JP2000273567A - 成形性および耐食性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents
成形性および耐食性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法Info
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Abstract
焼付後の強度を有する自動車ボディ用として好適なアル
ミニウム合金板を提供する。 【解決手段】 Al−Mg−Si系アルミニウム合金板
において、その熱分析曲線がMg−Siクラスター溶解
に相当する吸熱ピークを有することを特徴とする成形性
および耐食性に優れたアルミニウム合金板。好ましく
は、mass%で、Mg:0.2〜1.1%、Si:
0.6〜1.7%を含有し、Ti:0.15%以下、
B:0.05%以下、Mn:0.4%以下、Fe:0.
3%以下、Zn:1.0%以下のうち一種以上を、さら
に含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるよ
うにする。
Description
性に優れる、自動車ボディシ−ト等に好適なアルミニウ
ム合金板およびその製造方法に関する。
体軽量化の要望が高まっており、軽量化手段の一つとし
て自動車ボディシ−ト等へのアルミニウム合金板の使用
が行われている。自動車のボディシート用材料として
は、プレス成形性に優れるだけではなく、塗装焼付後の
強度や、耐食性等に優れることが要求される。現在使用
されている自動車ボディシ−ト用アルミニウム合金とし
ては、非熱処理型のAl−Mg系合金と、熱処理型のA
l−Mg−Si系とが用いられている。
ともに延性が向上することから、成形性に優れたアルミ
ニウム合金として、我が国では自動車ボデイパネルに多
用されている。しかしながら、Al−Mg系合金では、
Al−Mg−Si系合金より成形性は優れているもの
の、プレス成形の際にストレッチャー−ストレイン模様
が現れて表面品位を損なう場合があることや、塗装焼付
時に軟化してしまい、耐デント性に劣るという問題点が
ある。
ストレッチャー−ストレイン模様はほとんど出現のしな
いことや、塗装焼付工程の熱処理を活用して降伏強度の
上昇も図り得るという長所を有するが、Al−Mg系合
金に比べて成形性に劣るという問題点があり、自動車ボ
ディパネル用としては、その適用に限界があった。この
ように自動車ボデイパネル用アルミニウム合金として
は、プレス成形性に優れるとともに、プレス後の表面品
位にも優れ、塗装焼付によって十分な強度がえられるこ
とが求められている。
対して、例えば特開平1−287244号公報では、時
効硬化性を有するAl−Cu−Mg−Si系合金を芯材
として、良好な成形性を有し、かつストレッチャー−ス
トレイン模様も問題のない純Alを皮材としたアルミニ
ウム合金合わせ板が提案されており、プレス成形性と塗
装焼付硬化性が両立されている。しかしながら、合わせ
板では、製造コストが高くなるとともに、端面において
異種金属接触腐食を起こす懸念がある。本発明は、単板
でプレス成形性に優れるとともに、塗装焼付によって十
分な強度が得られ、かつ耐食性にも優れる自動車用アル
ミニウム合金板を提供することを目的としたものであ
る。
的を達成するために、先ずアルミニウム合金板の成形性
に及ぼす材料因子について種々検討した結果、溶質原子
が溶体化後室温近傍の温度で形成されるMg−Siクラ
スターとして存在すると、(TS−YS)値が高くな
り、成形性に優れることを見出した。しかし、このMg
−Siクラスターは、塗装焼付時のG.P.ゾーンの析
出を阻害し、塗装焼付け処理時には大きな強度上昇は期
待できないが、合金成分および製造方法を特定すること
によって、塗装焼付により軟化してしまうAl−Mg系
合金以上の十分な強度が得られることもわかった。そし
てこのMg−Siクラスターは通常の熱分析法の一つで
