JP2000281778A - ポリフェニレンエーテルの製造方法 - Google Patents

ポリフェニレンエーテルの製造方法

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JP2000281778A
JP2000281778A JP11087329A JP8732999A JP2000281778A JP 2000281778 A JP2000281778 A JP 2000281778A JP 11087329 A JP11087329 A JP 11087329A JP 8732999 A JP8732999 A JP 8732999A JP 2000281778 A JP2000281778 A JP 2000281778A
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oxygen
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Teruaki Sakuma
照章 佐久間
Akira Mitsui
昭 三井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術では困難であった到達分子量が
安定したポリフェニレンエーテルの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 フェノール性化合物と触媒及び重合用溶
媒の存在下で、最初に酸素1から99容量%含有するガ
ス雰囲気下において配合して混合物を作り、この混合物
を使用し酸素と接触させて反応することにより到達分子
量が安定なポリフェニレンエーテルを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンエ
ーテルの製造方法に関し、詳しくは少なくとも1種のフ
ェノール性化合物を触媒及び重合用溶媒の存在下で反応
させることによりポリフェニレンエーテルを製造する酸
化カップリング反応の改良であり、その特徴はまず最初
にフェノール性化合物と触媒材料とを酸素を1から99
容量%含有するガス雰囲気下において配合して混合物を
作り、この混合物を使用し酸素と接触させてポリフェニ
レンエーテルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール性化合物を酸化重合させるこ
とでポリフェニレンエーテルを製造する際に用いられる
重合触媒としては、特公昭36−18692号公報で提
案されて以来、銅化合物と各種アミンとの組み合わせが
多数提案されてきた。即ち、銅化合物の種類及びこれと
共働するハロゲン化合物の提案、またアミンに関しても
1級アミンか2級アミンか3級アミンかという選択や、
モノアミンかジアミンかポリアミンか等の種々の提案が
されてきた。
【0003】例えば、古くはUSP3306875号、
同3344116号及び、同3432466号では銅化
合物とN,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブ
タンジアミン等のテトラアルキルタイプのジアミンの触
媒系を用いる方法や、特公昭52−17075号、特公
昭52−17076号の各公報では銅化合物とテトラア
ルキルタイプのジアミン及びヨウ素化合物との組み合わ
せも提案されている。
【0004】また特公昭58−53012号、特公昭5
9−53012号、特公昭59−23332号の各公報
では銅化合物、臭素化合物とN,N’−ジ−t−ブチル
エチレンジアミン及びn−ブチルジメチルアミン等の3
級アミンの組み合わせや、前記3級アミンとN−ジ−n
−ブチルアミン等の2級モノアミンとの組み合わせから
なる方法等が提案されてきた。更に特開昭64−331
31号公報には銅化合物と2級脂肪族アミンまたは2級
脂肪族アミンと特殊な構造を持つアニリン類とN,N,
N’,N’−テトラメチル1,3−ジアミノ(置換また
は非置換)プロパン及び臭素化合物もしくは塩素化合物
を用いることにより耐水性の改良された高活性な方法が
開示されている。
【0005】また、上記の重合触媒とフェノール性化合
物を配合する際の方法として特開昭59−179620
号、特開昭61−1453号の各公報では不活性ガス雰
囲気下および酸素若しくは酸素含有ガス雰囲気下で配合
することで触媒を高活性化させる方法が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
の製造方法はバッチ法の為、バッチ操作と関連した諸問
題が誘起されている。それは、バッチ毎に生成する生成
物の分子量が異なることである。また、酸素もしくは酸
素含有ガスを混合物に短時間吹込んでいる為、ポリフェ
ニレンエーテルの反応が始まってしまい更にバッチ毎の
生成物の分子量が安定しにくいことが課題である。
【0007】本発明は、分子量が安定なポリフェニレン
エーテルの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するため、鋭意検討を進めた結果、驚くべきこと
に、フェノール性化合物と触媒及び重合用溶媒の存在下
で、最初に酸素を1から99容量%含有するガス雰囲気
下において配合して混合物を作り、この混合物を使用し
