JP2009029555A - リフター装置 - Google Patents

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Ryota Tamagawa
良太 玉川
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Abstract

【課題】 高荷重に耐えながらも、切換弁の切り換え時に発生する衝撃音を低減したリフター装置を提供することである。
【解決手段】 ポンプPとシリンダSとの連通過程には、切り換え位置に応じてポンプPからの吐出油をタンクTに戻す比例電磁弁14を接続する一方、この比例電磁弁14および切換弁2を切り換え制御するコントローラCを備えてなり、このコントローラCは、シリンダSを伸長あるいは収縮させるとき、比例電磁弁14を開弁してから切換弁2を連通位置に切り換えるか、もしくは比例電磁弁14を開弁するのと同時に切換弁2を連通位置に切り換え、しかも、開弁した比例電磁弁14を徐々に絞る構成にした。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ポンプからの吐出油によってシリンダを伸長あるいは収縮させるリフター装置に関する。
例えば、図4に示すリフター装置は、自動車を整備、点検する際に用いられる。このリフター装置は、自動車を載せる車台101の下方にシリンダ102,103を設けている。そして、シリンダ102,103のシリンダロッド102a,103aの先端を、上記車台101に固定するとともに、シリンダロッド102a,103aを伸長させたり、あるいは収縮させたりすることによって、車台101の上昇下降を行う。
このとき、シリンダロッド102a,103aの伸縮は油圧によって行われるが、その回路構成を図5に示す。
図5に示すように、モータMの回転に伴って油を吐出するポンプPをポンプ通路104に接続する。このポンプ通路104には、切換弁105を接続するとともに、この切換弁105にはタンク通路106と、一対のアクチュエータ通路107,108を接続している。
上記アクチュエータ通路107は、シリンダ102のピストン側室102bに接続する一方、上記アクチュエータ通路108は、シリンダ103のロッド側室103cに接続している。
そして、上記シリンダ102のロッド側室102cと、シリンダ103のピストン側室103bとを分岐通路109を介して連通させている。
また、上記切換弁105は、その中立位置においてポンプ通路104、タンク通路106、およびアクチュエータ通路107,108を連通させる。そして、切換弁105を図中左側位置に切り換えたとき、ポンプ通路104とアクチュエータ通路107とが連通するとともに、アクチュエータ通路108とタンク通路106とが連通する。一方、切換弁105を図中右側位置に切り換えると、ポンプ通路104とアクチュエータ通路108とが連通するとともに、アクチュエータ通路107とタンク通路106とが連通する。
したがって、モータMを回転させた状態で、切換弁105を図中左側位置に切り換えると、ポンプPからの吐出油が、ポンプ通路104→切換弁105→アクチュエータ通路107を介してシリンダ102のピストン側室102bに導かれ、シリンダロッド102aが伸長する。
このとき、ロッド側室102c内の油は、分岐通路109を介してシリンダ103のピストン側室103bに導かれる。したがって、シリンダロッド103aも伸長するが、このシリンダロッド103aの伸長に伴って、ロッド側室103c内の油がアクチュエータ通路108→切換弁105→タンク通路106を介してタンクに戻される。
このように、切換弁105を図中左側位置に切り換えれば、ポンプPからの吐出油によってシリンダ102,103のシリンダロッド102a,103aを伸長させて、車台101を上昇させることができる。
一方、切換弁105を図中右側位置に切り換えれば、ポンプPからの吐出油がポンプ通路104→切換弁105→アクチュエータ通路108を介してシリンダ103のロッド側室103cに導かれ、シリンダロッド103aが収縮する。また、アクチュエータ通路107は、切換弁105を介してタンク通路106に連通している。