ある示差走査熱分析法によって、その形成の有無を知る
ことができることがわかった。
ので、その要旨とするところは、 (1)Al−Mg−Si系アルミニウム合金板におい
て、その熱分析曲線がMg−Siクラスター溶解に相当
する吸熱ピークを有することを特徴とする成形性および
耐食性に優れたアルミニウム合金板。 (2)mass%で、Mg:0.2〜1.1%、Si:
0.6〜1.7%を含有し、残部がAlおよび不可避的
不純物からなることを特徴とする前記(1)に記載の成
形性および耐食性に優れたアルミニウム合金板。
下、B:0.05%以下、Mn:0.4%以下、Fe:
0.3%以下、Zn:1.0%以下のうち一種以上を、
さらに含有することを特徴とする前記(2)に記載の成
形性および耐食性に優れたアルミニウム合金板。 (4)冷間圧延後、450〜580℃の温度で溶体化処
理を施した後に10℃/s以上の冷却速度で室温まで冷
却することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか
に記載の成形性および耐食性に優れたアルミニウム合金
板の製造方法。
て、溶体化処理を施して室温まで冷却した後に、室温で
1日以上放置し、その後さらに50〜120℃の温度で
1〜50時間の熱処理を行うことを特徴とする成形性お
よび耐食性に優れたアルミニウム合金板の製造方法。 (6)冷間圧延後、450〜580℃の温度で溶体化処
理を施した後に10℃/s以上の冷却速度で室温以上7
0℃以下の温度まで冷却し、室温以上70℃以下の温度
に保持して1〜100時間の熱処理を行うことを特徴と
する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の成形性およ
び耐食性に優れたアルミニウム合金板の製造方法であ
る。
する。本発明者らは、上記の目的を達成するために、先
ずアルミニウム合金板の成形性に及ぼす材料因子につい
て種々検討した結果、合金板の(TS−YS)値(T
S:引張強さ、YS:耐力)を高めると、プレス成形性
が向上することを見出した。次に、ストレッチャー−ス
トレイン模様の発生もなく、また時効硬化性を有するA
l−Mg−Si系合金において、プレス成形性に及ぼす
溶質原子の存在状態、合金成分および製造条件の影響に
ついて鋭意検討した。
与するために強度および成形性に有効とされるCuは添
加しないことを前提としている。種々検討の結果、溶質
原子が溶体化後室温近傍の温度で形成されるMg−Si
クラスターとして存在すると、(TS−YS)値が高く
なり、成形性に優れることを見出した。また、一般的な
塗装焼付け条件である180℃程度で30分間足らずの
熱処理では、このMg−Siクラスターは安定に存在す
るために、溶質原子の過飽和固溶量を減少させ、G.
P.ゾーンの析出を阻害してしまう。その結果、塗装焼
付け処理時には大きな強度上昇は期待できないが、合金
成分および製造方法を特定することによって、塗装焼付
により軟化してしまうAl−Mg系合金以上の十分な強
度が得られることもわかった。
熱分析法のである示差熱分析法(DTA)や示差走査熱
分析法(DSC)によって、その形成の有無を知ること
ができる。発明者らは理学電機株式会社製示差走査熱量
計DSC−8230Dを用いてMg−Siクラスター形
成を評価した。本機器を用いて、昇温速度20℃/分で
測定した場合の典型的な測定結果を図1に示す。Mg−
Siクラスターが存在していれば、5〜30℃/分の昇
温速度で測定した際、図1のような示差走査熱分析曲線
において150〜250℃の温度範囲にてMg−Siク
ラスターの溶解に相当するピークLが認められる。熱の
出入りのない温度域を基準にベースラインをひき、Lの
ピーク面積(熱量に相当)が概ね0.3cal/g以上
あればピークが存在するとした。
結果において、Mg−Siクラスター溶解に相当する吸
熱ピークの認められるAl−Mg−Si系合金は、成形
性に優れ、さらに合金成分等を特定することで塗装焼付
によりAl−Mg系合金以上の強度を得ることが可能で
