JP2017226300A - 車高制御システム - Google Patents
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Abstract
Description
少なくとも1輪の車高制御アクチュエータについてのチャンバ圧が設定圧より低下したか否かに基づけば、車体の床下(底部と称することもできる)が物体に当接して、その物体に車両の重量の一部が支持された状態(以下、床下強干渉状態と称する)にあるか否かを良好に検出することができる。
以下、本明細書において、上述のエアシリンダ8、ショックアブソーバ10等について、車輪2の位置で区別する必要がある場合には、車輪2の位置を表す符号FL,FR,RL,RRを付して区別するが、車輪2の位置で区別する必要がない場合、総称を表す場合等には車輪2の位置を表す符号FL,FR,RL,RR等を省略して記載する。
エアシリンダ8は、それぞれ、車体6に設けられたシリンダ本体14と、シリンダ本体14に固定されたダイヤフラム16と、ダイヤフラム16およびショックアブソーバ10のシリンダ本体12に上下方向に一体的に移動可能に設けられたエアピストン18とを含み、これらの内部が圧力媒体室としてのチャンバ19とされる。
チャンバ19におけるエアの給排によりエアピストン18がシリンダ本体14に対して上下方向に相対移動させられ、それにより、ショックアブソーバ10においてアブソーバ本体12とアブソーバピストンとが上下方向に相対移動させられるのであり、サスペンションアーム4と車体6との間の距離である車高が変化させられる。
コンプレッサ装置30は、コンプレッサ40、コンプレッサ40を駆動する電動モータ42、コンプレッサ40の吸気側の部分である吸気側部41と大気(車高制御システムの外部)との間に設けられた逆止弁である吸気弁44、コンプレッサ40の吐出側に設けられたリリーフ弁46等を含む。コンプレッサ40の吸気側部41のエアの圧力が大気圧より低くなると、コンプレッサ40により大気からフィルタ43、吸気弁44を介してエアが吸い込まれる。また、コンプレッサ40の吐出圧が高くなると、リリーフ弁46を経て大気へ放出される。
タンク34は、エアを加圧した状態で収容するものであり、タンク34に収容されたエアの量が多くなると、エアの圧力であるタンク圧が高くなる。
回路弁61〜64は常閉弁であり、開状態において双方向のエアの流れを許容し、閉状態において、一方の側から他方の側へのエアの流れを阻止するが、他方の側のエアの圧力が一方の側のエアの圧力より設定圧以上高くなると、他方の側から一方の側へのエアの流れを許容するものである。回路弁61,63は、閉状態においてタンク34からのエアの流出を阻止するものであり、回路弁62は、閉状態において、共通通路22からのエアの流出を阻止するものであり、回路弁64は、閉状態において共通通路22へのエアの供給を阻止するものである。
また、第4通路66の排気弁32より第2通路側の部分には、ドライヤ70と流れ制限機構72とが直列に設けられる。流れ制限機構72は、互いに並列に設けられた、差圧弁72vと絞り72sとを含む。差圧弁72vは、第2通路側からコンプレッサ側へのエアの流れを阻止し、コンプレッサ側の圧力が第2通路側の圧力より設定圧以上高くなると、コンプレッサ40から第2通路52へのエアの流れを許容する。
また、本実施例における車高制御システム等は、バッテリ110の電力により作動可能なものである。バッテリ110の電圧は電圧モニタ112によって測定されるが、電圧モニタ112は車高調整ECU80に接続される。
車高を低くする(以下、ダウン制御と称する場合がある)場合には、図3(b)に示すように、電動モータ42の駆動によりコンプレッサ40を作動させ、回路弁61、64を閉、回路弁62,63を開とするとともに、制御対象輪2FLに対応する車高制御弁26FLを開とする。制御対象輪2FLのエアシリンダ8FLのチャンバ19FLから、エアが排出させられてタンク34に供給される。また、測定車高Hijの各々とダウン制御の目標車高Hrefdとの差の絶対値が設定値以下になった場合(以下、測定車高Hijが目標車高Hrefdに近づいた場合と称する場合がある)に、ダウン制御の終了条件が成立したとされる。