したがって、シリンダ103のピストン側室103b内の油が、分岐通路109を介してシリンダ102のロッド側室102cに導かれるとともに、ピストン側室102b内の油がタンクに戻されて、両シリンダロッド102a,103aを収縮させて、車台101を下降させることができる。
なお、図中符号110は、ポンプPからシリンダ102への流通のみを許容するチェック弁であるが、このチェック弁110は、アクチュエータ通路108の圧力に応じて開弁する。
つまり、車台101を下降させる際に、シリンダ103のロッド側室103cにポンプPからの吐出油が導かれるが、このときの圧力によってチェック弁110が開弁する。したがって、車台101を下降させる際に、シリンダ102のピストン側室102bから速やかに油をタンクに戻すことができる。
特開平4−303399号公報
上記のリフター装置は、切換弁105を切り換えるだけで、簡単に車台101を上昇あるいは下降させることができる。
しかし、車台101は、重量の大きい自動車等を載せた状態で、上昇あるいは下降させなければならない。つまり、車台101には高荷重が作用するため、この高荷重に耐えうるように、高圧の吐出油をシリンダ102,103に供給しなければならない。
ところが、高圧の吐出油をシリンダ102,103に供給すると、切換弁105を切り換えたとき、高圧の吐出油が一気にシリンダ102あるいはシリンダ103に導かれる。このように、高圧の吐出油が一気にシリンダ102あるいは103に導かれると、各通路内やシリンダ内、あるいは切換弁105内において、激しい衝撃音が発生してしまうという問題があった。
この発明の目的は、高荷重に耐えながらも、切換弁の切り換え時に発生する衝撃音を低減したリフター装置を提供することである。
この発明は、ピストンによって区画された一対の室を有するシリンダと、このシリンダに接続したポンプと、このポンプと上記シリンダとの接続過程に設けた切換弁とを備え、上記切換弁を連通位置に切り換えたとき、ポンプをシリンダのいずれか一方の室に連通するとともに、いずれか他方の室をタンクに連通して、シリンダを伸長あるいは収縮させるリフター装置を前提とする。
上記の構成を前提として、第1の発明は、上記ポンプとシリンダとの連通過程に、切り換え位置に応じてポンプからの吐出油をタンクに戻す比例電磁弁を接続する一方、この比例電磁弁および上記切換弁を切り換え制御するコントローラを備えてなり、上記コントローラは、シリンダを伸長あるいは収縮させるとき、比例電磁弁を開弁してから上記切換弁を連通位置に切り換えるか、もしくは比例電磁弁を開弁するのと同時に上記切換弁を連通位置に切り換え、しかも、開弁した比例電磁弁を徐々に絞る点に特徴を有する。
第2の発明は、コントローラが、シリンダの伸長方向あるいは収縮方向のストローク終端近傍において、比例電磁弁を徐々に開弁するとともに、当該比例電磁弁が開弁した状態で上記切換弁を中立位置に切り換える点に特徴を有する。
第3の発明は、 上記シリンダの一対の室のそれぞれにアクチュエータ通路を接続するとともに、この一対のアクチュエータ通路を上記切換弁に接続し、しかもこの切換弁は中立位置において、上記一対のアクチュエータ通路およびポンプをタンクに連通させる一方、シリンダを収縮させるときに戻り側となるアクチュエータ通路には開閉弁を設けてなり、この開閉弁は、上記切換弁を中立位置に切り換えたとき、上記戻り側となるアクチュエータ通路を遮断する構成とし、かつ、上記戻り側となるアクチュエータ通路には分岐通路を接続するとともに、この分岐通路には制御オリフィスと、当該分岐通路を開閉制御する制御バルブとを設け、上記コントローラは、上記シリンダの収縮方向のストローク終端近傍において、制御バルブを開弁した状態で上記切換弁を中立位置に切り換えるとともに、上記制御オリフィスの開度に応じて上記シリンダの収縮速度を制御する点に特徴を有する。
第4の発明は、上記開閉弁には、シリンダを収縮させるときに供給側となるアクチュエータ通路の圧力をパイロット圧として作用させ、上記供給側となるアクチュエータ通路にポンプが連通したとき、上記パイロット圧によって開閉弁が開く一方、上記切換弁を中立位置に切り換えたとき、上記供給側となるアクチュエータ通路がタンクに連通して上記開閉弁が閉じる点に特徴を有する。
