JP2002062677A - リサイクル可能な被記録材 - Google Patents

リサイクル可能な被記録材

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JP2002062677A
JP2002062677A JP2000248601A JP2000248601A JP2002062677A JP 2002062677 A JP2002062677 A JP 2002062677A JP 2000248601 A JP2000248601 A JP 2000248601A JP 2000248601 A JP2000248601 A JP 2000248601A JP 2002062677 A JP2002062677 A JP 2002062677A
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JP2000248601A
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English (en)
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Toshimitsu Fujiwara
利光 藤原
Chiaki Yamaoka
千晶 山岡
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー等の印字材料を除去することができる
リサイクル可能な被記録材において、選択的に印字材料
を除去することが可能な被記録材を提供すること。 【解決手段】 水膨潤性樹脂からなり水性溶媒を付与す
ることにより印字材料が剥離可能となる印字材料除去可
能層を表面の少なくとも一部分に有するリサイクル可能
な被記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機やプリンタ等
で画像形成することにより、被記録材へ付着した印字材
料を被記録材から除去可能であり、繰り返し再利用可能
な被記録材に関する。特に本発明は水などの水性溶媒を
用いたブラッシング法などの物理的摺擦力による除去手
段に適している被記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、トナーを用いる電子写真複写(い
わゆるコピー)技術が普及し、紙やOHPシート等の被記
録材が多量に用いられている。
【0003】そのような被記録材上に印字あるいはコピ
ーされた印字材料は容易に除去できるものではなく、ま
たそのような技術も実用化されていないのでオフィスで
多量に発生した印字物は不要になるとそのまま破棄され
ているのが実状である。
【0004】これでは環境保全、資源保護に好ましくな
いことは明らかである。そのため破棄対象の被記録材を
再生あるいはリサイクルする技術が盛んに研究されてい
る。例えば特開平6-222604号公報等においては、樹脂フ
ィルム、紙、金属ホイル等の基材の表面全体に、水によ
り膨潤する膨潤層を形成した被記録材が開示されてお
り、この膨潤層を水で濡らして膨潤させることにより、
被記録材に記録された画像を除去する方法が開示されて
いる。
【0005】このような技術は、不要になった被記録材
を再生する方法としてエネルギー面・コスト面からみて
も非常に有用である。このような構成を有した被記録材
では表面に印字された印字材料がすべて消去され、再利
用が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、被記録材の全面
ではなく、一部分だけの印字を除去し再利用を行なうと
いった要望が存する。例えば表枠組み、見出し、社名な
どのプラットフォームは共通である場合が多く、全面の
印字が除去されてしまえば、何度も同様の字体・デザイ
ンで使用する部分を、再利用の度に印字しなおさねばな
らず、印字材料消費の無駄や手間の増加につながる。従
って、被記録材の表面で、選択的に印字材料が剥離でき
る技術が望まれている。
【0007】特開平6-222604号公報等に開示される構成
の被記録材では、全面の印字材料が除去され、選択的に
印字材料を剥離することは不可能である。本発明はこの
ような事情に鑑みなされたものであり、トナー等の印字
材料を良好に除去することができる、リサイクル可能な
被記録材において、選択的に印字材料を剥離できる被記
録材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、水膨潤性樹脂
からなり水性溶媒を付与することにより印字材料が剥離
可能となる印字材料除去可能層を表面の少なくとも一部
分に有するリサイクル可能な被記録材に関する。
【0009】水膨潤性樹脂からなる表面は水性溶媒の付
与により印字材料の除去が可能であり、その他の部分