コインパーキングには、図11に示すように車両移動防止装置200が設けられることが多い。車両移動防止装置200は、本体202と、回動軸204と、その回動軸204を駆動する図示しない駆動装置と、回動軸204にばね部材を介して弾性的に保持されたフラップ板206とを含む。回動軸104が駆動装置により回動させられることにより、フラップ板206が図11(a)に示す起立姿勢(以下、作用位置と称する場合がある)と(b)に示す伏臥姿勢(以下、非作用位置と称する場合がある)とに切り換えられる。また、図11(a)に示す起立姿勢にあっても、車体6の床下6dがフラップ板206に当接したり、車両重量の一部が支持されたりすると、フラップ板206のある程度の下方への移動が許容される。
降車後ダウン制御において、降車後ダウン制御が継続して行われる時間である継続制御時間Tsが計測され、継続制御時間Tsが設定時間Tth以上になった場合に、床下強干渉状態である可能性が高いとされて、降車後ダウン制御が中断される。中断された後に、前後左右の4つの車輪2(以下、単に4輪と略称する場合がある)の各々のエアシリンダ8のチャンバ圧Pijがチャンバ圧センサ91によって測定され、チャンバ圧Pijのうちの少なくとも1つが設定圧Pthより低い場合に、床下強干渉状態であると検出される。
また、床下強干渉状態であると検出された場合には、強干渉時アップ制御が行われ、4輪によって車両重量が支持される状態とされる。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、降車後ダウン制御中であるか否かが判定され、S2において、中断された状態にあるか否かが判定され、S3において、上述の降車条件が成立したか否かが判定される。降車条件が成立した場合にはダウン要求があるとされて、S4において、降車後ダウン制御の開始処理が行われる。例えば、図3(b)に示すように、回路弁61,64が閉、回路弁62,63が開、コンプレッサ40が始動させられ、制御対象輪の車高制御弁26が開とされる。S5において、タイマがスタートされて、降車後ダウン制御が継続して行われる時間である継続制御時間Tsの計測が開始される。降車後ダウン制御において、前輪、後輪で分けて行われるのであり、左右前輪2FR,FLについての車高が低くされた後に、左右後輪2RR,RLについての車高が低くされる。
中断指令が出されることなく、終了条件が成立した場合には、S6の判定がYESとなり、S8において、終了処理が行われる。コンプレッサ40が停止させられ、回路弁61,64が閉、車高制御弁26が閉とされて、図1の状態に戻され、継続制御時間Tsの計測が終了させられる。それに対して、終了条件が成立する前に中断指令が出された場合には、S7の判定がYESとなり、S9において中断処理が行われる。上述の終了処理と同様に、図1に示す状態に戻されて、継続制御時間Tsの計測が終了させられる。
なお、中断指令が出された場合には,S2の判定がYESとなり、S10において再開指令が出されたか否かが判定されるが、再開指令が出されていない場合には、判定がNOとなり、中断状態において、S1,2,10が繰り返し実行される。そのうちに、再開指令が出された場合には、S10の判定がYESとなり、S11において再開処理が行われ、降車後ダウン制御が再開されて、継続制御時間Tsの計測が新たに開始される。
S21において、継続制御時間Tsが取得され、S22において、継続制御時間Tsが設定時間Tth以上になったか否かが判定される。継続制御時間Tdが設定時間Tthより短い場合には、S22の判定がNOとなる。以下、S21,22が繰り返し実行される。
