JP2000282687A - ブーム付コンクリートポンプ車の運転制御装置 - Google Patents

ブーム付コンクリートポンプ車の運転制御装置

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JP2000282687A JP11092232A JP9223299A JP2000282687A JP 2000282687 A JP2000282687 A JP 2000282687A JP 11092232 A JP11092232 A JP 11092232A JP 9223299 A JP9223299 A JP 9223299A JP 2000282687 A JP2000282687 A JP 2000282687A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブームの固有振動数とコンクリートピストン
の切り換えタイミングが合うことによる共振の発生を抑
える。 【解決手段】 コンクリートポンプ車のブーム5の先端
部に、振動検出器35を設置する。振動検出器35の検
出信号が一定値以上になると、コンクリートポンプ3に
備えた吸入吐出弁とコンクリートピストンの前進後退の
切り換えタイミングとを途中で変えるように制御器36
から指令を出すようにする。ブーム5の固有振動数とコ
ンクリートピストンの切り換えタイミングをずらすこと
により共振を打ち消す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブーム付コンクリー
トポンプ車のブームの振動を抑えるように運転する運転
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリートポンプ車のうち、たとえ
ば、高層建築物の建造に伴う高所でのコンクリート打設
作業等において広く利用されているブーム付コンクリー
トポンプ車は、図6に一例を示す如く、車体のデッキ1
上に、ホッパ2と該ホッパ2内にあるコンクリートを吸
入して吐出するように作動するコンクリートポンプ3を
搭載し、且つ旋回テーブル4を旋回自在に載置して、該
旋回テーブル4上に、たとえば、4段連結構造とした多
段式のブーム5を起伏可能に装備させ、更に、上記コン
クリートポンプ3によってホッパ2内から吸入して吐出
されたコンクリートを輸送するためのコンクリート配管
6を、コンクリートポンプ3からデッキ1に沿わせた
後、上記各段のブーム5に沿わせて支持させ、該コンク
リート配管6の先端に接続した可撓性を有するホース7
を、最上段のブーム5の先端に取り付けた円弧状のホー
スガイド8にガイドさせて垂下させ、更に、該ホース7
に先端ホース9を接続し、該先端ホース9の先端吐出口
を直接、あるいは、延長ホースを介し打設個所に臨ませ
て打設を行わせるようにしてある。
【0003】上記ブーム付コンクリートポンプ車におい
て、コンクリートポンプ3には、コンクリートの吸入吐
出の切り換えを行う吸入吐出弁として、すべり弁型式の
ものと揺動弁型式のものを採用したものが従来より知ら
れている。
【0004】一例として吸入吐出弁を揺動弁型式とした
場合の油圧制御回路について示すと、図7に示す如く、
前面下部に2つの吸入吐出口10を横に並べて設けたホ
ッパ2内に揺動管11を揺動自在に収納し、且つ上記2
つの吸入吐出口10には、2本のコンクリートシリンダ
12と13を平行に配して連通させ、該2本のコンクリ
ートシリンダ12と13には、洗浄室14を介して2本
の主油圧シリンダ15と16を接続し、コンクリートシ
リンダ12と13内に収納したコンクリートピストン1
7と18を、主油圧シリンダ15と16内の主油圧ピス
トン19と20に各々1本のピストンロッド21を介し
て一体的に連結し、上記主油圧ピストン19と20を交
互に前進後退させることによりコンクリートピストン1
7と18が交互に前進後退させられてコンクリートシリ
ンダ12と13が交互に吸入吐出に切り換えられるよう
にしてあり、吐出側となったコンクリートシリンダ内の
コンクリートが揺動管11からコンクリート配管6を通
って圧送されるようにしてある構成において、主油圧シ
リンダ15と16のロッド側圧力室同士を密封ライン2
2で接続すると共に、主油圧シリンダ15と16のヘッ
ド側圧力室と主油ポンプ23とを主圧油ライン24によ
り接続し、且つ、該主圧油ライン24の途中に、主回路
用電磁弁25の作動によって切り換えられるようにした
