JP4828141B2 - 水性感圧接着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、通常、懸濁重合などにより製造される1μm以上の粘着性微球粒子(A)と、乳化重合などにより製造され、主に該粘着性微球粒子の結合剤として作用する1μm未満の微小粒子(B)と、これらの粒子の分散液の粘度を高め、且つその粘性を適正に保つための粘性調整剤(C)を含んでなる水性感圧接着剤組成物において、該粘性調整剤がイオン性粘性調整剤(C)及び非イオン性粘性調整剤(C)を含んでなることを特徴とする感圧接着剤組成物に関し、特に、得られる感圧接着シートが、紙、金属、プラスチック類などの被着体であって、その表面が平滑面又は粗面の何れの被着体に対しても良好な接着性を有すると共に、この感圧接着シートを粘着ラベルとして使用するときには、その剥離に際して感圧接着剤成分が被着体に残留すること(以下、「糊残り」ということがある)なく再剥離が可能であり、さらに貼付、剥離が繰り返し可能な再剥離型水性感圧接着剤組成物に関する。
感圧接着シートは、商品ラベル、物流管理ラベルなどの粘着ラベルとして、各種商標、価格、注意事項などの情報、あるいはデザイン等を印字、印刷し、被着体である各種商品等に貼付されて用いられることがしばしばである。この場合、ラベルの貼付目的は、情報、デザイン等の表示であり、感圧接着剤組成物への要求品質は、ラベル貼付時に容易に被着体と接着し、その後の保管、輸送などの工程でもラベルが脱落しないための十分な接着性であり、その用途(例えば、低温での接着力に優れる冷食用感圧接着剤、ダンボールやコンクリートなどの粗面やポリオレフィンなど感圧接着シートが接着しにくい非極性被着体などに強固な接着性を持つ強粘着性感圧接着剤など)に応じて使い分けており、一度貼付されたラベルは永久もしくは半永久的に接着している。
ここでいう被着体への粘着ラベルの貼付は、該ラベルの貼付枚数や作業工程によって様々であるが、手作業やオートラベラーなどの装置を用いて行われる。この時、ラベル貼付にかかる被着体との接触圧は、JIS Z−0237の粘着力測定法に準じた圧着ローラーの重量に換算すると、100gf〜2kgfと幅広いものであり、JIS Z−0237の粘着力測定法に準じた2kgfの圧着ローラーでは、ラベルの感圧接着剤層表面と被着体との接触面積が十分に得られるが、100gf程度の接触圧では、十分に接触面積が得られないため、貼付時にラベルが脱落しやすいという問題がある。一般に、殆どの粘着ラベルは平坦な粘着面を有しているため、ラベルが貼付される被着体が粗面であったり、またラベル貼付にかかる被着体との接触圧が小さすぎたりするときには、ラベルの粘着面と被着体との接触面積が十分に確保できずに接着力が低くなり、ラベルが脱落しやすくなる。
また商品などの包装、梱包に使用される、容器、包装紙などを再利用する目的や、流通管理などの用途で、一度貼付された粘着ラベルを被着体から剥がしたり、また、一旦剥がしたラベルを再度貼付したりする用途がある。これらのラベルの感圧接着剤組成物への要求品質は、上記接着性に加え、再剥離性、再貼着性が必要である。
この様な、接着性、再剥離性、再貼着性を備えた再剥離型感圧接着剤組成物としては、従来から幾多のアクリル系共重合体やゴム系共重合体の有機溶媒溶液又は水性乳化分散液に基づいた感圧接着剤が提案されているが、これらから得られる再剥離型感圧接着シートは、その感圧接着剤層が平坦なものとなるため、平滑性の良好な被着体に対しては接触面積が得られやすく感圧接着シートの脱落などの不具合がないものの、貼付後の経過時間により接着力が増大し、感圧接着シートの基材破壊、糊残りなどが起こりやすくなり、再剥離が困難になる。逆に、ダンボール、コンクリートなどの粗面の被着体に対しては、感圧接着剤層表面との接触面積が十分に得られないため接着力が低く、オートラベラーなどの軽圧着の貼着条件では感圧接着シートが脱落しやすい。このため、再剥離性を得るには被着体の種類、貼付期間を限定しなければならないという不都合があった。
このような問題点を改善するために、感圧接着剤層中に粘着性微球粒子を含ませて、感圧接着剤層の表面に予め凹凸を持たせる試みも行われている。例えば特許文献1には、結合剤とその中に埋設された「エラストマー状共重合体微球体」からなる感圧接着剤層を有する感圧接着シートが提案されている。ここで「エラストマー状共重合体微球体」とは、具体的には、アニオン系界面活性剤の存在下に、水中で過酸化ベンゾイルなどの油溶性重合開始剤を用いて、イソオクチルアクリレートなどを主体とする粘着性共重合体形成性単量体を共重合して得られる、約10〜150μm程度の粘着性微球粒子であり、「結合剤」とは、それ自体感圧接着剤として使用できる共重合体水性分散液、又はこれより硬い皮膜を形成する共重合体水性分散液に由来する皮膜を始め、エポキシ樹脂皮膜、セルロース系樹脂皮膜、ウレタン系樹脂皮膜などからなるものである。粘着性微球粒子埋設の方法も、基材上に結合剤の皮膜を形成した後、粘着性微球粒子を含む分散液を塗工する方法、結合剤の溶液又は分散液と粘着性微球粒子を含む分散液との混合液を基材上に塗工する方法などが挙げられている。
また特許文献2には、色々な被着体、中でも紙又は布帛等の繊維製品に対する再剥離性を得るため、基材上に直接又は下塗層を介して「粘着性微小粒子」の層が設けられた感圧接着シートが提案されている。ここで用いられる「粘着性微小粒子」は、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレートなどを主体とする単量体を、有機溶媒中で油溶性重合開始剤を用いて共重合した後、この溶液にアニオン系又は油溶性ノニオン系などの界面活性剤を含む水溶液を添加・攪拌して水性懸濁液とすることにより得られたもので、その粒子径は10〜100μm程度であることが好ましいとされている。下塗層は、アクリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリブチラール樹脂、エポキシ樹脂などにより形成される。
上記の特許文献1及び特許文献2に記載の方法では、粘着性微球粒子が感圧接着剤層の表面に突出することで感圧接着剤層表面に凹凸が形成されているため、接着しやすい平滑な被着体と感圧接着剤の接触(接着)面積を減少させることができる。一方、接着しにくい粗面の被着体に対しては、感圧接着剤層表面の凹凸が、かえって接触(接着)面積を増大させているものと推測される。従って、得られる再剥離型感圧接着シートは、被着体の粗さにも関わらず、一定の接触面積が得られやすく、再剥離、再貼着可能な接着力を維持できるものと推測できる。しかし該粘着性微球粒子は、その形状が圧力に対して必ずしも安定であるとはいえず、例えば、感圧接着シートを巻き取った状態で保管する場合、その巻締圧により粘着性微球粒子が扁平化(半球状もしくは球状の粘着性微球粒子が圧により平坦な形状へ塑性変形すること)して感圧接着剤層表面の凹凸が小さくなり、ダンボールなどの粗面に対する軽圧着時の接着力が低くなるという問題があった。
このため、粘着性微球粒子の外圧による扁平化を防ぐ手段として、粘着性微球粒子を架橋する方法が提案されており、例えば、特許文献3では、特許文献2と同様の方法で作製された粘着性微球粒子を、カルシウムなどの金属イオンで架橋する方法;特許文献4では、粘着性共重合体を形成するアクリル系単量体と共に、テトラアリルオキシエタンなどの多官能性単量体を用いて水性媒体中で懸濁重合し、内部架橋した「粘着性微細球」を作製する方法;特許文献5では、特許文献2と同様の方法で作製された粘着性共重合体の粘着性微球粒子、又は水性媒体中で懸濁重合して得られた粘着性微細球を、水性懸濁液中でエポキシ樹脂やブチル化メラミン樹脂などの油溶性架橋剤を用いて架橋して、粘着性「架橋重合体微小球」を作製する方法;などが提案されている。
しかし、これらは何れも粒子自体を架橋することで粘着性微球粒子の硬度を上げているため、外圧による扁平化を防ぐ効果はあるが、粘着性微球粒子の粘着性が低下し、特にポリエチレン等の非極性被着体への接着性が低下する。従って、感圧接着剤本来の必要性能である接着性が不十分になるという欠点が伴う。
一方、特許文献6では、再剥離性改善のため、粘着性微球粒子及び該粘着性微球粒子を基材に固定するための結合剤に含まれるカルボキシル基等の官能基と反応性を有する基を1分子中に2個以上含有する架橋剤を含有させ化学的結合効果により、粘着性微球粒子と結合剤との密着性、及び基材への密着性を共に向上させて、ラベルを被着体から剥がす際の糊残りを抑制する方法が提案されている。結合剤は、通常、アクリル系単量体を乳化重合して得られる。しかしこの方法でも、依然、高温多湿等の環境条件下や、過度の加圧下では、経時により糊残りが発生する場合があり、厳しい条件下での再剥離性は不十分であった。
また特許文献7には、「弾性微小球」である共重合体及び該「微小球」の全表面を被覆している粘着性共重合体のそれぞれの分子中に官能基を結合させ、且つ該官能基と反応しうる架橋剤を配合することにより、感圧接着剤及び粘着性微小球とを化学結合させ、また、粘着性共重合体及び微小球と基材とを化学結合ないしはアンカー効果により結合させることにより、これら粘着成分の被着体への残留が有効に防止されると記載されている。
しかしながら、上記方法でも粘着性微球粒子の基材への固着は必ずしも十分とはいいがたく、被着体の種類や環境条件によっては糊残りが発生することがあるという問題があった。さらに結合剤量及び架橋剤量を多くすることにより被着体への糊残りは押さえられる反面、単位面積当たりの粘着性微球粒子数の減少、該微球粒子の弾性変形能の低下などにより被着体への接触面積が低下するため、比較的高い初期接着力を維持しつつ再剥離・再接着性を両立させることは困難であった。
本発明者らは、以上述べた従来技術の問題点を解決することを目的に、先に、粘着性微球粒子を含有する再剥離型感圧接着剤組成物に関する2つの提案、すなわち、特定の貯蔵弾性率を有する粘着性微球粒子を含有してなる再剥離型感圧接着剤組成物(特許文献8)及び、特定範囲のゲル分及び分子量を有する粘着性微球粒子を含有してなる再剥離型感圧接着剤組成物(特許文献9)についての提案を行った。これら本発明者らの提案の再剥離型感圧接着剤組成物に基づく感圧接着シートは、従来技術による感圧接着シートに比較して、初期接着性、再剥離・再接着性の点で非常に優れたものであった。
従来は、以上述べたような粘着性微球粒子数を用いるタイプの感圧接着シートは、低粘着性で再剥離、再貼着が可能な一時的な使用分野で、主として用いられてきたが、最近では、今まで非粘着性微球粒子数タイプの溶剤型感圧接着剤や水性分散型感圧接着剤が用いられてきたような、より高い接着力が要求される、所謂「中粘着」領域までの使用が求められるようになってきた。そして「中粘着」の感圧接着剤の使用分野にも、当然ながら、前記のような曲面や凹凸面に対する使用や再剥離性に対する需要が存在する。
