JP3765317B2 - 油圧駆動機械の制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はパワーショベル等の建設機械を含む油圧駆動機械の制御装置に関し、特に流量操作弁の操作量の一定操作量当たりの作業機アクチュエータの駆動速度の変化量を、油圧駆動機械の運転状態に応じて変化させることができる制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来にあって、建設機械の作業内容に応じた操作レバーの操作性を得るべく、油圧ポンプの吐出圧と作業機アクチュエータの負荷圧との差圧を、外部より指示された作業種類を示す作業モードに応じて変化させるよう制御する技術が、たとえば特開平2−76904号公報に開示されている。
【0003】
この公報記載の技術は、「通常作業」モードから「微操作」モードに作業モードの変更がなされると、上記差圧が「通常作業」時よりも小さくなり、操作レバーの一定操作量当たりの作業機アクチュエータの駆動速度の変化量が「通常作業」時よりも小さくなり、「微操作」モードに適合した、より細やかな作業をなし得ることができるというものである。
【0004】
この種の制御方式として、また特開平2−164941号公報に開示されたものがあり、エンジンの回転数の低下に応じて上記差圧を小さくするよう制御することにより、エンジン回転の低下に応じて小さくなるいわゆるメータリング領域を大きくしてやり(逆にいうと回転数低下に応じて大きくなるデッドバンドを小さくしてやり)、操作レバーの操作性の向上を図らんとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、これら従来技術は、作業モードあるいはエンジン回転に応じて差圧を変化させ、これにより操作レバー操作量対作業機アクチュエータ速度の関係(以下「操作特性」という)を変化させ、操作レバーの操作性を改善しようとする制御方式ではあるが、これら従来技術は、作業モードあるいはエンジン回転に応じて一義的に差圧を変化させているだけであり、実際の油圧回路における圧油リークの影響を考慮して制御するものではない。
【0006】
すなわち、作業機アクチュエータにかかる負荷が大きくなってくるにつれて、操作弁(流量制御弁)と作業機アクチュエータとの間の油圧管路において圧油漏れ(リーク)が増加して油圧ポンプの実質的な容積効率が低下する。しかもエンジン回転数が小さくなるにつれて、リーク流量のポンプ吐出流量に対する比率が増大して上記容積効率の低下が著しくなる。このため作業機アクチュエータの実速度が低下し、実際の操作特性の関係が大きく変化してしまうことになる。したがって、所望の操作特性が得られなくなり、操作性が悪化することになる。
【0007】
また、従来技術では、作業モードあるいはエンジンの回転数に応じて差圧を低下させるとはいっても、実際の操作レバーの操作状態に応じて制御するものではない。たとえば、複数の操作弁(流量制御弁)がすべてニュートラル位置にされているときに、そのまま従来技術を適用すると、エンジン高回転時には、操作レバーの操作開始時にいわゆる作業機アクチュエータが急に動き出すという「飛び出し」現象が発生することになり、またエンジン低回転時には、操作レバーの操作開始時に無駄時間や不感帯の増加を招くこととなり、いずれも操作性を悪化させる。
【0008】
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、圧油リークのあったとしても操作性の悪化が招来することがなく、また、ニュートラル位置から操作レバーが操作されたときにも操作性の悪化が招来することがない装置を提供することをその目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明の第1発明では、原動機により駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出圧油が圧油供給路を介して供給されることにより駆動される複数の油圧アクチュエータと、前記圧油供給路に設けられ、前記複数の作業機アクチュエータに対して供給される圧油の流量を操作量に応じて制御する複数の流量制御弁とを有し、前記油圧ポンプの吐出圧力と前記複数の作業機アクチュエータの負荷圧力との差圧が設定された値になるように前記油圧ポンプの吐出流量を制御するようにした油圧駆動機械の制御装置において、
