JP2003299712A - 眼灌流・洗浄液の複室容器封入体、及びその包装体 - Google Patents

眼灌流・洗浄液の複室容器封入体、及びその包装体

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JP2003299712A
JP2003299712A JP2002107865A JP2002107865A JP2003299712A JP 2003299712 A JP2003299712 A JP 2003299712A JP 2002107865 A JP2002107865 A JP 2002107865A JP 2002107865 A JP2002107865 A JP 2002107865A JP 2003299712 A JP2003299712 A JP 2003299712A
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chamber container
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Tsukasa Yoda
司 依田
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器内の薬剤の残量が少なくなった場合であ
っても、残量を正確に視認することができる眼灌流・洗
浄液の複室容器封入体、及びその包装体を提供する。 【解決手段】 オキシグルタチオン及びデキストロース
から選ばれる少なくとも1種を含む薬液又は固形剤が封
入された第1収納部9と、第1収納部9と連結され、ガ
ス非透過性材料で構成されるとともに、重炭酸イオンを
含む薬液が封入された第2収納部11と、前記第1及び
第2収納部9,11とを連通可能に仕切る仕切り用封止
部13とを備え、第1収納部9は、薬剤の排出口15が
設けられるとともに、保形性を有する材料で構成されて
いることを特徴とする眼灌流・洗浄液の複室容器封入
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼科手術時の眼内
及び眼外の灌流、洗浄等に用いられる重炭酸イオン及び
グルタチオン及び/又はデキストロースを含む液を用時
混合して調整するための各成分を、安定に収容した眼灌
流・洗浄液の複室容器封入体、及びこれを包装材に収容
してなる眼灌流・洗浄液の複室容器包装体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】この種の眼灌流・洗浄液の複室容器包装
体としては、例えば本出願人による特開2000−28
1147公報に示されているものがある。この眼灌流・
洗浄液の複室容器包装体は、薬剤を収納する2つの収納
部を備えた複室容器と、pH指示薬を含む溶液を含有す
るピンホール検知剤と、上記複室容器及びピンホール検
知剤を収容する包装材とを備えている。
【0003】複室容器は、ガス透過性プラスチックから
なる2枚のフィルムを、周縁部を融着して袋状に形成し
たものであり、各収納部には、オキシグルタチオン及び
デキストロースから選ばれる少なくとも1種を含む薬液
又は固形剤と、重炭酸イオンを含む薬液(以下、「重炭
酸イオン液」という)とがそれぞれ封入されており、こ
れら収納部が弱シール部を介して連通可能に連結されて
いる。弱シール部は、いずれか一方の収納部内の圧力を
高めることで開封可能となっており、弱シール部を開封
すると各収納部内の薬剤が混合される。混合後の薬剤
は、一方の収納部に設けられた排出口から排出可能とな
っている。
【0004】複室容器を収納する包装材は、ガス非透過
性プラスチックで袋状に構成されており、複室容器と包
装材との間の空間が炭酸ガス雰囲気とされている。この
構成により、重炭素イオン液から発生する炭酸ガスが、
大気中へ揮散するのを防止できるとともに、重炭素イオ
ン液のpH値を一定に保持することができる。また、包
装材の中にはピンホール検知剤が配置されている。この
検知剤は、炭酸ガスを吸収及び放出することによって起
こる重炭酸イオン液のpH変化を色調変化として指示す
ることができる。そのため、包装材にピンホールが発生
した場合に、炭酸ガスの漏出を色調変化により指示する
ことができる。
【0005】上記複室容器を使用する際には、まず、複
室容器を包装材から取り出した後、弱シール部を開封す
る。これにより2つの収納部が連通し、薬剤が混合され
て洗浄液が生成される。そして、排出口に導管を連結
し、導管を経た洗浄液を白内障手術、硝子体手術、緑内
障手術等における眼内及び眼外の灌流、洗浄に使用す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記複室容
器は、2枚のフィルムを貼り合わせて袋状にしたもので
あるため、容器中の洗浄液が少なくなると、両フィルム
が貼り付き、しかも洗浄液の表面張力によって実際の残
液量よりもはるかに多い液が残っているように見え、さ
らに、薬液の残量が50〜100ml程度になると、導
管から排出される薬液の流速が遅くなることがあった。
そのため、薬液を常時流し続けなければならない上記の
ような手術においては、薬液の残量が50〜100ml
程度となったときに、容器を交換するのだが、この容器
の交換時期を見定めにくいという問題があった。したが
って、上記のような手術では、残量を正確に確認でき、
視認性がよく、しかも流速変化の少ない複室容器が要望
されていた。
【0007】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、容器内の薬剤の残量が少なくなった場
合であっても、残量を正確に視認することができる眼灌
流・洗浄液の複室容器封入体、及びその包装体を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る眼灌流・洗
浄液の複室容器封入体は、上記課題を解決するためにな
されたものであり、オキシグルタチオン及びデキストロ
ースから選ばれる少なくとも1種を含む薬液(以下、
「GSSG/GLU液」という)又は固形剤(以下、
「GSSG/GLU固形剤」という)が封入されたA室
と、該A室に連結され、ガス非透過性材料で構成される
とともに、重炭酸イオンを含む薬液(以下、「重炭酸イ
オン液」という)が封入されたB室と、前記A室とB室
とを常時は閉じ、使用時は連通可能とするように仕切る
仕切り用封止部とを備え、前記A室及びB室のいずれか
一方は、薬剤の排出口が設けられるとともに、この室の
少なくとも一部が保形性を有することを特徴とする眼灌
流・洗浄液の複室容器封入体を提供するものである。
【0009】上記のように保形性を有するには、例え
ば、室を構成する材料自体を硬質材料で構成したり、或
いは硬質材料からなる部材を取り付けることにより室を
構成する材料を補強する方法が挙げられる。
【0010】また、本発明に係る眼灌流・洗浄液の複室
容器封入体は、GSSG/GLU液が封入されたA室
と、該A室に連結され、重炭酸塩を含む固形剤(以下、
「重炭酸固形剤」という)が封入されたB室と、前記A
室とB室とを常時は閉じ、使用時は連通可能とするよう
