JP2000281655A - アゼピン系化合物およびその製造方法 - Google Patents

アゼピン系化合物およびその製造方法

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JP2000281655A
JP2000281655A JP11089802A JP8980299A JP2000281655A JP 2000281655 A JP2000281655 A JP 2000281655A JP 11089802 A JP11089802 A JP 11089802A JP 8980299 A JP8980299 A JP 8980299A JP 2000281655 A JP2000281655 A JP 2000281655A
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azepine
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Tadahisa Sato
忠久 佐藤
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機EL素子及び電子写真用感光体等に使用が
提案されるアゼピン構造を有する化合物を製造する際に
有用な合成中間体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】一般式(I)で表される化合物及びその製
造方法を提供する。 【化1】 ((A)は、エチレン、ビニレンまたはo−アリーレン
基を表す。R1、R2、R 3は、フッ素原子、塩素原子、
アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、ジアルキルアミノ基、N−アルキル−N−アリー
ルアミノ基、ジアリールアミノ基、エステル基、ニトロ
基、シアノ基を表す。pは、1又は2を表す。l、m、
nは、0〜4の整数を表す。X1は、ハロゲン原子を表
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なアゼピン系化
合物およびその製造方法に関する。詳しくは有機エレク
トルミネッセンス素子および電子写真用電荷輸送剤とし
て有用な芳香族三級アミンの合成中間体である、含窒素
七員環のアゼピン構造を有する化合物およびその製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】バンスライクおよびタンらは、例えば米
国特許第4,539,507号明細書、同第4,72
0,432号明細書、特開平5−234,681号公報
においてフェニル基、フェニレン基、またはビフェニレ
ン基を含む芳香第三級アミン化合物を有機エレクトロル
ミネッセンス(EL)素子の電荷(正孔)輸送剤として
使用すると光出力の安定性が向上し、それによって素子
動作寿命が延びることを明らかにした。その後更なる光
出力の安定性を計るためにに電荷(正孔)輸送剤に用い
る芳香族第三級アミン化合物の改良は多くの研究者によ
り試みられ、多くの特許出願および学術文献への報告が
なされている(例えば、Japanese Journ
al ofApplied Physics,27,L
269(1988)、特開昭59−194393号公
報、Appl.Phys.Lett.,66,2679
(1995)、特開平5−234681号公報、同7−
331238号公報、同8−48656号公報、WO9
5/09147号公報、Appl.Phys.Let
t.,65,807(1994)、特公平7−1109
40号)。
【0003】1930年代、カールソンが発明した電子
写真記録方式は、今日まで飛躍的な発展を遂げ、その技
術の進歩はフルカラー化をも実現している。この過程
で、感光体についても著しい改良が加えられ、当初主流
であった無機感光体は現在では限定された機種に使用さ
れているだけで、高い安全性と優れた生産性があり、比
較的安価である等の特徴を持った有機感光体の使用が一
般的になってきている。有機感光体に用いられる電荷輸
送剤は、感光体の性能を左右する重要な材料であるが、
実用化されているものには芳香族三級アミン構造を持つ
化合物が比較的多い(特公昭58−32372号公報、
特開昭57−148750号公報、同58−19804
3号公報等)。芳香族三級アミン構造は高いキャリアー
移動度を実現するのに重要であるといわれる(電子写真
学会誌, 29, 366(1990))。
【0004】このように、芳香族三級アミン化合物は有
機EL素子および電子写真感光体等の電荷輸送剤として
重要な化合物であるので、その薄膜形成性、耐熱性、耐
擦性の観点より改良の研究が精力的に行われているが、
その一つとして芳香族三級アミン構造としてアゼピン構
造を有する化合物の使用の有効性が提案されている(特
開平10−59943号、同10−219241号)。
そこで、このようなアゼピン構造を有する化合物を簡便
