JP2000206843A - 再利用可能な被記録材ならびにそのリサイクル方法およびシステム - Google Patents

再利用可能な被記録材ならびにそのリサイクル方法およびシステム

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JP2000206843A
JP2000206843A JP11007454A JP745499A JP2000206843A JP 2000206843 A JP2000206843 A JP 2000206843A JP 11007454 A JP11007454 A JP 11007454A JP 745499 A JP745499 A JP 745499A JP 2000206843 A JP2000206843 A JP 2000206843A
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Japan
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fine particles
surface layer
water
recycling
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English (en)
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Naoki Yoshie
直樹 吉江
Chiaki Yamaoka
千晶 山岡
Toshimitsu Fujiwara
利光 藤原
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リサイクルによる通紙性の劣化が起こりにく
く、表面性が均一で転写ムラの生じない被記録材および
そのリサイクル方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも基材層、水膨潤性樹脂からな
る表層で構成され、水性溶媒により表層を膨潤させ力学
的ストレスを印加して印字材料を除去することにより再
利用が可能な被記録材のリサイクル工程において、該被
記録材の表面に乾燥微粒子を均一に付与することを特徴
とする該被記録材のリサイクル方法。少なくとも基材
層、水膨潤性樹脂からなる表層で構成され、リサイクル
工程において上記方法によりその表面に乾燥微粒子が均
一に付与された、水性溶媒により表層を膨潤させること
により再利用可能な被記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は複写機やプリンタ
等で画像形成することにより、被記録材へ付着した印字
材料を被記録材から除去することにより再利用が可能な
被記録材のリサイクル方法、リサイクルシステムおよび
リサイクルにより再生された再使用可能な被記録材に関
する。
【0002】
【従来の技術】今日、トナーを用いる電子写真複写(い
わゆるコピー)技術が普及し、紙やOHPシート等の被
記録材が多量に用いられている。
【0003】そのような被記録材上に印字あるいはコピ
ーされた印字材料は容易に除去できるものではなく、ま
たそのような技術も実用化されていないのでオフィスで
多量に発生した印字物は不要になるとそのまま破棄され
ているのが実状である。
【0004】これでは環境保全、資源保護に好ましくな
いことは明らかである。そのため破棄対象の被記録材を
再生あるいはリサイクルする技術が盛んに研究されてい
る。例えば特開平6−222604号公報あるいは特開
平7−311523号公報等においては、被記録材の表
面に水により膨潤する膨潤層を形成しておき、この膨潤
層を水で濡らして膨潤させることにより、被記録材に記
録された画像を除去する方法が開示されている。
【0005】これらの被記録材は水等の脱墨処理液に浸
漬等することにより膨潤し体積変化が起こる。一方、こ
の被記録材上に印字されている、例えばトナー等の印字
材料は、一般的に上記脱墨処理液に対して膨潤を起さな
いために、被記録材と印字材料との界面において、体積
変化に伴うせん断応力が発生する。このため印字材料が
被記録材から剥離されやすくなり、これにブラッシング
などの物理的摺擦力を加えることで、完全に印字材料を
除去することが可能となるとしている。
【0006】このようなリサイクル可能な被記録材にお
いて、その表面特性や耐久性、筆記性、複写機等の印字
装置での通紙性等を改良する目的で、被記録材の表層
(膨潤層)を構成する水膨潤性樹脂中に微粒子を含有さ
せる手法が、前記特開平6−222604号公報あるい
は特開平7−311523号公報等に記載されている。
【0007】確かにこのような手法により、様々な特性
が改善され、印字装置で使用する際に良好なハンドリン
グ性が得られる。特に印字装置における通紙性といった
観点では如実な効果を示し、被記録材の表面粗さや表面
摩擦係数を任意に所望の値へと変更できるため、ミスフ
ィードや重送といった通紙不良のない被記録材が得られ
る。
【0008】しかしながら、このような構成をとった被
記録材、特にリサイクルを目的とした被記録材では、繰
り返し使用時の耐久性に問題が生じることが分かってき
た。
【0009】先述したように、このような被記録材は、
印字された画像を除去するために、水等の水性溶剤に浸
漬または暴露され、表層すなわち膨潤層が膨潤した状態
で、ブラシによる摺擦等力学的ストレスが印加される。
またリサイクルが目的で使用されるわけであるから、こ
れらの被記録材は上記の工程を多数回経ることになる。
【0010】膨潤した状態での表層は力学的には強度は
強いものではなく、極めて強い摺擦や引っ掻き等を行な
うと、膜(表層)自身が破損してしまう恐れがある。こ
のような例は極端ではあるが、特に微粒子等の添加物を
分散つまり内添させた場合、微粒子と水膨潤性樹脂との
界面には応力が集中しやすくなり、リサイクル工程で必
要十分な力学的ストレス(あるいは吸水するという工
程)だけであっても、両者間の界面での劣化が進行し、
微粒子が表層から徐々に離脱していってしまうことがわ
かった。このような現象が生じると、初期には問題無い
が、複数回再利用した被記録材では、印字装置で通紙不
良を頻発して使用ができないと言うことになってしまう
恐れがある。
【0011】このような劣化を回避する方法としては、
微粒子を表層に内添せず、リサイクル一回毎に塗布ある
いは撒布等の手法で表面に添加する、所謂外添による手
法が考えられる。例えば本発明者らによる特願平10-