に仕切る仕切り用封止部とを備え、前記A室及びB室の
いずれか一方は、薬剤の排出口が設けられるとともに、
この室の少なくとも一部が保形性を有することを特徴と
する眼灌流・洗浄液の複室容器封入体を提供するもので
ある。
【0011】また、本発明に係る眼灌流・洗浄液の複室
容器封入体は、GSSG/GLU固形剤と、重炭酸固形
剤とが封入されたA室と、該A室に連結され、溶解液が
封入されたB室と、前記A室とB室とを常時は閉じ、使
用時は連通可能とするように仕切る仕切り用封止部とを
備え、前記A室及びB室のいずれか一方は、薬剤の排出
口が設けられるとともに、この室の少なくとも一部が保
形性を有することを特徴とする眼灌流・洗浄液の複室容
器封入体を提供するものである。
【0012】また、本発明に係る眼灌流・洗浄液の複室
容器封入体は、GSSG/GLU固形剤が封入されたA
室と、該A室に連結され、重炭酸固形剤が封入されたB
室と、前記A室及びB室の少なくとも一方に連結され、
溶解液が封入されたC室と、前記A室、B室、及びC室
を、常時は閉じ使用時は連通可能とするように仕切る仕
切り用封止部とを備え、前記A室、B室、及びC室のい
ずれか一つは、薬剤の排出口が設けられるとともに、こ
の室の少なくとも一部が保形性を有することを特徴とす
る眼灌流・洗浄液の複室容器封入体を提供するものであ
る。
【0013】上記複室容器において、前記A室に封入さ
れる薬液は、更にカルシウムイオン及びマグネシウムイ
オンから選ばれる少なくとも1種を含むものとすること
ができる。
【0014】また、前記A室に封入される固形剤は、更
にカルシウム塩及びマグネシウム塩から選ばれる少なく
とも1種を含むものとすることができる。
【0015】前記B室に封入される固形剤は、更にカル
シウム塩及びマグネシウム塩から選ばれる少なくとも1
種を含むものとすることができる。
【0016】また、本発明に係る眼灌流・洗浄液の複室
容器包装体は、複数の薬剤が収納された複室容器をガス
非透過性材料からなる包装材で包装した包装体であっ
て、前記複室容器は、GSSG/GLU液又はGSSG
/GLU固形剤が封入されたA室と、該A室と連結さ
れ、ガス透過性材料で構成されるとともに重炭酸イオン
液が封入されたB室と、前記A室とB室とを常時は閉
じ、使用時は連通可能とするように仕切る仕切り用封止
部とを備え、前記A室及びB室のいずれか一方は、薬剤
の排出口が設けられるとともに、この室の少なくとも一
部が保形性を有しており、上記複室容器と包装材との間
の空間部は炭酸ガス雰囲気とされており、且つ該空間部
には前記包装材におけるピンホールの発生を検知するピ
ンホール検知剤が配置されていることを特徴とする眼灌
流・洗浄液の複室容器包装体を提供するものである。
【0017】前記包装体において、前記A室に封入され
る薬液は、更にカルシウムイオン及びマグネシウムイオ
ンから選ばれる少なくとも1種を含むものとすることが
できる。
【0018】また、前記A室に封入される固形剤は、更
にカルシウム塩及びマグネシウム塩から選ばれる少なく
とも1種を含むものとすることができる。
【0019】前記包装体において、前記B室に封入され
る薬液は、更にカルシウムイオン及びマグネシウムイオ
ンから選ばれる少なくとも1種を含むものとすることが
でき、さらに、B室は、クエン酸イオンを含むものとす
ることができる。
【0020】また、上記各複室容器は、カルシウムイオ
ン及びマグネシウムイオンから選ばれる少なくとも1
種、好ましくは両者を含む薬液(以下、「Ca/Mg
液」という)、或いはカルシウム塩及びマグネシウム塩
から選ばれる少なくとも1種、好ましくは両者を含む固
形剤(以下、「Ca/Mg固形剤」という)を封入した
室を更に有するものとすることができる。
【0021】上記眼灌流・洗浄液用複室容器封入体及び
包装体において、保形性を有する部分の容積は、例え
ば、少なくとも20,30,40,50,60,70,
80,90,100mlとすることができる。
【0022】さらに、上記封入体において使用される溶
解液は、複室容器に収納した各固形剤が、速やかに溶解
し、眼組織への使用に際して無害である溶液であれば、
いずれも有利に使用できる。溶解液として好適な例は、
例えば、注射用水、生理食塩水、注射用水に等張化剤
(塩化ナトリウム、塩化カリウムなど)及び/または緩
衝剤(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸水素二ナ
トリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリ
ウム、リン酸二水素カリウムなど)などを添加した溶液
が挙げられる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る眼灌流・洗浄
液の複室容器封入体、及びその包装体の実施形態につい
て図面を参照しつつ説明する。以下の説明においては、
複数の実施形態を通じて、同一又は同種の部分には、同
一符号を付して説明を省略することがある。
【0024】以下の実施形態における眼灌流・洗浄液と
しては、GSSG/GLU液又は固形剤GSSG/GL
U固形剤、及び重炭酸イオン液又は重炭酸固形剤から構
成されるものを使用する。さらに、所望によりCa/M
g液又はCa/Mg固形剤から構成されるものを使用す
ることができる。
【0025】なお、本明細書においてイオン及び塩濃度
の表示は、特に明記する場合を除いて、複室容器におけ
る各収納部の内容物を混合して調整される眼灌流・洗浄
液のイオン及び塩濃度(無水物換算とする)を示すもの
とする。
【0026】1.眼灌流・洗浄液の複室容器包装体 (実施形態1−1)まず、本発明に係る眼灌流・洗浄液
の複室容器包装体の一実施形態について図面を参照しつ
つ説明する。図1は本実施形態に係る眼灌流・洗浄液の
複室容器包装体を示す平面図である。
【0027】図1に示すように、この眼灌流・洗浄液の
複室容器包装体1は、GSSG/GLU液及び重炭酸イ
オン液が封入された複室容器3と、この複室容器3を収
容する包装材5と、包装材5におけるピンホールの発生
を検知するピンホール検知剤7とを備えている。
【0028】複室容器3は、GSSG/GLU液が封入
される第1収納部(A室)9と、重炭酸イオン液が封入
される第2収納部(B室)11とを備えており、これら
収納部9,11は、開封可能な仕切り用封止部13を介
して連通可能に連結されている。第1収納部9は、硬質
材料で構成されており、一端部に薬剤を排出するための
排出口15が設けられている。第1収納部9を構成する
硬質材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン等の硬質プラスチックを挙げることができるが、内部
の薬剤の残量が変化しても保形性を維持できる材料で構
成されていれば特に限定されるものではない。
【0029】第2収納部11は、ガス透過性プラスチッ
クフィルムを袋状に形成したものであり、例えばポリエ
チレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、或いはこれらを適当な比率で配合
