JP7194863B1 - 粉末付着印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】任意の細いパターンに対しても活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用い、その硬化した表面に対して光輝性等の粉体を付着させることにより、より効率良く、美観等に優れた層を形成すること。【解決手段】ヒドロキシ基を有しTgが0℃以下である単官能モノマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に50.0~85.0質量%含有し、アミン変性光重合性オリゴマーを含む二官能のアクリレートオリゴマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に0.5~25.0質量%含有し、25℃における粘度が50mPa・s以下であり、25℃における表面張力が32.0 mN/m以下である接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用い、下記工程(A)~(C)を順に行う、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物による印刷部に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る方法。工程(A):上記接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を、インクジェット印刷装置により基材上に吐出して、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物層を形成する工程工程(B):工程(A)により形成された接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物層に、活性エネルギー線を照射して該インク組成物層を硬化させる工程工程(C):工程(B)により得られた硬化した該インク組成物層に粉末を散布して、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物層に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る工程【選択図】なし

Description

本発明は、硬化した接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物層の上に粉体を付着させて粉末付着印刷物を得る方法及び、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に関する。
特許文献1に記載のように、液状の接着剤を被装飾体に塗布し、この接着剤層上に金属等の粉体を付着させること、特許文献2に記載のように、記録媒体表面にインクジェット法により接着剤組成物を付着させ、その上に光輝性膜が形成されたシートを重ねて、光輝性膜を転写すること、及び特許文献3に記載のように、光輝性インクをインクジェット法により記録媒体上に吐出して光輝性を有する画像等を得ることは公知である。
更に特許文献4に記載のように、インクジェットプリンタにより接着剤を塗布することは公知である。
特開2003-341298号公報 特開2013-173289号公報 特開2021-024244号公報 特開2016-186328号公報
基材に液状の接着剤からなる層を形成し、その接着剤層がまだ溶媒を含有するうちに、その表面に金属層を形成させると、その金属層の存在により乾燥時の溶媒の除去が円滑に進まない可能性があった。
上記の公知の事項から明らかなように、基材に対して光輝性インクをインクジェット法により記録媒体上に吐出して、光輝性を有する模様等を得ることが知られている。しかし、予め光輝性粉体を含有したインク組成物を特にインクジェット法により印刷する場合に、本来極めて微細なノズルを使用するインクジェット印刷装置では、含有する光輝性粉体の大きさには限度があり、又、少しでも大きいと、ノズル詰まりの原因となりやすい。特にピエゾ式インクジェットヘッドを使用した印刷では、本来は高精細な印刷が可能であるが、そのノズル径が一般には小さいため、インクに配合できる粉体は極めて小さい径のものに限定される。その結果として、パール顔料やアルミフレーク等による意匠性がある印刷を行うときでも、径が小さい顔料しか使用できず、より広い範囲にわたる意匠性の印刷ができなかった。
さらにインクジェットプリンタにより接着剤を塗布する上記特許文献4によれば、塗布される対象はガスケット用プレートであり、細かい塗布を意図していない。
このため、任意の細いパターンに対しても活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用い、その硬化した表面に対して光輝性等の粉体を付着させることにより、より効率良く、美観等に優れた層を形成することを課題とする。
本発明者らは、下記の構成とすることにより、上記課題を解決しうることを見出し、以下の本発明とするに至った。
1.ヒドロキシ基を有しTgが0℃以下である単官能モノマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に50.0~85.0質量%含有し、
アミン変性光重合性オリゴマーを含む二官能のアクリレートオリゴマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に0.5~25.0質量%含有し、
25℃における粘度が50mPa・s以下であり、25℃における表面張力が32.0 mN/m以下である接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用い、
下記工程(A)~(C)を順に行う、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物による印刷部に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る方法。
工程(A):上記接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を、インクジェット印刷装置により基材上に吐出して、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物層を形成する工程
工程(B):工程(A)により形成された接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物層に、活性エネルギー線を照射して該インク組成物層を硬化させる工程
工程(C):工程(B)により得られた硬化した該インク組成物層に粉末を散布して、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物層に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る工程
2.工程(C)の後に、工程(D)として、硬化した該インク組成物層表面に付着しなかった粉末を基材層表面から除去する工程を有する1記載の印刷部に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る方法。
3.工程(B)に用いられる活性エネルギー線が、発光ダイオードを発光源とする波長360~420nmの光である1又は2記載の印刷部に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る方法。
4.工程(D)の後に、工程(E)として、粉末が付着した硬化した該インク組成物層の上に、上塗り層用組成物を塗工する工程を有する2又は3記載の印刷部に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る方法。
5.2に記載の工程(D)において除去された粉末を回収し、該工程(C)にて再利用する印刷部に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る方法。
6.工程(C)における粉末が常温で固体である1~5のいずれかに記載の印刷部に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る方法。
7.2~6のいずれかにおける工程(D)の後、メタルハライドランプによるUV照射工程が行われてなる粉末付着印刷物を得る方法。
8.ヒドロキシ基を有しTgが0℃以下である単官能モノマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に50.0~85.0質量%含有し、
アミン変性光重合性オリゴマーを含む二官能のアクリレートオリゴマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に0.5~25.0質量%含有し、
25℃における粘度が50mPa・s以下であり、25℃における表面張力が32.0mN/m以下である、
接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
9.Tgが70℃以上の単官能モノマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に30.0質量%未満含有し、
分子量400未満の多官能アクリレートモノマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に25.0質量%未満含有する、
8記載の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