は、水性溶媒の付与により印字材料が剥離可能とはなら
ない印字材料除去不可能層から構成されてなり、その表
面に印字された材料は印字材料除去工程後にも除去され
ずにその表面上に残るため、選択的な印字材料の剥離が
可能となる。水性溶媒の付与は、本発明の被記録材の水
性溶媒中への浸漬、シャワー等での水性溶媒の表面への
吹きかけ等の種々な手段が適用可能であり、表層の水膨
潤性樹脂を膨潤させることができればよい。
【0010】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施形態である
被記録材の模式的断面図を示す。1は基材、2は水性溶
媒を付与することによりその表面に印字された材料が剥
離可能とはならない印字材料除去不可能層、3は水膨潤
性樹脂からなり水性溶媒を付与することによりその表面
に印字された材料が剥離可能となる印字材料除去可能層
である。印字材料除去不可能層は、表枠組み、見出し、
社名などのプラットフォームは共通で、書き換えの必要
のない画像4を形成させる層で、図1に示してあるよう
に、基材表面全面に形成してもよいが、必要な部分のみ
に形成してもよい。印字除去可能層は、書き換え、繰り
返し使用したい画像5を形成したい部分に施す。
【0011】なお、図1においては印字材料除去不可能
層2をあえて設けているが、基材1に直接印字し、その
印字材料が水性溶媒を付与することによりその表面に印
字された材料が剥離可能とはならないならば、印字材料
除去不可能層2を設けない構成をとってもよい。なお、
図1においては基材1の両面に印字材料除去不可能層2
および印字材料除去可能層3を設けているが、片面にの
みそれらの層を設ける構成をとってもよい。また、印字
材料除去不可能層は、図1に示したように、基材表面の
全面に形成していもよいが、後で印字材料除去可能層が
設けられる以外の基材表面部分に形成されてもよい。
【0012】基材1は耐水性(強度)があり、少なくと
も表面が透明なプラスチックフィルムまたは無機微粒子
が添加されて不透明化したプラスチックフィルムが好適
に使用される。プラスチックフィルムの材質は特に問わ
ないが耐熱性等を考慮すると、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート等が
好ましい。さらに汎用性、値段、耐久性等を考慮に入れ
ると、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が望まし
い。OHPとして入手可能な各種シートを使用することも
可能である。また、PET繊維等から抄紙された紙も市販
されており、このようなプラスチックの繊維からなる紙
も基材として有用である。プラスチックフィルムだけで
はなく、金属箔、耐久性の改良された紙、さらに樹脂・
紙・金属などの複合材料も用いることができる。要は印
字材料の印字および除去を通して平面性を保つことがで
き、かつ耐水性と適度な機械的強度とを備えたものであ
ればよい。
【0013】印字材料除去不可能層2は基材1や印字材
料除去可能層3と接着性の高い樹脂から構成することが
好ましく、所望によりこれらと化学結合可能な官能基を
有する化合物(反応性化合物)などを添加すればより好
ましい。また、印字材料除去不可能層2は、帯電防止や
クリヤコート、印字材料等との接着性の改善といった観
点から形成していもよい。
【0014】接着性の高い樹脂としては、ウレタン樹
脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹
脂等が挙げられ、好ましくは、ポリメチルメタクリレー
ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩
化ビニル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
【0015】所望により含まれる反応性化合物として
は、基材1や印字材料除去可能層3を構成する樹脂と化
学結合可能な官能基を有するものであれば特に限定され
ないが、例えばイソシアネート化合物、メチロール化合
物、アルデヒド化合物、エポキシ化合物、アジリジン化
合物などが使用可能である。印字材料除去可能層3を構
成する樹脂がポリビニルアルコール、メチルセルロース
などの水酸基を有する樹脂の場合、イソシアネート化合
物、メチロール化合物、アルデヒド化合物、エポキシ化
合物が好適である。また、印字材料除去可能層3を構成
する樹脂がポリアクリル酸等のカルボキシル基を有する
樹脂である場合、イソシアネート化合物、メチロール化
合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物が好適であ
る。なお、これらの化合物は、印字材料除去可能層3を
構成する水溶性樹脂の架橋剤として同様に使用できる。
それらのより具体的化合物は、印字材料除去可能層に関
