JP6842370B2 - 車高制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、車輪についての車高を制御する車高制御システムに関するものである。
特許文献1に記載の車高制御システムにおいては、車高が目標車高に対して低い場合に、エアシリンダにエアが供給されることにより車高が高くされ、車高が目標車高に対して高い場合に、エアシリンダからエアが排出させられることにより車高が低くされる。
特許文献2に記載の車高制御システムにおいては、連続車高制御時間が設定時間(タイムアウト時間)を超えた場合に、車高制御が終了させられる。タイムアウト時間は、オーバーシュートに起因して制御ハンチングが生じていると推定される長さとされる。しかし、特許文献2には、タイムアウト時間を可変とすることは記載されていない。
特開平3−70615号公報 特開2006−248278号公報
本発明の課題は、タイムアウト時間を、車高制御のパターンに応じて適切な長さに設定することである。
課題を解決するための手段および効果
本発明に係る車高制御システムにおいては、タイムアウト時間が、車高制御のパターンに応じて可変とされる。
車高制御のパターンが変更された場合には、車高制御アクチュエータの作動速度が変わり、車高変化速度が変わる場合がある。車高変化速度が遅い場合は早い場合より、目標車高に達するまでに要する時間が長くなる。一方、車高変化速度が遅い場合と早い場合とでタイムアウト時間が同じである場合には、例えば、車体が物体と干渉したり、着氷したりして車高の変化が非常に困難である状態にあっても、車高制御が継続して行われたり、車高の変化が非常に困難である状態にないにもかかわらず、目標車高に達するまでにタイムアウト時間が経過して、車高制御が終了させられたりする等の問題がある。それに対して、本発明に係る車高制御システムにおいては、タイムアウト時間が、車高制御のパターン、換言すれば、車高制御アクチュエータの作動の制御のパターンに応じて適切な長さに設定される。そのため、車高の変化が非常に困難である状態において車高制御が継続して行われたり、車高の変化が非常に困難な状態にないにもかかわらず、途中で車高制御が終了させられたりすることを良好に回避することができる。
本発明の実施例1に係る車高制御システムを表す回路図である。 上記車高制御システムの車高制御ECUの周辺を表す概念図である。 上記車高制御システムにおいてアップ制御(パターンA)が行われる状態を表す図である。 上記アップ制御とは別のアップ制御(パターンB)が行われる状態を表す図である。 上記アップ制御とはさらに別のアップ制御(パターンC)が行われる状態を表す図である。 上記アップ制御とは別のアップ制御(パターンD)が行われる状態を表す図である。 上記車高制御システムにおいてダウン制御が行われる状態を表す図である。 上記車高制御ECUの記憶部に記憶されたアップ制御用のタイムアウト時間決定テーブルを表すマップである。 上記記憶部に記憶されたダウン制御用のタイムアウト時間決定テーブルを表すマップである。 上記記憶部に記憶された車高制御プログラムを表すフローチャートである。 上記記憶部に記憶された時間カウントプログラムを表すフローチャートである。 上記車高制御システムにおいて車高制御が行われた場合のタイムアウト時間等を表す図である。 上記車高制御とは別の車高制御が行われた場合のタイムアウト時間等を表す図である。 上記車高制御とはさらに別の車高制御が行われた場合のタイムアウト時間等を表す図である。 上記車高制御とは別の車高制御が行われた場合のタイムアウト時間等を表す図である。 本発明の実施例2に係る車高制御システムの記憶部に記憶された(a)アップ制御用のタイムアウト時間決定テーブルの一部を表すマップである。(b)アップ制御用のタイムアウト時間決定テーブルの残りの部分を表すマップである。 本発明の実施例3に係る車高制御システムの記憶部に記憶されたアップ制御用のタイムアウト時間決定テーブルを表すマップである。
発明の実施の形態
以下、本発明の一実施形態である車高制御システムについて図面に基づいて詳細に説明する。本車高制御システムにおいては、圧力媒体としてのエアが利用される。
本実施例に係る車高制御システムにおいては、図1に示すように、車両に設けられた前後左右の車輪の各々に対応して、車輪側部材(例えば、車輪を支持するサスペンションアーム等が該当する)と車体側部材との間に、図示しないサスペンションスプリングと、車高制御アクチュエータとしてのエアシリンダ2FL,FR,RL,RRと、ショックアブソーバ4FL,FR,RL,RRとが、互いに並列に設けられる。ショックアブソーバ4FL,FR,RL,RRは、それぞれ、車輪側部材に設けられたアブソーバ本体と、車体側部材に設けられたアブソーバピストンとを含む。
以下、本明細書において、エアシリンダ2、ショックアブソーバ4等について、車輪の位置で区別する必要がある場合には、車輪の位置を表す符号FL,FR,RL,RRを付して区別するが、車輪の位置で区別する必要がない場合、総称を表す場合等には車輪の位置を表す符号FL,FR,RL,RR等を省略して記載する。
エアシリンダ2は、それぞれ、車体側部材に設けられたシリンダ本体10と、シリンダ本体10に固定されたダイヤフラム12と、ダイヤフラム12およびショックアブソーバ2のアブソーバ本体に上下方向に相対移動不能に設けられたエアピストン14とを含み、これらの内部が圧力媒体室としてのエア室19とされる。エア室19におけるエアの給排によりエアピストン14がシリンダ本体10に対して上下方向に相対移動させられ、それにより、ショックアブソーバ4においてアブソーバ本体とアブソーバピストンとが上下方向に相対移動させられるのであり、車輪側部材と車体側部材との間の距離である車高が変化させられる。
エアシリンダ2のエア室19には、それぞれ、個別通路20および共通通路22を介して圧力媒体給排装置としてのエア給排装置24が接続される。個別通路20には、それぞれ、車高制御弁26が設けられる。車高制御弁26は常閉の電磁弁であり、ソレノイドのON・OFFにより開閉させられるものである。車高制御弁26は、開状態において、双方向のエアの流れを許容し、閉状態において、エア室19から共通通路22へのエアの流れを阻止するが、共通通路22の圧力がエア室19の圧力より設定圧以上高くなると共通通路22からエア室19へのエアの流れを許容するものである。