したもので構成することができる。第2収納部11の端
部には、容器3を支柱等に吊り掛けるための吊掛孔17
が形成されている。
【0030】仕切り用封止部13は、使用前に第1収納
部9と第2収納部11とを隔離するとともに、使用に際
して開封し2つの収納部9,11を連通させるためのも
のである。この仕切り用封止部13としては、例えば、
フィルムを熱融着してシール部を形成したもの、凸条と
凹条とを凹凸嵌合させるもの、外部からの力によって破
断しやすいように一部分が薄く形成された膜状のもの
等、種々のもので構成することができる。封止部13を
開封するためには、例えば第2収納部11を手で押圧
し、収納部11内の圧力を高めることによって行うこと
ができる。
【0031】上記収納部9,11に封入されたGSSG
/GLU液及び重炭酸イオン液の各液は、それぞれ、オ
キシグルタチオン及び/又はデキストロース、及び重炭
酸イオンを必須成分として、他にそれぞれ、カルシウム
イオン及びマグネシウムイオンから選ばれる少なくとも
1種を含ませることができる。特に重炭酸イオン液にカ
ルシウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる少
なくとも1種を含ませる場合には、沈殿防止のために更
にクエン酸イオンを含ませる。また、上記カルシウムイ
オン及びマグネシウムイオンから選ばれる少なくとも1
種は、上記GSSG/GLU液及び重炭酸イオン液とは
別個に、Ca/Mg液として調整して、例えば複室容器
3に設けられる第3の収納部に封入することもできる。
【0032】これら各成分の組成は適宜決定することが
できる。即ち、各収納部封入成分を混合した液が従来よ
り汎用されているこの種の眼内灌流、洗浄液の組成と同
様のもの又は之等を若干変更したものとすることができ
る。代表的な眼灌流・洗浄液組成例としては、以下のも
のを例示することができる。すなわち、上記眼灌流・洗
浄液は、1000ml当たりに下記許容範囲、より好ま
しくは下記好適範囲から選ばれる各成分を含有されるよ
うに調整される。
【0033】 成分 許容範囲(g) 好適範囲(g) オキシグルタチオン 0〜0.5 0〜0.3 デキストロース 0.4〜1.8 0.7〜1.65 炭酸水素ナトリウム 1.5〜2.5 1.9〜2.3 塩化カルシウム(無水物として) 0.09〜0.17 0.1〜0.15 塩化マグネシウム又は硫酸マグネシウム (いずれも無水物として) 0.07〜0.18 0.08〜0.16 また、クエン酸イオンを含ませる場合には、以下のよう
にするのが好ましい。
【0034】 成分 許容範囲(g) 好適範囲(g) オキシグルタチオン 0〜0.5 0〜0.3 デキストロース 0.4〜1.8 0.7〜1.65 炭酸水素ナトリウム 1.5〜2.5 1.9〜2.3 塩化カルシウム(無水物として) 0.09〜0.17 0.1〜0.15 塩化マグネシウム又は硫酸マグネシウム (いずれも無水物として) 0.07〜0.18 0.08〜0.16 クエン酸ナトリウム(無水物として) 0.4〜1.4 0.7〜1.1 GSSG/GLU液、重炭酸イオン液及びCa/Mg液
には、更に例えばリン酸イオン、銅、亜鉛等の微量金属
のイオン等を含ませることもできる。
【0035】また、GSSG/GLU液中には、塩化ナ
トリウムや塩化カリウム等を加えてナトリウムイオン、
カリウムイオン及び塩素イオン等を含ませるのがよい。
之等の配合量は、通常塩化ナトリウムでは約0.5〜
0.9w/v%、好ましくは約0.6〜0.8w/v%の範囲
であるのがよく、塩化カリウムでは約0.02〜0.0
5w/v%、好ましくは約0.025〜0.045w/v%の
範囲であるのが望ましい。尚、上記ナトリウムイオン及
びカリウムイオンは、重炭酸イオン液及びCa/Mg液
中にも適宜加えることができる。
【0036】重炭酸イオン液中に配合される重炭酸イオ
ンを生ずる化合物は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ア
ンモニウム、炭酸水素カリウム、その他の炭酸水素塩の
いずれでもよく、之等は水溶液形態で用いられる。ま
た、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸イオ
ンを生じる炭酸塩水溶液は、之等を炭酸塩として添加し
ても、調製される薬液のpH範囲では重炭酸イオンを生
じるため、之等も上記重炭酸イオンを生じる化合物とし
て重炭酸イオン液に添加配合することができる。之等各
水溶液の重炭酸イオン濃度は、特に限定されるものでは
ないが、通常15〜50mM程度の範囲にあるのが普通
であり、これは例えば炭酸水素ナトリウム水溶液の場
合、約0.1〜0.4w/v%の濃度に相当する。特に好
ましい炭酸水素ナトリウム水溶液の濃度範囲は、約0.
16〜0.24w/v%である。
【0037】GSSG/GLU液及び重炭酸イオン液に
適宜添加配合でき、またCa/Mg液を構成し得る、カ
ルシウムイオンを生じる化合物及びマグネシウムイオン
を生じる化合物としては、例えばカルシウム及びマグネ
シウムの塩化物、硫酸塩等のこの種眼灌流・洗浄液に慣
用されるもののいずれであってもよい。
【0038】重炭酸イオン液にカルシウムイオン及び/
又はマグネシウムイオンと共に添加配合されるクエン酸
イオンは、得られる液中に共存する重炭酸イオンとカル
シウムイオンやマグネシウムイオンとの反応によって炭
酸カルシウムや炭酸マグネシウムの沈殿が生成するのを
防止する作用を奏し得る。即ち、クエン酸イオンは、カ
ルシウムイオンやマグネシウムイオンとキレートを作
り、之等カルシウムイオン等が炭酸イオンと直接結合す
るのを阻止する作用を奏する。かかる作用を奏し得る化
合物としては、例えばクエン酸ナトリウム等のクエン酸
塩を例示できる。その配合量は、通常クエン酸塩として
約0.35〜2w/v%の範囲、より好ましくは約0.5
〜1.2w/v%の範囲から選ばれるのがよい。
【0039】重炭酸イオン液は、含有される重炭酸イオ
ンの安定性を考慮して、通常、適当なpH調整剤、例え
ば水酸化ナトリウム、塩酸等を用いてpHを約7.0〜
9.0、好ましくは約7.0〜8.5の範囲に調整され
るのがよい。また、該液には、更に緩衝作用を有する例
えばリン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム等の緩衝剤を添加すること
もでき、これにより急激なpH変化を防止することがで
きる。かかる緩衝剤は、複室容器の各収納部内薬液を混
合したときに充分な緩衝能を発揮できる濃度で用いられ
るのがよい。該濃度は、例えばリン酸水素二ナトリウム
を例にとれば、約0.03〜0.06w/v%、好ましく
は約0.035〜0.05w/v%の範囲から選ばれるの
がよい。また、酢酸ナトリウムでは、約0.02〜0.
06w/v%、好ましくは約0.03〜0.05w/v%の範
囲から選ばれるのがよい。
【0040】一方、GSSG/GLU液は、該液中のオ
キシグルタチオン及び/又はデキストロースを安定に保
持するために、通常上記と同様のpH調整剤を用いてp
H約2.5〜6.5の範囲、好ましくは約3.0〜6.