そのうちに、継続制御時間Tsが設定時間Tthに達した場合には、S23において、中断指令が出力され、S24において、チャンバ圧センサ91によってチャンバ圧Pijがそれぞれ測定される。そして、S25において、チャンバ圧Pijの各々がそれぞれ設定圧Pthより低いか否かが判定される。4つのチャンバ圧Pijのうちの少なくとも1つが設定圧Pthより低い場合には、判定がYESとなり、S26において、床下強干渉状態にあると判定される。それに対して、すべてのチャンバ圧Pijが設定圧以上である場合には、S25の判定がNOとなり、S27において再開指令が出力される。この場合には、例えば、コンプレッサ40の出力低下等のエア給排装置24に起因して継続制御時間Tsが長くなったと考えられる。
S41において、強干渉時アップ制御中であるか否かが判定され、S42において、床下強干渉状態であると検出されたか否かが判定される。強干渉時アップ制御中でなく、床下強干渉状態であると検出されていない間、S41,42が繰り返し実行されるが、床下強干渉状態であると検出された場合には、S42の判定がYESとなり、強干渉時アップ制御が開始される。
S43,44において、4輪についての車高Hijが車高センサ93ijによってそれぞれ測定され、目標車高Hrefuと比較される(1回目の比較)。本実施例において、目標車高Hrefuは、降車後ダウン制御の開始時の車高以上で、かつ、4輪に対して同じ値に設定される。S45において、測定車高Hijが目標車高Hrefuに対して小さい(例えば、目標車高Hrefuから測定車高Hijを引いた値が設定値より大きい)車輪が制御対象輪として決定される。S46において、図3(a)に示すように、回路弁61〜64が開とされ、S47において、制御対象輪に対応する車高制御弁26が開とされる(1回目の車高アップ)。
S51において、S45において決定された制御対象輪に対応するすべての車高制御弁26が閉とされたか否か、すなわち、制御対象輪すべてについて終了条件が成立したか否かが判定される。制御対象輪のすべてについて終了条件が成立する前においては、S41,48〜51が繰り返し実行され、制御対象輪すべてについて終了条件が成立した場合にはS51の判定がYESとなる。
S52〜54において、4輪すべてについての車高Hijが測定されて、測定車高Hijの各々と目標車高Hrefuとが比較され(3回目の比較)、制御対象輪があるか否かが判定される。制御対象輪がある場合には、S54の判定がYESとなり、S47〜53が実行されるが、制御対象輪がない場合には、S54の判定がNOとなり、S55において、回路弁61〜64が閉とされるのであり、強干渉時アップ制御が終了させられる。
図7の時間t1において降車後ダウン制御が開始され、左右前輪2FR,FLについて車高が目標車高Hrefdに近づくまで低くされた後に、左右後輪2RR,RLについての車高が低くされるが、時間t2において、継続制御時間Tsが設定時間Tth以上になるため、左右後輪2RR,RLについての車高が目標車高Hrefdに近づく前に降車後ダウン制御が中断させられる。
図9,10に示すように、車両移動防止装置200が、右後輪2RRの前方かつ近傍に位置するため、左右前輪2FR,FLについての車高は、車体6がフラップ板206を押し下げつつ低くされる。そのため、車両移動防止装置200が位置しない場合に比較して、左右前輪2FR,FLについての車高が目標車高Hrefdに近づくまでに要する時間は長くなる。また、車両重量の一部が、車両移動防止装置200に、車体6の右後輪2RRの前方かつ近傍において支持されるため、支持されない場合に比較して、右後輪2RRについての車高が目標車高Hrefdに近づくまでに要する時間が長くなる。以上により、降車後ダウン制御についての終了条件が成立する前に、継続制御時間Tsが設定時間Tthに達し、中断されると考えられる。なお、左右後輪2RR,RLについての車高が低くされる場合に、右前輪2FRの車高が高くなるのは、車両移動防止装置200に、車両重量の一部が支持されていることに起因すると推測される。
このように、本実施例においては、車両重量の一部が車両移動防止装置200に支持されることにより少なくとも1輪のエアシリンダ8のチャンバ圧Pijが設定圧Pthより低くなった場合に、床下強干渉状態であると検出されるのであり、床下強干渉状態であることを正確に検出することができる。
