JP2000281989A - 再剥離性粘着シート - Google Patents

再剥離性粘着シート

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JP2000281989A
JP2000281989A JP11087905A JP8790599A JP2000281989A JP 2000281989 A JP2000281989 A JP 2000281989A JP 11087905 A JP11087905 A JP 11087905A JP 8790599 A JP8790599 A JP 8790599A JP 2000281989 A JP2000281989 A JP 2000281989A
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pressure
weight
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adhesive sheet
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JP11087905A
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Shinji Minami
真二 南
Tsutomu Tsukada
力 塚田
Kenji Suzuki
賢治 鈴木
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】巻き取り製品の製品保存安定性が良く、被着体
に貼付後の接着性、再剥離性、再貼着性が良好に維持さ
れる再剥離性粘着シートを提供する。 【解決手段】表面基材、粘着性微粒子(A)および必要
に応じてバインダー(B)を含有する粘着剤組成物層、
および剥離シートからなる再剥離性粘着シートにおい
て、該粘着剤組成物に含有する粘着性微粒子(A)は、
40℃における貯蔵弾性率が、250000〜6000
00dyne/cm2 であり、バインダー(B)はガラ
ス転移温度が、−40〜60℃であるアクリル系水性エ
マルションからなり、可塑剤(C)およびまたは、タッ
キファイヤー(D)を該粘着剤組成物に対し0.1〜3
0重量%、及び更に1分子中にオキサゾリン基を2個以
上含有する架橋剤(E)を含有し、かつ、粘着剤層を積
層した表面基材の含水分量が10%以下である再剥離性
粘着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面基材、粘着性
微粒子を含有する粘着剤層、剥離シートの順に積層して
なる再剥離性粘着シートにおいて、紙、金属、プラスチ
ック類などの被着体に対し、良好な接着性を有し、かつ
粘着ラベルを被着体から剥がす際に粘着剤成分が被着体
に残留する(以下、糊残りと表現する)ことなく再剥離可
能で、さらに貼付、剥離が繰り返し可能な再剥離性粘着
シートに関する。
【0002】
【従来の技術】粘着シートは商品ラベル、物流管理ラベ
ルなどとして、各種商標、価格、注意こと項などの情
報、あるいはデザイン等を印字、印刷し、被着体である
各種商品等に貼付される。この場合、ラベルの貼付目的
は、情報、デザイン等の表示であり、粘着剤組成物への
要求品質は、ラベル貼付時に容易に被着体と接着し、そ
の後の保管、輸送などの工程でもラベルが脱落しないた
めの十分な接着性であり、その用途(例えば、低温での
粘着力に優れる冷食用粘着剤、ダンボールやコンクリー
トなどの粗面やポリオレフィンなど粘着シートが接着し
にくい非極性被着体などに強固な粘着性を持つ強粘粘着
剤など)に応じて使い分けており、一度貼付されたラベ
ルは永久もしくは半永久的に接着している。
【0003】ここでいう被着体へのラベル貼付は、ラベ
ルの貼付枚数や作業工程によって様々であるが、手作業
やオートラベラーなどの装置を用いて行われる。この
時、ラベル貼付に係る被着体との接触圧は、JIS−Z
−0237の粘着力測定法に規定される圧着条件の圧着
ローラーの重量に換算すると100g重〜2kg重と幅
広いものであり、JIS−Z−0237の粘着力測定法
に準じた2kg重の圧着ローラーではラベルの粘着面と
被着体との接触面積が十分に得られるが、100g重の
接触圧では、十分に接触面積が得られないため、ラベル
貼付時にラベルが脱落しやすい。一般に、殆どの粘着ラ
ベルの粘着面は、平坦な面であるので、ラベル貼付に係
る被着体が粗面であったり、ラベル貼付に係る被着体と
の接触圧が軽圧着なほど、ラベル貼付時にラベルの粘着
面と被着体との接触面積が十分に確保できないために粘
着力が低くなり、ラベルが脱落しやすい。
【0004】商品などの包装、梱包に使用されるケー
ス、包装紙などを再利用する目的や、流通管理などの用
途で、一度貼付されたラベルを被着体から剥がす場合
や、さらには、一旦剥がしたラベルを再度貼付する用途
がある。これらのラベルの粘着剤組成物への要求品質
は、前記接着性に加え、再剥離性、再貼着性が必要であ
る。
【0005】この様な、接着性、再剥離性、再貼着性を
備えた再剥離性粘着剤組成物は、例えば特公平5−75
034号公報などに提案されているアクリルエマルジョ
ンやゴム系粘着剤などがある。これらから得られる再剥
離性粘着シートは、粘着力が低い平坦な粘着剤層となる
ために、平滑性の良好な被着体に対しては接触面積が得
られやすく再剥離性粘着シートの脱落がないものの、貼
付後の経過時間により粘着力が増大し、再剥離性粘着シ
ートの基材破壊、糊残りなどがおこりやすくなる(再剥
離性が悪くなる)。逆に、ダンボール、木材、コンクリ
ートなどの粗面の被着体に対しては粘着面との接触面積
が十分に得られないため粘着力が低く、オートラベラー
などの軽圧着の貼着条件ではラベル(再剥離性粘着シー
ト)が脱落しやすい。このため、再剥離性を得るために
被着体の種類、貼付期間を限定しなければならないとい
う不具合があった。
【0006】被着体の種類、貼付期間などを限定するこ
となく再剥離性を得るために特開昭50−2736号公
報、特開昭53−65330号公報などで、粘着剤層に
粘着性を有する微粒子を塗布した粘着シートが提案され
ている。
【0007】これらの粘着剤組成物は、粘着性を有する
弾性微粒子が粘着剤表面に突出することで粘着剤表面に
凹凸を形成しているため、接着しやすい平滑な被着体と
粘着剤の接触(接着)面積を減少させる。一方、接着し
にくい粗面の被着体には粘着剤表面の凹凸が接触(接
着)面積を増大させると推測する。従って、該粘着剤組
成物を塗布した再剥離性粘着シートは、被着体の粗さに
関わらず一定の接触面積が得られやすく、再剥離、再貼
着可能な粘着力を維持できると推測できる。しかし、該
粘着性微粒子は弾性体であるため、その形状が圧力に対
し不安定であり、例えば、粘着シートを巻き取り製品の
状態で保管する場合、その巻圧により粘着性微粒子が扁
平化(半球状もしくは球状の粘着性微粒子が圧により平
坦な形状へ塑性変形すること)するため粘着剤表面の凹
凸が小さくなり、ダンボールなどの粗面に対する軽圧着
時の粘着力が低くなる問題があった。
【0008】このため、粘着性微粒子の外圧による扁平
化を防ぐ手段として、粘着性微粒子の硬度を上げる方法
が開示されている。例えば、特開昭53−69233号
公報では、金属イオンの架橋反応により粘着性微小粒子
を内部架橋する方法や、特開昭61−148278号公
報、特開昭61−258854号公報では、多官能性モ
ノマー、油溶性架橋剤を用いて粘着性微細球あるいは重
合体微小球を内部架橋する方法が考案されている。
【0009】しかし、これらは何れも粒子内部を架橋す
ることで粘着性微粒子の硬度を上げているため、外圧に
よる扁平化を防ぐ効果はあるが、粘着性微粒子の粘着性
が低下し、特にポリエチレン等の非極性材料への接着性
が低下する。従って、粘着ラベル本来の必要性能である
接着性が不十分になる欠点がともなう。
【0010】一方、再剥離性改善のため、特開昭61−
152779号公報では、粘着性微球体と粘着性微球体
を基材に固定するための結合剤中に含まれるカルボキシ
ル基等の官能基と反応する基を1分子中に2個以上含有
する架橋剤を含有させ、化学的結合効果により粘着性微
球体と結合剤の密着性、および基材への密着性を向上さ
せラベルを被着体から剥がす際の糊残りを抑制する方法
が提案されている。しかし、この方法では依然、高温多
湿等の環境条件下や、過度の加圧下での経時により、糊
残りが発生する場合があり、厳しい条件下での再剥離性
は不十分であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粘着性微粒
子を含有する粘着剤組成物を用いた再剥離性粘着シート
において、巻き取り製品で保管する場合等、外圧が長期
間加わった状態でも性能低下がなく(以下、製品保存安
定性)、またラベルを被着体に貼付後、高温多湿の環境
下に放置されたりラベル上に圧力が加わった場合でも良
好な接着性、再剥離性、再貼着性を示す粘着シートを提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、粘着性微
粒子を含有する粘着剤組成物を用いた再剥離性粘着シー
トにおいて、巻き取り製品で保管する場合における製品
保存安定性と粘着性微粒子の諸物性について検討した結
果、外圧が長期間加わった場合の粘着性微粒子(A)へ
の影響を、40℃での粘着性微粒子(A)の貯蔵弾性率
測定で判断でき、該物性値に適正条件があることを見い
だし、さらに、表面基材と粘着剤層の水分を特定の範囲
に制御することにより、前記課題が解決できることを見
いだしたのである。
【0013】すなわち、本発明は、 (1)表面基材、粘着性微粒子(A)および必要に応じ
てバインダー(B)を含有する粘着剤組成物層、および
剥離シートからなる再剥離性粘着シートにおいて、該粘
着剤組成物に含有する粘着性微粒子(A)は、40℃に
おける貯蔵弾性率が、250000〜600000dy
ne/cm2であり、かつ、粘着剤層を積層した表面基
材の含水分量が10%以下であることを特徴とする再剥
離性粘着シートである。 (2)該粘着剤組成物中に含有するバインダー(B)が
アクリル系水性エマルションからなることを特徴とする
(1)記載の再剥離性粘着シートである。 (3)該バインダー(B)のガラス転移温度が、−40
〜60℃であることを特徴とする(1)または(2)記
載の再剥離性粘着シートである。 (4)該粘着剤組成物中に可塑剤(C)およびまたは、
タッキファイヤー(D)を該粘着剤組成物に対し0.1
〜30重量%含むことを特徴とする(1)、(2)また
は(3)記載の再剥離性粘着シートである。 (5)該可塑剤(C)が、下記に示す一般式(c−1)
であることを特徴とする(4)記載の再剥離性粘着シー
トである。 R4−O(CH2−CH2−O−)n −Y …(c−1) (但し、R4は炭素数8〜18のアルキル基、炭素数1
0〜18のアルケニル基、または、炭素数10〜30の
アルキルフェニル基およびジアルキルフェニル基;Yは
水素原子、炭素数8〜18のアルキル基、炭素数10〜
18のアルケニル基、または、炭素数10〜30のアル
キルフェニル基もしくはジアルキルフェニル基;nは3