する記述で取り上げる。
【0016】印字材料除去不可能層2を基材1にコート
するには、樹脂および所望により上記反応性化合物を適
当な溶媒、例えばテトラヒドロフラン(THF)、ジオキ
サン、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン(ME
K)等に溶解させた溶液を塗布乾燥する溶剤塗布法や溶
融塗布法等で行うことができる。水溶性または親水性の
ポリウレタンやポリエステルなどの樹脂を水に溶解また
は分散したものも使用することができる。このような樹
脂溶液や樹脂エマルジョンは市販されており、これらを
用いると、有機溶剤、特に非水系有機溶剤を使用するこ
となく塗膜を形成できるという利点がある。このため、
製造時の安全性を向上することができる。また、複写機
への通紙などによって被記録材が加熱されることにより
内部から残留溶媒のガス発生が生じるなどの問題が抑制
できる。水性溶媒を使用する場合、界面活性剤を添加し
ておくと印字材料除去不可能層を塗布するのが容易にな
る。印字材料除去不可能層および印字材料除去可能層と
もに水性溶媒を使用して形成すると、非水系有機溶剤を
使用することなく被記録材を製造することが可能とな
り、安全性や被記録材中への非水系有機溶剤の残留の問
題を防止することができる。上記溶剤塗布法や溶融塗布
法により、膜厚が0.5μmから20μm程度、好ましくは0.5
μm〜10μm程度になるように印字材料除去不可能層を形
成する。厚さが0.5μm未満では塗布ムラが生じ易く、未
コートの部分ができやすくなる。20μmを超えると、被
記録材の強度等に問題が生じる恐れがある。
【0017】反応性化合物は高分子量体でそれ自体成膜
性が有り、基材や印字材料除去可能層との接着性に優れ
ているものであれば、それ自体を溶媒等に溶解させて塗
布乾燥して形成することも可能である。樹脂溶液に添加
して塗布する場合、反応性化合物の添加量は印字材料除
去不可能層構成樹脂100重量部に対して、例えば5〜50重
量部とすることができる。
【0018】なお、印字材料除去不可能層にコロナ放電
処理を施してもよい。これにより印字材料や印字材料除
去可能層との親和性を向上させ、接着性を改善すること
が可能である。
【0019】紙や繊維質の基材を用いる場合は、印字材
料除去不可能層を形成する塗布溶液に基材を浸漬し、基
材中に塗布溶液を含浸させ、基材を構成する繊維間に印
字材料除去不可能層材料を満たすようにしてもよい。
【0020】印字材料除去可能層3は水膨潤性の樹脂か
らなる。水膨潤性とは水や水性の溶媒に膨潤するが溶解
しないことである。これは、水溶性樹脂を架橋すること
によって作られる。また、水溶性樹脂に非水溶性の成分
を添加することにより水等の溶媒を吸収し膨潤するが該
溶媒に溶解しない特性を付与するようにしてもよい。
【0021】水溶性樹脂としては、分子中に水酸基、ア
ミノ基、アミド基、チオール基、カルボキシル基、スル
ホン酸基等の活性水素を有する官能基を持つ水溶性樹
脂、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロー
ス、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等が使用
できる。好ましくはポリビニルアルコール、メチルセル
ロース、ポリアクリル酸を使用し、重合度が300〜300
0、好ましくは500〜2000、より好ましくは500〜1700で
あるものがよい。このような水溶性樹脂は水性媒体100
重量部に対して固形分濃度として2〜30重量部、好まし
くは5〜10重量部溶解させて用いるのが適当である。
【0022】また、該水溶性樹脂の親水性、吸水性を変
化させる目的で、イオン変性してもよい。イオン変性と
はこれに限らないが、上記官能基の活性水素を、例えば
末端に四級アミン塩を有する官能基、末端にアクリル酸
塩を有する官能基等で一部置換したものをいう。
【0023】水溶性樹脂を架橋させるには、該樹脂の水
溶液に架橋剤や必要に応じて開始剤を添加すればよい。
架橋剤としては、上記水溶性樹脂分子中に存在する水酸
基やアミド基やカルボキシル基と反応性を有し該水溶性
の樹脂を架橋できるものであればよい。例えば、エポキ
シ化合物、イソシアネート化合物、メチロール化合物、
アルデヒド化合物、アジリジン化合物等が挙げられる。
【0024】例えば、エポキシ化合物として、ポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリジ
グリシジルエーテル、ソルビタンポリジグリシジルエー
テル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙
げられる。これら以外にも種々のエポキシ化合物が使用
可能である。
【0025】イソシアネート化合物としては、一つの分