なお、図7に示すグラフは一例であり、左右前輪2FR,FLについての車高ダウン制御中に継続制限時間Tsが設定時間Tth以上になり、少なくとも1輪についてのチャンバ圧が設定圧Pthより低くなる場合もある。
次に、再度、4輪各々についての車高Hijが測定され、目標車高Hrefuと比較される。本実施例においては、右前輪2FRについての車高HFRが、3輪に対するアップ制御に伴って低くされ、時間t4において、目標車高Hrefuに対して小さい状態にある。そのため、右前輪2FRが制御対象輪とされて、アップ制御が行われる。時間t5において、右前輪2FRについての車高HFRと目標車高Hrefuとの差の絶対値が設定値以下となって、終了条件が成立する。
また、時間t5において、4輪各々について測定車高Hijが求められて、目標車高Hrefuと比較されるが、4輪すべての車高がほぼ目標車高Hrefuであるため、制御対象輪がないとされ、強干渉時アップ制御が終了させられる。
それに対して、強干渉時アップ制御においては、床下強干渉状態であると検出された場合に、測定車高と目標車高との比較、車高アップが、制御対象輪がなくなるまで行われる。そのため、4輪についての車高がそれぞれ良好に目標車高に近づけられ、ほぼ同じ高さとされる。また、4つのエアシリンダ8のチャンバ圧もほぼ同じ大きさとなる。
その結果、床下6dの車高移動防止装置200との強干渉が良好に解消され、前後左右の4つの車輪2によって車両重量が良好に支持される状態とすることができる。車体6の傾きが抑制されて、見栄えを良くすることができる。また、フラップ板206が非作用位置に回動させられた場合における車体6の傾きを抑制し、フラップ板206の非作用位置への回動時に発する音を小さくすることができる。
また、降車後ダウン制御の継続制御時間Tsが設定時間Tth以上になった場合に、床下強干渉状態である可能性が高いとされて、降車後ダウン制御が中断される。そのため、降車後ダウン制御が継続して行われる場合に比較して、車両移動防止装置200に車両重量の一部が支持されることに起因する車体の傾きを抑制することもできる。
さらに、エア給排装置24、ダウン制御部、強干渉時アップ制御部、車高センサ93、乗降関連動作検出装置95等により車高制御部が構成される。
また、車高制御ECU80の強干渉時アップ制御プログラムのS43〜51を記憶する部分、実行する部分等により第1アップ制御部が構成され、S47〜54を記憶する部分、実行する部分等により第2アップ制御部が構成される。さらに、S44を記憶する部分、実行する部分等により車高比較部が構成され、S53を記憶する部分、実行する部分等により再車高比較部が構成される。
一方、降車後ダウン制御の開始後に、床下6dが剛体物に当接した場合には、車高の変化勾配が大きく変化する。そのため、特許文献1に記載の車高制御システムにおいて、床下干渉が検出されて、アップ制御が行われるため、車体の傾きを未然に防止することができる。しかし、物体が車両移動防止装置200であり、降車後ダウン制御開始当初から床下6dがフラップ板206に当接している場合には、車高の変化勾配の変化に基づいて床下干渉を検出することは困難である。
それに対して、本実施例に係る車高制御システムにおいては、床下6dと物体との当接初期(強干渉状態に達する前の状態をいう)において床下干渉が検出されなかった場合であっても、車両の重量の一部が物体に支持された場合に、床下強干渉状態であると検出することができる。そのため、車体の傾きを良好に抑制することができる。
また、継続制御時間が長くても、床下6dと物体との干渉に起因するとは限らず、前述のようにエア給排装置24に起因する場合もある。それに対して、本実施例においては、継続制御時間Tsが設定時間Tth以上となった後に、チャンバ圧Pijの各々が設定圧Pthより低いか否かが判定され、少なくとも1つのチャンバ圧が設定圧Pthより低い場合に床下強干渉状態であると判定される。そのため、床下強干渉状態であるか否かを良好に検出し、必要な場合に限って、アップ制御が行われるようにすることができる。