〜80の自然数である。) (6)該タッキファイヤー(D)が、石油系樹脂、ロジ
ン系樹脂またはテルペン系樹脂であることを特徴とする
(4)記載の再剥離性粘着シートである。 (7)該粘着剤組成物に架橋剤(E)を配合することを
特徴とする(1)から(6)のいずれか1項に記載の再
剥離性粘着シートである。 (8)該架橋剤(E)が、1分子中にオキサゾリン基を
2個以上含有する化合物であることを特徴とする(7)
記載の再剥離性粘着シートである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、前記した如く、粘着剤
層中の粘着性微粒子が特定の貯蔵弾性率(すなわち40
℃における粘着性微粒子(A)の貯蔵弾性率は2500
00〜600000dyne/cm2である)を有し、
なおかつ表面基材と粘着剤層との水分を特定の範囲内に
設計することにより、良好な製品保存安定性を備え、か
つ優れた接着性、再剥離性、再貼着性を有する再剥離性
粘着シートを提供するものである。
【0015】本発明における貯蔵弾性率とは、動的粘弾
性測定装置(測定装置の例として、オリエンテック製R
HEOVIBRON DDV−25FP)を用いて約2
mm厚の板状に成膜した粘着性微粒子を40℃、周波数
1Hzで剪断変形させたときに得られる動的複素弾性率
の位相角δの余弦成分を指す。ここでいう粘着性微粒子
(A)とは、後述の粘着性微粒子の懸濁重合液または粘
着性微粒子を含有してなる再剥離型粘着剤組成物を脱イ
オン水にて希釈後東洋濾紙(株)製定性濾紙No.10
1により濾過分離し乾燥されたものを指す。
【0016】粘着性微粒子(A)の22℃における貯蔵
弾性率は、200000〜650000dyne/cm
2、好ましくは310000〜560000dyne/
cm2、さらに好ましくは310000〜550000
dyne/cm2であれば良好な粘着性、再剥離性、再
貼着性が得られる。ただし、本発明において使用される
粘着性微粒子(A)は、40℃における貯蔵弾性率が2
50000〜600000dyne/cm2、好ましく
は300000〜550000dyne/cm2、さら
に好ましくは300000〜500000dyne/c
2とすることにより良好な粘着性、再剥離性、再貼着
性に加えて良好な製品保管安定性が得られる。
【0017】前記40℃における貯蔵弾性率が2500
00dyne/cm2未満では、粘着性微粒子(A)の
弾性率が低く、粘着シートの巻き取り保管時等では外圧
により扁平化(粘着性微粒子(A)が圧縮による塑性変
形すること)し、品質低下が発生し、製品保存安定性が
欠ける。また、600000dyne/cm2を越える
と、粘着性微粒子(A)の弾性率が高すぎる(逆に、粘
性が低くなる)ため、粘着ラベル貼付時の被着体への密
着性が低くなるために接着性が乏しくなる。
【0018】本発明で特に重要なのは、貯蔵弾性率を4
0℃で測定するところにあり、常温領域(20℃前
後)、また高温域(50℃前後)での測定値では有意差
が小さく判断ができない。原因は不明だが、粘着性微粒
子(A)への長期加重による変形負荷が、40℃程度で
の貯蔵弾性率測定時の該粘着性微粒子(A)への剪断負
荷と関係があるのではないかと考える。また、それより
高温域では、該粘着性微粒子(A)のガラス転移温度が
大きく影響し、判断できないのではないかと考える。
【0019】また、本発明者らは、前記特定の貯蔵弾性
率を有する粘着性微粒子(A)を含む粘着剤組成物を用
い、粘着シートとして実用する場合、表面基材と積層し
た時の水分量が10%以下であることが重要であること
を見出した。すなわち、10%を越えると、前記特定の
貯蔵弾性率を有する粘着性微粒子(A)であっても、粘
着性微粒子(A)は外圧により扁平化し易いのである。
これは、粘着剤ポリマー間に水分子が入り込み粒子内部
を可塑化させるためと考えられる。
【0020】前記粘着性微粒子(A)はそれ自体が粘着
性を有する微球粒子であり、前記条件を満たすものであ
れば、特に限定されるものではないが、得られる再剥離
型粘着剤組成物の諸物性の優秀さより、アクリル系共重
合体からなることが好ましく、下記単量体(a−1)〜
(a−3): (a−1)一般式 CH2=CHCOOR1(但し、R1
は炭素数4〜10の直鎖または分岐アルキル基を表す)
で示されるアクリル酸エステル系単量体60〜100重
量%、(a−2)カルボキシル基を有する不飽和単量体
0〜10重量%、(a−3)前記単量体(a−1)およ
び(a−2)と共重合可能なその他の不飽和単量体0〜
40重量%、を共重合してなるガラス転移温度−40℃
以下のアクリル系共重合体であることが特に好ましい。
【0021】前記(a−1)の単量体は、式CH2=C
HCOOR1で表されるアクリル酸エステルであり、そ
のR1は炭素数4〜10の直鎖もしくは分岐アルキル基
を示し、そのような基R1の例としては、n−ブチル
基、i−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシ
ル基、n−オクチル基、i−オクチル基、n−ノニル
基、i−ノニル基、n−デシル基などを挙げることがで
きる。このようなアクリル酸エステルの具体例として
は、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレー
ト、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、n−オクチルアクリレート、i−オクチル
アクリレート、n−ノニルアクリレート、i−ノニルア
クリレート、n−デシルアクリレートなどを例示でき
る。これらの中n−ブチルアクリレート、n−ヘキシル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−
オクチルアクリレート、i−オクチルアクリレート、n
−ノニルアクリレート、i−ノニルアクリレート等の使
用が好ましい。
【0022】前記単量体(a−1)であるアクリル酸エ
ステルの使用量は(a−1)〜(a−3)の合計100
重量%中、例えば、60〜100重量%、好ましくは6
5〜100重量%、特に好ましくは70〜100重量%
である。該アクリル酸エステル単量体(a−1)を前記
下限量以上使用することにより優れた接着力ならびに優
れた粘着性と優れた凝集力の良好なバランスが達成され
る。また、前記上限量以下使用することにより粘着性微
粒子(A)の分散液の機械安定性(せん断力を加えた時
の分散液の安定性)が良く、また凝集力においても優れ
ており、従って、前記使用量範囲において適宜選択利用
することにより、優れた接着力ならびに優れた粘着性と
優れた凝集力の良好なバランスが達成される。
【0023】一方、前記(a−2)のカルボキシル基を
含有する単量体としては、α,β−不飽和モノマ−もし
くはジ−カルボン酸単量体を挙げることができ、炭素数
3〜5のα,β−不飽和モノマ−もしくはジ−カルボン
酸単量体の使用が好ましい。このような単量体の具体例
としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸などを
例示できる。これらの中では、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸の使用がより好ましい。
【0024】前記単量体(a−2)の使用量は、(a−
1)〜(a−3)の合計100重量%中、例えば、0〜
10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、特に好まし
くは0.5〜5重量%である。前記単量体(a−2)の
使用量が前記下限量以上の場合には、粘着性微粒子
(A)の分散液の機械安定性および凝集力が優秀であ
り、また、前記上限量以下使用することによって粘着性
および耐水性を良好に保持できるので、前記範囲量にお
いて適当に選択利用するのがよい。さらに、粘着性およ
び凝集力のバランス、接着力の経時安定性や耐熱湿劣化
性なども考慮に入れて、必要ならば、予め実験的に好適
範囲量を前記範囲内で選択することができる。
【0025】さらに、単量体(a−1)および単量体
(a−2)と共重合可能なその他の不飽和単量体(a−
3)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピル
アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜3のアクリ
ル酸エステルを挙げることができる。また、単量体(a
−3)として、例えば、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチ
ルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類を挙げる
ことができる。また、単量体(a−3)として、例え
ば、ジメチルマレート、ジ−n−ブチルマレート、ジ−
2−エチルヘキシルマレート、ジ−n−オクチルマレー
ト、ジメチルフマレート、ジ−n−ブチルフマレート、
ジ−2−エチルヘキシルフマレート、ジ−n−オクチル
フマレート等のマレイン酸エステルもしくはフマル酸エ
ステル類を挙げることができる。また、単量体(a−
3)として、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニル等の飽和脂肪酸ビニルエステ
ル類を挙げることができる。また、単量体(a−3)と
しては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、アクリロ
ニトリルより選ばれた単量体も同様に利用できる。
【0026】さらに、単量体(a−3)として、例え
ば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメ
チルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、アミノエチルアクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,
N−ジエチルアミノエチルアクリレート、アミノエチル
メタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタク
リレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、ビニルメルカプタン、アリルメルカプタン、(ポ
リ)エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチル
グリコールジアクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート、アリルアクリレート、トリアリルシアヌレート、
トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ジ
ビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジメタク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジメタクリレート、アリルメタクリレ