0の範囲に調整されるのがよい。該液にも、上記と同様
に、緩衝作用を有する酢酸ナトリウムや酢酸カリウム等
の緩衝剤を添加することができる。
【0041】また、Ca/Mg液は、カルシウム及び/
又はマグネシウムの沈殿の生成を確実に防止するため
に、通常上記と同様のpH調整剤を用いてpH約3.5
〜5.5の範囲、好ましくは約4.0〜5.0の範囲に
調整されるのが望ましい。該液にも上記と同様に緩衝作
用を有する酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸二水
素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等の緩衝剤を添加
することができる。
【0042】また、本実施形態においては、上記GSS
G/GLU液に代えて、GSSG/GLU固形剤を利用
することができる。また、上記Ca/Mg液に代えてC
a/Mg固形剤を利用することもできる。
【0043】GSSG/GLU固形剤には、オキシグル
タチオン及びデキストロースから選ばれる少なくとも1
種を必須成分として、更にカルシウム塩及びマグネシウ
ム塩から選ばれる少なくとも1種を含有させることがで
きる。また、Ca/Mg固形剤は、カルシウム塩及びマ
グネシウム塩から選ばれる少なくとも1種、好ましくは
両者を用いて調整できる。かかるカルシウム塩及びマグ
ネシウム塩としては、この種眼灌流・洗浄液に慣用され
る通常のもののいずれでもよい。その例としてはカルシ
ウム及びマグネシウムの塩化物、硫酸塩等を例示でき
る。
【0044】GSSG/GLU固形剤及びCa/Mg固
形剤には、更に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン
酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸
水素二カリウム、リン酸二水素カリウム等のナトリウム
塩、カリウム塩、リン酸塩等並びに銅、亜鉛等の微量金
属の塩等を添加することができる。之等の添加量は、之
等を混合して得られる眼灌流・洗浄液中の之等イオン濃
度が前述した範囲となる量とすればよい。
【0045】之等の固形剤は、その構成成分化合物を、
通常入手される形態、例えば粉末形態で単に混合して粉
末形態に調整してもよく、各成分混合物を常法に従い賦
形して細粒、顆粒、錠剤等の形態に調整することもでき
る。また、各成分を水その他の適当な溶媒に溶解した溶
液を通常の方法に従い凍結乾燥して得られる凍結乾燥粉
末等の形態とすることもできる。
【0046】上記複室容器を収容する包装材5は、ガス
非透過性プラスチック材料で構成されている。ここにい
う「ガス非透過性」とは、厳密にガスを透過しないとい
う意味ではなく、そのガス透過性が複室容器のそれより
も相対的に小さいことを意味している。例えば上記複室
容器3の第2収納部11と同一の材質でもその厚みが大
きい場合には、本実施形態にいうガス非透過性プラスチ
ック包装材として利用することができる。かかる包装材
としては、通常のもの、例えばポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンビニ
ルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデ
ン(PVDC)、ナイロン等の材質のものや、之等の表
面に更に酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機物を蒸着
させたものや、之等各種材質の多層フィルム(ラミネー
トフィルム)からなるものを例示できる。なお、上記の
ように複室容器3と包装材5とを、ガス透過性及びガス
非透過性の関係とするための各材料の酸素透過性の一例
を挙げると、複室容器が100〜1000cc/m2・24hrs
/1atm、包装材が10cc/m2・24hrs/1atm以下となるよう
に構成するのが好ましい。
【0047】なお、包装材の形状及び大きさは、上記複
室容器3を収容できることを前提として特に制限されな
い。但し、次に説明するように、この収容後に複室容器
3との間を炭酸ガス雰囲気とすることのできる空間部が
存在し得る形状及び大きさとされるのが好ましく、一般
には、上記複室容器3の約1.2〜3倍容量程度の大き
さであるのが望ましい。
【0048】上記のように複室容器3と包装材5との間
の空間部19は炭酸ガス雰囲気とされており、これによ
り第2収納部11の炭酸ガスと平衡状態を形成する。し
たがって、収納部11内のpH値を一定に維持すること
ができる。ここで、空間部19を炭酸ガス雰囲気とする
ための手段としては、例えば、まず第1に炭酸ガスと空
気との混合ガスや炭酸ガスと窒素ガスとの混合ガス等の
炭酸ガスを含有する混合ガスを上記空間部19に封入す
る方法を採用できる。この方法において、用いられる混
合ガスの炭酸ガス濃度は、複室容器3に充填される眼灌
流・洗浄液の種類、特にその炭酸水素イオン濃度及びp
Hに応じて適宜決定される。例えば上記液として炭酸水
素ナトリウム2.1gを滅菌精製水に溶解させて全量を
1リットルとした水溶液を選ぶ場合、該水溶液の炭酸水
素イオン濃度は25mMであり且つpHは8.2であ
り、この値を保持するためには、上記混合ガス雰囲気の
炭酸ガス濃度を約0.5〜20%程度とするのがよい。
【0049】本実施形態における重炭酸イオン液の炭酸
水素イオン濃度及びpHは、一般に15〜50mM程度
及び7.0〜9.0程度であるから、上記空間部19の
炭酸ガス分圧は、通常約1mmHg〜250mmHgの範囲に調
整されるのがよく、これに応じて上記混合ガス中の炭酸
ガスの含有比率を選択するのが好ましい。より詳しく
は、製造後の重炭酸イオン液のpHが所定の範囲内にあ
る場合には、空間部19に封入する炭酸ガスは該薬液の
炭酸ガス分圧にほぼ等しくなるようにすればよい。
【0050】また、空間部19を炭酸ガス雰囲気とする
ための他の手段としては、例えば上記空間部19に存在
する酸素ガスを吸収し、この吸収量に対して一定割合の
容積の炭酸ガスを放出する、炭酸ガス発生型脱酸素剤
を、空間部19に封入する手段を挙げることができる。
この炭酸ガス発生型脱酸素剤としては、例えば三菱瓦斯
化学株式会社製「エージレスG」及び同「エージレスG
M」や凸版印刷株式会社製の鮮度保持剤Cタイプ等を例
示することができる。之等は通常入手される形態のまま
で空間部19に封入して用いることができる。
【0051】本実施形態に従う、眼灌流・洗浄液のバッ
グへの充填、滅菌、包装材による包装等は、通常の注射
液の製造方法と同様にして容易に行なうことができる。
【0052】また、複室容器3と包装体5との間の空間
部19には、ピンホール検知剤7が配置されている。
【0053】ピンホール検知剤7は、pH指示薬を含む
水溶液又は有機溶媒溶液を担体に保持させてなることを
特徴としており、これを複室容器3と包装材5との間の
空間部19に配置することによって、ピンホール発生等
による該空間部19からの炭酸ガスの漏出を、色調変化
によって指示することができる。
【0054】該ピンホール検知剤7において用いられる
pH指示薬としては、ピンホール検知剤7の炭酸ガス吸
収及び放出によって起こるpH変化を、色調変化として
指示できる各種の酸・塩基指示薬から選択することがで
きる。該pH指示薬の色調は、炭酸ガスが存在する場合
には酸性色を有しており、該ガスが漏出した場合には塩
基性色に変化する。
【0055】特に好ましい上記pH指示薬は、更に(1)
変色域が狭いこと、(2)発色強度が大きいこと、(3)変色
の方向が適切であること(目立たない色から目立つ色
へ)、(4)衛生性に優れること(物質自体の安全性が高