一般に、粘着性微球粒子数タイプの感圧接着剤で接着力を上げるためには、該微球粒子数の粘着力を上昇させるか、又は結合剤の量を増やすなどの方法が考えられる。しかしながらこのような方法では、粘着性微球粒子数や結合剤が被着体へ転着しやすくなるという問題がある。また、通常、粘着性微球粒子数タイプの感圧接着剤にはイオン性の粘性調整剤が使用されているが、イオン性粘性調整剤は、経時的マイグレーションにより、形成された感圧接着剤層中の粘着性微球粒子数の表面に移行して、該微球粒子の表面が硬くなってその粘着力が小さくなり、被着体への接着力が低下しがちになるという問題があることが分かった。またイオン性粘性調整剤により粘度を調整した感圧接着剤は、通常、チキソトロピー性の粘性特性を有しているため、塗工に際して、ポンプによる移送が困難になることがあり、さらにコンマ型コーターなど、比較的低シェアのコーターを用いる塗工には不向きとなるという問題を有していた。
特開昭50−2736号公報(特許請求の範囲、明細書第1頁第2欄第11〜15行、第5頁第16欄第6行〜第8頁第28欄第12行実施例1〜11) 特開昭53−65330号公報(特許請求の範囲、明細書第1頁右欄第7〜12行、第2頁右下欄第12〜18行、第3頁右上欄第3行〜左下欄第18行) 特開昭53−69233号公報(特許請求の範囲、明細書第1頁右欄第7〜13行、第3頁左上欄第4〜8行、第3頁左下欄第4行〜第4頁左上欄第5行) 特開昭61−148278号公報(特許請求の範囲、明細書第4頁第11欄第7〜8行) 特開昭61−258854号公報(特許請求の範囲、明細書第5頁左下欄第7行〜第6頁左上欄第19行) 特開昭61−152779号公報(特許請求の範囲) 特開昭61−261382号公報(特許請求の範囲) 特開2000−281996号公報(明細書全文) 特開2000−281999号公報(明細書全文)
本発明者らは、粘着性微球粒子を含む感圧接着剤組成物によって、曲面接着性や粗面接着性、再剥離性、再貼着性など従来の粘着性微球粒子タイプの感圧接着剤の長所を維持しつつ、さらに接着力の高い、所謂「中粘着」領域に入る感圧接着シートを作製することができる感圧接着剤組成物の開発に、鋭意取り組んできた。その結果、通常、懸濁重合などにより製造される粘着性微球粒子(A)と、乳化重合などにより製造され、主に該粘着性微球粒子の結合剤として作用する微小粒子(B)と、これらの粒子の分散液の粘度を高め、且つその粘性を適正に保つための粘性調整剤(C)とを含む水性感圧接着剤組成物において、微小粒子(B)としてガラス転移温度(Tg)0℃以下のもの、特にTgが−20℃以下の粘着性微小粒子を用い、また該粘性調整剤として、従来から用いられてきたイオン性イオン性粘性調整剤と共に、ウレタン変性ポリエーテル型粘性調整剤などの非イオン性粘性調整剤を併用することによって、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成した。
本発明に従えば、体積平均粒子径(d)1μm以上の粘着性微球粒子(A)少なくとも1種、体積平均粒子径(d)1μm未満の微小粒子(B)少なくとも1種、及び粘性調整剤(C)を含んでなる水性感圧接着剤組成物において、該微小粒子(B)のガラス転移温度(Tg)が0℃以下であり、且つ該粘性調整剤が、イオン性粘性調整剤(C)及び非イオン性粘性調整剤(C)それぞれ少なくとも1種以上からなることを特徴とする感圧接着剤組成物が提供される。
本発明の水性感圧接着剤組成物を用いて形成される感圧接着シートは、従来の感圧接着シートに比較してより高い接着力を有し、その表面が平滑面又は粗面をなす、紙、木材、金属、プラスチック類などの各種の被着体の何れに対しても良好な接着性を有すると共に、その剥離に際して糊残りなく再剥離が可能であり、さらに貼付・剥離が繰り返し可能である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の感圧接着剤組成物は、体積平均粒子径(d)1μm以上の粘着性微球粒子(A)少なくとも1種含有してなるものである。
このような粘着性微球粒子(A)としては、それ自体が粘着性を有する微球粒子であり、上記粒子径範囲のものであれば、特に限定されるものではないが、得られる感圧接着剤組成物の諸物性の優秀さの観点から、アクリル系(共)重合体、すなわち、(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する重合単位少なくとも50重量%を含む(共)重合体により形成されたものであることが好ましい。
このような粘着性微球粒子(A)形成するアクリル系(共)重合体は、具体的には、下記単量体(a)〜(a)、
(a)下記一般式(1)で示されるアクリル酸エステル単量体、
一般式(1):CH=CHCOOR
(但し、Rは炭素数4〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)
(a)カルボキシル基を有する不飽和単量体、
(a)分子内に少なくとも2個のラジカル重合性不飽和基を有する単量体、及び、
(a)上記単量体(a)〜(a)と共重合可能な、該単量体(a)〜(a)以外の不飽和単量体、
を適宜な方法により(共)重合してなるものであることが好ましい。
上記の単量体(a)は、上記一般式(1)で表されるアクリル酸エステルであり、そのRは炭素数4〜10の直鎖もしくは分岐アルキル基を示し、そのような基Rの例としては、N−ブチル基、i−ブチル基、N−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、N−オクチル基、i−オクチル基、N−ノニル基、i−ノニル基、N−デシル基などを挙げることができる。このようなアクリル酸エステルの具体例としては、N−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、N−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、N−オクチルアクリレート、i−オクチルアクリレート、N−ノニルアクリレート、i−ノニルアクリレート、N−デシルアクリレートなどを例示できる。これらの中、N−ブチルアクリレート、N−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、N−オクチルアクリレート、i−オクチルアクリレート、N−ノニルアクリレート、i−ノニルアクリレート等の使用が好ましい。
単量体(a)であるアクリル酸エステルの使用量は、単量体(a)〜(a)の合計100重量%中、例えば60〜100重量%、好ましくは65〜99.8重量%、特に好ましくは70〜99.5重量%である。該単量体(a)を該下限値以上使用することにより、得られる感圧接着シートが優れた粘着性と接着力を有すると共に、接着力と凝集力の良好なバランス、接着力の経時安定性及び耐熱湿劣化性などを達成することができるので好ましい。一方、該単量体(a)の使用量を該上限値以下とすることにより、粘着性微球粒子(A)の分散液の機械安定性(せん断力を加えた時の分散液の安定性)を一層向上させることができるので好ましい。
前記単量体(a)であるカルボキシル基を有する単量体としては、α,β−不飽和モノ−もしくはジ−カルボン酸単量体を挙げることができ、炭素数3〜5のα,β−不飽和モノ−もしくはジ−カルボン酸単量体の使用が好ましい。このような単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸などを例示できる。これらの中では、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸の使用がより好ましい。
単量体(a)の使用量は、単量体(a)〜(a)の合計100重量%中、例えば0〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、特に好ましくは0.5〜2重量%である。該単量体(a)の使用量が該上限値以下であれば、得られる感圧接着シートが優れた粘着性と接着力を有すると共に、接着力と凝集力の良好なバランス、接着力の経時安定性及び耐熱湿劣化性などを達成することができるので好ましい。一方、該単量体(a)の使用量を該下限量以上とすることにより、粘着性微球粒子(A)の分散液の機械安定性(せん断力を加えた時の分散液の安定性)を一層向上させることができるので好ましい。
さらに前記単量体(a)である、分子内に少なくとも2個のラジカル重合性不飽和基を有する単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどを例示できる。これらの中、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の使用が好ましい。
単量体(a)の使用量は、単量体(a)〜(a)の合計100重量%中、例えば0〜1重量%、好ましくは0〜0.5重量%、特に好ましくは0〜0.2重量%である。該単量体(a)の使用量が該上限値以下であれば、得られる感圧接着シートが優れた粘着性と接着力を有すると共に、良好な再剥離性を有することができるので好ましい。一方、該単量体(a)の使用量を該下限量以上とすることにより、感圧接着シートの巻き取りや保管時等での外圧により該粘着性微球粒子が扁平化して、感圧接着シートの品質低下が発生するなど製品保存安定性に問題が生じるなどの不具合が生じにくいので好ましい。
さらに前記単量体(a)である、単量体(a)〜(a)と共重合可能な、該単量体(a)〜(a)以外の不飽和単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、N−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜3のアクリル酸エステル;例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、N−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類を挙げることができる。
また単量体(a)としては、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、「バーサチック酸ビニル」(商品名)(好ましくは酢酸ビニル)等の飽和脂肪酸ビニルエステル;例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン(好ましくはスチレン)等の芳香族ビニル単量体;例えば、ジメチルマレート、ジ−N−ブチルマレート、ジ−2−エチルヘキシルマレート、ジ−N−オクチルマレート、ジメチルフマレート、ジ−N−ブチルフマレート、ジ−2−エチルヘキシルフマレート、ジ−N−オクチルフマレート等のマレイン酸又はフマル酸のジエステル;よりえらばれた共単量体も同様に利用できる。