に製造する方法が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
EL素子および電子写真用感光体などに使用が提案され
ているアゼピン構造を有する化合物を製造する際に有用
な合成中間体を提供することにある。本発明の他の目的
は、その有用な合成中間体を製造する簡便な方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、ある種のアゼピン系化合物が、有機EL素子およ
び電子写真用感光体などに使用が提案されているアゼピ
ン構造を有する化合物を製造する際に有用な合成中間体
となることを見出し、さらに同時にその簡便な製造方法
を見出し本発明をなすに至った。
【0007】すなわち、本発明によれば、下記のアゼピ
ン系化合物およびその製造方法が提供されて、本発明の
上記目的が達成される。 (1)下記一般式(I)で表わされる化合物。
【0008】
【化4】
【0009】(A)は、エチレン、ビニレンまたはo−
アリーレン基を表す。これらの基は、置換されていても
よい。R1、R2およびR3は、同一または異なって、フ
ッ素原子、塩素原子、アルキル基、アリール基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ジアルキルアミノ基、N−
アルキル−N−アリールアミノ基、ジアリールアミノ
基、エステル基、ニトロ基またはシアノ基を表す。p
は、1または2である。但し、(A)がエチレンまたは
ビニレン基の場合、pは1である。l、mおよびnは、
同一または異なって、0〜4の整数を表す。X1は、ハ
ロゲン原子を表す。但し、(A)がo−フェニレン基で
あり、かつl、mおよびnが0である場合、pが1のと
きは、X1は臭素以外のハロゲン原子を表し、pが2の
ときは、X1はヨウ素以外のハロゲン原子を表す。
【0010】(2)下記一般式(II)で表される化合物
と一般式(III)で表される化合物とを反応させること
を特徴とする一般式(I)で表される化合物の製造方
法。
【0011】
【化5】
【0012】上記一般式(II)中、(A)、R1、R2
l、およびmは、上記一般式(I)の場合と同義であ
る。
【0013】
【化6】
【0014】上記一般式(III)中、R3、X1、nおよ
びpは、上記一般式(I)の場合と同義であり、X
2は、塩素、臭素またはヨウ素原子を表す。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。まず、
一般式(I)、(II)および(III)における(A)、
1、R2、R3、X1、X2、l、m、n、およびpにつ
いて説明する。
【0016】(A)は、置換または無置換のエチレン、
ビニレンおよびo−アリーレン基を表すが、その具体例
(無置換の基の例で示す)を示せば、例えば下記の基で
ある。
【0017】
【化7】
【0018】(A)が置換基を有する場合、好ましい置
換基は後述するR1、R2およびR3と同義の基である。
【0019】好ましい(A)は置換もしくは無置換のo
−フェニレン基であり、特に好ましくは無置換またはア
ルキル基置換のo−フェニレン基である。
【0020】R1、R2およびR3は、同一または異なっ
て、フッ素原子、塩素原子、アルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、ジアルキルアミノ
基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、ジアリール
アミノ基、エステル基、ニトロ基またはシアノ基を表
す。
【0021】上記アルキル基としては、炭素数1〜20
のものが好ましく、具体的には、メチル、エチル、イソ
プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ドデシル、シ
クロヘキシルなどが挙げられる。上記アリール基として
は、炭素数6〜36のものが好ましく、具体的には、フ
ェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニ
ル、ピレニル、ナフタセニル、ペンタセニル、ペンタフ
ェニルなどが挙げられる。上記アルコキシ基としては、
炭素数1〜20のものが好ましく、具体的には、メトキ
シ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ヘキシルオキシ、
シクロヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキ
シなどが挙げられる。上記アリールオキシ基としては、
炭素数6〜36のものが好ましく、具体的には、フェノ
キシ、ナフトキシ、アントラセノキシ、ペンタセノキシ
などが挙げられる。
【0022】上記ジアルキルアミノ基としては、炭素数
2〜20のものが好ましく、具体的には、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジオクチルアミ
ノ、N−エチル−N−ブチルアミノなど挙げられる。N