エア給排装置24は、コンプレッサ装置30、常閉の電磁弁である排気弁32、タンク34、切換え装置36、吸気弁44、リリーフ弁46等を含む。
コンプレッサ装置30は、コンプレッサ40と、コンプレッサ40を駆動する電動モータ42とを含み、コンプレッサ40が電動モータ42の駆動により作動させられる。コンプレッサ40の吐出圧が高くなると、リリーフ弁46を経てエアが大気へ放出される。
タンク34は、エアを加圧した状態で収容するものであり、収容されるエアの量が多くなると、その収容されたエアの圧力であるタンク圧が高くなる。
切換え装置36は、共通通路22、タンク34、コンプレッサ装置30の間に設けられ、これらの間のエアの流れる方向等を切り換えるものである。図1に示すように、共通通路22と、タンク34が接続されたタンク通路48とが、互いに並列に設けられた第1通路50と第2通路52とによって接続され、第1通路50に、直列に2つの回路弁61,62が設けられ、第2通路52に、直列に2つの回路弁63,64が設けられる。また、第3通路65によって、第1通路50の2つの回路弁61,62の間の部分と、コンプレッサ40の吸気側部40aとが接続され、第4通路66によって、コンプレッサ40の吐出側部40bと、第2通路52の2つの回路弁63,64の間の部分とが接続される。
回路弁61〜64は常閉の電磁弁であり、ソレノイドのON・OFFにより開状態と閉状態とに切り換えられるものである。ソレノイドに電流が供給されて、ONとされることにより開状態とされる。開状態において双方向のエアの流れを許容する。ソレノイドに電流が供給されず、OFFとされることにより閉状態とされる。閉状態(ソレノイドOFFの状態)において、一方の側から他方の側へのエアの流れを阻止するが、他方の側の圧力が一方の側の圧力より設定圧以上高くなると、他方の側から一方の側へのエアの流れを許容する。
回路弁61,63は、閉状態においてタンク34からのエアの流出を阻止するものであり、回路弁62は、閉状態において、共通通路22からのエアの流出を阻止するものであり、回路弁64は、閉状態において共通通路22へのエアの供給を阻止するものである。
第3通路65の接続部65sと大気との間には吸気弁44が設けられる。吸気弁44は、接続部65sのエアの圧力が大気圧以上の場合に閉、大気圧より低い場合に開とされる逆止弁である。コンプレッサ40の作動により接続部65sのエアの圧力が大気圧より低くなると、フィルタ43、吸気弁44を経て大気からエアが吸い込まれる。
第4通路66の接続部66sには排気弁32が接続される。排気弁32は常閉の電磁弁であり、開状態において、第4通路66から大気へのエアの排出が許容され、閉状態において、第4通路66から大気へのエアの排出が阻止されるが、第4通路66のエアの圧力が大気圧より設定圧以上低くなると大気から第4通路66へのエアの供給が許容される。
また、第4通路66の接続部66sより第2通路側の部分には、ドライヤ70と流れ抑制機構72とが直列に設けられる。流れ抑制機構72は、互いに並列に設けられた、差圧弁72vと絞り72sとを含む。差圧弁72vは、第2通路側からコンプレッサ側へのエアの流れを阻止し、コンプレッサ側の圧力が第2通路側の圧力より設定圧以上高くなると、コンプレッサ40から第2通路52へのエアの流れを許容する。
本実施例において、車高制御システムは、コンピュータを主体とする車高制御ECU80によって制御される。車高制御ECU80はCAN(Controller Area Network)82を介して他のECU等との間で通信可能とされている。車高制御ECU80は、図2に示すように、実行部80c、記憶部80m、入出力部80i、タイマ80t等を含み、入出力部80iには、車高切換えスイッチ88、タンク圧センサ90、シリンダ圧センサ91、車高センサ93、乗降関連動作検出装置95等が接続されるとともに、通信装置96、イグニッションスイッチ98、車速センサ99等がCAN82を介して接続される。また、電動モータ42が駆動回路100を介して接続されるとともに、排気弁32、車高制御弁26、回路弁61〜64が接続される。
車高切換えスイッチ88は、運転者によって操作されるものであり、車高をL(Low),N(Normal),H(High)のうちのいずれかへの変更を指示する場合に操作される。タンク圧センサ90は、タンク圧を検出するものであり、シリンダ圧センサ91は、共通通路22に設けられ、車高制御弁26の開において、その開にある車高制御弁26に対応する(車輪に対応する)シリンダ2のエア室19の圧力であるシリンダ圧を検出する。また、すべての車高制御弁26の閉状態において共通通路22のエアの圧力である通路圧を検出する。車高センサ93は、前後左右の各車輪に対応してそれぞれ設けられ、車体側部材の車輪側部材からの距離である車高を検出する。乗降関連動作検出装置95は、乗降に関連する動作の有無を検出するものであり、車両に設けられた複数のドアの各々に対応して設けられ、そのドアの開閉を検出するドア開閉センサ(カーテシランプセンサ)102、複数のドアの各々のロック、アンロックを検出するドアロックセンサ103等を含むものとすることができる。ドアの開閉、ドアロック、アンロックの動作の有無等に基づいて乗車、降車、発進の意図等が推定される。通信装置96は、予め定められた通信可能領域内において、運転者等が所持する携帯機104との間で通信を行うものであり、通信により、ドアのロック、アンロックが行われる場合もある。イグニッションスイッチ98は車両のメインスイッチである。車速センサ99は、車両の走行速度を検出するものである。
また、本実施例における車高制御システム等は、バッテリ110の電力により作動可能なものである。バッテリ110の電圧は電圧モニタ112によって検出されるが、電圧モニタ112は車高制御ECU80に接続される。