さらに単量体(a)としては、分子内に1個のラジカル重合性不飽和基の他に少なくとも1個のカルボキシル基以外の官能基を有する単量体を用いることもできる。
このような単量体(a)としては、官能基として、例えば、アミド基もしくは置換アミド基、アミノ基もしくは置換アミノ基、ヒドロキシル基、低級アルコキシル基、エポキシ基、メルカプト基又は珪素含有基等を有する単量体を挙げることができる。
これら単量体(a)の具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−i−ブトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド(好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミド)等のアミド基もしくは置換アミド基含有単量体;例えば、アミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート(好ましくはN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート)等のアミノ基もしくは置換アミノ基含有単量体;
例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール、メタリルアルコール、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、(好ましくは2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート)等のヒドロキシル基含有単量体;
例えば、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−N−ブトキシエチルアクリレート、2−メトキシエトキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシエチルアクリレート、2−N−ブトキシエトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−N−ブトキシエチルメタクリレート、2−メトキシエトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエトキシエチルメタクリレート、2−N−ブトキシエトキシエチルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、(好ましくは2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート)等の低級アルコキシル基含有単量体;
例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルメタリルエーテル(好ましくはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート)等のエポキシ基含有単量体;アリルメルカプタン等のメルカプト基含有単量体;
例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリブロモシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−N−プロポキシシラン、ビニルトリ−i−プロポキシシラン、ビニルトリ−N−ブトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(2−ヒドロキシメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジエトキシシラノール、ビニルエトキシシラジオール、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、2−アクリルアミドエチルトリエトキシシラン等の珪素含有基を有する単量体;等の単量体群を挙げることができる。
前記単量体(a)の使用量は、単量体(a)〜(a)の合計100重量%中、例えば、0〜40重量%、好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜28重量%の範囲である。該単量体(a)の使用量は、該単量体の種類によっても変わり得るので一義的には決められないが、接着力と粘着性のバランス及びこれらと凝集力とのバランスなどを所望に応じて調整するのに役立つので、そのような目的に合致するように前記範囲量で適宜に選択することができる。
単量体(a)の使用量が上記上限値以下であれば、粘着性が過小となって初期接着性、特に段ボールなどの粗面、ポリエチレン等のポリオレフィン系の被着体に対しての接着力が低下するなどの不都合が起こりにくいので、単量体(a)を使用する場合には、該上限値の範囲内で適当に選択利用するのが好ましい。
本発明の水性感圧接着剤組成物に用いられる粘着性微球粒子(A)は、その溶融温度が40℃より高いものであることが好ましい。粘着性微球粒子(A)の溶融温度は、45℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることがさらに好ましい。
粘着性微球粒子(A)の溶融温度が上記溶融温度以上であれば、得られる感圧接着剤組成物を使用して感圧接着シートを製造するに際して、乾燥時に該微球粒子(A)が融解してしまうなどの不都合がなく、感圧接着剤層中に適度な弾性を有する粘着性微球粒子として残って該感圧接着剤層の表面に凹凸を形成し、平滑な被着体と感圧接着剤の接触(接着)面積を減少させて、該感圧接着シートの再剥離性を維持すると共に、粗面の被着体に対しては、その凹凸により接触(接着)面積を増大させることができ、さらに該微球粒子(A)の圧縮弾性率が高くなって、感圧接着シートの巻き取りや保管時等での外圧により該微球粒子が扁平化して、感圧接着シートの品質低下が発生するなどの不具合が生じにくいので好ましい。
なお本明細書における「溶融温度」とは、フローテスター“CFT−500D”{(株))島津製作所製}により測定した溶融粘度が1.0×10Pa・sとなる時の温度をいうものとする。
また本発明の水性感圧接着剤組成物に用いられる粘着性微球粒子(A)を構成する(共)重合体のガラス転移温度(Tg)が、通常−40℃以下、さらには−50℃以下、特には−60℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度(Tg)が該上限値以下であれば、粘着性が過小となり初期接着性が低下するなどの不利益が生じにくいので好ましい。
なお本発明において、粘着性微球粒子(A)及び、後記する微小粒子(B)などの(共)重合体のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用い測定された値である。
さらに粘着性微球粒子(A)の体積平均粒子径(d)は、通常1〜80μm、好ましくは10〜60μm、特に好ましくは20〜50μmの範囲である。該粒子径(d)が該下限値以上であれば、得られる感圧接着剤層の表面に低い丘陵状の適度な凹凸が形成され、優れた粘着性、接着力と共に、良好な再剥離性を有することができるので好ましく、該上限値以下であれば、基材に対する密着性が優れており、且つ良好な再剥離性を有することができるので好ましい。
なお本発明において、粘着性微球粒子(A)の体積平均粒子径は、光散乱式粒子径測定装置「マスターサイザー2000」(商品名){シスメックス(株)製}により測定されたものである。
本発明に用いられる粘着性微球粒子(A)は、必ずしも限定されるものではないが、通常は公知の懸濁重合法により製造するのが好ましい。
具体的には、例えば、水性媒体中、界面活性剤及び必要に応じて懸濁安定剤の存在下で、前記の単量体(a)〜(a)の混合物に重合開始剤を溶解したものを添加して一定時間攪拌し、所望の粒子径範囲の油滴乳化液を得た後、一定攪拌回転数下で昇温し重合反応を開始させることができる。重合温度は、通常、50〜90℃程度を例示することができる。
前記懸濁重合時には、生じたラジカルにより単量体が(共)重合して主鎖を形成すると同時に、生じた(共)重合体とラジカルとの間のラジカル連鎖移動反応により架橋反応が起こると考えられる。しかし、このラジカルの連鎖移動反応は不確定要素が大きく、ラジカル反応により常に一定の架橋状態を有する安定した品質を得るためには、重合開始時の初期反応のコントロールが重要であり、例えば、酸素等の重合禁止効果のある物質存在下で前記昇温を行い、目的の温度で窒素等による置換を行うことで該初期反応のコントロールを行うことができる。
なお前記の「水性媒体」とは、水又は水溶性有機溶媒の水溶液を意味する。このような水溶性有機溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の水溶性アルコール類;アセトン等の水溶性ケトン類;メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、ブチルカルビトール等の水溶性エーテル類;等を挙げることができる。これらは単独または複数混合して使用可能であり、その使用量は、水溶性有機溶剤の濃度として0〜約30重量%程度を例示できる。該有機溶媒は、前記の(共)重合体から構成される粘着性微球粒子(A)の溶融温度を調整する目的で使用できるが、該微球粒子(A)を含有してなる水性感圧接着剤組成物の放置安定性、機械安定性等の観点より、実質的にこれら有機溶剤を含まない水中で懸濁重合を行うのがより好ましい。
本発明において前記界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤をそれぞれ単独あるいは併用して使用でき、ことに安定に懸濁液を製造するためには、アニオン系界面活性剤が好ましい。
上記アニオン系界面活性剤としては、例えばオレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類;例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;例えばラウリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム等のアルキル又はアルケニル硫酸エステル塩類;例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩等のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩類;例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等、ポリオキシエチレンオレイルスルホコハク酸アンモニウム等のアルキル又はアルケニルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類;等を例示できる。