345386号にはリサイクルを施す装置内の被記録材
水洗用リンス液中にシリカを添加することにより、リサ
イクル工程中で被記録材表面に微粒子を外添する方法が
開示されている。
【0012】詳細な説明は後述するが、画像除去工程中
で使用する、被記録材を浸漬させる水性溶剤(すなわち
脱墨液)中あるいは被記録材を水洗するためのリンス液
にシリカ等の微粒子を添加しておき、被記録材をこれに
接触させることにより、次に使用する時も常に被記録材
の表面は微粒子が存在することになり、毎使用ごとに良
好な通紙性の被記録材が得られることになる。
【0013】しかし、このような方法をとっても、通紙
性は改善されるが、被記録材の表面の均一性という点で
は問題が生じる。一般的にシリカ等の微粒子は、水中あ
るいは水性溶剤中での分散性が悪く、これらに添加した
場合、たとえ微粒子そのものの粒径(一次粒径)が小さ
くとも、微粒子同士が会合して凝集してしまい、水中あ
るいは水性溶剤中での実質の粒径(二次粒径)はかなり
大きな値となってしまう。このような大粒径の粒子を被
記録材に塗布すれば、部分的に微粒子が固まって存在し
たり全く存在しなかったりするといった偏在が生じ、印
字装置による印字特性が一枚の被記録材上で部分的に不
均一となる。具体的には印字装置における現像・転写の
工程でその効率が不均一となり、得られる画像の濃度ム
ラ、画像の流れ、解像度の低下等の弊害が生じる。また
著しい場合には凝集した微粒子がリサイクルを施す装置
内で固まってしまい、ポンプの詰まりやギア等のトルク
の増大など、装置自身を壊してしまう恐れもある。
【0014】微粒子の分散性を向上させる目的で、水性
溶剤中に各種分散剤、界面活性剤を添加する改善法も考
えられるが、このような添加剤を多量に添加すれば、こ
れらも被記録材の表面に付与されることになり、基本的
な機能であるところの画像除去性能(脱墨性)や印字装
置における転写性等に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、繰り返し使用しても通紙性が劣
化せず、かつ表面の均一性の高い被記録材を提供するこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも基
材層、水膨潤性樹脂からなる表層で構成され、水性溶媒
により表層を膨潤させ力学的ストレスを印加して印字材
料を除去することにより再利用が可能な被記録材のリサ
イクル工程において、該被記録材の表面に乾燥微粒子を
均一に付与することを特徴とする該被記録材のリサイク
ル方法に関する。また、本発明は、少なくとも基材層、
水膨潤性樹脂からなる表層で構成され、リサイクル工程
において上記方法によりその表面に乾燥微粒子が均一に
付与された、水性溶媒により表層を膨潤させることによ
り再利用可能な被記録材に関する。更に、本発明は、基
材層と表層との間に中間層が設けられている上記被記録
材に関する。更にまた、本発明は、上記の被記録材を水
性溶媒により膨潤した状態でその表面に物理的摺擦力を
加えて印字材料を除去する被記録材のリサイクル処理工
程において、乾燥状態の微粒子を該被記録材の表面に付
与する工程を加えたことを特徴とする被記録材のリサイ
クルシステムに関する。上記のように、工程中に毎度乾
燥状態の微粒子を付与することで、繰り返し使用しても
通紙性が劣化せず、かつ表面均一性の良好な被記録材を
得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施形態である
被記録材の模式的断面図を示す。1は基材層、2は基材
層と表層を介在して両者の強固な接着を得るために任意
成分として使用される中間層、3は表層である。なお、
図1においては表層3の表面に印字材料4が印字されて
いる構成を示してある。なお、図1には基材層1の片面
に中間層2および表層3が形成された構成を示している
が、両面に中間層2および表層3が形成された構成でも
よい。また、基材層1と表層3との接着性が充分である
場合には、中間層2を設けない構成をとってもよい。
【0018】基材層1は耐水性と適度な機械的強度およ
び可撓性とを備えたものであればよく、典型的には透明
なプラスチックフィルムまたは無機微粒子が添加されて
不透明化したプラスチックフィルムが好適に使用され
る。プラスチックフィルムの材質は特に限定されない
が、耐熱性等を考慮すると、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート等が好
ましい。更に汎用性、価格、耐熱性、耐久性等を考慮に
入れると、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)
等が望ましい。またPET繊維等のプラスチック繊維を
抄紙したものや、プラスチックをベースとする紙など
の、いわゆる合成紙も基材層として有用である。これ以
外にも、金属箔、耐水性の改良された紙、更に樹脂・紙
・金属などの複合材料も用いることができる。要は、印
字材料の印字および除去を通して平面性を保持でき、且
つ耐水性と適度な機械的強度および可撓性とを備えたも
のであれば使用することができる。
【0019】基材層には必要に応じて、本来の必要特性
を損なわない範囲で帯電防止剤、着色剤、生物分解性促
進添加剤等の添加剤を配合することができる。また基材
層は、その上への表層または必要であれば後述する中間
層の積層接着性を向上させるために、その表面を放電処
理その他の常套の手段により活性化することができる。
基材層の厚さは、30〜200μm、好ましくは50〜
150μmのものが適している。
【0020】表層3は水膨潤性の樹脂を主成分としてな
る。ここで水膨潤性とは水や水性の溶媒に膨潤するが溶
解しないことを言う。これは、水溶性樹脂をベース樹脂
とし、これを架橋することによって作製することができ
る。本発明の表層を構成する主成分である水膨潤性樹脂
のベース樹脂である水溶性樹脂としては、分子中に水酸
基、アミノ基、アミド基、チオール基、カルボキシル
基、スルホン酸基等の活性水素を有する官能基を持つ水
溶性樹脂、例えばポリビニルアルコール、メチルセルロ
ース、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等が使
用できる。またこれらの樹脂中にカチオン性基を有する
成分を含む共重合成分も使用できる。好ましくはポリビ
ニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリル酸を
