JP2000284518A - リサイクル可能な被記録材 - Google Patents

リサイクル可能な被記録材

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JP2000284518A
JP2000284518A JP2000007927A JP2000007927A JP2000284518A JP 2000284518 A JP2000284518 A JP 2000284518A JP 2000007927 A JP2000007927 A JP 2000007927A JP 2000007927 A JP2000007927 A JP 2000007927A JP 2000284518 A JP2000284518 A JP 2000284518A
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water
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soluble resin
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JP2000007927A
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English (en)
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Naoki Yoshie
直樹 吉江
Chiaki Yamaoka
千晶 山岡
Toshimitsu Fujiwara
利光 藤原
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー等の印字材料を高速で除去することが
でき、耐久性の高いリサイクル可能な被記録材を提供す
ること。 【解決手段】 少なくとも基材層、水膨潤性の表層から
なるリサイクル可能な被記録材であって、該表層は水溶
性樹脂を、該樹脂中の架橋官能基数に対する架橋剤官能
基数の割合を1/100以上1/5以下で架橋させてなり、かつ
該水溶性樹脂はイオン性基を有することを特徴とするリ
サイクル可能な被記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機やプリンタ等
で画像形成することにより、被記録材へ付着した印字材
料を被記録材から除去可能であり、繰り返し再利用可能
な被記録材に関する。特に本発明は水などの水性溶媒を
用いたブラッシング法などの物理的摺擦力による除去手
段に適している被記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、トナーを用いる電子写真複写(い
わゆるコピー)技術が普及し、紙やOHPシート等の被
記録材が多量に用いられている。
【0003】そのような被記録材上に印字あるいはコピ
ーされた印字材料は容易に除去できるものではなく、ま
たそのような技術も実用化されていないのでオフィスで
多量に発生した印字物は不要になるとそのまま破棄され
ているのが実状である。
【0004】これでは環境保全、資源保護に好ましくな
いことは明らかである。そのため破棄対象の被記録材を
再生あるいはリサイクルする技術が盛んに研究されてい
る。例えば特開平7-311523号公報あるいは特開平6-2226
04号公報等においては、被記録材の表面に水により膨潤
する膨潤層を形成しておき、この膨潤層を水で濡らして
膨潤させることにより、被記録材に記録された画像を除
去する技術が開示されている。このような水膨潤性の表
層を得るためには水溶性樹脂を架橋剤によって架橋する
技術が知られている。
【0005】上記のような方式で印字材料を除去する場
合、被記録材の表層はある程度の量の吸水が必要とされ
る。また、単に吸水するだけではなく、吸水する速度も
重要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で開示されている、例えば特開平6-222604号公報や特開
平7-311523号公報に記載の被記録材では、印字材料を除
去するために長時間の浸漬時間が必要なだけでなく、印
字材料に十分な応力が働かないため印字材料の除去が良
好に行われないという問題が生じていた。また、繰り返
し除去性能という点でも問題が生じていた。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、トナー等の印字材料を高速で除去することがで
き、耐久性の高いリサイクル可能な被記録材を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも基
材層、水膨潤性の表層からなるリサイクル可能な被記録
材であって、該表層は水溶性樹脂を、該樹脂中の架橋官
能基数に対する架橋剤官能基数の割合を1/100以上1/5以
下で架橋させてなり、かつ該水溶性樹脂はイオン性基を
有することを特徴とするリサイクル可能な被記録材に関
する。
【0009】本発明の発明者等は水膨潤性表層の吸水量
は架橋密度によって決まり、吸水速度は架橋密度だけで
はなく、親水性、特に表層を主に構成する樹脂の親水性
によって決まることを見出した。すなわち、水膨潤性表
層の架橋密度を制御するとともに樹脂の親水性を向上さ
せることにより、トナー等の印字材料を高速で除去する
ことができ、耐久性の高いリサイクル可能な被記録材を
提供することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施形態である
被記録材の模式的断面図を示す。図1に示すように、こ
の被記録材は基材層1上に表層3を積層したものであ
る。図1では、表層3の表面に印字材料4が印字された
様子を示している。なお、図1では基材層1の片面に表
層が形成された構成を示しているが、基材層1の両面に
表層3が形成された構成であってもよい。
【0011】基材層1は耐水性(強度)があり、透明な
プラスチックフィルムまたは無機微粒子を添加するなど
して不透明化したプラスチックフィルムが好適に使用さ
れる。プラスチックフィルムの材質は特に問わないが、
耐熱性等を考慮すると、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート等が好まし
い。さらに汎用性、値段、耐熱性、耐久性等を考慮に入
