JP2006242336A - 建設機械の油圧制御装置 - Google Patents

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小平 龍
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浩 松崎
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Abstract

【課題】 従来の油圧制御装置における油圧シリンダの停止性能とほぼ同等の停止性能を維持しつつ、起動、等速のシステム効率を向上させること。
【解決手段】 流量制御弁のスプールが位置する領域に応じて、スプールを中立位置に戻すために流量制御弁のパイロット圧室から排出されるパイロット用の油の排出流量を可変制御するスプール戻り制御手段を設け、このスプール戻り制御手段は、スプールが中立位置に戻る手前の所定位置から中立位置までの間の所定領域においては、スプールが位置する他の領域よりも、パイロット圧室から排出されるパイロット用の油の排出流量を低減させる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、油圧ショベル等の建設機械の油圧制御装置に係り、特に、油圧アクチュエータが負荷に対して仕事をしている状態から油圧アクチュエータを停止させる際の操作性を損なわないで、油圧回路の効率向上を図るようにした技術に関するものである。
図11は、建設機械に多用されている従来の油圧制御装置の要部構成を示す油圧回路図である。図1において、1はメイン油圧ポンプ、2は、メイン油圧1から吐出される圧油により駆動される油圧アクチュエータである油圧シリンダ、3は油圧シリンダ2で駆動される負荷、4は、油圧シリンダ2に供給する圧油の流れ(流量および供給方向)を制御する流量制御弁、5はパイロット用の油圧ポンプ、6は、その操作量に応じたパイロット圧を流量制御弁4に対して出力して、流量制御弁4を制御する操作レバー装置、7はタンクである。
操作レバー装置6は、操作レバー6cと、1対の減圧弁6a,6bとを有し、操作者が操作レバー6cを図示で右または左に操作することで、その操作方向と操作量に応じて、減圧弁6aまたは6bによって油圧ポンプ5からのパイロット圧油が減圧されて、パイロット圧PiaまたはPibが流量制御弁4のパイロット圧室4aまたは5aに導入される。これにより、流量制御弁4のスプールが図示で右または左に移動して、メイン油圧ポンプ1からの圧油が、操作レバー6cの操作方向と操作量に応じて、流量制御弁4から油圧シリンダ2に送り込まれて、油圧シリンダ2が負荷3を移動させる。公知のように、操作者が操作レバー6cを操作する角度に応じて、パイロット圧PiaまたはPibが変わって、流量制御弁4のスプールの移動量が変わり、それによって、メイン油圧ポンプ1が油圧シリンダ2に送り込む圧油の流量も変わって、油圧シリンダ2の動作速度が制御できるようになっている。
このような構成をとる建設機械の油圧制御装置は、普く公知である(たとえば、特許文献1参照)
次に、上記の流量制御弁4によるシリンダ速度制御のメカニズムについて、図12を用いて説明する。図12は、流量制御弁4の内部構造を簡略化しかつ一部を割愛して示す図であり、同図は操作レバー6cが右方向に傾動操作された状態を示している。
図12において、4cはスプール、4dはハウジング、4eはパイロット圧室4a内に配設されたバネ、4fはパイロット圧室4b内に配設されたバネ、4gはパイロット圧室4aのポート、4hはパイロット圧室4bのポートである。いま、一方の減圧弁6aから出力されたパイロット圧油がPiaのパイロット圧で、ポート4gからパイロット圧室4a内に流入すると、スプール4cが右方向に移動し、このスプール4aの移動に伴いパイロット圧Piaに抵抗するバネ力(バネ4fのバネ力)が増加する。そして、バネ力とパイロット圧Piaとがバランスした時点でスプール4cが停止し、メイン油圧ポンプ1からの圧油は、図12中で矢印で示すように、スプール4cとハウジング4dの間に形成された開口4iを通って、ハウジング4dのアクチュエータポートから油圧シリンダ2へと送り込まれる。スプール4cの移動位置により、開口4iなどの面積が調整可能となっており、この可変の開口面積が通常開口絞りと呼ばれている。
流量制御弁4のスプール4cが、図12で右方向に移動するときには、流量制御弁4の内部の流路は、図13に示すような3つの可変絞りで表現できる。図13において、メイン油圧ポンプ1から油圧シリンダ2へ流す流量を調整する可変絞りはメータイン絞り101と称され、油圧シリンダ2からタンク7に流出する流量を調整する可変絞りはメータアウト絞り102と称され、メイン油圧ポンプ1から吐出された流量の一部をタンク7に分流する可変絞りはセンターバイパス絞り103と称される。
上記の可変絞りの開口面積が大きければ油が流れやすく、開口面積が小さければ油が流れにくいため、スプール4cの移動位置に応じて開口面積を変化させることで、メイン油圧ポンプ1から油圧シリンダ2へ流す流量を可変制御できる。図14は、各可変絞りの開口面積とスプール4cの移動量(スプール変位)との関係を示す図であり、Ainがメータイン絞り101の開口面積を、Aoutがメータアウト絞り102の開口面積を、Acnがセンターバイパス絞り103の開口面積である。図14に示すように、スプール4cの移動量が少ないときは、メータイン絞り101の開口面積Ainが小さく、センターバイパス絞り103の開口面積Acnが大きいため、メイン油圧ポンプ1からの吐出流量の大部分がタンク7に流れ、油圧シリンダ2は低速で動く。スプール4cの移動量が大きくなると、センターバイパス絞り103の開口面積Acnが小さくなり、メータイン絞り101の開口面積Ainが大きくなるため、油圧シリンダ2へ流す圧油の流量が多くなって、油圧シリンダ2は高速で動く。