また本発明において用いることのできるアニオン系界面活性剤としては、さらに、下記一般式(2)、
一般式(2):
式中、Rは1つ以上の芳香環を含む炭化水素基、MはNa、K又はNH 等の一価の対イオンを表す。
上記一般式におけるRは、下記3種の構造式で示されるジスチリルの何れか又はそれらの混合物から誘導されたものであることが好ましい。
上記一般式(2)におけるポリオキシエチレン鎖の長さ(pの値)としては、一般に4〜50の範囲であり、好ましく5〜45の範囲であるのがよい。
このようなアニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、「ハイテノールNF−13」、「ハイテノールNF−17」{商品名;以上第一工業製薬(株)製}、「ニューコール707SF」、「ニューコール710SF」、「ニューコール714SF」、「ニューコール723SF」、「ニューコール740SF」{商品名;以上日本乳化剤(株)製}等を挙げることができる。
これらアニオン系界面活性剤は、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル類;例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;例えば、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー;等を例示できる。
これらの界面活性剤は適宜組み合わせて使用でき、その使用量としては、一般に、粘着性微球粒子(A)を構成する(共)重合体100重量部、すなわち前記単量体(a)〜(a)の合計100重量部に対して0〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部程度を例示できる。
さらにまた、最近、アクリル系共重合体などの水性分散液中に汎用されているアルキルフェニル基を含む界面活性剤が、排水中に含まれて河川等に排出されたとき、それら界面活性剤の加水分解によって生じるアルキルフェノールが、それら河川及びそれが流入する海の中に生息する生物、特に魚貝類に取り込まれて、それら生物の内分泌機能(エンドクリン)破壊物質(所謂、環境ホルモン)として作用することが知られるようになった。このようなアルキルフェノールは、これら魚介類の摂取を通して、又は直接それら河川等の水を使用する上水道の水を通して、人の体内に入る危険性が高いことが指摘されている。
本発明においては、粘着性微球粒子(A)の懸濁重合、及び微小粒子(B)の乳化重合に、上記のノニオン系及びアニオン系界面活性剤の中から、上記のようなアルキルフェニル基を実質的に含まないものを選んで用いることにより上記の問題点を解消した粘着性微球粒子(A)の水性懸濁液、及び微小粒子(B)の水性分散液を得ることができ、さらに後記する粘着付与剤や架橋剤その他の添加剤の中にアルキルフェニル基を実質的に含まないもののを選んで用いることにより、アルキルフェニル基を実質的に含まない水性感圧接着剤組成物を得ることができる。
このような界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤類として、高級脂肪酸塩類、アルキルアリールスルホン酸塩類、アルキル又はアルケニル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル又はアルケニルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類等、前記一般式(1)のポリオキシエチレン多環フェニルエーテル型界面活性剤などを使用することができる。またノニオン系界面活性剤類としては、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、グリセリン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマーなどを使用することができる。
なおここで、「アルキルフェニル基を実質的に含まない」とは、懸濁重合又は後記する乳化重合に当たって、該アルキルフェニル基を含む界面活性剤を意図的には使用しないことを意味するものであり、仮に各素原料中に夾雑物として該界面活性剤が含まれていたとしても、重合の結果得られる(共)重合体の水性懸濁液、水性分散液又は最終製品である水性感圧接着剤組成物中に含まれるアルキルフェニル基を含む界面活性剤の量が100ppm以下、好ましくは50ppm以下であることを意味する。
さらに本発明においては、前記界面活性剤のほかに、必要に応じて、懸濁安定剤を使用できる。懸濁安定剤としては、水溶性保護コロイドの使用が好ましく、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩等のセルロース誘導体類;等が挙げられる。水溶性保護コロイドの使用量としては一般に前記単量体(a)〜(a)の合計100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部程度を例示できる。
本発明に好適に用いられる粘着性微球粒子(A)の製造に際して用いられる前記重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカルボナート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカルボナート、t−ブチルペルオキシビバラート、t−ブチルペルオキシベンゾアート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビスメチルイソブチラート等の油溶性重合開始剤の使用が好ましい。該油溶性重合開始剤の使用量は前記単量体(a)〜(a)の合計100重量部に対して0.05〜1.2重量部、好ましくは0.1〜1重量部、特に好ましくは0.2〜0.8重量部である。該使用量が該下限値以上の場合には、重合開始時の初期反応をコントロールし易く一定の架橋状態を有する安定した品質が得られ、また、該上限値以下を使用すると分子量が低くなり過ぎる等の不具合が生ずることがないので好ましい。
本発明の水性感圧接着剤組成物は、以上述べた粘着性微球粒子(A)と共に、乳化重合などにより得られる、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の微小粒子(B)を含んでなるものである。該微小粒子(B)は、水性感圧接着剤組成物中では、水性分散液の形で均一に分散された状態で存在して、前記の粘着性微球粒子(A)の分散安定性を向上させると共に、感圧接着シートへの加工に際しては、乾燥が進むに従って成膜し、該微球粒子(A)を相互に結合させ、且つこれらを基材に物理的に固着させる結合剤として機能するものと考えられる。
本発明に好ましく用いることのできる微小粒子(B)は、アクリル系共重合体、すなわち、(メタ)アクリル酸エステル単量体少なくとも50重量%を含む単量体に基づく共重合体で形成されることが好ましく、上記の機能を持つものであれば特に限定されるものではないが、得られる感圧接着剤組成物の諸物性の優秀さより、下記単量体(b)〜(b)、
(b)下記一般式(3)で示される(メタ)アクリル酸エステル単量体、
一般式(3):CH=CRCOOR
(但し、RはH又はCH、Rは炭素数4〜12の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)
(b)カルボキシル基を有する不飽和単量体、及び
(b)上記単量体(b)及び(b)と共重合可能な、該単量体(b)及び(b)以外の不飽和単量体、
を共重合してなるものであることが好ましい。
上記単量体(b)におけるRは、例えばメチル基、エチル基、N−プロピル基、i−プロピル基、N−ブチル基、i−ブチル基、N−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、N−オクチル基、i−オクチル基、N−ノニル基、i−ノニル基、N−デシル基、N−ドデシル基などを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、N−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、N−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、N−オクチル(メタ)アクリレート、i−オクチル(メタ)アクリレート、N−ノニル(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、N−デシル(メタ)アクリレートなどを例示できる。
単量体(b)の使用量は、単量体(b)〜(b)の合計100重量%中、例えば50〜100重量%、好ましくは55〜99.8重量%、特に好ましくは60〜99.5重量%である。単量体(b)を該下限値以上使用することにより、得られる感圧接着シートが優れた粘着性と接着力を有すると共に、基材との密着性にも優れているので好ましい。一方、該単量体(b)の使用量を該上限値以下とすることにより、前記のカルボキシル基を含有する単量体などの使用が可能となって、微小粒子(B)を含む水性分散液そのものの保存安定性に問題が生じにくいので好ましい。
上記単量体(b)であるカルボキシル基を含有する単量体としては、前記の粘着性微球粒子(A)における単量体(a)と同じα,β−不飽和モノ−もしくはジ−カルボン酸単量体を使用することができ、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸の使用が好ましい。
単量体(b)の使用量は、単量体(b)〜(b)の合計100重量%中、例えば0〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、特に好ましくは0.5〜2重量%である。該単量体(b)の使用量が該上限値以下であれば、得られる感圧接着シートが優れた粘着性と接着力を有すると共に、基材との密着性にも優れているので好ましい。一方該下限値以上使用することによって、アクリル系共重合体微小粒子(B)を含む水性分散液そのものの保存安定性に問題が生じにくいので好ましい。
さらに上記単量体(b)である、単量体(b)及び(b)と共重合可能な、該単量体(b)及び(b)以外の不飽和単量体としては、前記の粘着性微球粒子(A)における単量体(a)で例示した、飽和脂肪酸ビニルエステル、芳香族ビニル単量体、マレイン酸又はフマル酸のジエステル、分子内に1個のラジカル重合性不飽和基の他に少なくとも1個のカルボキシル基以外の官能基を有する単量体よりえらばれた共単量体も同様に利用できる。