使用し、中でも水酸基を多く持つポリビニルアルコール
が好ましく、重合度が300〜3000、好ましくは5
00〜2000、より好ましくは500〜1700であ
るものがよい。このような水溶性樹脂は、表層として基
材等に塗布するに当たり、その塗布液中に水性媒体10
0重量部に対して2〜30重量部、好ましくは5〜10
重量部溶解させて用いるのが適当である。また、水溶性
樹脂に非水溶性の成分を添加することにより水等の溶媒
を吸収し膨潤するが該溶媒に溶解しない特性を付与する
ようにしてもよい。
【0021】また、該水溶性樹脂の親水性、吸水性を変
化させる目的で、イオン変成してもよい。イオン変成と
はこれに限らないが、上記官能基の活性水素を、例えば
末端に四級アミン塩を有する官能基、末端にアクリル酸
塩を有する官能基等で一部置換したものをいう。
【0022】水溶性樹脂を架橋させるには、該樹脂の水
溶液に架橋剤や必要に応じて開始剤を添加すればよい。
架橋剤としては、上記水溶性樹脂分子中に存在する水酸
基やアミド基やカルボキシル基と反応性を有し該水溶性
の樹脂を架橋できるものであればよい。例えば、エポキ
シ化合物、イソシアネート化合物、メチロール化合物、
アルデヒド化合物、アジリジン化合物等が挙げられる。
【0023】例えばエポキシ化合物として、ポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリジグ
リシジルエーテル、ソルビタンポリジグリシジルエーテ
ル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げ
られる。これら以外にも種々のエポキシ化合物が使用可
能である。
【0024】イソシアネート化合物としては、一つの分
子中に2つ以上のイソシアネート基を有するものを使用
することができる。イソシアネート基を複数有する化合
物を使用することにより、基材層と表層とをより強固に
接着することができる。
【0025】かかるイソシアネートとしては、例えば
4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4-メチ
レンビスシクロヘキシルイソシアネート、トリス(p-
イソシアネートフェニル)チオフォスフェイト、トリス
(p-イソシアネートフェニル)メタン、トリメチロー
ルプロパンのトリレンジイソシアネート3付加物、分子
内に親水性基を有する脂肪族ポリイソシアネート等が使
用できる。
【0026】またこれらの化合物を含め、本実施形態で
使用されるイソシアネートはフェノール、亜硫酸等で保
護されていてもよい。
【0027】メチロール化合物としては、ジメチロール
メラミン、トリメチロールメラミン等のメチロール化メ
ラミン、ジメチロール化尿素、メラミン−ホルムアルデ
ヒド樹脂等が挙げられる。これら以外にも種々のメチロ
ール化合物が使用可能であり、適度に高分子量体のも
の、さらに分子鎖が適度の長さを有するものが好まし
く、かかる観点からは、上記例示のメチロール化合物の
中ではメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
【0028】アルデヒド化合物としては、グリオキサー
ル、グルタルアルデヒド等が挙げられる。これら以外に
も種々のアルデヒド化合物が使用可能である。
【0029】アジリジン化合物としては、例えば、ジフ
ェニルメタン-ビス-4,4'-N,N’−ジエチル尿素、
2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール-トリス-[3-
(1-アジリジニル)プロピネート]を使用することがで
きる。また、オキサゾリン基含有ポリマーも使用するこ
とができる。
【0030】これら架橋剤は、樹脂、架橋剤の種類、分
子量、反応条件等により異なるために一概には言えない
が、上記水溶性樹脂100重量部に対して0.1〜10
0重量部、好ましくは1〜50重量部添加すればよい。
添加量が少なすぎると膨潤時の膜強度が不足し、あるい
は膜が溶解してしまう恐れがある。逆に多すぎると樹脂
分子鎖同士の拘束が多くなり、充分な膨潤性が得られな
くなるため、十分な画像除去の特性が得られなくなる。
【0031】表層には筆記特性を向上するために微粒子
を配合してもよい。このような目的で添加される微粒子
は2次粒子の平均粒径(2次粒径)が5〜30μm、好
ましくは10〜20μmである。2次粒径が5μmより
小さいと筆記性効果が出にくく、30μmを超えると画
質等に問題が生じる恐れがある。なお、2次粒径とは、
個々の粒子が凝集してなる凝集体をひとつの粒子とみな
した場合の粒径をいう。2次粒径は顕微鏡等により測定
することができる。微粒子の添加量は水溶性樹脂および
架橋剤の合計、即ち水膨潤性樹脂100重量部に対して
0.1〜50重量部である。添加することのできる好ま
しい微粒子としては、例えばシリカ、酸化チタン、アル
ミナ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の無機微粒子やアク
リル、スチレン等の樹脂微粒子が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0032】また表層には通紙性を向上するために必要
に応じて帯電防止処理を施してもよい。帯電防止剤は表
層を形成する材料中に添加してもよいし、あるいは表層
を形成した後にその上に適当な溶媒に溶解または分散し
た帯電防止剤を塗布してもよい。この目的で使用できる
帯電防止剤としては例えば第4級アンモニウム塩等のカ
チオン性界面活性剤等を挙げることができる。
【0033】また、表層を構成する樹脂溶液の塗布性能
を上げるために界面活性剤を添加してもよい。この目的
で用いる界面活性剤としては、アニオン性、カチオン
性、ノニオン性等特に制約はない。添加量は樹脂溶液に
対して好ましくは0.1%以上20%以下、より好まし
くは0.5%以上10%以下が適当である。
【0034】表層の形成方法としては、表層成分を溶解
または分散した塗液を基材に塗布する塗布方法が使用で
きる。表層成分は、上記の水溶性樹脂と架橋剤を必須成
分とし、必要に応じて上記開始剤、界面活性剤、更には
モノマー、オリゴマー、その他の添加剤からなり、これ
を水、水/有機溶剤混合液、有機溶媒等の溶媒に溶解ま
たは分散して塗液とすることができる。表層成分の塗装
を基材上に塗布した後、これを50〜180℃、好まし
くは80〜150℃に加熱することにより表層を形成す
ることができる。得られる表層の乾燥後の膜厚は、0.