本発明によれば、硬化性に優れ、硬化後も粘着性を維持した接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を使用できる。又、硬化した塗膜は粘着性を有するが、粉体を付着する固定や粉体の回収工程において、接着層の歪みや脱離による粉体の付着への悪影響がない。印刷物の任意の部分にインクを最適な条件で吐出しUV硬化させた後、後加工にて粉末状成分をその粒子径の大小に関わらず、直接塗工することによって様々な粉体をデジタル印刷加飾することが可能である。さらに、印刷部の接着剤層表面に粉体が付着するので、粉体による色彩や輝度等の特性をより忠実に再現できる。又、無溶剤型の接着剤と粉体の付着を組み合わせることにより、溶媒含有型の接着剤を乾燥させて溶媒を蒸発させる際に、粉体からなる表面層が乾燥の進行の障害になることがないという効果を発揮する。
本発明は特定の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物による印刷部に粉末を付着させる方法であり、以下の工程(A)、(B)及び(C)を順に行う方法である。
以下、本発明中の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を単に「インク組成物」というときがある。
<工程(A)>
本発明における工程(A)は、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を、インクジェット印刷装置により基材上に吐出して、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物層を形成する工程である。
この工程(A)における、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、硬化して接着性を有する特定のインク組成物である。
この工程において使用されるインクジェット印刷装置としては、ピエゾ型のノズルを有するものであったり、サーマル型のノズルを有するものであっても良い。より微細に印刷を行う際にはピエゾ型のノズルを有する装置が好ましい。
これらのインクジェット印刷装置による印刷条件(印刷速度等)としては、特に限定されず、インク組成物の物性や基材の性質によって、任意の条件に設定できる。
そして印刷の対象物である基材は、本発明により粉体を付着させて効果を発揮できるものであれば特に限定されない。例えば活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物が適用可能な基材であれば特に限定されず、前記基材としては、例えば、プラスチック、紙、カプセル、ジェル、金属箔、ガラス、木材、布等が挙げられる。又、前記プラスチックとしては、その基材として、例えば、ポリエステル系ポリマー(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等)、セルロース系ポリマー(例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)等)、ポリカーボネート系ポリマー、ポリアクリル系ポリマー(例えば、ポリメチルメタクリレート等)、塩化ビニル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状又はノルボルネン構造を有するポリオレフィンポリマー、エチレン・プロピレン共重合体ポリマー等)、ポリアミド系ポリマー(例えば、ナイロン、芳香族ポリアミドポリマー等)、ポリスチレン系ポリマー(例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体ポリマー等)、ポリイミド系ポリマー、ポリスルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニルスルフィド系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩化ビニリデン系ポリマー、ポリビニルブチラール系ポリマー、ポリアリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、及びポリエポキシ系ポリマー、これらのポリマーのブレンド物等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
<接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物>
本発明におけるインク組成物としては、以下の組成のものを使用する。
ヒドロキシ基を有しTg(ガラス転移温度)が0℃以下である単官能モノマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に50.0質量%以上含有し、53.0質量%以上含有することが好ましく、58.0質量%以上含有することがより好ましく、61.0質量%以上含有することが更に好ましい。又85.0質量%以下含有し、80.0質量%以下含有することが好ましく、78.0質量%以下含有することがより好ましく、75.0質量%以下含有することが更に好ましい。
アミン変性光重合性オリゴマーを含む二官能のアクリレートオリゴマーを、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に0.5質量%以上含有し、5.0質量%以上含有することが好ましく、8.0質量%以上含有することがより好ましく、25.0質量%以下含有し、20.0質量%以下含有することが好ましく、15.0質量%以下含有することがより好ましい。
光源として紫外線(UVランプ(メタルハライド等))、紫外線(発光ダイオード(LED))を用いる場合は、光重合開始剤の含有量は接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に0質量%でも良いが、0.5質量%以上含有することが好ましく、5.0質量%以上含有することがより好ましい。又15.0質量%以下含有することが好ましく、10.0質量%以下含有することがより好ましい。
25℃での粘度は、50.0mPa・s以下であり、35.0mPa・s以下が好ましく、30.0mPa・s以下がより好ましく、25.0mPa・s以下が更に好ましい。又10.0mPa・s以上が好ましく、13.0mPa・s以上がより好ましい。
25℃での表面張力は32.0mN/m以下であり、28.0mN/m以下が好ましく、25.0mN/m以下がより好ましい。又15.0mN/m以上が好ましく、18.0mN/m以上がより好ましく、20.0mN/m以上が更に好ましい。
<工程(B)>
上記工程(A)により形成されたインク組成物層をこの工程において硬化させる。このためにインク組成物層に照射する活性エネルギー線硬化型としては、紫外線(光源がメタルハライドランプやLED等)や電子線等が挙げられる。なかでもメタルハライドランプやLEDを光源とすることが好ましい。
この活性エネルギー線の照射条件としては特に限定されず、形成したインク組成物層が硬化し、かつ接着性を有するように照射をすることが好ましい。
紫外線を照射して硬化を行う場合には、その波長としては360nm以上が好ましく、380nm以上がより好ましく、390nm以上が更に好ましい。又、420nm以下が好ましく、410nm以下がより好ましい。
そして硬化に必要な照射強度としては、メタルハライドランプによる硬化では、積算光量75mJ/cm以上が好ましく、100mJ/cm以上がより好ましく、120mJ/cm以上が更に好ましい。メタルハライドランプによる光は、広い範囲の波長からなる。そのため、硬化にそれほど寄与しない波長の光も積算光量に含めるために、硬化に必要な積算光量を大きく示す傾向にある。
また、LEDランプの照射による硬化では、積算光量60mJ/cm以上が好ましく、75mJ/cm以上がより好ましく、85mJ/cm以上が更に好ましい。接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を硬化させるに適切な波長を選択したLEDランプを使用すると、エネルギー線の積算光量が比較的低くても十分に硬化できる。
<工程(C)>
工程(B)により硬化したインク組成物層に対して、この工程(C)において目的とした外観を得るために選択した任意の粉末を散布し、この粉末を硬化したインク組成物層に付着させる。
ここでいう散布は、硬化したインク組成物層を表面に有する基材に対して、その硬化したインク組成物層の表面に向けて、任意の手段により下記の1種以上の粉末を散布する工程である。そしてそのような散布する工程を複数回行なっても良く、散布する回毎に異なる粉末を散布しても良い。又、硬化したインク組成物層のうち、表面の領域毎に異なる粉体を散布しても良い。
なお、散布の形態としては、例えば硬化後のインク組成物層を設けたシート状物等の基材を、その硬化後のインク組成物層が上面になるように、基台等に載置したり、コンベア上を移動させたりしながら、基材の上方に設けた任意の散布装置から任意の量及び範囲に対して粉体を散布しても良い。又、硬化後のインク組成物層を設けたシート状物の基材を、硬化後のインク組成物層が水平面に対して垂直になるように維持して、その垂直の面に任意の散布手段から粉体を散布しても良い。さらに、硬化後のインク組成物層を設けたシート状物の基材を、その硬化後のインク組成物層が下面になるように維持しながら、その下方から上方に向けて、粉体を散布(噴射)しても良い。
使用する粉体としては、常温(25℃)で固体であることが好ましい、常温で固体ではない場合には、予めカプセル化等してもよい。
散布の際には、硬化したインク組成物層の表面の全面に隙間なく任意の粉体を付着できるように散布しても良い。又、硬化したインク組成物層の表面に、任意の粉体を、粉体間で隙間があり、外見上、インク組成物層が見える程度に付着するように散布しても良い。粉体の隙間からインク組成物層を確認できるときには、インク組成物層の色等と粉体の色等が相まって、優れた外観とすることができる。
ここでいう付着とは、硬化したインク組成物層上に粉体が十分な接着強度で固定された状態をいう。
散布されインク組成物層上に付着される粉体としては、インク組成物や塗料組成物に顔料として配合される粉体等の任意の粉体を採用できる。