ート等のアミド基もしくは置換アミド基、アミノ基もし
くは置換アミノ基、水酸基、エポキシ基、メルカプト
基、ラジカル重合性不飽和基などの官能性基を1分子中
に少なくとも1個含有する不飽和単量体(以下、官能性
単量体と称すことがある)で前記単量体(a−2)以外
の官能性単量体も必要に応じて使用できる。この他、単
量体(a−3)としては、特に制限されたものではな
く、種々の不飽和単量体を、本発明の卓越した効果が損
なわれない範囲において適宜使用できる。
【0027】前記単量体(a−3)の使用量は、(a−
1)〜(a−3)の合計100重量%中、例えば、0〜
40重量%、好ましくは0〜30重量%、特に好ましく
は0〜25重量%である。該単量体(a−3)の使用量
は、該単量体の種類によっても変わり得るので一義的に
使用量は決められないが、接着力とタックのバランスお
よびこれらと凝集力とのバランスなどを所望に応じて調
整するのに役立つので、そのような目的に合致するよう
に前記範囲量で適宜に選択するすることができる。該単
量体(a−3)の使用量が前記範囲量の上限を越えて多
量すぎると粘着性が過小となり初期接着性、特に段ボー
ルなどの粗面、ポリエチレン等のポリオレフィン系の被
着体に対しての接着力が著しく低下するので、単量体
(a−3)を使用する場合には、前記範囲内で適当に選
択利用するのがよい。
【0028】本発明の再剥離性粘着シートに用いる粘着
剤組成物は、例えば以上に詳しく述べた如き単量体組成
(a−1)〜(a−3)の合計100重量%からなるア
クリル系単量体混合物を水性懸濁重合して得られるアク
リル系共重合体の粘着性微粒子(A)を含有してなる再
剥離型粘着剤組成物であって、該アクリル系共重合体の
ガラス転移温度が−40℃以下であることが好ましい。
また、該粘着性微粒子(A)は通常0.1〜500μ
m、好ましくは1〜300μm、特に好ましくは1〜2
00μmの範囲内の粒子径を有し、その体積平均粒子径
は10〜100μm、好ましくは20〜80μm、特に
好ましくは30〜70μmである。
【0029】本発明に係る前記アクリル系共重合体のガ
ラス転移温度が−40℃を越えて高温の場合には、粘着
性が過小となり初期接着性が低下するなどの不利益があ
る。尚、本発明において、アクリル系共重合体のガラス
転移温度は示差走査熱量計(DSC)を用い測定決定さ
れた値であるが、該共重合体の調製に使用する単量体の
種類およびその単量体混合物中における重量分率から、
例えば、Lawrence E.Nielsen著 小
野木重治訳「高分子の力学的性質」(第1版第9刷,1
970年,化学同人)26〜27頁の記載に従い下記式
によって算出することができ、それによって、実際に共
重合を行う前に、得られる共重合体のおおよそのガラス
転移温度を推定することができることは当該分野ではよ
く知られていることである。 式:1/Tg=Wt1/Tg1+Wt2/Tg2+……
+Wtn/Tgn 但し前記式において、 Tg:共重合体のガラス転移温度(°K) Tg1:単量体1の単独重合体のガラス転移温度(°
K) Tg2:単量体2の単独重合体のガラス転移温度(°
K) Tgn:単量体nの単独重合体のガラス転移温度(°
K) Wt1:単量体1の重量分率 Wt2:単量体2の重量分率 Wtn:単量体nの重量分率 をそれぞれ表す。
【0030】ここで用いられる単量体の単独重合体のガ
ラス転移温度としては、例えば、J.brandru
p,E.H.Immergut編 POLYMER H
ANDBOOK,Second Edition III
−P.144〜155に記載されている値を用いること
ができる。
【0031】本発明に好適に用いられる前記アクリル系
共重合体からなる粘着性微粒子(A)は前記アクリル系
単量体混合物を水性媒体中で界面活性剤と重合開始剤、
必要ならば懸濁安定剤などの存在下に水性懸濁重合する
ことにより製造するのが好都合である。方法としては、
公知の懸濁重合法が用いられるが、例えば、水性媒体
中、界面活性剤および必要に応じて懸濁安定剤の存在下
で、重合開始剤を溶解した単量体混合物を一定時間撹拌
し所望の粒子径範囲の油滴乳化液を得た後、一定撹拌回
転数下で昇温し重合反応を開始させることができる。
【0032】前記懸濁重合時には、生じたラジカルによ
りアクリル系単量体が重合し主鎖を形成すると同時に、
生じたアクリル系共重合体とラジカルとの間のラジカル
連鎖移動反応により架橋反応が起こると考えられる。し
かし、このラジカルの連鎖移動反応は、不確定要素が大
きく、ラジカル反応の結果常に一定の架橋状態を有する
安定した品質を得るためには重合開始時の初期反応のコ
ントロールが重要であり、例えば、酸素等の重合禁止効
果のある物質存在下で前記昇温を行い、目的の温度で窒
素パージ等による置換を行うことで該初期反応のコント
ロールを行うことができる。
【0033】前記の「水性媒体中」とは水中または水溶
性有機溶剤の水溶液中を意味する。このような水溶性有
機溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチルアル
コール、イソプロピルアルコール等の水溶性アルコール
類;アセトン等の水溶性ケトン類;メチルセロソルブ、
セロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、ブチル
カルビトール等の水溶性エーテル類;等を挙げることが
できる。これらは単独または複数混合して使用可能であ
り、その使用量は、水溶性有機溶剤の濃度として0〜約
30重量%程度を例示できる。該有機溶剤は、前記アク
リル系共重合体からなる粘着性微粒子(A)のゲル分お
よび分子量を調製する目的で使用できるが、該粘着性微
粒子を含有してなる再剥離型粘着剤組成物の放置安定
性、機械安定性等の観点より、実質的にこれら有機溶剤
を含まない水中で懸濁重合を行なうのがより好ましい。
【0034】本発明において前記界面活性剤としては、
アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤をそれぞ
れ単独あるいは併用して使用でき、ことに安定に懸濁液
を製造するためには、アニオン系界面活性剤が多い方
が、好ましい。該アニオン系界面活性剤としては、例え
ば、オレイン酸ソーダ等の高級脂肪酸塩類;例えば、ド
デシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアルキルアリール
スルホン酸塩類;例えば、ラウリル硫酸ソーダ等のアル
キル硫酸エステル塩類;例えば、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル硫酸ソーダ等のポリオキシエチレンアル
キルエーテル硫酸エステル塩類;例えば、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル硫酸ソーダ等のポリオキ
シエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩
類;モノオクチルスルホコハク酸ソーダ、ジオクチルス
ルホコハク酸ソーダ、ポリオキシエチレンラウリルスル
ホコハク酸ソーダ等のアルキルスルホコハク酸エステル
塩およびその誘導体類;等を例示できる。
【0035】また、該ノニオン系界面活性剤としては、
例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオ
キシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類;例えば、ポリオキシエチレンオ
クチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル等の、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル類;例えば、ソルビタンモノラウレート、
ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレート
等のソルビタン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシ
エチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;例えば、オ
レイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセラ
イド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポ
リオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコ
ポリマー;等を例示できる。
【0036】これらの界面活性剤を重合用乳化剤として
用いる場合には、これらを適宜組み合わせて使用でき、
その使用量としては一般に前記アクリル系単量体混合物
100重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは
0.5〜5重量部程度を例示できる。
【0037】さらに、本発明において前記界面活性剤の
ほかに必要に応じて懸濁安定剤を使用できる。該懸濁安
定剤としては、水溶性保護コロイドの使用が好ましく、
例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化
ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等の
ポリビニルアルコール(以下、PVAと称すことがあ
る)類;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩等のセ
ルロース誘導体類;等が挙げられる。
【0038】該水溶性保護コロイドの使用量としては一
般に前記アクリル系単量体混合物100重量部に対して
0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部程度を
例示できる。
【0039】本発明に好適に用いられる前記アクリル系
共重合体からなる粘着性微粒子(A)は前記アクリル系
単量体混合物を水性媒体中で前記界面活性剤と重合開始
剤必要に応じて前記懸濁安定剤などの存在下に水性懸濁
重合することにより得られる。
【0040】本発明において前記重合開始剤としては、
ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパー
オキシビバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’
−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−ア
ゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−
アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル、2,2’−アゾビスメチルイソブチレート等の油
溶性重合開始剤の使用が好ましい。該油溶性重合開始剤
の使用量は前記アクリル系単量体混合物100重量部に
対して0.1〜1.2重量部、好ましくは0.2〜1.