本実施例に係る車高制御システムにおいて、エア給排装置24、複数の車高制御弁26の制御により、複数のエアシリンダ2の作動がそれぞれ制御され、複数の車輪についての車高がそれぞれ制御される。エア給排装置24は、車高を高くする車高制御であるアップ制御が行われる場合には、図3〜図6に示すように、車高制御のパターンがパターンA〜Dの4つのうちの1つとされ、車高を低くする車高制御であるダウン制御が行われる場合には、図7に示すように、車高制御のパターンが予め決まったパターンとされる。
このように、車高制御のパターンは、エア給排装置24と制御のパターンと車高制御弁26の制御のパターンとで決まる。また、車高制御のパターンの変更により、エアシリンダ2の作動状態が変更されるため、車高制御のパターンは、エアシリンダ2の作動の制御のパターンと称することができる。
なお、図3〜6においては、前後左右の4つの車高制御弁26FL,FR,RL,RRが開とされた場合の状態を示し、図7においては、左右後輪の2つの車高制御弁26RL,RRが開とされた場合の状態を示す。
I.エア給排装置24の制御
(a)アップ制御
パターンAは、タンク圧が第1設定圧以上であり、かつ、車高を速やかに高くする必要性が高い(要求がある)場合に設定される。パターンAにおいて、図3に示すように、回路弁61〜64が開とされ、制御対象輪のエアシリンダ2にはタンク圧が大流量で供給される。例えば、乗員が降車すると推定された場合、人が乗車すると推定された場合には開始条件が成立したと判定されて、車高を乗降が容易な高さまで高くするアップ制御が行われるが、それらアップ制御においては、車高を速やかに高くする必要性が高いと判定される。
なお、第1設定圧は、アップ制御において、タンク圧が不足する可能性が高いか否かを判定し得る高さとすることができる。
パターンBは、タンク圧が第1設定圧以上であり、かつ、車高を速やかに高くする必要性が低い場合に設定される。パターンBにおいて、図4に示すように、回路弁61,62が閉、回路弁63,64が開とされ、制御対象輪のエアシリンダ2には、タンク圧がパターンAにおける場合より小さい流量で供給される。例えば、車高切換えスイッチ88が操作された場合に開始条件が成立したと判定されてアップ制御が行われる場合があるが、その場合には、車高を速やかに高くする必要性が低いと判定される。
パターンCは、タンク圧が第1設定圧より低く、第2設定圧以上である場合に設定される。パターンCにおいて、図5に示すように、コンプレッサ40が作動させられるとともに、回路弁62,63が閉、回路弁61,64が開とされる。制御対象輪のエアシリンダ2には、タンク圧がコンプレッサ40により加圧されて供給される。
なお、第2設定圧は、アップ制御において、これ以上、タンク圧を消費することが望ましいか否かを判定し得る高さとすることができる。
パターンDは、タンク圧が第2設定圧より低い場合に設定される。パターンDにおいて、図6に示すように、コンプレッサ40が作動させられるとともに、回路弁61〜63が閉、回路弁64が開とされる。制御対象輪のエアシリンダ2には、コンプレッサ40によって大気からエアが吸引されて、加圧されて供給される。
(b)ダウン制御
乗員が降車したことが推定された場合には開始条件が成立したと判定されて、ダウン制御が行われる。車高は、車両の見栄えを良くするための高さまで低くされる。また、車高切換えスイッチが操作された場合にも開始条件が成立したと判定されて、ダウン制御が行われる場合がある。ダウン制御において、図7に示すように、コンプレッサ40が作動させられ、回路弁61,64が閉、回路弁62,63が開とされる。制御対象輪のエアシリンダ2からエアが排出させられて、タンク34に供給される。
II.複数の車高制御弁26の制御
(a)アップ制御
前後左右の4輪についてアップ制御が開始された場合には、車高制御弁26の制御のパターンがパターン4,2,1の順に変更され、制御対象輪が4輪、2輪、1輪に変更されることが多い。
アップ制御の開始時にはパターン4が設定され、車高制御弁26FR,FL,RR,RLがすべて開とされる。4つのエアシリンダ2FR,FL,RR,RLにタンク圧が同時に供給されるが、左右後輪についての車高が目標車高に達した場合には、車高制御弁26RR,RLが閉とされ、左右後輪についての車高制御が終了させられる。左右後輪のエアシリンダ2のエア圧は左右前輪のエアシリンダ2のエア圧より低いため、左右後輪のエアシリンダ2に優先的にエアが供給され、左右後輪についての車高が先に目標車高に達するのである。次に、パターン2が設定され、制御対象輪が左右前輪とされる。左右前輪のエアシリンダ2FR,FLにエアが供給されるが、そのうちに、左右前輪のいずれか1輪(例えば、右前輪とする)についての車高が目標車高に達した場合には、車高制御弁26FRが閉とされ、右前輪についての車高制御が終了させられる。次に、パターン1が設定され、制御対象輪が1輪(例えば、左前輪)とされ、左前輪のエアシリンダ2FLにエアが供給され、アップ制御が行われる。
(b)ダウン制御
前後左右の4輪について車高を低くする場合には、パターンF,R,Sの順に設定され、制御対象輪が、左右前輪(2輪)、左右後輪(2輪)、1輪の順に変更されることが多い。
ダウン制御の開始時にパターンFが設定されて、車高制御弁26FR,FLが開とされ、左右前輪のエアシリンダ2FR,FLからエアが流出させられる。そして、左右前輪についての車高が目標車高に達した場合に、車高制御弁26FR,FLが閉とされ、左右前輪についての車高制御が終了させられる。次に、パターンRが設定されて、車高制御弁26RR,RLが開とされ、左右後輪についてダウン制御が行われる。そして、左右後輪のうちのいずれか一方(例えば、右後輪)についての車高が目標車高に達した場合には、車高制御弁26RRが閉とされ、右後輪についての車高制御が終了させられる。次に、パターンSが設定され、制御対象輪が左後輪とされ、ダウン制御が行われる。
左右前輪のエアシリンダ2FR,FLのエア圧は、左右後輪のエアシリンダ2RR,RLのエア圧より高いのが普通である。そのため、ダウン制御の開始時に、4つの車高制御弁26FR,FL,RR,RLを同時に開とした場合には、左右前輪のエアシリンダ2FR,FLから左右後輪のエアシリンダ2RR,RLにエアが流れ、左右後輪についての車高が高くなる。それを回避するために、左右前輪、左右後輪について別々にダウン制御が行われるのである。