このような粉体として、得られる物品の性質や模様、外観に応じて任意のものを使用できる。そして、金属、炭素、無機化合物、無機顔料、ガラス、セラミックス等の無機粉体、樹脂、紙、有機顔料等の有機粉体のいずれでも良い。球状、楕円形状、針状、板状、箔状、不定形状等の形状はどのような形状でも良い。中実粉体、多孔性粉体、中空体粉体等の形状も特に限定されない。又、大きさも特に限定されない。例としては、パール顔料、アルミフレーク、蓄光顔料、蛍光顔料等が挙げられる。
さらに、変温動物や恒温動物の誘引剤、忌避剤や殺剤等の活性を示す剤、及び植物等の成長促進剤、枯殺剤等の活性を示す剤を含有する粉体、あるいは電気的性質、磁気的性質、診断用試薬、医薬等を含有する粉体でも良い。
<工程(D)>
本発明における工程(C)により、硬化したインク組成物層の表面に付着等した粉体をそのまま付着等させておくと共に、必要に応じて、硬化した該インク組成物層表面に付着しなかった粉末を基材層表面から除去する工程を行う。
この硬化したインク組成物層の表面に付着等した粉体の「付着」とは、その後、硬化したインク組成物層の表面上に粉体が十分に固定された状態であり、「付着しなかった」とは、インク組成物層の表面上に粉体が十分に固定されず、粉体が基材層表面に直接接している等の理由で、工程(D)により除去されやすい状態をいう。
工程(D)では、このような「付着しなかった」粉体が除去されるが、それに加えて、硬化したインク組成物層の表面に接しているものの、弱く接しており「付着」したとまではいない粉体も、この工程において除去されてもよい。
工程(D)により粉体を除去するための装置としては、粉体が付着した基材の表面側に向けて、その表面の垂線上又は斜め上方に設置したブロアー等から気流を噴射して粉体を飛ばす噴射装置や、その表面の垂線上又は斜め上方に設置した吸引装置により気流を吸引して、その吸引力により、粉体を空気等と共に吸引する吸引装置を採用できる。
さらに、このような噴射装置や吸引装置により粉体を除去する処理に対して、同時及び/又は前後の少なくとも一方の時期に、基材全体を振動させて、粉体を落下させたり、少なくとも十分に付着していない粉体を、硬化した該インク組成物層表面から除くようにしても良い。
またゴムベラや刷毛等を用いて、除去すべき粉体を除去しても良い。
工程(D)において、一方の表面に硬化したインク組成物層や粉体を有する基材は、その一方の表面を上方に向けても良く、又、水平面に対して垂直等に位置させても良く、あるいは、その一方の表面が下方に向けられるように位置させてもよい。例えば、水平面に対して一方の表面を垂直に位置させた場合や、下方に向けた場合には、一部の「付着」していない粉体が自重により落下する可能性もある。
このようにして、除去した粉体を公知の手段により回収して、再度使用したり、あるいはなんらかの処理を行なったりしても良い。
このため、工程(D)により、硬化した該インク組成物層表面に付着しなかった粉末であって、その表面から除去された粉末は、上記の噴射装置や吸引装置により粉体を除去する場合には、その除去した粉末が担持された気流の下流に、粉体を集めるトラップや、網状物、布状物を設けて、該粉体を集めて回収しても良い。そして回収した粉体は、必要に応じて、上記工程(C)に循環をして、硬化したインク組成物層に向けて、散布をしても良い。
<工程(E)>
本発明において採用しても良い工程(E)により、粉体を付着した硬化した該インク組成物層表面、及び/又は、粉体を付着した硬化した該インク組成物層表面を含む全面や、全面の中の一部の面に対して、上塗り層用組成物を塗工しても良い。この上塗り層用組成物は、上記基材、硬化した該インク組成物層表面及び粉体に対して、十分な密着性を有することが必要である。
その上塗り層用組成物を塗工は、任意の印刷インキ組成物を印刷することによる着色や、オーバーコートニス組成物を塗布することを包含する。又はこのような塗工を行わず、これらの印刷や塗布を行わなくても良い。
印刷インキ組成物としては、任意の色材により隠蔽性が高い(印刷後に目視にて付着した粉体を確認できない程度の隠蔽性)ものでも良く、隠蔽性が低いものでも良い。オーバーコートニス組成物は無色透明ものでも良く、透明である範囲において任意の色材により着色されていても良い。なお、隠蔽性が高い印刷インキ組成物は、粉体を付着した硬化した該インク組成物層表面の一部の面に印刷されるものであることが好ましい。
これらの上塗り層用組成物としては、活性エネルギー線硬化型組成物、水性樹脂組成物、油性樹脂組成物等の公知の上塗り層用組成物を採用できる。但し、本発明による印刷インク組成物層による印刷及び粉体を付着させたことによる効果を毀損しないよう、硬化した接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物や付着した粉体を、溶解したり、変性したりしないことが必要である。
このように、上塗り層用組成物としての、印刷インキ組成物による着色や、オーバーコートニス組成物層を形成することにより、硬化したインク組成物層及び粉体の加飾や保護等することができる。例えば粉体を付着させた効果が美観であれば、その美観を維持できる効果を発揮できる。
なお、上記の粉体に関して記載した事項から、例えば変温動物や恒温動物の誘引剤、忌避剤や殺剤等の活性を示す剤、及び植物等の成長促進剤、枯殺剤等の活性を示す剤を含有する粉体等のように、粉体が最表面にあることにより効果を発揮する場合等には、硬化した該インク組成物層表面を含む面に対して、上塗り層用組成物を塗布しないほうがよいときがある。
<本発明中の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物>
以下に本発明中の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の各成分を説明する。なお、以下の各化合物は、下記の複数の成分の分類に包含される可能性がある。この場合には、それぞれの分類に該当するものとして考慮する。
(ヒドロキシ基を有しTgが0℃以下である単官能モノマー)
本発明において使用できるヒドロキシ基を有しTgが0℃以下である単官能モノマーとしては、ヒドロキシエチルアクリレート(Tg-15℃)、ヒドロキシプロピルアクリレート(Tg-7℃)、2-ヒドロキシブチルアクリレート(Tg-7℃)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(Tg-40℃)等が挙げられる。
(その他の単官能モノマー)
本発明のインク組成物には、その他の単官能モノマーを含有させても良い。このような単官能モノマーとしては、Tgが0℃以下でも良く、Tgが0℃を超えていても良い。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」「メタアクリレート」を共に含む。
その他の単官能モノマーとしては、「ヒドロキシ基を有しTgが0℃以下である単官能モノマー」ではない単官能モノマーが挙げられる。そのようなモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート系化合物、Tgが0℃を超えるヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート系化合物、ハロゲン含有(メタ)アクリレート系化合物、エーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物、その他の(メタ)アクリレート系化合物等が挙げられる。
又、Tgが70℃以上の単官能モノマーを、下記の単官能モノマーから選択して、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に30.0質量%未満となるように含有させることが好ましく、含有させなくてもよい。含有させる場合には、25.0質量%以下がより好ましく、20.0質量%以下が更に好ましい。このようなTgが70℃以上の単官能モノマーの一例として、例えば、メチルメタアクリレート(Tg105℃)、イソボルニルアクリレート(Tg94℃)、イソボルニルメタアクリレート、(Tg180℃)、アクリロイルモルホリン(Tg145℃)、ジメチルアクリルアミド(Tg119℃)、アクリロニトリル(Tg104℃)、アクリルアミド(Tg165℃)、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(Tg134℃)、アクリル酸(Tg106℃)、メタクリル酸(Tg228℃)、イタコン酸(Tg100℃)、スチレン(Tg100℃)等が挙げられる。
-アルキル(メタ)アクリレート系化合物-
アルキル(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、(メタ)ノニルアクリレート、イソ(メタ)ノニルアクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、これらのアルキル(メタ)アクリレート系化合物のうち、n-オクチルアクリレート(Tg-65℃)、ラウリルアクリレート(Tg-23℃)、イソデシルアクリレート(Tg-62℃)、イソノニルアクリレート(Tg-58℃)、ノニルアクリレート(Tg-37℃)、ステアリルアクリレート(Tg30℃)、イソステアリルアクリレート(Tg-18℃)を含有させても良い。
-Tgが0℃を超えるヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート系化合物-
このようなヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、下記に示す化合物から、上記のTgが0℃以下である単官能モノマーを除いた化合物が挙げられる。下記の化合物のうち、Tgが0℃以下のものは、上記のTgが0℃以下である単官能モノマーとし、ここでのヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート系化合物とはしない。
ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アリルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、2-エチルヘキシルEO変性(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、p-クミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコール変性(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
-ハロゲン含有(メタ)アクリレート系化合物-
ハロゲン含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H-ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、2,6-ジブロモ-4-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6-トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6-トリブロモフェノール3EO(エチレンオキサイド)付加(メタ)アクリレート等が挙げられる。
-エーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物-
エーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、1,3-ブチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、クレジルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシ)エチル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p-ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p-ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO繰返し単位数400、700等)、2-(2-エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチルアクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アルコキシ化2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート(エトキシ化2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシ化2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート等)、アルコキシ化ノニルフェニル(メタ)アクリレート(エトキシ化(4)ノニルフェノール(メタ)アクリレート等)、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化コハク酸(メタ)アクリレート、エトキシ化トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェニル(メタ)アクリレート等のアルコキシ系及び又はフェノキシ系(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
-カルボキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物-
カルボキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート等が挙げられる。
-その他の(メタ)アクリレート系化合物-
その他の(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、ジフェニル-2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性-2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2-ヒドロキシ-1-(メタ)アクリロキシ-3-メタクリロキシプロパン、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、エチルジグリコール(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートベンジルクロライド4級塩、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、クレゾール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、1-(メタ)アクリロイルピペリジン-2-オン、2-(メタ)アクリル酸-1,4-ジオキサスピロ[4,5]デシ-2-イルメチル、N-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、γ-ブチロラクトン(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ビニル、マレイミド等が挙げられる。
また、アクリロイルモルホリン(Tg145℃)、ジメチルアクリルアミド(Tg119℃)、ヒドロキシエチルアクリルアミド(Tg98℃)、イソプロピルアクリルアミド(Tg134℃)、ジエチルアクリルアミド(Tg81℃)、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(Tg134℃)等も挙げられる。
(多官能重合性化合物)
多官能重合性化合物(不飽和結合を2つ以上備えた化合物)としては、例えば下記の多官能(メタ)アクリレート系化合物やビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物等を用いることができる。
特に分子量400未満の多官能アクリレートモノマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に25.0質量%未満含有することが好ましい。
-多官能(メタ)アクリレート系化合物-
多官能(メタ)アクリレート系化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7-ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-2,4-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオ-ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート等、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン及びジペンタエリスリトール等の多価アルコールのジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマー等を使用できる。これらの多官能(メタ)アクリレート系化合物の中でもポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく、ジアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートがより好ましく、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが更に好ましい。
又、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマー;及びこれらの3EO(エチレンオキサイド)変性物、6EO変性物、9EO変性物(EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、3EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、3EO変性トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、3EO変性トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート等) トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等の4官能以上のモノマー;等を挙げることができる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA;3官能)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(DITMPTA;4官能)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA;6官能)、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA;2官能)等を使用できる。
-ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物-