0重量部、特に好ましくは0.3〜0.8重量部であ
る。
【0041】前記油溶性重合開始剤の使用量が前記下限
量以上の場合には、重合開始時の初期反応をコントロー
ルし易く、一定の架橋状態を有する安定した品質が得ら
れ、また、前記上限量以下を使用すると分子量が低くな
り過ぎる等の不具合が生ずることがないので好ましい。
【0042】さらに、また、水性懸濁重合に際して、所
望により、連鎖移動剤を使用でき、かかる連鎖移動剤と
しては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデ
シルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、2−メル
カプトエタノール、2−エチルヘキシルチオグリコレー
ト、トリクロロブロモメタン等を挙げることができる。
その使用量としては前記アクリル系単量体混合物100
重量部に対して例えば0.001〜0.01重量部の如
き使用量を例示できる。
【0043】本発明の再剥離性粘着シートの用いる粘着
剤層に含有される粘着性微粒子(A)は、前述の貯蔵弾
性率を得るために、粘着性微粒子(A)のゲル分が70
〜95%、およびかつTHF可溶成分の重量平均分子量
Mwが100000〜500000、且つ該Mw/数平
均分子量Mnが4〜12である方が好ましい。このよう
な要件を満足させるための粘着性微粒子の製造方法とし
ては、特に限定されるものでなく、前述の如き方法にお
いて、多種の重合条件を適宜選択し、これらを組み合わ
せて行うことができる。
【0044】本発明の再剥離性粘着シートの用いる粘着
剤層に含有される粘着性微粒子(A)は、基材に物理的
に固着する結合剤として、さらに、該粘着性微粒子
(A)の分散安定性を向上せしめる目的で、バインダー
(B)を使用する。
【0045】前記バインダー(B)は前記粘着性微粒子
(A)を基材に物理的に固着する結合剤としての機能を
有しているものであれば特に限定されるものではない
が、得られる再剥離型粘着剤組成物の諸物性の優秀さよ
り、下記単量体(b−1)〜(b−3)、(b−1)一
般式 CH2=CR2COOR3(但し、R2はHまたはC
3、R3炭素数1〜12の直鎖または分岐アルキル基を
表す)で示される(メタ)アクリル酸エステル系単量体
50〜100重量%、(b−2)カルボキシル基を有す
る不飽和単量体0〜10重量%、(b−3)前記単量体
(b−1)および(b−2)と共重合可能なその他の不
飽和単量体0〜50重量%、を共重合してなるアクリル
系共重合体であることが好ましく、さらに該アクリル系
共重合体のガラス転移温度が−40℃〜60℃であるこ
とが特に好ましい。
【0046】前記(b−1)の単量体は、式CH2=C
2COOR3 で表される(メタ)アクリル酸エステル
であり、そのR2は水素またはメチル基であり、そのR3
は炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基を示
し、そのような基R3の例としては、メチル基、エチル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n
−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル
基、i−オクチル基、n−ノニル基、i−ノニル基、n
−デシル基、n−ドデシル基などを挙げることができ
る。このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例と
しては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−
ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、n−オクチル(メタ)アクリレート、i−オクチル
(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレー
ト、i−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メ
タ)アクリレートなどを例示できる。
【0047】前記単量体(b−1)である(メタ)アク
リル酸エステルの使用量は(b−1)〜(b−3)の合
計100重量%中、例えば、50〜99.9重量%、好
ましくは55〜99.8重量%、特に好ましくは60〜
99.5重量%である。該(メタ)アクリル酸エステル
単量体(b−1)を前記下限量以上使用することにより
前記バインダー(B)は、前記粘着性微粒子(A)と優
れた相溶性ならびに優れた基材密着性を有し、また、前
記上限量以下使用することにより該バインダー(B)の
機械安定性が良く、従って、前記使用量範囲において適
宜選択利用することにより、結合剤として優れた機能を
有し、得られる再剥離型粘着剤組成物の諸物性が優秀な
ものとなる。
【0048】一方、前記(b−2)のカルボキシル基を
含有する単量体としては、前述した前記(a−2)の単
量体を挙げることができ、アクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸の使用が好ましい。
【0049】前記単量体(b−2)の使用量は、(b−
1)〜(b−3)の合計100重量%中、例えば、0〜
10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、特に好まし
くは0.5〜5重量%である。前記単量体(b−2)の
使用量が前記下限量以上の場合には、前記バインダー
(B)の機械安定性および前記粘着性微粒子(A)の分
散液との混和安定性が優秀であり、また、前記上限量以
下使用することによって耐水性を良好に保持できるの
で、前記範囲量において適当に選択利用するのがよい。
【0050】さらに、単量体(b−1)および単量体
(b−2)と共重合可能なその他の不飽和単量体(b−
3)としては、例えば、ジメチルマレート、ジ−n−ブ
チルマレート、ジ−2−エチルヘキシルマレート、ジ−
n−オクチルマレート、ジメチルフマレート、ジ−n−
ブチルフマレート、ジ−2−エチルヘキシルフマレー
ト、ジ−n−オクチルフマレート等のマレイン酸エステ
ルもしくはフマル酸エステル類を挙げることができる。
【0051】また、単量体(b−3)として、例えば、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニ
ル等の飽和脂肪酸ビニルエステル類を挙げることができ
る。また、単量体(b−3)としては、例えば、スチレ
ン、ビニルトルエン、アクリロニトリルより選ばれた単
量体も同様に利用できる。さらに、前記(a−3)の単
量体で例示した官能性単量体で前記単量体(b−2)以
外の官能性単量体も必要に応じて使用できる。この他、
単量体(b−3)としては、特に制限されたものではな
く、種々の不飽和単量体を、本発明の卓越した効果が損
なわれない範囲において適宜使用できる。
【0052】前記単量体(b−3)の使用量は、(b−
1)〜(b−3)の合計100重量%中、例えば、0〜
50重量%、好ましくは0〜40重量%、特に好ましく
は0〜35重量%である。
【0053】前記バインダー(B)は、例えば以上に詳
しく述べた如き単量体組成(b−1)〜(b−3)の合
計100重量%からなるアクリル系単量体混合物を水性
乳化重合して得られるアクリル系共重合体の水性分散物
であって、該アクリル系共重合体のガラス転移温度が−
40℃〜60℃であることが好ましい。また、該水性分
散物の平均粒子径は通常0.01〜1μm、好ましくは
0.05〜0.5μmである。該アクリル系共重合体の
ガラス転移温度が−40℃未満であると再剥離性が劣
り、一方、60℃を越えると接着性が乏しくなる。
【0054】このような前記アクリル系共重合体の水性
分散物の好適な製造方法としては、例えば、前記(b−
1)〜(b−3)の単量体混合物を、適当な界面活性剤
を重合用乳化剤として用いて、水性媒体中で乳化共重合
する様態を挙げられる。界面活性剤としては、前述の如
きアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤をそれ
ぞれ単独あるいは併用して使用でき、さらに、乳化重合
に際しては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類、前述の如き
有機過酸化物類、過酸化水素などの重合開始剤を使用で
きる。また、水性乳化重合に際して、所望により、還元
剤を併用できる。
【0055】本発明に係る前記バインダー(B)は前記
粘着性微粒子(A)に対してその固形分重量比でA/B
は100/0〜60/40、好ましくは95/5〜65
/35、特に好ましくは95/5〜70/30として使
用できる。該バインダー(B)の使用量が40重量%を
越えると接着性がやや劣る。本発明では、粘着性能を改
善するためにバインダー(B)を前記範囲で適宜用い
る。また、前記バインダー(B)は1種類または、必要
に応じて適宜2種類以上組み合わせて使用できる。
【0056】本発明の再剥離性粘着シートに用いる粘着
性微球粒子(A)を含有する粘着剤層は、さらに可塑剤
(C)およびまたはタッキファイヤー(D)を含有する
ことができる。該可塑剤(C)およびまたはタッキファ
イヤー(D)は本発明の粘着性微球粒子(A)を含有す
る粘着剤層の初期接着性、特に軽圧着条件下での段ボー
ル等の粗面被着体、ポリエチレン等の非極性被着体に対
する接着性を向上せしめる目的で使用される。
【0057】本発明に用いることのできる可塑剤(C)
としては、例えば、トリブチルホスフェート、トリ−n
−オクチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルフ
ォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリクレ
ジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェー
ト、オクチルジフェニルフォスフェート、トリブトキシ
エチルフォスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;例
えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ
−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフ
タレート、ジ−i−ノニルフタレート、オクチルデシル
フタレート、ジ−i−デシルフタレート、ブチルベンジ
ルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;例えば、
ジブチルアジペート、ジ−n−ヘキシルアジペート、ジ
−n−オクチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルア
ジペート、ジ−n−オクチルアゼテート、ジブチルセバ
ケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等の脂肪酸
二塩基酸エステル系可塑剤;ナフテン系プロセスオイ
ル、パラフィン系オイル等のオイル、界面活性剤系可塑
剤などを挙げることができ、前記粘着性微粒子(A)を
可塑化する可塑剤としての機能を有しているものであれ
ば特に限定されるものでないが、得られる再剥離性粘着
シートの再剥離性および諸物性の優秀さより、構造的に
一定の大きさの親水基、疎水基を分子内に持つ両親媒性
の化合物が好ましく、下記一般式(1)で示される可塑
剤であることが特に好ましい。 R4−O(CH2−CH2−O−)n −Y …(1) (但し、R4は炭素数8〜18のアルキル基、炭素数1
0〜18のアルケニル基、または、炭素数10〜30の
アルキルフェニル基もしくはジアルキルフェニル基;Y
はH、炭素数8〜18のアルキル基、炭素数10〜18
のアルケニル基、または、炭素数10〜30のアルキル
フェニル基もしくはジアルキルフェニル基;nは3〜8
0の自然数である。)
【0058】このような可塑剤としては、例えば、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエー
テル、ポリオキシエチレンジ(ステアリル)エーテル等
のポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエー
テル類;例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンジ(ノニル)フェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンジ(ノニルフェニル)エーテル
等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル
類;等を挙げることができる。
【0059】これらの可塑剤のうち、水に対する溶解
性、粘着性微球粒子(A)との相溶性の観点から、前記
nの値が3〜80、好ましくは4〜50、特に好ましく
は6〜20程度のものであり、HLB(Hydroph
ile−Lipophile Balance;親水
性、疎水性の強さのバランスを示す尺度)は6〜18、
好ましくは8〜15、特に好ましくは9〜14程度のも
のを選択することができる。
【0060】本発明に用いることのできるタッキファイ
ヤー(D)としては、石油樹脂、天然樹脂またはそれら
の誘導体を挙げることができる。該石油樹脂、天然樹脂
またはそれらの誘導体としては、例えば、ポリテルペン
系樹脂、テルペン変性体等のテルペン系樹脂;例えば、
脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン樹脂、C5
系石油樹脂、芳香族系石油樹脂等の石油系樹脂;例え
ば、ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル等の
ロジン系樹脂;その他、フェノール樹脂、スチレン樹
脂、キシレン樹脂等を例示することができる。特に、石
油系樹脂、ロジン系樹脂またはテルペン系樹脂の使用が
好ましい。
【0061】本発明に用いることのできるタッキファイ
ヤー(D)の軟化点は、70〜180℃、好ましくは1
00〜160℃、特に好ましくは120〜150℃であ
り、その重量平均分子量(Mw)が、5000以下、特
には2000〜4000であることが望ましい。
【0062】本発明に用いることのできるタッキファイ
ヤー(D)は水系媒体中においては分散液として安定に
分散されるものであることが望ましく、分散粒子の平均
粒子径は、0.4μm以下であることが好ましく、0.