さらに、チャンバ圧センサ91は、エアシリンダ8毎に個別に設けることもできる。その場合には、チャンバ圧をより正確に測定することができる。
また、降車後ダウン制御が中断された後に、再開させることは不可欠ではない。
さらに、強干渉時アップ制御における目標車高Hrefuは、予め定められた設定車高としたり、車高制御システムで決まる最大車高としたりすること等ができる。また、目標車高Hrefuは、左右前輪と左右後輪とで同じ値としても、異なる値としてもよい。
(1)車両の複数の車輪の各々に対応してそれぞれ設けられ、それぞれの車輪保持部材と車体との間に設けられたチャンバを備えた複数の車高制御アクチュエータと、
それら複数の車高制御アクチュエータに接続され、前記複数のチャンバの各々において、圧力媒体を供給したり排出させたりする圧力媒体給排装置と、
その圧力媒体給排装置を制御することにより、前記複数のチャンバの各々から圧力媒体を流出させることにより前記車輪保持部材と前記車体との間の距離である車高を低くするダウン制御を行うダウン制御部を備えた車高制御部と
を含む車高制御システムであって、
前記複数の車高制御アクチュエータの各々のチャンバに収容された圧力媒体の圧力であるチャンバ圧をそれぞれ測定可能な1つ以上のチャンバ圧センサと、
前記車両の停止状態において、前記ダウン制御部によって前記複数の車輪のうちの少なくとも1つについての車高を低くするダウン制御が行われることにより、前記チャンバ圧センサによって測定された前記複数のチャンバ圧のうちの少なくとも1つが設定圧より低くなった場合に、前記車両が、前記車体の床下が物体に当接し、前記車両の重量の一部が前記物体に支持された状態である床下強干渉状態にあると検出する強干渉状態検出部と
を含むことを特徴とする車高制御システム。
物体とは、車両とは別の物体、換言すれば、車両の外部の物体であり、例えば、駐車場に設けられた車両移動防止装置、石等が該当する。
チャンバ圧センサは、複数の車高制御アクチュエータに共通に設けられたものであっても、個別に設けられたものであってもよい。
設定圧は、予め定められた固定値であっても、可変値であってもよい。例えば、車両の重量が4つの車輪によって支持される状態においては有り得ないほど小さい値、換言すれば、車両の重量が車両以外の物体によって支持されることにより、その車輪に加えられる荷重が小さくなったとみなし得る値に基づいて決めることができる。その際に、車両の停止状態において行われるダウン制御の目標車高、車輪の実際の車高を考慮して決めることもできる。いずれにしても、少なくとも1輪の車高制御アクチュエータのチャンバ圧が設定圧より低い場合には、車両の重量の一部が物体に支持されることにより、少なくとも1輪に加えられる荷重が小さくなったと検出することができる。
(2)前記強干渉状態検出部が、前記ダウン制御が継続的に行われた時間である継続制御時間が設定時間に達した場合に前記チャンバ圧センサによって測定された前記複数のチャンバ圧の各々が前記設定圧より低いか否かを判定するチャンバ圧評価部を含む(1)項に記載の車高制御システム。
設定時間は、車体の床下が物体に当接しない場合に4輪すべての車高が目標車高に近づくのに要する時間より長い時間とすることができる。したがって、ダウン制御が設定時間以上継続して行われた場合には、車体の床下が物体に当接した可能性が高いと考えることができる。
また、ダウン制御の継続制御時間が設定時間に達した場合に、ダウン制御が中断され、その後にチャンバ圧が測定されるようにしても、ダウン制御が中断されることなく(ダウン制御が継続して行われている間に)チャンバ圧が測定されるようにしてもよい。
なお、ダウン制御の開始からチャンバ圧が定期的に測定されるようにすることもできる。その場合には、ダウン制御の継続制御時間が設定時間以上であるか否かに関係なく、チャンバ圧が設定圧より低くなった場合に、床下強干渉状態であると検出することができる。
(3)前記車高制御部が、前記圧力媒体給排装置を制御することにより、前記複数のチャンバの各々に圧力媒体を供給して前記車高を高くするアップ制御を行うアップ制御部を含み、