主四方弁26を設け、又、揺動弁の切り換えを行う弁シ
リンダ27と28に、弁油ポンプ29からの圧油を供給
する圧油ライン30を接続し、且つ該圧油ライン30の
途中に、弁回路用電磁弁31の作動によって切り換えら
れるようにした弁四方弁32を設け、更に、上記圧油ラ
イン30の途中から取り出したライン33を、上記主回
路用電磁弁25を通して主四方弁26の操作部に導くよ
うにしてある。34は蓄圧器を示す。
【0005】上記構成において、2本の主油圧シリンダ
15と16の各前進側ストロークエンドに設けたピスト
ンセンサLS1とLS2が主油圧シリンダ15と16が
交互に前進することにより交互に作動したときに、弁回
路用電磁弁31のSOL3又はSOL4が励磁されて弁
四方弁32が切り換えられことにより、弁シリンダ27
と28の伸長収縮が切り換えられて揺動弁が切り換えら
れると同時に、主回路用電磁弁25のソレノイドSOL
1又はSOL2が励磁されて主四方弁26が切り換えら
れることにより、主油圧シリンダ15と16の前進後退
が切り換えられてコンクリートピストン17と18の前
進後退が切り換えられるようにしてある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記ブーム
付コンクリートポンプ車では、運転時に、ブーム5の固
有振動数とコンクリートピストン17,18の切り換え
タイミングが一致すると、共振を起すという問題があっ
た。このような場合、従来では、コンクリートピストン
17,18のストローク量を変えたり、共振を起すスト
ローク量を避けて使用するようにしていたが、共振を起
すストローク量が、使用頻度が一番高いストローク量の
場合があり、運転効率の面で支障を来すことがあった。
【0007】そこで、本発明は、共振を起したときにコ
ンクリートピストンのストローク量を変えたり、共振を
起すストローク量を避けて使用する必要性をなくすこと
ができるようなブーム付コンクリートポンプ車の運転制
御装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、弁四方弁の切り換え作動により弁シリン
ダを伸縮作動させて吸入吐出弁を切り換えるようにする
と共に、該吸入吐出弁の切り換え後に主四方弁を切り換
え作動させて2本の主油圧シリンダを前進後退作動させ
ることにより2本のコンクリートシリンダのコンクリー
トピストンを交互に前進後退させてコンクリートを交互
に吸入吐出させるようにしてあるコンクリートポンプを
備えたブーム付コンクリートポンプ車のブーム先端部
に、該ブームの振動を検出する振動検出器を設置し、且
つ該振動検出器の検出信号を基に、上記弁四方弁と主四
方弁を切り換えて上記吸入吐出弁とコンクリートピスト
ンの前進後退の切り換えタイミングを変えるように指令
を与える制御器を具備させた構成とする。
【0009】ブームの固有振動数とコンクリートピスト
ンの切り換えタイミングが合って共振を起すと、ブーム
の振動が大きくなるが、その振動が一定値以上になると
振動検出器からの検出値を基に制御器から弁四方弁と主
四方弁を切り換える指令が出されることにより、コンク
リートピストンの切り換えタイミングが変えられ、その
結果、共振が打ち消されることになる。
【0010】又、ブームの先端部に振動検出器を設置す
ることに代えて、タイマーを用い、所定サイクル時間毎
に制御器からの指令で吸入吐出弁とコンクリートピスト
ンの前進後退の切り換えタイミングを変えるようにした
構成とした場合は、所定サイクル時間毎にコンクリート
ピストンの切り換えタイミングが変えられるので、運転
中に共振を起したとしても、長時間継続することがなく
なる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0012】図1、図2、図3(イ)(ロ)は本発明の
実施の一形態を示すもので、図6及び図7に示したと同
様に、弁四方弁32の切り換え作動により弁シリンダ2
7と28を互い違いに伸縮作動させて吸入吐出弁として
の揺動弁を切り換えるようにすると共に、該揺動弁の切
り換え後に主四方弁26を切り換えて2本の主油圧シリ
ンダ15と16を前進後退作動させることにより2本の
コンクリートシリンダ12と13のコンクリートピスト
ン17と18を交互に前進後退させてコンクリートを交
互に吸入吐出させるようにしてあるコンクリートポンプ
3を備えたブーム付コンクリートポンプ車において、最
上段のブーム5の先端部に、該ブーム5の振動を検出す