05〜0.35μmであることが特に好ましい。
【0063】本発明に係る上記可塑剤(C)および上記
タッキファイヤー(D)は前記粘着性微球粒子(A)に
対してその固形分重量比でそれぞれA/Cは99.9/
0.1〜80/20、好ましくは99.5/0.5〜8
5/15で、A/Dは99.9/0.1〜80/20、
好ましくは99.5/0.5〜85/15で使用するこ
とができる。
【0064】前記架橋剤(E)は前記粘着性微粒子
(A)のゲル分および分子量調整の他、該粘着性微粒子
の結合剤との密着性、基材への密着性を向上せしめる目
的つまり粘着剤の凝集力、粘着剤と基材の投錨力を高め
ることにより再剥離性を向上させる目的で使用される。
【0065】前記架橋剤(E)は前記粘着性微粒子
(A)およびバインダー(B)中に含まれる官能性基と
反応する基を一分子中に二個以上有するものであれば特
に限定されるものではないが、粘着剤組成物中に硬化剤
を添加してしばらくすると粘着剤と反応してゲル化した
り、凝集物が発生するものは好ましくない。すなわち、
架橋剤は、水性分散体である粘着剤組成物中では化学的
に安定(貯蔵安定性があるもの)であり、粘着剤塗工時
に分散媒が揮発、もしくは粘着剤組成物を乾燥させるた
めの熱エネルギーなどの手段により不可逆的に架橋する
ことが望ましい。
【0066】このような架橋剤の具体例としては、例え
ば一分子中にオキサゾリン基を二個以上含有するオキサ
ゾリン系架橋剤、エポキシ基を二個以上有するポリグリ
シジル化合物または多価アルコールのグリシジルエーテ
ルやヒドラジド系架橋剤やポリカルボジイミド系架橋剤
などが挙げられるが、エポクロスWS−300、エポク
ロスWS−500、エポクロスWS−700、エポクロ
スK−1010E、エポクロスK−1020E、エポク
ロスK−1030E(全て(株)日本触媒製)などの一
分子中にオキサゾリン基を二個以上含有するオキサゾリ
ン基含有水溶性ポリマーが得られる諸物性の優秀さから
特に好ましい。
【0067】本発明に係る前記架橋剤(E)は前記粘着
性微粒子(A)に対してその固形分重量比でA/Eは9
9.99/0.01〜95/5、好ましくは99.95
/0.05〜97/5、特に好ましくは99.9/0.
1〜97/3で使用できる。
【0068】本発明の再剥離性粘着シートに用いる粘着
剤は、例えば前記の懸濁重合により得られた粘着性微球
粒子(A)の水性分散液にアクリル系水性エマルション
(B)、可塑剤(C)およびまたはタッキファイヤー
(D)、架橋剤(E)等を添加し、また、必要に応じて
他の助剤を添加混合し、水性塗工液として作製すること
ができる。他の助剤としては、増粘剤、pH調整剤、消
泡剤、防腐防黴、顔料、無機充填剤、安定剤、濡れ剤、
湿潤剤等を挙げることができる。
【0069】かくして得られた本発明の再剥離性粘着シ
ートに用いる粘着剤の水性塗工液は一般に、固形分含有
量10〜60重量%、好ましくは15〜50重量%、さ
らに好ましくは20〜45重量%であり、B型回転粘度
計による20℃、60rpmにおける粘度が100〜1
0000cps、好ましくは500〜5000cpsさ
らに好ましくは1000〜3000cps、pH4〜
8.5、好ましくはpH6〜8.5、さらに好ましくは
pH6.5〜8.5である。特に前記架橋剤(E)がオ
キサゾリン基含有水溶性ポリマーの場合、硬化性と塗工
液の安定性の観点からpH調整剤をアンモニア水とする
ことが好ましく、pH7〜8.5、特にはpH7.5〜
8.5とすることが好ましい。
【0070】次に、本発明の再剥離性粘着シートの表面
基材には、一般のものが使用できる。例えば、上質紙、
アート紙、コート紙、キャスト紙等の印刷用紙、感熱記
録用紙、熱転写記録用紙、静電記録用紙、インクジェッ
ト記録用紙等の情報記録用紙、その他クラフト紙、含浸
紙、低サイズ紙、水溶紙等の紙基材、また、PETフィ
ルム、PEフィルム、PPフィルムや合成紙、不織布等
のフィルム基材が挙げられ、これら基材単独、または、
粘着剤との密着性を向上させる目的でアンカー層を積層
した基材を使用できる。
【0071】また、本発明の粘着剤組成物を基材側(基
材の裏面)へ直接塗工する場合は、塗工時の粘着剤のし
み込みによる皺抑制の目的で目止め層を積層した基材が
好ましい。また、感熱記録紙や各種フィルムの如く熱に
影響を受ける基材の場合は、耐熱性の高いグレードを選
択することや、低温乾燥で対応することが好ましい。な
お、前記のアンカー層や目止め層は特に限定はなく、例
えば、カゼイン、デキストリン、澱粉、カルボキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、
スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート
−ブタジエン共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステ
ル共重合体等の天然または合成樹脂および/または顔料
を主成分とした材料を、乾燥重量で0.1〜10g/m
2程度設けることができる。また、前記顔料としては、
カオリン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、焼成カオ
リン、デラミカオリン、二酸化チタン、水酸化アルミニ
ウム、シリカ、ホワイトカーボン等の無機顔料、或いは
ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ーホルマリン樹脂微粒
子、微小中空粒子等の有機合成顔料等を用いることがで
きる。
【0072】次に、本発明の再剥離性粘着シートの剥離
シートには、一般のものが使用できる。剥離紙基材とし
ては、例えば、ポリエチレン等のラミネート紙、グラシ
ン紙、クレーコート紙、またはグラシン紙やクラフト紙
または上質紙等に目止め層として、例えばカゼイン、デ
キストリン、澱粉、カルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合
体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、アクリル酸エステル共重合体等の天然ま
たは合成樹脂およびまたは顔料とを主成分とした目止め
層を、乾燥重量で0.1〜10g/m2程度設けた基紙
や、PETフィルム、PEフィルム、PPフィルムや合
成紙、不織布等のフィルム基材が挙げられる。
【0073】前記顔料としては、カオリン、炭酸カルシ
ウム、クレー、タルク、焼成カオリン、デラミカオリ
ン、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、ホワ
イトカーボン等の無機顔料、或いはポリスチレン樹脂微
粒子、尿素ーホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子等の
有機合成顔料等を用いることができる。剥離剤としては
一般のものが使用でき、例えば、水分散型、溶剤型ある
いは無溶剤型のシリコーン樹脂やフッ素樹脂等が使用で
き、前記剥離基材に乾燥重量で0.05〜3g/m 2
度塗被後、熱硬化、電離放射線硬化等によって剥離層を
形成し、剥離シートを得られる。
【0074】本発明の再剥離性粘着シートの製造方法
は、通常直接法、即ち表面基材裏面上に粘着剤組成物を
塗被、乾燥して粘着剤層を設け、次いで剥離シートと貼
合する方法で仕上げられる。この場合の表面基材裏面へ
直接粘着剤を塗布するのは、粘着剤表面に粘着性微粒子
(A)が形成する物理的な凹凸面を得るためであり、一
旦剥離シート上に粘着剤組成物を塗被、乾燥し、表面基
材と貼合する転写法でも、塗工方法や製造後の粘着シー
トの養生方法により、前記直接法で得られる粘着剤層表
面と同様な面が得られれば問題なく、直接法、転写法に
限定はされない。
【0075】さらに、本発明の再剥離性粘着シートで特
に重要なのは、粘着剤層を積層した表面基材の含水分量
が10%以下で製造することである。本発明者らは、粘
着性微粒子(A)を含有する粘着剤層を乾燥する条件を
種々検討し、前記水分量であることが、本発明の再剥離
性粘着シートの品質(良好な、接着性、再剥離性、再貼
着性)を得るための要件であることを見出した。因み
に、粘着剤層を積層した表面基材の含水分量が10%を
越えると、粘着性微粒子(A)の圧力に対する強度が低
下し、例えば、巻き取り製品仕上げ後、長時間保存する
と、その巻圧の影響で、粘着性微粒子(A)が扁平化し
てしまい、接着性、再剥離性、再貼着性が低下する。こ
の場合の粘着性微粒子(A)の強度低下は、粘着性微粒