5〜30μm、好ましくは5〜20μmとする。表層の
厚みが0.5μmより薄くなると、十分な膨潤量が得ら
れず、印字材料の除去が不十分となり、また30μmよ
り厚くなると膜の強度が弱くなるために、表層の剥離や
傷といった耐久上の問題が生じる。
【0035】また表層には通紙性を上げるために必要に
応じてカチオン性界面活性剤等の帯電防止処理を施して
も良い。帯電防止剤は表層を形成する材料に添加しても
良いし、表層を形成した後に、適当な溶媒に溶解・分散
させたものを塗布するようにしてもよい。
【0036】本発明の特徴は、水膨潤性樹脂を表層に有
するリサイクル可能な被記録材のリサイクル工程中に微
粒子を乾燥状態で付与(乾式外添)することにある。本
発明で使用する被記録材は未使用未再生のいわゆるバー
ジンの状態でもその表面に微粒子を付与されているもの
であってもよく、その方が通紙性はもちろん筆記性、触
感といった点からも好ましい。本発明での、リサイクル
工程中での被記録材表面へ乾燥微粒子を付与はするには
種々の方法が可能である。微粒子の付与方法としては、
例えばローラー、スポンジ、ブラシ、回転ブラシ等に微
粒子を含ませ、または付着させたものを転写する方法、
被記録材の上方から被接触的に散布する方法、静電気に
より供給する方法等が例示できるが、これらに限定され
るものではない。要は被記録材上に斑なく、均一に付与
できる方法であればよい。
【0037】ここでいう微粒子とは通紙性を改善する目
的を達成できるものであれば何でもよく、特に限定され
ないが、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、炭
酸カルシウム等の無機微粒子、ポリメタクリル酸、ポリ
エステル、ポリウレタン等の樹脂微粒子、顔料等の有機
微粒子等が挙げられる。この中でも耐熱性や色彩、触感
等を考慮すれば、無機微粒子を使用することが特に好ま
しい。微粒子の粒径は2次粒子の平均粒径(2次粒径)
として5〜30μmであることが好ましい。5μm未満
であると筆記性に対する効果が出にくく、30μmを越
えると画質等に問題が生じる恐れがある。
【0038】乾式外添する付与量は十分な通紙性が得ら
れ、かつ大気中に飛散しない程度であれば、特に限定さ
れない。微粒子の種類や粒径、色彩等により好ましい範
囲が変わるため一概には言えないが、例えばシリカの場
合0.005〜1g/m2、好ましくは0.1〜1g/m2
程度付与することが好ましい。リサイクル工程中での微
粒子の付与は、表層の膨潤および印字材料の除去に続く
被記録材の洗浄の後であれば、被記録材の乾燥前または
乾燥後のいずれでもよいが、好ましくは乾燥後に付与す
るのがより好ましい。微粒子の付与までを一連のリサイ
クル工程として組み込んでもよいし、被記録材の乾燥ま
でをリサイクル工程とし、その後に微粒子の付与を別工
程として設けてもよい。
【0039】また離脱することを考慮して、上記微粒子
を表層中に少量添加すなわち内添しても良い。リサイク
ル工程中で離脱してもそれを補う(外添する)機構が設
けられていれば、繰り返し使用しても通紙性の変わらな
い被記録材となる。このように微粒子を内添する場合、
同様な理由で一概には言えないが、表層の水溶性樹脂1
00重量部に対して0.5〜100重量部、好ましくは
3〜30重量部添加することが好ましい。
【0040】中間層2は基材層と接着性の高い樹脂から
構成されており、該中間層には所望により表層構成樹脂
と化学結合可能な官能基を有する化合物(反応性化合
物)を含有することができる。
【0041】基材層と接着性の高い樹脂としては、ウレ
タン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル
樹脂、ボリカ−ボネート樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビ
ニル樹脂等が挙げられ、好ましくは、ポリメチルメタク
リレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
【0042】所望により中間層に含まれる反応性化合物
としては、表層を構成する樹脂と化学結合可能な官能基
を有するものであれば特に限定されないが、例えばイソ
シアネート化合物、メチロール化合物、アルデヒド化合
物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などが使用可能
である。表層を構成する樹脂がポリビニルアルコールや
メチルセルロースなどの水酸基を有する樹脂の場合、イ
ソシアネート化合物、メチロール化合物、アルデヒド化
合物、エポキシ化合物が好適である。また、表層を構成
する樹脂がポリアクリル酸等のカルボキシル基を有する
樹脂である場合、イソシアネート化合物、エポキシ化合
物、アジリジン化合物が好適である。なお、これらの化
合物は、表層を構成する水溶性樹脂の架橋剤として同様
に使用できる。
【0043】中間層2を基材層1にコートするには、樹
脂および所望により上記反応性化合物を適当な溶媒、例
えばテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アセ
トン、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)等に
溶解させた溶液を塗布乾燥する溶剤塗布法や溶融塗布法