III.タイムアウト時間
本実施例においては、車両の停止状態において車高制御が行われた場合には、タイムアウト時間が設定され、連続して車高制御が行われる時間である連続車高制御時間がタイムアウト時間に達すると、車高が目標車高に達していなくても、車高制御が強制的に終了させられる。例えば、車体が、上方または下方に存在する物体と干渉している状態、または、エアシリンダ2、ショックアブソーバ4の近傍において着氷している状態にある場合には、エアシリンダ2においてエアの給排が行われても、車高の変化が非常に困難となる。このように車高の変化が非常に困難である状態において、エアシリンダ2におけるエアの給排が継続して行われた場合には、その後、車高の変化が容易になった場合(例えば、車体と物体との干渉が解消された場合、または、氷が解けたり、氷が外れたりした場合)に、車高が急減に変化したり、車体が大きく傾いたりする。そこで、本実施例においては、連続車高制御時間がタイムアウト時間に達した場合には、車高制御が終了させられるようにしたのである。
しかし、車高制御のパターン(本実施例においては、エア給排装置24の制御のパターンと車高制御弁26の制御のパターンとの少なくとも一方)が異なる場合には、エアシリンダ2におけるエアの給排の流量が異なり、車高制御に要する時間が異なる。仮に、これらパターンが異なっても、タイムアウト時間が同じ時間に設定された場合には、車高の変化が非常に困難な状態にあってもタイムアウト時間が経過せず、エアの給排が続けられたり、車高の変化が非常に困難な状態になくても、制御対象輪についての車高が目標車高に達する前に、タイムアウト時間が経過し、車高制御が終了させられたりする。
そこで、本実施例においては、タイムアウト時間が、エア給排装置24の制御のパターンと車高制御弁26の制御のパターンとに基づいて決定されるのであり、車高制御のパターンに応じて適切な長さに設定されるようにした。
タイムアウト時間は、図8に表すアップ制御用のタイムアウト決定テーブル、図9に表すダウン制御用のタイムアウト決定テーブルに従って決定される。これらタイムアウト決定テーブルは、予め作成されて記憶部80mに記憶される。
図8のアップ制御用のタイムアウト決定テーブルにおいて、エア供給装置24の制御のパターン(パターンA〜D)および車高制御弁26の制御のパターン(パターン4,2,1)が決まると、タイムアウト時間が決定される。例えば、エア供給装置24がパターンCで制御され、車高制御弁26がパターン4で制御される場合(以下、この場合の車高制御のパターンをパターンC4とする。他のパターンについても同様とする)には、タイムアウト時間は時間TC4となる。
また、図9のタイムアウト決定テーブルにおいて、車高制御弁26の制御のパターン(パターンF,R,S)が決まると、タイムアウト時間が決定される。例えば、パターンFが設定された場合のタイムアウト時間は時間TFとなる。
図8において、パターン4が設定された場合のタイムアウト時間TA4,TB4,TC4,TD4は、アップ制御における車高制御量である目標制御量(目標車高からアップ制御開始時に車高センサ93によって検出された実際の車高である実車高を引いた値をいう)ΔHrefが予め定められた制御量である設定制御量ΔH0である場合に要する車高制御時間に基づいて決まる時間である。また、タイムアウト時間は、時間TA4,TB4,TC4,TD4の順に長くなる。パターンA,B,C,Dの順に、4輪のエアシリンダ2の各々に供給されるエアの平均流量が小さくなり、車高アップ速度が遅くなるからである。
エア給排装置24の制御のパターンが同じである場合には、パターン4,2,1の順にタイムアウト時間が長くなる。制御対象輪が4輪である場合のアップ制御において、パターン4,2,1の順に変更されるため、パターン4の次に設定されるパターン2のタイムアウト時間は、パターン4での制御時間も含む時間となり、パターン1のタイムアウト時間は、パターン4,2での制御時間を含む時間となるからである。
図9においても同様であり、タイムアウト時間TF,TRは、目標制御量ΔHrefが基準制御量ΔH0である場合に要する車高制御時間に基づいて決まる時間である。また、ダウン制御において、制御対象輪が4輪である場合には、パターンF,R,Sの順に変更されるため、時間TF,TB,TSの順に長くなる。さらに、タイムアウト時間TRからTFを引いた時間がタイムアウト時間TFより長い時間とされている(TR−TF>TF)。後輪の方が前輪よりダウン制御開始時のエアシリンダ2のエア圧が低いこと、後輪についてダウン制御が開始される場合には前輪についてダウン制御が開始される場合より、タンク圧が高くなっていること等に起因する。
連続車高制御時間は、タイマ(カウンタの一態様である)によってカウントされる。タイマは、車高制御の開始から、車高制御が連続して行われる時間である連続車高制御時間としてのトータル制御時間をカウントするカウンタとしてのトータルタイマと、左右後輪の少なくとも1輪について車高制御が連続して行われる時間である連続車高制御時間としての後輪制御時間をカウントするカウンタとしての後輪用タイマとが含まれる。左右前輪の少なくとも1輪について車高制御が連続して行われる時間である連続車高制御時間としての前輪制御時間は、トータル制御時間をカウントすれば足りる。
前述のように、アップ制御においては、4輪同時に車高制御が開始され、左右後輪についての車高がいずれも目標車高に達した後に、左右前輪について車高制御が行われ、左右前輪のいずれか一方についての車高が目標車高に達した後に、いずれか他方について(1輪)車高制御が行われる。そのため、車高制御のトータル制御時間は左右前輪のうちの少なくとも1輪についての連続車高制御時間を表すことになる。また、ダウン制御においては、左右前輪について車高制御が行われ、左右前輪についての車高がいずれも目標車高に達した後に、左右後輪について車高制御が行われ、左右後輪のいずれか一方について車高が目標車高に達した後に、他方について(1輪)車高制御が行われる。そのため、車高制御のトータル制御時間を計測すれば、左右前輪の少なくとも1輪についての連続車高制御時間を計測することができる。