第5の発明は、コントローラに、シリンダを伸長あるいは収縮させる信号を入力するスイッチを接続するとともに、このスイッチに信号が入力されてからの時間をカウントするタイマーを備え、上記コントローラは、スイッチに信号が入力されてからの時間に応じて、上記比例電磁弁および切換弁を切り換え制御する点に特徴を有する。
第1〜5の発明によれば、切換弁を連通位置に切り換えてシリンダを伸長あるいは収縮させる際に、比例電磁弁を開状態に維持するので、シリンダの伸長あるいは収縮開始時に、ポンプからの吐出油をタンクに戻すことができる。
このように、シリンダの伸長あるいは収縮開始時、すなわち切換弁を中立位置から連通位置に切り換える時に、ポンプからの吐出油を徐々にタンクに戻すので、高圧の吐出油が一気にシリンダに供給されることがなくなり、衝突音を低減することができる。
また、切換弁が連通位置に切り換わった後、比例電磁弁の開度を徐々に絞るので、切換弁の切り換え後においては、高圧の吐出油を速やかにシリンダに供給することができる。
特に第2の発明によれば、シリンダが伸長あるいは収縮し終わる際に、ストローク終端で生じるシリンダの衝撃音を低減することができる。
特に第3の発明によれば、シリンダの収縮方向のストローク終端近傍において、制御オリフィスの開度に応じてシリンダの収縮速度を制御することができるので、シリンダの収縮方向のストローク終端における作動速度を一層低速にすることができる。したがって、自重によってストローク終端までシリンダが収縮しても、その際に生じる衝突音を低減することができる。
特に第4の発明によれば、切換弁を中立位置に切り換えると同時に、開閉弁を閉状態にすることができる。
特に第5の発明によれば、コントローラが、スイッチに信号が入力されてからの時間に応じて比例電磁弁および切換弁を切り換え制御するので、ストロークセンサを用いる場合に比べてコストを低減することができる。
図1〜3を用いて、この発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、この発明のリフター装置に係る回路図であるが、このリフター装置は、図示の通り、モータMと、このモータMの回転に伴って油を吐出するポンプPとを備えている。このポンプPにはポンプ通路1を接続しており、タンクTから吸い込んだ油をポンプ通路1に吐出するようにしている。
そして、上記ポンプ通路1には、切換弁2を接続している。この切換弁2には、ポンプ通路1とともに、タンク通路3および一対のアクチュエータ通路4,5を接続しており、その中立位置において、各通路が連通するようにしている。
一方、切換弁2が図示の中立位置から図中左側の連通位置に切り換わると、ポンプ通路1とアクチュエータ通路4とが連通するとともに、タンク通路3とアクチュエータ通路5とが連通する。また、切換弁2が図中右側の連通位置に切り換わると、ポンプ通路1とアクチュエータ通路5とが連通するとともに、タンク通路3とアクチュエータ通路4とが連通する。
上記切換弁2は、その両端にスプリングs,sを設けており、通常、図示の中立位置に保たれる。また、切換弁2の両端には、一対のソレノイドa,bを設けており、これらソレノイドa,bに電流を励磁することによって、切換弁2が中立位置から左右いずれかの連通位置に切り換わるようにしている。
そして、上記アクチュエータ通路4,5は、シリンダSに接続しているが、アクチュエータ通路4はシリンダSのピストン側室6aに、アクチュエータ通路5はシリンダSのロッド側室6bに接続している。
なお、上記ピストン側室6aおよびロッド側室6bは、ピストン7によってシリンダ内に区画形成される室である。上記ピストン7には、シリンダロッド8が固定されており、このシリンダロッド8が突出する側の室をロッド側室6bとしている。
そして、シリンダ内でピストン7が摺動するのに伴って、シリンダロッド8が伸縮することとなり、このシリンダロッド8に固定した車台等を上昇、下降することとなる。
また、シリンダSが収縮する際に、上記アクチュエータ通路5からロッド側室6bに作動油が供給され、ピストン側室6aの作動油は、アクチュエータ通路4からタンクに戻される。したがって、上記アクチュエータ通路4が、この発明における「シリンダSを収縮させるときに戻り側となる通路」となり、アクチュエータ通路5が、この発明における「シリンダSを収縮させるときに供給側となる通路」となる。
