニル系樹脂である請求項1、2、3または4の製剤。
  6. 【請求項6】樹脂がポリメチルペンテン、ポリプロピレ
    ン、ポリエチレンまたはポリ塩化ビニルである請求項
    1、2、3、4または5の製剤。
  7. 【請求項7】容器がプレフィルドシリンジである請求項
    1、2、3、4、5または6の製剤。
  8. 【請求項8】容器がボトルまたはバッグである請求項
    1、2、3、4、5または6の製剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007074641A1 (ja) * 2005-12-29 2007-07-05 Nipro Corporation 白金錯体を含有する水溶液医薬製剤

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