子中に2つ以上のイソシアネート基を有するものを使用
することができる。イソシアネート基を複数有する化合
物を使用することにより、基材と表層とをより強固に接
着することができる。
【0026】かかるイソシアネートとしては、例えば4,
4-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4-メチレンビ
スシクロヘキシルイソシアネート、トリス(p−イソシ
アネートフェニル)チオフォスフェイト、トリス(p−
イソシアネートフェニル)メタン、トリメチロールプロ
パンのトリレンジイソシアネート3付加物、分子内に親
水性基を有する脂肪族ポリイソシアネート等が使用でき
る。
【0027】またこれらの化合物を含め、本実施形態で
使用されるイソシアネートはフェノール、亜硫酸等で保
護されていてもよい。
【0028】メチロール化合物としては、ジメチロール
メラミン、トリメチロールメラミン等のメチロール化メ
ラミン、ジメチロール化尿素、メラミン−ホルムアルデ
ヒド樹脂等が挙げられる。これら以外にも種々のメチロ
ール化合物が使用可能であり、適度に高分子量体のもの
ほど、さらに分子鎖が適度の長いものほど好ましく、か
かる観点からは、上記例示のメチロール化合物の中で
は、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
【0029】アルデヒド化合物としては、グリオキサー
ル、グルタルアルデヒド等が挙げられる。これら以外に
も種々のアルデヒド化合物が使用可能である。
【0030】アジリジン化合物としては、例えば、ジフ
ェニルメタン−ビス−4,4'−N,N’−ジエチル尿素、2,2
−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス−[3−(1
−アジリジニル)プロピネート]を使用することができ
る。また、オキサゾリン基含有ポリマーも使用すること
ができる。
【0031】架橋剤の添加量は、樹脂、架橋剤の種類、
分子量、反応条件等により異なるために一概には言えな
いが、樹脂100重量部に対して0.5〜50重量部、好ましく
は1〜40重量部添加する。添加量が少なすぎると膨潤時
の膜強度が不足し、あるいは膜が溶解してしまう恐れが
ある。逆に多すぎると充分な膨潤量が得られなくなり、
画像除去性能が悪化する。
【0032】印字材料除去可能層を構成する樹脂溶液に
対して塗布性能を上げるために界面活性剤を添加しても
よい。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、
ノニオン性等特に制約はない。添加量は樹脂に対して好
ましくは0.1%以上20%以下、より好ましくは0.5%以上
10%以下が適当である。
【0033】また、印字材料除去可能層には筆記性を向
上させるためにシリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜
鉛、炭酸カルシウム等の無機微粒子を添加してもよい。
かかる無機微粒子を添加する場合、水溶性樹脂100重量
部に対して0.5〜200重量部、好ましくは3〜30重量部添
加する。
【0034】また印字材料除去可能層には通紙性を上げ
るために必要に応じてカチオン性界面活性剤等の帯電防
止処理を施してもよい。帯電防止剤は表層を形成する材
料に添加してもよいし、印字材料除去可能層を形成した
後に、適当な溶媒に溶解・分散させたものを塗布するよ
うにしてもよい。
【0035】印字材料除去可能層の形成方法としては、
溶剤塗布法が使用できる。具体的には上記の水溶性樹
脂、架橋剤、およびモノマーまたはオリゴマー、必要に
応じてその他の添加剤を、水、水/有機溶剤混合物、も
しくは有機溶剤等適当な溶媒に溶解分散させて、上記基
材もしくは印字材料除去不可能層の上に塗布すればよ
い。
【0036】塗布後、少なくとも印字材料除去不可能層
および印字材料除去可能層を50〜180℃、好ましくは100
〜170℃に加熱する。印字材料除去可能層中に不溶性成
分を光照射で形成する場合、照射後にあるいは照射とと
もに該加熱を行えばよい。
【0037】以上のようにして得られた被記録材は、印
字材料除去可能層の膨潤→ブラッシング等による物理的
摺察→乾燥過程を経る記録材料の除去方法に好適に使用
できリサイクル可能となる。
【0038】以下に表面にトナー等の印字材料が印字さ
れた被記録材から、印字材料を除去する方法について記
載する。該方法は印字材料除去可能層を膨潤させること
のできる溶媒に印字材料の印字された被記録材を供給
し、膨潤した被記録材表面から物理的な力で該被記録材
料を掻き取る工程からなる。以下、さらに詳しく図を用
いて説明する。
【0039】図2は印字材料の除去方法の一例を説明す
るための工程系統図である。図2においては被記録材10