逆に、動いている(負荷3に対して仕事をしている)油圧シリンダ2を停止させようとする場合に、流量制御弁4が開いている状態からこれを閉めるように操作すると、メータアウト絞り102の開口面積Aoutが徐々に小さくなるので、油圧シリンダ2からタンク7に戻る流量が絞られて、たとえばシリンダロッド側の圧力Prが立って、ピストンにブレーキ力が掛かって、これにより、油圧シリンダ2が減速、停止される。
ところで、建設機械のシリンダ負荷は慣性が大きいため、油圧シリンダ2を短時間で停止させるのは容易でない。そこで、油圧シリンダ2を、如何に早く、しかも振動が少ないようにして止められる(中立位置に戻せる)ということは、建設機械を評価する上での重要なファクターの1つとなっている。このような観点から、スプール4cの変位に対応して変化するメータアウト絞り102の開口面積Aoutの開口面積変化特性線における、特性切替点である図14に示す折点S(開口面積変化特性線における、スプール変位零位置(中立位置)からスプール変位フル位置の中間位置に設定される特性切替点である折点S)は、油圧シリンダ2の停止性に影響する重要なパラメータとなる。以下、メータアウト絞り102の開口面積変化特性線における折点Sの停止性への影響についてを、図15、図16を用いて説明する。
図15は、2種類のメータアウト絞り102の開口面積変化特性線L1(点線),L2(実線)を示しており、開口面積変化特性線L1の折点(特性切替点)がS1であり、開口面積変化特性線L2の折点(特性切替点)がS2である。図16は、操作レバー装置6のレバー操作とこれに関連する各ファクターとの関係を示す図である。図16の(a)は、停止操作時における操作レバー6cの操作量を時間軸に沿って示しており、操作レバー6cが最初にフル操作の位置にあって、T0の時点から操作レバー6cが中立位置に戻る方向(流量制御弁4を閉めてスプール4cを中立位置に戻す方向)に動かされ、Tsの時点で操作レバー6cが中立位置に戻される。図16の(b)は、図15のL1,L2に対応する流量制御弁4のメータアウト絞り102の開口面積変化特性L1’(点線),L2’(実線)を時間軸に沿って示しており、L1’,L2’上において、S1’,S2’は前記折点S1,S2に対応する折点である。図16の(c)は、開口面積変化特性L1’である場合の油圧シリンダ2のシリンダロッド側の圧力Prの圧力変化(点線)と、開口面積変化特性L2’である場合の油圧シリンダ2のシリンダロッド側の圧力Prの圧力変化(実線)とを、それぞれ時間軸に沿って示している。図16の(d)は、開口面積変化特性L1’である場合の油圧シリンダ2のピストンの速度変化(点線)と、開口面積変化特性L2’である場合の油圧シリンダ2のピストンの速度変化(実線)とを、それぞれ時間軸に沿って示している。
図16に示したように、T0の時点から操作レバー6cが中立位置に戻る方向に操作されると、メータアウト絞り102の開口面積変化特性がL1’である場合には、操作レバー6cが戻し操作された初期にはメータアウト絞り102の開口面積の変化がなく、操作レバー6cがある程度戻し操作された時点から、折点S1’に対応する時点まで急速にメータアウト絞り102の開口面積が小さくなる、つまり、操作レバー6cの戻し操作の終期においてメータアウト絞り102の開口が小さくなる。そのため、停止操作の初期にはメータアウト絞り102の抵抗が少なく、ブレーキ圧力であるシリンダロッド側の圧力Prが立たず、ピストンの減速が遅れることになる。また、操作レバー6cが中立位置に戻る時点Ts(流量制御弁4のスプール4cが中立位置に戻る時点(流量制御弁4が閉じられる時点)Ts)の手前からシリンダロッド側の圧力Prが急速に立ち上がるが、シリンダ負荷の慣性が大きいため、流量制御弁4が閉じられてもピストンが止められないことになる。このため、時点Ts以後にもシリンダロード側の油が圧縮されてシリンダロッド側の圧力Prが上昇し、圧力Prによって発生した押圧力がピストンの反対側の押圧力より大きくなったときに、ピストンの運動方向が反転する。このピストンの反転運動により、油圧シリンダ2のボトム側の油が圧縮されてボトム側の圧力Pbが上昇し、圧力Pbによる押圧力がピストンの反対側の押圧力より大きくなったときに、再びピストンの運動方向が反転する。このような繰り返しによって、油圧シリンダ2が大きく振動することになる。つまり、メータアウト絞り102の開口面積変化特性線L1(開口面積変化特性L1’)を用いると、停止性が悪くなる。
これに対し、メータアウト絞り102の開口面積変化特性がL2’である場合には、操作レバー6cが戻し操作されると、戻し操作された初期から折点S2’に対応する時点まで急速にメータアウト絞り102の開口面積が小さくなり、折点S2’に対応する時点から操作レバー6cが中立位置に戻される時点Tsまでは、徐々に(小さな変化率で)メータアウト絞り102の開口面積が小さくなる。そのため、シリンダロッド側の圧力Prが、戻し操作の開始の時点T0の直後からすぐに立ち上がって、ピストンを直ちに減速させ、時点Tsではピストンの速度がほぼ0となり、操作レバー6cが中立位置に戻った時点(流量制御弁4が閉じられた時点)Ts以後におけるシリンダ負荷の慣性エネルギーも殆どなくなって、油圧シリンダ2に実用的に問題となる振動を生じさせることなく、停止させることができる。つまり、メータアウト絞り102の開口面積変化特性線L2(開口面積変化特性L2’)を用いると、停止性に優れたものとなる。
このように、メータアウト絞り102の開口面積変化特性線における、特性切替点である折点Sは、油圧シリンダ2の停止性に影響する重要なパラメータである。
特開平6−117418号公報