等で行うことができる。水溶性または親水性のポリウレ
タンやポリエステルなどの樹脂を水に溶解または分散し
たものも使用することができる。このような樹脂溶液や
樹脂エマルジョンは市販されており、これらを用いる
と、有機溶剤、特に非水系有機溶剤を使用することなく
塗膜を形成できるという利点がある。このため、製造時
の安全性を向上することができる。また、複写機への通
紙などによって被記録材が加熱されることにより内部か
ら残留溶媒のガス発生が生じるなどの問題が抑制でき
る。水性溶媒を使用する場合、界面活性剤を添加してお
くと中間層を塗布するのが容易になる。中間層および表
層ともに水性溶媒を使用して形成すると、非水系有機溶
剤を使用することなく被記録材を製造することが可能と
なり、安全性や被記録材中への非水系有機溶剤の残留の
問題を防止することができる。上記溶剤塗布法や溶融塗
布法により、膜厚が0.5μmから20μm程度、好ま
しくは0.5μm〜10μm程度、より好ましくは0.5
μm〜6μm程度になるように中間層を形成する。厚さ
が0.5μm未満では塗布ムラが生じ易く、未コートの
部分ができやすくなる。20μmを超えると、被記録材
の強度、耐熱性等に問題が生じる恐れがある。
【0044】反応性化合物は高分子量体でそれ自体成膜
性が有り、基材層との接着性に優れているものであれ
ば、それ自体を溶媒等に溶解させて塗布乾燥して形成す
ることも可能である。樹脂溶液に添加して塗布する場
合、反応性化合物の添加量は中間層構成樹脂100重量
部に対して、例えば5〜50重量部とすることができ
る。
【0045】基材として紙や繊維質を用いる場合は、中
間層を形成する塗布溶液に基材を浸漬し、基材中に塗布
溶液を含浸させ、基材を構成する繊維間に中間層材料を
満たすようにしてもよい。
【0046】中間層2においても基材層1と同様に、一
般的には水性溶媒に対して膨潤性はなく、仮にいくらか
の吸水をしたとしても、ほとんど寸法変化は生じない。
【0047】中間層の塗布後、中間接着層を少なくとも
50〜180℃、好ましくは80〜150℃に加熱す
る。なお、基材上に形成された中間層の表面には表層と
の接着性向上のためにコロナ放電処理を施してもよい。
【0048】以上のようにして得られた被記録材は、耐
久性にすぐれ、表層の膨潤→ブラッシング等による物理
的摺擦→乾燥過程を経る記録材料の除去方法に好適に使
用できリサイクル可能となる。
【0049】以下に表面にトナー等の印字材料が印字さ
れた被記録材から、印字材料を除去する方法ならびに微
粒子を乾式付与する方法について記載する。該方法は、
表層を膨潤させることのできる溶媒に印字材料の印字さ
れた被記録材を供給し、膨潤した被記録材表面から物理
的な力で該記録材料を掻き取り乾燥させるまでの工程と
乾燥後微粒子を乾式付与する工程とからなる。以下、さ
らに詳しく図を用いて説明する。
【0050】図2は印字材料の除去方法の一例を説明す
るための工程系統図である。図2においては被記録材1
00はその両面に中間層および表層が形成されており、
中間層および表層をまとめて12として示している。該
被記録材の表面にはトナー等の印字材料4が印字されて
いる。印字材料としては電子写真に使用されるトナーが
好適に使用されるが、これら以外にもホットメルトイン
クを用いるインクジェット法、熱転写法、および印刷法
などに用いられる記録材料や、その他の油性ペイント剤
などの被記録材の表面に付着して皮膜状の像となるタイ
プのものが使用できる。被記録材料は図中右側から左方
に搬送される。
【0051】印字材料4が印字されている被記録材はま
ず、溶媒供給装置11から表層に表層膨潤溶媒が供給さ
れる。表層を膨潤させることのできる溶媒としては水性
溶媒、すなわち水、水と水溶性との有機溶媒の混合溶
媒、あるいは水性有機溶媒等種々用いることができる。
また、脱墨性等の機能を阻害しない範囲で、界面活性剤
等の所望の添加剤が添加されていてもよい。このように
本実施形態においては水を用いて印字材料を除去できる
点に大きな利点がある。以下の説明においては水を使用
する場合を説明する。
【0052】水の供給は図2に示したようにシャワー装
置11より、水のシャワーを表層に降りかけてもよい
し、また図示していないが水に浸漬させてもよい。被記
録材表層に水が浸透するために約15秒から150秒程
度水に接触させることが好ましい。接触時間が長いほど
十分に水を浸透させられるが、その分処理に時間がかか
る。被記録材表層に水が浸透すると、表層は膨潤し(膨
潤した表層が13として示されている)、印字材料4と
表層の間の接着力が減少する。このとき、水温は15℃
〜45℃くらいが適当である。温度が高すぎると水の蒸
発が多くなり温度が低すぎると十分なクリーニング効果
が得られない恐れがある。
【0053】水が十分被記録材の表層に浸透した後被記
録材はさらに印字材料除去領域に搬送され、ブラシ14
にかけられる。ブラシ14は回転しており、このブラシ
によつて被記録材100上の印字材料4が除去される。
本発明においてはブラシ以外にも表面を物理的あるいは
機械的な力を付与し表面を摺擦あるいは掻き取る態様の
手段、例えばブレード、布帛等を採用してもよい。図2
においては、ブラシ14を液外に配置しているが、液中
に配置してもかまわない。ブラシ14の毛の長さは例え
ば5〜20mm程度、太さは10〜60μm程度とする
ことができる。材質は特に限定されないがナイロンなど