前記油圧ポンプの吐出圧力または前記複数の作業機アクチュエータの負荷圧力を検出する圧力検出手段と、
前記原動機の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記圧力検出手段によって検出された圧力が大きくなるほど、かつ前記回転数検出手段によって検出された回転数が小さくなるほど差圧設定値が大きくなるように差圧設定値を変化させる手段と
を具えるようにしている。
【0011】
【作用】
かかる第1発明の構成によれば、圧力検出手段によって検出された圧力が大きくなるほど、かつ回転数検出手段によって検出された回転数が小さくなるほど差圧設定値が大きくなるように差圧設定値が変化する。すなわち、圧力および原動機回転数といった油圧回路における圧油リークに影響を与える要素に応じて差圧設定値が変化するので流量制御弁(を操作する操作レバー)の操作性が向上する。
【0013】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明に係る油圧駆動機械の制御装置の実施例について説明する。なお、実施例では油圧駆動機械としてパワーショベルを想定している。
【0014】
図1はパワーショベルの作業機のうち2種類の作業機(ブームおよびアーム)を駆動する作業機油圧回路の構成を示している。なお、実施例では図面の煩雑を避けるために2種類の作業機にそれぞれ対応する2つの操作弁のみを示している。
【0015】
同図に示すように可変容量型油圧ポンプ2はエンジン1によって駆動され、斜板駆動用のレギュレータ12のピストン12aの移動に応じてその斜板2aの傾転角が変化される。そして、この斜板2aの傾転角の変化に応じて油圧ポンプ2の1回転当たりの吐出流量D(cc/rev)が変化される。エンジン1には該エンジン1の回転数(r・p・m)ωEを検出する回転センサ32が付設されており、この回転センサ32の検出信号ωEはコントローラ33に加えられる。
【0016】
油圧ポンプ2の吐出圧油は、管路9および該管路9を分岐する管路9a、9bを介して操作弁7、8にそれぞれ供給される。操作弁7、8は図示せぬ操作レバーの操作量S1、S2に応じてスプールが駆動され、このスプールの移動量に応じて各操作弁の開口面積A1、A2が変化し、その変化に応じた流量の圧油が作業機アクチュエータたる油圧シリンダ3、4にそれぞれ供給される。このとき操作弁7から流出される圧油は管路3a、3bを介して油圧シリンダ3の伸張側のシリンダ室、縮退側のシリンダ室にそれぞれ供給され、油圧シリンダ3をそれぞれ伸張、縮退させる。
【0017】
同様に操作弁8から流出される圧油は管路4a、4bを介して油圧シリンダ4の伸張側のシリンダ室、縮退側のシリンダ室に供給され、油圧シリンダ4をそれぞれ伸張、縮退させる。
【0018】
操作弁7、8は位置N、M、Lからなり、中立位置Nではポンプ2から吐出される圧油が流入するポンプポートはクローズ状態であり、切換位置Nから切換位置L、Mまでの途中の状態では操作弁を流れる圧油はスプールに設けられたロットリングの可変の絞り20で絞られる。また、切換位置L、Mでは絞り20は一定の面積になっているとともに、各位置で油圧シリンダ3、4の負荷圧、つまり管路3a、3b、4aおよび4bにそれぞれ配設された減圧弁25a、25b、26aおよび26bの出口側の圧力がポートRを介してチェック弁21、22にそれぞれ導かれる。
【0019】