−アルキル−N−アリールアミノ基としては、炭素数7
〜42のものが好ましく、具体的には、N−メチル−N
−フェニルアミノ、N−エチル−N−フェニルアミノ、
N−イソプロピル−N−(3−メチルフェニル)アミ
ノ、N−メチル−N−(1−ナフチル)アミノ、もしく
はN−ブチル−N−(1−ナフタセニル)アミノなどが
挙げられる。ジアリールアミノ基としては、炭素数12
〜48のものが好ましく、具体的には、ジフェニルアミ
ノ、N−フェニル−N−(1−ナフチル)アミノ、N−
(1−ナフチル)−N−(1−ナフチル)アミノ、N−
フェニル−N−(1−アントラセニル)アミノ、もしく
はN−(1−アントラセニル)−N−(1−フェナント
レニル)アミノなどを挙げることができる。、エステル
基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、具体的
には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オク
チルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ナフチ
ルオキシカルボニルなどを挙げることができる。
【0023】これらの基が置換基を有する場合、その置
換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、
カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、
アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル
アミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルフ
ァモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、
ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモ
イルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボ
ニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニ
ル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、ア
シル基、シリル基またはアゾリル基があげられる。
【0024】R1、R2およびR3は、塩素原子、アルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基、ジアリールアミノ基
またはニトロ基であることが好ましく、アルキル基、ア
リール基、ジアリールアミノ基またはニトロ基であるこ
とが特に好ましい。
【0025】l、m、nは0〜4の整数を表すが、好ま
しくは0または1である。pは、1または2である。但
し、(A)がエチレンまたはビニレン基の場合は1であ
り、(A)がo−アリーレン基の場合は1および2のい
ずれでもよく、好ましくは2である。なお、本発明で
は、pが2の場合、括弧内の基はビフェニルを主骨格と
する。
【0026】X1は、ハロゲン原子を表し、具体的に
は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を表す。但
し、(A)がo−フェニレン基であり、かつl、mおよ
びnが0である場合、pが1のときは、X1は臭素以外
のハロゲン原子を表し、pが2のときは、X1はヨウ素
以外のハロゲン原子を表す。また、(A)がo−フェニ
レン基であり、かつpが1であれば、X1は、好ましく
はヨウ素原子である。(A)がo−フェニレン基であ
り、かつpが2であれば、X1は、好ましくは臭素原子
である。また、(A)がエチレン、ビニレン、またはo
−フェニレン以外のo−アリーレン基の場合、X1は、
好ましくは臭素またはヨウ素原子である。X1が結合す
る位置は、オルト、メタまたはパラ位であるが、好まし
くはパラ位である。
【0027】X2は、塩素、臭素またはヨウ素原子を表
すが、好ましくは臭素またはヨウ素原子である。
【0028】次に、本発明の一般式(I)で表わされる
アゼピン系化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】次に本発明の一般式(II)で表される化合
物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0034】
【化12】
【0035】
【化13】
【0036】次に本発明の一般式(III)で表される化
合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】次に本発明の化合物の合成法について以下
説明する。代表的合成法を(スキーム1)に示した。
【0040】
【化16】
【0041】出発物質である、一般式(II)で表される
アゼピン系化合物の合成は、B.Renfroe,C.