く、移行性がないこと)、(5)安定性がよく、長期に亘
って初期の変色能を保持すること等の性質を具備するも
のから選択されるのがよい。
【0056】上記pH指示薬の例としては、例えばm−
クレゾールパープル、チモールブルー、クレゾールレッ
ド、フェノールフタレイン、ブロモチモールブルー、フ
ェノールレッド、ジブロムフェノールテトラブロム、メ
チルチモールブルー、アリザリン、キシリトールオレン
ジ、ブロモフェノールレッド、コンゴーレッド、アリザ
リンスルホン酸ナトリウム等を例示できる。之等は1種
を単独で用いることもでき、また必要に応じて2種以上
を併用することもできる。之等の内では特にm−クレゾ
ールパープル(pH7.4〜9.0で黄色から紫色に変
色)、チモールブルー&クレゾールレッド(pH8.3
付近で黄色から紫色に変色)、フェノールフタレイン
(pH8.3〜10.0で無色からピンク色に変色)、
コンゴーレッド(pH3.0〜5.0で青色から赤色に
変色)が好ましい。
【0057】上記pH指示薬は、水溶液形態又は有機溶
媒溶液形態で用いられる。ここで有機溶媒としては、例
えばエタノール、メタノール、アセトン、之等の混合溶
剤を使用することができる。
【0058】本実施形態に利用するピンホール検知剤7
におけるpH指示薬が塩基性色に発色するもの、即ちア
ルカリ域で変色するものの場合、該ピンホール検知剤7
には、更に塩基性化含物を含ませることができる。該塩
基性化合物としては、例えばアルカリ金属又はアルカリ
土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩等
が挙げられる。之等は含水塩でもよく、無水塩でもよ
い。より具体的には、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素
二ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等
が挙げられる。之等の中でも、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム及び水酸化ナト
リウムが好ましい。之等塩基性化合物は、その1種を単
独で用いることができ、また2種以上を併用することも
できる。その配合量は適当なpHに調整できるものであ
ればよく、通常得られるピンホール検知剤中に2w/w%
程度までで充分である。
【0059】また、本実施形態に利用するピンホール検
知剤7には、適宜保湿剤を添加配合することができる。
該保湿剤は、従来よりよく知られている各種のものでよ
い。その例としては、例えば、グリセリン、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール等を1種単独で又
は2種以上混合して用いることができる。その配合量
は、特に限定されるものではないが、通常調製される溶
液中に、10%(w/v%、以下同じ)程度迄の濃度とな
る量とされるのがよい。この添加配合は、得られるピン
ホール検知剤7の水分活性保持に有効である。
【0060】本実施形態のピンホール検知剤7は、上記
pH指示薬を含む水溶液又は有機溶媒溶液を担体に保持
させることにより調製される。ここで用いられる担体
は、上記水溶液又は有機溶媒溶液を含浸保持でき且つそ
の中のpH指示薬及び塩基性化合物、更に得られるピン
ホール検知剤7に吸収される炭酸ガスと反応しないもの
であることを前提として、適宜選択することができる。
より好ましくは、該担体は、pH指示薬の変色の目視確
認を妨げない淡色乃至白色又は白色に近い色であり、p
H指示薬のpH指示能を妨げない適度の吸湿性を有して
いるもの乃至保持できるものであるのがよい。かかる担
体としては、例えば濾紙、結晶セルロース、珪藻土、タ
ルク、モンモリロナイト、ベントナイト、カオリナイ
ト、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、澱粉等
が例示できる。
【0061】該担体への上記水溶液又は有機溶媒溶液の
保持は、常法に従い単に両者を接触させることにより行
ない得る。水溶液又は有機溶媒溶液の担体への保持量
は、特に限定されるものではないが、通常5〜70重量
%程度の範囲から選ばれるのが適当である。
【0062】かくして、本実施形態に利用するピンホー
ル検知剤7を得ることができる。該ピンホール検知剤7
を構成する各成分の割合(濃度)は、用いる各成分の種
類や得られる検知剤のpH等に応じて適宜決定され、特
に制限されるものではないが、通常、pH指示薬は0.
001〜1.0%(重量%、以下同じ)程度の範囲、塩
基性化合物の水溶液又は有機溶媒溶液は1〜70%程度
まで、保湿剤は0.1〜10%程度の範囲、担体は約3
0〜95%の範囲から選択されるのが適当である。特
に、得られるピンホール検知剤は、その水分含量が0.
3%程度以上の範囲であるのが好ましい。
【0063】上記の如くして調製されるピンホール検知
剤は、通常、殆ど流動性のないペースト状乃至半固体状
形態或いは粉末形態を含む固体状を有しており、それ
故、そのままの形態で、包装体1の空間部19に配置す
ることができ、これによって、迅速に所望のピンホール
検知を行なうことができる。これに対して、例えば液状
形態のものでは、気密性の高いプラスチック製小袋等に
封入して上記空間部19に配置する必要があるが、かか
る使用ではプラスチック製小袋の炭酸ガス透過性に依存
して、該小袋に封入された検知剤の炭酸ガス量変化が、
空間部の炭酸ガス量の変化よりかなり遅れて生じること
となり、速やかなピンホール検知はできない不利があ
る。
【0064】上記ピンホール検知剤7の空間部19への
配置の例としては、例えば粉末状形態のピンホール検知
剤では、これを更に例えばプレス成形等によって適当な
形状に賦形し、得られる成型物を、そのまま上記空間部
に配置する方法を例示できる。また、ペースト状乃至半
固体及び固体状のピンホール検知剤は、流動性がないの
で、そのまま上記空間部に配置することができる。之等
ペースト状形態等を有するものは、更に例えば適当な孔
をあけた小袋等(気密性を有しない)に収容して空間部
19に配置することもできる。かかる小袋は、該包装体
の製造、移送時等における落下、荷積みの際の圧迫等に
よって該小袋の破損等が起こっても、液体とは異なって
内容物がこぼれ出て製品を汚す危険はない。
【0065】ピンホール検知剤7を、上記の如く適当な
小袋に収容して利用する場合、該小袋は、より好ましく
は炭酸ガス透過性及び透明性の高いプラスチックフィル
ム製等であるのがよい。その例としては、例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン(外側)とポリエチレン(内
側)とのラミネートフィルム、ポリ−4−メチル−1−
ペンテン(外側)とポリエチレン(内側)とのラミネー
トフィルム等を例示できる。上記小袋の好ましい使用例
としては、例えば上記フィルムに直径約50μm以上の
孔を1箇所以上あけたものを例示することができる。
【0066】かかる小袋の大きさ、形状は、これにピン
ホール検知剤7が収容できればよく、特に限定されな
い。通常、前記に例示した大きさのプラスチック製小袋
の場合を例にとれば、その大きさは、外寸縦約1〜5cm
×横約1〜5cmの袋状形態であることができる。
【0067】上記小袋へのピンホール検知剤7の収容
は、常法に従って、例えば、縦型3方シール機、縦型ピ
ロー包装機、ロータリーパッカー等を用いて製袋し、こ
れにピンホール検知剤成分を収容し、シールを連続して
行なう方法によることができる。
【0068】尚、上記ピンホール検知剤7は、通常その