チェック弁21はパイロット管路23aに接続され、このパイロット管路23aはパイロット管路23bに接続されている。パイロット管路23bにはチェック弁22が接続されている。そして、パイロット管路23bはパイロット管路24に接続されている。よってパイロット管路24には、油圧シリンダ3、4のうち高圧PLS側の圧油がチェック弁21、22のいずれかを通過して導かれることになる。パイロット管路24は減圧弁25a、25b、26aおよび26bのバネ位置側に接続されており、結局、減圧弁25a、25b、26aおよび26bのバネ位置側には油圧シリンダ3、4の高圧側の負荷圧PLSが加えられることになる。バネに対向する側には減圧弁の入口側の圧油、つまり操作弁7、8の出口側の圧力がパイロット圧として加えられている。なお、管路10は操作弁7、8の圧油をタンク11にリリーフすべく設けられている。
【0020】
定容量型油圧ポンプ34は所定圧力の圧油を吐出するものであり、この吐出圧油は管路35、制御弁36(いわゆる「LS−EPC弁」と称されるもの)を介して制御弁37のパイロットポート37aに制御圧Pcの圧油として供給される。ここで、制御弁36は、電磁ソレノイド36aに対してコントローラ33から加えられる制御信号に応じて弁位置が変化され、これによって上記パイロットポート36aに供給される圧油の流量が変化される。
【0021】
なお、管路35には、リリーフ弁38が配設されていて、油圧ポンプ34の吐出圧油の圧力がリリーフ弁38で設定された圧力以上の圧力になると、リリーフ弁38によりリリーフされる。
【0022】
油圧ポンプ2の吐出側の管路9はパイロット管路14に分岐され、このパイロット管路14はレギュレータ12の小径側のシリンダ室に接続されるとともに、制御弁37のパイロットポート37bに接続されている。パイロット管路23bは延長されて制御弁37のバネ37dが位置されている側のパイロットポート37cに接続されている。このため、制御弁37のバネ37dが無い側の端部には油圧ポンプ2の吐出圧Ppおよび制御弁36からの制御圧Pcが、また制御弁37の他方のバネ37dがある側の端部には油圧シリンダ3、4の負荷圧のうち高圧側の圧力PLSがパイロット圧として、またバネ37dの付勢力がオフセット圧として加えられる。そして制御弁37では、該制御弁37の各端部に加えられる圧力の差圧に応じて弁位置が切り換えられ、切換位置に応じた吐出量の圧油がレギュレータ12の大径側のシリンダ室に供給または排出され、斜板2aの傾転角が制御される。
【0023】
この場合、油圧ポンプ圧Ppとシリンダ負荷圧PLSとの差圧ΔPLSが、後述するような設定値に保持されるように斜板2aの傾転角が制御されることになる。この場合、差圧ΔPLSの設定値は、上記制御圧Pc、つまりコントローラ33から電磁ソレノイド36aに加えられる制御信号に応じて変化される。
【0024】
このとき圧力Pp、PLSと油圧ポンプ2の吐出量(容積)Dの関係は下記(1)式で表される。
【0025】
D=C・A・√(Pp−PLS) …(1)
ここでCは定数であり、Aは絞り20の開口面積である。
【0026】
さて、エンジン1には燃料噴射ポンプ38とガバナ39が併設されている。ガバナ39の燃料コントロールレバー39aはモータ40で駆動され、該レバー39aの駆動位置は位置センサ41で検出される。位置センサ41の検出信号はモータ40を駆動制御する際のフィードバック位置信号としてコントローラ33に加えられる。
【0027】
スロットルダイヤル42はエンジン1の目標回転数を設定するものであり、目標回転数ωTHに応じたスロットル信号はコントローラ33に加えられる。また、モニタパネル43はパワーショベルで行われる作業モードM、つまり「重堀削」モードM1、「堀削」モードM2、「整正」モードM3、「微操作」モードM4を選択、指示するものであり、選択された作業モードM1、M2、M3、M4を示す信号がコントローラ33に加えられる。
【0028】
また、管路14にはポンプ圧力センサ44が配設されており、このセンサ44によって管路14内の圧油の圧力、つまり油圧ポンプ2の吐出圧油Ppが検出される。この検出値Ppはコントローラ33に加えられる。
【0029】