あることがわかった。また、示差走査熱分析法による測
定結果においてMg−Siクラスター溶解に相当する吸
熱ピークの認められるAl−Mg−Si系合金板の好適
な成分系は以下の通りである。主要な合金成分としては
MgとSiの成分関係をバランス組成よりもSi過剰と
し、時効性に優れた成分系とする方が、溶体化処理後に
成形性向上に有効なMg−Siクラスターを形成させる
点で好ましい。
理由について説明する。 MgとSi:MgとSiは本発明の必須の基本成分であ
り、微細なMg−Siクラスターを形成して、高い成形
性ならびに十分な塗装焼付硬化性を得るために含有させ
る。また成分範囲としては、バランス組成に対してSi
過剰側である、Mg:0.2〜1.1mass%、S
i:0.6〜1.7mass%の範囲とするのが好まし
い。Siが0.6mass%未満でもまた成形性および
塗装焼付硬化性が得られなくなってしまう。一方、Mg
が過剰になり1.0mass%を越えて含有されるとバ
ランス組成に近づき、成形性および塗装焼付け効果性が
低下する。またMgが0.2mass%未満では、上記
の特性が得にくくなる。
Ti、B、Mn、Fe、Znのうち1種類以上を含有さ
せてもよい。 TiとB:TiとBは微量添加により鋳塊の結晶粒を微
細化してプレス成形性等を改善する効果を有するので、
Tiの含有量は0.15mass%以下、Bの含有量は
0.05mass%以下の範囲に規定するのが好まし
い。それぞれの含有量がTi 0.15mass%、B
0.05mass%を超えると粗大な晶出物を形成
し、成形性が劣化するので、それぞれ0.15mass
%、0.05mass%を上限とするのが好ましい。
0.4mass%以下で含有させるとよい。その含有量
が0.4mass%を超えると粗大晶出物が生成し、成
形性を低下させるので0.4mass%を上限とするの
が良い。Fe:Feは強度向上効果は小さく、その含有
量が0.3mass%を超えると粗大晶出物が生成し、
成形性を低下させるので0.3mass%を上限とする
のが好ましい。
0mass%以下で含有させるとよい。その含有量が
1.0mass%を超えると成形性を低下させるので
1.0mass%を上限とするのが好ましい。 上記元素の他、通常のアルミニウム合金と同様、不可避
的不純物が含有されるが、その量は本発明の効果を損な
わない範囲であれば許容される。
温まで急冷してMgおよびSi溶質を過飽和に固溶さ
せ、室温時効によりMg−Siクラスターを形成させる
方法を基本とする。そして室温時効だけではMgおよび
Si溶質の拡散が遅く短時間では十分な強度特性が得ら
れない場合には、室温時効後に50〜120℃の温度範
囲で引き続き熱処理を行うことが有効である。
が約70℃以下であることから、溶体化後に室温以上7
0℃以下のMg−Siクラスター温度範囲に急冷し、そ
の温度範囲にて時効する方法も有効である。まず、本発
明はAl−Mg−Si系アルミニウム合金板において、
優れたプレス成形性を有するために、示差走査熱分析曲
線にMg−Siクラスターの溶解に相当するピークが認
められるものとする。このピークの存在が、Mg−Si
クラスターの存在を立証し、優れたプレス成形性が確保
されるものである。
製造方法について詳しく説明する。本発明のAl−Mg
−Si系アルミニウム合金は、常法に従って鋳造、熱間
および冷間圧延を施すが、Mg−Siクラスターを形成
させて優れた成形性を得るためには、冷間圧延後、45
0〜580℃の範囲内の温度で溶体化処理を施して10
℃/s以上の冷却速度で室温まで冷却することが有効で
ある。上記工程の溶体化処理条件としては、450℃以
下の温度では成形性向上ならびに塗装焼付硬化性確保
(時効硬化)に寄与するMg、Si原子がAl母相中に
十分に固溶せずに、第2相として析出してしまうため
に、成形性向上ならびに塗装焼付硬化性の確保が得られ
ず、またヘム曲げ性を低下させてしまう。
部分溶解が生じてしまう。そのために溶体化処理温度は
450〜580℃の範囲内とした。また、上記の溶体化