る加速度計の如き振動検出器35を設置し、且つ該振動
検出器35の検出信号を基に、上記弁四方弁32と主四
方弁26を切り換えて上記揺動弁とコンクリートピスト
ン17,18の前進後退の切り換えタイミングを変える
ように指令を与える制御器36を具備させた構成とす
る。なお、図1において、図6に示したものと同一部分
には同一符号が付してある。
【0013】図2は具体的な電気回路を示すもので、電
源ラインPとNの間に、振動検出器35及びリレーX3
を組み込んだライン37を設け、又、リレーX3のa接
点x3及びリレーX1を組み込んだライン38と、ピス
トンセンサLS1、LS2及びリレーX2を組み込んだ
ライン39を設けて、両ライン38,39の間に制御器
36を組み付け、更に、リレーX1のa接点x1及び主
回路用電磁弁25のソレノイドSOL1を組み込んだラ
イン40と、リレーX2のa接点x2及び主回路用電磁
弁25のソレノイドSOL2を組み込んだライン41
と、リレーX1のa接点x1及び弁回路用電磁弁31の
ソレノイドSOL3を組み込んだライン42と、リレー
X2のa接点x2及び弁回路用電磁弁31のソレノイド
SOL4を組み込んだライン43とをそれぞれ設けた回
路構成としてある。
【0014】上記構成としてあるブーム付コンクリート
ポンプ車の場合、通常時は、ピストンセンサLS1又は
LS2の信号に基づく制御器36からの指令でリレーX
1又はX2が励磁されることにより、そのa接点x1又
はx2が閉じる結果、ソレノイドSOL1,SOL3又
はソレノイドSOL2,SOL4が励磁され、弁四方弁
32と主四方弁26が切り換えられることによって、図
3(イ)に示す如く、一定時間tのサイクルでコンクリ
ートピストン17と18の前進後退(右押、左押)が切
り換えられてコンクリートの吸入吐出が行われている。
【0015】上述した運転状況において、ブーム5の固
有振動数とコンクリートピストン17,18の切り換え
タイミングが合うことにより共振を起すと、ブーム5の
振れが大きくなり、該ブーム5の先端部に設置されてい
る振動検出器35による検出値が一定値以上になると、
リレーX3が励磁される(図3(ロ)のsの位置)。す
ると、a接点x3が閉じられるため、制御器36からリ
レーX1又はX2が励磁される指令が出される。これに
よりリレーX1,X2のa接点x1又はx2が閉じられ
てソレノイドSOL1,SOL3又はソレノイドSOL
2,SOL4が励磁される結果、揺動弁とコンクリート
ピストン17,18の前進後退の行程が強制的に切り換
えられることになる。この場合、制御器36にてリレー
X1又はX2を励磁するタイミングとしては、たとえ
ば、図3(ロ)に示す如く、コンクリートピストン1
7,18の切り換わりの時間tの半分の時間t/2とな
るようにしてあるので、ストロークの中間で揺動弁とコ
ンクリートピストン17,18が切り換えられることに
なる。これにより、ブーム5の固有振動数とコンクリー
トピストン17,18の切り換えタイミングがずれるこ
とになり、共振が打ち消される。
【0016】次に、図4及び図5は本発明の他の実施の
形態を示すもので、ブーム5の先端部に振動検出器35
を設置することに換えて、コンクリートピストン17,
18の前進後退サイクルを計測するタイマー44を用
い、所定サイクル時間(たとえば、10サイクル分)毎
に制御器36からの指令で前記実施の形態の場合と同様
に揺動弁とコンクリートピストン17,18の前進後退
の切り換えタイミングを変えるようにしたものである。
この場合、タイマー44は、コンクリートピストン1
7,18の切り換わりの一定時間tを記憶していて、そ
の時間より短かい時間、たとえば、半分の時間(t/
2)で切り換えられるようにしてある。
【0017】図4及び図5に示すようにすると、コンク
リートポンプ3の運転時に、共振が発生しているか否か
に拘らず、たとえば、10サイクルカウントする毎にリ
レーX3が励磁されてコンクリートピストン17と18
の切り換えタイミングが一定時間(t)の半分の時間
(t/2)のときに変えられてストロークの中間で揺動
弁とコンクリートピストン17,18が切り換わるた
め、共振が発生したとしても、それが大きく発達する前
に一早く打ち消されるようになるため、ブーム5に継続
して大きな振動が発生しなくなる。
【0018】なお、上記実施の形態では、吸入吐出弁と
して揺動弁を用いたコンクリートポンプについて示した
が、すべり弁を用いたものであってもよいこと、その他