上記単量体(b)の使用量は、単量体(b)〜(b)の合計100重量%中、例えば、0〜50重量%、好ましくは0〜40重量%、特に好ましくは0〜38重量%の範囲である。該単量体(b)の使用量は、該単量体の種類によっても変わり得るので一義的には決められないが、接着力と粘着性のバランス及びこれらと凝集力とのバランスなどを所望に応じて調整するのに役立つので、そのような目的に合致するように前記範囲量で適宜に選択することができる。
単量体(b)の使用量が上記上限値以下であれば、得られる感圧接着シートが優れた粘着性と接着力を有すると共に、基材との密着性にも優れているので、単量体(B)を使用する場合には、該上限値の範囲内で適当に選択利用するのが好ましい。
本発明の水性感圧接着剤組成物に用いられる微小粒子(B)は、例えば前記単量体組成(b)〜(b)を、適宜の界面活性剤を用い水性媒体中で乳化共重合することにより得られる共重合体により形成されるものであることが好ましく、このような共重合体のガラス転移温度(Tg)は、0℃以下であることが必要であり、−20℃以下、特には−60〜−20℃の範囲の粘着性微小粒子であることが好ましい。ガラス転移温度(Tg)が該上限値より高いと、得られる感圧接着剤組成物に基づく感圧接着シートの接着性(接着力や剥離の仕方)が悪くなるので好ましくない。一方、該下限値以上であれば、該感圧接着シートの再剥離性に問題が生じることがないので好ましい。
また微小粒子(B)の平均粒子径(d)は、通常50〜900nm、好ましくは100〜750nm、特に好ましくは150〜600nmの範囲である。該粒子径(d)が該下限値以上であれば、微小粒子(B)を製造する際に多くの乳化剤を必要としないため、得られる感圧接着シートの経時安定性及び耐熱湿劣化性などが優れているので好ましく、該上限値以下であれば、微小粒子(B)を含む水性分散液そのものの保存安定性に問題が生じるなどの不具合が生じにくいので好ましい。
なお本発明において、微小粒子(B)の平均粒子径は、光散乱式粒子径測定装置「ゼータカイザー1000HS」{商品名;シスメックス(株)製}により測定されたものである。
上記微小粒子(B)の製造に際して用いられる界面活性剤としては、前記粘着性微球粒子(A)の製造で使用されるものとして例示された、アニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤の中から適宜選択したものをそれぞれ単独又は併用して使用することができる。界面活性剤の使用量は、微小粒子(B)を構成する共重合体100重量部、すなわち前記単量体(b)〜(b)の合計100重量部について、通常、約1〜10重量部の範囲内であることが好ましい。
また乳化重合に際しては、水溶性の重合開始剤、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類、過酸化水素などを、前記単量体(b)〜(b)の合計100重量部に対して約0.05〜1重量部の範囲で使用することが好ましい。さらに水性乳化重合に際しては、所望により還元剤として、例えば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖等の還元性有機化合物;例えば、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物を、例示することができる。これら還元剤の使用量もまた特に制限されるものではないが、該単量体(b)〜(b)の合計100重量部に対して約0.05〜1重量部の範囲で併用することができる。
本発明の感圧接着剤組成物における微小粒子(B)の使用量は、必ずしも限定されるものではないが、前記粘着性微球粒子(A)の合計100重量部に対して、例えば5〜100重量部の範囲、好ましくは10〜50重量部の範囲、さらに好ましくは15〜35重量部の範囲であるのがよい。該微小粒子(B)の使用割合が該下限値以上であれば、得られる感圧接着シートが優れた粘着性、接着力と共に、基材との密着性にも優れているので好ましく、該上限値以下であれば、該感圧接着シートが優れた粘着性と接着力を有すると共に、良好な再剥離性を有するので好ましい。
本発明の水性感圧接着剤組成物は、以上述べた粘着性微球粒子(A)及び微小粒子(B)と共に、粘性調整剤(C)を含んでなるものであって、該粘性調整剤がイオン性粘性調整剤(C)及び非イオン性粘性調整剤(C)それぞれ少なくとも1種以上からなることを特徴とするものである。
一般に粘性調整剤は、感圧接着剤組成物の貯蔵、輸送及び使用にわたって、貯蔵安定性などの各種安定性を保持し、塗工に際しては、各種塗工機(コーター)の塗工適性に対応できるようにするために用いられる。
従来、主として使用されてきたイオン性粘性調整剤は、通常、チキソトロピー性の粘度特性を付与するもので、比較的少量で、且つ作業性よく感圧接着剤組成物を所望の粘度にすることができる利点を有している。チキソトロピー性の粘度特性では、剪断力(シェア)の低いところでは高粘度を示すが、シェアの高いところでは、急激に粘度低下を示す。そのため、貯蔵や保管などに際しては、粘度が高いので、感圧接着剤組成物中の粘着性微球粒子の沈降が抑制される。しかしながら、この性質が強すぎると、部分的に高シェアが掛かるポンプ輸送などではポンプの翼が空回りして感圧接着剤組成物を輸送することが困難になる。またコンマ型コーターなど、比較的低シェアの塗工手段を用いるときには、該感圧接着剤組成物粘度が高い領域で塗工されることになり、塗りムラが生じるなどの不具合が起こりやすい。
一方、非イオン性粘性調整剤を用いて、感圧接着剤組成物の粘度を所望の範囲まで高めるには、イオン性粘性調整剤に比べて、通常はその使用量が多くなり、粘性調整の作業性もやや低下する傾向にある。得られる感圧接着剤組成物の粘度特性は、比較的ニュートニアン流動に近いものとなり、シェアの高いところでも、粘度はそれほど低下しない。そのため、この性質が強すぎると、感圧接着剤組成物の貯蔵時に、感圧接着剤組成物中の粘着性微球粒子の沈降を抑制するには、感圧接着剤組成物の低シェア時の粘度を高くしておく必要があり、そうすると、このような感圧接着剤組成物を用いての塗工、中でも塗工時のシェアが高くなるリバースコーターやリップコーターでの塗工が困難になる。
従って感圧接着剤組成物の粘度特性は、チキソトロピー性に偏りすぎても、またニュートニアン流動に近づきすぎても問題が生じやすい。本発明者等は、このような粘度特性を、感圧接着剤組成物の通常の粘度、例えばB型回転粘度計による25℃、60rpmによる粘度と共に、高シェア領域における粘度(ハイシェア粘度)、例えば25℃、剪断速度1×10sec−1における粘度の両方を測定することにより判定することに成功した。またこのような手段を用いて、前記のように、感圧接着剤組成物にイオン性粘性調整剤(C)及び非イオン性粘性調整剤(C)の両方を配合し、且つそれぞれの使用量を調節することにより、好ましい粘度特性を有する水性感圧接着剤組成物を開発することに成功した。
前記のイオン性粘性調整剤(C)としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリイタコン酸ナトリウム、変性ポリアクリル酸、変性ポリアクリル酸ナトリウム、部分けん化ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸ナトリウム・ポリアクリルアミド共重合体、カルボキシル化スチレン・ブタジエン共重合体、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸共重合体、アルカリ増粘型の(メタ)アクリル酸共重合体エマルジョンなどのポリカルボン酸型粘性調整剤を挙げることができ、中でもアルカリ増粘型の(メタ)アクリル酸共重合体エマルジョンが好ましい。
本発明に使用することのできる好ましいイオン性粘性調整剤(C)であるポリカルボン酸型粘性調整剤の具体例には、例えば、「ニカゾールVT−253A」{商品名、日本カーバイド工業(株)製};「アロンA−20P」、「アロンA−7150」、「アロンA−7070」、「アロンB−300」、「アロンB−300K」、「アロンB−500」{商品名、以上東亞合成(株)製};「ジュリマーAC−10LHP」、「ジュリマーAC−10SHP」、「レオジック250H」、「レオジック835H」、「ジュンロンPW−110」、「ジュンロンPW−150」{商品名、以上日本純薬(株)製};「プライマルASE−60」、「プライマルTT−615」、「プライマルRM−5」{商品名、以上ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製};「SNシックナーA−818」、「SNシックナーA−850」{商品名、以上サンノプコ(株)製};「レオレート430」{商品名、エレメンティス・ジャパン(株)製}などを挙げることができ、これらのうち、特にアルカリ増粘型の(メタ)アクリル酸共重合体エマルジョンとしては、「ニカゾールVT−253A」、「アロンB−300K」、「アロンB−500」、「プライマルASE−60」、「プライマルTT−615」、「プライマルRM−5」、「SNシックナーA−850」などを挙げることができる。
非イオン性粘性調整剤(C)としては、例えば界面活性剤型粘性調整剤、ポリエーテル型粘性調整剤、ウレタン変性ポリエーテル型粘性調整剤、グアーガム、キサンタンガム、カルボキシル化メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヘクトライト、ポリサッカライド、ポリエチレンオキシドなどを挙げることができ、中でもウレタン変性ポリエーテル型粘性調整剤が好ましい。
本発明に使用することのできる好ましい非イオン性粘性調整剤(C)の具体例には、例えば、「アデカノールUH−420」、「アデカノールUH−450」、「アデカノールUH−540」、「アデカノールUH−752」{商品名、以上旭電化工業(株)製};「SNシックナー601」、「SNシックナー612」、「SNシックナー621N」、「SNシックナー623N」{商品名、以上サンノプコ(株)製};「レオレート244」、「レオレート278」、「レオレート300」{商品名、以上エレメンティス・ジャパン(株)製};「DKシックナーSCT−275」{商品名、第一工業製薬(株)製}などを挙げることができ、これらのうち、特にウレタン変性ポリエーテル型粘性調整剤としては、「アデカノールUH−752」、「SNシックナー621N」、「SNシックナー623N」「レオレート244」、「レオレート278」などを挙げることができる。