れると、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が望ま
しい。OHPとして入手可能な各種シートを使用すること
も可能である。また、PET繊維などのプラスチック繊維
を抄紙したものや、プラスチックをベースとする紙など
の、いわゆる合成紙も市販されており、このような合成
紙も基材として有用である。これ以外にも、金属箔、耐
水性の改良された紙、さらに樹脂・紙・金属などの複合
材料も用いることができる。その他、印字材料の印字お
よび除去を通して平面性を保つことができ、かつ耐水性
と適度な機械的強度とを備えたものであれば使用するこ
とができる。
【0012】基材層の上に形成される表層は水膨潤性の
樹脂からなる。水膨潤性とは水や水性の溶媒に膨潤する
が溶解しないことである。本発明において水膨潤性の樹
脂はイオン性を有する水溶性樹脂を架橋させることによ
って作られる。
【0013】本発明において使用される水溶性樹脂は分
子中に、架橋剤で架橋可能で親水性の高い官能基とイオ
ン性をもった官能基を有している。架橋剤で架橋可能で
親水性の高い官能基(本明細書中、架橋官能基という)
としては後述の架橋剤と架橋可能であればいかなる官能
基であってよく、例えば、水酸基、アミノ基、アミド
基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基等の活
性水素を有する官能基が挙げられる。
【0014】また、イオン性を持った官能基(本明細書
中、イオン性基という)とは水溶液中でほぼ100%正負
の両イオンに解離する性質を有するものを意味し、アニ
オン性官能基およびカチオン性官能基いずれの官能基で
あってもよい。具体的には、アニオン性官能基としては
アニオン性を有する置換基であれば特に制限されず、例
えば、活性水素が金属で置換されたカルボキシル基やス
ルホン酸基、上記架橋官能基の活性水素を、活性水素が
金属で置換されたカルボキシル基やスルホン酸基を末端
に有する置換基で置換したもの等を例示できる。カチオ
ン性官能基としてはカチオン性を有する置換基であれば
特に制限されず、例えば、四級塩化されたアミノ基、上
記架橋官能基の活性水素を、四級塩化されたアミノ基を
末端に有する置換基で置換したもの等を例示できる。な
お、架橋官能基として挙げた水酸基、アミノ基、アミド
基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基等は水
溶液中でわずかに解離する性質を有しているが、本発明
においてはそのような官能基はイオン性基としては含め
ないものとする。
【0015】架橋官能基とイオン性基の両方を有する水
溶性樹脂として、例えば、アクリル酸−アクリル酸塩共
重合体、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体、ビ
ニルアルコール−末端に四級アンモニウム塩を持ったア
クリレート共重合体、ヒドロキシアルキルアクリレート
(メタクリレート)−アクリル酸塩共重合体等があげら
れる。
【0016】本発明で使用される水溶性樹脂の重合度は
300〜10000、好ましくは500〜2000であることが望まし
い。このような水溶性樹脂は水性媒体100重量部に対し
て2〜30重量部、好ましくは5〜10重量部溶解させて用い
るのが適当である。
【0017】本発明において水溶性樹脂は上記の架橋官
能基を有するモノマーと上記のイオン性基を有するモノ
マー(イオン性モノマー)を共重合させることにより得
ることができる。架橋官能基を有するモノマーとして
は、上記架橋官能基を有し、かつ後述のイオン性モノマ
ーと反応性を有するモノマーであれば特に制限されず、
例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエ
チルメタクリレート、アクリルアミド、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマル酸等があげられる。こ
れらのうち2種以上のモノマーを混合して用いてよい。
【0018】イオン性モノマーとしては、アクリル酸ナ
トリウム、メタクリル酸ナトリウム、ジメチルアミノエ
チルメタクリレート四級化物、ジメチルアミノエチルア
クリレート四級化物、ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート四級化物、ジエチルアミノエチルアクリレート四級
化物、マレイン酸一ナトリウム、フマル酸一ナトリウ
ム、マレイン酸二ナトリウム、フマル酸二ナトリウム等
が挙げられる。これらのうち2種以上のモノマーを混合
して用いてよい。
【0019】架橋官能基を有するモノマーとイオン性モ
ノマーとの重合モル比は、得られる水溶性樹脂における
全架橋官能基(CG)と全イオン性基(IG)との個数比
(CG:IG)が5:5〜100:1、好ましくは2:1〜2
0:1となるような比率であることが望ましい。イオン
性基の個数割合が小さすぎると水膨潤性樹脂の吸水速度
が小さくなるため、所望の印字材料除去速度が達成され
ないおそれがある。一方、イオン性基の個数割合が大き
すぎると水膨潤性樹脂が溶け出して良好な印字材料の除
去が行われないおそれがある。なお、本発明の水溶性樹
脂はモノマー重合比、すなわちモノマー仕込み比がその
まま反映されて形成されるため、得られる水溶性樹脂に
おける全架橋官能基(CG)と全イオン性基(IG)との個
数比(CG:IG)はモノマー仕込み比を適宜調整すること
によって調整され得る。
【0020】また、本発明の水溶性樹脂は架橋官能基を
有するモノマーから樹脂を一旦、得た後で、イオン性基
を導入して得てもよいし、またはイオン性モノマーから
樹脂を一旦、得た後で、架橋官能基を導入して得てもよ
い。このとき、得られる水溶性樹脂における全架橋官能
基(CG)と全イオン性基(IG)との個数比(CG:IG)は
上記範囲内であることが望ましい。また、本発明におい
ては上記のような特性を有する市販のアニオン性または
カチオン性の水溶性樹脂、例えば、アニオン変性ポリビ
ニルアルコール(KM-618、クラレ社製)、カチオン変性
ポリビニルアルコール(CM-318、クラレ社製)をそのま
ま用いても良い。
【0021】上記の水溶性樹脂は当該樹脂を構成するモ
ノマーユニット1個あたり少なくとも1個の架橋官能基
またはイオン性基を有しているが、本発明において使用