また、上記アクチュエータ通路4には、開閉弁9、バイパス通路11、およびチェック弁12を設けている。上記開閉弁9は、一端にスプリングsを設けるとともに、他端にはパイロット通路10を介して、アクチュエータ通路5の圧力を作用させている。そして、開閉弁9は、通常、スプリングsの弾性力によってアクチュエータ通路4を遮断しており、アクチュエータ通路5の圧力が上昇して、スプリングsの弾性力に打ち勝ったとき、アクチュエータ通路4を開状態に維持するようにしている。
つまり、上記開閉弁9は、アクチュエータ通路5がポンプPに連通した状態、すなわち、切換弁2が図中右側位置にある状態では、パイロット通路10に導かれるパイロット圧によって開状態を維持し、切換弁2が中立位置もしくは図中左側位置に切り換わると、スプリングsの弾性力によってアクチュエータ通路4を閉じる。
また、上記アクチュエータ通路4には、開閉弁9の前後から分岐するバイパス通路11を接続するとともに、このバイパス通路11に、切換弁2側からシリンダS側への流通のみを許容するチェック弁12を設けている。
一方、図1に示すように、アクチュエータ通路4には、それを分岐させた分岐通路16を接続するとともに、この分岐通路16には、制御オリフィス17と制御バルブ18とを設けている。この制御バルブ18は、一端にスプリングsを設け、他端にソレノイドdを設けている。そして、制御バルブ18は、通常、スプリングsの弾性力によって分岐通路16を遮断する位置に保たれており、シリンダS側から切換弁2側への作動油の逆流を防止している。そして、制御バルブ18は、ソレノイドdに電流を励磁することにより、当該励磁電流に応じて開弁し分岐通路16が開状態になる。
なお、制御バルブ18が開位置に切り換わるのは、シリンダSが収縮時のストローク終端に近づいたときであるが、その詳細については後で説明する。
さらに、ポンプPと切換弁2との連通過程には、ポンプ通路1をタンク通路3に連通させる排出通路13を接続するとともに、この排出通路13に比例電磁弁14を設けている。
この比例電磁弁14は、一端にスプリングsを設け、他端にソレノイドcを設けている。そして、比例電磁弁14は、通常、スプリングsの弾性力によって排出通路13を遮断する位置に保たれているが、ソレノイドcに電流を励磁することにより、当該励磁電流に応じて開弁し、排出通路13が開状態になる。
また、上記切換弁2、制御バルブ18、および比例電磁弁14は、コントローラCによって切り換え制御されるが、その具体的な制御方法は次の通りである。
コントローラCには、シリンダSを伸長あるいは収縮させる信号を入力するスイッチ15を接続している。また、コントローラCは、スイッチ15に伸長信号あるいは収縮信号が入力されてからの時間をカウントするタイマーを備えている。
そして、スイッチ15に、シリンダSを伸長させる信号が入力されたとき、コントローラCは、次のような制御を行う。
すなわち、図2に示すように、スイッチ15に伸長信号が入力されると、コントローラCは、モータMを回転させるとともに、ソレノイドcを励磁して、比例電磁弁14を開弁させる。
そして、比例電磁弁14が開弁した状態で、コントローラCは、ソレノイドaを励磁して切換弁2を図1中左側の連通位置に切り換える。
コントローラCは、上記のように切換弁2を連通位置に切り換えると同時に、今度は、ソレノイドcの励磁電流を制御して、比例電磁弁14の開度を徐々に絞る。そして、所定時間経過したら、ソレノイドcの励磁を完全に停止して、比例電磁弁14を閉弁し、ポンプ通路1をタンク通路3から遮断する。
このとき、ポンプPからの吐出油は、ポンプ通路1→切換弁2→アクチュエータ通路4→バイパス通路11→チェック弁12を介して、シリンダSのピストン側室6aに導かれるが、切換弁2を中立位置から連通位置に切り換えてすぐの状態では、その多くが比例電磁弁14を介してタンクに戻される。したがって、切換弁2の切り換え時に、シリンダSに高圧の油が一気に供給されることがない。
一方、切換弁2が連通位置に切り換わった後は、比例電磁弁14の開度が徐々に絞られながら閉弁する。比例電磁弁14が徐々に開度を小さくすれば、ポンプ通路1からタンクTに戻される流量が減少するので、ピストン側室6aへの供給流量は、図2に示す通り、徐々に増加することとなる。