酸素を接触させて反応させることにより分子量が安定な
ポリフェニレンエーテルの製造が可能になることを見い
だし、本発明に至った。好ましくは該混合物を10から
60℃の範囲内の温度で調整すると良好に本発明が作用
する。
【0009】また好ましくは、本発明において使用され
る触媒が、(a)銅化合物、(b)臭素化合物、(c)
下記式(1)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ独
立に水素、炭素数1から6の直鎖状または分岐状アルキ
ル基で、全てが同時に水素ではない。R5は炭素数2か
ら5の直鎖状またはメチル分岐を持つアルキレン基であ
る)で表されるジアミン化合物、(d)第3級モノアミ
ン、(e)第2級モノアミンの各成分からなる触媒であ
ることにより一層本発明は有効である。
【0012】本発明において、混合物中のフェノール性
化合物の濃度は1から99重量%であり、該混合物とし
て全てのフェノール性化合物を添加して作成する、もし
くはフェノール性化合物を分割して、この一部を該混合
物として作成し、残りのフェノール性化合物は重合時に
添加させることで本発明の作用をより一層有効ならしめ
るので好ましい。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明においては、銅−アミン触媒存在下
でモノマーを酸化重合させてポリフェニレンエーテルを
製造する方法において、ある限られた時間内に所望の分
子量に到達させるために、フェノール性化合物と触媒及
び重合用溶媒の存在下で、最初に酸素を1から99容量
%含有するガス雰囲気下、好ましくは任意の割合でもよ
く、更に好ましくは空気雰囲気下で配合して混合物を作
る。この混合物を配合する時間は任意の時間でよく、好
ましくは10分以下、更に好ましくは5分以下である。
この混合物は10から60℃、好ましくは10から40
℃の範囲内の温度で調整する。この混合物中のフェノー
ル性化合物の濃度は1から99重量%、好ましくは任意
の割合であり、この混合物を使用し重合させることが必
要である。該混合物として全てのフェノール性化合物を
添加して作成する、もしくはフェノール性化合物を分割
して、この一部を該混合物として作成し、残りのフェノ
ール性化合物は重合時に添加させることで本発明の作用
をより一層有効ならしめるまた、重合反応中の固形分濃
度が20重量%以上及び、50重量%以下とすることが
好ましい。一方、不活性ガス雰囲気下で配合して作る混
合物では、限られた時間内に所望の分子量に到達させる
ために多量の触媒が必要になり、かつ到達分子量にむら
が出来るため本発明には有効でない。
【0015】即ち、本発明の酸素含有ガス雰囲気下で配
合した混合物は、ある限られた時間内に所望の分子量に
到達させることができ、更に到達分子量が安定なポリフ
ェニレンエーテルが製造できる。
【0016】本発明に用いられるモノマー(フェノール
性化合物)は下記式(2)で表される構造の化合物であ
る。
【0017】
【化3】
【0018】(式中、R6はアルキル基,置換アルキル
基,アラルキル基,置換アラルキル基,アリール基,置
換アリール基,アルコキシ基,置換アルコキシ基であ
り、R7はR6について定義されたものと同一の基に加え
更にハロゲンであっても良く、R8はR7について定義さ
れたものと同一の基に加え更に水素であっても良い)該
化合物の例としては例えば、2,6−ジメチルフェノー
ル、2,3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−
6−エチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、
2−エチル−6−n−プロピルフェノール、2−メチル
−6−クロルフェノール、2−メチル−6−ブロモフェ
ノール、2−メチル−6−イソプロピルフェノール、2
−メチル−6−n−プロピルフェノール、2−エチル−
6−ブロモフェノール、2−メチル−6−n−ブチルフ
ェノール、2,6−ジ−n−プロピルフェノール、2−
エチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−フェ
ニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,
6−ビス−(4−フルオロフェニル)フェノール、2−
メチル−6−トリルフェノール、2,6−ジトリルフェ
ノール等が挙げられる。これらの化合物はそれぞれ単独
で用いても良いし、2種以上併用しても良い。また少量
のフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−
クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2−エチル
フェノール等を含んでいても実質上差し支えない。これ
らのフェノール性化合物の中で特に2,6−ジメチルフ
ェノールは工業上重要である。また、これらのフェノー
ル性化合物は重合溶媒に溶解または、溶解せずに全て添
加して重合してもよく、更に分割あるいは連続的に添加
しながら重合しても良い。
【0019】本発明に使用できる触媒は、銅−アミン触
媒である。種々の銅−アミン触媒が使用される。
【0020】好適な触媒は、(a)銅化合物、(b)臭