可能な水溶性樹脂はこれに制限されるものではない。す
なわち、本発明で使用される水溶性樹脂は、モノマーユ
ニット100個あたり50個以下、好ましくは30個以下の、
架橋官能基およびイオン性基いずれも有さないモノマー
ユニットを含む水溶性樹脂も含むものとする。架橋官能
基およびイオン性基いずれも有さないモノマーユニット
がモノマーユニット100個あたり50個を越えると所望の
水溶性を得ることができなくなるおそれがある。
【0022】このように架橋官能基およびイオン性基い
ずれも有さないモノマーユニットを含む水溶性樹脂は、
架橋官能基を有するモノマー、イオン性モノマー、なら
びに架橋官能基およびイオン性基いずれも有さないモノ
マーを共重合させることにより得ることができる。架橋
官能基を有するモノマーおよびイオン性モノマーとして
は前で例示したモノマーを同様に例示することができ
る。また、架橋官能基およびイオン性基いずれも有さな
いモノマーとしては、前記の架橋官能基およびイオン性
基いずれも有さず、架橋官能基を有するモノマーおよび
イオン性モノマーとの重合性を有するモノマーであれば
特に限定されず、例えば、アクリル酸メチル、メタクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、
酢酸ビニル、塩化ビニル等が挙げられる。
【0023】このとき架橋官能基を有するモノマー、イ
オン性モノマー、ならびに架橋官能基およびイオン性基
いずれも有さないモノマーの重合モル比は、得られる水
溶性樹脂におけるモノマーユニット100個あたりの、架
橋官能基およびイオン性基いずれも有さないモノマーユ
ニットの数が上記範囲内であり、かつ当該水溶性樹脂に
おける全架橋官能基(CG)と全イオン性基(IG)との個
数比(CG:IG)が上記範囲内となるような比率であるこ
とが望ましい。
【0024】架橋官能基およびイオン性基いずれも有さ
ないモノマーユニットを含む水溶性樹脂は、架橋官能基
およびイオン性基いずれも有さないモノマーから樹脂を
一旦、得た後で、架橋官能基およびイオン性基を導入し
て得てもよい。このとき、得られる水溶性樹脂における
モノマーユニット100個あたりの架橋官能基およびイオ
ン性基いずれも有さないモノマーユニットの数が上記範
囲内であり、かつ当該水溶性樹脂における全架橋官能基
(CG)と全イオン性基(IG)との個数比(CG:IG)が上
記範囲内であることが望ましい。
【0025】上記のような水溶性樹脂を架橋させるに
は、該樹脂の水溶液に架橋剤や必要に応じて開始剤を添
加すればよい。架橋剤としては、上記水溶性樹脂分子中
に存在する水酸基、アミド基やカルボキシル基等の官能
基と反応性を有し該水溶性の樹脂を架橋できるものであ
ればよい。例えば、エポキシ化合物、イソシアネート化
合物、メチロール化合物、アルデヒド化合物、アジリジ
ン化合物、メラミン樹脂、ジカルボン酸、ジヒドラジド
等、ならびに二重結合を有する化合物、例えば、ジアク
リレート化合物、ジメタクリレート化合物等が挙げられ
る。
【0026】エポキシ化合物としては、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリジグリシ
ジルエーテル、ソルビタンポリジグリシジルエーテル、
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等があげられ
る。これら以外にも種々のエポキシ化合物が使用可能で
ある。
【0027】イソシアネート化合物としては、一つの分
子中に2つ以上のイソシアネート基を有するものを使用
することができる。イソシアネート基を複数有する化合
物を使用することにより、基材層と表層とをより強固に
接着することができる。
【0028】かかるイソシアネートとしては、例えば
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,
4’−メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、ト
リス(p−イソシアネートフェニル)チオフォスフェイ
ト、トリス(p−イソシアネートフェニル)メタン、ト
リメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート3付
加物、分子内に親水性基を有する脂肪族ポリイソシアネ
ート等が使用できる。
【0029】またこれらの化合物を含め、本実施形態で
使用されるイソシアネートはフェノール、亜硫酸等で保
護されていてもよい。
【0030】メチロール化合物としては、ジメチロール
メラミン、トリメチロールメラミン等のメチロール化メ
ラミン、ジメチロール化尿素、メラミン−ホルムアルデ
ヒド樹脂等があげられる。これら以外にも種々のメチロ
ール化合物が使用可能であり、適度に高分子量体のもの
程、さらに分子鎖が適度に長いもの程好ましく、かかる
観点からは、上記例示のメチロール化合物の中では、メ
ラミン−ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
【0031】アルデヒド化合物としては、グリオキザー
ル、グルタルアルデヒド等が挙げられる。これら以外に
も種々のアルデヒド化合物が使用可能である。
【0032】アジリジン化合物としては、例えば、ジフ
ェニルメタン−ビス−4,4’−N,N’−ジエチル尿
素、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス
−[3−(1−アジリジニル)プロピネート]を使用す
ることができる。また、オキサゾリン基含有ポリマーも
使用することができる。
【0033】以上のような化合物を架橋剤として添加す
る場合、添加量により架橋密度を制御できる。すなわ
ち、樹脂の架橋可能な全官能基のうちどれだけ架橋され
たかによって表層全体の粘弾性や飽和吸水量が決まる。
この粘弾性や飽和吸水量を適当な範囲におさめるため、
樹脂中の架橋官能基の数に対する架橋剤の官能基(本明
細書中、架橋剤官能基という)の数の割合(架橋剤官能
基数/樹脂中の架橋官能基数)は1/100〜1/5、好ましく
は1/50〜1/8の範囲であることが良いことがわかった。
【0034】上記の割合は架橋反応直前において上記範
囲内に設定されていればよく、架橋反応に供される樹脂
および架橋剤の種類および使用量を適宜選択することに
よって調整され得る。架橋反応後得られる水膨潤性樹脂