が適当である。
【0054】通紙速度、すなわち被記録材がブラシ14
領域を通過する速度は、処理時間とクリーニング性能と
のバランスを勘案して決めればよく、例えば、0.5c
m/秒〜5cm/秒とすることができる。ブラシの回転
速度は被記録材上での表面速度が搬送速度の5倍以上、
より好ましくは10倍以上とすることが望ましい。
【0055】印字材料4を除去した後、被記録材はシャ
ワー領域に搬送され、被記録材表面にクリーニングシャ
ワー15を施し、被記録材表面に残留している印字材料
を洗い流す。シャワー15に使用する液体は水を膨張さ
せるのに用いたのと同様の水性溶媒を用いることができ
る。水を使用することが特に好ましい。
【0056】クリーニングシャワー15をかけた後、被
記録材はさらに乾燥領域に搬送され、乾燥器16により
乾燥される。なお、乾燥方法は熱ローラのように接触タ
イプのものでもよいし、遠赤外線ランプのように非接触
タイプのものでもかまわない。加熱温度は70〜150
℃程度が適当である。
【0057】次に乾燥後の微粒子乾式付与工程について
図を用いて説明する。図3には微粒子を乾式付与する方
法の一実施形態を示す図である。図3においては図2と
同じく、被記録材100は基材1の両面に中間接着層お
よび表層が形成されており、中間接着層および表層をま
とめて12として示している。被記録材料は同じく(矢
印の示すとおり)図中右側から左方に搬送される。
【0058】被記録材100は、その上下に配置された
2台の乾燥微粒子塗布装置40によりその両面に微粒子
が付与される。片面にのみ付与しても効果が期待される
場合は、この乾燥微粒子塗布装置40は一つのみ配して
も構わない。また本図では塗布の方式を取っているが、
上から量を制御して振り掛けたり、圧縮空気等により吹
き付けたりする構成であっても基本的には問題がない。
【0059】乾燥微粒子塗布装置40中には微粒子41
が格納されており、矢印方向に回転する回転羽42によ
って攪拌・搬送される。回転羽42の各先端部には、搬
送用シート43が取り付けられており、これにより微粒
子41は掻き出され、上部が一部開放された隔壁44を
超えバッファ槽45へと搬送される。搬送用シート43
は柔軟性がありかつ強度の高いものであれば特に材質に
こだわらないが、PETシート等の樹脂シートが汎用に
用いられる。
【0060】バッファ槽45へと搬送された微粒子41
は、図中矢印方向に回転する塗布ローラー47に供給さ
れる。塗布ローラー47は微粒子を吸着あるいは内部・
表面に取り込みやすい構造・組成でかつ、被記録材10
0の表面を傷つけない物が好ましい。例えばこれに限る
物ではないが、モルトプレン、発泡性エラストマー等の
発泡性部材、ナイロン等の柔軟な毛を有したブラシ部
材、シリコン、ナイロン、テフロン等の樹脂の表面を粗
面化したローラー、ベルト等が好適に使用される。この
中でも特に微粒子の保持性、柔軟性といった観点から、
発泡性部材であることが特に好ましい。またより大量の
微粒子を塗布ローラー47に供給したい場合には、図示
してはいないが強制搬送ローラー等の搬送部材をさらに
バッファ槽45内に設けてもよい。
【0061】塗布ローラー47は矢印方向に回転しなが
ら被記録材100に接触あるいは非接触の状態で微粒子
41を塗布する。接触あるいは非接触の状態は、供給す
る微粒子41の所望量により調整すればよい。しかし供
給量の制御の主要因となる部材は、規制部材46であ
る。規制部材46は樹脂、金属等で構成されるブレード
であり、所望の押圧力で塗布ローラー47に押し付けら
れている。
【0062】規制部材46は均一に塗布ローラー47を
押圧し、応力緩和を起こさず、微粒子をせき止めること
ができる物であれば、特に制限されない。しかし、摩擦
係数が大きすぎて塗布ローラー47が回転しにくいも
の、絶縁性で摩擦荷電しやすいもの、表面粗さが粗すぎ
て微粒子をせき止める能力が低いもの等は好ましくな
い。具体的にはこれに限るものではないが、SUS、リ
ン青銅等の金属ブレード、導電性付与処理を施されたシ
リコンゴム、ウレタンゴム等のゴムブレード等が好適に
使用できる。また規制部材46の押圧力は、所望の塗布
量に応じて設定すればよい。微粒子や規制部材、塗布ロ
ーラーの素材や大きさ、接触角度など様々な因子により
変わるので具体的な数値は挙げられないが、一般的には
押圧力を大きくすれば塗布量は減少する。
【0063】このようにして微粒子を付与された被記録
材はクリーニング装置外に排出され、繰り返し使用して
も通紙性が劣化せず、かつ表面の均一性の高い被記録材
となる。
【0064】次にこれらの工程を組み合わせて適用可能
なクリーニング装置の一実施形態を図4に示す。図4の
装置は、ケーシング23内に被記録材を膨張させるため
の液体30を貯溜するクリーニング槽22を備えてい
る。このクリーニング槽22には、槽内の液中の印字材
料を除去するためのフィルタを備えたポンプ20が接続
され、さらにこのポンプ20に管31を介して膨張用シ
ャワー11およびリンス用シャワー15が接続されてい
る。
【0065】クリーニング槽22内の液体はポンプ20
内のフィルタによって浄化された後、管31を通ってシ
ャワー11、15に送られ、シャワー11においては被
記録材の膨潤用液体として、そしてシャワー15におい
てはリンス用液体として使用される。
【0066】被記録材は給紙ローラ21により装置内に