本実施例における作動をフローチャートに基づいて説明する。
図10のフローチャートで表す車高制御プログラムは予め定められた設定時間毎に実行される。本実施例においては、前後左右の4輪について車高を高くする場合または車高を低くする場合について説明する。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、前後左右の4輪についての車高が車高センサ93によって検出され、S2において、タンク圧がタンク圧センサ90によって検出される。S3において、乗降関連動作検出装置95によって乗員の乗降に関連する動作の有無が検出され、S4において、車高制御中であるか否かが判定される。車高制御中でない場合には、S5において、中断フラグがOFFであり、かつ、開始条件が成立するか否かが判定される。中断フラグは後述するように、制御対象輪についての車高がすべて目標車高に達する前に、連続車高制御時間がタイムアウト時間以上になった場合にONとされるフラグである。
中断フラグがOFFであり、開始条件が成立しない間、S1〜5が繰り返し実行されるが、そのうちに、開始条件が成立した場合には、S5の判定がYESとなり、S6において、車高制御のパターンが決定される。S7において、決定されたパターンに応じて、図8,9に示すテーブルに従って、後輪タイムアウト時間Tor、トータルタイムアウト時間Toaが決定される。後輪タイムアウト時間Torとは、制御対象輪が左右後輪の少なくとも一輪を含む場合のタイムアウト時間である。そのため、制御対象輪が左右後輪を含まない場合には後輪タイムアウト時間が設定されることはない。トータルタイムアウト時間Toaとは、車高制御の開始からのタイムアウト時間である。後輪タイムアウト時間Torとトータルタイムアウト時間Toaとは同じ場合もある。また、S8において、設定されたパターンに応じてエア給排装置24、車高制御弁26が制御される。
次に、S1〜4が実行されるが、車高制御中であるため、S4の判定がYESとなり、S9において、終了条件が成立するか否か、中断フラグがONであるか否かが判定される。終了条件は、4輪すべてについての車高が目標車高に近づいた場合(例えば、実際の車高が目標車高と不感帯幅とで決まる範囲内に達した場合)に、成立したと判定される。S9の判定がNOである場合には、S10において、パターンの変更条件が成立したか否かが判定される。上述のように、タンク圧が低くなった場合、制御対象輪の少なくとも一部についての車高が目標車高に近づいた場合等に、パターン変更条件が成立したと判定される。パターンの変更には、エア給排装置24の制御のパターンの変更と車高制御弁26の制御のパターンの変更との少なくとも一方が含まれる。S10の判定がNOである場合には、パターンが変更されることなく、車高制御が継続して行われる。そのうち、パターン変更条件が成立した場合には、S10の判定がYESとなり、S11において、タンク圧、制御対象輪等に基づいて変更後のパターンが決定される。S12において、後輪タイムアウト時間Tor、トータルタイムアウト時間Toaが決定され、S13において、パターンの変更処理が行われる。変更されたパターンに従って、エア給排装置、車高制御弁が制御される。
以降、変更されたパターンにおいて、車高制御が継続して行われるのであるが、再び、パターン変更条件が成立すると、S10の判定がYESとなり、S11〜13において、パターンが変更される。
それに対して、終了条件が成立した場合、または、中断フラグがONにされた場合には、S9の判定がYESとなり、S14において、車高制御が終了させられる。回路弁61〜64が閉とされ、車高制御弁26が閉とされ、作動中のコンプレッサ40が停止させられる。
連続車高制御時間のカウントは、図11のフローチャートで表される連続車高制御時間カウントプログラムの実行により行われる。
S21において、車速センサ99によって検出された走行速度が走行しているとみなし得る設定速度以上であるか否かが判定される。車両が停止状態にあり、判定がNOである場合には、S22において、前後左右の4輪のうち、少なくとも1輪について車高制御中であるか否かが判定され、S23において、4輪すべてについて車高制御が終了した(目標車高に達した)か否かが判定される。前後左右の4輪のうちの少なくとも1輪について車高制御が行われている場合には、S24において、トータルタイマにより車高制御時間のトータル時間のカウントが行われ、4輪すべてについて車高制御が終了した場合には、S25において、トータルタイマによるカウント値が初期化される(0とされる)。また、前後左右の4輪のいずれの車高についても車高制御が行われていない場合、中断フラグがONである場合には、S22,23の判定はいずれもNOとなり、トータルタイマによる時間のカウントは行われない。カウント値は直前の値に保持される。
S26において、左右後輪のうちの少なくとも1輪について車高制御中であるか否か、S27において、左右後輪についての車高がいずれも目標車高に達し、車高制御が終了したか否かが判定される。左右後輪のうちの少なくとも1輪について車高制御が行われる場合には、S26の判定がYESとなり、S28において、後輪タイマにより車高制御時間がカウントされるが、左右後輪についての車高制御が終了した場合には、S27の判定がYESとなり、S29において、後輪タイマのカウント値が初期化される(0とされる)。
次に、S30において、トータルタイマによってカウントされたトータル制御時間、後輪タイマによってカウントされた後輪制御時間が、トータルタイムアウト時間、後輪タイムアウト時間以上になったか否かが判定される。判定がNOである場合には、S31が実行されることはないが、判定がYESである場合には、S31において中断フラグがONとされる。
それに対して、車両が停止状態から走行状態に切り換わった場合には、S21の判定がYESとなり、S32において、中断フラグがOFFとされ、トータルタイマ、後輪タイマのカウント値が初期化される(0とされる)。それにより、車高制御が許可される。