子(A)内部の過剰な水分が可塑剤的に作用し、複雑に
絡み合った粘着剤組成ポリマー間の内部結合力を低下さ
せるためと考えられる。
【0076】したがって、本発明の再剥離性粘着シート
を製造する場合、粘着剤層を積層した表面基材の含水分
量を管理することが要件となる。因みに、粘着シート製
造後保管する場合や、ラベルとして被着体へ貼付後も、
前記の粘着剤層を積層した表面基材の含水分量を10%
以下に保つ必要がある。一方、粘着剤層を積層した表面
基材の含水分量が3%未満の場合、粘着品質は問題ない
が、再剥離性粘着シートのカールが悪くなり商品価値を
損なうため好ましくない。ちなみに、水分はJIS−P
−8127に準じて測定する。
【0077】次に、本発明の粘着性微粒子(A)を含有
する粘着剤組成物を表面基材、または剥離シートへ塗被
する装置としては、例えばロールコーター、リバースロ
ールコーター、ナイフコーター、エアーナイフコータ
ー、バーコーター、スロットダイコーター、リップコー
ター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター等
の一般の塗被装置が挙げられ、また、スクリーン印刷、
グラビア印刷等の印刷機でも製造することができる。
【0078】粘着剤組成物の塗工量は、乾燥重量で3〜
30g/m2程度の範囲で調節される。ちなみに、3g
/m2未満では、得られる粘着シートの接着性能が不十
分となり、一方30g/m2を越えると品質的に飽和
し、経済上の点から好ましくない。
【0079】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれらに限定されるものでは
ない。また例中の部、割合、塗工量等は特に断わらない
限り、全て固形分重量で示すものである。
【0080】実施例1 <粘着性微粒子(A)含有液の製造>温度計、撹拌機、
窒素導入管および還流冷却器を備えた反応器にイオン交
換水730重量部、予め溶解しておいた5重量%濃度の
部分ケン化ポリビニルアルコール131重量部、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルソ
ーダ塩型アニオン系界面活性剤水溶液(不揮発分27重
量%)を13重量部仕込み充分撹拌した。次に2−エチ
ルヘキシルアクリレート(以下2EHAと略称すること
がある)320重量部、メタクリル酸(以下MAAと略
称することがある)6.5重量部、過酸化ベンゾイル
(以下BPOと略称することがある)1.5重量部を別
の容器にて撹拌溶解した。次いでこの単量体混合液を先
に準備された反応器中の水溶液に添加して撹拌した。撹
拌500rpm前後で1時間撹拌した後昇温開始する。
内温が約70℃となったら窒素による置換を行った。7
5〜80℃で重合反応が始まり、急激に90℃前後まで
発熱した。冷却し80℃を保持し5時間反応を行った。
その後生成した水性懸濁重合液を30℃まで冷却させ2
5%アンモニア水を約0.7重量部添加しpH8〜9と
した。得られた水性懸濁重合液および粘着性微粒子の物
性値は、40℃における貯蔵弾性率は330000dy
ne/cm2、固形分濃度が28.0%、平均粒子径が
50μmであった。
【0081】<バインダー(B)含有液の製造>温度
計、撹拌機、窒素導入管および還流冷却器を備えた反応
器にイオン交換水330重量部を仕込み内温を80℃に
昇温させる。一方、別の容器にイオン交換水195重量
部並びにポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
硫酸エステルソーダ塩型アニオン系界面活性剤水溶液
(不揮発分27重量%)を66重量部を仕込み撹拌して
溶解し、次いでこれに2EHA297重量部、メタクリ
ル酸メチル(以下、MMAと略称することがある)29
7重量部、アクリル酸(以下、AAと略称することがあ
る)6重量部よりなる単量体混合物を加えて撹拌し、単
量体乳化液を得た。反応器の内容物を窒素気流下に撹拌
しながら加熱し、反応器内の水温が80℃に達した時点
で重合開始剤および還元剤として過硫酸アンモニウムお
よびメタ重亜硫酸ソーダ各々0.4重量部添加した後、
単量体乳化液および8%重量濃度の過硫酸アンモニウム
水溶液60重量部を逐次添加して重合開始させ、80℃
で約3時間重合反応を行った。重合反応終了後、同温度
で約1時間撹拌を継続してから冷却し、25%アンモニ
ア水を4重量部添加してpH調整しアクリル系水性エマ
ルジョンを得た。この水性エマルジョンは固形分濃度5
0.3重量%、pH7.5、粘度60cps(25℃、
BH型回転粘度計20rpm)、平均粒子径0.2μm
であり、共重合体のTgは−4℃であった。
【0082】<再剥離型粘着剤組成物の調整>粘着性微
粒子(A)含有液を357重量部(粘着性微粒子(A)
の固形分重量約100重量部)にバインダー(B)含有
液を30重量部(バインダー(B)の固形分重量約15
重量部)を添加し、次いで増粘剤およびアンモニア水を
添加して固形分濃度29.5%、pH7.6、粘度約1
600cps(25℃、BL型回転粘度計60rpm)
の再剥離型粘着剤組成物を得た。
【0083】<再剥離性粘着シートの作製>基材は、上
質紙81.4g/m2(王子製紙製)を用い、コンマコ
ーターにて乾燥後の粘着剤塗工量が15g/m2であ
り、粘着剤層を含む基材の水分が5%となるように、粘
着剤を基材に直接塗工、乾燥したのち粘着剤塗布面と剥
離紙剥離剤塗布面を貼り合わせて再剥離性粘着シートを
得た。
【0084】実施例2 <粘着性微粒子(A)含有液の製造>実施例1と同様に
して粘着性微粒子(A)含有液を得た。
【0085】<バインダー(B)含有液の製造>実施例
1と同様にしてバインダー(B)含有液を得た。
【0086】<再剥離型粘着剤組成物の調整>実施例1
と同様にして再剥離型粘着剤組成物を得た。
【0087】<再剥離性粘着シートの作製>粘着剤層を
含む基材の水分が10%となる以外は、実施例1と同様
にして再剥離性粘着シートを得た。
【0088】実施例3 <粘着性微粒子(A)含有液の製造>実施例1におい
て、2EHA320重量部、MAA6.5重量部、BP
O1.2重量部を用いる代わりに、2EHA320重量
部、MAA6.5重量部、BPO2.2重量部、ジビニ
ルベンゼン(DVB)0.16重量部を用いる以外は実
施例1と同様にして水性懸濁重合液を得た。得られた水
性懸濁重合液および粘着性微粒子の物性値は、40℃に
おける貯蔵弾性率が480000dyne/cm2、固
形分濃度が28.0%、平均粒子径が45μmであっ
た。
【0089】<バインダー(B)含有液の製造>実施例
1と同様にしてバインダー(B)含有液を得た。
【0090】<再剥離型粘着剤組成物の調整>粘着性微
粒子(A)含有液を357重量部(粘着性微粒子(A)
の固形分重量約100重量部)にバインダー(B)含有
液を30重量部(バインダー(B)の固形分重量約15
重量部)、可塑剤としてポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル(付加モル数10.5、HLB12)8重
量部を添加し、次いで増粘剤およびアンモニア水を添加
して固形分濃度30.8%、pH7.6、粘度約163
0cps(25℃、BL型回転粘度計60rpm)の再
剥離型粘着剤組成物を得た。
【0091】<再剥離性粘着シートの作製>粘着剤層を
含む基材の水分が7.5%となる以外は、実施例1と同
様にして再剥離性粘着シートを得た。
【0092】実施例4 <粘着性微粒子(A)含有液の製造>実施例1におい
て、2EHA320重量部、MAA6.5重量部、BP
O1.2重量部を用いる代わりに、2EHA294重量
部、MAA6.5重量部、BPO1.5重量部を用いる
以外は実施例1と同様にして水性懸濁重合液を得た。得
られた水性懸濁重合液および粘着性微粒子の物性値は、
40℃における貯蔵弾性率が550000dyne/c
2、固形分濃度が28.0%、平均粒子径が40μm
であった。
【0093】<バインダー(B)含有液の製造>実施例
1と同様にしてバインダー(B)含有液を得た。
【0094】<再剥離型粘着剤組成物の調整>粘着性微
粒子(A)含有液を357重量部(粘着性微粒子(A)
の固形分重量約100重量部)にバインダー(B)含有
液を30重量部(バインダー(B)の固形分重量約15
重量部)を添加し、次いで増粘剤およびアンモニア水を
添加して固形分濃度29.5%、pH7.8、粘度約1
580cps(25℃、BL型回転粘度計60rpm)
の再剥離型粘着剤組成物を得た。
【0095】<再剥離性粘着シートの作製>粘着剤層を