0はその表面に印字材料除去不可能層2および印字材料
除去可能層3が、各々部分的に形成されている。該被記
録材表面のそれぞれの部位にはトナー等の印字材料で画
像4、5が印字されている。印字材料としては電子写真
に使用されるトナーが好適に使用されるが、これら以外
にもホットメルトインクを用いるインクジェット法、熱
転写法、および印刷法などに用いられる記録材料や、そ
の他油性ペイント剤などの被記録材の表面に付着して皮
膜状の像となるタイプのものが使用できる。また、市販
のOHP用マーカーペンや油性ペンなどで筆記したものも
使用可能である。被記録材料は図中右側から左方に搬送
される。
【0040】画像4、5が印字されている被記録材はま
ず、溶媒供給装置11から膨潤溶媒が供給される。印字材
料除去可能層を膨潤させることのできる溶媒としては水
性溶媒、すなわち水、水と水溶性との有機溶媒の混合溶
媒、あるいは水性有機溶媒等種々用いることができる。
また、界面活性剤、無機微粒子等の所望の添加剤が添加
されていてもよい。このように本実施形態においては水
を用いて印字材料を除去できる点に大きな利点がある。
以下の説明においては水を使用する場合を説明する。
【0041】水の供給は図2に示したようにシャワー装
置11より、水のシャワーを表層に降りかけてもよいし、
また図示していないが水に浸漬させてもよい。被記録材
表層に水が浸透するために約15秒から300秒程度水に接
触させることが好ましい。接触時間が長いほど十分に水
を浸透させられるが、その分処理に時間がかかる。被記
録材表層に水が浸透すると、該表面のうち印字材料除去
可能層のみが膨潤し(膨潤した印字材料除去可能層が13
として示されている)、画像5の印字材料と印字材料除
去可能層の間の接着力が減少する。このとき、水温は15
℃〜45℃くらいが適当である。温度が高すぎると水の蒸
発が多くなり温度が低すぎると十分なクリーニング効果
が得られない恐れがある。
【0042】水が十分被記録材の印字材料除去可能層に
浸透した後被記録材はさらに印字材料除去領域に搬送さ
れ、ブラシ14にかけられる。ブラシ14は回転しており、
このブラシによって被記録材100上の印字材料5が除去
される。本発明においてはブラシ以外にも表面を物理的
あるいは機械的な力を付与し表面を摺擦あるいは掻き取
る態様の手段、例えばブレード、布帛等を採用してもよ
い。図2においては、ブラシ14を液外に配置している
が、液内に配置してもかまわない。ブラシ14の毛の長さ
は5〜20mm程度、太さは10〜60μm程度とすることができ
る。材質は特に限定されないがナイロンなどが適当であ
る。
【0043】通紙速度、すなわち被記録材がブラシ14を
通過する速度は、処理時間とクリーニング性能とのバラ
ンスを勘案して決めればよく、例えば、0.5cm/秒〜5cm/
秒とすることができる。ブラシの回転速度は搬送速度の
5倍以上、より好ましくは10倍以上とすることが望まし
い。
【0044】これらの工程において、印字材料除去不可
能層2に印字された画像4の印字材料は、印字材料除去
不可能層が水により膨潤しないため、その接着力が低下
することは無く、クリーニングされることは無い。すな
わち印字材料の選択的な除去、再生が可能となる。
【0045】画像5を除去した後、被記録材はシャワー
領域に搬送され、被記録材表面にクリーニングシャワー
15を施し、被記録材表面に残留している印字材料を洗い
流す。シャワー15に使用する液体は水を膨張させるのに
用いたのと同様の水性溶媒を用いることができる。水を
膨張させるのに用いたのと同じ溶媒を用いてもよい。水
を使用することが特に好ましい。
【0046】シャワー15をかけた後、被記録材はさらに
乾燥領域に搬送され、乾燥器16により乾燥される。な
お、乾燥方法は熱ローラーのように接触タイプのもので
もよいし、遠赤外線ランプのように非接触タイプのもの
でもかまわない。加熱温度は70〜150℃程度が適当であ
る。
【0047】図3は、上述したクリーニング方法が適用
可能なクリーニング装置の一実施形態を示す図である。
図2の装置は、ケーシング23内に印字材料除去可能層を
膨潤させるための液体30を貯溜するクリーニング槽22を
備えている。このクリーニング槽22には、槽内の液中の
印字材料を除去するためのフィルターを備えたポンプ20
が接続され、さらにこのポンプ20に管31を介して膨潤用
シャワー11およびリンス用シャワー15が接続されてい
る。
【0048】クリーニング槽22内の液体はポンプ20内の
フィルターによって浄化された後、管31を通ってシャワ
ー11、15に送られ、シャワー11においては印字材料除去
可能層の膨潤用液体として、そしてシャワー15において
はリンス用液体として使用される。
【0049】被記録材は給紙ローラー21により装置内に
導入され、シャワー11により膨潤用液体を吹きかけられ
た後、ガイド26および搬送ローラー24を通過してクリー