導入され、シャワー11により膨潤用液体を吹きかけら
れた後、ガイド26および搬送ローラ24を通過してク
リーニング槽22内の液体30に浸漬される。そして、
所定時間静止した後、搬送ローラ24およびガイド28
によってブラシ14の対向部に送られ、印字材料を除去
される。
【0067】この後、被記録材は、ガイド29、搬送ロ
ーラ25、およびガイド27を通過し、シャワー15に
よりリンス液を吹きかけられ、乾燥ローラ17によって
乾燥されたのちに、図3で示した乾燥微粒子塗布装置4
0が格納された塗布ボックス50に搬送される。
【0068】塗布ボックス50で所定量の微粒子を塗布
された被記録材は、装置外へと排出され、再使用可能な
状態(印字可能)となる。
【0069】
【実施例】本発明の構成ならびに効果について実施例を
挙げて以下に説明する。 〔リサイクル可能な被記録材の作製〕作製例 1 基材層として厚さ100μmのポリエチレンテレフタレ
ート(PET)シートを使用した。水分散性ウレタン樹
脂溶液(「HUX−232」;旭電化社製)100gに
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(「スミレーズ61
3」;住友化学社製)5gとポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル0.1gとを添加し、混合液を5分間
撹拌し中間層樹脂溶液とした。これをバ−コ一タで上記
基材層に塗布し、120℃、5分間乾燥し、さらにコロ
ナ放電処理を行って、厚さ5μmの中間層を形成した。
次に、水溶性樹脂アニオン変成ポリビニルアルコ−ル
(「KL-318」;クラレ社製)16gを水184g
に溶解し樹脂溶液を調製した。該樹脂溶液に、エポキシ
系架橋剤(「デナコールEX-313」;長瀬化成社
製)3.2gとポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル0.4g、シリカ微粒子(「サイリシア450」;
平均粒径10μm;富士シリシア社製)2gを添加して
15分間撹拌して、表層用組成物を得た。得られた液を
バ−コ−タで中間層の上に塗布し、120℃、2時間加
熱し、厚さ9μmの表層を得た。このようにして得られ
たシートをシート1とした。
【0070】作製例 2 表層のシリカ微粒子を添加しない以外は、作製例1と全
く同様の組成・製法でシートを作製した。この表面に図
3に示す乾燥微粒子塗布装置を用いて、付与量0.5g
/m2となるようにシリカ微粒子「サイリシア450」
を乾式塗布し、これをシート2とした。
【0071】作製例 3 表層のシリカ微粒子を添加しない以外は、作製例1と全
く同様の組成・製法でシートを作製し、これをシート3
とした。
【0072】実施例 1 シート1を用い、市販のレーザービームプリンタ(「L
P−1700」;エプソン社製)を用いて画像形成し
た。この画像形成したシート1を、図4のクリーニング
装置を用いて脱墨→洗浄→乾燥→微粒子付与のリサイク
ル工程とその上への画像形成までの工程を1サイクルと
し、20サイクルの工程を経た劣化シート1を得た。な
お微粒子はシリカ微粒子「サイリシア450」を用い、
乾燥後の表面に付与量0.5g/m2となるように設定し
た。
【0073】実施例 2 シート1の代わりにシート2を使用する以外は全く同様
にして、劣化シート2を得た。
【0074】実施例 3 乾燥後の表面に付与するシリカ微粒子の量を0.5g/
2から1g/m2に変えた以外は実施例1と全く同様に
して、劣化シート3を得た。
【0075】比較例 1 実施例1において図4のクリーニング装置から、シリカ
微粒子「サイリシア450」を乾式塗布する塗布ボック
ス50のみを取り除き、脱墨→洗浄→乾燥のリサイクル
工程とその上への画像形成までの工程を1サイクルと
し、20サイクルの工程を経た劣化シート4を得た。
【0076】比較例 2 実施例1において図4のクリーニング装置から、シリカ
微粒子を乾式塗布する塗布ボックス50のみを取り除
き、クリーニング槽22中に水1Lに対して10gのシ
リカ微粒子「サイリシア450」を添加して、脱墨(微
粒子湿式塗布)→乾燥→画像形成の工程を1サイクルと
し、20サイクルの工程を経た劣化シート5を得た。
【0077】比較例 3 シート3を使用する以外は、比較例1と全く同様にし
て、劣化シート6を得た。
【0078】なお、以上の実施例および比較例におい
て、図4のクリーニング装置の運転条件は以下のとおり
である。 ・毛の長さ10mm、太さ30μmのナイロン製ブラシ
毛を有する芯金径12mmのブラシローラを使用 ・槽内の水温30℃ ・ブラシの回転速度30cm/秒 熱ローラの温度110℃ 通紙速度1cm/秒
【0079】実施例および比較例で作製した劣化シート
を以下の評価方法にしてがって評価した。 〔評価方法〕 通紙性の評価 市販のレーザービームプリンタ(「LP−1700」;
エプソン社製)を用い、給紙スタッカーに劣化前の各シ
ート(シート1、2、3)それぞれ100枚をセットし
て、35℃、80%RHの条件下で画像形成した。10
0枚全てのシートを使用するまで継続し、終了時までの
発生した重送(複数枚のシートを同時に給紙する現象)
の回数を各シート毎にカウントした。重送が一度も発生
しなかったものを◎、重送の回数が5回未満であったも
のを○、5回以上重送したものを×とし、○以上を合格