においては、水溶性樹脂中の架橋官能基のうち1/100〜1
/5、好ましくは1/50〜1/8の官能基が架橋剤によって架
橋されていることになる。樹脂中の架橋官能基数に対す
る架橋剤官能基数の割合が1/100未満であると架橋密度
が小さくなりすぎ、表層は溶解しやすくなったり、強度
がなくなる。また、得られる表層の弾性率が低くなり、
脱墨の際に応力が働きにくくなり、脱墨不良が起こる。
一方、上記割合が1/5を越えると架橋密度が大きくなり
すぎ、水が入り込む空間がなくなり、吸水しにくくな
り、トナー除去性能の支障が生じる。
【0035】ポリアクリル酸の場合、ポリアクリル酸に
水酸化ナトリウム等を添加することによってカルボン酸
の末端をアルカリ金属で置換することが可能である。こ
の場合反応は100%進行し、アルカリの添加量に応じて
アルカリ金属による変成比を自由に制御できる。変成比
は1mol%以上40mol%以下が良い。1mol%未満である
と、イオン変成が少なく水膨潤性樹脂の吸水速度は小さ
くなる。40mol%を越えると、水膨潤性樹脂が溶け出し
て良好な印字材料の除去が行われない可能性がある。一
部金属変成したポリアクリル酸樹脂を架橋剤によって架
橋させるわけだが、エポキシ系架橋剤を添加すると架橋
反応が最もスムースに起こり、脱墨性能もより良好であ
った。
【0036】表層には筆記性を向上させるためにシリ
カ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム
等の無機微粒子を添加しても良い。かかる無機微粒子を
添加する場合、水溶性樹脂100重量部に対して0.5〜200
重量部、好ましくは3〜30重量部添加する。
【0037】また表層には通紙性を上げるために必要に
応じて帯電防止剤を添加してもよい。帯電防止剤は表層
を形成する材料に添加しても良いし、表層を形成した後
に、適当な溶媒に溶解・分散させたものを塗布するよう
にしてもよい。帯電防止剤としては、例えば、第四級ア
ンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤を挙げることが
できる。
【0038】表層の形成方法としては、溶剤塗布法が使
用できる。具体的には上記の水膨潤性樹脂材料、すなわ
ち水溶性樹脂材料と架橋剤、必要に応じてその他の添加
剤を、水、水/有機溶剤混合物、もしくは有機溶剤等適
当な溶媒に溶解分散させて、基材層上に加熱乾燥後の膜
厚が0.5〜30μm、好ましくは5〜20μmとなるように塗布
すればよい。なお、水性溶媒を用いて表層を塗布形成す
る場合、界面活性剤が含まれていると表層の塗布形成が
容易になるという効果も得られる。
【0039】表層を構成する樹脂溶液に対して塗布性
(濡れ性)、水の浸透性を上げるために界面活性剤を添
加しても良い。界面活性剤としては、アニオン性、カチ
オン性、ノニオン性等の各種の界面活性剤が使用でき、
特に制約はない。界面活性剤の添加量は水溶性樹脂に対
して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%が好適で
ある。
【0040】塗布後、表層を20〜180℃、好ましくは80
〜150℃に加熱する。二重結合を有する化合物で架橋さ
せる場合、および表層中に不溶化成分を光照射で形成す
る場合、照射後にあるいは照射とともに該加熱を行えば
よい。
【0041】基材層と表面層との間に中間層を形成して
もよい。中間層は表層を基材により強固に接着させる目
的で設けられる。
【0042】図2に本発明の他の実施形態である中間層
を有する被記録材の模式的断面図を示す。1は基材層、
2は中間層、3は表層である。なお、図2においては表
層3の表面に印字材料4が印字されている構成を示して
ある。また、図2には基材層1の片面に中間層2および
表層3が形成された構成を示しているが、両面に中間層
2および表層3が形成された構成でもよい。なお、基材
層および表層については図1で説明したものを同様に適
用可能であり、以下、中間層についてのみ説明する。
【0043】中間層2は接着性の高い樹脂から構成され
ており、該中間層には、所望により表層構成樹脂と化学
結合可能な官能基を有する化合物(反応性化合物)が含
まれている。このように反応性化合物を含有させること
により、中間層と表層の接着性、接合性を向上させるこ
とができる。中間層を構成する接着性の高い樹脂として
は、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹
脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、好ましくは、ポリメチ
ルメタクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂が挙げられ
る。特に基材層に対して高い接着性を有するものを使用
することか好ましい。
【0044】所望により中間層に含まれる反応性化合物
としては、表層を構成する樹脂と化学結合可能な官能基
を有するものであれば特に限定されないが、例えばメチ
ロール化合物、イソシアネート化合物、アルデヒド化合
物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などが使用可能
である。表層を構成する樹脂がポリビニルアルコールや
メチルセルロースなどの水酸基を有する樹脂である場
合、メチロール化合物、イソシアネート化合物、アルデ
ヒド化合物、エポキシ化合物が好適である。また、表層
を構成する樹脂がポリアクリル酸などのカルボキシル基
を有する樹脂である場合、イソシアネート化合物、エポ
キシ化合物、アジリジン化合物が好適である。なお、こ
れらの化合物は、表層を構成する水溶性樹脂の架橋剤と
同様のものを使用できる。
【0045】反応性化合物として、常温で固体状ないし
はワックス状または常温で粘稠な液状のものがよりよ
い。反応性化合物が常温で固体状ないしはワックス状ま
たは常温で粘稠な液状であると、中間層の塗布形成時に
おける乾燥によって蒸発してしまうことがなく、しかも
乾燥後に表面がべとつかないので表層の塗布が容易にな
るという利点がある。また、反応性化合物として、水に
溶解するかまたは水に親和性のあるものを使用すると、
中間層を塗布形成するのに有機溶媒を使用する必要がな
くなり、中間層中に有機溶媒が残留するのを防止するこ
とができる。