色調変化が充分に目視確認できる鮮明なものであるた
め、特に必要ではないが、その色調変化をより一層鮮明
なものとするため、適当な色素を適宜添加配合すること
もできる。例えば無色(白色基材の利用によれば白色)
から赤色に変色するフェノールフタレインを利用したピ
ンホール検知剤では、これに青色系色素を添加すること
によって、青色から紫色への変色としてピンホールを検
知することができる。
【0069】上記ピンホール検知剤7は、pH値の変化
から炭酸ガスの漏出を検知し、これによってピンホール
が生じていることを検知するようにしているが、ピンホ
ール検知剤はこれ以外の種々の構成をとることができ
る。例えば、包装材5に流入する酸素を検知すること
で、ピンホールの発生を検知することができる酸素検知
剤を用いることもできる。この酸素検知剤としては、例
えば、三菱ガス化学社製のエージレスアイを例示でき
る。
【0070】上記ピンホール検知剤7を包装体5の空間
部19に配置するに当たっては、単に複室容器3とピン
ホール検知剤とを一緒に、ガス非透過性プラスチック包
装材で二次包装することにより行うことができ、その配
置位置は、ピンホール検知剤が二次包装材による包装後
にも外部から目視できる限り特に限定はない。かくし
て、眼灌流・洗浄液の複室容器包装体を得ることができ
る。
【0071】上記のように構成された包装体1を使用す
るには、包装材5を開封して複室容器3を取り出した
後、仕切り用封止部13を開いて2つの収納部9,11
を連通させる。これにより、GSSG/GLU液と重炭
酸イオン液とが混合し、眼灌流・洗浄液が生成される。
続いて、吊掛孔17を支柱等の突起に引っ掛けて複室容
器3を吊り下げ、このとき下方に位置する第1収納部9
の排出口15に導管を刺入して眼灌流・洗浄液を排出さ
せる。
【0072】このように複室容器3を使用した場合、第
1収納部9が下方に配置されるため、眼灌流・洗浄液の
残量が少なくなるにつれて、その液面は第2収納部11
内から排出口15の配置された第1収納部9内へと移動
する。この過程において従来であれば、容器全体が軟質
のフィルムで構成されていたため、残量が僅かになった
ときには、フィルム同士が全体的に貼り付き、しかも洗
浄液の表面張力のために実際の残液量よりもはるかに多
い液が残っているように見える場合があり、正確な液面
の位置を読みとることができなかった。これに対して、
本実施形態では、第2収納部11がフィルムで構成され
ているが、この第2収納部11は保形性を有する第1収
納部9と連結されているため、少なくともこの保形性を
有する部分においては内部に空間を有する形状に保持さ
れる。そのため、第2収納部11内の薬液が少なくなっ
ても、フィルム全体が貼り付くのを防止することができ
る。したがって、薬液が減少しても液面を確実に視認す
ることができ、新たな容器への交換を的確に行うことが
できる。また、このようにすることで、排出される薬液
の流速が遅くなる前に、容器の交換を行うことができ
る。
【0073】本実施形態では、GSSG/GLU液或い
はGSSG/GLU固形剤を第1収納部9に封入し、重
炭酸イオン液を第2収納部11に封入しているが、第1
収納部1がガス透過性の材料で構成される場合には、こ
れらを入れ換えて重炭酸イオン液を第1収納部9に封入
することもできる。このようにしても、上記と同様に薬
液の残量を確実に視認できるとともに、ピンホール検知
剤7により炭酸ガスの漏出を検知することができる。こ
の場合、第1収納部9が本発明のB室となり、第2収納
部11が本発明のA室となる。
【0074】本実施形態における複室容器3及び包装材
5の容積は、複室容器3が包装材5に収納できれば、特
に限定されるものではないが、例えば、複室容器を20
0〜500ml、包装材を300〜800mlとするこ
とができる。また、複室容器3において第1収納部9を
構成する材料の厚さは、例えばEVOH(エチレンビニ
ルアルコール)、PEN(ポリエチレンナフタレード)
を使用する場合、2〜5mm程度にすることができ、第
2収納部11は、例えばPE(ポリエチレン)、PP
(ポリプロピレン)を使用する場合、200〜300μ
mとすることができる。また、包装材5としては、多層
構造のものを使用することができ、例えばNY(ナイロ
ン)/PET−Al23(アルミナ蒸着ポリエチレンテ
レフタラート)/LLPDE(直鎖状低密度ポリエチレ
ン)からなるものを使用する場合、NYを20μm,P
ET−Al23を10μm,LLPDEを80μmとす
ることができる。
【0075】本実施形態では、眼灌流・洗浄液を生成す
るために重炭酸イオン液を使用するとともに、この薬液
をガス透過性フィルムからなる第2収納部11に収納し
ている。そのため、炭酸ガスの漏出を防止するために
は、複室容器3を収容する包装材5及び炭酸ガスの漏出
を検知するピンホール検知剤7を必ず使用する必要があ
る。しかしながら、複室容器全体をガス非透過性材料で
構成して炭酸ガスの漏出を防止したり、或いは炭酸ガス
が発生しない重炭酸固形剤を使用すると、上記包装材5
及びピンホール検知剤7は不要になる。以下の実施形態
では、包装材及びピンホール検知剤を使用しない眼灌流
・洗浄液の複室容器封入体について説明する。なお、以
下の実施形態で使用するGSSG/GLU液、GSSG
/GLU固形剤、及び重炭酸イオン液は、上記実施形態
で説明したものと同様のものを使用することができるた
め、詳しい説明は省略する。また、上記と同様にCa/
Mg液或いはCa/Mg固形剤も使用することができ
る。
【0076】2.眼灌流・洗浄液の複室容器封入体 (実施形態2−1)次に、本発明に係る眼灌流・洗浄液
の複室容器封入体の第1の実施形態について図面を参照
しつつ説明する。図2は、本実施形態に係る複室容器封
入体の平面図である。
【0077】図2に示すように、本実施形態に係る複室
容器封入体は、複室容器3及びその内部に収納される薬
剤とからなる。複室容器3は、上記包装体で使用した複
室容器とほぼ同様の構成であるが、次の点で相違してい
る。すなわち、この複室容器3は、ガス非透過性の材料
で構成されており、重炭酸イオン液からの炭酸ガスの漏
出を防止している。このようにガス非透過性とするため
には、上記した包装材と同様に、容器を構成するフィル
ム或いはプラスチックの厚みを大きくしたり、他のフィ
ルムで覆って多層構造にすることで行うことができる
が、酸素透過性が例えば10cc/m2・24hrs/1atm以下で
ある材料で構成するのが好ましい。但し、排出口15が
設けられている第1収納部9は、上記した包装体と同様
に保形性を有している。
【0078】また、第1収納部(A室)9にはGSSG
/GLU液或いはGSSG/GLU固形剤が封入され、
第2収納部(B室)11に重炭酸イオン液が封入されて
いる。但し、上記包装体と同様に、これらを入れ換えて
使用することもできる。この場合は、第1収納部9が本
発明のB室になり、第2収納部11が本発明のA室にな
る。
【0079】本実施形態では、上記の包装体と同様に、
第1収納部9が保形性を有する材料で構成されているた
め、2つの薬剤を混合した眼灌流・洗浄液の排出時に、
第2収納部11内の残量を確実に視認することができ
る。さらに、複室容器3全体をガス非透過性の材料で構
成しているため、炭酸ガスの漏出を防止することができ
る。そのため、複室容器3を収容する包装材やピンホー
ル検知剤が不要となる。
【0080】本実施形態では、複室容器全体をガス非透
過性材料で構成しているが、必ずしもこのようにする必
要はなく、炭酸ガスの漏出を防止できるように、少なく
とも重炭酸イオン液を封入するいずれか一方の収納部を
ガス非透過性材料で構成していればよい。