粘性調整剤(C)の使用量は、本発明の水性感圧接着剤組成物の用途により所望の粘度、粘性に応じて適宜きめることができるが、前記粘着性微球粒子(A)及び微小粒子(B)の合計100重量部に対して、イオン性粘性調整剤(C)及び非イオン性粘性調整剤(C)の合計有効成分量として、一般に、1〜10重量部、好ましくは2〜8重量部の範囲である。また粘性調整剤(C)の使用に際しての、イオン性粘性調整剤(C)と非イオン性粘性調整剤(C)との使用比率は、一般に、イオン性粘性調整剤(C)/非イオン性粘性調整剤(C)=90/10〜20/80、好ましくは70/30〜40/60の範囲である。
本発明の水性感圧接着剤組成物は、例えば、前記のように懸濁重合により得られた粘着性微球粒子(A)の水性分散液、及び微小粒子(B)の水性分散液を所定量ずつ混合し、次いでこれに、イオン性粘性調整剤(C)及び非イオン性粘性調整剤(C)を所定量ずつ添加し、また、必要に応じて、その他の添加剤を添加混合ことにより作製することができる。その他の添加剤としては、粘着付与剤、架橋剤、可塑剤、増粘剤、pH調整剤、消泡剤、防腐防黴剤、顔料、無機充填剤、安定剤、濡れ剤、湿潤剤等を挙げることができる。
かくして得られる本発明の水性感圧接着剤組成物は、一般に、固形分含有量10〜60重量%、好ましくは15〜50重量%、さらに好ましくは20〜45重量%であり、B型回転粘度計による25℃、60rpmにおける粘度が100〜10000mPa・s、好ましくは500〜5000mPa・s、さらに好ましくは1000〜3000mPa・sの範囲、pH4.0〜9.0、好ましくは6.0〜9.0、さらに好ましくは7.5〜9.0の範囲である。また本発明の水性感圧接着剤組成物は、前記の環境保全の観点から、アルキルフェニル系界面活性剤を実質的に含まないものであることが好ましい。
本発明の水性感圧接着剤組成物を用いて作製することのできる感圧接着シート、特には再剥離型感圧接着シートの表面基材としては、一般に使用されているものを使用することができ、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト紙等の印刷用紙;感熱記録用紙、熱転写記録用紙、静電記録用紙、インクジェット記録用紙等の情報記録用紙;その他クラフト紙、含浸紙、低サイズ紙、水溶紙等の紙基材;また、PETフィルム、PEフィルム、PPフィルム等のフィルム基材;合成紙;不織布;などが挙げられ、これら基材単独、または、感圧接着剤との密着性を向上させる目的でアンカー層を積層した基材を使用できる。
本発明の水性感圧接着剤組成物は、その用途に応じて選択した上記の適宜の基材の少なくとも一方の面に感圧接着剤層、特に再剥離型感圧接着剤層を形成することにより、感圧接着シート、特に再剥離型感圧接着シートの作製に使用することができる。
上記感圧接着剤層の形成方法としては、一般に公知の塗工手段を用いて、基材の表面に直接塗布し、乾燥し、形成された感圧接着剤層上に離型材を載置し、必要に応じて巻き取り、または、切断するといった方法により作製することができる(直接法)。感圧接着剤層の厚さは、一般に約3〜30g/m、好ましくは約8〜18g/m程度となるように調節するのがよい。感圧接着剤層の厚さが該下限値以上であれば、得られる感圧接着シートの接着性能が不十分となるなどの不都合が生じにくいので好ましく、また該上限値以下とすることにより経済上の負担を増すことなく優れた品質の感圧接着シートがえられるので好ましい。なお使用される基材は、得られる感圧接着シートの保存安定性などの観点からその含水水分量を適度に調整しておくことが望ましい。
上記直接法では、塗工時の感圧接着剤組成物のしみ込みによるしわ抑制の目的で、基材の塗工面に目止め層が積層されたものを用いることが好ましい。なお目止め層には特に限定はなく、例えば、カゼイン、デキストリン、澱粉、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル共重合体等の天然又は合成樹脂と顔料とを主成分とした材料を用いて、乾燥重量で0.1〜10g/m程度の厚さで設けることができる。使用される顔料としては、カオリン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、焼成カオリン、デラミカオリン、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、ホワイトカーボン等の無機顔料;ポリスチレン樹脂微球粒子、尿素−ホルマリン樹脂微球粒子、微小中空粒子等の有機合成顔料;などを用いることができる。
また、感熱記録紙や各種フィルムのように熱の影響を受けやすい基材の場合は、耐熱性の高い品種の基材を選択することや、乾燥温度を低くすることで対応することが好ましい。
本発明の水性感圧接着剤組成物を塗工するために用いられる前記の塗工手段としては、例えばロールコーター、リバースロールコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、スロットダイコーター、リップコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター等を挙げることができ、また、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷機を使用することもできる。
以下に実施例、比較例、製造例によって本発明をさらに具体的に説明するが、勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において用いる試験片の作成及びそれを用いた各種物性試験は以下の方法に従った。
(1)再剥離型感圧接着シートの作製
上質紙{81.4g/m;王子製紙(株)製}の上に、乾燥後の塗布量が15g/mとなるように水性感圧接着剤組成物をワイヤーバーにより塗布し、105℃、40秒間熱風循環式乾燥機にて乾燥して感圧接着剤層を形成した後、該感圧接着剤層上に剥離紙の剥離剤塗布面が接するように載置して貼り合わせ、再剥離型感圧接着シートを得た。
(2)塗工性の評価
再剥離型感圧接着剤組成物の粘度(BL型回転粘度計60rpm、25℃)、並びに、ハイシェア粘度(剪断速度1×10sec−1)〔高剪断粘度計{KRKタイプ“KC−801C”;熊谷理機工業(株)製}、Bボブ、最大回転数8800rpm、スウィープ時間10秒、25℃〕及びハイシェア粘度降伏時の回転数(剪断速度)を下記評価基準により評価した。
なお、ハイシェア粘度計の回転数を上げていったとき、測定試料によって、ハイシェア粘度計の構造上、それ以上の回転数では安定した粘度の数値を示さず、その数値が急激に低下してしまうような回転数が存在する。ここではそのような回転数を「ハイシェア粘度降伏回転数」と定義した。
[評価基準]
○:粘度1500mPa・s以上、ハイシェア粘度250mPa・s未満で、且つ粘度降伏時の回転数5000rpm(2.0×10sec−1)以上。
△:粘度1000mPa・s以上、ハイシェア粘度400mPa・s未満で、且つ粘度降伏時の回転数3500rpm(1.5×10sec−1)以上。
×:粘度1000mPa・s未満、又はハイシェア粘度150mPa・s以上、又は粘度降伏時の回転数3500rpm(1.5×10sec−1)未満。
(3)初期接着力の測定
(3−1)被着体:SUS304
前(1)項で作製された再剥離型感圧接着シートを、長さ約100mm×巾25mmに裁断して試料とし、この試料をJIS Z−0237の方法に従って、JIS R−6253に規定する#360の耐水研磨紙で磨いたSUS304ステンレス綱板(以下SUSと略称することがある)に圧着して試験片を作成した。この試験片を、23℃、50%RHの条件下で30分放置した後、同温湿度の条件下、剥離速度300mm/分での180゜剥離における接着力を測定した。
接着力の測定には、定速伸張型引張試験機を使用し、得られるチャートから平均的な剥離力(単位;gf/25mm)を求めた。測定は3つの試験片について行い、それらの平均値を試験片の接着力の値とした。
(3−2)被着体:ポリエチレン板
前(3−1)項において、被着体としてSUSを用いる代わりに、ポリエチレン板(以下、PEと略称することがある)(JIS K−6768に規定する方法で表面張力γ=33dyn/cmのもの)を用いる以外は前(3−1)項と同様にして試験片を作成し、180゜剥離における接着力を測定した。
(3−3)被着体:段ボール
前(2−1)項において、被着体としてSUSを用いる代わりに、表面紙が「K6ライナー」{王子製紙(株)製}の段ボール{清和紙器工業(株)製}を用い、2kgの圧着ローラーで、300mm/分、1往復圧着して試験片を作成し、この試験片を、23℃、50%RHの条件下で30分放置した後、同温湿度の条件下、剥離速度300mm/分での180゜剥離における接着力を測定した。
(3−4)被着体:コート紙
前(3−1)項において、被着体としてSUSを用いる代わりに、コート紙「ニューエイジ」{王子製紙(株)製}を用いる以外は前(3−1)項と同様にして試験片を作成し、180゜剥離における接着力を測定した。
なお、再剥離型感圧接着シートの実用適性(被着体から脱落しない接着力)を考慮するとき、初期接着力は、一般に80gf/25mm以上であることが好ましいが、作業者の該感圧接着シート貼着の手直しなどを考慮すると、被着体がSUSの場合には100〜800gf/25mm、さらには150〜600gf/25mmであることが好ましく、被着体がPEの場合には、50〜600gf/25mm、さらには100〜400gf/25mmであることが好ましく、被着体が段ボールの場合には、被着体の強度を考慮すれば、初期接着力は50〜600gf/25mm未満、さらには100〜400gf/25mmであることが好ましく、また被着体がコート紙の場合には、被着体の強度を考慮すれば初期接着力は100〜1000gf/25mm未満、さらには100〜800gf/25mmであることが好ましい。
(4)経時接着性の測定
前(3)項において作成した、再剥離型感圧接着シートを各被着体に貼着して作成した試験片を、40℃、90%RHの恒温恒湿槽内に7日間放置し、さらに23℃、50%RHの環境に30分放置した後、前(3)項と同様にして180゜剥離における接着力を測定した。
なお、再剥離型感圧接着シートの実用適性(被着体から再剥離可能な接着力)を考慮するとき、経時接着力は、被着体がSUSの場合には1000gf/25mm以下、さらには800gf/25mm以下であることが好ましい。被着体がPEの場合には、50〜800gf/25mm、さらには100〜600gf/25mmであることが好ましく、また被着体が段ボールの場合には、被着体の強度を考慮すれば、経時接着力は50〜600gf/25mm未満、さらには100〜400gf/25mmであることが好ましく、また被着体がコート紙の場合には、被着体の強度を考慮すれば経時接着力は100〜1200gf/25mm未満、さらには100〜1000gf/25mmであることが好ましい。