素化合物、(c)下記式(1)
【0021】
【化4】
【0022】(式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ独
立に水素、炭素数1から6の直鎖状または分岐状アルキ
ル基で、全てが同時に水素ではない。R5は炭素数2か
ら5の直鎖状またはメチル分岐を持つアルキレン基であ
る)で表されるジアミン化合物、(d)第3級モノアミ
ン、(e)第2級モノアミンの各成分からなる触媒であ
る。
【0023】銅化合物としては第一銅化合物、第二銅化
合物またはそれらの混合物を使用することができる。第
二銅化合物としては、例えば塩化第二銅、臭化第二銅、
硫酸第二銅、硝酸第二銅等を例示することができる。ま
た第一銅化合物としては、例えば塩化第一銅、臭化第一
銅、硫酸第一銅、硝酸第一銅等を例示することができ
る。これらの中で特に好ましい金属化合物は第一銅,第
二銅化合物については塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第
一銅、臭化第二銅である。またこれらの銅塩は酸化物、
炭酸塩、水酸化物等と対応するハロゲンまたは酸から使
用時に合成しても良い。
【0024】好適に使用される(b)の臭素化合物の種
類は重要ではない。従来知られている臭素化合物が使用
できる。例えば臭化水素、臭化ナトリウム、臭化カリウ
ム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチル
アンモニウム等である。またこれらは水溶液や適当な溶
媒を用いた溶液として使用できる。これらの臭素化合物
は、成分として単独でも用いられるし、2種類以上組み
合わせて用いても良い。
【0025】好適に使用される(c)のジアミンの種類
も(1)で表される構造であれば特に限定されない。
【0026】好適に使用される触媒系の中で(d)の第
3級モノアミンと(e)の第2級モノアミンの全原料混
合物に対する量は特に限定されない。
【0027】第3級モノアミンとしては、脂環式3級ア
ミンを含めた脂肪族3級アミンである。例えばトリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ト
リブチルアミン、トリイソブチルアミン、ジメチルエチ
ルアミン、ジメチルプロピルアミン、アリルジエチルア
ミン、ジメチル−n−ブチルアミン、ジエチルイソプロ
ピルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン等が挙げ
られる。これらの第3級モノアミンは、成分として単独
でも用いられるし、2種類以上組み合わせて用いても良
い。これらの使用量は特に限定されず重要でもない。
【0028】第2級モノアミンとして、種類としては特
に限定されないが例えば、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミ
ン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−i−ブチルアミン、ジ
−t−ブチルアミン、ジペンチルアミン類、ジヘキシル
アミン類、ジオクチルアミン類、ジデシルアミン類、ジ
ベンジルアミン類、メチルエチルアミン、メチルプロピ
ルアミン、メチルブチルアミン、シクロヘキシルアミン
等が挙げられる。N−(置換または非置換フェニル)ア
ルカノールアミンとしては例えば、N−フェニルメタノ
ールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−フェ
ニルプロパノールアミン、N−(m−メチルフェニル)
エタノールアミン、N−(p−メチルフェニル)エタノ
ールアミン、N−(2’,6’−ジメチルフェニル)エ
タノールアミン、N−(p−クロロフェニル)エタノー
ルアミン等が挙げられる。N−炭化水素置換アニリンと
しては例えば、N−エチルアニリン、N−ブチルアニリ
ン、N−メチル−2−メチルアニリン、N−メチル−
2,6−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン等が挙げ
られるがこれらの例には限定されない。これらの第2級
モノアミン化合物は、成分として単独でも用いられる
し、2種類以上組み合わせて用いても良い。使用量は特
に限定されないし重要でもない。
【0029】本発明方法において用いる溶媒は被酸化物
であるフェノール性化合物と比較して酸化されにくく、
かつ反応過程の中間に生成すると考えられる各種ラジカ
ルに対して反応性をほとんど有しないものである限り特
に制限はないが、低分子量のフェノール性化合物を溶解
し、触媒混合物の一部または全部を溶解するものが好ま
しい。このような溶媒の例としては例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水
素、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロルエ
タン、トリクロルエタン、クロルベンゼン、ジクロルベ
ンゼン、トリクロルベンゼンの様なハロゲン化炭化水
素、ニトロベンゼンの様なニトロ化合物等を挙げること
ができ、これらは重合体の良溶媒として使用できる。ま
たメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等のアル
コール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキ
サン、シクロヘプタン等の脂肪族炭化水素類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、ギ
酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド等の
アミド類、ジメチルスルホキシドの様なスルホキシド
類、更には水を挙げることができる。溶媒の1種以上、
必要であれば更に混合して使用することができる。
【0030】しばしば用いられる溶媒の例としてはトル
エンやキシレン等の芳香族炭化水素単独溶媒や、これに
メタノール、エタノール等のアルコール類を含有させた
混合溶媒である。
【0031】フェノール性化合物を酸化重合させて得ら
れる重合体であるポリフェニレンエーテルに対する良溶
媒と貧溶媒の比率を選ぶことによって溶液重合法にもな
るし、貧溶媒の比率を大きくすることで反応の進行とと
もに重合体が反応溶媒中に粒子として析出する沈殿重合
法にもなる。
【0032】本発明はバッチ重合法、連続重合法、溶液
重合法、沈殿重合法等の重合方法に適用できる。
【0033】重合反応系に、アルカリ金属の水酸化物、
アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキ
サイド、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム等の中性
塩、ゼオライト等も添加することができる。
【0034】重合反応温度については、低すぎると反応
が進行しにくく、また高すぎると触媒が失活することも
あるので、0〜80℃、好ましくは10〜70℃の範囲
で行われることが好ましい。
【0035】本発明の酸化重合における酸素は純酸素の
他、窒素等の不活性ガスと任意の割合で混合したもの及
び空気等が使用できる。反応中の系内圧力は常圧で充分
であるが必要に応じて減圧でも加圧でも使用できる。
【0036】重合反応終了後の後処理方法については、
特に制限はない。通常、塩酸や酢酸等の酸、またはエチ
レンジアミン4酢酸(EDTA)及びその塩、ニトリロ
ポリ酢酸及びその塩等を反応液に加えて触媒を失活させ
た後、生成した重合体を分離してメタノール等の該重合
体を溶解しない溶媒で洗浄後、乾燥するという簡単な操
作でポリフェニレンエーテルが回収できる。
【0037】
【発明の実施の形態】次にモノマーとして2,6−ジメ
チルフェノールを使用した実施例により本発明を更に詳
細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限
定されるべきではない。
【0038】なおポリフェニレンエーテルの粘度(ηs
p/c)は重合体を0.5g/100mlのクロロホル
ム溶液とし30℃においてウベローデ粘度計を用いて測
定した値である。単位はdl/gで表す。
【0039】
【実施例】重合実施例における、一般的手順を以下に述
べる。
【0040】反応器底部に酸素ガス導入の為のスパージ
ャー、攪拌タービン翼、還流冷却器を備えた4リットル
のジャケット付きガラス製反応器に、触媒各成分とトル
エンの一部を加える。これにトルエンの一部に溶かした
モノマーの一部を加え、実施例では空気雰囲気下、比較
例では窒素雰囲気下で所定時間攪拌する。その後酸素を
スパージャーより導入し、この時点を重合開始時間とす
る。直ちに残り(または全量)のモノマーをトルエンに
溶かした溶液をポンプで30分かけて反応器に追加導入
する。追加導入が終わった時点を全仕込み混合物基準の
計算値(仕込み値)とする。任意の時間で少量をサンプ
リングし、EDTA3カリウム塩の水溶液を加え攪拌
後、等容のメタノールを加えてポリマーを沈殿させる。
沈殿させたポリマーは濾過後メタノールで3度洗浄し、
145℃で1時間真空乾燥させる。乾燥させたポリマー
のηsp/cを測定する。
【0041】
【比較例1】一般的手順で述べた反応器の内部を窒素で
充分置換した後、酸化第一銅0.3386gと47wt
%臭化水素水溶液1.2960gを混合して入れ、ここ
にN,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン0.81
56g、ジ−n−ブチルアミン3.9486g、ブチル
ジメチルアミン10.0150g、トリオクチルメチル
アンモニウムクロライド0.24g及びトルエン66
8.292gを加えた。これに更に26.28gの2,
6−ジメチルフェノールを25.243gのトルエンに
溶かした溶液を加えた。窒素雰囲気下で攪拌しながら1
0分間放置した後、反応器に酸素を導入し、直ちに、プ
ランジャー式ポンプで、248.4gの2,6−ジメチ
ルフェノールを238.66gのトルエンに溶かした溶
液を30分かけて加えた。120分間重合反応を行っ
た。重合終了後の反応混合物にEDTA3カリウム塩の
10重量%水溶液を20.938g加え攪拌後、等容の
メタノールを加えてポリマーを沈殿させた。沈殿させた
ポリマーは濾過後メタノールで3度洗浄し、145℃で
1時間真空乾燥させた。乾燥させたポリマーのηsp/
