JP6831310B2 - 車高制御システム、ダウン制御方法 - Google Patents
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Description
コンプレッサを駆動する電動モータへの供給電流がOFFからONに切り換えられる際に、コンプレッサには大きな始動時電流が流れる。そのため、電動モータへの供給電流がOFFからONに切り換えられる際に、コンプレッサの吸入側部の圧力媒体の圧力と吐出側部の圧力媒体の圧力とがほぼ同じである場合には、始動時にコンプレッサに加えられる負荷(抵抗)が小さく、コンプレッサは急に大きな回転数で回転させられる。それにより、大きな音が発生させられる。
それに対して、電動モータへの供給電流がOFFからONに切り換えられる際に、コンプレッサの吐出側部の圧力媒体の圧力が吸入側部の圧力媒体の圧力より高い場合には、始動時にコンプレッサに加えられる負荷が大きくなる。始動時にコンプレッサは回転し難くなり、コンプレッサの回転数が小さくなったり、コンプレッサの始動が遅れたりする。その結果、コンプレッサの始動時に発生させられる音を小さくすることができる。
このように、コンプレッサの吸入側部が低圧部に連通させられ、コンプレッサの吐出側部が高圧部に連通させられることにより、コンプレッサの吐出側部の圧力媒体の圧力から吸入側部の圧力媒体の圧力を引いた差圧が大きくなる。すなわち、準備工程の実行により、準備工程が実行される以前より、差圧が大きくなるのである。そのため、準備工程の実行により、コンプレッサの始動時に発生させられる音を小さくすることができる。なお、準備工程の開始時において、高圧部の圧力媒体の圧力は、低圧部の圧力媒体の圧力より高いのが普通であるが、吐出側部の圧力媒体の圧力より高いとは限らない。また、低圧部の圧力媒体の圧力は吸引側部の圧力媒体の圧力より低いのが普通である。
また、本車高制御システムにおいては、圧力媒体としてエアが使用される。
以下、本明細書において、エアシリンダ2、ショックアブソーバ4等について、車輪の位置で区別する必要がある場合には、車輪の位置を表す符号FL,FR,RL,RRを付すが、車輪の位置で区別する必要がない場合、総称を表す場合等には車輪の位置を表す符号FL,FR,RL,RR等を省略して記載する。
コンプレッサ装置30は、コンプレッサ40と、コンプレッサ40を駆動する電動モータ42とを含み、コンプレッサ40が電動モータ42の駆動により作動させられる。本実施例において、コンプレッサ40はプランジャポンプであり、吸入弁41a、吐出弁41bを含む。吸入弁41a、吐出弁41bは、コンプレッサ40の吸入側から吐出側へのエアの流れを許容するが逆向きの流れを阻止するものである。また、コンプレッサ40の吐出圧が高くなると、リリーフ弁46を経てエアが大気へ排気される。
タンク34は、エアを加圧した状態で収容するものであり、収容されるエアの量が多くなると、その収容されたエアの圧力であるタンク圧が高くなる。
図1に示すように、共通通路22と、タンク34が接続されたタンク通路48とが、互いに並列に設けられた第1通路50と第2通路52とによって接続され、第1通路50に、直列に2つの回路弁61,62が設けられ、第2通路52に、直列に2つの回路弁63,64が設けられる。また、吸入通路65によって、第1通路50の2つの回路弁61,62の間の部分と、コンプレッサ40の吸気側部40aとが接続され、吐出通路66によって、コンプレッサ40の吐出側部40bと、第2通路52の2つの回路弁63,64の間の部分とが接続される。
回路弁61,63は、閉状態においてタンク34からのエアの流出を阻止するものであり、回路弁62は、閉状態において、共通通路22からのエアの流出を阻止するものであり、回路弁64は、閉状態において共通通路22へのエアの供給を阻止するものである。
吐出通路66の接続部66sには排気弁32が接続される。排気弁32は常閉の電磁弁であり、開状態において、吐出通路66から大気へのエアの排出が許容され、閉状態において、吐出通路66から大気へのエアの排出が阻止されるが、吐出通路66のエアの圧力が大気圧より設定圧以上低くなると大気から吐出通路66へのエアの供給が許容される。
また、吐出通路66の接続部66sより第2通路側の部分には、ドライヤ70と流れ抑制機構72とが直列に設けられる。流れ抑制機構72は、互いに並列に設けられた、差圧弁72vと絞り72sとを含む。差圧弁72vは、第2通路側からコンプレッサ側へのエアの流れを阻止し、コンプレッサ側の圧力が第2通路側の圧力より設定圧以上高くなると、コンプレッサ40から第2通路52へのエアの流れを許容する。