このようにして伸長したシリンダロッド8が、伸長方向のストローク終端に近づくと、コントローラCは、再び比例電磁弁14を徐々に開弁する。そして、比例電磁弁14が開弁した状態で、ソレノイドaの励磁を停止して、切換弁2を連通位置から中立位置に復帰させる。そして、これと同時に比例電磁弁14も非励磁状態にするとともに、モータMの回転を停止する。
このように、シリンダSの伸長方向のストロークエンド近傍においても、供給流量の一部がタンクに戻されるので、ストローク終端で生じるシリンダSの衝撃音を低減することができる。
なお、切換弁2が中立位置にある状態では、アクチュエータ通路5に高圧が作用しないため、開閉弁9は、スプリングsの弾性力により、アクチュエータ通路4を遮断する。また、バイパス通路11にはチェック弁12が設けられている。したがって、シリンダロッド8に荷重が作用しても、ピストン側室6aから油が排出することはなく、シリンダロッド8を伸長状態に維持されることとなる。
なお、この実施形態においては、コントローラCが、スイッチ15に信号が入力されてからの時間に応じて、切換弁2および比例電磁弁14を切り換え制御するようにしている。
ただし、例えば、比例電磁弁14に位置センサを備えておき、この位置センサからの信号に基づいて、切換弁2を中立位置から連通位置に切り換えるようにしてもよい。また、シリンダSにストロークセンサを設け、シリンダロッド8のストロークに基づいて、比例電磁弁14を切り換えたり、あるいは切換弁2を連通位置から中立位置に復帰させたりしても構わない。しかし、タイマーを用いて時間で制御を行えば、高価なストロークセンサを用いる場合に比べてコストを低減することができる。
一方、上記のようにしてシリンダSが伸長した状態で、スイッチ15に、シリンダSを収縮させる信号が入力されると、コントローラCは、次のように制御を行う。
すなわち、図3に示すように、スイッチ15に収縮信号が入力されると、コントローラCは、モータMを回転させるとともに、ソレノイドcを励磁して比例電磁弁14を開弁する。
そして、比例電磁弁14が開弁した状態で、コントローラCは、ソレノイドbを励磁して切換弁2を図1中右側の連通位置に切り換える。
また、コントローラCは、上記のように切換弁2を連通位置に切り換えると同時に、今度は、ソレノイドcの励磁電流を制御して、比例電磁弁14の開度を徐々に絞る。このとき、ポンプPからの吐出油は、ポンプ通路1→切換弁2→アクチュエータ通路5を介して、シリンダSのロッド側室6bに導かれるが、切換弁2を中立位置から連通位置に切り換えてすぐの状態では、その多くが比例電磁弁14を介してタンクに戻される。したがって、切換弁2の切り換え時に、シリンダSに高圧の油が一気に供給されることがない。
なお、シリンダSの収縮時においては、比例電磁弁14を完全に閉弁させずに、ポンプ通路1とタンク通路3とを連通させた状態に維持して、ポンプPからの吐出油の一部を常にタンクに戻すようにしている。このように、シリンダSの収縮時に、ポンプPからの吐出油の一部を常にタンクに戻すのは、次の理由からである。
すなわち、シリンダSを上昇させる際には、ポンプPからの吐出油をピストン側室6aに供給し、シリンダSを収縮させる際には、ポンプPからの吐出油をロッド側室6bに供給する。しかし、ロッド側室6bには、シリンダロッド8が貫通しているため、ピストン側室6aよりも容積が小さい。そのため、シリンダSの伸長速度と収縮速度とを等しくするために、シリンダSの収縮時における供給流量を減らすようにしているのである。
なお、シリンダSの伸長速度と収縮速度とが異なっても構わなければ、比例電磁弁14を完全に閉弁させても構わない。
一方、ポンプPからの吐出油がアクチュエータ通路5に導かれると、当該アクチュエータ通路5内の圧力が、パイロット通路10を介して開閉弁9の一端に作用する。このパイロット通路10の圧力によって、開閉弁9はスプリングsの弾性力に抗して移動し、アクチュエータ通路4を開状態にする。したがって、ピストン側室6a内の油が、アクチュエータ通路4→開閉弁9→切換弁2→タンク通路3を介してタンクTに戻されるので、シリンダロッド8が収縮することとなる。