(5)再剥離性の評価
前(4)項の、経時接着力測定の際の被着体からの試験片の剥離状態を目視により観察して、下記の評価基準に従って評価した。
[評価基準]
○:感圧接着シート基材及び被着体(段ボール又はコート紙)の紙破れ、並びに剥離時の被着体(SUS又はコート紙)への糊残り及び感圧接着剤の糸曳き共になし。
△:感圧接着シート基材及び被着体(段ボール又はコート紙)の紙破れはないが、一部で剥離時に被着体(SUS又はコート紙)への糊残り及び感圧接着剤の糸曳きあり。
×:感圧接着シート基材及び被着体(段ボール又はコート紙)の紙破れあり、又は剥離時に被着体(SUS又はコート紙)へ糊が面残りし、きれいに剥離できない。
(6)再貼付性の評価
前(3−3)項で被着体より剥がした再剥離型感圧接着シートを、16mm×20mmの大きさに裁断したものを試料とし、直径50mmの円筒状の「Kライナー」紙{王子製紙(株)製}側面に、試料を20mm部分が湾曲するように貼付して、24時間後の浮き、剥がれ具合を下記評価基準により評価した。
[評価基準]
○:感圧接着シートの浮き、剥がれなし。
△:感圧接着シートの浮き、剥がれのない部分の面積が80%以上100%未満。
×:感圧接着シートの浮き、剥がれのない部分の面積が80%未満、又は完全に剥がれる。
〔粘着性微球粒子(A)の製造〕
製造例A1
温度計、攪拌機、原料導入管、窒素導入管及び還流冷却器を備えた反応器に、イオン交換水150重量部、部分ケン化ポリビニルアルコール「ゴーセノールKH−17」{商品名;日本合成化学(株)製}(KH−17)の5重量%水溶液60重量部(有効成分量3重量部)、アニオン系界面活性剤「ニューコール707SF」{商品名;ポリオキシエチレン(n=7)ジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩及びアンモニウム塩;日本乳化剤(株)製}(N707SF)の水溶液(有効成分30重量%)0.32重量部(有効成分量0.096重量部)を仕込み、充分に攪拌して溶解させた。次に別の容器に2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)99.3重量部、アクリル酸(AA)0.7重量部、「パーブチルPV」{商品名;t−ブチルペルオキシピバラート(有効成分濃度70重量%);日本油脂(株)製}(PBPV)0.34重量部を入れて攪拌混合し、この単量体混合液を先に準備された反応器中の水溶液に添加して攪拌速度300rpm前後で1時間攪拌した後、反応容器中にイオン交換水101重量部を添加し、窒素置換を行い、昇温を開始した。52〜55℃で重合反応が始まり、急激に80℃前後まで発熱した。これを冷却し75℃に保持して4時間反応を行った。その後生成した水性懸濁液は30℃まで冷却させ、2.5%アンモニア水を添加してpH8〜9とした。得られた水性懸濁液の特性値は、固形分34.9重量%、pH8.3であり、粘着性微球粒子の特性値は、体積平均粒子径(d)43μm、溶融温度63℃、共重合体のガラス転移温度(Tg)は−74℃であった。
製造例A2〜A4
製造例A1において、反応器中への単量体混合液添加後の攪拌速度を変える以外は製造例A1と同様にして重合反応を行った。採用した攪拌速度、得られた水性懸濁液の特性値及び粘着性微球粒子の特性値を表1に示す。
製造例A5〜A7
製造例A1において、表1に示すように、さらにエチレングリコールジメタクリレート(EDM)0.1重量部又は、n−ドデシルメルカプタン(nDM)0.02重量部もしくは0.05重量部用いる以外は、製造例A1と同様にして重合反応を行った。採用した攪拌速度、得られた水性懸濁液の特性値及び粘着性微球粒子の特性値を表1に示す。
製造例A8〜A10
製造例A1において、EHAを99.3重量部用いる代わりに、表1に示すようにその一部をブチルアクリレート(BA)に置き換え、又はさらにメチルメタクリレート(MMA)を用いる以外は、製造例A1と同様にして重合反応を行った。採用した攪拌速度、得られた水性懸濁液の特性値及び粘着性微球粒子の特性値を表1に示す。
〔微小粒子(B)の製造〕
〔アクリル系共重合体微粒子(B)の製造〕
製造例B1
製造例A1で用いたと同様の反応器に、イオン交換水28重量部を仕込み、内温を75℃に昇温させた。一方、別の容器にイオン交換水20重量部、ノニオン乳化剤「ノイゲンONO.109D」〔商品名;ポリオキシエチレンオレイルエーテル(有効成分濃度100重量%);第一工業製薬(株)製〕1.0重量部、アニオン系界面活性剤「ハイテノールNF−17」〔商品名;ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(有効成分濃度95重量%);花王(株)製〕1.05重量部(有効成分量1.0重量部)を仕込み攪拌して溶解させ、次いでこれにEHA84.5重量部、MMA15.0重量部、AA0.5重量部よりなる単量体混合物を加えて攪拌し、単量体プレミックスを得た。反応器の内容物を窒素気流下に攪拌しながら加熱し、反応器内の水温が75℃に達した時点で重合開始剤過硫酸アンモニウム(APS)及び還元剤メタ重亜硫酸ナトリウム(SMBS)それぞれ0.058重量部添加した後、単量体プレミックス、4.2重量%APS水溶液8.2重量部及び4.2重量%SMBS水溶液8.2重量部を逐次添加して重合開始させ、約2.5時間重合反応を行った。重合反応終了後、同温度で約1時間攪拌を継続してから冷却し、25%アンモニア水を添加してpH調整してアクリル系共重合体微粒子の水性分散液を得た。この水性分散液の特性値は固形分58.0重量%、pH8.3、粘度160mPa・s(BH型回転粘度計20rpm、25℃)、アクリル系共重合体微粒子の特性値は体積平均粒子径(d)510nm、共重合体のガラス転移温度(Tg)は−49℃であった。
製造例B2〜B5
製造例B1において、EHA84.5重量部、MMA15.0重量部及びAA0.5重量部を用いる代わりに、表2に示すようにそれらの使用量をそれぞれ変え、又はEHAの一部をBAに換える以外は製造例B1と同様にして重合反応を行った。使用した単量体組成、得られた水性分散液の特性値、及びアクリル系共重合体微小粒子の体積平均粒子径及びガラス転移温度を表2に示す。
〔再剥離型感圧接着剤組成物の作製〕
実施例1
製造例A1で得られた微球粒子(A)の水性懸濁液286.5重量部(微球粒子約100重量部)に、製造例B1で得られたアクリル系共重合体の微小粒子(B)の水性分散液43.1重量部〔微小粒子約25重量部〕、イオン性粘性調整剤(C)として、アルカリ増粘型(メタ)アクリル酸共重合体エマルジョンである「ニカゾールVT−253A」〔商品名;日本カーバイド工業(株)製〕(VT253A)9.74重量部(有効成分約2.63重量部)、及び非イオン性粘性調整剤(C)として、ウレタン変性ポリエーテル型粘性調整剤である「SNシックナー621N」{商品名;サンノプコ(株)製}(SN621N)7.13重量部(有効成分約2.14重量部)を添加し、次いで25%アンモニア水を添加して粘度を調整し、再剥離型感圧接着剤組成物を作製した。得られた感圧接着剤組成物の特性値は、固形分37.2重量%、pH8.4、粘度2150mPa・s、ハイシェア粘度189mPa・s、ハイシェア降伏回転数は6240rpmであった。
得られた感圧接着剤組成物を用いて、前記に従い感圧接着シートを作製し、各種物性試験を行った。試験結果を表5に示す。
実施例2〜6及び比較例1
実施例1において、製造例B1で得られたアクリル系共重合体の微小粒子(B)の使用量を変え、又はこれを用いず、さらにこれに伴って、イオン性粘性調整剤(C)と非イオン性粘性調整剤(C)の使用比率はほぼ一定に維持しながら、その使用量を加減する以外は実施例1と同様にして再剥離型感圧接着剤組成物を作製し、これを用いて感圧接着シートを作製し各種物性試験を行った。得られた感圧接着剤組成物の配合組成を表3に、感圧接着剤組成物の特性値を表4に、各種物性試験の結果を表5に示す。
実施例7〜8及び比較例2〜3
実施例1において、イオン性粘性調整剤(C)と非イオン性粘性調整剤(C)の使用比率を変え、必要に応じて、その合計使用量を変える以外は実施例1と同様にして再剥離型感圧接着剤組成物を作製し、これを用いて感圧接着シートを作製し各種物性試験を行った。得られた感圧接着剤組成物の配合組成を表3に、感圧接着剤組成物の特性値を表4に、各種物性試験の結果を表5に示す。
実施例9〜17
実施例1において、製造例A1で得られた微球粒子(A)を用いる代わりに、製造例A2〜A10の何れかを用いる以外は実施例1と同様にして再剥離型感圧接着剤組成物を作製し、これを用いて感圧接着シートを作製し各種物性試験を行った。得られた感圧接着剤組成物の配合組成を表3に、感圧接着剤組成物の特性値を表4に、各種物性試験の結果を表5に示す。
実施例18〜20及び比較例4
実施例1において、製造例B1で得られた微球粒子(B)を用いる代わりに、製造例B2〜B8及び製造例A6の何れかを用いる以外は実施例1と同様にして再剥離型感圧接着剤組成物を作製し、これを用いて感圧接着シートを作製し各種物性試験を行った。得られた感圧接着剤組成物の配合組成を表3に、感圧接着剤組成物の特性値を表4に、各種物性試験の結果を表5に示す。
実施例21〜24
実施例1において、イオン性粘性調整剤(C)の種類を変え、必要に応じて、非イオン性粘性調整剤(C)である“SN621N”の使用量を変える以外は実施例1と同様にして再剥離型感圧接着剤組成物を作製し、これを用いて感圧接着シートを作製し各種物性試験を行った。得られた感圧接着剤組成物の配合組成を表3に、感圧接着剤組成物の特性値を表4に、各種物性試験の結果を表5に示す。
実施例25〜28
実施例1において、非イオン性粘性調整剤(C)の種類を変え、必要に応じて、イオン性粘性調整剤(C)である“VT253A”の使用量を変える以外は実施例1と同様にして再剥離型感圧接着剤組成物を作製し、これを用いて感圧接着シートを作製し各種物性試験を行った。得られた感圧接着剤組成物の配合組成を表3に、感圧接着剤組成物の特性値を表4に、各種物性試験の結果を表5に示す。
なお表3における単量体の略号は以下のとおりである。
VT253A:「ニカゾールVT−253A」、日本カーバイド工業(株)製。
B300K:「アロンB−300K」、東亞合成(株)製。
B500:「アロンB−500」、東亞合成(株)製。
TT615:「プライマルTT−615」、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製。
SN621N:「SNシックナー621N」、サンノプコ(株)製。