上記したメータアウト絞り102は、油圧シリンダ2のピストンの暴走を防止するためや、ピストンの減速の制御などに必要なものであり、油圧ショベル等の建設機械の流量制御弁には、具備されることが一般的である。しかしながら、ある流量制御弁4を制御する操作レバー装置6は1つしかないので、流量制御弁4のメータイン絞り101、メータアウト絞り102、センターバイパス絞り103それぞれの開口面積は、操作レバー装置6の操作レバー6cの操作目的(つまり、起動操作、等速操作、停止操作など)と関係なく、操作レバー6cの位置のみで一義的に定まってしまい、起動、等速の際にメータアウト絞り102が油圧制御装置のシステム効率を低下させているという指摘がある。つまりたとえば、スプール4cが図14でXaに示す位置に置かれた状態で、油圧シリンダ2のピストンが等速に移動している場合には、メータアウト絞り102が特に必要ではないにも拘わらず、メイン油圧ポンプ1は、メータアウト絞り102の抵抗を克服するため、無駄なパワーを使わなければならず、そのためシステム効率が低くなる。
このため、メータアウト絞り102の開口面積変化特性線として、起動、等速の際のシステム効率を重視して、たとえば図15における開口面積変化特性線L1を用いると、今度は先にも述べたように、停止性能が大きく損なわれる。つまり、メータアウト絞り102の開口面積変化特性線は、停止性能を優先すると、起動、等速のシステム効率が損なわれ、起動、等速のシステム効率を優先すると、停止性能が損なわれ、停止性能とシステム効率とはトレードオフの関係にある。したがって、従来は、油圧シリンダ2が大きく振動するという障害の抑制が、システム効率の向上よりも優先することから、メータアウト絞り102の開口面積変化特性線として、停止性能を優先させた図15における開口面積変化特性線L2を用いることを余儀なくされていた。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、従来の油圧制御装置における油圧シリンダの停止性能とほぼ同等の停止性能を維持しつつ、起動、等速のシステム効率を向上させることにある。
本発明は上記した目的を達成するため、油圧ポンプから吐出される圧油により駆動される油圧アクチュエータと、この油圧アクチュエータに供給する圧油の流量および供給方向を制御する流量制御弁と、その操作量に応じたパイロット圧を前記流量制御弁に対して出力して前記流量制御弁を制御する操作レバー装置とを備え、前記流量制御弁は、前記油圧アクチュエータからタンクに戻される圧油の流量を制御するメータアウト絞りを有する建設機械の油圧制御装置において、
前記流量制御弁のスプールが位置する領域に応じて、前記スプールを中立位置に戻すために前記流量制御弁のパイロット圧室から排出されるパイロット用の油の排出流量を可変制御するスプール戻り制御手段を設け、このスプール戻り制御手段は、前記スプールが中立位置に戻る手前の所定位置から中立位置までの間の所定領域においては、前記スプールが位置する他の領域よりも、前記パイロット圧室から排出されるパイロット用の油の排出流量を低減させるように、構成される。
また、前記スプール戻り制御手段は、前記操作レバー装置が中立位置に戻されるように操作された際の、前記流量制御弁のスプールの位置を感知して、前記スプールが中立位置に戻る手前の所定位置から中立位置までの所定領域である第1領域D1と、スプールのフル変位位置から上記の所定位置までの領域(スプールの戻りで見て第1領域D1以前の領域)である第2領域D2とで、前記スプールを中立位置に戻すために前記流量制御弁の前記パイロット圧室から排出されるパイロット用の油の排出流量を可変制御し、前記第1領域D1での前記スプールの中立位置への戻り速度を、前記第2領域D2のそれよりも遅く制御するように、構成される。
また、前記スプールの変位に対応して変化する前記メータアウト絞りの開口面積の開口面積変化特性線を、前記操作レバー装置による起動操作、等速操作の際における前記メータアウト絞りによる損失が少ない特性に設定し、前記メータアウト絞りの前記開口面積変化特性線における、スプール変位零位置(中立位置)からスプール変位フル位置の中間位置に設定される特性切替点である折点に対応する前記スプールの位置を、前記第1領域D1と前記第2領域D2との境界とするように、構成される。
本発明によれば、メータアウト絞りの開口面積変化特性線を、操作レバー装置による起動操作、等速操作の際におけるメータアウト絞りによる損失が少ない特性に設定しても、つまり、ピストンの減速が遅れ、流量制御弁が閉じられてもピストンが止められない、前記したように開口面積変化特性線L1としても、スプールが中立位置に戻る手前の所定位置から中立位置までの間の所定領域(第1領域D1)においては、スプールが位置する他の領域(たとえば、スプールの戻りで見て第1領域D1の以前の領域である第2領域D2)よりも、前記パイロット圧室から排出されるパイロット用の油の排出流量を低減させるので、第1領域D1ではスプールのスローリターン機能が発現されて、これにより、メータアウト絞りの絞り時間が延長されることで、油圧シリンダが実質的に振動することなく停止することが保証されて、停止性能が改善される。また、メータアウト絞りの開口面積変化特性線を起動、等速のシステム効率を優先した特性とできることから、起動、等速のシステム効率にも優れたものとすることができる。よって、停止性能を維持しつつ、起動、等速のシステム効率を向上させることが可能となる。また、操作者が誤って無理な急停止操作を行った場合でも、スプールが急には中立位置には戻されないので、事故、故障の防止にも有効なものとなる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1、図2は、本発明の第1実施形態による建設機械の油圧制御装置に係り、図1は、本第1実施形態の油圧制御装置の要部構成を示す油圧回路図である。