また、本実施例における車高制御システム等は、バッテリ110の電力により作動可能なものである。バッテリ110の電圧は電圧モニタ112によって検出されるが、電圧モニタ112は車高制御ECU80に接続される。
そのため、コンプレッサ40が始動させられる際に、コンプレッサ40に加えられる負荷は小さく、コンプレッサ40は、急に、大きな回転数で回転させられる。そのため、大きな振動が生じ、大きな音が発生させられる。
また、この状態が、設定時間の間維持されるため、コンプレッサ40の吐出通路66のエアの圧力が吸入通路65のエアの圧力より設定値以上高くなり、始動時にコンプレッサ40に加えられる負荷が大きくなる。
その後、図4に示すように、制御対象輪の車高制御弁26が開とされ、コンプレッサ40が始動させられ、ダウン制御が開始される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、車高センサ93により車高が検出され、S2において、ダウン制御中であるか否かが判定される。ダウン制御中でない場合には、S3において、ダウン制御の開始条件が成立するか否かが判定される。例えば、目標車高に対してS1において検出された実際の車高である実車高が開始しきい値以上大きい場合には、ダウン制御の開始条件が成立すると判定される。判定がNOである場合には、S1〜3が繰り返し実行される。そのうちに、開始条件が成立し、判定がYESとなった場合には、S4において、ダウン制御の開始指令が出力される。
S11において、回路弁62,63が開とされ、S12において、設定時間が経過したか否かが判定される。設定時間が経過した場合には、S13において、コンプレッサ40が始動させられ、制御対象輪に対応する車高制御弁26が開とされる。
制御対象輪のエアシリンダ2のエアがコンプレッサ40により吸入されてタンク34に供給されるのであり、ダウン制御が開始される。
また、S11の実行等が準備工程に対応し、S13の実行等がダウン工程に対応する。
Claims (3)
- 車両の複数の車輪にそれぞれ設けられた複数の車高制御アクチュエータと、
前記複数の車高制御アクチュエータに接続され、(a)コンプレッサと、(b)そのコンプレッサによって加圧された圧力媒体を蓄えるタンクとを備えた圧力媒体給排装置と、
前記コンプレッサの作動により、前記複数の車輪のうちの制御対象輪に対応する車高制御アクチュエータから圧力媒体を排出させて、前記タンクに供給することにより、前記制御対象輪についての車高を低くする制御であるダウン制御を行う車高制御部と
を含む車高制御システムにおいて、
前記車高制御部が、前記コンプレッサを始動させる前に、前記コンプレッサの吐出側部の圧力媒体の圧力を前記コンプレッサの吸入側部の圧力媒体の圧力より高くする始動時制御部を含む車高制御システム。 - 前記複数の車高制御アクチュエータが共通通路に接続され、
前記圧力媒体給排装置が、複数の電磁弁を備え、前記共通通路と、前記タンクに接続されたタンク通路と、前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路と、前記コンプレッサの吸入側部に接続された吸入通路との間に設けられ、これらの間の連通状態を切り換え可能な切換え装置を含み、
前記始動時制御部が、前記切換え装置の制御により、前記吸入通路を前記共通通路に連通させ、前記吐出通路を前記タンク通路に連通させる電磁弁制御部を含む請求項1に記載の車高制御システム。 - 車両の複数の車輪にそれぞれ設けられ、共通通路に車高制御弁を介して接続された複数の車高制御アクチュエータと、
(a)エアを蓄えたタンクと、(b)コンプレッサと、(c)前記タンクに接続されたタンク通路と、前記コンプレッサの吸入側部に接続された吸入通路と、前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路と、前記共通通路との間に設けられた複数の電磁弁を備え、これらの間の連通状態を切り換え可能な切換え装置とを備えた圧力媒体給排装置と
を含む車高制御システムにおいて、前記複数の車高制御アクチュエータのうち制御対象輪の車高制御アクチュエータから圧力媒体を排出させて、前記タンクに供給することにより、前記制御対象輪についての車高を低くするダウン制御方法であって、
前記切換え装置を制御することにより、前記吸入通路を前記タンク通路から遮断して前記共通通路に連通させるとともに、前記吐出通路を前記共通通路から遮断して前記タンク通路に連通させる準備工程と、
前記制御対象輪の車高制御弁を開とするとともに、前記コンプレッサを始動させるダウン工程と
を含むダウン制御方法。
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