また、操作弁7、8には、それぞれ操作ストローク量(以下「操作量」という)S1、S2を検出する操作量センサ45、46が配設されており、検出値S1、S2はコントローラ33に加えられる。
【0030】
コントローラ33は、入力された各種信号に基づいてモータ40に対して駆動制御信号を出力し、エンジン1の出力トルクを制御する。すなわち、図5に示すように、入力された目標回転数ωTHとエンジン回転センサ32で検出された現在のエンジン回転数ωEとに応じたレギュレーションラインl1、l2、l3…が設定されるようモータ40に駆動制御信号が加えられ、燃料コントロールレバー39aが作動されることになる。
【0031】
一方、コントローラ33は、入力された各種信号に基づいて後述するような演算処理を実行して、その結果得られた制御信号を制御弁36のソレノイド36aに出力し、制御弁37、レギュレータ12を介して油圧ポンプ2の斜板2aの傾転角、つまり油圧ポンプ2の吐出量D(cc/rev)を制御する。
【0032】
この場合、コントローラ33は油圧ポンプ2の吸収馬力を一定値にする制御信号を出力している。すなわち、油圧ポンプ2が、入力された作業モードM1…に応じた一定馬力が得られるような制御信号を制御弁36に出力し、制御弁37を介して油圧ポンプ2の斜板2aを制御する。このようにして、現在の負荷状態に応じて、最も効率のよい点にマッチング点が移動することになる(図5のF参照)。
【0033】
一方、コントローラ33は後述するようにして設定された差圧ΔPLSが得られるような制御信号を出力している。すなわち、コントローラ33は上記ポンプ吸収馬力の制御とともに差圧の制御も同一の制御信号により行っており、この場合制御弁36のソレノイド36aに加える制御信号に応じて制御弁37のパイロットポート37aに加えられる制御圧Pcが変化し、これによって差圧ΔPLSが変化される。この実施例では、この差圧ΔPLSを後述するように変化させることで、操作弁7、8の図示せぬ操作レバーの操作性向上を図っている。
【0034】
以下、かかる差圧ΔPLSの可変制御の内容について詳述する。
【0035】
・第1の制御
この第1の制御では、差圧ΔPLSを作業機アクチュエータに現在かかっている負荷およびエンジンの回転数に応じて変化させることで、上述したいわゆる「圧油リーク」があったとしてもレバー操作性が損なわれない制御を行おうとするものである。
【0036】
ところで、一般的に、上記圧油リークが操作特性に与える影響は油圧ポンプ2の油圧管路における漏れ量qLの吐出量Q(cc/min)に対する比率qL/Qに比例するといわれている。この比率qL/Qが大きくなることで油圧ポンプ2の実質的な容積効率が低下し、作業機アクチュエータの実速度が低下してしまい、操作レバーの操作特性が所望の操作特性から差圧が低下する方向に変化してしまう。よって、上記比率qL/Qを小さくすることにより操作特性を所望の特性に維持できレバー操作性を損なわずに済むことができる。
【0037】
いま、ポンプ吐出量Qは、
Q=D・ωE …(2)
であり、エンジン回転数ωEに比例している。一方、漏れ量qL自体は作業機アクチュエータ7、8にかかっている負荷、つまり油圧ポンプ2の吐出圧Ppに比例していることがわかっている。したがって、上記比率qL/Qは、
qL/Q=Pp/ωE …(3)
と表され、結局、油圧ポンプ吐出圧Ppが大きくなるほど比率qL/Qが大きくなるので、これによる差圧の低下を防止するために、圧Ppが大なるほど差圧を大きくする方向に補正することで、所望の操作特性を維持することができ、またエンジン回転数ωEが小さくなるほど比率qL/Qが大きくなるので、これによる差圧の低下を防止するために、回転数ωEが小なるほど差圧を大きくする方向に補正することで、所望の操作特性を維持することができる。
【0038】
図2はこの第1の制御を行うための、操作レバー操作量S1、S2(あるいは操作弁の開口面積S1、S2)と差圧ΔPLSとの関係を、ポンプ吐出圧Pp小さい場合(図2(a))、ポンプ吐出圧Ppが中間値をとる場合(図2(b))、ポンプ吐出圧Ppが大きい場合(図2(c))とに分けて示すとともに、エンジン回転数ωEが小さい場合(一点鎖線A)、エンジン回転数ωEが大きい場合(実線B)ごとに示したものである。