【0081】(実施形態2−2)次に、本発明に係る眼
灌流・洗浄液の複室容器封入体の第2の実施形態につい
て説明する。本実施形態では、図2に示すような実施形
態2−1と同様の複室容器を使用するが、内部に封入す
る薬剤を次のようにしている。すなわち、第2収納部1
1(B室)に、重炭酸イオン液に換えて重炭酸固形剤を
封入する。このように固形剤を使用するため、第1収納
部9(A室)には薬液、つまりGSSG/GLU液を封
入する。なお、重炭酸固形剤とGSSG/GLU液と
は、上記各実施形態と同様に、封入する収納部を入れ換
えることができる。
【0082】上記構成によれば、重炭酸固形剤を使用す
るため、炭酸ガスが発生しない。そのため、上記実施形
態2−1と同様に包装材及びピンホール発生剤が不要に
なる。また、炭酸ガスが発生しない固形剤を使用してい
るため、複室容器3をガス非透過性材料で構成する必要
がなく、任意の材料を使用することができる。また、排
出口15が設けられた第1収納部9の構成は、上記実施
形態2−1と同様であるため、残量を確実に視認できる
複室容器封入体を提供することができる。
【0083】(実施形態2−3)次に、本発明に係る眼
灌流・洗浄液の複室容器封入体の第3の実施形態につい
て説明する。本実施形態では、図2に示すような実施形
態2−2と同様の複室容器を使用し、内部に封入する薬
剤を、重炭酸固形剤、GSSG/GLU固形剤、及び注
射用水としている。
【0084】上記薬剤は、重炭酸固形剤とGSSG/G
LU固形剤とを同一の収納部、つまり第1収納部9(A
室)に封入し、注射用水を第2収納部11(B室)に封
入する。但し、上記と同様に、収納部の入れ換えを行う
ことができる。
【0085】仕切り用封止部13を開封すると、重炭酸
固形剤及びGSSG/GLU固形剤が注射用水に溶解さ
れて眼灌流・洗浄液が生成され、第1収納部9の排出口
15から排出される。
【0086】この実施形態によれば、上記第2の実施形
態と同様の効果を得ることができる。つまり、炭酸ガス
を排出しない重炭酸固形剤を使用しているため、包装材
及びピンホール検知剤が不要となる。また、同様の容器
を使用しているため、容器内の薬剤の残量を確実に視認
することができる。また、炭酸ガスが発生しない固形剤
を使用しているため、複室容器3をガス非透過性材料で
構成する必要がなく、任意の材料を使用することができ
る。なお、本実施形態では、重炭酸固形剤とGSSG/
GLU固形剤とを溶解するために注射用水を使用してい
るが、これに限定されるものではない。すなわち、固形
剤を速やかに溶解し、眼組織に対して無害のものであれ
ばよく、例えば、生理食塩水、或いは注射用水に等張化
剤や緩衝剤などを添加した溶液を用いることができる。
【0087】また、本実施形態では、重炭酸固形剤とG
SSG/GLU固形剤とを同一の収納部9に封入してい
るが、これらを別々に収納するようにしてもよい。例え
ば、図3に示すように、第2収納部11と連通可能な第
3収納部21を仕切り用封止部23を介して設け、第1
収納部9に重炭酸固形剤、第2収納部11にGSSG/
GLU固形剤、第3収納部21に注射用水をそれぞれ封
入してもよい。収納場所は、上記以外であっても、各薬
剤が1つの収納部にそれぞれ封入されるようにしていれ
ばよい。
【0088】以上、本発明の実施形態を説明したが、本
発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の
変更が可能である。例えば、複室容器において、排出口
15が形成された第1収納部9の形状及び材質は、内部
の薬剤に影響を与えない限りは、保形性を有するもので
あれば、特に限定されない。また、必ずしも第1収納部
9全体が保形性を有するように構成しなくてもよく、図
4に示すように、容器交換を行うべき残量が確実に分か
るように、第1収納部9の一部が保形性を有するように
構成されていればよい。図4は、第1収納部9を下にし
て薬液を排出する様子を示す図である。例えば図4
(a)に示すように、第1収納部9の排出口15から容
器交換を行うべき残量分までの部分のみを硬質プラスチ
ック30で構成することができる。
【0089】或いは、図4(b)に示すように、仕切り
用封止部13の近傍のみを硬質プラスチック30で構成
することもできる。この場合、硬質プラスチック30の
近傍は、容器の形状が一定の保持されるため、液面が硬
質プラスチック30の近傍にある場合には、残量を確実
に視認することができる。この例では、排出口15から
硬質プラスチック30までの部分tは保形性を有してい
ないが、薬液が充填されているため、ある一定の形状に
は保持され、フィルム等で構成されていても貼り付くこ
とはない。
【0090】また、図4(c)に示すように、2枚のフ
ィルムを貼り合わせた複室容器3に対しても適用するこ
とができ、第1収納部9の排出口15から所定の容量部
分を保形性を有する材料30で構成することもできる。
以上のように保形性を有するようにするためには、第1
収納部9自体を硬質プラスチックのような保形性を有す
る材料で構成してもよいし、或いは、保形性を有する部
材を第1収納部9に取り付けて補強するようにしてもよ
い。なお、保形性を有する部分の形状は、例えば内部に
空間が形成されるような環状にすることができる。
【0091】また、第2収納部11は、内部に薬剤を収
納できるものであれば、その形状及び材質とも特に限定
されない。例えば、上記したフィルム以外の軟質材料で
もよいし、硬質材料で構成することもできる。但し、使
用に際して仕切り用封止部13を開封できるように構成
する必要がある。
【0092】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る眼灌流・洗浄液の複室容器封入体、及びその包装
体によれば、排出口が形成されたA室或いはB室の少な
くとも一部が保形性を有しているため、例えば排出口が
形成されていない室が軟質のフィルム等で構成されてい
る場合に、容器中の薬液の残量が減少しても、薬液の残
量を確実に視認することができる。すなわち、A室とB
室との連結部分は、一方の室が保形性を有することによ
り、内部に空間を有する形状に保持される。したがっ
て、軟質フィルムで構成される他方の室では、薬液が減
少してもフィルム全体が貼り付くのが防止される。その
結果、薬液が減少しても液面を確実に視認することがで
き、新たな容器への交換を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る眼灌流・洗浄液の複室容器包装体
の一実施形態を示す平面図である。
【図2】本発明に係る眼灌流・洗浄液の複室容器封入体
の第1の実施形態を示す平面図である。
【図3】本発明に係る眼灌流・洗浄液の複室容器封入体
の第3の実施形態の別の態様を示す平面図である。
【図4】本発明に係る眼灌流・洗浄液の複室容器封入体
の他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 眼灌流・洗浄液の複室容器包装体 3 複室容器 5 包装材 7 ピンホール検知剤 9 第1収納部(A室) 11 第2収納部(B室) 13 仕切り用封止部 15 排出口 30 硬質プラスチック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 B65D 81/20 F A61P 27/04 81/24 D B65D 81/20 81/32 D 81/24 A61J 1/00 351A 81/32 A61K 37/02 Fターム(参考) 3E067 AB81 AC05 AC06 BA12A BA12B BB14A BB14B BB14C BB22A BB22B BB22C BB25A BB25B BB25C BB26A BB26B BB26C CA04 CA11 CA24 EA06 EA11 EE15 EE21 EE28 EE60 FA04 FA05 GA19 GD10 4C084 AA02 AA03 BA01 BA08 BA15 BA23 CA59 MA02 MA17 MA58 NA04 ZA331 4C086 AA01 AA02 EA01 MA03 MA04 MA58 NA04 ZA33 4C206 AA01 AA02 DA07 MA03 MA04 MA78 NA04 ZA33