図1において、1はメイン油圧ポンプ、2は、メイン油圧1から吐出される圧油により駆動される油圧アクチュエータである油圧シリンダ、3は油圧シリンダ2で駆動される負荷、4は、油圧シリンダ2に供給する圧油の流れ(流量および供給方向)を制御する流量制御弁、4a,4bはパイロット圧(パイロット圧油)が導入される流量制御弁のパイロット圧室、5はパイロット用の油圧ポンプ、6は、その操作量に応じたパイロット圧を流量制御弁4に対して出力して、流量制御弁4を制御する操作レバー装置、6cは操作レバー、6a,6bは1対の減圧弁、7はタンク、8Aは、パイロット室4aへのパイロット圧油の流入を許可するチェック弁、9Aは、チェック弁8Aと並列に接続された絞り(オリフェス絞り)、8Bは、パイロット室4bへのパイロット圧油の流入を許可するチェック弁、9Bは、チェック弁8Bと並列に接続された絞り(オリフェス絞り)である。
並列接続して配置されたチェック弁8Aおよび絞り9Aは、減圧弁6aとパイロット圧室4aとの間の管路に設けられ、並列接続して配置されたチェック弁8Bおよび絞り9Bは、減圧弁6bとパイロット圧室4bとの間の管路に設けられている。また、パイロット圧室4aの所定位置には、減圧弁6aと絞り9Aとの間の管路に連通するポートが設けられており、パイロット圧室4bの所定位置には、減圧弁6bと絞り9Bとの間の管路に連通するポートが設けられている(この2つのポートについては、図2を用いて後述する)。
本第1実施形態を含め本発明の各実施形態での流量制御弁4は、図13に示し前記したように、メータイン絞り、メータアウト絞り、センターバイパス絞りをもつものとなっている。そして、本発明の各実施形態での流量制御弁4のメータアウト絞りの開口面積変化特性線は、操作レバー装置6による起動操作、等速操作の際におけるメータアウト絞りによる損失が少ない特性線である、図15の開口面積変化特性線L1を用いるようになっており、メータアウト絞りはこのような絞り開口特性をもつように加工されている。
操作レバー装置6の操作レバー6cが中立位置にある状態から、操作者が操作レバー6cを図示で右または左に操作することで、その操作方向と操作量に応じて、減圧弁6aまたは6bによって油圧ポンプ5からのパイロット圧油が減圧されて、パイロット圧PiaまたはPibが流量制御弁4のパイロット圧室4aまたは5aに導入される。これにより、流量制御弁4のスプールが図示で右または左に移動して、メイン油圧ポンプ1からの圧油が、操作レバー6cの操作方向と操作量に応じて、流量制御弁4から油圧シリンダ2に送り込まれて、油圧シリンダ2が負荷3を移動させる。また、負荷に対して仕事をしている油圧シリンダ2を止めるときには、操作者が操作レバー6cを中立位置に戻すことで、流量制御弁4のパイロット圧室4aまたは5aから、パイロット油がバネ力によって排出されて、これにより、流量制御弁4のスプールが中立位置に戻り、油圧シリンダ2のピストンが停止する。
図2は、本第1実施形態で用いる流量制御弁の内部構造を簡略化しかつ一部を割愛して示す説明図であり、同図は、スプールが右方向に移動した状態を示している。図2において、4cはスプール、4dはハウジング、4eはパイロット圧室4a内に配設されたバネ、4fはパイロット圧室4b内に配設されたバネ、4gは、減圧弁6aとチェック弁8Aおよび絞り9Aを介して接続されたパイロット圧室4aの第1ポート、4hは、減圧弁6bとチェック弁8Bおよび絞り9Bを介して接続されたパイロット圧室4bの第1ポート、4jは、減圧弁6aと絞り9Aとの間の管路に連通する、パイロット圧室4aの第2ポート、4kは、減圧弁6bと絞り9Bとの間の管路に連通する、パイロット圧室4bの第2ポートである。
図2中で、M1はスプール4cの中立位置を示しており、M2はスプール4cの右行方向のフル右行位置を示しており、スプール4cがフル右行位置にある際には、油圧シリンダ2のピストンはフル速度で動いている。本第1実施形態では、メータアウト絞りの前記した開口面積変化特性線L1における折点(特性切替点)S1とほぼ対応する位置に、パイロット圧室4aの第2ポート4j、およびパイロット圧室4bの第2ポート4kをそれぞれ設けてある。したがって、操作レバー装置6の操作レバー6cを、右方向のフル操作位置から中立位置に戻すように操作すると、パイロット圧Piaが減じられることで、バネ4fのバネ力によりスプール4cはフル右行位置から左方向に向かって移動を始め、このときには、パイロット圧室4aの第2ポート4jはスプール4cによって閉塞されてはいないので、バネ4fのバネ力によってパイロット圧室4aから排出されるパイロット油は、主として第2ポート4jを通って管路に排出される。スプール4cの移動が進行し、スプール4cが第2ポート4jを塞いだ時点以降は、パイロット圧室4aから排出されるパイロット油は、パイロット圧室4aの第1ポート4gから絞り9Aを通って管路に排出されるようになり、この結果、バネ4fのバネ力によってパイロット圧室4aから排出されるパイロット油の流量が絞り9Aによって大きく減じられて、スプール4cの移動速度が低減され、スプール4cは中立位置に向かってゆっくり移動することとなる。
図3は、本第1実施形態を含め本発明の各実施形態における、操作レバー装置6のレバー操作とこれに関連する各ファクターとの関係を示す図である。図3の(a)は、停止操作時における操作レバー6cの操作量を時間軸に沿って示しており、操作レバー6cが最初にフル操作の位置にあって、T0の時点から操作レバー6cが中立位置に戻る方向(流量制御弁4を閉めてスプール4cを中立位置に戻す方向)に動かされ、Tsの時点で操作レバー6cが中立位置に戻される。図3の(b)は、前記した図15の開口面積変化特性線L1,L2に対応する、流量制御弁4のメータアウト絞りの時間軸に沿った開口面積変化特性L1”(点線で示しており、これが本発明による時間軸に沿った開口面積変化特性の例である),L2’(実線で示しており、これが図16でも示した従来の時間軸に沿った開口面積変化特性の例であり、対比のために参考までに示してある)を示しており、L1”,L2’上において、S1’,S2’は前記した図15の折点S1,S2に対応する折点である。図3の(c)は、開口面積変化特性L1”である場合の油圧シリンダ2のシリンダロッド側の圧力Prの圧力変化(点線)と、開口面積変化特性L2’である場合の油圧シリンダ2のシリンダロッド側の圧力Prの圧力変化(実線)とを、それぞれ時間軸に沿って示している。図3の(d)は、開口面積変化特性L1’である場合の油圧シリンダ2のピストンの速度変化(点線)と、開口面積変化特性L2’である場合の油圧シリンダ2のピストンの速度変化(実線)とを、それぞれ時間軸に沿って示している。