【0039】
この図2より明かなように図2の(a)から(b)へ、そして(c)へと、ポンプ吐出圧Ppが大きいほど差圧ΔPLSは大きくなるとともに、BからAへと、エンジン回転数ωEが小さくなるほど差圧ΔPLSは大きく設定されるのがわかる。
【0040】
この図2の内容はコントローラ33内の図示せぬメモリに予め記憶されており、上記ポンプ圧力センサ44で検出されたポンプ吐出圧Ppと回転センサ32で検出されたエンジン回転数ωEとに基づいて上記図2のそれら検出値に対応する差圧ΔPLSが読み出され、この差圧ΔPLSが得られるよう制御信号が制御弁36に出力されることになる。この結果、レバーの操作特性は圧油リークが生じたとしたとしても変化せず、所望の操作特性に維持されることになる。
【0041】
なお、この第1の制御では油圧ポンプ2の吐出圧Ppに基づき差圧を変化させるようにしているが、要は作業機にかかる負荷に基づき差圧を変化させることができればよく、作業機の負荷PLSに基づき差圧を変化させる実施も当然可能である。
【0042】
・第2の制御
この第2の制御では、差圧ΔPLSを、操作弁がニュートラル位置になっているときに、ニュートラル位置以外のときの設定差圧よりも小さくししかもエンジン回転数に応じて変化させることにより、上述したエンジン高回転時の「飛び出し」および低回転時の「無駄時間増大等」の発生を有効に防止して、レバー操作開始時の操作性を向上させようとするものである。
【0043】
さて、前述したように特開平2−164941号においては、エンジン回転数の低下に応じて差圧ΔPLSを低下させるように制御することで操作性向上を図るものであるが、操作弁がすべてニュートラル位置Nに操作されているときに、上記制御をそのまま行ったとすると、図3(a)のGに示すように操作レバーの操作開始時において、同図3(b)のHに示すようにエンジン高回転時には差圧ΔPLSが大きくなっているので、作業機アクチュエータの駆動速度が急激に立ち上がる「飛び出し」現象が発生することになる。これはニュートラル位置Nにおいて設定される差圧とニュートラル位置N以外の位置に操作されたときに設定される差圧との間に差がないことによるもので、図3(c)のIに示すようにレバー操作開始時において差圧ΔPLSが急激に立ち上がることによることに生ずるものである。
【0044】
したがって、操作レバー、つまり操作弁7、8がニュートラル位置Nのときの差圧をΔPLSnとし、ニュートラル位置N以外の操作状態のときの差圧をΔPLSaとしたとき、
ΔPLSn<ΔPLSa …(4)
のごとくニュートラル時の差圧ΔPLSnが操作時の差圧ΔPLSaよりも小さくなるように差をつけることで、図3(c)の破線Jで示すごとに過渡的にも緩やかな勾配をもって差圧が立ち上がり、図3(b)の破線Kに示すごとく上記「飛び出し」現象が除去されることとなる。
【0045】
一方、エンジン低回転時には上記従来のものでは、ニュートラル位置Nのときもエンジン回転数低下に応じて差圧ΔPLSが小さくなっており、図3(b)の一点鎖線Lに示すごとくレバー操作開始時において作業機アクチュエータの駆動速度がなかなか立ち上がらず、無駄時間や不感帯増加が発生している。よってニュートラル位置Nにあるときはそれ以外の位置にあるときとは逆に、図4に示すようにエンジン回転数ωEの低下に応じて差圧ΔPLSnを上昇させることで、上記無駄時間の増加等の不都合を除去することができる。また、この図4のようにエンジン回転数ωEの増大に応じて差圧ΔPLSnが小さくなるように変化させることで、エンジン回転数増大に伴ない顕著となる「飛び出し」現象を有効に防止することができる。
【0046】