前記アップ制御部が、前記強干渉状態検出部によって前記床下強干渉状態であると検出された場合に、前記複数の車輪についての車高を、それぞれ、目標車高に近づける強干渉時アップ制御部を含む(1)項または(2)項に記載の車高制御システム。
4輪の各々についての目標車高は互いに同じ値とすることができる。その場合には、強干渉時アップ制御により、複数の車輪についての車高がほぼ同じ高さとされ、複数の車高制御アクチュエータのチャンバ圧がほぼ同じとされる。それにより、複数の車輪によって車両重量が支持された状態とすることができる。
また、4輪の各々についての目標車高は、ダウン制御の開始時の車高以上の値とすることができる。強干渉時アップ制御により、ダウン制御開始時または開始直前の車高に戻されれば、床下強干渉状態が解消されたと推定することができる。
(4)前記車高制御部が、前記圧力媒体給排装置を制御することにより、前記複数のチャンバの各々に圧力媒体を供給して前記車高を高くするアップ制御を行うアップ制御部を含み、
前記アップ制御部が、前記強干渉状態検出部によって前記床下強干渉状態であると検出された場合に、前記複数の車輪についての車高を、前記ダウン制御の開始時の車高以上とする強干渉時アップ制御部を含む(1)項または(2)項に記載の車高制御システム。
(5)前記強干渉時アップ制御部が、前記複数の車輪についての車高を、同じ高さとする(3)項または(4)項に記載の車高制御システム。
(6)前記強干渉時アップ制御部が、前記設定圧より低い少なくとも1つのチャンバ圧のチャンバを含む1つ以上のチャンバに圧力媒体を供給する(3)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
(7)前記車高制御部が、前記複数の車輪の各々に対応して設けられ、各々の車輪についての前記車高を測定する複数の車高センサを含み、
前記強干渉時アップ制御部が、
前記複数の車高センサの各々の測定値である測定車高の各々と目標車高とを比較する車高比較部を含み、前記測定車高が前記目標車高に対して小さい場合に、その車輪を制御対象輪としてアップ制御を行う第1アップ制御部と、
その第1アップ制御部による前記アップ制御において終了条件が成立した後に、前記複数の車高センサの測定車高の各々と目標車高とを比較する再車高比較部を含み、前記測定車高が前記目標車高に対して小さい車輪を制御対象輪としてアップ制御を行う第2アップ制御部とを含む(3)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
強干渉時アップ制御において、アップ制御が1回以上行われるのであり、複数の車輪についての車高が、それぞれ、目標車輪に近づけられるまで行われる。
Claims (1)
- 車両の複数の車輪の各々に対応してそれぞれ設けられ、それぞれの車輪保持部材と車体との間に設けられたチャンバを備えた複数の車高制御アクチュエータと、
それら複数の車高制御アクチュエータに接続され、前記複数のチャンバの各々において、圧力媒体を供給したり排出させたりする圧力媒体給排装置と、
その圧力媒体給排装置を制御することにより、前記複数のチャンバの各々から圧力媒体を流出させることにより前記車輪保持部材と前記車体との間の距離である車高を低くするダウン制御を行うダウン制御部を備えた車高制御部と
を含む車高制御システムであって、
前記複数の車高制御アクチュエータの各々のチャンバに収容された圧力媒体の圧力であるチャンバ圧をそれぞれ測定可能な1つ以上のチャンバ圧センサと、
前記車両の停止状態において、前記ダウン制御部によって前記複数の車輪の少なくとも1つの車輪についての車高を低くするダウン制御が行われることにより、前記チャンバ圧センサによって測定された前記複数のチャンバ圧のうちの少なくとも1つが設定圧より低くなった場合に、前記車両が、前記車体の床下が物体に当接し、前記車両の重量の一部が前記物体に支持された状態である床下強干渉状態にあると検出する強干渉状態検出部と
を含むことを特徴とする車高制御システム。
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