ここで、図3の(b)においては、メータアウト絞りの時間軸に沿った開口面積変化特性L1”における折点S1’は、文字通り1つの点で表しているが、本第1実施形態では第2ポート4j(または第2ポート4k)は一瞬で開閉が切り替わるわけではないので、開口面積変化特性L1”は実際のものと若干異なるものとなるが、ここでは説明の便宜上、第2ポート4j(または第2ポート4k)は一瞬で開閉が切り替わるものとしてある(なお、以降の第2,第3実施形態では、メータアウト絞りの時間軸に沿った開口面積変化特性は、図示のL1”そのものとなる)。
操作レバー装置6の操作レバー6cを、フル操作位置から中立位置に戻す操作をした場合、本発明では図15の開口面積変化特性線L1を採用しているので、T0の時点から折点S1’に対応する時点までの開口面積変化特性L1”の挙動は、図16の(b)と同様である。折点S1’に対応する時点以降では、流量制御弁4のパイロット圧室4a(または4b)からバネ力によって排出されるパイロット油の流量が大きく低減される(絞られる)ので、折点S1’に対応する時点以降はスプール4cの移動速度が遅くなって、Tsの時点では、操作レバー6cが中立位置に戻されているにも拘わらず、流量制御弁4のメータアウト絞りは未だ開いており、Tsの時点から所定時間を経てからスプール4cは中立位置に戻される。したがって、折点S1’に対応する時点以降は、スプール4cの移動速度が遅くなるスプールスローリターン機能が発現されることで、スプール4cが中立位置に戻る手前では(スプール4cが流量制御弁4を完全に閉じる手前では)、油圧シリンダ2のピストンは十分に減速されることとなって、油圧シリンダ2を実質的に振動させないで停止させることができる。つまり、本発明では、流量制御弁4のスプール4cが位置する領域に応じて、スプール4cを中立位置に戻すために流量制御弁4のパイロット圧室4a(または4b)からバネ力で排出されるパイロットの油の排出流量を可変制御するようにして、スプール4cが中立位置に戻る手前の所定位置から中立位置までの間の所定領域(第1領域D1)においては、スプール4cが位置する他の領域(たとえば、スプール4cの戻りで見て第1領域D1の以前の領域である第2領域D2)よりも、パイロット圧室4a(または4b)からバネ力で排出されるパイロット油の排出流量を低減させるので、スプールスローリターン機能が発現されて、油圧シリンダ2を振動させないで停止させるが可能となっている。この結果、図3において実線で示した従来システムの挙動よりも、所定時間遅れて停止することになるが、油圧シリンダ2を振動させないで停止させることができ、停止性能を良好なものとして保証できる。また、本発明ではメータアウト絞りの開口面積変化特性線として、操作レバー装置による起動操作、等速操作の際におけるメータアウト絞りによる損失が少ない開口面積変化特性線L1を採用しているので、起動操作、等速操作の際のメータアウト絞りによる損失を大幅に低減することができる。なお、スプールスローリターン機能によってスプール4cの移動が遅れるということは、操作者が誤って無理な急停止操作を行った場合でも、スプール4cが急には中立位置には戻されないので、事故、故障の防止にも有効なものとなる。
以上のように本第1実施形態によれば、起動操作、等速操作の際におけるメータアウト絞りによる損失が少ないメータアウト絞りの開口面積変化特性線L1としても、スプール4cが中立位置に戻る手前の所定位置から中立位置までの間の所定領域(第1領域D1)においては、スプール4cが位置する他の領域(たとえば、スプール4cの戻りで見て第1領域D1の以前の領域である第2領域D2)よりも、パイロット圧室4a(または4b)からバネ力で排出されるパイロット油の排出流量を低減させるので、第1領域D1ではスプールのスローリターン機能が発現されて、これにより、メータアウト絞りの絞り時間が延長されることで、油圧シリンダが実質的に振動することなく停止することが保証されて、停止性能が改善される。また、メータアウト絞りの開口面積変化特性線を起動、等速のシステム効率を優先した特性とできることから、起動、等速のシステム効率にも優れたものとすることができる。よって、停止性能を維持しつつ、起動、等速のシステム効率を向上させることが可能となる。また、操作者が誤って無理な急停止操作を行った場合でも、スプール4cが急には中立位置には戻されないので、事故、故障の防止にも有効なものとなる。
次に、本発明の第2実施形態による建設機械の油圧制御装置について、図4〜図8を用いて説明する。図4は、本第1実施形態の油圧制御装置の要部構成を示す油圧回路図であり、同図において、図1の第1実施形態と同一の構成、圧力には同一符号を付し、その説明は重複を避けるため割愛する。
図4において、11Aは、減圧弁6aとパイロット圧室4aとの間の管路に設けられた電磁制御式の流量切替弁(電磁制御弁)、12Aは、減圧弁6aとパイロット圧室4aとの間の管路のパイロット圧Piaを検出して、電気信号としての圧力検出信号Pia(t)を出力するパイロット圧検出センサ、11Bは、減圧弁6bとパイロット圧室4bとの間の管路に設けられた電磁制御式の流量切替弁(電磁制御弁)、12Bは、減圧弁6bとパイロット圧室4bとの間の管路のパイロット圧Pibを検出して、電気信号としての圧力検出信号Pib(t)を出力するパイロット圧検出センサ、13は、パイロット圧検出センサ11A,11Bからの圧力検出信号Pia(t),Pib(t)を取り込んで後述するような各種演算/判定処理などを行い、流量切替弁11A,11Bを駆動制御するコントローラであり、コントローラ13にはバルブを電磁駆動するバルブドライバが内蔵されている。