このようにして収縮したシリンダロッド8が、シリンダSの収縮方向におけるストローク終端に近づいたところで、コントローラCは、再びソレノイドcを励磁して、比例電磁弁14の開度を大きくする。また、これと同時に、上記制御バルブ18を開位置に切り換える。
すると、比例電磁弁14の開度が大きくなるにつれて、シリンダSへの供給流量が徐々に減少する。このとき、開閉弁9には依然としてポンプPの圧力が作用しているため、開閉弁9は開状態に保たれ、ピストン側室6aの作動油は、アクチュエータ通路4を介してタンクに戻される。
そして、シリンダSへの供給流量が0になる前、すなわち、シリンダSが収縮方向におけるストローク終端に到達する前に、コントローラCは、制御バルブ18を開状態に維持したまま、比例電磁弁14を閉位置に、切換弁2を中立位置に切り換える。また、これと同時にモータMの駆動を停止する。
切換弁2が中立位置に切り換わると、アクチュエータ通路5内の圧力が低下するので、パイロット通路10の圧力も低下し、開閉弁9がアクチュエータ通路4を遮断する。
このとき、シリンダSには自重が作用するため、当該自重によって、ピストン側室6a内の作動油が、分岐通路16→制御バルブ18→制御オリフィス17→切換弁2→タンク通路3を介してタンクに戻される。したがって、制御オリフィス17の開度を小さくしておけば、シリンダSの収縮方向のストローク終端近傍における下降速度を、一層低減させることができる。
なお、シリンダSが自重によって収縮すれば、ロッド側室6bが吸い込み圧となるため、ロッド側室6bには作動油が導かれることとなる。
上記のように、このリフター装置によれば、シリンダSの伸長時および収縮時のいずれの場合においても、シリンダSに一気に油が流れ込むことがないので、急激な油の流れによって生じる衝撃音を低減することができる。
また、シリンダSのストローク開始時(切換弁2を連通位置に切り換えるとき)のみならず、シリンダSのストローク終端(切換弁2を中立位置に復帰させるとき)においても、比例電磁弁14を開弁している。
したがって、シリンダSへの油の供給を停止する際、すなわちシリンダSがストローク終端に到達する際のショックや衝撃音を低減することができる。
なお、ポンプ通路1には、比例電磁弁14と並列に流量制御弁19を接続しているが、この流量制御弁19は、比例電磁弁14が故障した際に機能するものであり、通常、閉状態を維持している。そして、比例電磁弁14が故障等により切り換わらなくなった場合に、流量制御弁19を可変制御することによって、比例電磁弁14と同様の機能を果たすようにしている。
また、分岐通路16は、手動止め弁20を介してタンクに連通させている。この手動止め弁20は、通常、閉状態を維持しているが、回路中のバルブおよびソレノイドがフェールしてシリンダSが下降できなくなったときに、手動で開いてシリンダSを下降させるものである。
なお、上記実施形態においては、比例電磁弁14をポンプ通路1に接続したが、比例電磁弁14を設ける位置は上記実施形態に限らず、ポンプPとシリンダSとの連通過程であればいずれに設けてもよい。例えば、アクチュエータ通路4,5のそれぞれに比例電磁弁を設けて、上記実施形態と同様の制御を行うようにしても構わない。ただし、この場合には、各アクチュエータ通路4,5が戻り側となる際に、当該通路4,5を連通状態に維持する構成にしなければならない。
したがって、ポンプ通路1に比例電磁弁を接続すれば、その分構成を簡素化することができ、しかも、一つの比例電磁弁でシリンダSの伸縮双方に対応することができる。
さらに、上記実施形態においては、比例電磁弁14を開弁した後に、切換弁2を切り換えるようにしたが、比例電磁弁14と切換弁2とを同時に切り換えても構わない。このようにしても、上記実施形態と同様に、衝撃音を低減することができる。
また、上記実施形態においては、切換弁2が連通位置に切り換わると同時に、比例電磁弁14を絞るようにしているが、比例電磁弁14を絞り始めるタイミングは上記実施形態に限らない。例えば、切換弁2が連通位置に切り換わった後、所定時間経過してから比例電磁弁14を絞るようにしてもよいし、あるいは、比例電磁弁14を絞り始めてから、切換弁2を切り換えてもよい。
いずれにしても、切換弁2を切り換える際に、比例電磁弁14が開弁していれば、衝撃音を低減することができる。