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸-3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-1-メチル-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-4-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸-1-メチル-3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-1-ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸-2-メチル-3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-3-メチル-3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-1,1-ジメチル-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸-3-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸-1-メチル-2-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-2-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸-4-ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸-5-ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸-6-ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸-4-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸-3-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸-2-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸-p-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸-m-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸-o-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル等が挙げられる。
((メタ)アクリル酸アミド系化合物)
本発明の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、(メタ)アクリル酸アミド系化合物を含有しても良く、含有しなくても良い。(メタ)アクリル酸アミド系化合物としては、例えば、アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。中でもアクリロイルモルフォリンが好ましい。
<アミン変性光重合性オリゴマーを含む二官能のアクリレートオリゴマー>
アミン変性光重合性オリゴマーを含む二官能のアクリレートオリゴマーは、アミン変性光重合性オリゴマーのみ、又は、アミン変性光重合性オリゴマーとその他の二官能のアクリレートオリゴマーの混合物である。これらのオリゴマーは、いずれも重量平均分子量500~3,000、かつ粘度4,000mPa・s以下が好ましい。
アミン変性光重合性オリゴマーは、分子内に2個の光重合性官能基とアミノ基とを有するアミン変性光重合性オリゴマーであることが好ましい。
中でも分子内に2個の(メタ)アクリロイル基と2個のアミノ基とを有するアミン変性光重合性オリゴマーが好ましい。
アミン価が130~142mgKOH/gであることが好ましい。なお、本実施形態において、アミン価は固形分1gあたりのアミン価を意味し、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法(例えば、COMTITE(AUTO TITRATOR COM-900、BURET B-900、TITSTATIONK-900)、平沼産業(株)製)によって測定した後、水酸化カリウムの当量に換算した値である。
この分子内に2個の(メタ)アクリロイル基と2個のアミノ基とを有するアクリル化アミン化合物は、2官能(メタ)アクリレートとアミン化合物とを反応させて得られるアクリル化アミン化合物であることが好ましい。2官能(メタ)アクリレートは、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、チオビスフェノールのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、臭素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等のビスフェノールアルキレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジ(メタ)アクリレート等である。これらの中でも、2官能(メタ)アクリレートは、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
アミン化合物は、ベンジルアミン、フェネチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、n-ペンチルアミン、イソペンチルアミン、n-ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n-ヘプチルアミン、n-オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、n-ノニルアミン、n-デシルアミン、n-ドデシルアミン、n-テトラデシルアミン、n-ヘキサデシルアミン、n-オクタデシルアミン等の単官能アミン化合物、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、o-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、o-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、m-キシリレンジアミン、メンタンジアミン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシルノメタン、イソフォロンジアミン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタール系ジアミン等の多官能アミン化合物等である。又、アミン化合物は、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の高分子量タイプの多官能アミン化合物であってもよい。
この分子内に2個の光重合性官能基及び2個のアミノ基を有するアクリル化アミン化合物のオリゴマーとしては、CN371NS、CN549NS、CN550、CN551NS、CN371、CN373、CN383、CN386、CN501、CN503、CN3755(サートマーアルケマ社)、EBECRYL LEO 10101、EBECRYL LEO 10103、EBECRYL80、EBECRYL81、EBECRYL83、及びEBECRYL7100、EBECRYL84、EBECRYLP115(ダイセル・オルネクス社)、ETERCURE63922(エターナル社)、LAROMER PO 83F、LAROMER PO 84F、Laromer LR8946、Laromer LR8956、Laromer LR8996、Laromer LR8894(BASF社)、AgiSyn 001、002、003、008、701、701P、703、及び703TF(DSM社)、Photomer4771、4775、4967、5096、5662、5930(コグニス社)、PHOTOCRYL A104、Miramer AS1000(MIWON社)、Doublecure EPD、OPD、115、225、645、PolyQ222、226、224、101(DoubleBondChemicals社)等を使用できる。
接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物全体に対するアミン変性光重合性オリゴマーは、0.5質量%以上であり、1.0質量%以上が好ましく、2.5質量%以上がより好ましく、4.0質量%以上が更に好ましい。又25.0質量%以下であり、24.0質量%以下が好ましく、23.0質量%以下がより好ましく、22.0質量%以下が更に好ましい。
アミン変性光重合性オリゴマーの含有量が0.5質量%未満であると、メタハラ硬化性及び再剥離性に劣ることになる。
二官能のアクリレートオリゴマーのうち、上記アミン変性光重合性オリゴマー以外のオリゴマーとして、環境面を考慮して植物由来のジカルボン酸成分やジオール成分を使用して得たポリエステルポリオールを原料としたポリウレタンオリゴマー及び/又はポリウレタンポリウレアオリゴマーを採用することもできる。
植物油変性多官能ポリエステルアクリレートオリゴマーとしては、アクリレート基を分子内に2~6つ有する植物油変性ポリエステルアクリレートオリゴマーであれば制限なく用いることができる。
このうち、例えば、EBECRYL 450、452、820、1622や、トール油脂肪酸変性6官能ポリエステルアクリレート(例えば、AgiSyn 716等)からなる群より選ばれる1種以上を用いると、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物のバイオマス度を高くでき好ましい。
これらのオリゴマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[その他の重合性化合物]
-不飽和カルボン酸系化合物-
不飽和カルボン酸系化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、それらの塩及びそれらの酸無水物等が挙げられる。
(ビニル化合物)
本発明の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物には、上記の光重合性成分の他に、ビニル化合物を配合できる。このようなビニル化合物としては、(メタ)アクリル酸に由来する構造を有していないビニル化合物であり、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-2-カプロラクタム、N-ビニルカルバゾール、ビニルメチルオキサゾリジノン等が挙げられる。