車両が走行した場合には、車体と物体との干渉、着氷状態が解消されたと推測されるため、車高制御が許可されるのである。
また、中断フラグがONである場合には、S9の判定がYESとなるため、車高制御が終了させられる。また、S23,27の判定はNOとなるため、トータルタイマ、後輪用タイマのカウント値は保持される。そのため、車両の停止状態において、タイムアウトされた車高制御が再開されることはない。
以下、図12〜15に基づいて、車高制御が行われる場合の車高の変化、トータルタイムアウト時間、後輪タイムアウト時間、トータルタイマ、後輪タイマのカウント値の変化について説明する。
図12に、アップ制御において、タンク圧の低下により、パターンA4からパターンC4,D4に変更された場合の一例を示す。
アップ制御開始時において、後輪タイムアウト時間Tor1,トータルタイムアウト時間Toa1は図8の時間TA4に決まる(Tor1=Toa1=TA4)。
時間T1が経過した時点で、タンク圧が第1設定圧より低くなった場合にはパターンAからパターンCに変更される。また、アップ制御開始時から、前輪車高がΔHF1高くなり、後輪車高がΔHR1高くなった場合(ΔHR1>ΔHF1)におけるトータルタイムアウト時間Toa2、後輪タイムアウト時間Tor2は、時間T1が経過した時点の実車高から目標車高に達するまでの車高制御量である残存車高制御量(ΔHref−ΔHR1)を目標車高制御量ΔHref(設定制御量ΔH0と同じとする)で割った値に、時間TC4を掛けることによって求められた時間に、経過時間T1を加えた値とされる。また、残存車高制御量は後輪についての車高変化量ΔHR1を用いて取得される。4輪同時制御が行われる場合の残存車高制御量を取得するためである。
Tor2=Toa2=T1+{TC4×(ΔHref−ΔHR1)/ΔHref}
アップ制御開始時から時間(T1+T2)が経過した時点でタンク圧が第2設定圧以下になった場合にはパターンCからパターンDに変更される。時間(T1+T2)が経過した時点の後輪についての車高変化量が(ΔHR1+ΔHR2)である場合には、トータルタイムアウト時間、後輪タイムアウト時間は、上述の場合と同様に、下式に示す通りとなる。
Tor3=Toa1=(T1+T2)+[TD4×{ΔHref−(HR1+ΔHR2)}/ΔHref]
そして、図12に示す場合においては、トータルタイマ、後輪タイマは車高制御開始時から連続して車高制御時間を計測する。また、トータル制御時間、後輪制御時間は、それぞれ、トータルタイムアウト時間、後輪タイムアウト時間より短いため、タイムアウトにより車高制御が中断させられることはない。
なお、図12において、カウント値C(Toai)、C(Tori)は、トータルタイムアウト時間Toai、後輪タイムアウト時間Toriに対応するカウント値を表す(i=1,2,3・・・)。図13〜15においても同様とする。
図13には、アップ制御において、車高の変化により、パターンA4,A2,A1の順に変更された場合の一例を示す。
アップ制御開始時において、後輪タイムアウト時間Tor4、トータルタイムアウト時間Toa4はタイムアウト時間TA4である(Tor4=Toa4=TA4)。
時間T4が経過して、後輪についての車高制御量が目標車高制御量ΔHrefに達した場合に、パターンA4からA2に変更される。後輪タイムアウト時間Tor5は0であり、トータルタイムアウト時間Toa5は、時間TA2である。
Tor5=0
Toa5=TA2
時間(T4+T5)が経過して、左右前輪のうちのいずれか一方(例えば、右前輪)についての車高制御量が目標車高制御量ΔHrefに達すると、パターンA2からA1に変更される。後輪タイムアウト時間Tor6は0であり、トータルタイムアウト時間Toa6は、時間TA1となる。
Tor6=0
Toa6=TA1
また、図13に示す場合において、トータルタイマ、後輪タイマのカウント値は、パターンA4が設定されている間増加させられるが、パターンA2が設定された場合に、後輪タイマのカウント値は初期化される。
図14には、ダウン制御が行われた場合において、パターンF,R,Sの順に変更された場合の一例を示す。ダウン制御開始時における後輪タイムアウト時間Tor7は0であり、トータルタイムアウト時間Toa7は時間TFである。
時間T7が経過して、左右前輪についての車高がいずれも目標車高に達した場合には、パターンFからRに変更される。後輪タイムアウト時間Tor8は、図9のタイムアウト時間TRから時間T7を引いた時間とされ、トータルタイムアウト時間Toa8は時間TRとされる。
Tor8=TR−T7
Toa8=TR
時間(T7+T8)が経過して、左右後輪のうちの1輪(例えば、右後輪)についての車高が目標車高に達すると、パターンRからSに変更される。後輪タイムアウト時間Tor9は、時間TSから経過時間T7を引いた時間であり、トータルアウトタイム時間Toa9は、時間TSとなる。
Tor9=TS−T7
Toa9=TS
また、図14に示す場合において、トータルタイマは、パターンF,R,Sが設定される間、時間をカウントするが、後輪タイマは、パターンR,Sが設定されている間、後輪制御時間をカウントする。
図15には、アップ制御が行われ、トータル制御時間がタイムアウト時間以上になって、アップ制御が中断された場合の一例を示す。
アップ制御の開始時にパターンA4が設定され、時間T10が経過し、左右後輪についての車高が目標車高に達した後、パターンA2に変更される。この場合のトータルタイムアウト時間Toa11は時間TA2である。左右前輪のエアシリンダ2にエアが供給されるが、例えば、着氷等に起因して、左右前輪についての車高の変化が非常に困難である場合には、時間(T10+T11)が経過した場合に、トータルタイマのカウント値が、トータルタイムアウト時間Toa11に対応するカウント値C(Toa11)に達する。それにより、中断フラグがONとされ、アップ制御が強制的に終了させられる。また、車両が停止状態にある間、トータルタイマのカウント値はその値(T10+T11≧TA2)に保持される。そのため、車両の停止中において、アップ制御が再開されることはない。