【0046】中間層2を基材層1上にコートするには、
樹脂および所望により上記反応性化合物を適当な溶媒、
例えばテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アセ
トン、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)等に溶
解させた溶液を塗布乾燥する溶剤塗布法や溶融塗布法等
で行うことができる。水溶性または親水性のポリウレタ
ンやポリエステルなどの樹脂を水に溶解または分散した
ものも使用することができる。このような樹脂溶液や樹
脂エマルジョンは市販されており、これらを用いると、
有機溶剤、特に非水系有機溶剤を使用することなく塗膜
を形成できるという利点がある。このため、製造時の安
全性を向上することができる。また、複写機への通紙な
どによって被記録材が加熱されることにより内部から残
留溶媒のガス発生が生じるなどの問題が抑制できる。水
性溶媒を使用する場合、界面活性剤を添加しておくと中
間層を塗布するのが容易になる。中間層および表層とも
に水性溶媒を使用して形成すると、非水系有機溶剤を使
用することなく被記録材を製造することが可能となり、
安全性や被記録材中への非水系有機溶剤の残留の問題を
防止することができる。上記溶剤塗布法や溶融塗布法に
より、膜厚が0.5μmから20μm程度、好ましくは0.5〜10
μm程度、より好ましくは0.5〜6μm程度になるように中
間層を形成する。厚さが0.5μm未満では塗布ムラが生じ
易く、未コートの部分ができやすくなる。20μmを越え
ると、被記録材の強度、耐熱性等に問題が生じる恐れが
ある。
【0047】反応性化合物は、高分子量体で、それ自体
成膜性があり、基材層との接着性に優れているものであ
れば、それ自体を溶媒等に溶解させて塗布乾燥して形成
することも可能である。樹脂溶液に添加して塗布する場
合、反応性化合物の添加量は中間層構成樹脂100重量部
に対して、例えば5〜50重量部とすることができる。
【0048】なお、中間層にコロナ放電処理を施しても
よい。
【0049】また、中間層を形成する塗布溶液に基材を
浸漬し、基材中に塗布溶液を含浸させ、基材を構成する
繊維間に中間層材料を満たすようにしてもよい。
【0050】以上のような本発明の被記録材は、表層の
膨潤→ブラッシング等による物理的摺擦→乾燥過程を経
る記録材料の除去方法に好適に使用でき、リサイクル可
能となる。また、本発明の被記録材はトナー等の印字材
料を高速で除去することができ、さらに繰り返して使用
しても高い印字材料除去性能を維持できる。
【0051】以下に表面にトナー等の印字材料が印字さ
れた被記録材から、印字材料を除去する方法について記
載する。該方法は、表層を膨潤させることのできる溶媒
に印字材料の印字された被記録材を供給し、膨潤した被
記録材表面から物理的な力で該記録材料を掻き取る工程
からなる。以下、さらに詳しく図を用いて説明する。
【0052】図3は印字材料の除去方法の一例を説明す
るための工程系統図である。図3においては被記録材10
0はその両面に中間層および表層が形成されており、中
間層および表層をまとめて12として示している。該被記
録材の表面にはトナー等の印字材料4が印字されてい
る。印字材料としては電子写真に使用されるトナーが好
適に使用されるが、これら以外にも熱転写法、および印
刷法などに用いられる記録材料や、その他の油性ペイン
ト剤などの被記録材の表面に付着して皮膜状の像となる
タイプのものが使用できる。被記録材は図中右側から左
方に搬送される。
【0053】印字材料4が印字されている被記録材はま
ず、溶媒供給装置11から表層に表層膨潤溶媒が供給され
る。表層を膨潤させることのできる溶媒としては水性溶
媒、すなわち水、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒、あ
るいは水性有機溶媒等種々用いることができる。また、
界面活性剤等の所望の添加剤が添加されていてもよい。
このように本実施形態においては水を用いて印字材料を
除去できる点に大きな利点がある。以下の説明において
は水を使用する場合を説明する。
【0054】水の供給は図3に示したようにシャワー装
置11より、水のシャワーを表層に降りかけてもよいし、
また図示していないが水に浸漬させてもよい。被記録材
表層に水が浸透するために約15秒から1500秒程度水に接
触させることが好ましい。接触時間が長いほど十分に水
を浸透させられるが、その分処理に時間がかかる。被記
録材表層に水が浸透すると、表層は膨潤し(膨潤した表
層が13として示されている)、印字材料4と表層の間の
接着力が減少する。このとき、水温は15℃〜45℃くらい
が適当である。温度が高すぎると水の蒸発が多くなり温
度が低すぎると十分なクリーニング効果が得られない恐
れがある。
【0055】水が十分被記録材の表層に浸透した後被記
録材はさらに印字材料除去領域に搬送され、ブラシ14に
かけられる。ブラシ14は回転しており、このブラシによ
って被記録材100上の印字材料4が除去される。ブラシ
以外にも表面を物理的あるいは機械的な力を付与し表面
を摺擦あるいは掻き取る態様の手段、例えばブレード、
布帛等を採用してもよい。図3においては、ブラシ14を
液外に配置しているが、液中に配置してもかまわない。
ブラシ14の毛の長さは5〜20mm程度、太さは10〜60μm程
度とすることができる。材質は特に限定されないがナイ
ロンなどが適当である。
【0056】通紙速度、すなわち被記録材がブラシ14を
通過する速度は、処理時間とクリーニング性能とのバラ
ンスを勘案して決めればよく、例えば、0.5cm/秒〜5cm/
秒とすることができる。ブラシの回転速度は搬送速度の
5倍以上、より好ましくは10倍以上とすることが望まし
い。
【0057】印字材料4を除去した後、被記録材はシャ
ワー領域に搬送され、被記録材表面にクリーニングシャ
ワー15を施し、被記録材表面に残留している印字材料を
洗い流す。シャワー15に使用する液体は表層を膨潤させ
るのに用いたのと同様の水性溶媒を用いることができ
る。表層を膨潤させるのに用いたのと同じ溶媒を用いて
もよい。水を使用することが特に好ましい。
【0058】シャワー15をかけた後、被記録材はさらに
乾燥領域に搬送され、乾燥器16により乾燥される。な
お、乾燥方法は熱ローラのように接触タイプのものでも
よいし、遠赤外線ランプのように非接触タイプのもので