含む基材の水分が3%となる以外は、実施例1と同様に
して再剥離性粘着シートを得たが、粘着シートのカール
が悪いものとなった。
【0096】実施例5 <粘着性微粒子(A)含有液の製造>実施例3と同様に
して粘着性微粒子(A)含有液を得た。
【0097】<バインダー(B)含有液の製造>実施例
1と同様にしてバインダー(B)含有液を得た。
【0098】<再剥離型粘着剤組成物の調整>粘着性微
粒子(A)含有液を357重量部(粘着性微粒子(A)
の固形分重量約100重量部)にバインダー(B)含有
液を30重量部(バインダー(B)の固形分重量約15
重量部)、可塑剤としてポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル(付加モル数10.5、HLB12)8重
量部を添加し、次いで増粘剤およびアンモニア水を添加
して固形分濃度30.9%、pH7.6、粘度約160
0cps(25℃、BL型回転粘度計60rpm)の再
剥離型粘着剤組成物を得た。
【0099】<再剥離性粘着シートの作製>実施例1と
同様にして再剥離性粘着シートを得た。
【0100】実施例6 <粘着性微粒子(A)含有液の製造>実施例1と同様に
して粘着性微粒子(A)含有液を得た。
【0101】<再剥離型粘着剤組成物の調整>粘着性微
粒子(A)含有液を357重量部(粘着性微粒子約10
0重量部)に可塑剤としてポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル(付加モル数10.5、HLB12)5
重量部を添加し、次いで増粘剤およびアンモニア水を添
加して固形分濃度28.8%、pH7.6、粘度約15
50cps(25℃、BL型回転粘度計60rpm)の
再剥離型粘着剤組成物を得た。
【0102】<再剥離性粘着シートの作製>実施例1と
同様にして再剥離性粘着シートを得た。
【0103】実施例7 <粘着性微粒子(A)含有液の製造>実施例1と同様に
して粘着性微粒子(A)含有液を得た。
【0104】<バインダー(B)含有液の製造>実施例
1と同様にしてバインダー(B)含有液を得た。
【0105】<再剥離型粘着剤組成物の調整>粘着性微
粒子(A)を357重量部(粘着性微粒子約100重量
部)にバインダー(B)を30重量部(バインダー
(B)の固形分重量約15重量部)、可塑剤としてポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキ
サイドの平均付加モル数(n=10.5)、HLB=1
2)を10重量部(固形重量約5重量部)、タッキファ
イヤーとして石油系炭化水素樹脂水性分散液(固形分5
0重量%、軟化点125℃、平均粒子径0.3μ)4重
量部(固形重量約2重量部)を添加し、次いでアルカリ
増粘剤およびアンモニア水を添加して固形分濃度30.
6%、pH7.5、粘度約1750cps(25℃、B
L型回転粘度計60rpm)の再剥離型粘着剤組成物を
得た。
【0106】<再剥離性粘着シートの作製>実施例1と
同様にして再剥離性粘着シートを得た。
【0107】実施例8 <粘着性微粒子(A)含有液の製造>実施例1と同様に
して粘着性微粒子(A)含有液を得た。
【0108】<バインダー(B)含有液の製造>実施例
1と同様にしてバインダー(B)含有液を得た。
【0109】<再剥離型粘着剤組成物の調整>粘着性微
粒子(A)含有液を357重量部(粘着性微粒子(A)
の固形分重量約100重量部)にバインダー(B)含有
液を30重量部(バインダー(B)の固形分重量約15
重量部)、架橋剤としてオキサゾリン基含有ポリマー水
溶液(固形分濃度40重量%、オキサゾリン基濃度4.
5mmol/g・solid、オキサゾリン等量220
g・solid/eq)を5重量部(固形重量約2重量
部)を添加し、次いで増粘剤およびアンモニア水を添加
して固形分濃度29.7%、pH7.7、粘度約162
0cps(25℃、BL型回転粘度計60rpm)の再
剥離型粘着剤組成物を得た。
【0110】<再剥離性粘着シートの作製>実施例1と
同様にして再剥離性粘着シートを得た。
【0111】実施例9 <粘着性微粒子(A)含有液の製造>実施例1と同様に
して粘着性微粒子(A)含有液を得た。
【0112】<バインダー(B)含有液の製造>実施例
1と同様にしてバインダー(B)含有液を得た。
【0113】<再剥離型粘着剤組成物の調整>粘着性微
粒子(A)含有液を357重量部(粘着性微粒子(A)
の固形分重量約100重量部)にバインダー(B)含有
液を40重量部(バインダー(B)の固形分重量約20
重量部)、可塑剤としてポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数
(n=10.5)、HLB=12)を10重量部(固形
重量約5重量部)、架橋剤としてオキサゾリン基含有ポ
リマー水溶液(固形分濃度40重量%、オキサゾリン基
濃度4.5mmol/g・solid、オキサゾリン等
量220g・solid/eq)を5重量部(固形重量
約2重量部)を添加し、次いで増粘剤およびアンモニア
水を添加して固形分濃度31.1%、pH7.5、粘度
約1590cps(25℃、BL型回転粘度計60rp
m)の再剥離型粘着剤組成物を得た。
【0114】<再剥離性粘着シートの作製>実施例1と
同様にして再剥離性粘着シートを得た。
【0115】比較例1 <粘着性微粒子(A)含有液の製造>実施例1におい
て、2EHA320重量部、MAA6.5重量部、BP
O1.2重量部を用いる代わりに、2EHA320重量
部、MAA3.2重量部、n−ドデシルメルカプタン
(NDM)0.16重量部、BPO0.8重量部を用い
る以外は実施例1と同様にして水性懸濁重合液を得た。
得られた水性懸濁重合液および粘着性微粒子の物性値
は、40℃における貯蔵弾性率が240000dyne
/cm2、固形分濃度が27.8%、平均粒子径が41
μmであった。
【0116】<バインダー(B)含有液の製造>実施例
1と同様にしてバインダー(B)含有液を得た。
【0117】<再剥離型粘着剤組成物の調整>粘着性微
粒子(A)含有液を357重量部(粘着性微粒子(A)
の固形分重量約100重量部)にバインダー(B)含有
液を30重量部(バインダー(B)の固形分重量約15
重量部)を添加し、次いで増粘剤およびアンモニア水を
添加して固形分濃度29.4%、pH7.6、粘度約1
560cps(25℃、BL型回転粘度計60rpm)
の再剥離型粘着剤組成物を得た。
【0118】<再剥離性粘着シートの作製>実施例1と
同様にして再剥離性粘着シートを得た。
【0119】比較例2 <粘着性微粒子(A)含有液の製造>実施例1におい
て、2EHA320重量部、MAA6.5重量部、BP
O1.2重量部を用いる代わりに、2EHA294重量
部、メチルメタクリレート(MMA)26重量部、MA
A6.5重量部、DVB0.32重量部、BPO2.5
重量部を用いる以外は実施例1と同様にして水性懸濁重
合液を得た。得られた水性懸濁重合液および粘着性微粒
子の物性値は、40℃における貯蔵弾性率が62000
0dyne/cm2、固形分濃度が27.9%、平均粒
子径が37μmであった。
【0120】<バインダー(B)含有液の製造>実施例
1と同様にしてバインダー(B)含有液を得た。
【0121】<再剥離型粘着剤組成物の調整>粘着性微
粒子(A)含有液を357重量部(粘着性微粒子(A)
の固形分重量約100重量部)にバインダー(B)含有
液を30重量部(バインダー(B)の固形分重量約15
重量部)を添加し、次いで増粘剤およびアンモニア水を
添加して固形分濃度29.4%、pH7.5、粘度約1
520cps(25℃、BL型回転粘度計60rpm)
の再剥離型粘着剤組成物を得た。
【0122】<再剥離性粘着シートの作製>実施例1と
同様にして再剥離性粘着シートを得た。
【0123】比較例3 <粘着性微粒子(A)含有液の製造>比較例2と同様に
して粘着性微粒子(A)含有液を得た。
【0124】<バインダー(B)含有液の製造>実施例
1と同様にしてバインダー(B)含有液を得た。
【0125】<再剥離型粘着剤組成物の調整>粘着性微
粒子(A)含有液を357重量部(粘着性微粒子(A)
の固形分重量約100重量部)にバインダー(B)含有
液を30重量部(バインダー(B)の固形分重量約15
重量部)、可塑剤としてポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数
(n=10.5)、HLB=12)を16重量部(固形
分重量約8重量部)を添加し、次いで増粘剤およびアン
モニア水を添加して固形分濃度30.8%、pH7.