ビニル化合物を含有するときの光重合性成分全体に対する、ビニル化合物の含有量は、1.0質量%以上が好ましく、3.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上が更に好ましい。又10.0質量%以下が好ましく、8.0質量%以下がより好ましく、6.0質量%以下が更に好ましい。
-スチレン系化合物-
スチレン系化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、p-ヒドロキシスチレン、p-クロロスチレン、p-ブロモスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-t-ブトキシスチレン、p-t-ブトキシカルボニルスチレン、p-t-ブトキシカルボニルオキシスチレン、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
-アリレート系化合物-
アリレート系化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、イソシアヌル酸トリアリレート等が挙げられる。
-その他のエチレン性不飽和結合を1つ備えた化合物-
エチレン性不飽和結合を1つ備えた化合物として、前記化合物以外の「その他のエチレン性不飽和結合を1つ備えた化合物」を用いることができる。
そのような化合物としては、例えば、酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、2-エチルヘキサン酸ビニル、三員環化合物類(例えば、ビニルシクロプロパン類、1-フェニル-2-ビニルシクロプロパン類、2-フェニル-3-ビニルオキシラン類、2,3-ジビニルオキシラン類等)、環状ケテンアセタール類(例えば、2-メチレン-1,3-ジオキセパン、ポジオキソラン類、2-メチレン-4-フェニル-1,3-ジオキセパン、4,7-ジメチル-2-メチレン-1,3-ジオキセパン、5,6-ベンゾ-2-メチレン-1,3-ジオセパン等)等が挙げられる。
(ポリマー)
エチレン性不飽和結合を備えた硬化性樹脂としてのポリマーは、上述のモノマーやオリゴマーとともに高分子量化する成分であり、紫外線等の活性エネルギー線が照射される前から大きな分子量を備えているので、インク組成物の粘弾性の向上に役立つ成分である。 このようなポリマーは、例えば、低粘度の液体であるモノマー中に溶解又は分散された状態で用いられる。エチレン性不飽和結合を備えたポリマーとしては、ポリジアリルフタレート、未反応の不飽和基を備えたアクリル樹脂、アクリル変性フェノール樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、ポリジアリルフタレートは、上記モノマーやオリゴマーとの相溶性が特に優れているので好ましく用いることができる。
又、エチレン性不飽和結合を備えたポリマーを含有しなくてもよいが、含有する場合には、光重合性成分全体に対するエチレン性不飽和結合を備えたポリマーの含有量としては、0~50.0質量%が好ましく、0~30.0質量%がより好ましく、0~20.0質量%が更に好ましい。
インク組成物に含有されてもよい光重合開始剤は特に限定されず、ベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、2-メチル-1-(4-メチルチオ)フェニル-2-モルフォリノプロパン-1-オン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス-2,6-ジメトキシベンゾイル-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2,2-ジメチル-2-ヒドロキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,4,6-トリメチルベンジル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン等を使用できる。このような光重合開始剤は市販されており、例えばBASF社からイルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア184、イルガキュア379、イルガキュア819、TPO等の商品名で、Lamberti社からDETX等の商品名で入手することができる。複数の光重合開始剤を併用してもよい。
本発明のインク組成物には、光重合開始剤を含有しても良く、また含有しなくても良い。
光源として紫外線(UVランプ(メタルハライド等))、紫外線(発光ダイオード(LED))を用いる場合は、光重合開始剤の含有量は、0質量%でも良いが、インク組成物中、0.5質量%以上が好ましく、5.0質量%以上であることがより好ましい。又、光重合開始剤の含有量は、インク組成物中、15.0質量%以下が好ましく、10.0質量%以下であることがより好ましい。光重合開始剤を含有し、その含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物は、充分な硬化性、内部硬化性及び低コストとなり得る。
なお照射する活性エネルギー線として電子線を使用する場合にも、光重合開始剤を使用しなくても良く、使用しても良い。
(増感剤)
インク組成物は、増感剤を含むことができる。増感剤が含まれることにより、インク組成物は、例えば、発光ダイオード(LED)を光源とした紫外線に対する硬化性を促進することができ、必要に応じて400nm付近の、長波長の紫外線に対して光吸収特性を有し、その波長の光により硬化反応の増感機能が発現しやすい。なお、上記「400nm付近の波長の光により増感機能が発現する」とは、400nm付近の波長域で光吸収特性を有することをいう。このような増感剤を用いることで、本実施形態のインク組成物は、LED硬化性を促進され得る。
増感剤としては、アントラセン系増感剤、チオキサントン系増感剤等であることが好ましく、チオキサントン系増感剤であることがより好ましい。光増感剤は、併用されてもよい。具体的には、光増感剤は、9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、9,10-ジプロポキシアントラセン、9,10-ビス(2-エチルヘキシルオキシ)アントラセン等のアントラセン系増感剤、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系増感剤等である。市販品の代表例は、アントラセン系増感剤としては、DBA、DEA(川崎化成工業(株)製)、チオキサントン系増感剤としては、DETX、ITX(LAMBSON社製)等である。
増感剤が含まれる場合、増感剤の含有量は、インク組成物中、0質量%を超え、3.5質量%以下であることが好ましい。増感剤の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物は、増感剤を配合することによる効果が向上しやすい。
本発明において、インクジェット印刷装置による吐出性を阻害しない範囲において、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に予め顔料を含有させても良い。
このような顔料としては、着色顔料、白色顔料、金属パウダー等が挙げられる。このような顔料としては、従来からインク組成物に使用されている例えば下記の有機及び/又は無機顔料を特に制限無く挙げることができる。
そして、顔料の平均粒子径は500nm以下が好ましく、400nm以下がより好ましく、350nm以下がさらに好ましい。顔料の平均粒子径を500nm以下にすることにより、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物はより高い硬化性を発揮できる。
顔料としては、染料レーキ顔料、アゾ系、ベンゾイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジコ系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、ニトロ系、ニトロソ系、フラバンスロン系、キノフタロン系、ピランスロン系、インダンスロン系の顔料及び各種無機顔料等が挙げられる。
これらの顔料の中でもジスアゾイエロー(ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー1)、ハンザイエロー等のイエロー顔料、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウオッチングレッド、キナクリドン等のマゼンタ顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー等のシアン顔料、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、鉄黒、酸化クロムグリーン、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料(白色、黒色等の無彩色の着色顔料も含める)アルミニウムペースト、ブロンズパウダー等の金属パウダー等が例示される。
(顔料分散剤・顔料分散用樹脂)
このような顔料を含有させる場合には、表面調整剤とは異なる顔料分散剤及び/又は顔料分散用樹脂を配合してもよい。
顔料分散剤としては、公知のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、シリコン系界面活性剤(例えば、ポリエーテル変性シリコンオイル、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性メチルアルキルポリシロキサン等)、フッ素系界面活性剤、オキシアルキレンエーテル系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、リン系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