もかまわない。加熱温度は70〜150℃程度が適当であ
る。
【0059】図4は、上述したクリーニング方法が適用
可能なクリーニング装置の一実施形態を示す図である。
図4の装置は、ケーシング23内に被記録材を膨潤させる
ための液体30を貯溜するクリーニング槽22を備えてい
る。このクリーニング槽22には、槽内の液中の印字材料
を除去するためのフィルタを備えたポンプ20が接続さ
れ、さらにこのポンプ20に管31を介して膨潤用シャワー
11およびリンス用シャワー15が接続されている。
【0060】クリーニング槽22内の液体はポンプ20内の
フィルタによって浄化された後、管31を通ってシャワー
11、15に送られ、シャワー11においては被記録材の膨潤
用液体として、そしてシャワー15においてはリンス用液
体として使用される。
【0061】被記録材は給紙ローラ21により装置内に導
入され、シャワー11により膨潤用液体を吹きかけられた
後、ガイド26および搬送ローラ24を通過してクリーニン
グ槽22内の液体30に浸漬される。そして、所定時間静止
した後、搬送ローラ24およびガイド28によってブラシ14
の対向部に送られ、印字材料を除去される。
【0062】この後、被記録材は、ガイド29、搬送ロー
ラ25、およびガイド27を通過し、シャワー15によりリン
ス液を吹きかけられ、最後に乾燥ローラ17によって乾燥
され、装置外に排出される。
【0063】図5は、クリーニング装置の他の実施形態
を示す図である。図5の装置においては、給紙ローラ21
によって導入された被記録材を、搬送ローラ32、33およ
びガイド26により、直接クリーニング槽22に搬送して液
体30に浸漬することにより、ブラッシングの前に被記録
材表層に水を浸透させている。また、ブラシ14の対向部
を通過した後、所定時間をかけて液体30中を通過させた
後、乾燥ローラ17に到達させることによってリンス効果
を得るようにしてある。なお、図4と同様の構成部分に
は同じ符号を付し、詳しい説明を省略した。
【0064】図6はクリーニング装置の他の一実施形態
を示す図である。この装置は、被記録材を膨潤させるた
めの液体30を貯溜する膨潤液タンク43と、表面をブラシ
14で摺擦された後、被記録材を洗浄する液を貯溜するリ
ンス液タンク42を、それぞれ独立に有する構成をしてい
る。膨潤液タンク43に貯溜された液体30はフィルタを備
えたポンプ20でくみ上げられ、管31を通してシャワー11
に送られ、給紙ローラー21によって導入された被記録材
100に所定時間あるいは所定量吹き付けられる。被記録
材料はガイド26および搬送ローラー24および25を通過し
てブラシ14部に送られる。シャワー11部で被記録材100
に吹きかけられた膨潤用液体は落下し、シャワー11の下
方に位置する膨潤液タンク43に戻り、循環使用される。
【0065】ブラシ14により印字材料を除去された被記
録材100はシャワー15に送られ、被記録材表面にクリー
ニングシャワー15が施される。クリーニングシャワーは
リンス液タンク42に貯溜されているリンス液50がフィル
ターを備えたポンプ40にくみ上げられ、管41を通じてシ
ャワー領域に供給される。ブラシにより擦り取られた印
字材料およびリンス液で流された印字材料はリンス液タ
ンク上部に備えられたフィルター上に落ち、シャワー領
域から落下してくるクリーニングシャワー液とともに濾
過され、印字材料はフィルターで濾され、リンス液はタ
ンク42に戻され循環使用される。シャワー領域を通過し
た被記録材はガイド27を通過し、最後にヒータを内蔵し
た乾燥ローラー17よって乾燥され、装置外に排出され
る。
【0066】
【実施例】 実施例1 (樹脂水溶液Aの製造) ヒドロキシエチルアクリレート 16重量部 ジメチルアミノエチルメタクリレート四級化物 4重量部 2,2’アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩 0.01重量部 純水 180重量部 これらの組成物を混合、攪拌し、セパラブルフラスコ内
に入れ、窒素雰囲気下80℃で1時間反応させ、10%の樹
脂水溶液Aを得た。使用したヒドロキシエチルアクリレ
ートとジメチルアミノエチルメタクリレート四級化物の
モル比は88:12であった。
【0067】基材層;基材層として厚さ100μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)シートを使用した。 中間層;ポリカーボネート樹脂14gを1,4−ジオキサ
ン86gに溶解した樹脂溶液を調製した。該樹脂溶液にメ
ラミン−ホルムアルデヒド樹脂(スミレーズ613:住友
化学社製)1gを添加し撹拌した。得られた溶液を、バ
−コ一タで基材層に塗布し、80℃、5分間加熱し、さら
にコロナ放電処理を行って、厚さ3μmの中間層を得た。 表層;樹脂水溶液A200gに架橋剤としてジメチロール尿
素0.4g、塩化アンモニウム0.6g、界面活性剤としてポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル0.2gを添加して
5分間撹拌した(この時、樹脂水酸基数:架橋剤メチロ
ール基数=20:1)。 得られた液をバ−コ−タで中間層の上に塗布し、120
℃、2時間加熱し、厚さ9μmの表層を得た。
【0068】 実施例2 (樹脂水溶液Bの製造) アクリル酸 15重量部 アクリル酸ナトリウム 5重量部 2,2’アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩 0.01重量部 純水 180重量部 これらの組成物を混合、攪拌し、セパラブルフラスコ内
に入れ、窒素雰囲気下80℃で1時間反応させ、10%の樹
脂水溶液Bを得た。使用したアクリル酸とアクリル酸ナ
トリウムのモル比は80:20であった。
【0069】基材層;基材層として厚さ80μmの白色PET
シートを使用した。 中間層;水分散性ウレタン樹脂溶液(HUX-260)100gに
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(スミレーズ613、住
友化学社製)5gとポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル(ノニポール60、三洋化学社製)0.1gを添加
し、攪拌後バーコータで基材層に塗布し、120℃、5分