ニング槽22内の液体30に浸漬される。そして、所定時間
静止した後、搬送ローラー24およびガイド28によってブ
ラシ14の対向部に送られ、印字材料除去可能層上に印字
された印字材料が除去される。
【0050】この後、被記録材は、ガイド29、搬送ロー
ラー25、およびガイド27を通過し、シャワー15によりリ
ンス液を吹きかけられ、最後に乾燥ローラー17によって
乾燥され、装置外に排出される。
【0051】以下に、具体的実施形態を例示する。な
お、下記実施例1〜4においては、基材の両面に印字材料
除去可能層および印字材料除去不可能層を形成している
が、片面形成でもよい。よりカール等の影響をより少な
くするためには、両面形成することが好ましい。
【0052】
【実施例】実施例1 ・基材;基材として厚さ100μmの白色ポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルム(商品名ダイアホイルW400E4
3)(ダイアホイルヘキスト社製)を使用した。
【0053】・印字材料除去不可能層;水分散性ウレタ
ン樹脂溶液(HUX-232、旭電化社製)(固形分約15%)100
gにメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(スミレーズレジン
613:住友化学工業社製)5gとボリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル0.2gを添加した。混合液を5分間撹
拌し印字材料除去不可能層構成用樹脂溶液を得た。得ら
れた樹脂溶液を、#10のワイヤーバーを用いてバーコー
タで基材の両面に全面塗布し、130℃、1分間乾燥し、厚
さ5μmの印字材料除去不可能層2を得た。
【0054】印字材料除去不可能層作成後、その表面に
除去されたくない画像(以下、「プレプリント画像」と
略す)の印字を行う。上記で得られた印字材料除去不可
能層を表面に形成したシートを用い、その上半分の部分
に図4中参照番号4で示したプレプリント画像の印字を
フルカラープリンターCOLOR PAGEPRESTO N4P612(カシオ
社製)で行った。
【0055】・印字材料除去可能層;水溶性樹脂として
ポリアクリル酸ジュリマーAC-10H(日本純薬社製)(固形
分約20%)40gを水60gに溶解し樹脂溶液を調製した。該
樹脂溶液に、エポキシ系架橋剤(デナコールEX-313、長
瀬化成社製)1.2gとポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル0.2g、水酸化ナトリウム0.15g、シリカ微粒子
(サイリシア450、富士シリシア社製)1gを添加して15分
間攪拌し、印字材料除去可能層用の樹脂溶液とした。
【0056】得られた液を#30のワイヤーバーを用い、
印字材料除去不可能層が全面塗布された被記録材の印字
面の下部半分にのみバーコータで塗布し、130℃で1分間
乾燥させた。さらに170℃で10秒間加熱して架橋を促進
させた。このようにして厚さ5μmの印字材料除去可能層
3を得た。
【0057】このようにして得られたシートを用いて、
プレプリント画像と同様にフルカラープリンターCOLOR
PAGEPRESTO N4P612(カシオ社製)で印字材料除去可能層3
の上にのみ図4中参照番号5で示した画像を印字し、シ
ート1とした。シート1の概略構成図を図4に示した。
【0058】シート1を図3に示すクリーニング装置を用
いて、印字材料の除去作業を行ったところ、プレプリン
ト画像を形成する印字材料4は除去されず、印字材料除
去可能層3上の印字材料5のみが除去された。
【0059】実施例2 ・基材;基材として厚さ75μmの発泡白色ポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルム、商品名ルミラー75E63
(東レ社製)を使用した。このフィルムの上半分の部分
に、フルカラープリンターCOLOR PAGEPRESTO N4P612(カ
シオ社製)でプレプリント画像(図5中参照番号4)の印
字を行った。
【0060】・印字材料除去可能層;実施例1と全く同
様にして印字材料除去可能層用の樹脂溶液を得た。実施
例1と同様に、被記録材の印字面の下部半分にのみ厚さ5
μmの印字材料除去可能層3を形成し、この上にのみ画像
(図5中参照番号5)を印字してシート2とした。シー
ト2の概略構成図を図5に示した。
【0061】シート2を図3に示すクリーニング装置を用
いて、印字材料の除去作業を行ったところ、プレプリン
ト画像を形成する印字材料4は除去されず、印字材料除
去可能層3上の印字材料5のみが除去された。
【0062】実施例3 ・基材;基材として厚さ100μmの白色ポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルム(商品名ダイアホイルW400E4