温度での保持については、溶質原子の固溶が十分に行わ
れるのならば、保持なし(溶体化処理温度到達後、すぐ
に冷却)でも、ある程度の保持時間をとっともよい。溶
体化処理後の冷却速度を10℃/s未満にすると、冷却
中に第2相が析出し、ヘム曲げ性が低下するとともに、
Mg、Si過飽和固溶量が減少してしまい、成形性向上
に有効なMg−Siクラスター形成量が少なくなるとと
もに、塗装焼付硬化能も低下してしまう。そのため、溶
体化処理温度から室温までの冷却速度は10℃/s以上
とした。
範囲内の温度で溶体化処理を施して10℃/s以上の冷
却速度で室温まで冷却した後、室温で1日以上放置し、
その後50〜120℃の温度範囲で1〜50時間の熱処
理を施すことが、優れた成形性を得るために有効であ
る。上記工程の溶体化処理温度および冷却速度条件の設
定理由は前述した理由と同じである。溶体化後室温での
放置時間が1日未満であると、成形性向上に寄与するM
g−Siクラスターの形成量が少なくなってしまう。
よびSi溶質の拡散が遅く、短期間では十分な強度特性
が得られず、工業的な生産性の観点で問題が生じる場合
がる。その場合には、室温時効後に50〜120℃の温
度範囲で引き続き熱処理を行うことが有効である。本熱
処理の範囲の規定理由としては、50℃未満、1時間未
満の処理では、十分な強度上昇が得られず、120℃
超、50時間超では逆に強度上昇が大きくなりすぎてし
まうためである。
範囲内の温度で溶体化処理を施して10℃/s以上の冷
却速度で室温以上70℃以下の温度まで冷却し、室温以
上70℃以下の温度で1〜100時間の熱処理を行うこ
とが、優れた成形性を得るために有効でる。溶体化処理
後に冷却する温度範囲の規定理由としては、70℃を越
えるとMg−SiクラスターではなくGPゾーンが形成
されてしまい、室温以下ではMg−Siクラスターは形
成されるものの、MgおよびSiの拡散が遅くMg−S
iクラスターの形成に長時間を要してしまうためであ
る。ここでの室温とは、概ね25℃である。
1時間未満ではMg−Siクラスター形成量が不十分で
あり、100時間以上では強度上昇が大きくなりすぎて
しまうためである。このようにして得られたアルミニウ
ム合金板は、成形加工性に優れ、かつ塗装焼付後にも5
000系合金と同等以上の十分な強度が得られる。した
がってこのようなアルミニウム合金板は自動車のボディ
シ−ト用として好適である。
を、通常の方法で溶解・鋳造、圧延して板厚1mmの板
にした。そして上記圧延板に対して550℃で10秒保
持の溶体化処理を施した後室温まで20℃/sの平均冷
却速度で空冷して、アルミニウム合金板を製造した。製
造後、10日間室温に放置した後に、理学電機(株)製
示差走査熱量計DSC−8230Dを用いてMg−Si
クラスター溶解ピークの有無を調べるとともに、引張特
性、成形性(深絞り試験、球頭張出試験)を調査した。
さらに塗装焼付硬化性を評価するために、プレスにより
受ける加工に相当する2%の予ひずみを与えた後に塗装
焼付処理に相当する170℃で20分の熱処理を行い、
耐力を調査した。それらの調査結果を表2に示す。
と同等以上のほぼ十分な塗装焼付硬化性を有するアルミ
ニウム合金板の提供を目的としていることから、合金板
の成形性能として、限界絞り比:2.00以上、エリク
セン値:10.2以上、塗装焼付硬化性としては塗装焼
付け後の耐力:140MPa以上を目標とした 表2より、本発明のアルミニウム合金板No.1〜10
は、Mg−Siクラスター溶解に相当する吸熱ピークが
存在して、成形性に優れ、かつ塗装焼付後の強度も14
0MPa以上であることがわかる。また本発明以外の成
分を有する比較例の合金No.10〜12ではMg−S
iクラスターの形成が不十分であるために成形性が低
く、また塗装焼付硬化性も低い。一方、合金No.1
4、15では、本発明例に対して成形性で劣ってしま
う。つまり、本発明は、良好な成形性と十分な塗装焼付
硬化性を兼ね備えたアルミニウム合金板を製造すること
が可能とする。