結局、上記(4)式および図4に示すごとく、操作弁7、8のいずれもがニュートラル位置Nになっているときに、操作弁7、8のうちいずれかの操作弁が操作されているときの差圧ΔPLSaよりも小さく、かつエンジン回転数ωEが大きくなるほど小さくなるように差圧ΔPLSnが設定され、上記不都合のいずれもが除去され、レバー操作開始時の操作性改善を図ることができる。
【0047】
上記(4)式および図4の内容は、コントローラ33内の図示せぬメモリに予め記憶されており、上記操作量検出センサ45、46の出力に基づき操作弁7、8のいずれもがニュートラル位置Nにあることを検出し、このニュートラル位置Nが検出された際に、回転センサ32の出力ωEに応じた差圧ΔPLSnを上記メモリから読み出し、この差圧ΔPLSnが得られるよう制御信号が制御弁36に出力されることになる。この結果、レバーの操作開始時において上記「飛び出し」現象等はなくなり、操作性が従来よりも改善されることとなる。
【0048】
なお、この第2の制御は、エンジン回転数低下に応じて差圧を小さくするという従来技術を適用する場合のみならず、レバー操作中はエンジン回転数によらないで差圧が設定される場合に適用しても好適であることは明かである。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、作業機アクチュエータにかかる負荷が大きくなるほど、かつエンジン回転数が小さくなるほど差圧が小さくなるように差圧を変化させるようにしてので、圧油リークの影響を受けない良好な操作性を維持することができる。また、この発明によれば、操作弁がニュートラル位置にあるときに、操作弁が操作されているときの差圧よりも小さく、かつエンジン回転数が大きくなるほど差圧が小さくなるように差圧を変化させるようにしたので、操作レバー操作開始時の操作性が向上するとともに、作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る油圧駆動機械の制御装置の実施例における作業機油圧回路の構成を示す回路図である。
【図2】図2はエンジン回転数とポンプ吐出圧に応じて差圧が変化する様子を示すグラフである。
【図3】図3は操作レバーの操作量と作業機アクチュエータの駆動速度と差圧の時間変化の様子をそれぞれ示すグラフであり、この実施例による効果を従来技術との比較において説明するために用いたグラフである。
【図4】図4は操作レバーがニュートラル位置にあるときのエンジン回転数と差圧設定値との関係を示すグラフである。
【図5】図5は実施例における等馬力制御を説明するために用いた、エンジン回転数と出力トルクとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2 油圧ポンプ
3 油圧シリンダ
4 油圧シリンダ
7 操作弁
8 操作弁
12 レギュレータ
33 コントローラ
36 制御弁
37 制御弁
44 ポンプ圧力センサ
45 操作量センサ
46 操作量センサ
Claims (1)
- 原動機により駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出圧油が圧油供給路を介して供給されることにより駆動される複数の油圧アクチュエータと、前記圧油供給路に設けられ、前記複数の作業機アクチュエータに対して供給される圧油の流量を操作量に応じて制御する複数の流量制御弁とを有し、前記油圧ポンプの吐出圧力と前記複数の作業機アクチュエータの負荷圧力との差圧が設定された値になるように前記油圧ポンプの吐出流量を制御するようにした油圧駆動機械の制御装置において、
前記油圧ポンプの吐出圧力または前記複数の作業機アクチュエータの負荷圧力を検出する圧力検出手段と、
前記原動機の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記圧力検出手段によって検出された圧力が大きくなるほど、かつ前記回転数検出手段によって検出された回転数が小さくなるほど差圧設定値が大きくなるように差圧設定値を変化させる手段と
を具えた油圧駆動機械の制御装置。
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