5、粘度約1550cps(25℃、BL型回転粘度計
60rpm)の再剥離型粘着剤組成物を得た。
【0126】<再剥離性粘着シートの作製>実施例1と
同様にして再剥離性粘着シートを得た。
【0127】比較例4 <粘着性微粒子(A)含有液の製造>実施例1と同様に
して粘着性微粒子(A)含有液を得た。
【0128】<バインダー(B)含有液の製造>実施例
1と同様にしてバインダー(B)含有液を得た。
【0129】<再剥離型粘着剤組成物の調整>実施例1
と同様にして再剥離型粘着剤組成物を得た。
【0130】<再剥離性粘着シートの作製>粘着剤層を
含む基材の水分が12%となる以外は、実施例1と同様
にして再剥離性粘着シートを得た。
【0131】<試験方法>以下試験方法(1)〜(5)
に従って再剥離性粘着シートの物性測定を行った。 (1)サンプルの調整 サンプルは、再剥離性粘着シート加工直後のサンプルを
初期品質におけるサンプルとし、製品保存後のサンプル
としては、再剥離性粘着シートの巻取り(巾210mm
×長さ2000m、巻き硬さ:シュミットハンマー値1
8)を1ヶ月経過後、巻取り巻芯部分の再剥離性粘着シ
ートを採取し、それぞれ評価した。
【0132】(2)対ダンボール粘着力 JIS−Z−0237、180゜ピール法に準じて、粘
着力を測定した。被着体は、表面紙がK7ライナーのダ
ンボール(王子製紙製)を使用した。圧着条件として1
00g圧着直後は、100gの圧着ローラーで、300
mm/分、1往復圧着した直後に測定し、2kg圧着3
0分後は、2kgの圧着ローラーで、300mm/分、
1往復圧着し、30分経過後に測定した。粘着力測定に
は、定速伸張型引張り試験機を使用し、各圧着条件にて
ラベルを貼付した後、剥離速度300mm/分で180
゜ピールした。平均荷重を粘着力(単位;gf/25m
m)とし、n=3の平均値を試験片の測定値とした。な
お、再剥離性粘着シートの実用適性(ダンボールから脱
落しない粘着力)を考慮すると、100g圧着直後で3
0g/25mm以上、2kg圧着30分後で100g/
25mm以上が必要である。
【0133】(3)再剥離性 被着体として、表面紙がK7ライナーのダンボール(王
子製紙製)を使用し、圧着条件として2kgの圧着ロー
ラーで、300mm/分、1往復圧着した後、40℃の
環境で7日間、さらに22℃、65%RHの環境に2時
間放置後、再剥離性粘着シートをダンボールから剥が
し、再剥離性能を下記評価基準により評価した。 評価基準;○、再剥離性粘着シート、ダンボールの紙や
ぶれ、糊残りなく良好。 ○△、再剥離性粘着シート、ダンボールの紙やぶれがな
いが、一部の糊残りあり。 △、再剥離性粘着シート、ダンボールの紙やぶれがない
が、糊残りあり。 ×、再剥離性粘着シート、ダンボールの紙やぶれがあ
り、きれいに剥がすことができない。
【0134】(4)再貼着性 再剥離性粘着シートを16mm×20mmの大きさに調
整し、被着体は、表面紙がK7ライナーのダンボール
(王子製紙製)の平滑面を使用し、圧着条件として2k
gの圧着ローラーで、300mm/分、1往復圧着した
後、40℃の環境で7日間放置後、再剥離性粘着シート
をダンボールから剥がし、直径50mmの円筒状のKラ
イナー紙(王子製紙製)側面に再剥離性粘着シートを2
0mm部分が湾曲するように再貼着させ、24時間後の
浮き、剥がれ具合を下記評価基準により評価した。 評価基準;○、再剥離性粘着シートの浮き、剥がれなく
良好。 ○△、再剥離性粘着シートの浮き、剥がれのないラベル
面積が80%以上100%未満。 △、再剥離性粘着シートの浮き、剥がれのないラベル面
積が50%以上80%未満。 ×△、再剥離性粘着シートの浮き、剥がれのないラベル
面積が30%以上50%未満。 ×、再剥離性粘着シートの浮き、剥がれのないラベル面
積が30%未満、もしくは剥がれる。
【0135】(5)糊面観察 再剥離性粘着シートの粘着剤剤塗工面を走査型電子顕微
鏡にて観察し、粘着剤剤塗工面の粘着性微粒子の形状を
観察した。(観察条件:Au蒸着、傾斜角70゜、倍率
150倍) 評価基準;○、再粘着性微粒子が扁平せず形状を保持し
ている。 △、再粘着性微粒子が一部扁平する。 ×、再粘着性微粒子が扁平し、粘着剤剤塗工面が平坦に
なる。
【0136】
【表1】
【0137】
【表2】
【0138】表1、表2から明らかなように実施例1〜
9は、100g圧着直後のダンボール粘着力が30g/
25mm以上、2kg圧着30分後のダンボール粘着力
が100g/25mm以上あり、かつ再剥離性、再貼着
性に優れ、さらに再剥離性粘着シートの製品保存後に粘
着性微粒子の扁平化がなく安定した品質の再剥離性粘着
シートである。
【0139】比較例1では、粘着性微粒子の貯蔵弾性率
が低いために、初期品質は良好であるが、製品保存後に
粘着性微粒子の扁平し、100g圧着後のダンボール粘
着力が15g/25mm、2kg圧着30分後のダンボ
ール粘着力が45g/25mmと極端に低くなり、再貼
着時に再剥離性粘着シートが脱落する。比較例2、およ
び比較例3では、粘着性微粒子の貯蔵弾性率が高いため
に、初期品質における100g圧着後のダンボール粘着
力が15g/25mm(比較例3では25g/25m
m)、2kg圧着30分後のダンボール粘着力が65g
/25mm(比較例3では80g/25mm)と極端に
低くなり、再貼着時に再剥離性粘着シートが脱落する。
比較例4では、粘着剤組成物の性状は良好であるが、再
剥離性粘着シートの表面基材の含水分量が10%を越え
ているため、製品保存後に粘着性微粒子の扁平化し、1
00g圧着後のダンボール粘着力が20g/25mmと
極端に低くなり、再貼着時に再剥離性粘着シートが脱落
する。
【0140】
【発明の効果】粘着性微粒子を含有する粘着剤組成物を
用いた再剥離性粘着シートにおいて、本発明の再剥離性
粘着シートは、粘着剤組成物中の粘着性微粒子の貯蔵弾
性率、さらに表面基材と粘着剤層の水分を制御すること
で、巻き取り製品で保管する場合等、外圧が長期間加わ
った状態でも性能低下がなく、また良好な接着物性、再
剥離性、再貼着性を有するものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AH07B AJ02B AK25B AK54B AK68 AR00B AT00A AT00C BA03 BA07 BA10A BA10C BA31 CA02B CA04B CA16B DE01B DG10 EC15B GB90 JA04B JB05B JB20A JK07B JL11 JL13B JL14 JL14C JL16 JM01B YY00A YY00B 4J004 AA02 AA04 AA10 AB01 CB02 CB03 CC02 DA02 DA03 DB02 EA01 FA01 4J040 AA002 DF022 DF031 DN032 DN072 EE012 GA07 HB02 HB32 HB34 HC26 HD23 JA09 JB09 KA03 KA16 KA26 KA31 LA06 LA08 MA02 MA09 MA10 NA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面基材、粘着性微粒子(A)および必要
    に応じてバインダー(B)を含有する粘着剤組成物層、
    および剥離シートからなる再剥離性粘着シートにおい
    て、該粘着剤組成物に含有する粘着性微粒子(A)は、
    40℃における貯蔵弾性率が、250000〜6000
    00dyne/cm2であり、かつ、粘着剤層を積層し
    た表面基材の含水分量が10%以下であることを特徴と
    する再剥離性粘着シート。
  2. 【請求項2】該粘着剤組成物中に含有するバインダー
    (B)がアクリル系水性エマルションからなることを特
    徴とする請求項1記載の再剥離性粘着シート。
  3. 【請求項3】該バインダー(B)のガラス転移温度が、
    −40〜60℃であることを特徴とする請求項1または
    2記載の再剥離性粘着シート。
  4. 【請求項4】該粘着剤組成物中に可塑剤(C)およびま
    たは、タッキファイヤー(D)を該粘着剤組成物に対し
    0.1〜30重量%含むことを特徴とする請求項1、2
    または3記載の再剥離性粘着シート。
  5. 【請求項5】該可塑剤(C)が、下記に示す一般式(c
    −1)であることを特徴とする請求項4記載の再剥離性
    粘着シート。 R4−O(CH2−CH2−O−)n −Y …(c−1) (但し、R4は炭素数8〜18のアルキル基、炭素数1
    0〜18のアルケニル基、または、炭素数10〜30の
    アルキルフェニル基およびジアルキルフェニル基;Yは
    水素原子、炭素数8〜18のアルキル基、炭素数10〜
    18のアルケニル基、または、炭素数10〜30のアル
    キルフェニル基もしくはジアルキルフェニル基;nは3
    〜80の自然数である。)
  6. 【請求項6】該タッキファイヤー(D)が、石油系樹
    脂、ロジン系樹脂またはテルペン系樹脂であることを特
    徴とする請求項4記載の再剥離性粘着シート。
  7. 【請求項7】該粘着剤組成物に架橋剤(E)を配合する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載
    の再剥離性粘着シート。
  8. 【請求項8】該架橋剤(E)が、1分子中にオキサゾリ
    ン基を2個以上含有する化合物であることを特徴とする
    請求項7記載の再剥離性粘着シート。
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