以上のように、本実施例においては、タイムアウト時間が、車高制御のパターン、換言すれば、エアシリンダ2の作動の制御のパターンに応じて適切な長さに設定される。そのため、車両の停止中に行われる車高制御において、車体の変化が非常に困難な状態となり、連続車高制御時間がタイムアウト時間に達した場合には、良好に車高制御を終了させることができる。その結果、車体と物体との干渉が解消されたり、氷が解けたりした場合に、車高が急激に変化したり、大きく傾いたりすることを良好に回避することができる。
また、車体の変化が非常に困難な状態でないにもかかわらず、車高制御の途中にタイムアウト時間に達して、車高制御が強制的に終了させられることを良好に回避することができる。
図10のフローチャートで表される車高制御プログラム、図11のフローチャートで表される連続車高制御時間カウントプログラムを記憶する部分、実行する部分等により車高制御部が構成される。そのうちの、S2,3,6,7,11,12を記憶する部分、実行する部分等によりタイムアウト時間決定部が構成される。
なお、タイムアウト時間決定テーブルは、図16に示すように、ゲインを表す2つのテーブルから構成されたものとすることができる。図16(a)のテーブルに示すように、パターンA,B,C,Dが設定された場合の、ゲインKA、KB、KC、KDは、この順に大きくなる値とされ、図16(b)のテーブルに示すように、パターン4,2,1が設定された場合のゲインK4、K2,K1は、この順に大きい値とされる。例えば、パターンC3が設定された場合のタイムアウト時間は、予め設定されて記憶された基準タイムアウト時間T0に、ゲインKCと、ゲインK2とを掛けた時間TC2とされる。
TC2≒T0×KC×K2
本実施例においては、図17に示すアップ制御用タイムアウト時間決定テーブルが記憶部80mに記憶されている。タイムアウト時間は、アップ制御開始時の制御対象輪の数とタンク圧とに基づいて決まる。実施例1におけるように、車高切換えスイッチ88が操作された場合、乗降関連動作が検出された場合等には、制御対象輪は前後左右の4輪とされるが、車両の停止状態において、2輪または1輪が段差や縁石に乗り上げた場合等には、制御対象輪は2輪または1輪とされる場合がある。
制御対象輪が4輪である場合のタイムアウト時間は、4輪すべてについての車高が目標車高に達するまでに要する時間に基づいて決まる時間であり、図8のタイムアウト時間決定テーブルのパターン1が設定された場合の時間(TA1,TB1,TC1,TD1)である。
制御対象輪が2輪である場合には、パターンYが設定される。パターンYが設定された場合のタイムアウト時間は、車体の変化が非常に困難ではない状態(例えば、車体と物体とが干渉していない状態、着氷していない状態をいう)において、2輪すべてについての車高が目標車高に達するまでの時間に基づいて決まる時間とすることができる。例えば、左右前輪が段差に乗り上げた場合には、アップ制御開始時のエアシリンダ2FR,FLのシリンダ圧が高く、エアシリンダ2FR,FLにエアが供給され難く、目標車高まで高くするのに要する時間は長くなる。この場合の車高制御に要する時間より長い時間を、パターンYが設定された場合のタイムアウト時間とすることができる。
制御対象輪が1輪である場合にはパターンZが設定される。パターンZが設定された場合のタイムアウト時間は、その1輪についての車高が目標車高に達するまでの時間に基づいて決まる時間であり、例えば、縁石に1輪が乗り上げた場合に行われるアップ制御に要する時間より長い時間とすることができる。
なお、車高制御システムの構造は上記実施例に限定されない。例えば、クローズドタイプの車高制御システムにおいても本発明を実施することができる。その場合には、アップ制御において、タンク圧が低下した場合には、パターンA,BからパターンDに変更される等、本発明は、上述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
2:エアシリンダ 19:チャンバ 24:エア給排装置 26:車高制御弁 30:コンプレッサ装置 34:タンク 40:コンプレッサ 80:車高制御ECU 90:タンク圧センサ 93:車高センサ 95:乗降関連動作検出装置 99:車速センサ 102:ドア開閉センサ 104:ドアロックセンサ
特許請求可能な発明
以下の各項に、特許請求可能な発明について説明する。
(1)連続して車高制御が行われる時間である連続車高制御時間がタイムアウト時間以上になった場合に、前記車高制御を中断する車高制御システムであって、
車両の複数の車輪に対応して設けられた複数の車高制御アクチュエータと、
それら複数の車高制御アクチュエータの各々の作動を制御することにより、前記複数の車輪の各々についての車高を制御する車高制御部と、
その車高制御部による前記複数の車高制御アクチュエータの各々の作動の制御のパターンに基づいて前記タイムアウト時間を決定するタイムアウト時間決定部と
を含むことを特徴とする車高制御システム。
「車高制御アクチュエータの作動の制御」には、車高制御アクチュエータが電動モータ等の駆動装置を含む場合における、その電動モータ等の制御が該当する。電動モータの回転速度等の制御により、車高制御アクチュエータの作動が制御され、車高変化速度等が制御される。車高制御アクチュエータが圧力媒体の給排により作動させられるものである場合には、その圧力媒体の給排の制御が該当する。圧力媒体の供給流量、排出流量等の制御により、車高制御アクチュエータの作動が制御され、車高変化速度等が制御される。
例えば、車高制御アクチュエータの作動の制御のパターンが、車高変化速度が早いパターンである場合には、車高変化速度が遅いパターンである場合に比較して、タイムアウト時間は短い時間に決定することができる。
(2)当該車高制御システムが、
圧力媒体を蓄えるタンクと、コンプレッサとを備え、前記複数の車高制御アクチュエータに圧力媒体を供給したり、前記複数の車高制御アクチュエータから圧力媒体を排出させたりする圧力媒体給排装置と、