Harrington,G.R.Proctor,”T
heChemistry of Heterocycl
ic Compounds”,Vol.43、Part
1、1984、John Wiley & Sons
Inc.およびH.C.Axtell et a
l.,J.Org.Chem.,56、3906(19
91)に記載の方法に基づき行うことができるし、一部
は市販されている。また、一般式(III)で表される
1,4−ジハロベンゼンおよび4,4’−ジハロビフェ
ニルの多くは市販されており、容易に入手可能である。
【0042】一般式(II)で表されるアゼピン系化合物
と一般式(III)で表される化合物から一般式(I)で
表されるアゼピン系化合物の合成を、金属銅触媒と塩基
を用いるウルマン型反応で行う場合、一般に高沸点炭化
水素(デカリンなど)、モノもしくはジクロロベンゼン
またはニトロベンゼンなどの有機溶媒中(例えば米国特
許第4,764,625号明細書参照)で加熱して行わ
れる。しかしながら、しばしば反応の進行が極めて遅
く、なかなか反応が完結しない場合がある。そのような
場合には無溶媒で溶融状態で反応を行うと、反応の進行
が速くかつ反応が比較的クリーンに進行する場合が多
い。
【0043】一般式(II)で表される化合物と一般式
(III)で表される化合物の混合比は、モル比((I
I):(III))で1:1から1:20であり、一般には
1:1から1:10で行うのが好ましい。溶媒の使用量
は一般式(II)の化合物に対して重量比で0〜100倍
用いられるが、好ましくは0〜5倍である。反応温度
は、好ましくは130〜250℃であり、特に好ましく
は150〜200℃である。無溶媒で行う場合は、好ま
しい温度は混合物が溶融する温度以上である。反応時間
は1時間から200時間であり、好ましくは3時間から
100時間である。用いられる銅触媒は、金属銅または
ハロゲン化銅であり、一般には金属銅が用いられる。触
媒の好ましい使用量は、一般式(II)の化合物1モルに
対して0.01〜5.0モルであり、特に好ましくは
0.1〜1.0モルである。用いられる塩基は、アルカ
リ金属の水酸化物、炭酸塩、アルコキシドなどであり、
好ましくはアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩である。塩
基の好ましい使用量は、一般式(II)の化合物1モルに
対して、0.8〜5.0モルであり、特に好ましくは
1.0〜1.5モルである。
【0044】一般式(I)で表されるアゼピン系化合物
の精製法として、一般式(III)で表される化合物を過
剰に用いた場合は、それを除去するために昇華法を利用
すると精製が容易になる。すなわち、反応後の反応液を
有機溶媒(クロロホルムが効果的な場合が多い)で抽出
し、抽出液を濃縮後昇華装置を用いて過剰な一般式(II
I)の化合物を常圧または減圧下に加熱昇華させて除
き、その後一般式(I)で表される化合物を含有する昇
華残渣をカラムクロマトグラフィ、再結晶法および昇華
法を適宜用いて精製すると高純度の一般式(I)で表さ
れるアゼピン系化合物を得ることができる。
【0045】
【実施例】以下に実施例に基づき本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものでは
ない。
【0046】実施例1(例示化合物(I−2)の合成) 9H−トリベンズ[b,d,f]アゼピン(II−1)
3.0g(12.3mmol)と1,4−ジヨードベン
ゼン(III−1)40.6g(123mmol)、炭酸
カリウム2.5g(18.5mmol)および銅粉78
mgを混合し、窒素気流下約180℃で約30時間加熱
撹拌した。室温近くに冷却した後クロロホルムと少量の
水を加え、不溶物を除くためセライトろ過を行った。ろ
液に更に水を加え、抽出操作を行った。得られた反応濃
縮物を昇華装置に移し、減圧下外温約180℃に加熱す
ると未反応の1,4−ジヨードベンゼンが昇華した。こ
の方法で出来る限り1,4−ジヨードベンゼンを除いた
後、残渣にクロロホルムを加え再結晶操作を行うことに
より9−(4−ヨードフェニル)トリベンズ[b,d,
f]アゼピン(I−1)3.9g(収率71.4%)を
得ることができた。融点240〜243℃。 NMR(CDCl3);δ(ppm) 6.00(2H,d,J=11.
0), 7.16(2H,d,J=11.0),7.25〜7.70(16H).