本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加
え得ることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明のブーム付コン
クリートポンプ車の運転制御装置によれば、弁四方弁の
切り換え作動により弁シリンダを伸縮作動させて吸入吐
出弁を切り換えるようにすると共に、該吸入吐出弁の切
り換え後に主四方弁を切り換え作動させて2本の主油圧
シリンダを前進後退作動させることにより2本のコンク
リートシリンダのコンクリートピストンを交互に前進後
退させてコンクリートを交互に吸入吐出させるようにし
てあるコンクリートポンプを備えたブーム付コンクリー
トポンプ車のブーム先端部に、該ブームの振動を検出す
る振動検出器を設置し、且つ該振動検出器の検出信号を
基に、上記弁四方弁と主四方弁を切り換えて上記吸入吐
出弁とコンクリートピストンの前進後退の切り換えタイ
ミングを変えるように指令を与える制御器を具備させた
構成としたり、あるいは、ブームの先端部に振動検出器
を設置することに代えて、タイマーを用い、所定サイク
ル時間毎に制御器からの指令で吸入吐出弁とコンクリー
トピストンの前進後退の切り換えタイミングを変えるよ
うにした構成とすることにより、ブームの固有振動数と
コンクリートピストンの切り換えタイミングとの一致に
よる共振を抑えることができるので、ブームの大きな振
動の発生を防止することができ、従来の如く、共振を起
したときにコンクリートピストンのストローク量を変え
たり、共振を起すストローク量を避けて使用する必要性
をなくすことができて、運転効率を向上させることがで
きる、という優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブーム付コンクリートポンプ車の運転
制御装置の実施の一形態を示す全体の概要図である。
【図2】図1に示す運転制御装置の電気回路図である。
【図3】コンクリートピストンの行程を示すもので、
(イ)は通常時の状況を示す図、(ロ)はブームの振れ
が大きくなった際にコンクリートピストン行程の切り換
えタイミングをずらしたときの状況を示す図である。
【図4】本発明の実施の他の形態を示す運転制御装置の
電気回路図である。
【図5】図4に基づくコンクリートピストンの行程の切
り換えタイミングをずらしたときの状況を示す図であ
る。
【図6】ブーム付コンクリートポンプ車の一例を示す概
要図である。
【図7】揺動弁型式としたコンクリートポンプの油圧制
御回路の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
3 コンクリートポンプ 5 ブーム 12,13 コンクリートシリンダ 15,16 主油圧シリンダ 17,18 コンクリートピストン 26 主四方弁 27,28 弁シリンダ 32 弁四方弁 35 振動検出器 36 制御器 44 タイマー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁四方弁の切り換え作動により弁シリン
    ダを伸縮作動させて吸入吐出弁を切り換えるようにする
    と共に、該吸入吐出弁の切り換え後に主四方弁を切り換
    え作動させて2本の主油圧シリンダを前進後退作動させ
    ることにより2本のコンクリートシリンダのコンクリー
    トピストンを交互に前進後退させてコンクリートを交互
    に吸入吐出させるようにしてあるコンクリートポンプを
    備えたブーム付コンクリートポンプ車のブーム先端部
    に、該ブームの振動を検出する振動検出器を設置し、且
    つ該振動検出器の検出信号を基に、上記弁四方弁と主四
    方弁を切り換えて上記吸入吐出弁とコンクリートピスト
    ンの前進後退の切り換えタイミングを変えるように指令
    を与える制御器を具備させた構成を有することを特徴と
    するブーム付コンクリートポンプ車の運転制御装置。
  2. 【請求項2】 ブームの先端部に振動検出器を設置する
    ことに代えて、タイマーを用い、所定サイクル時間毎に
    制御器からの指令で吸入吐出弁とコンクリートピストン
    の前進後退の切り換えタイミングを変えるようにした請
    求項1記載のブーム付コンクリートポンプ車の運転制御
    装置。
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