とした。次に、各実施例で作製した各劣化シートを用い
て同様の通紙試験をおこなった。結果の評価基準も上と
同様とした。
【0080】転写性の評価 市販の複写機(「EP−1082」;ミノルタ社製)を用
いて各劣化シートに印字を行なった。元の複写像は反射
濃度(以下、IDと略称する)1.5である黒画像(所
謂黒べた画像)のA4全面のパターンで、これをシート
に複写した際のIDの値で転写性を評価した。各A4の
大きさの劣化シートを、図5に示すように縦5ブロッ
ク、横4ブロックに分割して、その中央部のIDの値を
測定した。この20ブロックの中でIDの値の最大値と
最小値を選び、その差が0.2未満のものを◎、0.2以
上0.5未満のものを○、0.5以上のものを×とし、○
以上を合格とした。なおIDの測定は、「デンシトメー
ターPDM5」(SAKURA社製)を用いて測定し
た。
【0081】これらの評価結果を表1に示した。これに
よると、初期に被記録材の表面にも表層中にも微粒子の
存在しない試料は、初期から通紙性は良好ではない。表
層中に微粒子を内添すれば初期的には通紙性が良好とな
るが、再使用によって通紙性は不良となる。リサイクル
の1サイクル毎に微粒子を外添すれば、初期およびリサ
イクル後ともに通紙性が良好となるが、クリーニング槽
に微粒子を添加させて塗布する、所謂湿式微粒子塗布で
は微粒子の凝集が生じ、転写ムラによる画像濃度のばら
つきが観測された。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】水性溶媒により膨潤させることによりリ
サイクル可能な被記録材の表面上に、リサイクルの1サ
イクル毎に微粒子を外添することにより、リサイクル後
も被記録材の通紙性が良好に保持される。更に、微粒子
の湿式外添に較べて複写ムラの発生も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 被記録材の一実施形態を示す模式的断面図。
【図2】 印字材料の除去方法を説明するための工程系
統図。
【図3】 印字材料に微粒子を乾式塗布する装置の一例
を示す図。
【図4】 クリーニング装置の一例を示す図。
【図5】 転写性評価のための試験片を示す図
【符号の説明】
1:基材層、 2:中間層、3:表層、
4:印字材料、11:シャワー装置、 12:中間層
+表層、13:膨潤した表層、 14:ブラシ、1
5:クリーニングシャワー、 16:乾燥
器、40:乾燥微粒子塗布装置、41:微粒子、42:
回転羽、 43:搬送用シート、44:隔壁、
45:バッファ槽、46:規制部材、 4
7:塗布ローラー、50:塗布ボックス、 100:
被記録材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 利光 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2C061 AP04 AS02 CK01 GG03 GG06 GG07 GG15 GG22 2H034 FA00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基材層、水膨潤性樹脂からな
    る表層で構成され、水性溶媒により表層を膨潤させ力学
    的ストレスを印加して印字材料を除去することにより再
    利用が可能な被記録材のリサイクル工程において、該被
    記録材の表面に乾燥微粒子を均一に付与することを特徴
    とする該被記録材のリサイクル方法。
  2. 【請求項2】 水性溶媒が水またはこれに少量の添加剤
    を添加したものである請求項1に記載のリサイクル方
    法。
  3. 【請求項3】 水性溶媒中に含まれる添加剤が界面活性
    剤である請求項2に記載のリサイクル方法。
  4. 【請求項4】 被記録材表面への乾燥微粒子の均一付与
    量が0.005〜1g/m2である請求項1に記載のリサ
    イクル方法。
  5. 【請求項5】 乾燥微粒子の平均粒径が2次粒子径とし
    て5〜30μmである請求項4に記載のリサイクル方
    法。
  6. 【請求項6】 乾燥微粒子がシリカである請求項5に記
    載のリサイクル方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも基材層、水膨潤性樹脂からな
    る表層で構成され、リサイクル工程において請求項1〜
    6のいずれかに記載の方法によりその表面に乾燥微粒子
    が均一に付与された、水性溶媒により表層を膨潤させる
    ことにより再利用可能な被記録材。
  8. 【請求項8】 基材層と表層との間に中間層が設けられ
    ている請求項7に記載の被記録材。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の被記録材を水
    性溶媒により膨潤した状態でその表面に物理的摺擦力を
    加えて印字材料を除去する被記録材のリサイクル処理工
    程において、乾燥状態の微粒子を該被記録材の表面に付
    与する工程を加えたことを特徴とする被記録材のリサイ
    クルシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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