本第2実施形態では、コントローラ13が、圧力検出信号Pia(t),Pib(t)に基づいて、操作レバー装置6の操作レバー6cが中立位置に戻されるように操作されたか否かを判定すると共に、流量制御弁4のスプール4cの位置を認知して、操作レバー6cが中立位置に戻されるように操作されており、かつ、スプール4cが中立位置に戻る手前の所定位置から中立位置までの所定領域である第1領域D1にあると認知されたときに、流量切替弁11A(または11B)を全開位置から絞り位置に切り替えて、スプール4cを中立位置に戻すために流量制御弁4のパイロット圧室4a(または4b)からバネ力で排出されるパイロット油の排出流量を、スプール4cのフル変位位置から上記の所定位置までの領域(スプール4cの戻りで見て第1領域D1以前の領域)である第2領域D2のそれよりも大きく低減させて、それにより、第1領域D1でのスプール4cの中立位置への戻り速度を、第2領域D2のそれよりも遅くするように制御する。
操作レバー装置6の操作レバー6cが中立位置に戻されるように操作されたか否かの判定は、圧力検出信号Pia(t)(またはPib(t))を微分することで、操作方向と操作速度とにより判定するようにされる。また、スプール4cの位置の判定は、スプール変位とパイロット圧との関係式により、取り込んだ圧力検出信号Pia(t)(またはPib(t))に基づいて行われる。
本第2実施形態におけるコントローラ13による流量切替弁(電磁制御弁)11A(または11B)の制御について、図5のフローチャートおよび図6、図7のグラフを用いて説明する。なお、以下の説明では、流量切替弁11Aを代表して説明する(流量制御弁11Bについても同様である)。
図5の処理フローがスタートすると、まず、コントローラ13は、パイロット圧検出センサ11Aからの圧力検出信号Pia(t)を所定サンプリングタイミング毎に取り込んで(ステップS1)、取り込んだ圧力検出信号に基づいて図5中に示す演算式で微分演算を行って、圧力の微分値Dpを求める(ステップS2)。次に、算出した圧力の微分値Dpを、あらかじめ定めた所定の閾値Dpcと比較して、微分値Dpが閾値Dpc未満であるかどうかを判定し(ステップS3)、微分値Dpが閾値Dpc未満でないなら、ステップS1に戻り、微分値Dpが閾値Dpc未満であるなら、操作レバー6cの操作方向が停止操作方向(中立位置に戻される方向)であり、かつ、その操作速度が停止操作のためのものであるとして、これにより停止操作と判定してステップS4に進む。たとえば、図6の時間軸に沿ったパイロット圧Pia(圧力検出信号Pia(t))の変化例を示すグラフにおいては、パイロット圧Pia(圧力検出信号Pia(t))の減少勾配のゆるいA部は停止操作と認めず、パイロット圧Pia(圧力検出信号Pia(t))の減少勾配の急なB部,C部は停止操作と認定する。
ステップS4では、圧力検出信号Pia(t)に基づきスプール4cの位置を求める。図7のグラフに示すように、スプール4cの位置(スプール変位)とパイロット圧Pia(すなわち圧力検出信号Pia(t))とには一定の関係があり、このグラフに基づく関係式によってスプール4cの位置Xを算出する。次に、求めたスプール4cの位置Xを、あらかじめ定めた所定の閾値Xs(所定のパイロット圧Pisに相当する位置Xs)と比較して、位置Xが閾値Xs未満であるかどうかを判定し(ステップS5)、位置Xが閾値Xs未満でないなら、ステップS1に戻り、位置Xが閾値Xs未満であるなら、ステップS6に進む(図6では、前記C部の部分だけにおいてステップS6に進む)。ここで、上記の位置の閾値Xsは、本発明で用いる流量制御弁4のメータアウト絞りの開口面積変化特性線として採用している、前記した図15の開口面積変化特性線L1における折点S1に対応するスプール変位位置に設定されている。したがって、ステップS5の判定処理は、スプール4cの位置が、開口面積変化特性線L1における折点S1に対応する位置から、スプール4の停止位置(中立位置である変位0点)までの領域(すなわち、第1領域D1)にあるのか、スプール4cの位置が、スプール4cのフル変位位置から、開口面積変化特性線L1における折点S1に対応する位置までの領域(すなわち、第2領域D2)にあるのを、判別する処理であると言い換えることができる。
ステップS6では、流量切替弁11Aを絞り位置とするようにバルブドライブ信号を出力して、流量切替弁11Aを絞り位置に切り替えて、ステップS7に進み、ステップS7では、バルブドライブ信号の出力を所定時間Δtaだけ維持した後、バルブドライブ信号の出力を停止して、ステップS8に進む。ステップS8では、バルブドライブ信号の出力が停止された結果、流量切替弁11Aが全開位置に戻り、この後、処理フローはスタートに戻る。
このように、本第2実施形態においても、起動操作、等速操作の際におけるメータアウト絞りによる損失が少ないメータアウト絞りの開口面積変化特性線L1としても、スプール4cが中立位置に戻る手前の所定位置(位置Xs)から中立位置(変位0点)までの間の第1領域D1においては、第2領域D2よりも、パイロット圧室4a(または4b)からバネ力で排出されるパイロット油の排出流量を大幅に低減させるので、第1領域D1ではスプールのスローリターン機能が発現されて、これにより、メータアウト絞りの絞り時間が延長されることで、油圧シリンダが実質的に振動することなく停止することが保証されて、停止性能が改善される。また、メータアウト絞りの開口面積変化特性線を起動、等速のシステム効率を優先した特性とできることから、起動、等速のシステム効率にも優れたものとすることができる。よって、停止性能を維持しつつ、起動、等速のシステム効率を向上させることが可能となる。また、操作レバー6cが中立位置に戻されるように操作されており、かつ、スプール4cが中立位置に戻る手前の所定領域である第1領域D1にあるときのみに、パイロット圧室4a(または4b)から排出されるパイロット油の排出流量を低減させるので、必要とされるときのみに、的確にパイロット油の排出流量を低減させることができる。