又、顔料分散用樹脂として、高分子分散剤(例えば、カルボジイミド系、ポリエステル系、ポリアミン系、ポリエステルアミン系、ポリウレタン系、脂肪酸アミン系分散剤、ポリアクリレート系、ポリカプロラクトン系、ポリシロキサン系、多鎖型高分子非イオン系、高分子イオン系の分散剤等)等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
本発明の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物が顔料分散剤や顔料分散用樹脂を含む場合には、使用する顔料の合計量を100質量部としたときに、顔料分散剤や顔料分散用樹脂を1~200質量部含有することが好ましい。
(その他の成分)
本発明の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、その他の成分として、界面活性剤、重合禁止剤、保存性向上剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤、増粘剤、保湿剤、pH調整剤等の各種添加剤を含有してもよい。又、硬化性ではない樹脂を配合しても良く、配合しなくても良い。又、溶剤を含有させても良いが、含有しなくても良い。
なお、硬化した本発明のインク組成物が粘着性を有する場合には、本発明のインク組成物にはタッキファイヤーを含有させても良く、又は含有しなくても良い。
<表面調整剤(界面活性剤)>
本発明の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物には、使用するインクジェットヘッドや被印刷物に応じて、表面調整剤として、光硬化型インクジェット用インク組成物に使用される公知の界面活性剤が特に制限なく使用でき、例えば、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ベタイン界面活性剤が挙げられる。前記界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイル、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性メチルアルキルポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤等が挙げられる。前記界面活性剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。但し、上記顔料分散剤と重複しても良く、異なっていても良い。
前記シリコーン系界面活性剤としては、BYK-307、BYK-315N、BYK-331、BYK-333、BYK-347、BYK-348、BYK-349、BYK-345、BYK-377、BYK-378、BYK-3455、BYK-UV3500(ビックケミー社)等が挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、F-410、F-444、F-553(DIC社)、FS-65、FS-34、FS-35、FS-31、FS-30(デュポン社)等が挙げられる。
前記アセチレン系界面活性剤としては、ダイノール607、ダイノール609、オルフィンE1004、オルフィンE1010、オルフィンE1020、オルフィンPD-001、オルフィンPD-002W、オルフィンPD-004、オルフィンPD-005、オルフィンEXP.4001、オルフィンEXP.4200、オルフィンEXP.4123、オルフィンEXP.4300(日信化学社)、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノール104BC、サーフィノール104DPM、サーフィノール104PA、サーフィノール104PG-50、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465(EVONIK社)等が挙げられる。
本発明の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中、前記界面活性剤の割合は、インク組成物の表面張力を低下させ、インクジェットヘッドからの吐出安定性を高める観点から、0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、そして、配合中に発生するインク組成物中の泡を抑制し、吐出安定性を高める観点から、1.5質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましい。
表面調整剤が含有される場合において、表面調整剤の含有量は特に限定されず、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の表面張力が32.0mN/m以下となる含有量である。表面張力が32.0mN/mを超える場合、基材に対する濡れ性不足のため、画質不良を起こす。
(有機溶剤)
本発明のインク組成物は有機溶剤を含有しても良いが使用しなくても良い。使用する場合、使用する有機溶剤としては、表刷り用及びシュリンク用のインキ組成物と共通して、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール等のアルコール系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸tert-ブチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール系溶剤及びこれらのエステル化物が挙げられ、エステル化物としては主にアセテート化したものが選ばれ、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
環境問題の面からは、エステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤及びケトン系有機溶剤の混合溶剤、又は、より環境問題への対応を進めたエステル系有機溶剤、及びアルコール系有機溶剤の混合溶剤を使用することが好ましい。
接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の保存時の重合を防止する目的で、公知の重合禁止剤を含んでいてもよい。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ブチルヒドロキシトルエン等のフェノール化合物や、酢酸トコフェロール、ニトロソアミン、ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン等を好ましく例示することができ、中でもハイドロキノンをより好ましく例示することができる。このような重合禁止剤が添加されることにより、保存時に重合反応が進行してインク組成物が増粘するのを抑制できる。インク組成物中の重合禁止剤の含有量としては、光重合性成分全体を100質量部としたときに0.1~1.0質量部程度を例示することができる。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤等である。
(酸化防止剤)
酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等である。
(消泡剤)
消泡剤は、シリコーン系消泡剤、プルロニック(登録商標)系消泡剤等である。
本発明の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の、25℃における粘度は、50.0mPa・s以下であり、好ましくは35.0mPa・s以下、より好ましくは30.0mPa・s以下、更に好ましくは25.0mPa・s以下である。また、好ましくは10.0mPa・s以上、より好ましくは13.0mPa・s以上である。インク組成物には、必要に応じて粘度調整剤等が配合される。なお、本願明細書に記載の粘度は、E型粘度計(RE100L型粘度計、東機産業社製)を用いて、25℃、10rpmの条件で測定した粘度である。
又、25℃における表面張力は32.0mN/m以下である。
<接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の調製方法>
次に、これらの材料を用いて本発明の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を製造する方法について説明する。
本発明の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、例えば、湿式サーキュレーションミル、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、DCPミル、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー、ナノマイザー、アルティマイザー、ジーナスPY、DeBEE2000等)等の分散機を使用して各成分を撹拌混合及び/又は分散混合し、必要により接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の粘度を調整して得ることができる。なお、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、顔料と上記顔料分散剤及び上記光重合性モノマーを混合することにより、予めベースインク組成物を得て、そこに所望の組成となるよう上記の成分の残余の分を添加して調製してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
下記表1及び2に記載の各実施例及び各比較例のインク組成物を調製し、それぞれのインク組成物に関する試験結果を表1及び2に記載した。
CN371NS:アミン変性(メタ)アクリレートオリゴマー(分子内に2個の光重合性官能基と2個のアミノ基とを有するアクリル化アミン化合物)(サートマーアルケマ社)
CN966J75:脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー(分子内に2個の光重合性官能基を有する化合物)(サートマーアルケマ社)