間乾燥させた。 表層;樹脂水溶液B200gに架橋剤としてポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル3.3g(デナコールEX-81
0、長瀬化成社製)と塩化テトラメチルアンモニウム0.2
gと界面活性剤としてポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル0.2gを添加して5分間撹拌した(この時、樹
脂カルボキシル基数:架橋剤グリシジル基数=7:
1)。 得られた液をバ−コ−タで中間層の上に塗布し、120
℃、2時間加熱し、厚さ9μmの表層を得た。
【0070】実施例3 基材層;基材層として厚さ80μmのPPC用紙を用いた。 中間層;水分散性ウレタン樹脂溶液(HUX-260)100gに
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(スミレーズ613、住
友化学社製)5gとポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル(ノニポール60、三洋化学社製)0.1gを添加
し、攪拌後バーコータで基材層に塗布し、120℃、5分
間乾燥させた。 表層;水溶性樹脂としてアニオン変性PVA(KM-618、ク
ラレ社製)16gを水184gに溶解し樹脂溶液を調製した。
この樹脂溶液に架橋剤としてグリセリンポリグリシジル
エーテル0.6g(デナコールEX-313、長瀬化成社製)と界
面活性剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル0.2gを添加して5分間撹拌した(この時、樹脂水酸
基数:架橋剤グリシジル基数=80:1)。 得られた液をバ−コ−タで中間層の上に塗布し、120
℃、2時間加熱し、厚さ9μmの表層を得た。
【0071】実施例4 基材層;基材層として厚さ100μmのPET(ルミラーT)
を使用した。 中間層;水分散性ウレタン樹脂溶液(HUX-232)100gに
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(スミレーズ613)5g
と高級アルコールアルキレンオキサイド付加物(ナロア
クティN95、三洋化成社製)0.2gを添加し、撹拌後基材
層両面に塗布し、120℃、2分乾燥させた。このとき塗
布量は片面あたり3g/m2であった。さらにこれにコロナ
処理を施した。 表層;ポリアクリル酸溶液(ジュリマーAC-10H)80gに
純水120gと水酸化ナトリウム1gを加え撹拌した。この
溶液に架橋剤としてグリセリンポリグリシジルエーテル
(デナコールEX-313、長瀬化成社製)2.4gと界面活性剤
として高級アルコールアルキレンオキサイド付加物(ナ
ロアクティN95)0.4gとシリカ(サイシリア450、富士シ
リシア社製)0.1gを添加し5分間撹拌した。これを中間
層上に両面塗布し、170℃、1分加熱硬化した。このと
き塗布量は片面あたり5g/m2であった(変成比11mol
%、樹脂カルボキシル基数:架橋剤グリシジル基数=1
2:1)。
【0072】実施例5 基材層;基材層として厚さ100μmの白色PETを使用し
た。 中間層;水分散性ウレタン樹脂溶液(HUX-232)100gに
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(スミレーズ613)5g
と高級アルコールアルキレンオキサイド付加物(ナロア
クティN95、三洋化成社製)0.2gを添加し、撹拌後基材
層両面に塗布し、120℃、2分乾燥させた。このとき塗
布量は片面あたり5g/m2であった。さらにこれにコロナ
処理を施した。 表層;ポリアクリル酸溶液(ジュリマーAC-10L)120gに
純水80gと水酸化ナトリウム8gを加え撹拌した。この溶
液に架橋剤としてグリセリンポリグリシジルエーテル
(デナコールEX-313、長瀬化成社製)9.6gと界面活性剤
として高級アルコールアルキレンオキサイド付加物(ナ
ロアクティN95)1gとシリカ(サイシリア450、富士シ
リシア社製)6gを添加し5分間撹拌した。これを中間
層上に両面塗布し、130℃、5分加熱硬化した。このと
き塗布量は片面あたり3g/m2であった(変成比30mol
%、樹脂カルボキシル基数:架橋剤グリシジル基数=
7:1)。
【0073】実施例6 基材層;基材層として70g/m2の上質紙を使用した。 中間層;水分散性ウレタン樹脂溶液(APX-110、大日本
インキ社製)100gにメラミン−ホルムアルデヒド樹脂
(スミレーズ613)5gと高級アルコールアルキレンオキ
サイド付加物(ナロアクティN95、三洋化成社製)0.2g
を添加し、撹拌後基材層両面に塗布し、120℃、2分乾
燥させた。このとき塗布量は片面あたり10g/m2であっ
た。 表層;ポリアクリル酸溶液(ジュリマーAC-10H)80gに
純水120gと水酸化ナトリウム0.5gを加え撹拌した。この
溶液に架橋剤としてグリセリンポリグリシジルエーテル
(デナコールEX-313、長瀬化成社製)1.6gと界面活性剤
として高級アルコールアルキレンオキサイド付加物(ナ
ロアクティN95)1gと樹脂微粒子(エポスターMA1010、
日本触媒社製)6gを添加し5分間撹拌した。これを中
間層上に両面塗布し、160℃、2分加熱硬化した。この
とき塗布量は片面あたり4g/m2であった(変成比6mol
%、樹脂カルボキシル基数:架橋剤グリシジル基数=1
8:1)。
【0074】比較例1 基材層;基材層として厚さ100μmの白色PETシートを使
用した。 中間層;水分散性ウレタン樹脂溶液(HUX-260)100gに
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(スミレーズ613、住
友化学社製)5gとポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル(ノニポール60、三洋化学社製)0.1gを添加
し、攪拌後バーコータで基材層に塗布し、120℃、5分
間乾燥させた。 表層;10%ポリアクリル酸水溶液200gに架橋剤としてポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテル(EX-810、
長瀬化成社製)3重量部とポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル0.2重量部加え、5分間攪拌した(この