3)(ダイアホイルヘキスト社製)を使用した。これを用
い、フルカラープリンターCOLOR PAGEPRESTO N4P612(カ
シオ社製)でプレプリント画像(図6中参照番号4)の印
字を行った。また、印字面には表層との接着性を向上さ
せる目的でコロナ放電処理を行った。
【0063】・印字材料除去不可能層;実施例1と全く
同様にして印字材料除去可能層用の樹脂溶液を得た。得
られた樹脂溶液を、#10のワイヤーバーを用いてバーコ
ータで上記工程で得られた、プレプリント画像印字済の
基材の両面に全面塗布し、130℃、1分間乾燥し、厚さ5
μmの印字材料除去不可能層2を得た。
【0064】・印字材料除去可能層;実施例1と全く同
様にして印字材料除去可能層用の樹脂溶液を得た。実施
例1と同様に、被記録材の印字面の下部半分にのみ厚さ5
μmの印字材料除去可能層3を形成し、この上にのみ画像
(図6中参照番号5)を印字してシート3とした。シー
ト3の機略構成図を図6に示した。
【0065】シート3を図3に示すクリーニング装置を用
いて、印字材料の除去作業を行ったところ、プレプリン
ト画像を形成する印字材料4は除去されず、印字材料除
去可能層3上の印字材料5のみが除去された。またプレプ
リント画像4は、透明性・光沢性の高い印字材料除去不
可能層2でコートされているため、色鮮やかでインパク
トの強いプレプリント画像が得られた。
【0066】実施例4 ・基材;基材として市販のCFペーパー(ミノルタ社製)を
用いた。 ・印字材料除去不可能層;実施例1と全く同様にして印
字材料除去可能層用の樹脂溶液を得た。上記した樹脂溶
液を、#10のワイヤーバーを用いてバーコータで基材の
両面に全面塗布し、130℃、1分間乾燥し、厚さ5μmの印
字材料除去不可能層2を得た。
【0067】印字材料除去不可能層作成後、その表面に
フルカラープリンターCOLOR PAGEPRESTO N4P612(カシオ
社製)でプレプリント画像(図7中参照番号4)の印字
を行った。
【0068】・印字材料除去可能層;実施例1と全く同
様にして印字材料除去可能層用の樹脂溶液を得た。前記
工程で形成したプレプリント画像上をマスキングテープ
でマスキングした後、樹脂溶液をシートの全面に塗布・
乾燥させ、印字材料除去可能層3を形成した。なお、塗
布・乾燥の条件は実施例1と全く同様の条件で行った。
印字材料除去可能層3の上にのみ画像(図7中参照番号
5)を印字してシート4とした。シート4の概略構成図を
図7に示した。
【0069】シート4を図3に示すクリーニング装置を用
いて、印字材料の除去作業を行ったところ、プレプリン
ト画像を形成する印字材料4は除去されず、印字材料除
去可能層3上の印字材料5のみが除去された。
【0070】
【発明の効果】 表面の印字材料を選択的に除去するこ
とが可能でありリサイクル可能な被記録材を提供した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 被記録材の一実施形態を示す模式的断面図。
【図2】 記録材料の除去方法を説明するための工程系
統図。
【図3】 クリーニング装置の一例を示す図。
【図4】 被記録材の一実施形態を示す図
【図5】 被記録材の別の一実施形態を示す図
【図6】 被記録材の別の一実施形態を示す図
【図7】 被記録材の別の一実施形態を示す図
【符号の説明】
1:基材、2:印字材料除去不可能層、3:印字材料除
去可能層、4:除去されない画像、5:除去される画
像、11:シャワー装置、14:ブラシ、15:クリーニング
シャワー、16:乾燥器、100:被記録材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 21/00 578 G03G 21/00 578 Fターム(参考) 2C061 AP04 AQ06 GG02 GG07 GG15 GG22 GG37 2H034 FA00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水膨潤性樹脂からなり水性溶媒を付与す
    ることにより印字材料が剥離可能となる印字材料除去可
    能層を表面の少なくとも一部分に有するリサイクル可能
    な被記録材。
  2. 【請求項2】 少なくとも表面が2種以上の性状を有す
    る被記録材であって、そのうち少なくとも1種が水膨潤
    性樹脂からなり、水性溶媒に浸漬または暴露されること
    により印字材料が剥離可能であることを特徴とする被記
    録材。
  3. 【請求項3】 表面の一部分にのみ水膨潤性樹脂層を設
    け、その部分に印字された印字材料のみ除去可能な、リ
    サイクル可能な被記録材。
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