の圧延板に対して、550℃で10秒保持の溶体化処理
を施した後に冷却速度を制御して室温まで空冷した。空
冷後、室温放置の後に、引き続き熱処理を行った。溶体
化後の平均冷却速度、空冷から熱処理までの放置時間、
室温放置後の熱処理条件を表3に示す。このようにして
製造したアルミニウム合金板に対して、実施例1で行っ
たものと同様な調査を実施した。その調査結果を表4に
示す。製造条件は冷却速度が小さすぎて十分な過飽和
固溶体が得られなかったため、製造条件は溶体化後の
室温での放置が不十分であったのに、Mg−Siクラス
ターの形成が認められず、良好な成形性が得られなかっ
たものである。また製造条件は熱処理が不十分であっ
たために初期強度が低く、塗装焼付後の耐力が不足して
しまい、製造条件は熱処理による強度上昇が大きすぎ
て、成形性が劣化してしまった。このように、本発明内
の製造条件で処理を行ったものは上述の比較例の製造条
件に対して、成形性に優れるとともに、十分な塗装焼付
硬化量も備わっていることがわかる。
の圧延板に対して、550℃で10秒保持の溶体化処理
を施した後に20℃/sの平均冷却速度である温度まで
空冷した。空冷後、引き続き熱処理を行った。溶体化後
の空冷温度および引き続き行う熱処理の条件を表5に示
す。このようにして製造したアルミニウム合金板に対し
て、実施例1で行ったものと同様な調査を実施した。そ
の調査結果を表6に示す。表6に示すように、本発明内
の製造条件で処理を行ったものは上述の比較例の製造条
件に対して、成形性に優れるとともに、十分な塗装焼付
硬化量も備わっていることがわかる。
に、十分な塗装焼付硬化性を有しており、成形性および
焼付後の耐デント性が必要とされる自動車ボディ用など
に好適なアルミニウム合金板が提供できるので、自動車
重量の軽量化に大いに寄与できる。したがって、本発明
の産業上の価値は極めて高いといえる。
の一例を示した図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 Al−Mg−Si系アルミニウム合金板
において、その熱分析曲線がMg−Siクラスター溶解
に相当する吸熱ピークを有することを特徴とする成形性
および耐食性に優れたアルミニウム合金板。 - 【請求項2】 mass%で、 Mg:0.2〜1.1%、 Si:0.6〜1.7% を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるこ
とを特徴とする請求項1に記載の成形性および耐食性に
優れたアルミニウム合金板。 - 【請求項3】 mass%で、 Ti:0.15%以下、 B :0.05%以下、 Mn:0.4%以下、 Fe:0.3%以下、 Zn:1.0%以下 のうち一種以上を、さらに含有することを特徴とする請
求項2に記載の成形性および耐食性に優れたアルミニウ
ム合金板。 - 【請求項4】 冷間圧延後、450〜580℃の温度で
溶体化処理を施した後に10℃/s以上の冷却速度で室
温まで冷却することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載の成形性および耐食性に優れたアルミニウム合
金板の製造方法。 - 【請求項5】 請求項4に記載の製造方法において、溶
体化処理を施して室温まで冷却した後に、室温で1日以
上放置し、その後さらに50〜120℃の温度で1〜5
0時間の熱処理を行うことを特徴とする成形性および耐
食性に優れたアルミニウム合金板の製造方法。 - 【請求項6】 冷間圧延後、450〜580℃の温度で
溶体化処理を施した後に10℃/s以上の冷却速度で室
温以上70℃以下の温度まで冷却し、室温以上70℃以
下の温度に保持して1〜100時間の熱処理を行うこと
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形性お
よび耐食性に優れたアルミニウム合金板の製造方法。
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