この実施形態のリフター装置における回路図である。 シリンダ伸長時の制御方法を示す図である。 シリンダ収縮時の制御方法を示す図である。 従来のリフター装置を示す図である。 従来のリフター装置の回路図である。
符号の説明
2 切換弁
4,5 アクチュエータ通路
6a ピストン側室
6b ロッド側室
7 ピストン
9 開閉弁
10 パイロット通路
14 比例電磁弁
15 スイッチ
16 分岐通路
17 制御オリフィス
18 制御バルブ
C コントローラ
P ポンプ
S シリンダ

Claims (5)

  1. ピストンによって区画された一対の室を有するシリンダと、このシリンダに接続したポンプと、このポンプと上記シリンダとの接続過程に設けた切換弁とを備え、上記切換弁を連通位置に切り換えたとき、ポンプをシリンダのいずれか一方の室に連通するとともに、いずれか他方の室をタンクに連通して、シリンダを伸長あるいは収縮させるリフター装置において、上記ポンプとシリンダとの連通過程には、切り換え位置に応じてポンプからの吐出油をタンクに戻す比例電磁弁を接続する一方、この比例電磁弁および上記切換弁を切り換え制御するコントローラを備えてなり、上記コントローラは、シリンダを伸長あるいは収縮させるとき、比例電磁弁を開弁してから上記切換弁を連通位置に切り換えるか、もしくは比例電磁弁を開弁するのと同時に上記切換弁を連通位置に切り換え、しかも、開弁した比例電磁弁を徐々に絞る構成にしたリフター装置。
  2. 上記コントローラは、シリンダの伸長方向あるいは収縮方向のストローク終端近傍において、比例電磁弁を徐々に開弁するとともに、当該比例電磁弁が開弁した状態で上記切換弁を中立位置に切り換える構成にした上記請求項1に記載のリフター装置。
  3. 上記シリンダの一対の室のそれぞれにアクチュエータ通路を接続するとともに、この一対のアクチュエータ通路を上記切換弁に接続し、しかもこの切換弁は中立位置において、上記一対のアクチュエータ通路およびポンプをタンクに連通させる一方、シリンダを収縮させるときに戻り側となるアクチュエータ通路には開閉弁を設けてなり、この開閉弁は、上記切換弁を中立位置に切り換えたとき、上記戻り側となるアクチュエータ通路を遮断する構成とし、かつ、上記戻り側となるアクチュエータ通路には分岐通路を接続するとともに、この分岐通路には制御オリフィスと、当該分岐通路を開閉制御する制御バルブとを設け、上記コントローラは、上記シリンダの収縮方向のストローク終端近傍において、制御バルブを開弁した状態で上記切換弁を中立位置に切り換えるとともに、上記制御オリフィスの開度に応じて上記シリンダの収縮速度を制御する構成にした上記請求項1または2に記載のリフター装置。
  4. 上記開閉弁には、シリンダを収縮させるときに供給側となるアクチュエータ通路の圧力をパイロット圧として作用させ、上記供給側となるアクチュエータ通路にポンプが連通したとき、上記パイロット圧によって開閉弁が開く一方、上記切換弁を中立位置に切り換えたとき、上記供給側となるアクチュエータ通路がタンクに連通して上記開閉弁が閉じる構成にした上記請求項3記載のリフター装置。
  5. 上記コントローラには、シリンダを伸長あるいは収縮させる信号を入力するスイッチを接続するとともに、このスイッチに信号が入力されてからの時間をカウントするタイマーを備え、上記コントローラは、スイッチに信号が入力されてからの時間に応じて、上記比例電磁弁および切換弁を切り換え制御する構成にした上記請求項1〜4のいずれかに記載のリフター装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101274077B1 (ko) * 2011-10-04 2013-06-13 신장공업 주식회사 궤도차량 유압 잭 제어장치
CN104235105A (zh) * 2014-09-18 2014-12-24 芜湖高昌液压机电技术有限公司 龙门举升机串联速度转换回路
CN104314892A (zh) * 2014-09-18 2015-01-28 芜湖高昌液压机电技术有限公司 举升机旁路节流调速回路

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