さらに、先にも述べたように、本発明は、操作者が誤って無理な急停止操作を行った場合でも、スプール4cが急には中立位置には戻されないので、事故、故障の防止にも有効である。操作者が何らかの理由により、操作レバー6cを無理に急停止させる操作を行った場合の、操作レバー装置6のレバー操作とこれに関連する各ファクターとの関係を、図8に示す。図8の(a)〜(d)は、前記図3の(a)〜(d)にそれぞれ対応している。操作レバー6cが急激に中立位置に戻されたとき、図8の(b)〜(d)で実線で示す従来の場合は、メータアウト絞りの開口面積が急激に減じられ、その結果、図8の(d)で実線で示すように油圧シリンダ2は大きな振動を起こす。それに対して、本第2実施形態では、スプール4cが前記した位置Xs(メータアウト絞りの開口面積変化特性線L1における折点S1に対応するスプール位置)を通過したときに(すなわち、第1領域D1に入ったときに)、流量制御弁11A(または11B)が絞り位置に切り替えられるので、流量制御弁4のパイロット圧室4a(または4b)からバネ力で排出されるパイロット油の排出流量が大幅に低減され、スプール4cの戻り速度がレバー操作と関わりなく大きく低減される。したがって、油圧シリンダ2を、通常の停止操作とほぼ同様に停止させることができる。
次に、本発明の第3実施形態による建設機械の油圧制御装置について、図9、図10を用いて説明する。図9は、本第3実施形態の油圧制御装置の要部構成を示す油圧回路図であり、同図において、図1の第1実施形態および図4の第2実施形態と同一の構成、圧力には同一符号を付し、その説明は重複を避けるため割愛する。
本第3実施形態が前記第2実施形態と相違するのは、図4における電磁制御式の流量切替弁11A,11Bを、電磁制御式の開閉制御弁(電磁制御弁)14A,14Bに置き換えて、操作レバー6cが中立位置に戻されるように操作されており、かつ、スプール4cが中立位置に戻る手前の所定位置から中立位置までの所定領域である第1領域D1にあると判定されたときに、開閉制御弁14Aまたは14Bを、PWM(Pulse Width Modulation)制御によって短い周期で開閉制御するようにした点にある。
つまり、本実施形態では、前記第2実施形態の図5の処理フロー中のステップS6、S7の処理を、コントローラ13が、図10に示すように、前記した所定の時間Δtaの間だけ、バルブドライブ信号を間欠的に出力する処理に、置き換えたもので、これにより、バルブドライブ信号がオンの期間(Tw)には開閉制御弁14A(または14B)が閉じられ、バルブドライブ信号がオフの期間(Tr)には開閉制御弁14A(または14B)が開放されるように制御される。開閉制御弁14Aまたは14Bが閉じられたときには、パイロット油のパイロット圧室4a(または4b)からの排出を止め(すなわち、スプール4cの移動を止め)、開閉制御弁14A(または14B)が開かれたときには、パイロット油のパイロット圧室4a(または4b)からの排出を許可するので(すなわち、スプール4cの移動を許可するので)、結果的に、Δtaの時間帯では、パイロット圧室4a(または4b)から排出されるパイロット油の流量を低減させるので、スプール4cの移動速度を減じることができる。
このような構成と動作をとる本第3実施形態においても、前記第2実施形態と同様の効果を奏する。さらに、本第3実施形態では、PWM制御でバルブドライブ信号をオン/オフさせて、開閉制御弁を短い周期で開閉させる方式をとっているので、油の温度に影響されずに、流量制御動作を信頼性高く行うことができる。つまり、絞り弁の場合には、油の温度が大きく上昇すると油の粘性が低くなり、同様の絞り開口面積であっても流れが速くなり、それによってスプールの移動速度が、期待する所期の速度よりも速くなる懸念がある。それに対して、PWM制御での開閉制御弁の動作制御では、油温の影響が少なく、たとえ油温の影響があるとしても、Tw,Trの比率(デューティ比)を調整するだけで、流量を適正に調整できる。よって、本第3実施形態は、油温の変化が大きい環境下での建設機械の使用にも好適なものとなる。
なお、上述した各実施形態においては、前記した第1領域D1と第2領域D2とで、パイロット圧室4a(または4b)から排出されるパイロット油の流量を可変制御するようにしているが、第2領域D2を複数の領域に分割し、この各分割領域においても、排出されるパイロット油の流量を可変制御するように構成することも可能である。
本発明の第1実施形態に係る建設機械の油圧制御装置における、要部構成を示す油圧回路図である。 本発明の第1実施形態で用いる流量制御弁の内部構造を簡略化しかつ一部を割愛して示す説明図である。 本発明の各実施形態における、レバー操作とこれに関連する各ファクターとの関係を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る建設機械の油圧制御装置における、要部構成を示す油圧回路図である。 本発明の第2実施形態における、コントローラによる流量切替弁(電磁制御弁)の制御処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態における、パイロット圧の変化例などを示す説明図である。 パイロット圧とスプール変位との関係を示すグラフ図である。 本発明の第2実施形態において、急停止操作された場合のレバー操作とこれに関連する各ファクターとの関係を示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係る建設機械の油圧制御装置における、要部構成を示す油圧回路図である。 PWM制御の様子を示す説明図である。 従来の建設機械の油圧制御装置における、要部構成を示す油圧回路図である。 従来の流量制御弁の内部構造を簡略化しかつ一部を割愛して示す説明図である。 図11中の流量制御弁のメータイン絞りとメータアウト絞りとセンターバイパス絞りを示す説明図である。 図13中の各可変絞りにおける、絞り開口面積とスプール変位と関係を示すグラフ図である。 流量制御弁のメータアウト絞りにおける、2種類の開口面積変化特性線を示すグラフ図である。 従来の建設機械の油圧制御装置における、レバー操作とこれに関連する各ファクターとの関係を示す説明図である。