HDDA:1,6-ヘキサンジオールジアクリレート
ACMO:アクリロイルモルホリン(Tg145℃)
TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド
TPOL:エチルフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィネート
Omnirad184:1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニル-ケトン
HQ:ハイドロキノン
BYK-UV3500:ポリエーテル変性アクリロイル基含有ポリジメチルシロキサン(固形分100%)(ビックケミー社)
<試験方法>
(粘度)
実施例及び比較例で得られた接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物についてE型粘度計(商品名:RE100L型粘度計、東機産業社製)を使用して、温度25℃、ローター回転速度10rpmの条件で、粘度(mPa・s)を測定した。
(静的表面張力)
実施例及び比較例で得られた接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物について動的濡れ性試験機(商品名:WET-6000、レスカ社製)を使用して、温度25℃で静的表面張力(mN/m)を測定した。
(メタルハライドランプ硬化性)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製E5100;以下「PETフィルム」という)の表面に、実施例及び比較例で得られた接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を、バーコーターNo.4を用いて塗布した。
次いで、メタルハライドランプを用いて75mJ/cmの照射条件にて、硬化するまでのパス回数を評価した。
評価においては、綿棒で擦った際に後残りが無くなる回数を硬化完了とした。
〇:3パス以下
×:4パス以上
(LED硬化性)
PETフィルムの表面に、実施例及び比較例で得られた接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を、バーコーターNo.4を用いて塗布した。
次いで、フォセオンテクノロジー社製LEDランプを用いて、積算光量80mJ/cmの照射条件にて波長395nmの光を照射し、下記評価基準に従って評価した。
〇:綿棒で擦ってもインク塗膜の取られなし
×:綿棒で擦るとインク塗膜の取られあり
(加飾性)
PETフィルムの表面に、実施例及び比較例で得られた接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を、バーコーターNo.4を用いて塗布した。
次いで、メタルハライドランプにて硬化させ、硬化後の塗膜にパール顔料(MagnaPearl3000(BASF社))を散布した。
ゴムベラを用いて余分な粉体を除去し、光学顕微鏡を用いて、インク塗工部に付着したパール顔料を観察した。この加飾性を有する場合には、硬化後の塗膜表面はタック性を有するといえる。
〇:インク塗工部にまんべんなく粒子が付着していた。
×:粒子未付着の箇所が散見された。
(再剥離性)(再剥離性が不十分であると、粉末状成分の付着後に位置ずれや脱離が発生し、十分な意匠性を得られない。)
PETフィルムの表面に、実施例及び比較例で得られた接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を、バーコーターNo.4を用いて塗布した。
次いで、メタルハライドランプにて硬化させ、硬化後の塗膜にPETフィルムを貼り合わせた。
貼り合わせた2枚のPETフィルムについて、剥離して再度貼り合わせる操作を2回繰り返した。そして、3回目の剥離操作後に塗膜の様子を観察した。
〇:外観に変化がなかった。
△:塗膜の表面にのみ変形が見られた。
×:塗膜の脱離や、塗膜の凝集破壊が見られた。
Figure 0007194863000001
Figure 0007194863000002
本発明に沿った実施例によれば、吐出性、メタルハライドランプ硬化性、LED硬化性、加飾性及び再剥離性のいずれも優れていた。それに対して、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物が、ヒドロキシ基を有しTgが0℃以下である単官能モノマーを含有しない比較例1によれば、再剥離性に劣っていた。アミン変性光重合性オリゴマーを含む、二官能のアクリレートオリゴマーを含有しない比較例2及び3によれば、メタルハライド硬化性及び再剥離性に劣っていた。ヒドロキシ基を有しTgが0℃以下である単官能モノマーの含有量が少ない比較例4によれば、加飾性に劣っていた。ヒドロキシ基を有しTgが0℃以下である単官能モノマーの含有量がわずかに少ない比較例5によれば、加飾性に劣っていた。アミン変性光重合性オリゴマーを含む、二官能のアクリレートオリゴマーの含有量が過剰であり、粘度が高すぎた比較例6によれば、吐出性及び加飾性に劣っていた。表面張力が高すぎる比較例7によれば、再剥離性に劣っていた。

Claims (9)

  1. ヒドロキシ基を有しTgが0℃以下である単官能モノマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に50.0~85.0質量%含有し、
    アミン変性光重合性オリゴマーを含む二官能のアクリレートオリゴマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に0.5~25.0質量%含有し、
    25℃における粘度が50mPa・s以下であり、25℃における表面張力が32.0 mN/m以下である接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用い、
    下記工程(A)~(C)を順に行う、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物による印刷部に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る方法。
    工程(A):上記接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を、インクジェット印刷装置により基材上に吐出して、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物層を形成する工程
    工程(B):工程(A)により形成された接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物層に、活性エネルギー線を照射して該インク組成物層を硬化させる工程
    工程(C):工程(B)により得られた硬化した該インク組成物層に粉末を散布して、接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物層に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る工程
  2. 工程(C)の後に、工程(D)として、硬化した該インク組成物層表面に付着しなかった粉末を基材層表面から除去する工程を有する請求項1記載の印刷部に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る方法。
  3. 工程(B)に用いられる活性エネルギー線が、発光ダイオードを発光源とする波長360~420nmの光である請求項1又は2記載の印刷部に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る方法。
  4. 工程(D)の後に、工程(E)として、粉末が付着した硬化した該インク組成物層の上に、上塗り層用組成物を塗工する工程を有する請求項2記載の印刷部に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る方法。
  5. 請求項2に記載の工程(D)において除去された粉末を回収し、該工程(C)にて再利用する印刷部に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る方法。
  6. 工程(C)における粉末が常温で固体である請求項1又は2に記載の印刷部に粉末を付着させてなる粉末付着印刷物を得る方法。
  7. 請求項2で記載される工程(D)の後、メタルハライドランプによるUV照射工程が行われてなる粉末付着印刷物を得る方法。
  8. ヒドロキシ基を有しTgが0℃以下である単官能モノマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に50.0~85.0質量%含有し、
    アミン変性光重合性オリゴマーを含む二官能のアクリレートオリゴマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に0.5~25.0質量%含有し、
    25℃における粘度が50mPa・s以下であり、25℃における表面張力が32.0mN/m以下である、
    接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
  9. Tgが70℃以上の単官能モノマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に30.0質量%未満含有し、
    分子量400未満の多官能アクリレートモノマーを接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中に25.0質量%未満含有する、
    請求項8記載の接着用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。







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