時、樹脂カルボキシル基数:架橋剤グリシジル基数=1
0:1)。 得られた液をバ−コ−タで中間層の上に塗布し、140
℃、60分加熱し、厚さ8μmの表層を得た。
【0075】比較例2 基材層;基材層として厚さ100μmのポリエチレンテレフ
タレート(PET)シートを使用した。 中間層;水分散性ウレタン樹脂溶液(HUX-260)100gに
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(スミレーズ613、住
友化学社製)5gとポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル(ノニポール60、三洋化学社製)0.1gを添加
し、攪拌後バーコータで基材層に塗布し、120℃、5分
間乾燥させた。 表層;水溶性樹脂としてカチオン変性ポリビニルアルコ
−ルCM-318(クラレ社製)16gを水184gに溶解し樹脂溶
液を調製した。該樹脂溶液にジメチロール尿素6.3gと界
面活性剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル0.2gを添加して5分間撹拌した(この時、樹脂水酸
基数:架橋剤メチロール基数=3:1)。 得られた液をバ−コ−タで中間層の上に塗布し、140
℃、1時間加熱し、厚さ9μmの表層を得た。
【0076】比較例3 基材層;基材層として厚さ150μmのPETシートを使用し
た。 中間層;水分散性ウレタン樹脂溶液(HUX-260)100gに
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(スミレーズ613、住
友化学社製)5gとポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル(ノニポール60、三洋化学社製)0.1gを添加
し、攪拌後バーコータで基材層に塗布し、120℃、5分
間乾燥させた。 表層;水溶性樹脂としてカチオン変性ポリビニルアルコ
−ルCM-318(クラレ社製)16gを水184gに溶解し樹脂溶
液を調製した。該樹脂溶液にジメチロール尿素0.12gと
界面活性剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル0.2gを添加して5分間撹拌した(この時、樹脂水
酸基数:架橋剤メチロール基数=150:1)。
【0077】評価 (脱墨速度(初期および耐久後)および膜剥離)実施例
および比較例で得られた被記録材に市販のレーザービー
ムプリンタ(LP-1700;エプソン社製)を用いて画像形
成した。画像の形成された被記録材を図4の装置を用い
て画像の除去(脱墨)を行い、脱墨速度を評価した。脱
墨速度の評価は、良好に脱墨を行うことが可能となるの
に要する水を供給してからの浸漬時間を測定することに
より行った。95%以上の脱墨を、1分以内でできたもの
を◎、2分以内にできたものを○、それ以上かかったも
のを×としてランク付けした。
【0078】また、複写→トナー除去の工程を5回繰り
返した後に上記と同様の評価を再度行うことにより耐久
後の脱墨速度の評価を行った。このとき、膜剥離の評価
(耐久性評価)も同時に行った。表層膜が維持されてい
るものを○、維持されていないものを×とした。
【0079】なお、図4の装置の運転条件は以下のとお
りである。 ・毛の長さ10mm、太さ30μmのナイロン製ブラシ毛を有
する芯金径12mmのブラシローラを使用 ・槽内の水温30℃ ・通紙速度1cm/秒 ・ブラシの回転速度/通紙速度=30 ・熱ローラの温度110℃
【0080】以上の評価結果をまとめて表1に示した。
【表1】
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の被記録材
によれば、トナー等の印字材料を高速で除去することが
でき、さらに繰り返して使用しても高い印字材料除去性
能を維持できるという優れた効果が得られる。また、本
発明の被記録材は繰り返して使用しても膜剥離等の問題
は起こらず耐久性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 被記録材の模式的断面図。
【図2】 被記録材の他の実施形態を示す模式的断面
図。
【図3】 記録材料の除去方法を説明するための工程系
統図。
【図4】 クリーニング装置の一例を示す図。
【図5】 クリーニング装置の他の例を示す図。
【図6】 クリーニング装置の他の例を示す図。
【符号の説明】
1:基材層、2:中間層、3:表層、4:印字材料、1
1:シャワー装置、12:中間層+表層、13:膨潤した表
層、14:ブラシ、15:クリーニングシャワー、16:乾燥
器、100:被記録材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 利光 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H034 FA00 4F100 AK01B AK25B AK42 AK45 AK53B AL06B AS00B AT00A BA02 CA02B CA18 GB90 JB09B JL00 YY00B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基材層、水膨潤性の表層から
    なるリサイクル可能な被記録材であって、該表層は水溶
    性樹脂を、該樹脂中の架橋官能基数に対する架橋剤官能
    基数の割合を1/100以上1/5以下で架橋させてなり、かつ
    該水溶性樹脂はイオン性基を有することを特徴とするリ
    サイクル可能な被記録材。
  2. 【請求項2】 該水溶性樹脂はポリアクリル酸をアルカ
    リ金属で一部変成させたものであることを特徴とする請
    求項1記載のリサイクル可能な被記録材。
  3. 【請求項3】 該水溶性樹脂はポリアクリル酸をアルカ
    リ金属で一部変成させたものでかつ、架橋剤がエポキシ
    化合物であることを特徴とする請求項1記載のリサイク
    ル可能な被記録材。
  4. 【請求項4】 変成比は1mol%以上40mol%以下である
    ことを特徴とする請求項2または3記載のリサイクル可
    能な被記録材。
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