符号の説明
1 メイン油圧ポンプ
2 油圧シリンダ
3 負荷
4 流量制御弁
4a,4b パイロット圧室
4c スプール
4d ハウジング
4e,4f バネ、
4g パイロット圧室4aの第1ポート
4h パイロット圧室4bの第1ポート
4j パイロット圧室4aの第2ポート
4k パイロット圧室4bの第2ポート
5 操作レバー装置
6a,6b 減圧弁
6c 操作レバー
7 タンク
8A,8B チェック弁
9A,9B 絞り
11A,11B 電磁制御式の流量切替弁(電磁制御弁)
12A,12B パイロット圧検出センサ
13 コントローラ
14A,14B 電磁制御式の開閉制御弁(電磁制御弁)
101 メータイン絞り
102 メータアウト絞り
103 センターバイパス絞り

Claims (7)

  1. 油圧ポンプから吐出される圧油により駆動される油圧アクチュエータと、この油圧アクチュエータに供給する圧油の流量および供給方向を制御する流量制御弁と、その操作量に応じたパイロット圧を前記流量制御弁に対して出力して前記流量制御弁を制御する操作レバー装置とを備え、前記流量制御弁は、前記油圧アクチュエータからタンクに戻される圧油の流量を制御するメータアウト絞りを有する建設機械の油圧制御装置において、
    前記流量制御弁のスプールが位置する領域に応じて、前記スプールを中立位置に戻すために前記流量制御弁のパイロット圧室から排出されるパイロット用の油の排出流量を可変制御するスプール戻り制御手段を設け、このスプール戻り制御手段は、前記スプールが中立位置に戻る手前の所定位置から中立位置までの間の所定領域においては、前記スプールが位置する他の領域よりも、前記パイロット圧室から排出されるパイロット用の油の排出流量を低減させることを特徴とする建設機械の油圧制御装置。
  2. 請求項1に記載の建設機械の油圧制御装置において、
    前記スプール戻り制御手段は、前記操作レバー装置が中立位置に戻されるように操作された際の、前記流量制御弁のスプールの位置を感知して、前記スプールが中立位置に戻る手前の所定位置から中立位置までの所定領域である第1領域D1と、スプールのフル変位位置から上記の所定位置までの領域(スプールの戻りで見て第1領域D1以前の領域)である第2領域D2とで、前記スプールを中立位置に戻すために前記流量制御弁の前記パイロット圧室から排出されるパイロット用の油の排出流量を可変制御し、前記第1領域D1での前記スプールの中立位置への戻り速度を、前記第2領域D2のそれよりも遅く制御することを特徴とする建設機械の油圧制御装置。
  3. 請求項2に記載の建設機械の油圧制御装置において、
    前記スプールの変位に対応して変化する前記メータアウト絞りの開口面積の開口面積変化特性線を、前記操作レバー装置による起動操作、等速操作の際における前記メータアウト絞りによる損失が少ない特性に設定した特徴とする建設機械の油圧制御装置。
  4. 請求項3に記載の建設機械の油圧制御装置において、
    前記メータアウト絞りの前記開口面積変化特性線における、スプール変位零位置(中立位置)からスプール変位フル位置の中間位置に設定される特性切替点である折点に対応する前記スプールの位置を、前記第1領域D1と前記第2領域D2との境界としたことを特徴とする建設機械の油圧制御装置。
  5. 請求項2ないし4の何れか1項に記載の建設機械の油圧制御装置において、
    前記スプール戻り制御手段は、
    前記操作レバー装置が中立位置に戻されるように操作されており、かつ、前記スプールが前記第1領域D1に入ったことを認知する機能をもつコントローラと、
    前記操作レバー装置の減圧弁と前記流量制御弁のパイロット圧室との間の管路に配置され、前記コントローラによって制御される電磁制御弁とを、備え、
    前記コントローラは、前記操作レバー装置が中立位置に戻されるように操作されており、かつ、前記スプールが前記第1領域D1にあるときには、前記電磁制御弁によって、前記流量制御弁から排出されるパイロット用の油の流量を低減させることを特徴とする建設機械の油圧制御装置。
  6. 請求項5に記載の建設機械の油圧制御装置において、
    前記電磁制御弁は、PWM(Pulse Width Modulation)制御によって駆動制御されることを特徴とする建設機械の油圧制御装置。
  7. 請求項2ないし4の何れか1項に記載の建設機械の油圧制御装置において、
    前記スプール戻り制御手段は、
    前記操作レバー装置の減圧弁と前記流量制御弁の前記パイロット圧室との間の管路に、並列接続して配置された絞りおよび前記パイロット室への流入を許可するチェック弁と、
    前記操作レバー装置の減圧弁と前記絞りとの間の管路に連通するように、前記パイロット圧室の所定位置に設けられたポートとを、備え、
    前記スプールが前記第2領域D2にある際には前記スプールによって前記ポートを開放し、前記スプールが前記第1領域D1にある際には前記スプールによって前記ポートを閉塞するようにしたことを特徴とする建設機械の油圧制御装置。
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