【0047】実施例2(例示化合物(I−6)の合成) 9H−トリベンズ[b,d,f]アゼピン(II−1)
3.0g(12.3mmol)と4,4’−ジブロモビ
フェニル(III−12)38.5g(123mmo
l)、炭酸カリウム2.5g(18.5mmol)およ
び銅粉78mgを混合し、窒素気流下外温約200℃で
約50時間加熱撹拌した。室温近くに冷却した後クロロ
ホルムと少量の水を加え、不溶物を除くためセライトろ
過を行った。ろ液に更に水を加え、抽出操作を行った。
得られた反応濃縮物を昇華装置に移し、減圧下(約10
mmHg)外温150〜180℃に加熱すると未反応の
4,4’−ジブロモビフェニルが昇華した。この方法
で、出来る限り4,4’−ジブロモビフェニルを除いた
後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
液;n−ヘキサンに引き続くn−ヘキサン:酢酸エチル
=10:1の混合溶媒)で分離精製するとやや不純物を
含む9−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)トリベ
ンズ[b,d,f]アゼピン(I−6)を結晶として
5.0g得ることができた。この結晶を少量のジクロロ
メタンを含むエタノールで再結晶することにより純粋な
(I−6)を3.8g(収率65.5%)得ることがで
きた。融点165〜168℃。 NMR(CDCl3);δ(ppm)6.38(2H,d,J=11.
0), 7.00(2H,d,J=11.0), 7.35〜7.75(12H).
【0048】実施例3(例示化合物(I−12)の合
成) 5H−ジベンズ[d,f]アゼピン(II−6)50g
(259mmol)と1,4−ジヨードベンゼン(III
−10)200g(707mmol)、水酸化カリウム
(85%)63g(389mmol)、銅粉16.5g
(259mmol)およびデカリン300mlを混合
し、窒素気流下外温約200℃で約110時間加熱撹拌
した。室温近くに冷却した後クロロホルムと少量の水を
加え、不溶物を除くためセライトろ過を行った。ろ液に
更に水を加え、抽出操作を行った。エバポレータ濃縮に
より得られたデカリン溶液をさらに、減圧濃縮(150
℃/約10mmHg)して、約200mlのデカリンを
除去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液;n−ヘキサン:酢酸エチル=50:1の混合
溶媒)で分離精製するとやや不純物を含む5−(4−ヨ
ードフェニル)ジベンズ[d,f]アゼピン(I−1
2)を結晶として52g(約51%)得ることができ
た。この結晶をアセトニトリルで再結晶することにより
純粋な(I−12)を40g得ることができた。融点1
14〜115℃。 NMR(CDCl3);δ(ppm)6.05(2H,d,J=11.
0), 6.82(2H,s), 7.22(2H,d,J=11.0), 7.30〜7.54(8H)
【0049】
【発明の効果】本発明の新規なアゼピン系化合物および
その合成法は、有機EL素子用正孔輸送剤および電子写
真用電荷輸送剤に有用な芳香族三級アミン化合物、例え
ば特開平10−59943号、同10−219241号
に記載の化合物の合成を容易にし、その有用性を高め
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされる化合物。 【化1】 一般式(I)中:(A)は、エチレン、ビニレンまたは
    o−アリーレン基を表す。これらの基は、置換されてい
    てもよい。R1、R2およびR3は、同一または異なっ
    て、フッ素原子、塩素原子、アルキル基、アリール基、
    アルコキシ基、アリールオキシ基、ジアルキルアミノ
    基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、ジアリール
    アミノ基、エステル基、ニトロ基またはシアノ基を表
    す。pは、1または2である。但し、(A)がエチレン
    またはビニレン基の場合、pは1である。l、mおよび
    nは、同一または異なって、0〜4の整数を表す。X1
    は、ハロゲン原子を表す。但し、(A)がo−フェニレ
    ン基であり、かつl、mおよびnが0である場合、pが
    1のときは、X1は臭素以外のハロゲン原子を表し、p
    が2のときは、X1はヨウ素以外のハロゲン原子を表
    す。
  2. 【請求項2】 下記一般式(II)で表される化合物と一
    般式(III)で表される化合物とを反応させることを特
    徴とする一般式(I)で表される化合物の製造方法。 【化2】 上記一般式(II)中、(A)、R1、R2、l、およびm
    は、上記一般式(I)の場合と同義である。 【化3】 上記一般式(III)中、R3、X1、nおよびpは、上記
    一般式(I)の場合と同義であり、X2は、塩素、臭素
    またはヨウ素原子を表す。
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