その圧力媒体給排装置と前記複数の車高制御アクチュエータの各々との間にそれぞれ設けられた複数の電磁弁である車高制御弁と
を含み、
前記車高制御部が、前記圧力媒体給排装置と前記複数の車高制御弁の各々とを制御することにより、前記複数の車高制御アクチュエータの各々の作動をそれぞれ制御するものであり、
前記タイムアウト時間決定部が、前記車高制御部の前記圧力媒体給排装置の制御のパターンと前記複数の車高制御弁の制御のパターンとの少なくとも一方に基づいて、前記タイムアウト時間を決定するものである(1)項に記載の車高制御システム。
圧力媒体給排装置の制御により、圧力媒体の給排、給排の流量等が制御され、複数の車高制御弁の制御により、圧力媒体給排装置に連通させられる車高制御アクチュエータの数等が制御される。
(3)前記車高制御部が、前記車両の停止状態において前記車高制御が行われた場合において、前記連続車高制御時間が前記タイムアウト時間に達した場合に、その車高制御を中断し、前記車両が走行を開始した場合に、前記中断を解除するものである(1)項または(2)項に記載の車高制御システム。
(4)前記車高制御部が、前記連続車高制御時間をカウントする時間カウンタと、前記連続車高制御時間が前記タイムアウト時間に達した場合に、前記時間カウンタによりカウントされたカウント値を保持し、前記車両が走行を開始した場合に、前記カウント値を初期化するカウンタ制御部とを含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
カウント値が保持された状態において、中断された車高制御が再開されることはない。カウント値が初期化された場合には、中断された車高制御の再開が許可される。
(5)当該車高制御システムが、前記車高制御部による前記複数の前記車高制御アクチュエータの作動の制御についての複数の互いに異なるパターンと、前記車高制御部による車高制御量が予め定められた制御量である設定制御量である場合における、前記複数の互いに異なるパターンの各々に対応して決まるタイムアウト時間とを記憶する記憶部を含み、
前記タイムアウト時間決定部が、前記車高制御が開始されてから前記複数の車輪のすべてについての車高が目標車高に達するまでの間に、前記車高制御部により前記パターンが変更された場合に、前記記憶部に記憶された、前記変更されたパターンである変更パターンで決まる前記タイムアウト時間を、前記パターンが変更された時点における残存車高制御量と前記基準制御量とに基づいて補正して、前記変更パターンで前記車高制御が行われる場合のタイムアウト時間を決定するものである(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
記憶部に、互いに異なる複数のパターンと、複数のパターンの各々に1対1に対応して決まるタイムアウト時間とが記憶されている。記憶部に記憶された情報とパターンとが決まると、タイムアウト時間も決まる。また、タイムアウト時間は、車高制御量が設定制御量であるとして決定された時間である。そのため、実際のタイムアウト時間は、設定制御量に対する残存車高制御量の比率(残存車高制御量/設定制御量)に、記憶部に記憶された変更パターンに対応するタイムアウト時間を掛けた時間に基づいて決めることが望ましい。

Claims (2)

  1. 連続して車高制御が行われる時間である連続車高制御時間がタイムアウト時間以上になった場合に、前記車高制御を中断する車高制御システムであって、
    車両の複数の車輪に対応して設けられた複数の車高制御アクチュエータと、
    圧力媒体を蓄えるタンクと、コンプレッサとを備え、前記複数の車高制御アクチュエータに圧力媒体を供給したり、前記複数の車高制御アクチュエータから圧力媒体を排出させたりする圧力媒体給排装置と、
    前記圧力媒体給排装置と前記複数の車高制御アクチュエータの各々との間に設けられた複数の電磁弁である車高制御弁と、
    前記圧力媒体給排装置と前記複数の車高制御弁の各々とを制御して前記複数の車高制御アクチュエータの各々に前記圧力媒体を供給したり、前記複数の車高制御アクチュエータの各々から前記圧力媒体を排出させたりすることにより、前記複数の車輪の各々についての車高を制御する車高制御部と、
    その車高制御部の前記圧力媒体給排装置の制御のパターンと前記複数の車高制御弁の各々の制御のパターンとに基づいて決まる前記複数の車高制御アクチュエータの各々における前記圧力媒体の給排流量が大きい場合は小さい場合より前記タイムアウト時間を短い時間に決定するタイムアウト時間決定部と
    を含むことを特徴とする車高制御システム。
  2. 当該車高制御システムが、前記車高制御部の前記圧力媒体給排装置の制御のパターンと前記複数の車高制御弁の各々の制御のパターンとで決まる複数の互いに異なる車高制御のパターンと、前記車高制御部による車高制御量が予め定められた制御量である設定制御量である場合における、前記複数の互いに異なる前記車高制御のパターンの各々に対応して決まるタイムアウト時間とを記憶する記憶部と、
    前記車高制御部が、前記車高制御が開始されてから前記複数の車輪の各々のうち前記車高制御のパターンで決まる1つ以上の車輪についての車高が目標車高に達するまでの間に、前記車高制御のパターンで決まる1つ以上の車輪のうちの少なくとも1輪についての車高が目標車高に達したことと前記タンクに蓄えられた前記圧力媒体の圧力が変化したこととの少なくとも一方を含むパターン変更条件が成立した場合に、前記車高制御のパターンを変更する部分を含み、
    前記タイムアウト時間決定部が、さらに、前記車高制御部により前記車高制御のパターンが変更された場合に、前記記憶部に記憶された、前記変更された前記車高制御のパターンである変更パターンで決まる前記タイムアウト時間を、前記車高制御のパターンが変更された時点における残存車高制御量と前記設定制御量とに基づいて補正して、前記変更パターンで前記車高制御が行われる場合のタイムアウト時間を決定する部分を含む請求項1に記載の車高制御システム。
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