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキシグルタチオン及びデキストロース
    から選ばれる少なくとも1種を含む薬液又は固形剤が封
    入されたA室と、 該A室に連結され、ガス非透過性材料で構成されるとと
    もに重炭酸イオンを含む薬液が封入されたB室と、 前記A室とB室とを常時は閉じ、使用時は連通可能とす
    るように仕切る仕切り用封止部とを備え、 前記A室及びB室のいずれか一方は、薬剤の排出口が設
    けられるとともに、この室の少なくとも一部が保形性を
    有することを特徴とする眼灌流・洗浄液の複室容器封入
    体。
  2. 【請求項2】 オキシグルタチオン及びデキストロース
    から選ばれる少なくとも1種を含む薬液が封入されたA
    室と、 該A室に連結され、重炭酸塩を含む固形剤が封入された
    B室と、 前記A室とB室とを常時は閉じ、使用時は連通可能とす
    るように仕切る仕切り用封止部とを備え、 前記A室及びB室のいずれか一方は、薬剤の排出口が設
    けられるとともに、この室の少なくとも一部が保形性を
    有することを特徴とする眼灌流・洗浄液の複室容器封入
    体。
  3. 【請求項3】 オキシグルタチオン及びデキストロース
    から選ばれる少なくとも1種を含む固形剤と、重炭酸塩
    を含む固形剤とが封入されたA室と、 該A室に連結され、溶解液が封入されたB室と、 前記A室とB室とを常時は閉じ、使用時は連通可能とす
    るように仕切る仕切り用封止部とを備え、 前記A室及びB室のいずれか一方は、薬剤の排出口が設
    けられるとともに、この室の少なくとも一部が保形性を
    有することを特徴とする眼灌流・洗浄液の複室容器封入
    体。
  4. 【請求項4】 オキシグルタチオン及びデキストロース
    から選ばれる少なくとも1種を含む固形剤が封入された
    A室と、 該A室に連結され、重炭酸塩を含む固形剤が封入された
    B室と、 前記A室及びB室の少なくとも一方に連結され、溶解液
    が封入されたC室と、 前記A室、B室、及びC室を、常時は閉じ使用時は連通
    可能とするように仕切る仕切り用封止部とを備え、 前記A室、B室、及びC室のいずれか一つは、薬剤の排
    出口が設けられるとともに、この室の少なくとも一部が
    保形性を有することを特徴とする眼灌流・洗浄液の複室
    容器封入体。
  5. 【請求項5】 前記A室に封入される薬液が、更にカル
    シウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる少な
    くとも1種を含むものであることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の眼灌流・洗浄液の複室容器封入体。
  6. 【請求項6】 前記A室に封入される固形剤が、更にカ
    ルシウム塩及びマグネシウム塩から選ばれる少なくとも
    1種を含むものであることを特徴とする請求項1、3、
    4のいずれかに記載の眼灌流・洗浄液の複室容器封入
    体。
  7. 【請求項7】 前記B室に封入される薬液が、更にカル
    シウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる少な
    くとも1種を含むものであることを特徴とする請求項1
    又は3に記載の眼灌流・洗浄液の複室容器封入体。
  8. 【請求項8】 前記B室に封入される薬液が、カルシウ
    ムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる少なくと
    も一種を含むものであり、かつクエン酸イオンを更に含
    むものであることを特徴とする請求項1に記載の眼灌流
    ・洗浄液の複室容器封入体。
  9. 【請求項9】 前記保形性を有する室の容積が、少なく
    とも20ml以上であることを特徴とする請求項1から
    8のいずれかに記載の眼灌流・洗浄液の複室容器封入
    体。
  10. 【請求項10】 複数の薬剤が収納された複室容器をガ
    ス非透過性材料からなる包装材で包装した包装体であっ
    て、 前記複室容器は、オキシグルタチオン及びデキストロー
    スから選ばれる少なくとも1種を含む薬液又は固形剤が
    封入されたA室と、該A室と連結され、ガス透過性材料
    で構成されるとともに重炭酸イオンを含む薬液が封入さ
    れたB室と、前記A室とB室とを常時は閉じ、使用時は
    連通可能とするように仕切る仕切り用封止部とを備え、
    前記A室及びB室のいずれか一方は、薬剤の排出口が設
    けられるとともに、この室の少なくとも一部が保形性を
    有しており、 上記複室容器と包装材との間の空間部は炭酸ガス雰囲気
    とされており、且つ該空間部には前記包装材におけるピ
    ンホールの発生を検知するピンホール検知剤が配置され
    ていることを特徴とする眼灌流・洗浄液の複室容器包装
    体。
  11. 【請求項11】 前記A室に封入される薬液が、更にカ
    ルシウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる少
    なくとも1種を含むものであることを特徴とする請求項
    10に記載の眼灌流・洗浄液の複室容器包装体。
  12. 【請求項12】 前記A室に封入される固形剤が、更に
    カルシウム塩及びマグネシウム塩から選ばれる少なくと
    も1種を含むものであることを特徴とする請求項10に
    記載の眼灌流・洗浄液の複室容器包装体。
  13. 【請求項13】 前記B室に封入される薬液が、更にカ
    ルシウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる少
    なくとも1種を含むものであることを特徴とする請求項
    10に記載の眼灌流・洗浄液の複室容器包装体。
  14. 【請求項14】 前記B室は、クエン酸イオンを更に含
    むものであることを特徴とする請求項13に記載の眼灌
    流・洗浄液の複室容器包装体。
  15. 【請求項15】 前記保形性を有する室の容積が少なく
    とも20ml以上であることを特徴とする請求項10か
    ら14のいずれかに記載の眼灌流・洗浄液の複室容器包
    装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH105309A (ja) * 1990-08-02 1998-01-13 Mcgaw Inc フレキシブル容器及びその形成方法
JP2000126273A (ja) * 1998-10-29 2000-05-09 Senju Pharmaceut Co Ltd 眼灌流・洗浄液バッグ
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