cを測定し、重合時間に対するηsp/cを求めた。こ
こではηsp/c=0.463dl/gだった。
【0042】
【比較例2】比較例1において窒素雰囲気下で攪拌しな
がら20分間放置した以外は、全て比較例1の条件で行
った。ここではηsp/c=0.553dl/gだっ
た。
【0043】
【比較例3】比較例1において窒素雰囲気下で攪拌しな
がら30分間放置した以外は、全て比較例1の条件で行
った。ここではηsp/c=0.514dl/gだっ
た。
【0044】
【比較例4】比較例1と全く同じ条件で再度重合反応を
行った。ここではηsp/c=0.510dl/gだっ
た。
【0045】比較例1、比較例2、比較例3及び比較例
4とを比べると明らかなように一定時間重合させた後の
到達ηsp/cに差があることが判る。
【0046】
【実施例1】一般的手順で述べた反応器に、酸化第一銅
0.3386gと47wt%臭化水素水溶液1.296
0gを混合して入れ、ここにN,N’−ジ−t−ブチル
エチレンジアミン0.8156g、ジ−n−ブチルアミ
ン3.9486g、ブチルジメチルアミン10.015
0g、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド0.
24g及びトルエン668.292gを加えた。これに
更に26.28gの2,6−ジメチルフェノールを2
5.243gのトルエンに溶かした溶液を加えた。空気
雰囲気下で攪拌しながら1分間放置した後、反応器に酸
素を導入し、直ちに、プランジャー式ポンプで、24
8.4gの2,6−ジメチルフェノールを238.66
gのトルエンに溶かした溶液を30分かけて加えた。1
20分間重合反応を行った。重合終了後の反応混合物に
EDTA3カリウム塩の10重量%水溶液を20.93
8g加え攪拌後、等容のメタノールを加えてポリマーを
沈殿させた。沈殿させたポリマーは濾過後メタノールで
3度洗浄し、145℃で1時間真空乾燥させた。乾燥さ
せたポリマーのηsp/cを測定し、重合時間に対する
ηsp/cを求めた。ここではηsp/c=0.835
dl/gだった。
【0047】
【実施例2】実施例1において空気雰囲気下で攪拌しな
がら3分間放置した以外は、全て実施例1の条件で行っ
た。ここではηsp/c=0.843dl/gだった。
【0048】
【実施例3】実施例1において空気雰囲気下で攪拌しな
がら5分間放置した以外は、全て実施例1の条件で行っ
た。ここではηsp/c=0.839dl/gだった。
【0049】
【発明の効果】本発明で、従来には製造され得なかった
到達分子量が大きく、更に分子量が安定なポリフェニレ
ンエーテルの製造方法を提供することができる。このポ
リフェニレンエーテルは、フェノール性化合物と触媒を
酸素含有ガス雰囲気下で配合し、その混合物を使用し酸
素と接触させれば容易に製造できる。また、この配合方
法で生産性の向上の効果を持つといえる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種のフェノール性化合物を
    触媒及び重合用溶媒の存在下で、最初に酸素を1から9
    9容量%含有するガス雰囲気下において配合して混合物
    を作り、この混合物を使用し酸素と接触させてポリフェ
    ニレンエーテルを製造することを特徴とするポリフェニ
    レンエーテルの製造方法。
  2. 【請求項2】 該混合物を10から60℃の範囲内の温
    度で調整する請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 該混合物中のフェノール性化合物の濃度
    は1から99重量%である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 該触媒は、銅化合物−ハロゲン−アミン
    触媒である請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 触媒が、(a)銅化合物、(b)臭素化
    合物、(c)下記式(1) 【化1】 (式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ独立に水素、炭
    素数1から6の直鎖状または分岐状アルキル基で、全て
    が同時に水素ではない。R5は炭素数2から5の直鎖状
    またはメチル分岐を持つアルキレン基である)で表され
    るジアミン化合物、(d)第3級モノアミン、(e)第
    2級モノアミンの各成分からなる触媒である請求項4記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】 該混合物中に全てのフェノール性化合物
    を添加する請求項1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 該混合物中に一部のフェノール性化合物
    を分割して添加する請求項1記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 該重合反応中の固形分濃度が20重量%
    以上、50重量%以下である請求項6及び7項記載の製
    造方法。
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