SN612:「SNシックナー612」、サンノプコ(株)製。
SN623N:「SNシックナー623N」、サンノプコ(株)製。
UH752:「アデカノールUH−752」、旭電化工業(株)。
RHEO:「レオレート278」、エレメンティス・ジャパン(株)製。
次ぎに本発明の要旨及びその好ましい実施態様を列記する。
[1]体積平均粒子径(d)1μm以上の粘着性微球粒子(A)少なくとも1種、体積平均粒子径(d)1μm未満の微小粒子(B)少なくとも1種、及び粘性調整剤(C)を含んでなる水性感圧接着剤組成物において、該微小粒子(B)のガラス転移温度(Tg)が0℃以下であり、且つ該粘性調整剤が、イオン性粘性調整剤(C)及び非イオン性粘性調整剤(C)それぞれ少なくとも1種以上からなることを特徴とする感圧接着剤組成物。
[2]粘着性微球粒子(A)がアクリル系(共)重合体により形成される上記[1]に記載の感圧接着剤組成物。
[3]アクリル系(共)重合体が、(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する重合単位少なくとも50重量%を含む上記[2]に記載の感圧接着剤組成物。
[4]粘着性微球粒子(A)形成するアクリル系(共)重合体が、下記単量体(a)〜(a)、
(a)下記一般式(1)で示されるアクリル酸エステル単量体、
一般式(1):CH=CHCOOR
(但し、Rは炭素数4〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)
(a)カルボキシル基を有する不飽和単量体、
(a)分子内に少なくとも2個のラジカル重合性不飽和基を有する単量体、及び、
(a)上記単量体(a)〜(a)と共重合可能な、該単量体(a)〜(a)以外の不飽和単量体、
を(共)重合してなるものである上記[2]又は[3]に記載の感圧接着剤組成物。
[5]粘着性微球粒子(A)が水性懸濁重合により得られるものである上記[1]、[2]又は[4]に記載の感圧接着剤組成物。
[6]水性懸濁重合が、アルキルフェニル系界面活性剤を実質的に含まない界面活性剤の存在下で行われる上記[5]に記載の感圧接着剤組成物。
[7]粘着性微球粒子(A)の溶融温度が40℃より高い上記[1]又は[2]に記載の感圧接着剤組成物。
[8]粘着性微球粒子(A)の溶融温度が45℃より高い上記[3]に記載の感圧接着剤組成物。
[9]粘着性微球粒子(A)の溶融温度が50℃より高い上記[3]に記載の感圧接着剤組成物。
[10]粘着性微球粒子(A)の体積平均粒子径(d)が1〜80μmの範囲である上記[1]又は[2]に記載の感圧接着剤組成物。
[11]粘着性微球粒子(A)の体積平均粒子径(d)が10〜60μmの範囲である上記[10]に記載の感圧接着剤組成物。
[12]粘着性微球粒子(A)の体積平均粒子径(d)が20〜50μmの範囲である上記[10]に記載の感圧接着剤組成物。
[13]粘着性微球粒子(A)のガラス転移温度(Tg)が−40℃以下である上記[1]、[2]及び[4]〜[12]の何れか1項に記載の感圧接着剤組成物。
[14]粘着性微球粒子(A)のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下である上記[13]に記載の感圧接着剤組成物。
[15]粘着性微球粒子(A)のガラス転移温度(Tg)が−60℃以下である上記[13]に記載の感圧接着剤組成物。
[16]微小粒子(B)がアクリル系(共)重合体により形成される上記[1]に記載の感圧接着剤組成物。
[17]アクリル系(共)重合体が、(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する重合単位少なくとも50重量%を含む上記[16]に記載の感圧接着剤組成物。
[18]微小粒子(B)を形成するアクリル系(共)重合体が、下記単量体(b)〜(b)、
(b)下記一般式(3)で示される(メタ)アクリル酸エステル単量体、
一般式(3):CH=CRCOOR
(但し、RはH又はCH、Rは炭素数4〜12の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)
(b)カルボキシル基を有する不飽和単量体、及び
(b)上記単量体(b)及び(b)と共重合可能な、該単量体(b)及び(b)以外の不飽和単量体、
を共重合してなるものである上記[1]、[16]又は[17]に記載の感圧接着剤組成物。
[19]微小粒子(B)が水性乳化重合により得られるものである上記[1]、[16]又は[18]に記載の感圧接着剤組成物。
[20]水性乳化重合が、アルキルフェニル系界面活性剤を実質的に含まない界面活性剤の存在下で行われる上記[19]に記載の感圧接着剤組成物。
[21]微小粒子(B)の体積平均粒子径(d)が50〜900nmの範囲である上記[1]、[16]及び[18]〜[20]の何れか1項に記載の感圧接着剤組成物。
[22]微小粒子(B)の体積平均粒子径(d)が100〜750nmの範囲である上記[21]に記載の感圧接着剤組成物。
[23]微小粒子(B)の体積平均粒子径(d)が150〜600nmの範囲である上記[21]に記載の感圧接着剤組成物。
[24]微小粒子(B)のガラス転移温度(Tg)が−20℃以下である上記[1]、[16]及び[18]〜[23]の何れか1項に記載の感圧接着剤組成物。
[25]微小粒子(B)のガラス転移温度(Tg)が−60〜−20℃の範囲である上記[24]に記載の感圧接着剤組成物。
[26]微小粒子(B)の使用量が、粘着性微球粒子(A)100重量部に対して、5〜100重量部の範囲である上記[1]に記載の感圧接着剤組成物。
[27]微小粒子(B)の使用量が、粘着性微球粒子(A)100重量部に対して、10〜50重量部の範囲である上記[26]に記載の感圧接着剤組成物。
[28]微小粒子(B)の使用量が、粘着性微球粒子(A)100重量部に対して、15〜35重量部の範囲である上記[26]に記載の感圧接着剤組成物。
[29]イオン性粘性調整剤(C)がポリカルボン酸型粘性調整剤である上記[1]に記載の感圧接着剤組成物。
[30]イオン性粘性調整剤(C)がアルカリ増粘型の(メタ)アクリル酸共重合体エマルジョンである上記[1]又は[29]に記載の感圧接着剤組成物。
とができ、中でもが好ましい。
[31]非イオン性粘性調整剤(C)がウレタン変性ポリエーテル型粘性調整剤である上記[1]に記載の感圧接着剤組成物。
[32]水性感圧接着剤組成物がアルキルフェニル系界面活性剤を実質的に含まない上記[1]に記載の感圧接着剤組成物。
[33]感圧接着剤組成物が再剥離型感圧接着剤組成物である上記[1]〜[32]の何れか1項に記載の感圧接着剤組成物。
本発明の水性感圧接着剤組成物は、紙、金属、プラスチック類などの被着体であって、その表面が平滑面又は粗面の何れの被着体に対しても良好な接着性を有する感圧接着シートの作製に用いることができ、特にその剥離に際して糊残りなく再剥離が可能であり、さらに貼付、剥離が繰り返し可能な再剥離型感圧接着シートの作製に好適に使用することができる。

Claims (17)

  1. 体積平均粒子径(d)1μm以上の粘着性微球粒子(A)少なくとも1種、体積平均粒子径(d)1μm未満の微小粒子(B)少なくとも1種、及び粘性調整剤(C)を含んでなる水性感圧接着剤組成物において、
    該微小粒子(B)のガラス転移温度(Tg)が0℃以下であり、
    且つ該粘性調整剤(C)が、イオン性粘性調整剤(C )であるポリカルボン酸型粘性調整剤と非イオン性粘性調整剤(C )であるウレタン変性ポリエーテル型粘性調整剤とからなり、
    イオン性粘性調整剤(C )と該非イオン性粘性調整剤(C )との使用比率の重量比が、イオン性粘性調整剤(C )/非イオン性粘性調整剤(C )=90/10〜20/80の範囲であることを特徴とする感圧接着剤組成物。
  2. 粘着性微球粒子(A)がアクリル系(共)重合体により形成される請求項1項に記載の感圧接着剤組成物。
  3. 粘着性微球粒子(A)の溶融温度が40℃より高い請求項1又は2に記載の感圧接着剤組成物。
  4. 粘着性微球粒子(A)の体積平均粒子径(d)が1〜80μmの範囲である請求項1又は2に記載の感圧接着剤組成物。
  5. 粘着性微球粒子(A)のガラス転移温度(Tg)が−40℃以下である請求項1〜4の何れか1項に記載の感圧接着剤組成物。
  6. 粘着性微球粒子(A)が水性懸濁重合により得られるものである請求項1〜5の何れか1項に記載の感圧接着剤組成物。
  7. 微小粒子(B)がアクリル系(共)重合体により形成される請求項1項に記載の感圧接着剤組成物。
  8. 微小粒子(B)の体積平均粒子径(d)が50〜900nmの範囲である請求項1又は7に記載の感圧接着剤組成物。
  9. 微小粒子(B)のガラス転移温度(Tg)が−20℃以下である請求項1、7又は8に記載の感圧接着剤組成物。
  10. 微小粒子(B)が水性乳化重合により得られるものである請求項1及び7〜9の何れか1項に記載の感圧接着剤組成物。
  11. 水性懸濁重合又は水性乳化重合が、アルキルフェニル系界面活性剤を実質的に含まない界面活性剤の存在下で行われる請求項6又は10に記載の感圧接着剤組成物。
  12. アクリル系(共)重合体が、(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する重合単位少なくとも50重量%を含む請求項2又は7に記載の感圧接着剤組成物。
  13. 微小粒子(B)の使用量が、粘着性微球粒子(A)100重量部に対して、5〜100重量部の範囲である請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  14. イオン性粘性調整剤(C )と非イオン性粘性調整剤(C )との使用比率の重量比が、イオン性粘性調整剤(C )/非イオン性粘性調整剤(C )=70/30〜40/60の範囲である請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  15. 粘性調整剤(C)の使用量が、粘着性微球粒子(A)及び微小粒子(B)の合計100重量部に対して、1〜10重量部の範囲である請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  16. 水性感圧接着剤組成物がアルキルフェニル系界面活性剤を実質的に含まない請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
  17. 感圧接着剤組成物が再剥離型感圧接着剤組成物である請求項1〜16の何れか1項に記載の感圧接着剤組成物。
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